JP2002302548A - ポリイミド樹脂およびその製造方法 - Google Patents

ポリイミド樹脂およびその製造方法

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JP2002302548A
JP2002302548A JP2001105197A JP2001105197A JP2002302548A JP 2002302548 A JP2002302548 A JP 2002302548A JP 2001105197 A JP2001105197 A JP 2001105197A JP 2001105197 A JP2001105197 A JP 2001105197A JP 2002302548 A JP2002302548 A JP 2002302548A
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acid
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Keizo Takahama
啓造 高浜
Koji Amano
浩治 天野
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性、高強度、高耐熱のポリイミド樹脂、
およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 一般式(1)で表される繰り返し単位、
及び一般式(2)で表される繰り返し単位を有すること
を特徴とするポリイミド樹脂であり、マレイン酸類及び
/又は無水マレイン酸類とテトラカルボン酸及び/又は
テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、所定のモル
比、所定の順序で溶媒を用いずに混合した後、該混合物
を80〜200℃で加熱処理することにより得られる。 【化1】 【化2】 (式中、X1は炭素数4〜30の2価の有機基、Y1は炭
素数4〜30の4価の有機基、R1、R2はそれぞれ水素
又はアルキル基を表す。m及びnはそれぞれ、5〜10
000の整数で、且つm/nが0.1〜10である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性、高強度、
高耐熱のポリイミド樹脂、及びその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂は従来より、高耐熱、高
信頼性、柔軟性を有する樹脂として様々な用途で用いら
れている。中でもカプトン(東レ・デュポン社製)やユ
ーピレックスS(宇部興産社製)に代表される線状ポリ
イミドフィルムは、非常に優れた特性を持つ反面、原料
モノマーが非常に高価で、しかも加工温度が400℃前
後に達するために、高価な設備を利用せざるを得ず、エ
ンジニアリングプラスチックの中でも最高位に位置する
高価な材料である。
【0003】一方、マレイミド樹脂は、無水マレイン酸
と芳香族ジアミンとを反応させて、マレアミド酸とした
後、閉環反応によりビスマレイミドを得ている。しか
し、中間体であるビスマレアミド酸は溶解性が悪く、分
子間脱水アミド化副反応によるゲル化を防ぐために、大
量の有機溶媒中で反応せざるを得ないといった問題点が
あった。更に、ビスマレイミド樹脂単独の硬化物は非常
に脆いので、単独での使用には耐えず、ジアミン、アリ
ル化合物等の可撓性を備えた変性剤により変性した場合
でも、脆さを解消できないという問題点もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の線状
ポリイミド樹脂やマレイミド系樹脂のこのような問題点
に鑑み、鋭意検討の結果なされたもので、柔軟性、高強
度、高耐熱でかつ加工性に優れたポリイミド樹脂、及び
その製造方法を提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、一般式
(1)で表される繰り返し単位、及び一般式(2)で表
される繰り返し単位を有するポリイミド樹脂である。
【0006】また、さらには、一般式(10)で表され
るマレイン酸類及び/又は一般式(11)で表される無
水マレイン酸類と、一般式(12)で表されるテトラカ
ルボン酸及び/又は一般式(13)で表されるテトラカ
ルボン酸二無水物と、一般式(14)で表されるジアミ
ンとを、所定のモル比、所定の順序で溶媒を用いずに混
合した後、該混合物を80〜200℃で加熱処理するこ
とを特徴とする、ポリイミド樹脂の製造方法である。
【0007】
【化15】
【0008】
【化16】
【0009】
【化17】
【0010】
【化18】
【0011】
【化19】
【0012】
【化20】
【0013】
【化21】
【0014】式中、X1、X2は炭素数4〜30の2価の
有機基、Y1〜Y3は炭素数4〜30の4価の有機基、R
1〜R6はそれぞれ水素またはアルキル基を表す。m及び
nはそれぞれ、5〜10000の整数で、且つm/nが
0.1〜10である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、前記のようにマレイン
酸類及び/又は無水マレイン酸類と、テトラカルボン酸
及び/又はテトラカルボン酸二無水物と、ジアミンと
を、所定のモル比、所定の順序で溶媒を用いずに混合し
た後、80〜200℃で加熱処理することで一般式
(1)及び一般式(2)で表される繰り返し単位を有す
るポリイミド樹脂を得ることを骨子とする。
【0016】ここで、一般式(1)で表される繰り返し
単位において、R1、R2が、共に水素原子である構造、
一般式(2)で表される繰り返し単位において、Y
1が、構造式(3)〜(5)から選ばれた基からなる構
造、並びに、一般式(1)及び(2)で表される繰り返
し単位において、X1が、構造式(6)〜(9)から選
ばれた基からなる構造などが、本発明のポリイミド樹脂
の好ましい態様である。
【0017】
【化22】
【0018】
【化23】
【0019】
【化24】
【0020】
【化25】
【0021】
【化26】
【0022】
【化27】
【0023】
【化28】 kは4〜30の整数を表す。
【0024】本発明で用いる一般式(10)で表される
マレイン酸類としては、マレイン酸、シトラコン酸など
を、一般式(11)で表される無水マレイン酸類として
は、無水マレイン酸、無水シトラコン酸などを例示する
ことができる。それぞれにおいて、マレイン酸、無水マ
レイン酸が好ましい。マレイン酸類および無水マレイン
酸類は、単独で用いても良く、2種類以上を組み合わせ
て用いても良い。
【0025】本発明で用いる一般式(12)で表される
テトラカルボン酸としては、ピロメリット酸、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,
3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、
3,3’,4,4’−オキシジフタル酸などが挙げられ
る。一般式(13)で表されるテトラカルボン酸二無水
物としては、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,
3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、3,3’,4,4’−オキシジフタル酸二無水物
などを例示することができる。テトラカルボン酸および
テトラカルボン酸二無水物は、単独で用いても良く、2
種類以上を組み合わせて用いても良い。
【0026】本発明で用いる一般式(14)で表される
ジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、m−フェ
ニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−
ジアミノナフタレン、2,4−ジアミノトルエン、2,5
−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノ−p−キシレ
ン、2,5−ジアミノ−m−キシレン、2,5−ジアミノ
ピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,3'−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタ
ン、3,3'−ジアミノジフェニルプロパン、4,4'−ジ
アミノジフェニルプロパン、3,3'−ジアミノジフェニ
ルヘキサフルオロプロパン、4,4'−ジアミノジフェニ
ルヘキサフルオロプロパン、3,3'−ジアミノジフェニ
ルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、
3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、ベンジジン、
3,3'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジアミノジフェ
ニルスルフィド、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィ
ド、3,3'−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4'−
ジアミノジフェニルスルフォン、4,4'−ジアミノベン
ズアニリド、4,4'−メチレンジ−o−トルイジン、
4,4'−メチレンジ−2,6−キシリジン、4,4'−メ
チレンジ−2,6−ジエチルアニリン、3,3'−ジメチ
ル−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジメトキシ
ベンジジン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベ
ンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス
[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォ
ン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エ
ーテル、1,4−ジアミノブタン、1,3−ジアミノペン
タン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキ
サン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオク
タン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカ
ン、1,12−ジアミノドデカン、1,4−ジアミノシク
ロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、4,4'
−ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(4−アミノ
−3−メチルシクロヘキシル)メタン、2,5−ジメチ
ルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメ
チレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、
4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、5−メチル
ノナメチレンジアミン、1,3−ビス(3−アミノプロ
ピル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−
アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビ
ス(3−アミノプロピル)ポリジフェニルシロキサン、
α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリメチルフェニ
ルシロキサンなどが挙げられる。中でも4,4'−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエー
テル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]プロパンや1,6−ジアミノヘキサン、1,8−
ジアミノオクタンなどの脂肪族ジアミンなどが好まし
い。ジアミンは単独で用いても良く、2種類以上を組み
合わせて用いても良い。
【0027】また、本発明で使用する原料であるマレイ
ン酸類、無水マレイン酸類、テトラカルボン酸、テトラ
カルボン酸二無水物およびジアミンは、固体であって
も、液体であっても構わない。
【0028】次に原料の配合比、混合の順序などを含め
た代表的な製造方法を示す。まず、第1の製造方法とし
ては、一般式(10)で表されるマレイン酸類及び/又
は一般式(11)で表される無水マレイン酸類a1モル
と、一般式(12)で表されるテトラカルボン酸及び/
又は一般式(13)で表されるテトラカルボン酸二無水
物b1モルと、一般式(14)で表されるジアミンc1
ルとを、a1/b1が0.1〜10で、且つ(a1+b1
/c1が0.5〜2.0のモル比で、溶媒を用いずに混
合した後、該混合物を80〜200℃で加熱処理するこ
とを特徴とする、当該ポリイミド樹脂の製造方法が挙げ
られる。
【0029】第2の製造方法としては、一般式(13)
で表されるテトラカルボン酸二無水物b2モルと、一般
式(14)で表されるジアミンc2モルとを、b2/c2
が0.0455〜1.0のモル比で、溶媒を用いずに十
分に混合した後に、一般式(10)で表されるマレイン
酸類及び/又は一般式(11)で表される無水マレイン
酸類a2モルをa2/b2が0.1〜10で、且つ(a2
2)/c2が0.5〜2.0となるように添加して混合
し、該混合物を80〜200℃で加熱処理することを特
徴とする、当該ポリイミド樹脂の製造方法が挙げられ
る。
【0030】本発明のポリイミド樹脂の構造は、ジアミ
ンと反応し一般式(1)で表される構造が得られるマレ
イン酸類ないし無水マレイン酸類と、ジアミンと反応し
一般式(2)で表される構造が得られるテトラカルボン
酸ないしテトラカルボン酸二無水物との、それぞれの酸
成分のモル比でコントロール出来る。そのモル比は、前
記製造方法に示した範囲でなければならない。マレイン
酸類ないし無水マレイン酸類が多すぎると耐熱性が悪く
なり、テトラカルボン酸ないしテトラカルボン酸二無水
物が多すぎると得られるポリイミド樹脂が不溶不融とな
り成型加工性が悪くなるため、それぞれ好ましくない。
【0031】また、酸成分とジアミンとのモル比も前記
製造方法に示した範囲でなければならない。この範囲か
ら外れると、得られるポリイミド樹脂の分子量が低下
し、耐熱性、機械的強度が悪くなるため好ましくない。
【0032】原料の混合は、常温で通常のミキサーなど
を用いて行うことが出来る。特に、各成分が固体の場合
は、より細かい粒子に粉砕した後、混練機などで十分均
一にモノマー同士を混合することが、生成物をより均一
に出来るため好ましい。特にテトラカルボン酸二無水物
を用いる場合、製造方法2に示したように、先にテトラ
カルボン酸二無水物をジアミンと混合することで混合物
の結晶化を防ぎ、より均一な原料混合物を得ることが出
来て好ましい。
【0033】反応は、溶媒を用いずに、混合物を80〜
200℃で加熱することによって行なわれるが、200
℃を越える高温で加熱処理すると、副反応による架橋が
起こり、生成物の溶解性や加工性が低下する。一方、加
熱温度が80℃未満では、反応速度が急激に低下して、
未反応物の残存が起こり高分子量の樹脂が得られない。
反応時間はモノマーの構造や得られる生成物の目標特性
によって異なるが、数分〜数時間のオーダーで行われ
る。
【0034】上記により得られたポリイミド樹脂は、粉
砕して、粉末状レジンとして固体のまま、成形材料など
の用途に、また、溶媒に溶解しワニスとして、液状の成
形材料や硬質回路基板などに使用できる。使用する溶媒
は、特に限定されないが、非プロトン性極性溶媒が好ま
しく、この種の代表的な溶媒としては、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジエチルホルムアミド、 N,N−ジエチルアセト
アミド、 N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジ
メチルスルフォキシド、ヘキサメチルフォスホアミド、
N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチルスル
フォン、テトラメチルスルフォン、γ−ブチルラクトン
等を挙げることが出来る。
【0035】さらに、本発明のポリイミド樹脂は構造の
直線性から、ビスマレイミド単独の硬化物やジアミンを
添加したビスマレイミドの硬化物に比べて、可とう性に
優れ、溶融押し出しやキャストによってフィルム状にす
ることも可能である。このことにより、耐熱フィルムや
フレキシブル回路基板材料等への使用も可能になった。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を一層具体的に説
明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるもの
ではない。尚、実施例および比較例で使用する原料は、
下記の略号で表した。 MA :マレイン酸 MAH :無水マレイン酸 CA :シトラコン酸 CAH :無水シトラコン酸 PMA :ピロメリット酸 PMDA:無水ピロメリット酸 BTA :3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸 BTDA :3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物 DDM :4,4'−ジアミノジフェニルメタン DDE :4,4'−ジアミノジフェニルエーテル BAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]プロパン HMDA:1,6−ジアミノヘキサン BMID :N,N’−(4,4’−ジフェニルメタ
ン)ビスマレイミド
【0037】(実施例1)MA 92.9重量部(0.
8mol)の粉体と、PMA 50.8重量部(0.2
mol)の粉体と、DDM 198.3重量部(1.0
mol)の粉体を、ミキサーで均一に混合して、粉末混
合物を得た。この混合物を、130℃で1時間乾燥機中
で加熱し、固形の樹脂を得た。加熱時の脱水による重量
減少は12.6%とほぼ100%イミド化が進行したこ
とを示唆した。また、得られた樹脂の赤外吸収スペクト
ル測定において、1770cm-1付近にイミド環のカル
ボニル基に由来する吸収が観測され、重量減少の結果と
一致した。また、得られた樹脂のプロトンNMRを測定
したところMAとDDMとのマイケル付加反応で生成す
るCH結合およびCH2結合のプロトンがほぼ1:2の
モル比で検出され目的の構造の樹脂が得られている事が
示唆された。また、GPC測定による数平均分子量(ポ
リスチレン換算)から算出した樹脂の重合度は420で
あった。このポリイミド樹脂を、溶融押し出し装置を用
いて、最高温度260℃の溶融押し出しで透明なフィル
ムを得た。このフィルムについて、引張り試験、TG/
DTA測定を実施したところ、引張り強度152MP
a、引張り伸び13.2%、5%減量温度386℃と柔
軟で高強度、高耐熱のポリイミド樹脂フィルムであるこ
とが分かった。
【0038】(実施例2)PMDA 130.9重量部
(0.6mol)の粉体と、DDE 200.2重量部
(1.0mol)の粉体を、ミキサーで十分に混合し
て、均一な粉末混合物を得た。この混合物に後添加成分
としてMAH 68.6重量部(0.7mol)の粉末
を加え、ミキサーでさらに混合して均一な粉末混合物を
得た。この混合物を、200℃で20分間乾燥機中で加
熱し、固形の樹脂を得た。加熱時の脱水による重量減少
は8.1%とほぼ100%イミド化が進行したことを示
唆した。また、赤外吸収スペクトル測定において、17
70cm-1付近にイミド環のカルボニル基に由来する吸
収が観測され、重量減少の結果と一致した。また、得ら
れた樹脂のプロトンNMRを測定したところ、MAHと
DDEとのマイケル付加反応で生成するCH結合および
CH2結合のプロトンがほぼ1:2のモル比で検出され
目的の構造の樹脂が得られている事が示唆された。ま
た、GPC測定による数平均分子量(ポリスチレン換
算)から算出した樹脂の重合度は230であった。この
ポリイミド樹脂を実施例1と同様の方法でフィルム化し
物性評価を行ったところ、引張り強度160MPa、引
張り伸び16.0%、5%減量温度401℃と柔軟で高
強度、高耐熱のポリイミド樹脂フィルムであることが分
かった。
【0039】(実施例3〜10)表1及び2に示した配
合及び条件で、実施例3〜5、7、及び9〜10につい
ては、実施例1と同様にして、実施例6及び8について
は、実施例2と同様にして、ポリイミド樹脂を合成し
た。どの樹脂も加熱脱水量と赤外吸収スペクトルから、
ほぼ100%イミド化していることが示唆された。それ
ぞれについて、実施例1と同様の方法でフィルム化し物
性評価を行った。この結果も表1及び2に示した。どの
例においても、柔軟な高強度、高耐熱フィルムが得られ
ていることが分かる。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】(比較例1〜5)実施例1と同様の方法で
合成、フィルム化し、物性評価を行った。その配合、加
熱条件、物性値を、表3にまとめて示した。
【0043】
【表3】
【0044】比較例1及び2の配合では、フィルムに加
工することは可能であったが、柔軟性、強度、耐熱性に
劣るフィルムしか得られなかった。また、比較例3及び
4では、溶融しないためフィルムに加工することが出来
ず、比較例5では分子量が低すぎるため、自立性のフィ
ルムが得られなかった。
【0045】これに対して、本発明による実施例1〜1
0におけるポリイミド樹脂では、いずれもフィルムへの
加工が可能であった。また得られたフィルムは柔軟性、
高強度、高耐熱性などの優れた特性を併せ持つことがわ
かった。
【0046】
【発明の効果】本発明の方法によれば、取り扱い易く単
純なモノマー混合物を出発物質として用いることによ
り、工程も極めて簡便で、容易にポリイミド樹脂を得る
ことができる。しかも柔軟性、高強度、高耐熱を併せ持
った樹脂が得られ、成型材料、回路基板材料等に好適で
ある。また、従来の線状ポリイミド製品と比較して原料
も安価で、かつ比較的低温の加工工程で容易に高強度、
高耐熱のフィルムを得られることから、耐熱フィルム材
料、フレキシブル回路基板材料等にも好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J043 PA04 PA08 PC026 PC116 QB15 QB26 QB31 QC02 RA08 RA34 RA35 SA06 SA42 SA43 SA72 SB01 SB02 TA12 TA14 TA21 TA22 TA72 TB02 TB03 UA121 UA122 UA131 UA132 UA141 UA151 UA662 UA672 UA761 UA771 UB011 UB021 UB061 UB121 UB131 UB141 UB152 UB221 UB281 UB301 UB351 UB402 VA011 VA012 VA021 VA022 VA031 VA041 VA051 VA061 VA062 VA071 VA081 VA092 WA09 WA16 XA03 XA06 XB02 XB03 XB37 ZA12 ZA23 ZA31 ZA33 ZB11 ZB50

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に、一般式(1)で表される繰り
    返し単位、及び一般式(2)で表される繰り返し単位を
    有することを特徴とするポリイミド樹脂。 【化1】 【化2】 式中、X1は炭素数4〜30の2価の有機基、Y1は炭素
    数4〜30の4価の有機基、R1、R2はそれぞれ水素又
    はアルキル基を表す。m及びnはそれぞれ、5〜100
    00の整数で、且つm/nが0.1〜10である。
  2. 【請求項2】 一般式(1)のR1、及びR2が、共に水
    素原子であることを特徴とする、請求項1記載のポリイ
    ミド樹脂。
  3. 【請求項3】 一般式(2)のY1が、構造式(3)〜
    (5)から選ばれた基からなる請求項1、又は2記載の
    ポリイミド樹脂。 【化3】 【化4】 【化5】
  4. 【請求項4】 一般式(1)及び(2)のX1が、構造
    式(6)〜(9)から選ばれた基からなる請求項1〜3
    のいずれかに記載のポリイミド樹脂。 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 kは4〜30の整数を表す。
  5. 【請求項5】 一般式(10)で表されるマレイン酸類
    及び/又は一般式(11)で表される無水マレイン酸類
    1モルと、一般式(12)で表されるテトラカルボン
    酸及び/又は一般式(13)で表されるテトラカルボン
    酸二無水物b 1モルと、一般式(14)で表されるジア
    ミンc1モルとを、a1/b1が0.1〜10で、且つ
    (a1+b1)/c1が0.5〜2.0のモル比で、無溶
    媒下、混合した後、該混合物を80〜200℃で加熱処
    理することを特徴とするポリイミド樹脂の製造方法。 【化10】 【化11】 【化12】 【化13】 【化14】 式中、R3〜R6はそれぞれ水素またはアルキル基を表
    す。Y2、Y3はそれぞれ炭素数4〜30の4価の有機
    基、X2は炭素数4〜30の2価の有機基を表す。
  6. 【請求項6】 一般式(13)で表されるテトラカルボ
    ン酸二無水物b2モルと、一般式(14)で表されるジ
    アミンc2モルとを、b2/c2が0.0455〜1.0
    のモル比で、無溶媒下、混合した後に、一般式(10)
    で表されるマレイン酸類及び/又は一般式(11)で表
    される無水マレイン酸類a2モルをa2/b2が0.1〜
    10で、且つ(a2+b2)/c2が0.5〜2.0とな
    るように添加して混合し、該混合物を80〜200℃で
    加熱処理することを特徴とするポリイミド樹脂の製造方
    法。
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