JP2002307628A - ポリプロピレン系フィルムおよびバリア性積層フィルム - Google Patents

ポリプロピレン系フィルムおよびバリア性積層フィルム

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JP2002307628A
JP2002307628A JP2001113023A JP2001113023A JP2002307628A JP 2002307628 A JP2002307628 A JP 2002307628A JP 2001113023 A JP2001113023 A JP 2001113023A JP 2001113023 A JP2001113023 A JP 2001113023A JP 2002307628 A JP2002307628 A JP 2002307628A
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polypropylene
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barrier
skin layer
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Nobuyuki Hyodo
信幸 兵頭
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、自己ヒートシール性を
有し、バリア性に優れたポリプロピレン系フィルム、お
よびバリア性積層フィルムを提供する。 【解決手段】 石油樹脂1〜25重量%と結晶性
ポリプロピレン樹脂99〜75重量%からなるコア層
(A)と、コア層(A)の一方の面にポリプロピレン系
コポリマーから主としてなるスキン層(B)を有し、且
つコア層(A)の他方の面に、ポリプロピレン系コポリ
マーから主としてなるスキン層(C)を有することを特
徴とする自己ヒートシール性を有するポリプロピレン系
フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自己ヒートシール
性を有し、バリア性に優れたポリプロピレン系フィル
ム、およびバリア性積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガスバリア性を有する透明バリア
性フィルムとして、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVD
C)やポリビニルアルコールをコートした透明ポリプロ
ピレンフィルム、シリカやアルミナなどを透明蒸着した
ポリエステルフィルムなどが数多く使用されてきた。し
かし、これらのフイルムは、自己ヒートシール性を有し
ないため、自己ヒートシール性を有する無延伸ポリプロ
ピレンフィルム(CPP)や、ポリエチレンフィルム
(PE)等とラミネートし、ヒートシール性を付与して
用いられるのが一般的である。
【0003】ピロー形態の包装形態の場合、海外におい
てはセンターシール部分を封筒貼り形態でヒートシール
する場合が多いが、日本国内においても、最近、包装に
使用するフィルム面積を極小化する気運が高まってお
り、これまで日本国内ではほとんど無かったピロー形態
でのセンターシール部分の封筒貼り化が望まれている。
封筒貼り形態とする場合、フィルムの最外層と最内層と
の間でヒートシールする必要があるが、従来の透明バリ
ア性フィルムでは、上記のように自己ヒートシール性の
付与のため、自己ヒートシール性のあるフィルムを透明
バリア性フィルムの両側にラミネートする必要があっ
た。しかし、その際、以下の2つの問題点が生じてい
た。 透明バリア性フィルムの両側にさらにラミネートす
るためにフィルム重量が多くなる。 透明バリア性フィルムのバリア層と基材の密着強度
が弱いため、封筒貼り形態とした場合の強度が低い。
【0004】さらに、容器包装リサイクル法など包装材
の減容化を促進する動きが生じているが、自己ヒートシ
ール性のあるフィルムをバリア性フィルムの両側にラミ
ネートする場合は減容化に限界があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、自己ヒート
シール性を有し、バリア層を形成してバリア性積層フィ
ルムとする場合もバリア層と基材の密着強度にも優れ
て、特に封筒貼り形態とする場合の包装材に好適なポリ
プロピレン系フィルム、およびバリア性積層フィルムを
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、石油樹脂1〜
25重量%と結晶性ポリプロピレン樹脂99〜75重量
%からなるコア層(A)と、コア層(A)の一方の面に
ポリプロピレン系コポリマーから主としてなるスキン層
(B)を有し、且つコア層(A)の他方の面に、ポリプ
ロピレン系コポリマーから主としてなるスキン層(C)
を有することを特徴とする自己ヒートシール性を有する
ポリプロピレン系フィルム、および該ポリプロピレン系
フィルムのスキン層(B)のさらに外面にバリア層を少
なくとも1層有することを特徴とするバリア性積層フィ
ルムである。
【0007】本発明のポリプロピレン系フィルムは、上
記構成のスキン層を有することにより自己ヒートシール
性が付与され、バリア層を形成してバリア性積層フィル
ムとする場合もバリア層の基材に対する密着強度も向上
する。また、基材を特定構造とすることにより、水蒸気
に対するバリア性、優れた光沢性、引張特性などの機械
特性、実質上の無害性及び無臭性などポリプロピレン系
樹脂フィルムの多くの望ましい特性に加えて、スキン層
と基材の密着強度を向上させている。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、コア層(A)
は、石油樹脂1〜25重量%と結晶性ポリプロピレン樹
脂99〜75重量%からなる。上記石油樹脂としては、
例えば、シクロペンテン系留分および/またはシクロヘ
キセン系留分を重合あるいは共重合させ、これに水素添
加した樹脂、シクロペンテン系誘導体やシクロヘキセン
系誘導体等の環状オレフィンを重合あるいは共重合させ
て得られる脂環族系ポリマーを水素添加した樹脂、シク
ロペンタジエン系水素添加石油樹脂等が挙げられるが、
好ましくは、シクロペンタジエン系水素添加石油樹脂で
あるのがよい。上記石油樹脂は市販されているものを使
用でき、そのようなものとして具体的には、アルコンP
−120(荒川化学製)、エスコレッツ5320HC
(トーネックス社製)等が挙げられる。上記石油樹脂
は、1種が単独で含有されても、2種以上が含有されて
も良い。
【0009】上記石油樹脂は、ガラス転移温度が好まし
くは50〜100℃であるのがよく、より好ましくは6
0〜90℃であるのがよい。ガラス転移温度が低すぎる
と低沸留分が気化しやすくなり、高すぎると成形性が低
下する。
【0010】また、上記石油樹脂は、軟化温度が好まし
くは80〜140℃であるのがよく、より好ましくは1
20〜140℃であるのがよい。軟化温度が低すぎると
低沸留分が気化しやすくなり、高すぎると成形性が低下
する。
【0011】コア層(A)において、石油樹脂の含有量
は1〜25重量%である必要があり、好ましくは2〜2
0重量%、さらに好ましくは3〜15重量%であるのが
よい。石油樹脂の含有量が少なすぎると、石油樹脂の含
有による効果が得られず、多すぎると成形性が悪化す
る。
【0012】上記結晶性ポリプロピレン樹脂の構成は特
に限定されないが、アイソタクチック・インデックスが
90%以上のものが好ましく、さらに好ましくはアイソ
タクチック・インデックスが95%以上のものがよい。
また、230℃におけるメルトフローレート(ASTM
1238に準拠する。以下MFRと略することもあ
る。)が、好ましくは0.5〜20g/10分であるも
のがよい。MFRが上記範囲以外であると成形性が低下
する。
【0013】コア層(A)において、結晶性ポリプロピ
レン樹脂の含有量は99〜75重量%である必要があ
り、好ましくは98〜80重量%、さらに好ましくは9
7〜85重量%であるのがよい。
【0014】なお、コア層(A)は、本発明の作用を阻
害しない範囲で、公知の熱安定剤、酸化防止剤、結晶造
核剤、滑剤、帯電防止剤、粘度調整剤、光安定剤など他
の成分を含有していても良く、また、単層であっても、
多層であってもよい。
【0015】コア層(A)の厚みは特に限定されず、本
発明のポリプロピレン系フィルムの用途等に応じて適宜
設定できる。
【0016】本発明のポリプロピレン系フィルムは、コ
ア層(A)の一方の面にポリプロピレン系コポリマーか
ら主としてなるスキン層(B)を有する。スキン層
(B)を有することにより、後述のようにバリア層を形
成してバリア性積層フィルムとする場合の密着強度が向
上する。
【0017】上記スキン層(B)を構成するポリプロピ
レン系コポリマーとしては、比較的低立体規則性のもの
が好ましく、例えばエチレンとプロピレンのランダムコ
ポリマー、エチレン−プロピレン−ブチレンターポリマ
ー、ポリプロピレンとポリブチレンの混合物等が挙げら
れる。好ましくは、バリア層を形成してバリア性積層フ
ィルムとする場合のバリア層の密着強度向上の点から、
エチレンとプロピレンのランダムコポリマーであるのが
よい。
【0018】スキン層(B)を構成するポリプロピレン
系コポリマーは、バリア層を形成してバリア性積層フィ
ルムとする場合のバリア層の密着性向上の点から次のよ
うな各物性の範囲であるのが好ましい。融点は130〜
157℃であるのが好ましい。また、230℃における
MFRは、好ましくは2〜20g/10分、さらに好ま
しくは5〜18g/10分であるのがよい。さらに、数
平均分子量は、好ましくは25000〜100000で
あるものがよい。さらに密度は、好ましくは0.89〜
0.91g/cmであるものがよい。
【0019】なお、スキン層(B)は、本発明の作用を
阻害しない範囲で、公知の熱安定剤、酸化防止剤、結晶
造核剤、滑剤、帯電防止剤、粘度調整剤、光安定剤など
他の成分を含有していてもよい。
【0020】フィルムの全厚みに対するスキン層(B)
の厚み比率は好ましくは2〜30%、さらに好ましくは
2〜20%、特に好ましくは2〜16%であるのがよ
い。フィルムの全厚みに対するスキン層(B)の厚み比
率を上記範囲とすることにより、バリア層を形成してバ
リア性積層フィルムとする場合のバリア層の密着性、易
引裂性および防湿性が向上する。
【0021】本発明のポリプロピレン系フィルムは、コ
ア層(A)の他方の面に、ポリプロピレン系コポリマー
から主としてなるスキン層(C)を有する。スキン層
(C)を有することにより、自己ヒートシール性を有す
る。
【0022】上記スキン層(C)を構成するポリプロピ
レン系コポリマーとしては、比較的低立体規則性のもの
が好ましく、例えばエチレンとプロピレンのランダムコ
ポリマー、エチレン−プロピレン−ブチレンターポリマ
ー、ポリプロピレンとポリブチレンの混合物等が挙げら
れる。好ましくは、自己ヒートシール性向上の点から、
エチレン−プロピレン−ブチレンターポリマーであるの
がよい。
【0023】スキン層(C)を構成するポリプロピレン
系コポリマーは、ヒートシール性向上の点から次のよう
な各物性の範囲であるのが好ましい。融点は95〜15
7℃であるのが好ましい。また、230℃におけるMF
Rは、好ましくは2〜15g/10分、さらに好ましく
は3〜12g/10分であるのがよい。さらに、数平均
分子量は、好ましくは25000〜100000である
ものがよい。さらに密度は、好ましくは0.89〜0.
91g/cmであるものがよい。
【0024】なお、スキン層(C)は、本発明の作用を
阻害しない範囲で、公知の熱安定剤、酸化防止剤、結晶
造核剤、滑剤、帯電防止剤、粘度調整剤、光安定剤など
他の成分を含有していてもよい。
【0025】フィルムの全厚みに対するスキン層(C)
の厚み比率は好ましくは2〜30%、さらに好ましくは
2〜20%、特に好ましくは2〜16%であるのがよ
い。フィルムの全厚みに対するスキン層(C)の厚み比
率を上記範囲とすることにより、ヒートシール性、易引
裂性および防湿性が向上する。
【0026】本発明のポリプロピレン系フィルムは、ス
キン層(C)のヒートシール強度(140℃、10Nの
圧力で1秒間ヒートシールした場合)が好ましくは15
0〜1000g/15mm幅、さらに好ましくは200
〜800g/15mm幅、特に好ましくは300〜60
0g/15mm幅であるのが好ましい。ヒートシール強
度が150g/15mm幅未満であると、本発明のポリ
プロピレン系フィルムあるいは本発明のポリプロピレン
系フィルムを用いた包装材により包装を行った場合、破
袋などの包装材の破損が生じやすい。ヒートシール強度
が1000g/15mm幅を超えると、フィルム成形が
難しくなる。スキン層(C)のヒートシール強度を上記
範囲とすることは、上記のようなスキン層(C)を構成
するポリプロピレン系コポリマーの種類や物性を制御す
ることにより可能である。
【0027】本発明のポリプロピレン系フィルムは、フ
ィルム引裂き強度が300mN以下、さらに好ましくは
250mN以下、特に好ましくは150mN以下である
のがよい。フィルム引裂き強度が300mNを超える
と、本発明のポリプロピレン系フィルムを用いた袋など
の包装材の易開封性が低下する。フィルム引裂き強度を
上記範囲とすることは、後述のような製造法などにより
可能である。
【0028】本発明のポリプロピレン系フィルムは、ス
キン層(B)のさらに外面にバリア層を少なくとも1層
有する構成のバリア性積層フィルムとしてもよい。バリ
ア層を少なくとも1層有することにより、酸素ガスバリ
ア性や水蒸気バリア性が向上する。バリア層を構成する
素材は特に限定されず、ビニルアルコール共重合体、ポ
リ塩化ビニリデン等のポリマー、アルミニウム蒸着膜、
シリカ蒸着膜等の無機蒸着膜などが挙げられ、これらの
内単独の素材で形成しても複数を組み合わせて使用して
もよいが、ビニルアルコール共重合体および/または無
機蒸着膜からなるのが好ましい。なお、ビニルアルコー
ル共重合体とは、ビニルアルコールを主たるモノマー成
分とする共重合体であり、ビニルアルコール以外のモノ
マー成分としては、酢酸ビニルやエチレンが挙げられ
る。好ましくは、主たるモノマー成分であるビニルアル
コールが、ビニルアルコール共重合体中の全モノマー成
分に対し70〜99モル%、さらに好ましくは80〜9
8モル%であるのがよい。
【0029】バリア層には、本発明の作用を阻害しない
範囲で、添加剤等の他の成分を含有していても良い。
【0030】バリア層の厚みは特に限定されず、バリア
層を構成する素材や所望のバリア性等により適宜設定す
ればよい。
【0031】また、上記バリア性積層フィルムは、スキ
ン層(B)とバリア層の間に、スキン層(B)とバリア
層の密着性を向上させるためにアンカー層を有していて
もよい。
【0032】上記バリア性積層フィルムは、バリア層の
スキン層(B)に対する密着強度が200g/15mm
幅以上であるのが好ましい。密着強度が200g/15
mm幅未満であると、バリア層が剥離しやすく、本発明
のバリア性積層フィルムを用いた包装材の形成時など
に、バリア層側に他のフィルムを積層した場合のラミネ
ート強度が低下したり、バリア層側に他のヒートシール
性フィルムを積層して封筒貼り形態などにヒートシール
した場合のヒートシール強度が低下したりする。バリア
層のスキン層(B)に対する密着強度を上記範囲とする
ことは、上記のようなスキン層(B)を構成するポリプ
ロピレン系コポリマーの種類や物性を制御することによ
り可能である。
【0033】本発明のポリプロピレン系フィルムの製造
方法は特に限定されず、通常一般に使用されるフィルム
の成形方法および積層方法を使用できる。好ましくは、
コア層(A)、スキン層(B)、およびスキン層(C)
を、各層を構成する樹脂組成物をそれぞれ別個の押出機
に供給し、融解混合した後、スリット状の口金から共押
出法により同時に積層成形するのがよい。また、好まし
くは共押出し、冷却固化後、少なくとも一軸方向に延
伸、さらに好ましくは二軸方向に延伸するのがよい。
【0034】押出条件および延伸条件は、使用する各層
の素材や厚み、所望の物性等に応じて適宜設定できる。
各層を構成する樹脂組成物の融解混合温度は200〜2
60℃であるのが好ましい。延伸方法は、逐次二軸延
伸、同時二軸延伸など公知の方法を使用できる。逐次二
軸延伸の場合、未延伸シートを110〜140℃に加熱
後、長手方向に好ましくは4〜8倍、さらに好ましくは
4〜6倍延伸し、続いて140〜165℃に保たれたテ
ンター内で幅方向に好ましくは5〜12倍、さらに好ま
しくは6〜10倍延伸する。
【0035】本発明のポリプロピレン系フィルムにおけ
るスキン層(B)のさらに外面にバリア層を形成してバ
リア性積層フィルムとする場合、バリア層の形成方法
は、バリア層の素材や厚み、所望の物性等に応じて適宜
設定できる。例えば、バリア層がポリマーから形成され
る場合は、スキン層(B)の形成後、必要に応じて溶媒
に溶解あるいは分散して塗布液としたバリア層の構成素
材を、スキン層(B)の表面に塗布する方法により形成
できる。上記塗布液は、溶媒が水性あるいは有機溶剤の
いずれであっても良い。また、バリア層を複数有する場
合は、バリア層同士の間にアンカー層を有していても良
い。
【0036】バリア層の形成時には、スキン層(B)あ
るいはアンカー層の表面に、慣用の表面処理、例えば、
コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、紫外線照射
処理、電子線照射処理などを施しても良い。
【0037】本発明のポリプロピレン系フィルムおよび
バリア性積層フィルムは、本発明の作用を阻害しない範
囲で他層を有していてもよい。
【0038】本発明のポリプロピレン系フィルムおよび
バリア性積層フィルムは、単独で包装材として使用可能
であるが、例えばヒートシール性を有する無延伸透明ポ
リプロピレン系樹脂フィルムなどの他の素材と積層し、
包装材として使用することもできる。該包装材の構成や
積層方法は特に限定されない。特に無延伸透明ポリプロ
ピレン系樹脂フィルムは、本発明の透明バリア性積層フ
ィルムのバリア層側に積層することにより、両面にヒー
トシール性を有し、軽量で、バリア層の基材との密着性
にも優れた包装材を得ることができる。また、本発明の
ポリプロピレン系フィルムおよびバリア性積層フィル
ム、あるいはこれらを用いた包装材には印刷等により着
色処理や画像形成処理を施しても良い。
【0039】以下、試験例および実施例を用いて本発明
を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。 試験例 1.試験方法 (1) 引裂強度 実施例1〜3、比較例1、2のバリア性積層フィルムに
ついて、JIS K7128−1法に準拠して、MD方
向およびTD方向の引裂強度を測定した。
【0040】(2)スキン層(C)のヒートシール強度 実施例1〜3、比較例1、2のバリア性積層フィルムに
ついて、2枚のフィルムをスキン層(C)同士が密着す
るよう重ね合わせ、ヒートシールテスター(テスター産
業(株)製、TP−701−B)により、140℃、1
0Nの圧力で1秒間ヒートシールを行い、15mm幅の
短冊形に裁断して試験片を作成した。JIS K 71
27に準じて、引張試験器(オリエンテック社製、RT
M−100)を用い、試験片の一方の端部側のそれぞれ
バリア性積層フィルムの端部を保持して、バリア性積層
フィルムが互いに剥離する方向に、荷重5kg、300
mm/minの速度で引張ったときの最大強度を測定
し、ヒートシール強度とした。
【0041】(3)バリア層のスキン層(B)に対する
密着強度 [バリア層とスキン層(B)間において剥離が生じない
強度]実施例1〜3、比較例1,2のバリア性積層フィ
ルムに対し、ラミネート用接着剤(東洋モートン社製、
TM329)とラミネート用接着剤(東洋モートン社
製、CAT−8B)と酢酸エチルとをそれぞれ重量比で
4.8:4.8:10.4となるように混合したラミネ
ート接着剤を、乾燥後の厚みで2〜2.5g/m 2とな
るように上記フィルムのバリア層表面に塗布し、乾燥
後、ラミネート接着剤塗布面と、表面にコロナ処理(3
8dyne/cm以上の処理度)を施した厚さ20μm
の透明ポリプロピレン系樹脂(OPP)フィルムのコロ
ナ処理面とを圧着させた。圧着後24時間、40℃、3
0%RHの条件下で保存した。接着されたフィルムを、
15mm幅の短冊状に裁断して試験片を作成し、JIS
K7127に準じて、引張試験器(オリエンテック社
製、RTM−100)を用い、試験片の一方の端部側の
バリア性積層フィルムとOPPフィルムのそれぞれ端部
を保持して、バリア性積層フィルムとOPPフィルムが
剥離する方向に荷重5kg、300mm/minの速度
で引張った時の強度を測定し、密着強度とした。
【0042】2.試験結果 上記試験(1)〜(3)の結果を、表1に示す。
【0043】
【実施例】[構成材料] コア層(A)を構成する樹脂組成物(a) アイソタクチックポリプロピレン(住友化学工業(株)
製、商品名FS2016、MFR=2.1g/10分
(230℃)、融点161℃)95重量部、石油樹脂
(エスコレッツ5320HC)5重量部 スキン層を構成する樹脂組成物(b) エチレン−プロピレン共重合体((株)グランドポリマ
ー製、商品名E209、融点155℃)100重量部、
平均粒子径3μmの微粒子シリカ0.4重量部 スキン層を構成する樹脂組成物(c) エチレン−プロピレン−ブテン−1ランダム重合体(住
友化学工業(株)製、商品名WF715N、融点135
℃)100重量部、平均粒子径3μmの微粒子シリカ
0.4重量部 スキン層を構成する樹脂組成物(d) アイソタクチックポリプロピレン(住友化学工業(株)
製、商品名FS2016、MFR=2.1g/10分
(230℃)、融点161℃)
【0044】実施例1 樹脂組成物(a)、樹脂組成物(b)、樹脂組成物
(c)をTダイを備えた共押出成形機にそれぞれ供給
し、220〜230℃で共押出により3層構成の未延伸
シートを成形した。該未延伸シートを115〜125℃
のロールで長手方向に6倍延伸し、続いて160℃の温
度で幅方向に10倍延伸した後、160℃で10秒間熱
処理して、樹脂組成物(a)からなるコア層(A)の一
方の面に樹脂組成物(b)からなるスキン層(B)、他
方の面に樹脂組成物(c)からなるスキン層(C)を有
するポリプロピレン系フィルムを得た。このポリプロピ
レン系フィルムの厚みは31μm、各層の厚みはスキン
層(B)が1.5μm、コア層(A)が28.5μm、
スキン層(C)が1.0μmであった。スキン層(B)
の表面をコロナ放電処理し、該表面にポリビニルアルコ
ール(ケン化度99%、平均分子量500)を蒸留水に
10重量%となるよう配合して95℃にて撹拌・溶解し
たものを塗布し、乾燥させて、厚さ1μmのバリア層を
形成し、バリア性積層フィルムを得た。
【0045】実施例2 各層の厚みを、スキン層(B)が1.5μm、コア層
(A)が18.5μm、スキン層(C)が1.0μmと
し、バリア層の厚みを2μmとした以外は、実施例1と
同様にしてバリア性積層フィルムを得た。
【0046】実施例3 ポリビニルアルコールからなるバリア層の代わりに、ス
キン層(B)の表面をコロナ放電処理し、該表面にアル
ミ蒸着により厚さ1μmのバリア層を形成した以外は実
施例1と同様にしてバリア性積層フィルムを得た。
【0047】比較例1 樹脂組成物(b)からなるスキン層(B)の代わりに、
樹脂組成物(d)からなるスキン層(D)とした以外は
実施例1と同様にしてバリア性積層フィルムを得た。な
お、スキン層(D)の厚みは、スキン層(B)と同様に
1.5μmとした。
【0048】比較例2 樹脂組成物(a)をTダイを備えた押出成形機に供給
し、220〜230℃で押出により単層構成の未延伸シ
ートを成形した。該未延伸シートを115〜125℃の
ロールで長手方向に6倍延伸し、続いて160℃の温度
で幅方向に10倍延伸した後、160℃で10秒間熱処
理して、樹脂組成物(a)からなる厚さ20μmの単層
フィルムを得た。該単層フィルムの一方の表面をコロナ
放電処理し、該表面にポリビニルアルコール(ケン化度
99%、平均分子量500)を蒸留水に10重量%とな
るよう配合して95℃にて撹拌・溶解したものを塗布
し、乾燥させて、厚さ1μmのバリア層を形成した。さ
らに、バリア層表面に、ヒートシール性を付与するため
の厚さ30μmのCPPフィルム(東洋紡績(株)製、
商品名C1128)をドライラミネートしてバリア性積
層フィルムを得た。
【0049】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系フィルムは、
自己ヒートシール性に優れ、水蒸気に対するバリア性、
優れた光沢性、引張特性などの機械特性、実質上の無害
性及び無臭性などポリプロピレン系樹脂フィルムの多く
の望ましい特性に加えて、バリア層を形成してバリア性
積層フィルムとする場合のバリア層と基材の密着強度が
向上している。基材とスキン層間の密着強度が高いため
に、他のフィルムなどとラミネートするなどして包装材
を形成した場合でも、包装材最外層と最内層とヒートシ
ール性や、ヒートシール強度に優れ、また軽量である。
従って、封筒形態などの多様な包装形態に使用すること
が出来る。さらに、自己ヒートシール性を有するため
に、自己ヒートシール性のあるフィルムを別にラミネー
トする必要が無く、包装材の減容化も可能である。
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 65/40 BSG B65D 65/40 BSG C08L 23/12 C08L 23/12 //(C08L 23/12 57:02 57:02) Fターム(参考) 3E086 AB01 AC07 AC22 AD08 BA04 BA15 BB02 BB84 BB90 DA08 4F100 AA17D AA17E AA20 AB01D AB01E AK02A AK07A AK07B AK07C AK21D AK21E AK64 AK65 BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA10B BA10C BA10D BA10E EH20 GB15 JA04B JA04C JD01D JD01E JK03 JK06 JL12 YY00B YY00C 4J002 BA012 BB121 GF00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石油樹脂1〜25重量%と結晶性ポリプ
    ロピレン樹脂99〜75重量%からなるコア層(A)
    と、コア層(A)の一方の面にポリプロピレン系コポリ
    マーから主としてなるスキン層(B)を有し、且つコア
    層(A)の他方の面に、ポリプロピレン系コポリマーか
    ら主としてなるスキン層(C)を有することを特徴とす
    る自己ヒートシール性を有するポリプロピレン系フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 コア層(A)中の石油樹脂がシクロペン
    タジエン系水素添加石油樹脂であることを特徴とする請
    求項1記載のポリプロピレン系フィルム。
  3. 【請求項3】 フィルムの全厚みに対するスキン層
    (B)の厚み比率が2〜30%であり、スキン層(B)
    を構成するポリプロピレン系コポリマーの融点が130
    〜157℃であることを特徴とする請求項1または2記
    載のポリプロピレン系フィルム。
  4. 【請求項4】 フィルムの全厚みに対するスキン層
    (C)の厚み比率が2〜30%であり、スキン層(C)
    を構成するポリプロピレン系コポリマーの融点が95〜
    157℃であることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れか一項に記載のポリプロピレン系フィルム。
  5. 【請求項5】 スキン層(C)のヒートシール強度が1
    50〜1000g/15mm幅であることを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載のポリプロピレン
    系フィルム。
  6. 【請求項6】 フィルム引裂き強度が300mN以下で
    あることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に
    記載のポリプロピレン系フィルム。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の
    ポリプロピレン系フィルムのスキン層(B)のさらに外
    面にバリア層を少なくとも1層有することを特徴とする
    バリア性積層フィルム。
  8. 【請求項8】 バリア層のスキン層(B)に対する密着
    強度が200g/15mm幅以上であることを特徴とす
    る請求項7記載のバリア性積層フィルム。
  9. 【請求項9】 バリア層が、ビニルアルコール共重合体
    および/または無機蒸着膜からなることを特徴とする請
    求項7または8記載のバリア性積層フィルム。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至6のいずれか一項に記
    載のポリプロピレン系フィルムを使用することを特徴と
    する包装材。
  11. 【請求項11】 請求項7乃至9のいずれか一項に記
    載のバリア性積層フィルムを使用することを特徴とする
    包装材。
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