JP4447179B2 - 積層体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン系樹脂フィルムとポリスチレン系樹脂発泡体を積層した積層体において、ポリプロピレン系樹脂フィルムとポリスチレン系樹脂発泡体との接着性に優れ、更に積層体表面における帯電防止性に優れた積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のトレーや弁当容器等の各種容器は、ポリスチレン系樹脂発泡体を原反とし、この原反を真空成形等することによって得られた容器が利用されているが、ポリスチレン系樹脂は耐熱性が低いため、容器成形時の熱や容器として使用する際の熱に対して表面外観が低下したり容器が変形したりする問題がある。
【0003】
そこで、ポリスチレン系樹脂発泡体の表面に耐熱性の高い熱可塑性樹脂フィルムを積層することによって成形時や使用時の熱に耐える容器が提供できることが提案されている。(特開平6−56141号、特開平9−156006号)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリスチレン系樹脂発泡体の表面に耐熱性の高い熱可塑性樹脂フィルムを積層した積層体よりなる原反を真空成形等することによって得られた容器は、帯電防止性が低く、静電気による容器同士の密着や埃の付着といった問題があった。これに対して、ポリスチレン系樹脂もしくは表面を形成する熱可塑性樹脂中に帯電防止剤を混ぜ込むといった方法があるが、帯電防止剤が表面にブリードし、食品衛生上の問題を生じるだけではなく、ポリスチレン系樹脂発泡体と熱可塑性樹脂フィルムとの接着性が著しく低下するといった問題がある。
【0005】
上記接着性の問題は、特に、熱可塑性樹脂としてポリプロピレン系樹脂フィルムを使用する場合に顕著であった。
【0006】
従って本発明の目的は、ポリスチレン系樹脂発泡体とポリプロピレン系樹脂フィルムの接着性に優れ、且つ、表面における帯電防止性に優れた積層体を提供することにある。
【0007】
【問題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の導電性高分子を含む特定の樹脂組成よりなる中間層を介してポリスチレン系樹脂発泡体とポリプロピレン系樹脂フィルムとを積層した積層体が優れた帯電防止性を有すると共に各層間の接着性が良好であるという知見を得た。そして、更に研究を重ねた結果、該中間層と接するポリプロピレン系樹脂フィルムの表面の濡れ性を高めることにより、上記接着性がより向上した、優れた接着性を有する積層体が得られ、しかも、帯電防止性も一層向上することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョン100重量部および四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体2〜20重量部の混合物からなる中間層を介して、ポリプロピレン系樹脂フィルムとポリスチレン系樹脂発泡体とが積層され、且つ、該ポリプロピレン系樹脂フィルムの、上記中間層と接する表面の濡れ指数が34mN/m以上であることを特徴とする積層体である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0010】
本発明において、ポリプロピレン系樹脂フィルムを構成するポリプロピレン系樹脂は特に限定されず、例えば、プロピレン単独重合体やプロピレンを主成分としたプロピレンとα−オレフィンとのランダム共重合体、ブロック共重合体が好適に用いられる。ここでα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン等が挙げられる。特に、プロピレン単独重合体やプロピレンを主成分としたプロピレンとエチレンとのランダム共重合体が好適に用いられる。
【0011】
勿論、これらプロピレン単独重合体やプロピレンとα−オレフィンとの共重合体の2種類以上を混合して用いても差し支えない。
【0012】
また、上記ポリプロピレン系樹脂フィルムは、単層構造であってもよいし、複数の同種又は異種のポリプロピレン系樹脂層からなる多層構造を有していても差し支えない。
【0013】
本発明において、前記ポリプロピレン系樹脂フィルムの厚みは特に限定されないが、10〜200μmの範囲であることが好ましい。
【0014】
また、ポリプロピレン系樹脂フィルムを構成するポリプロピレン系樹脂には、フィルム用添加剤を適宜、任意の量配合する事ができる。例えば、熱安定剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、滑剤、塩素補足剤、結晶核剤、顔料などが配合されていても本発明の効果が阻害されない限り制限を受けるものではない。
【0015】
本発明において使用するポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法は、公知のポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法が、何ら制限なく用いられる。例えばポリプロピレン系樹脂フィルムを構成するポリプロピレン系樹脂をインフレ−ション法、逐次二軸延伸法、キャスト法などによってフィルム化する方法が用いられる。
【0016】
中でも、キャスト法によって得られる無延伸フィルムが成形時の熱収縮が小さく、ポリプロピレン系樹脂フィルムをポリスチレン系樹脂発泡体に積層した積層体を真空成形する際の熱や、容器として使用する際の熱に対しての変形が低減される事から好適に用いられる。
【0017】
また、ポリプロピレン系樹脂フィルムが多層構造を有する場合は、マルチマニホールド法やフィードブロック法に代表される共押出法やインラインラミネート法を採用する事ができる。
【0018】
本発明において、ポリスチレン系樹脂発泡体は、公知の材質、性状、形状を有するものが特に制限なく使用される。例えば、ポリスチレン系樹脂としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、パラメチルスチレン、クロロスチレン等の単独重合体またはこれら2種類以上との共重合体、更にスチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル樹脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン樹脂等が挙げられる。耐熱性が要求される場合、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリルニトリル、無水マレイン酸、フェニレンエ−テル、プロピレン等を含む共重合体が好ましい。
【0019】
上記のポリスチレン系樹脂に、容器成形時や容器使用時の割れを低減することを目的として、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、スチレン−ブタジエンゴムから選ばれる少なくとも1種類以上を混合して、耐衝撃性のスチレン系樹脂として使用することが好ましい。
【0020】
また、かかるポリスチレン系樹脂に、発泡剤等を添加して押出発泡成形して発泡体が得られるが、この際、表面外観や耐熱性の向上を目的として、タルク、炭酸カルシウム、シラス、石膏、カ−ボンブラック、炭酸マグネシウム、クレ−等の充填剤を添加しても良い。
【0021】
本発明で使用されるポリスチレン系樹脂発泡体の密度は、0.1〜0.8g/cm3の範囲が好ましい。
【0022】
また、形状は、シートを始めとし、ポリプロピレン系樹脂フィルムを積層可能な表面を有する形状であれば、特に制限なく採用される。上記シートの場合、厚みは、0.5〜5.0mmの範囲が好ましい。
【0023】
本発明において、上記ポリプロピレン系樹脂フィルムとポリスチレン発泡体とをエチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョン100重量部および四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体2〜20重量部の混合物よりなる中間層により接着することが、本発明の目的を達成するために極めて重要である。
【0024】
上記エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョンは、四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体との組成において、ポリスチレン系樹脂発泡体とポリプロピレン系樹脂フィルムとを接着するために必要な成分である。
【0025】
かかるエチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョンとしては、公知のものが特に限定なく使用できる。例えば、中央理化工業株式会社製 アクアテックス HC−1300(商品名)が挙げられる。
【0026】
また、四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体は、上記エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョンとの組成において、積層体に帯電防止性を付与するためのものである。
【0027】
該アクリル系共重合体は、分子内に四級アンモニウム塩基を持ったアクリル酸やメタクリル酸のエステルを少なくともモノマ−成分とする共重合体であり、具体的には、ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル四級塩やジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル四級塩などが挙げられる。
【0028】
また、上記アクリル系共重合体には、架橋性や密着性等を付与する目的で、公知のモノマーを共重合せしめても良い。
【0029】
例えば、共重合性モノマーとして、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどを使用することができる。
【0030】
また、架橋性モノマ−として、2−メチルイミダゾール等を共重合させてエポキシ系硬化剤等を使用することができる。
【0031】
これらのモノマーの共重合割合は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で適宜決定すればよいが、一般には、共重合体中に、10モル%以下であることが好ましい。
【0032】
本発明の積層体の中間層を構成する前記混合物において、エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョン100重量部に対する四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体の割合は、2〜20重量部の範囲であることが必要である。
【0033】
即ち、該四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体の割合が2重量部未満である場合、ポリプロピレン系樹脂フィルムとポリスチレン系樹脂発泡体を積層した積層体表面の帯電防止性の発現が充分でなく、一方、該四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体の割合が20重量部を超える場合、ポリプロピレン系樹脂フィルムとポリスチレン系樹脂発泡体を積層した積層体表面の帯電防止性は充分に発現するものの、フィルム基材とポリスチレン系樹脂発泡体との接着性が低下し、ポリプロピレン系樹脂フィルムとポリスチレン系樹脂発泡体が容易に剥離する。
【0034】
本発明において、エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョンと四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体の混合物からなる中間層の厚みは、特に限定されないが1〜25μmの範囲であることが好ましい。
【0035】
該中間層の厚みが1μmより薄くなるとポリプロピレン系樹脂フィルムとポリスチレン系樹脂発泡体との接着性が低下する傾向にあり、また、積層体表面の帯電防止性も低下する傾向がある。一方、中間層の厚みが25μmを超える場合、効果が頭打ちとなるばかりでなく、後述する製造方法において、ポリプロピレン系樹脂フィルムに中間層を積層した積層フィルムを巻き取りった際、該混合物自体が粘着性を発現しブロッキングが発生する場合がある。
【0036】
本発明の積層体において、前記ポリプロピレン系樹脂フィルムの中間層と接する表面は、濡れ指数が34mN/m以上であることが非常に重要である。
【0037】
即ち、該表面の濡れ指数が34mN/m未満である場合、中間層との接着性の向上効果が少なく、高度な接着性を達成することができない。また、後記の実施例1及び比較例3の結果を対比することにより明らかなように、かかるポリプロピレン系樹脂フィルムの表面における濡れ指数を上記範囲とすることによって、得られる積層体の帯電防止性をより向上せしめることができる。
【0038】
上記ポリプロピレン系樹脂フィルム表面の濡れ指数は34mN/m以上であればよいが、50mN/mを超えると効果は頭打ちとなるばかりでなく、製造が困難となるため、該値を上限とすることが好ましい。
【0039】
上記ポリプロピレン系樹脂フィルム表面の濡れ指数を34mN/m以上とする方法は、特に限定なく公知の方法が採用されるが、一般的にインラインもしくはオフラインでコロナ放電処理及び/又はフレーム(火焔)処理を施す方法が好ましい。
【0040】
本発明の積層体において、ポリプロピレン系樹脂フィルムの中間層と接していない面には、シリコーン樹脂被膜層を形成しても構わない。該シリコーン樹脂被膜層によって、ポリプロピレン系樹脂フィルムとポリスチレン系樹脂発泡体とを積層した積層体を真空成形によって作成した容器の表面に、シリコーン樹脂被膜層が存在することとなり、容器表面への撥水性の付与が可能となる。
【0041】
具体的には、容器表面が撥水性を有することによって、耐油性や飯粒付着の防止等の効果が期待される。
【0042】
該シリコ−ン樹脂被膜層の厚みは特に限定されないが、0.01〜5.0μm程度であることが好ましい。
【0043】
上記シリコーン樹脂は、白金触媒を用いた熱硬化型シリコーン、紫外線励起型カチオン発生剤を触媒とした紫外線硬化型シリコーンなどが代表例として掲げられ、これらをそのまま用いるか、若しくは溶剤に希釈し、ポリプロピレン系樹脂フィルムの表面に塗布、硬化せしめることによってシリコーン樹脂被膜層を形成させることができる。
【0044】
白金触媒を用いた熱硬化型シリコーンは、少なくとも炭素−炭素二重結合を一個以上有するアルキルシロキサンと少なくともケイ素−水素結合を一個以上有するアルキルシロキサンと白金触媒で構成される混合物をそのまま用いるか、若しくは溶剤に希釈し、ポリプロピレン系樹脂フィルムの表面に塗布し、熱硬化せしめる事でシリコーン樹脂被膜層が形成される。
【0045】
これらのシリコーン樹脂は付加型シリコーンとして広く一般に販売されているものを用いる事ができる。また紫外線硬化型シリコーンは、エポキシベンゼンのベンゼン核にアルキルシロキサンが置換された化合物と紫外線励起型カチオン発生触媒をそのまま用いるか、若しくは溶剤で希釈し、ポリプロピレン系樹脂フィルムの表面に塗布し、紫外線を照射することでシリコーン樹脂被膜層を形成される。紫外線硬化型シリコーンは広く一般に販売されているものを用いる事ができる。
【0046】
本発明の積層体の製造方法は、特に制限されるものではないが、先ず、ポリプロピレン系樹脂フィルムと前記中間層との積層体を製造後、これをポリスチレン系樹脂発泡体の表面に熱融着する方法が推奨される。
【0047】
かかる製造方法において、ポリプロピレン系樹脂フィルムの表面に中間層を形成する方法は、特に制限されないが、好適な方法を例示すれば、コーティングヘッド、例えば、グラビヤ、グラビヤリバース、オフセット等の転写方法を基本とした塗工や、バー、コンマバー等の掻き取り方法を基本とした塗工など一般的に普及しているコーティング装置を用い、該中間層を構成する樹脂混合物をコーティングする方法が挙げられる。
【0048】
また、ポリプロピレン系樹脂フィルムの表面に中間層を形成したフィルムとポリスチレン系樹脂発泡体との積層方法は、熱圧着による方法が一般的である。熱圧着の温度は、中間層の溶融温度以上で且つポリプロピレン系樹脂の融点未満であることが好ましい。具体的には、120〜160℃が一般的である。また、圧力は、0.1〜2MPa程度が一般的である。
【0049】
上記熱圧着操作において、ポリスチレン系樹脂発泡体がシートの場合、熱プレス機を使用して行うことができる。
【0050】
本発明の積層体がポリスチレン系樹脂発泡体より成るシートを積層して得られる場合、これを熱成形することにより、カップ等任意の形状の二次成形体を得ることができる。熱成形方法は、公知の方法が特に制限なく採用される。例えば、真空成形、圧空成形等が挙げられる。
【0051】
【実施例】
さらに詳しくは実施例を用いて説明する。尚、本発明は以下に説明される実施例に限定されるものではない。
【0052】
(接着強度)
ポリプロピレン系樹脂フィルムのエチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョンと四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体の混合物からなる層が形成された面が、厚さ2mmのポリスチレン系樹脂発泡体表面と接触するように重ね合わせ、設定温度150℃のヒートシーラー(熱板巾5mm)を用いて、該ポリプロピレン系樹脂フィルムとポリスチレン系樹脂発泡体とを熱圧着することにより、接着強度試験用積層体を作成した。該接着強度試験用積層体を15mm巾に切断し、テストピースとした。オートグラフを使用して、該テストピースの180°での接着強度を測定した。なお、測定は引張速度500mm/分にて行った。
【0053】
(摩擦帯電圧)
ポリプロピレン系樹脂フィルムのエチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョンと四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体の混合物からなる層が形成された面が、厚さ2mmのポリスチレン系樹脂発泡体表面と接触するように重ね合わせ、設定温度150℃のヒートシーラー(熱板巾20mm)を用いて、該ポリプロピレン系樹脂フィルムとポリスチレン系樹脂発泡体とを熱圧着することにより、帯電圧測定用積層体を作成した。次いでROTARY STATIC TESTERを用いて、該帯電圧測定用積層体のポリプロピレン系樹脂フィルム面同士を1分間擦り合わせ、摩擦停止直後の帯電圧を測定した。次いで摩擦停止1分後の帯電圧を測定した。
【0054】
実施例1
(ポリプロピレン系樹脂フィルムの作成)
ポリプロピレン単独重合体を用いて以下の方法で無延伸フィルムを得た。スクリュー径75mmφの押出機からなりTダイ方式にてポリプロピレン無延伸フィルムを作成した。即ち、樹脂温度230℃でポリプロピレン単独重合体をTダイより押出し、40℃の冷却ロールを通して25μmのポリプロピレン無延伸フィルムを得た。引き続き、ポリプロピレン無延伸フィルムの両面に表面濡れ指数が39mN/mとなるようにコロナ放電処理を施した。得られたポリプロピレン無延伸フィルムに対して40℃で24時間のエージングを施した。
(エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョンと四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体の混合物からなる層の形成)
ポリプロピレン系樹脂フィルムのコロナ処理面に、エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョンと四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体の混合物をドライで10μmとなるようにグラビヤコ−タ−で塗工し、その後80℃で乾燥し硬化せしめた。その際混合物中において、エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョン100重量部に対する四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体の割合は5重量部とした。その後、40℃で24時間のエージングを施すことにより積層フィルムを得た。
【0055】
上記によって得られた積層フィルムとポリスチレン系樹脂発泡体との積層体について、接着強度および摩擦帯電圧の測定を行い、結果を表1に記した。
【0056】
実施例2
実施例1において、エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョン100重量部に対する四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体の割合を15重量部に変更したこと以外は実施例1と同様に行い、結果を表1に記した。
【0057】
実施例3
実施例1において、エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョンと四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体の混合物からなる層の厚みをドライで5μmに、更にポリプロピレン系樹脂フィルムのコロナ処理強度を40mN/mに変更したこと以外は実施例1と同様に行い、結果を表1に記した。
【0058】
実施例4
実施例1において、エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョン100重量部に対する四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体の割合を12重量部に、エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョンと四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体の混合物からなる層の厚みをドライで12μmに変更したこと以外は実施例1と同様に行い、結果を表1に記した。
【0059】
実施例5
実施例1において、エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョンと四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体の混合物からなる層の厚みをドライで6μmに、更にポリプロピレン系樹脂フィルムのコロナ処理強度を36mN/mに変更したこと以外は実施例1と同様に行い、結果を表1に記した。
【0060】
比較例1
実施例1において、エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョン100重量部に対する四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体の割合を0.25重量部に変更したこと以外は実施例1と同様に行い、結果を表1に記した。
【0061】
比較例2
実施例1において、エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョン100重量部に対する四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体の割合を25重量部に、エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョンと四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体の混合物からなる層の厚みをドライで8μmに変更したこと以外は実施例1と同様に行い、結果を表1に記した。
【0062】
比較例3
実施例1において、ポリプロピレン系樹脂フィルムのコロナ処理強度を30mN/mに変更したこと以外は実施例1と同様に行い、結果を表1に記した。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】
以上の説明より理解されるように、本発明の積層体は、ポリプロピレン系樹脂フィルムとポリスチレン系樹脂発泡体との接着性に優れ、更に、表面における帯電防止性に優れた積層体を得ることができる。
【0065】
従って、積層体がシートの場合、これを熱成形して、帯電防止性に優れ、且つ層間での剥離に対して極めて高い耐性を有するカップ等の二次成形体を得ることができる。
Claims (1)
- エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョン100重量部および四級アンモニウム塩基を有するアクリル系共重合体2〜20重量部の混合物からなる中間層を介して、ポリプロピレン系樹脂フィルムとポリスチレン系樹脂発泡体とが積層され、且つ、該ポリプロピレン系樹脂フィルムの、上記中間層と接する表面の濡れ指数が34mN/m以上であることを特徴とする積層体。
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