JPH09194769A - カチオン電着塗料組成物 - Google Patents

カチオン電着塗料組成物

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JPH09194769A
JPH09194769A JP8024873A JP2487396A JPH09194769A JP H09194769 A JPH09194769 A JP H09194769A JP 8024873 A JP8024873 A JP 8024873A JP 2487396 A JP2487396 A JP 2487396A JP H09194769 A JPH09194769 A JP H09194769A
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JP
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compound
polyurethane
epoxy resin
active hydrogen
molecule
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JP8024873A
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English (en)
Inventor
Tadayoshi Hiraki
忠義 平木
Kazuyuki Morimoto
和之 森本
Takahisa Kasukawa
高久 粕川
Hidehiko Haishi
秀彦 羽石
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化触媒としての有機錫化合物を用いる必要
がなく、安定性及び低温硬化性に優れ、しかも耐候性、
防食性に優れた塗膜を形成し得るカチオン電着塗料を提
供すること。 【解決手段】 本発明は、 I.(A) 数平均分子量が50〜8000のポリヒド
ロキシ化合物(a)、ポリイソシアネート化合物
(b)、及び1分子中に1個の活性水素を有する化合物
(c)の反応により得られる1分子中に1個の末端イソ
シアネート基を有するポリウレタン化合物、(B) 1
分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するビスフエ
ノール型エポキシ樹脂、及び(C) 活性水素を含有す
るアミン化合物の反応により生成するポリウレタン変性
アミン付加エポキシ樹脂と、 II.トリス(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジ
ンを必須成分として含有することを特徴とするカチオン
電着塗料組成物を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な電着塗料組成
物に関し、更に詳しくは、硬化剤としてのブロックポリ
イソシアネートや硬化触媒としての有機錫化合物を用い
る必要がなく、安定性及び硬化性に優れ、しかも塗膜の
付着性、耐候性、低温硬化性等の性能にも優れたカチオ
ン電着塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、カチオン電着塗料用樹
脂組成物として、アミン付加エポキシ樹脂のようなポリ
アミン樹脂とアルコール類などでブロックした芳香族ポ
リイソシアネート化合物(硬化剤)とを主成分とするも
のが最も多く使用され、塗膜の防食性に関して優れた評
価を得ている。しかしながら、この塗料用樹脂組成物は
本質的な問題点として、硬化開始温度が高い(170℃
以上);また、硬化開始温度を低くするために硬化触媒
として有機錫化合物を用いると、該錫化合物が焼付炉の
排気燃焼触媒を被毒させることがある;さらに、塗膜を
硬化させるために高温加熱すると、ブロックポリイソシ
アネートが熱分解してヤニ、ススを生成し、しかも上塗
塗膜に黄変、ブリード、硬化阻害等を引き起こすと共に
該上塗塗膜の耐候性が著しく低下し、白化しやすいなど
の重大な欠点を有しており、その改良が強く望まれてい
る。
【0003】もっとも、硬化剤を併用せず、エポキシ基
の開環反応による自己架橋硬化性を利用した電着塗料用
樹脂も知られているが(例えば、特公昭49−3173
6号公報、特公昭49−23807号公報、特開昭48
−69896号公報、特開昭47−13432号公報等
参照)、これらはいずれも電着塗料の浴安定性と塗膜の
硬化性とが両立できるものではない。たとえばこのう
ち、最も一般的なグリシジルエーテルタイプのポリエポ
キシ化合物は、硬化性に優れているが、浴安定性に劣
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】このため本発明者らは、
ブロックポリイソシアネート化合物や有機錫化合物を使
用しないで、イソシアネート硬化タイプの優れた長所を
有し且つこれらを用いたことによって生ずる上記欠点を
解消したカチオン電着塗料用樹脂組成物を開発すべく鋭
意研究を重ねた。
【0005】その結果、エポキシ樹脂の変性のために特
定のポリウレタン樹脂を用い、且つ硬化剤としてトリス
(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジンを用いるこ
とにより、防食性を低下させることなく、安定性および
硬化性が優れており、さらに有機錫化合物やブロックポ
リイソシアネート化合物の使用に基づく前記した如き種
々の欠点を解消することができ、しかも付着性に優れ、
塗膜の耐候性が著しく改良され、低温硬化性にも優れた
カチオン電着塗料用樹脂組成物が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】かくして、本発明に従えば、 I.(A) 数平均分子量が50〜8000のポリヒド
ロキシ化合物(a)、ポリイソシアネート化合物
(b)、及び1分子中に1個の活性水素を有する化合物
(c)の反応により得られる1分子中に1個の末端イソ
シアネート基を有するポリウレタン化合物、(B) 1
分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するビスフエ
ノール型エポキシ樹脂、及び(C) 活性水素を含有す
るアミン化合物の反応により得られる水酸基含有ポリウ
レタン変性アミン付加エポキシ樹脂と、 II.下記一般式
【0007】
【化2】
【0008】式中、R1、R2及びR3は同一もしくは相
異なり、各々炭素数1〜20の炭化水素基を表わす、で
示されるトリス(アルコキシカルボニルアミノ)トリア
ジンを必須成分として含有することを特徴とするカチオ
ン電着塗料組成物が提供される。
【0009】以下、本発明のカチオン電着塗料組成物に
ついて更に詳細に説明する。
【0010】I.ポリウレタン変性アミン付加エポキシ
樹脂 ポリウレタン化合物(A): ポリウレタン化合物(A)
は、ポリシドロキシ化合物(a)、ポリイソシアネート
化合物(b)及び1分子中に1個の活性水素を有する化
合物(c)の反応により得られる1分子中に1個の末端
イソシアネート基を有するポリウレタン化合物である。
【0011】ポリヒドロキシ化合物(a):上記ポリヒ
ドロキシ化合物(a)としては、1分子中に少なくとも
2個のアルコール性水酸基を有し、数平均分子量が好ま
しくは50〜8,000、特に50〜6,000の範囲内
にあり且つ水酸基当量が好ましくは25〜4,000、
特に25〜3,000の範囲内にあるのものであれば特
に制限なく使用することが可能であつて、例えば、多価
アルコール又はポリウレタン樹脂の製造に通常用いられ
る種々のポリエステルポリオールもしくはポリエーテル
ポリオール及びこれらの混合物などが挙げられる。
【0012】上記多価アルコールとしては、例えば、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオ
ール、ジエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、N−メチ
ル−ジエタノールアミン、N−エチル−ジエタノールア
ミン等の2価アルコール;グリセリン、トリメチロール
プロパン、トリエタノールアミン等の3価アルコール;
ペンタエリスリトール等の4価アルコールなどが挙げら
れる。
【0013】また、上記ポリエステルポリオールとして
は、多価アルコールと多塩基性カルボン酸との縮合物、
ヒドロキシカルボン酸の自己縮合物、ヒドロキシカルボ
ン酸と多価アルコールとの縮合物、環状ラクトンの開環
により得られるもの等が挙げられる。ここで使用される
多価アルコールとしては上記のものが挙げられ、これと
縮合せしめうる多塩基性カルボン酸としては、例えば、
アジピン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、グルタール
酸、ピロメリツト酸などが挙げられ、また、ヒドロキシ
カルボン酸としては、例えば、ジメチロールプロピオン
酸などが挙げられる。ヒドロキシカルボン酸と多価アル
コールの縮合物としては、上記に例示したヒドロキシカ
ルボン酸と多価アルコールとの縮合物のほかに、ヒマシ
油、ヒマシ油とエチレングリコール、プロピレングリコ
ール等の反応物も使用することができる。さらに、環状
ラクトンとしては、例えば、ε−カプロラクトン、γ−
バレロラクトン等が挙げられる。
【0014】さらに、ポリエーテルポリオールとして
は、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、
ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のアルキレン
オキシドの1種もしくは2種以上を2個以上の活性水素
を有する化合物に付加重合することにより得られる生成
物が包含され、ポリウレタン樹脂の製造に通常用いられ
るそれ自体既知のポリエーテルポリオールがいずれも使
用することができる。ポリエーテルポリオールの製造に
使用しうる2個以上の活性水素を有する化合物として
は、例えば、前記した多価アルコール及び多塩基性カル
ボン酸のほか、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン等のアミン類;エタノールアミン、プロパノールア
ミン等のアルカノールアミン類;ビスフエノールのよう
な多価フエノール類;ヒマシ油などが挙げられる。
【0015】以上に述べたポリヒドロキシ化合物(a)
は数平均分子量が50〜8,000、好ましくは50〜
6,000の範囲内にあるものである限り、単独もしく
は2種以上組合わせて使用することができる。
【0016】ポリイソシアネート化合物(b) ポリウレタン化合物(A)の製造に用いられるポリイソ
シアネート化合物(b)は、1分子中にイソシアネート
基を2個以上、好ましくは2または3個有する化合物で
あり、ポリウレタン樹脂の製造に一般に用いられるもの
が同様に使用できる。そのようなポリイソシアネート化
合物(b)としては、脂肪族系、脂環式系、芳香脂肪族
系などのポリイソシアネート化合物が包含され、代表的
には以下のものを例示することができる。これらのイソ
シアネート化合物はそれぞれ単独もしくは2種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0017】ヘキサメチレンジイソシアネート(HMD
I)、HMDIのビウレツト化合物、HMDIのイソシ
アヌレート化合物などの脂肪族系ポリイソシアネート化
合物;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、IP
DIのビウレツト化合物、IPDIのイソシアヌレート
化合物、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添
加4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネートなどの
脂環式系ポリイソシアネート化合物;トリレンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香脂肪
族系ポリイソシアネート化合物。
【0018】活性水素含有化合物(c):ポリウレタン
化合物(A)の製造に用いられる1分子中に1個の活性
水素を有する化合物(c)は、上記ポリイソシアネート
化合物(b)中のイソシアネート基のブロツキングのた
めに使用されるものである。
【0019】そのような活性水素含有化合物(c)とし
ては、例えば、メタノール、エタノール、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル等の1価アルコール;酢
酸、プロピオン酸等の1価カルボン酸;エチルメルカプ
タン等の1価チオール;ジエチルアミン等の第2級アミ
ン;ジエチレントリアミン、モノエタノールアミン等の
1個の2級アミノ基又はヒドロキシル基と1個以上の第
1級アミノ基を含有するアミン化合物の第1級アミノ基
を、ケトン、アルデヒドもしくはカルボン酸と、例えば
100〜230℃の温度で加熱反応させることによりア
ルジミン、ケチミン、オキサゾリンもしくはイミダゾリ
ンに変性した化合物;メチルエチルケトキシムのような
オキシム等が挙げられる。これらの活性水素含有化合物
(c)は一般に30〜2,000、特に30〜200の
範囲内の分子量を有することが望ましい。
【0020】ポリウレタン化合物(A)の調製:以上に
述べたポリヒドロキシ化合物(a)、ポリウレタン化合
物(b)及び活性水素含有化合物(c)は、相互に反応
させることによりポリウレタン化合物(A)とされる
が、その場合の各成分の反応割合は、成分(a)、
(b)及び(c)の合計量を基準にして、一般には下記
の範囲内とするので適当である。
【0021】ポリヒドロキシ化合物(a):10〜94
重量%、好ましくは30〜80重量%、 ポリイソシアネート化合物(b):5〜80重量%、好
ましくは10〜60重量%、 活性水素含有化合物(c):1〜85重量%、好ましく
は1〜60重量%。
【0022】また、上記ポリヒドロキシ化合物(a)、
ポリイソシアネート化合物(b)及び活性水素含有化合
物(c)の反応のさせ方には特に制約はなく、例えば、
3成分(a)、(b)及び(c)を混合し同時に反応
させる方法; 予め成分(b)と成分(c)を反応さ
せた後、その生成物と成分(a)を反応させる方法等が
挙げられる。いずれの方法で反応を行なう場合であつて
も、生成するポリウレタン化合物が1分子中に1個の末
端イソシアネート基をもつように各成分の反応割合及び
/又は反応順序を調節することが望ましい。
【0023】上記方法のうちの方法が好ましく、具体
的には、ポリイソシアネート化合物(b)と活性水素含
有化合物(c)とを、化合物(b)のイソシアネート基
1個当たり化合物(c)の活性水素含有基を1当量以
下、好ましくは0.1〜0.5当量、さらに好ましくは
0.1〜0.17当量の割合で実質的に未反応の活性水素
含有基が存在しなくなるまで反応させてブロツクポリイ
ソシアネート化合物を製造し、次いでポリヒドロキシ化
合物(a)を、化合物(b)のイソシアネート当量が化
合物(a)及び化合物(c)の水酸基当量と活性水素当
量の合計に対してほぼ1だけ多くなるように配合し、実
質的に水酸基が検出されなくなる程度まで反応を行なう
ことによりポリウレタン化合物(A)を製造することが
できる。
【0024】上記の反応においては、必要に応じて、ウ
レタン合成のための既知の触媒、例えば、トリエチルア
ミンのような第3級アミン;ジブチル錫ジラウリレート
のような有機金属化合物等を使用することができる。
【0025】このようにして得られるポリウレタン化合
物(A)は1分子中に1個の末端イソシアネート基を有
するものであり、その数平均分子量は400〜10,0
00、好ましくは1,000〜4,000の範囲内にある
ことが望ましい。
【0026】ビスフエノール型エポキシ樹脂(B):
スフエノール型エポキシ樹脂(B)は、1分子中に少な
くとも2個のエポキシ基を有するビスフエノール系化合
物であつて、特に、ビスフエノール系化合物とエピハロ
ヒドリン、例えばエピクロルヒドリンとの縮合反応によ
つて得られるビスフエノールのジグリシジルエーテルが
可撓性及び防食性に優れた塗膜が得られやすく好適であ
る。
【0027】エポキシ樹脂(B)の調製に使用しうるビ
スフエノール系化合物の代表例には、ビス(4−ヒドロ
キシフエニル)−2,2−プロパン、ビス(4−ヒドロ
キシフエニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキ
シフエニル)−メタン、4,4′−ジヒドロキシジフエ
ニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフエニルスル
ホン、ビス(4−ヒドロキシフエニル)−1,1−イソ
ブタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフエニ
ル)−2,2−プロパン等が挙げられる。
【0028】かかるビスフエノール系化合物を用いて形
成されるエポキシ樹脂(B)のうち、下記式で示される
ビスフエノールA型ジグリシジルエーテルは、可撓性、
防食性に優れた塗膜を与えるという点で特に好適であ
る。
【0029】
【化3】
【0030】式中、qは2〜20の数である。
【0031】エポキシ樹脂(B)として、また、ビスフ
エノール系化合物とエピハロヒドリンとの縮合反応によ
つて得られるビスフエノールのジグリシジルエーテルの
過剰量をさらにビスフエノール系化合物とエーテル化反
応せしめることによつて得られるものも好適に使用する
ことができる。
【0032】本発明で使用するエポキシ樹脂(B)は、
一般に、約310〜約10,000、特に約320〜約
2,000の範囲内の数平均分子量を有していることが
好ましく、また、エポキシ当量は約155〜約5,00
0、特に約160〜約1,000の範囲内にあるのが好
ましい。
【0033】活性水素含有アミノ化合物(C):活性水
素含有アミノ化合物(C)は、エポキシ基と反応しうる
活性水素を有するアミノ化合物であつて、脂肪族、脂環
式もしくは芳香脂肪族系の第1級もしくは第2級アミン
またはアルカノールアミン或いはそれらの変性物、第3
級アミン塩等が包含される。これらの活性水素を有する
アミン化合物としては例えば次のものを挙げることがで
きる。
【0034】(1)ジエチレントリアミン、ヒドロキシ
エチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミ
ン、メチルアミノプロピルアミン等の、1個の第2級ア
ミノ基と1個以上の第1級アミノ基を含有するアミン化
合物の第1級アミノ基を、ケトン(例:アセトン、メチ
ルエチルケトンなど)、アルデヒド(例:アセトアルデ
ヒド、プロピオンアルデヒドなど)もしくはカルボン酸
(例:酢酸、プロピオン酸など)と、例えば100〜2
30℃の温度で加熱反応させることによりアルジミン、
ケチミン、オキサゾリンもしくはイミダゾリンに変性し
た化合物; (2)ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−
またはiso−プロパノールアミン、N−メチルエタノ
ールアミン、N−エチルエタノールアミン等の第2級モ
ノアミン; (3)モノエタノールアミンのようなモノアルカノール
アミンと、ジメチル(メタ)アクリルアミドのようなジ
アルキル(メタ)アクリルアミドとを Micheal付加反応
により付加させて得られる第2級アミノ基含有化合物; (4)モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミ
ン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノー
ル、2−ヒドロキシ−2′−(アミノプロポキシ)エチ
ルエーテル等のアルカノールアミンの第1級アミノ基を
ケチミンに変性した化合物; (5)ジメチルエタノールアミン、トリエチルアミン、
トリメチルアミン、トリイソプロピルアミン、メチルジ
エタノールアミン等の第3級アミンと酢酸、乳酸などの
有機酸との塩など。
【0035】これらのうち、上記(1)、(2)および
(4)の群の化合物が好ましく、その中でも、ジエタノ
ールアミン、ジエチレントリアミンのケチミン化物な
ど、第2級アミノ基がエポキシ基に反応した後にそれ自
身がさらに活性水素基を有するかもしくはケチミンの加
水分解により活性水素基を持たせ得るものは、架橋官能
基を有することとなり、特に好適である。
【0036】ポリウレタン変性アミン付加エポキシ樹
脂:本発明のカチオン電着塗料組成物が必須成分として
含有する水酸基含有ポリウレタン変性アミン付加エポキ
シ樹脂は、例えば、前述したポリウレタン化合物(A)
とビスフエノール型エポキシ樹脂(B)とを反応せしめ
てポリウレタン変性エポキシ樹脂を得たのち、さらに活
性水素含有アミン化合物(C)を付加することにより取
得することができる。
【0037】該ポリウレタン変性アミン付加エポキシ樹
脂を得るための反応としては、例えば、ビスフエノール
型エポキシ樹脂(B)中の第2級水酸基にポリウレタン
化合物(A)を反応させ、次いで得られるポリウレタン
変性エポキシ樹脂の末端オキシラン基に活性水素含有ア
ミン化合物(C)を付加する方法が、樹脂の設計及びコ
ントロールの点で特に好ましいが、活性水素含有アミン
化合物(C)の付加は、上記ポリウレタン変性エポキシ
樹脂の製造の際に同時に行なうこともできる。活性水素
含有アミノ化合物(C)とエポキシ樹脂(B)のエポキ
シ基との反応は、例えば、約30〜約160℃の温度で
約1〜約5時間程度反応させることによつて行なうこと
ができる。その際、上記反応成分(A)、(B)および
(C)の種類および/または反応割合を適宜選択するこ
とによって、生成するポリウレタン変性アミン付加エポ
キシ樹脂が水酸基を含有するようにする。
【0038】上記ポリウレタン化合物(A)、エポキシ
樹脂(B)及び活性水素含有アミノ化合物(C)の各成
分の反応比率は、目的に応じて広い範囲にわたつて変え
ることができるが、一般には、ポリウレタン化合物
(A)、エポキシ樹脂(B)及び活性水素含有アミノ化
合物(C)の3成分の合計量に基づいて、ポリウレタン
化合物(A)は16〜80重量%、特に50〜70重量
%の範囲内で用いることが好ましい。また、エポキシ樹
脂(B)は20〜84重量%、特に30〜50重量%の
範囲内で用いることが好ましい。さらに、活性水素含有
アミノ化合物(C)は、生成するポリウレタン変性アミ
ン付加エポキシ樹脂のアミン価が15〜100、特に1
5〜47の範囲内になるような量で使用することが好ま
しい。
【0039】形成されるポリウレタン変性アミン付加エ
ポキシ樹脂は、通常、1,000〜20,000、特に
2,400〜4,000の範囲内の数平均分子量を有する
ことが好ましい。
【0040】また、該ポリウレタン変性アミン付加エポ
キシ樹脂の水酸基の含有量は厳密に制限されるものでは
ないが、水酸基当量が通常、600〜1,000、特に
600〜850の範囲内にあることが好ましい。これら
の水酸基には、活性水素含有アミノ化合物(C)等によ
つてもたらされる第1級水酸基や、エポキシ樹脂(B)
部分に存在する第2級水酸基等が包含され、架橋剤との
反応性官能基として役立つ。
【0041】ポリウレタン変性アミン付加エポキシ樹脂
はまた、例えば、3級アミン塩、モノカルボン酸、2級
スルフイド塩、モノフエノール、モノアルコール等の反
応試剤と反応させることにより、該樹脂の水分散性の調
節や塗膜の平滑性の改良を行なうこともできる。
【0042】さらに、ポリウレタン変性アミン付加エポ
キシ樹脂中に、ブロックイソシアネート基、β−ヒドロ
キシカルバミン酸エステル基、α,β−不飽和カルボニ
ル基、N−メチロール基などの架橋性官能基をさらに導
入することによって内部架橋性を向上させることもでき
る。
【0043】上記の反応試剤との反応および架橋性官能
基の導入は、ポリウレタン変性エポキシ樹脂に活性水素
含有アミノ化合物(C)を付加させる前に行ってもよ
い。
【0044】II.トリス(アルコキシカルボニルアミ
ノ)トリアジン:前述したポリウレタン変性アミン付加
エポキシ樹脂(以下、樹脂Iという)と組合わせて使用
されるトリス(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジ
ン(II)は下記一般式
【0045】
【化4】
【0046】式中、R1、R2及びR3は同一もしくは相
異なり、各々炭素数1〜20の炭化水素基を表わす、で
示される化合物(以下、化合物IIという)であり、樹
脂Iの硬化剤として役立つものである。
【0047】上記一般式においてR1〜R3によって表わ
される炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、
n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso
−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペ
ンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、
n−オクチル、n−ノニル、n−デカニル、n−ドデカ
ニル、n−ウンデカニル等のアルキル基;シクロペンチ
ル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基;シクロヘキ
シルメチル、シクロヘキシルエチル等のシクロアルキル
アルキル基;フエニル、ビフェニル、アルキル基置換フ
エニル、ナフチル等アリール基;ベンジル、フェネチル
等のアラルキル基などが挙げられる。
【0048】上記式(A)の化合物はそれ自体既知であ
り(例えば、特開平5−239038号公報参照)、例
えば、「TACT」[サイテック(株)製品]の商品名
で市販されているものを用いることができる。
【0049】カチオン電着塗料組成物:本発明のカチオ
ン電着塗料組成物は、以上に述べた樹脂Iと化合物II
をそれ自体既知の方法でそれぞれ水性媒体中に溶解ない
し分散させることにより調製することができる。
【0050】例えば、樹脂I及び化合物IIを水混和
性有機溶剤中に溶解させた状態で水及び酸(例えば酢
酸、ギ酸、乳酸、リン酸、硫酸などの水溶性有機酸又は
無機酸)と混合し中和して水性浴を形成するか、樹脂
Iを水性媒体中に分散させ、上記の如き酸で中和して水
性浴を形成し、その水性浴中に化合物IIの水混和性有
機溶剤溶液をホモジナイザー等を用いて強制分散せしめ
る等の方法で調製することができる。前記及びのい
ずれの方法によって得られる組成物においても、化合物
IIの粒子は樹脂Iの酸中和物によって水中に極めて安
定に分散せしめられ、長期間にわたって優れた貯蔵安定
性を示す。
【0051】本発明の電着塗料組成物の調製にあたっ
て、樹脂I及び化合物IIはそれぞれ単独又は2種以上
組合せて使用することができる。樹脂Iと化合物IIの
配合割合は、樹脂Iおよび化合物IIの種類や電着塗料
に望まれる特性等に応じて変えることができるが、一般
には、樹脂I/化合物IIの重量比で15/85〜95
/5、好ましくは50/50〜90/10の範囲内とす
ることができる。前記した範囲外の配合割合では一般に
塗膜の仕上り外観、低温硬化性、耐候性、防食性が低下
する傾向がみられる。
【0052】本発明の電着塗料組成物には、前記した樹
脂I及び化合物IIの他に、適宜必要に応じて、通常塗
料分野で用いられている着色顔料、防食顔料、体質顔
料、硬化触媒、界面活性剤、その他の添加剤を配合する
こともできる。また、外部架橋剤として、架橋性官能基
を1分子中に2個以上有する化合物、例えば、ブロック
ポリイソシアネート、ポリアミンのβ−ヒドロキシカル
バミン酸エステル、マロン酸エステル、マロン酸エステ
ル誘導体、メチロール化メラミン、メチロール化尿素な
どを配合してもよい。これら外部架橋剤の配合量は、
(樹脂I+化合物II)/外部架橋剤との重量比で一般
に100/0〜60/40の範囲内が望ましい。
【0053】本発明の電着塗料組成物を用いて被塗物に
電着塗装を行う方法および装置としては、従来からカチ
オン電着塗装においてそれ自体使用されている既知の方
法および装置を使用することができる。その際、塗装物
をカソードとし、アノードとしてはステンレスまたは炭
素板を用いるのが望ましい。用い得る電着塗装条件は特
に制限されるものではないが、一般的には、浴温:20
〜30℃、電圧:100〜400V(好ましくは200
〜300V)、電流密度:0.01〜3A/dm2、通電
時間:1〜5分、極面積比(A/C):2/1〜1/
2、極間距離:10〜100cm、撹拌状態で電着する
ことが望ましい。
【0054】カソードの被塗物上に析出する塗膜は、洗
浄後、約100℃〜約200℃、好ましくは約120℃
〜約160℃の範囲内の温度で焼き付けて硬化させるこ
とができる。
【0055】
【効果】本発明のカチオン電着塗料組成物において使用
するポリウレタン変性アミン付加エポキシ樹脂は、特定
のポリウレタン樹脂で変性されているため、塗膜中にお
けるポリウレタン変性エポキシ樹脂と未変性エポキシ樹
脂との相溶性が良好であり、耐候性に優れ、しかも防食
性および外観に優れた塗膜を形成させることができる。
【0056】また、本発明のカチオン電着塗料組成物
は、硬化剤としてトリス(アルコキシカルボニルアミ
ノ)トリアジンを使用しているため、硬化触媒としての
有機錫化合物を用いる必要がなく、安定性及び低温硬化
性に優れ、しかも付着性等に優れた塗膜を形成させるこ
とができる。
【0057】
【実施例】以下、本発明を製造例、実施例によりさらに
具体的に説明する。なお、以下「%」は「重量%」を示
す。
【0058】製造例1 ポリウレタン化合物の製造 撹拌機、温度計、窒素導入管及び還流冷却器を取り付け
たフラスコに、イソホロンジイソシアネート(ダイセル
−ヒユルス株式会社製)666g、メチルイソブチルケ
トン269g、エチレングリコールモノブチルエーテル
118g及びジブチル錫ジラウリレート0.2gを加
え、70℃で、イソシアネート基濃度が6.38ミリモ
ル/gになるまで、窒素雰囲気下で反応させ、次いで環
状ラクトン開環ポリエステルポリオールであるプラクセ
ル208(OH当量:409、ダイセル化学工業株式会
社製)1634gを加え、70℃で、イソシアネート基
濃度が0.414ミリモル/gになるまで、窒素雰囲気
下で反応させ、粘調なウレタンプレポリマー溶液を得
た。
【0059】 ポリウレタン変性アミン付加エポキシ
樹脂の製造 撹拌機、温度計、窒素導入管及び還流冷却器を取り付け
たフラスコに、エポキシ当量が190のビスフエノール
Aジグリシジルエーテル775g、ビスフエノールA2
37g及びジメチルベンジルアミン13.5gを加え、
110℃でエポキシ濃度が1.85ミリモル/gになる
まで反応させてエポキシ樹脂(数平均分子量1,02
5、エポキシ当量539)を得た。
【0060】このエポキシ樹脂に、で製造したウレタ
ンプレポリマー溶液1333gを加え、90℃で、イソ
シアネート基がなくなるまで窒素雰囲気下で反応させ
る。次いで、エチレングリコールモノブチルエーテル3
78gで希釈し、ジエタノールアミン200gを加え、
90℃で、エポキシ基が無くなるまで反応させ、エチレ
ングリコールモノブチルエーテルで固形分75%に希釈
し、第1級水酸基当量638、アミン価46.3を持つ
ポリウレタン変性アミン付加エポキシ樹脂(I−1)を
得た。
【0061】製造例2 ポリウレタン樹脂の製造 撹拌機、温度計、窒素導入管及び還流冷却器を取り付け
たフラスコに、イソホロンジイソシアネート(ダイセル
−ヒユルス株式会社製)837g、メチルイソブチルケ
トン267gエチレングリコールモノブチルエーテル1
18g及びジブチル錫ジラウリレート0.2gを加え、
70℃で、イソシアネート基濃度が2.90ミリモル/
gになるまで、窒素雰囲気下で反応させ、次いで環状ラ
クトン開環ポリエステルポリオールであるプラクセル2
05(OH当量:409、ダイゼル化学工業株式会社
製)1445gを加え、70℃で、イソシアネート基濃
度が0.417ミリモル/gになるまで、窒素雰囲気下
で反応させ、粘調なウレタンプレポリマー溶液を得た。
【0062】 ポリウレタン変性アミン付加エポキシ
樹脂の製造 撹拌機、温度計、窒素導入管及び還流冷却器を取り付け
たフラスコに、エポキシ当量が190のビスフエノール
Aジグリシジルエーテル775g、ビスフエノールA2
37g及びジメチルベンジルアミン13.5gを加え、
110℃でエポキシ濃度が1.85ミリモル/gになる
まで反応させてエポキシ樹脂(数平均分子量1,02
5、エポキシ当量539)を得た。
【0063】このエポキシ樹脂に、で製造したウレタ
ンプレポリマー溶液1333gを加え、90℃で、イソ
シアネート基がなくなるまで窒素雰囲気下で反応させ
る。次いで、エチレングリコールモノブチルエーテル3
78gで希釈し、ジエタノールアミン200gを加え、
90℃で、エポキシ基が無くなるまで反応させ、エチレ
ングリコールモノブチルエーテルで固形分75%に希釈
し、第1級水酸基当量638、アミン価46.3を持つ
ポリウレタン変性アミン付加エポキシ樹脂(I−2)を
得た。
【0064】実施例および比較例 上記製造例1および2で得られた樹脂(I−1)および
(I−2)と、硬化剤であるTACT[商品名、サイテ
ック(株)製品、トリス(メトキシ/ブトキシカルボニ
ルアミノ)トリアジン]およびメチルエチルケトオキシ
ムブロックイソホロンジイソシアネート(以下、B−I
PDIと略す)を下記表1に示す割合(樹脂固形分)で
配合した。
【0065】さらに、樹脂組成物の固形分100gに対
しポリプロピレングリコール(三洋化成社製、サンニッ
クスPP4000)1gおよびギ酸0.82gを加え、
40℃まで加温し撹拌しながら脱イオン水を徐々に加え
て水分散させ、樹脂固形分30%の安定なエマルジョン
を得た。このようにして得たエマルジョンの樹脂固形分
100gに対しチタン白13g、カーボン0.3g、ク
レー3gおよびノニオン界面活性剤(商品名:ノイゲン
EA−142B、第一工業製薬社製)1gを加え、ボー
ルミルで粒度10ミクロン以下になるまで顔料分散を行
なった後、さらに脱イオン水で固形分20%となるよう
に希釈した。
【0066】上記のようにして得たカチオン電着塗料組
成物について浴温28℃、電圧250Vで3分間リン酸
亜鉛処理鋼板にカチオン電着塗装を行った。これらの電
着塗板を140℃で20分間焼き付け、塗装パネルを得
た。得られた塗装パネルの試験結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】表1における試験方法は次のとおりであ
る。
【0069】(※1)ゲル分率 60℃に保持したメタノール/アセトン(1/1重量
比)に5時間浸漬してから、浸漬前後の塗膜重量減少率
を下記式により求めた。
【0070】ゲル分率(%)=[(浸漬後の塗装鋼板重
量−未塗装鋼板重量)/(浸漬前の塗装鋼板重量−未塗
装鋼板重量)]×100 (※2) 塗面状態(目視);○;良好、×;劣る (※3) 耐候性 上記の塗装パネルにトップクリアー(マジクロン700
0、関西ペイント社製)を塗装し、耐候性試験パネルを
得た。この試験板について、サンシャインウエザメータ
ー(試験温度:63±3℃、スプレー周期:60分中1
2分、湿度50±5%)20時間、40℃の温水ディッ
プ2時間の試験サイクルを繰り返す。各サイクル終了後
に、塗板にクロスカットを入れ、セロハンテープにより
剥離し、ペースークリアー間の付着性を評価する。クリ
アーの剥離がほどんど起こらない場合を○とし、クロス
カットの周囲で広範囲で剥離が起こる場合を×とした。
耐候性の評価は×になるまでの試験時間とした。
【0071】(※4) 耐食性(耐ソルトスプレー) 塗板にクロスカットを入れJIS Z2871に従って
試験し、480時間後にクロスカットをセロハンテープ
により剥離し、剥離幅を測定した。
フロントページの続き (72)発明者 羽石 秀彦 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】I.(A) 数平均分子量が50〜800
    0のポリヒドロキシ化合物(a)、ポリイソシアネート
    化合物(b)、及び1分子中に1個の活性水素を有する
    化合物(c)の反応により得られる1分子中に1個の末
    端イソシアネート基を有するポリウレタン化合物、
    (B) 1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有す
    るビスフエノール型エポキシ樹脂、及び(C) 活性水
    素を含有するアミン化合物の反応により得られる水酸基
    含有ポリウレタン変性アミン付加エポキシ樹脂と、 II.下記一般式 【化1】 式中、R1、R2及びR3は同一もしくは相異なり、各々
    炭素数1〜20の炭化水素基を表わす、で示されるトリ
    ス(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジンを必須成
    分として含有することを特徴とするカチオン電着塗料組
    成物。
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