JP2002307284A - ワーク切断方法 - Google Patents

ワーク切断方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークピースの歩留まりを向上できるワーク
切断方法を提供する。 【解決手段】 まず、切断すべきワーク13を加熱した
のちワーク13に熱硬化性樹脂を含む粉末状の接着剤1
6を塗す。接着剤16が塗されたワーク13を貼付板1
2に接着し、ワーク13が接着された状態の貼付板12
を切断装置に取り付け、ワーク13を切断装置によって
切断する。ワーク13を切断して得られたワークピース
13aおよび貼付板12をpH9〜11のアルカリ溶剤
に浸漬して貼付板12からワークピース13aを取り外
す。接着剤16を熱硬化しない温度内で用い、ワーク1
3として断面弓形形状の希土類磁石を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はワーク切断方法に
関し、より特定的には、磁石などの磁性部材を切断する
ために用いられる、ワーク切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のワークを切断するために、図6
に示すようなZフィード型外周刃切断機であるワーク切
断装置1が提案されている。ワーク切断装置1では、ベ
ッド2上に立設されたコラム3に一対のレール4aおよ
び4bが設けられ、レール4aおよび4bにスライダ5
が摺動可能に装着される。スライダ5の前面には支持部
6aおよび6bが設けられ、支持部6aと6bとによっ
て回転軸7が回転可能に支持される。回転軸7には複数
の切断刃ブロック8が装着される。各切断刃ブロック8
は複数の切断刃9を含む。
【0003】また、ベッド2上の切断刃ブロック8の真
下には、断面V字状の凹部10を有するテーブル11が
配置され、凹部10上に貼付板12が配置され、さらに
貼付板12上に複数のワーク13がたとえば接着剤によ
って固定される。そして、切断刃9を回転させながら下
降させ、ワーク13が切断される。このとき、ワーク1
3に対して、クーラント供給部14によって斜め上方か
ら、クーラント供給路15を通じて下方から(貼付板1
2の凹部10に設けられた供給口(図示せず)から上向
きに)それぞれクーラントが吐出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなワーク切断
装置1では、ワーク形状によっては、貼付板12に対す
るワーク13の接着面に接着剤が均一に塗布されないた
め、接着剤が十分に塗布されていないワーク13やワー
ク13を切断して得られるワークピースが切断刃回転時
の切断刃9の変形または切断加工の負荷によって飛んで
欠けることがあり、ワークピースの歩留まりの悪化を招
いていた。それゆえに、この発明の主たる目的は、ワー
クピースの歩留まりを向上できる、ワーク切断方法を提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1に記載のワーク切断方法は、切断すべき
ワークを加熱する加熱工程、加熱されたワークに粉末状
の接着剤を付与する付与工程、接着剤が付与されたワー
クを貼付板に接着する接着工程、ワークが接着された状
態の貼付板を切断装置に取り付け、ワークを切断装置に
よって切断する切断工程、およびワークを切断して得ら
れたワークピースを貼付板から取り外す取り外し工程を
備える。請求項2に記載のワーク切断方法は、請求項1
に記載のワーク切断方法において、接着剤は熱硬化性樹
脂を含み、付与工程、接着工程、切断工程および取り外
し工程において接着剤は熱硬化しない温度内で用いら
れ、取り外し工程においてワークピースおよび貼付板は
pH9〜11のアルカリ溶剤に浸漬されることを特徴と
する。
【0006】請求項3に記載のワーク切断方法は、請求
項1または2に記載のワーク切断方法において、ワーク
が断面弓形形状であることを特徴とする。請求項4に記
載のワーク切断方法は、請求項1から3のいずれかに記
載のワーク切断方法において、貼付板に対するワークの
接着面の断面形状が凸状または丸みを帯びていることを
特徴とする。請求項5に記載のワーク切断方法は、請求
項1から4のいずれかに記載のワーク切断方法におい
て、ワークが希土類磁石であることを特徴とする。
【0007】請求項1に記載のワーク切断方法では、加
熱したワークに粉末状の接着剤を付与することによっ
て、貼付板に対するワークの接着面に接着剤を均一に付
与できるとともに、貼付後に粉末状の接着剤が溶けだし
ワーク接着部の周辺に盛り上がった接着膜を形成でき
る。したがって、ワークを貼付板にがたつきなく接着で
きるとともに高い接着強度を得ることができるので、切
断時の加工負荷によるワークのぶれや飛び、ワークを切
断して得られるワークピースの飛びを抑制できる。その
結果、ワークピースの歩留まりを向上できる。
【0008】請求項2に記載のワーク切断方法では、熱
硬化性樹脂を含む接着剤を熱硬化させることなくホット
メルト用接着剤として用いる。すなわち、粉末状の接着
剤をワークへ付与する付与工程以降、接着剤を熱硬化す
る温度にまで加熱することなく所定温度以下で処理す
る。すると、接着時には貼付板およびワークの余熱によ
って接着剤は溶けだしワーク接着部の周辺に厚い接着膜
を形成する。その後、ワークの温度低下に伴って、接着
剤は過度に硬化することなく切断時に貼付板からワーク
が外れないことを保証できる程度にまで適度に硬化し
て、強い接着力が得られる。したがって、切断時におい
てワークを安定して切断できるとともに、切断後の取り
外し工程においても、pH9〜11程度のアルカリ溶剤
によって接着剤をワークピースから容易に剥がすことが
できる。
【0009】たとえばワークが断面弓形形状であると、
貼付板に対するワークの接着面積が小さくなり十分な接
着力を得ることができず切断加工終了間際にワークピー
スの飛びが発生することがある。しかし、請求項3に記
載のワーク切断方法では、ワークと貼付板とを厚い接着
膜で接着できるので、このようなワークであっても強い
接着力を得ることができワークを良好に切断できる。ま
た、貼付板に対するワークの接着面の断面形状が凸状ま
たは丸みを帯びている場合にも同様、貼付板に対するワ
ークの接着面積が小さくなり切断加工終了間際にワーク
ピースの飛びが発生することがある。しかし、請求項4
に記載のワーク切断方法では、ワークと貼付板とを厚い
接着膜で接着できるので、このようなワークであっても
強い接着力を得ることができワークを良好に切断でき
る。
【0010】さらに、ワークが硬くて脆い希土類磁石の
場合には、切断作業終了間際に接着むらによる接着強度
不足によってワークピースが飛んでしまい切断時に他の
ワークピースや切断刃にチッピングが発生することがあ
る。そのため、ワークピースの歩留まりが悪化し切断刃
の寿命が短くなるという問題点があった。しかし、請求
項5に記載のワーク切断方法では、脆性のワークであっ
ても貼付板上にがたつきなくかつ高い接着強度で固定で
きるので、切断時にワークや切断刃のチッピングをおこ
すことなくワークを良好に切断でき、ワークピースの歩
留まりを改善できかつ切断刃の寿命を長くできる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施形態について説明する。図1を参照して、この発明
の一実施形態のワーク切断方法について説明する。ま
ず、図1(a)に示すように、貼付板12およびワーク
13がたとえば150℃で15分間加熱される。つぎ
に、貼付板12およびワーク13に固形状の接着剤がワ
ーク13に、加熱されたワーク13の余熱によって溶か
されながら塗布され、さらに、図1(b)に示すよう
に、ワーク13の接着面に粉末状の接着剤16が塗され
る。
【0012】ここで、貼付板12はたとえばカーボンか
らなり、ワーク13としては、断面弓形形状をしたボイ
スコイルモータ用R−Fe−B系希土類磁石が用いられ
る。粉末状の接着剤16および固形状の接着剤には、熱
硬化性樹脂を含み仮止用として好適なホットメルトタイ
プでありかつ強い接着力を有する接着剤、それぞれたと
えば日化精工社製アドフィックスパウダ(商品名:AD
FIX−PH)および同社製アドフィックスが用いられ
る。これらの樹脂は熱硬化を始める温度より低い100
℃〜150℃程度で溶融し始める。したがって、固形状
の接着剤は貼付板12およびワーク13の余熱によって
溶かされて液状になる。なお、固形状ではなく液状の同
種接着剤が貼付板12およびワーク13に塗布されても
よい。
【0013】ついで、図1(c)に示すように、粉末状
の接着剤16が塗された複数のワーク13が、接着剤が
塗布された貼付板12上に接着される。このとき、貼付
板12およびワーク13はともに余熱を有しているの
で、粉末状の接着剤16が溶け出してワーク13の側面
に沿って下降していき、貼付板12とワーク13との接
着部に溜まる。したがって、接着膜20a(図3参照)
が厚くなり、貼付板12とワーク13との接着力が強く
なる。なお、貼付板12およびワーク13の温度低下に
伴って接着膜20aは硬化していくが、取り外し時の接
着剤の剥離性を重視するため切断時に貼付板12からワ
ーク13が外れないことを保証できる程度にまで、接着
膜20aは硬化すれば足りる。この点からも上述の熱硬
化性樹脂を含む仮止用ホットメルトタイプの接着剤が適
する。そして、図1(d)に示すように、ワーク13が
接着された状態の貼付板12が切断装置の所定位置に取
り付けられ、切断装置の回転する切断刃によってワーク
13が切断加工される。ここでは、切断装置としてたと
えば周知の外周刃切断機が用いられる。
【0014】その後、図1(e)に示すように、ワーク
13を切断加工して得られたワークピース13aが接着
されたままの貼付板12が、槽17内の溶剤18に浸漬
され、接着剤が剥離されてワークピース13aが貼付板
12から取り外される。ここで用いられる溶剤18とし
ては、加工後の発錆を防ぐためのたとえば油等の防錆剤
が水に添加された、pHが9〜11のアルカリ濃度のア
ルカリ溶剤(たとえば10%溶液)が用いられる。
【0015】このようなワーク切断方法によれば、粉末
状の接着剤16を用いることによって、貼付板12に対
するワーク13の接着面に接着剤を均一に付与でき、ワ
ーク接着部の周辺に盛り上がった厚い接着膜20aを形
成できる。したがって、ワーク13を貼付板12にがた
つきなく接着できるとともに高い接着強度を得ることが
できるので、切断時の加工負荷によるワーク13のぶれ
や飛び、ワーク13を切断して得られるワークピース1
3aの飛びを抑制できる。その結果、ワークピース13
aの歩留まりを向上できる。
【0016】このワーク切断方法は、溝19(図2およ
び図3参照)が形成された貼付板12を繰り返し使用す
る場合に特に有効となる。すなわち、一般に、外周刃切
断機で切断加工を行うと、図2に示すように貼付板12
に溝19が形成される。このように溝19が形成された
貼付板12に繰り返しワーク13を貼り付ける場合、ワ
ーク13を貼付板12の溝19以外の部分に接着膜20
によって貼り付けなければならないので、通常、貼付板
12とワーク13との接触面積が狭くなりワーク13の
接着力が弱くなってしまい、切断時にワーク13が飛び
やすい状況にあった。
【0017】しかし、このワーク切断方法によれば、ワ
ーク13に塗した粉末状の接着剤16が貼付板12およ
びワーク13の余熱によって溶け出しワーク13の表面
に沿って下降するので、図3に示すように、貼付板12
とワーク13との間に厚い接着膜20aを形成すること
ができる。また、接着剤16として用いられるホットメ
ルトタイプの樹脂は、経時変化が少なく常時安定した強
い接着力を有しているので、貼付板12とワーク13と
の接着力を強くできる。したがって、このワーク切断方
法によれば、切断時のワーク13の飛びを抑制でき、た
とえ切断に30分以上要するZフィード型外周刃切断機
であってもワーク13を安定して切断できる。
【0018】また、接着剤の剥離性とワーク13の接着
性とを考慮して、熱硬化性樹脂を含む接着剤を熱硬化す
る温度にまで加熱することなく所定温度(たとえば18
0℃)以下で処理することによって、接着剤を必要以上
に硬化させることなく切断時に貼付板12からワーク1
3が外れないことを保証できる程度にまで適度に硬化さ
せて用いる。したがって、ワークピース13aが接着さ
れた状態の貼付板12を溶剤18に浸漬させることによ
って接着剤を容易に剥離でき、貼付板12からワークピ
ース13aを容易に取り外すことができる。特に、表面
がざらついた焼結体である希土類磁石をワーク13とし
て用いる場合であっても接着剤を容易に剥離でき、効果
的である。また、溶剤18として用いられるアルカリ溶
剤のpHは9〜11とそれほど高くない。したがって、
溶剤18の処理には、中和剤を使用せず、防錆剤(たと
えば油)を養分とする微生物を含んだ水系の洗浄剤を用
いる。この水系の洗浄剤を、多層に分かれた槽に溜め、
微生物によって防錆剤を分解(防錆剤が油の場合にはC
2とO2とに分解)させるので、溶剤18の処理におい
ても環境汚染の恐れがない。
【0019】さらに、ワーク13が、上述のようにたと
えば断面弓形形状である場合や貼付板12に対するワー
ク13の接着面の断面形状が凸状または丸みを帯びてい
る場合には、貼付板12に対するワーク13の接着面積
が小さくなり十分な接着力を得ることができず、切断加
工終了間際にワークピース13aの飛びが発生すること
がある。しかし、このワーク切断方法によれば、加熱さ
れたワーク13の余熱で粉末状の接着剤16が溶けて貼
付板12とワーク13とを厚い接着膜20aで接着でき
るので、強い接着力でワーク13を保持することができ
ワーク13を良好に切断できる。
【0020】また、ワーク13として用いられるR−F
e−B系希土類磁石は、硬い主相と粘りがあるR−ri
ch相とを含み、脆い性質を有する。したがって、切断
作業終了間際に接着むらによる接着強度不足によってワ
ークピース13aが飛んでしまい切断時に他のワークピ
ース13aや切断刃にチッピングが発生することがあ
る。しかし、このワーク切断方法によれば、ワーク13
を貼付板12に強く接着できるので、ワークピース13
aの飛びやワーク13同士、ワーク13と切断刃との接
触等によるワーク13、ワークピース13aおよび切断
刃のチッピングが発生しなくなる。したがって、ワーク
ピース13aの歩留まりを改善できかつ切断刃の寿命を
長くできる。
【0021】ついで、この発明の一実験例について説明
する。実験条件を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】表1に示すように、切断すべきワーク13
として断面弓形形状をしたR−Fe−B系希土類磁石、
切断装置として図6に示すZフィード型外周刃切断機で
あるワーク切断装置1がそれぞれ用いられた。各切断刃
ブロック8は、15枚の切断刃9を有し各切断刃9間に
スペーサが介挿されたものであり、切断刃9は、円板状
の基板と基板の外周に設けられた刃先とを含み、基板は
超硬、刃先は人造ダイヤモンドの砥粒とレジンのボンド
とから構成されたものであった。切断刃9の切り込み速
度は30mm/min、回転速度は2000m/min
であった。クーラント供給部14からのクーラントの吐
出量は50リットル/min〜100リットル/mi
n、吐出圧力は200kPa〜400kPaであり、ク
ーラント供給路15を通じてのクーラントの吐出量は2
0リットル/min〜30リットル/min、吐出圧力
は200kPa〜300kPaであった。
【0024】このような条件下で、ワーク13に固形状
の接着剤を余熱によって溶かして塗布しさらに粉末状の
接着剤16を塗した後ワーク13を貼付板12に接着し
た本件発明と、ワーク13に固形状の接着剤を余熱によ
って溶かして塗布しそのままワーク13を貼付板12に
接着した比較例とのそれぞれについて、切断加工時のワ
ークピース13aの飛び数および欠けの発生率を求め、
図4に示すような結果が得られた。ここで、粉末状の接
着剤16および固形状の接着剤としては、それぞれ、日
化精工社製アドフィックスパウダおよび同社製アドフィ
ックスが用いられた。また、ワークピース13aの数
は、本件発明では40726個、比較例では89163
個であった。図4からわかるように、本件発明によれば
比較例より大幅にワークピース13aの飛び数および欠
けの発生率を改善できた。また、この発明は、ワーク切
断装置としてワイヤソー装置を用いる場合にも適用でき
る。
【0025】この場合のワーク切断方法を図5を参照し
て説明する。まず、図5(a)に示すように、貼付板1
2aおよびワーク21が加熱される。ついで、貼付板1
2aおよびワーク21には固形状の接着剤が塗布され、
さらに、図5(b)に示すように、ワーク21の接着面
(外周面)に粉末状の接着剤16aが塗される。ここ
で、ワーク21としては、リング状のR−Fe−B系希
土類磁石が用いられる。固形状の接着剤および粉末状の
接着剤16aとしては、図1の実施形態と同様の接着剤
が用いられてもよい。
【0026】つぎに、図5(c)に示すように、粉末状
の接着剤16aが塗された複数のワーク21が、接着剤
が塗布された貼付板12a上に積層的に接着される。こ
のとき、貼付板12aおよびワーク21の余熱によって
粉末状の接着剤16aが溶け出して貼付板12aとワー
ク21との接着部やワーク21同士の接着部に溜まり接
着膜が厚くなり、ワーク21と接着膜との接着面積も広
くなる結果、貼付板12aとワーク21との間およびワ
ーク21同士の接着力が強くなる。そして、図5(d)
に示すように、ワーク21が接着された状態の貼付板1
2aが切断装置の所定位置に取り付けられ、切断装置の
回転するワイヤソーによってワーク21が切断加工され
る。
【0027】その後、図5(e)に示すように、ワーク
21を切断加工して得られたワークピース21aが接着
されたままの貼付板12aが、槽17a内の溶剤18a
に浸漬され、接着剤が剥離されてワークピース21aが
貼付板12aから取り外される。溶剤18aには溶剤1
8と同じものが用いられてもよい。このようなワーク切
断方法によれば、図1に示す場合と同様の効果が得られ
る。また、切断中のワーク21の移動・ワークピース2
1aの飛びによるワイヤソーへの負荷がなくなるためワ
イヤ断線やメインローラの破損を防ぐ効果もある。さら
に、加熱したリング状のワーク21の表面に粉末状の接
着剤16aを塗すことによって、固形状の接着剤のみを
ワーク21の表面に塗布する場合に比べて、ワーク21
を積み上げて接着するために必要な均一の厚みの接着膜
を容易に形成できる。
【0028】上述のようにこの発明によれば、ワークの
形状に拘わらず高い接着強度にてワークを固定できるの
で、上述したようなワーク切断装置を用いて一度に大量
のワークを切断する場合でも、精度よくかつチッピング
などの欠けがなく切断加工することができる。なお、こ
の発明は上述の実施形態に限定されず、任意のワーク切
断装置に適用できる。また、この発明は、偏平なリング
形状、ブロック形状、異形状などのさまざまな形状のワ
ークに適用できる。
【0029】
【発明の効果】この発明によれば、ワークを貼付板にが
たつきなく接着できるとともに高い接着強度を得ること
ができるので、切断時の加工負荷によるワークのぶれや
飛び、ワークを切断して得られるワークピースの飛びを
抑制できる。その結果、ワークピースの歩留まりを向上
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示す工程図である。
【図2】従来技術における貼付板とワークとの接着状態
を示す図解図である。
【図3】この発明による貼付板とワークとの接着状態を
示す図解図である。
【図4】実験結果の一例を示すテーブルである。
【図5】この発明の他の実施形態を示す工程図である。
【図6】外周刃切断機の一例を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
1 ワーク切断装置 8 切断刃ブロック 9 切断刃 12,12a 貼付板 13,21 ワーク 13a,21a ワークピース 16,16a 接着剤 17,17a 槽 18,18a 溶剤 20,20a 接着膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C058 AA03 AA18 AB04 AB08 CA01 CA02 CB03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切断すべきワークを加熱する加熱工程、 加熱された前記ワークに粉末状の接着剤を付与する付与
    工程、 前記接着剤が付与されたワークを貼付板に接着する接着
    工程、 前記ワークが接着された状態の前記貼付板を切断装置に
    取り付け、前記ワークを前記切断装置によって切断する
    切断工程、および前記ワークを切断して得られたワーク
    ピースを前記貼付板から取り外す取り外し工程を備え
    る、ワーク切断方法。
  2. 【請求項2】 前記接着剤は熱硬化性樹脂を含み、 前記付与工程、前記接着工程、前記切断工程および前記
    取り外し工程において前記接着剤は熱硬化しない温度内
    で用いられ、 前記取り外し工程において前記ワークピースおよび前記
    貼付板はpH9〜11のアルカリ溶剤に浸漬される、請
    求項1に記載のワーク切断方法。
  3. 【請求項3】 前記ワークが断面弓形形状である、請求
    項1または2に記載のワーク切断方法。
  4. 【請求項4】 前記貼付板に対する前記ワークの接着面
    の断面形状が凸状または丸みを帯びている、請求項1か
    ら3のいずれかに記載のワーク切断方法。
  5. 【請求項5】 前記ワークが希土類磁石である、請求項
    1から4のいずれかに記載のワーク切断方法。
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