JP2002301480A - 晶析脱リン方法 - Google Patents
晶析脱リン方法Info
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- JP2002301480A JP2002301480A JP2001110728A JP2001110728A JP2002301480A JP 2002301480 A JP2002301480 A JP 2002301480A JP 2001110728 A JP2001110728 A JP 2001110728A JP 2001110728 A JP2001110728 A JP 2001110728A JP 2002301480 A JP2002301480 A JP 2002301480A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 メンテナンス作業が容易で、しかも従来の流
動床式の晶析脱リン方法と比較してコンパクトで処理速
度が速く、かつ、安定して長時間連続運転が可能な流動
床式の晶析脱リン方法を提供すること。 【解決手段】 リン含有排水を反応晶析槽1内に導入
し、カルシウム化合物及び/又はアルカリ剤を添加する
と共にリン酸カルシウムを含有する結晶種の流動床1a
を形成しながら前記リン含有排水中のリンと前記結晶種
とを接触させて、前記リン含有排水中のリンをリン酸カ
ルシウム化合物として分離する晶析脱リン方法におい
て、前記カルシウム化合物及び/又はアルカリ剤として
150メッシュの目開きの篩上残分が0.05%以下の
ものを用いるようにした。
動床式の晶析脱リン方法と比較してコンパクトで処理速
度が速く、かつ、安定して長時間連続運転が可能な流動
床式の晶析脱リン方法を提供すること。 【解決手段】 リン含有排水を反応晶析槽1内に導入
し、カルシウム化合物及び/又はアルカリ剤を添加する
と共にリン酸カルシウムを含有する結晶種の流動床1a
を形成しながら前記リン含有排水中のリンと前記結晶種
とを接触させて、前記リン含有排水中のリンをリン酸カ
ルシウム化合物として分離する晶析脱リン方法におい
て、前記カルシウム化合物及び/又はアルカリ剤として
150メッシュの目開きの篩上残分が0.05%以下の
ものを用いるようにした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水処理水等のリ
ン含有排水からリンを分離する排水処理方法に関し、更
に詳しくは、リン酸カルシウムを含有する結晶種を流動
化させた流動床式の反応晶析槽内に前記リン含有排水を
供給し、前記流動床式の反応晶析槽内でカルシウム化合
物及び/又はアルカリ剤を添加しながら前記リン含有排
水中のリンと前記結晶種とを反応させることによりリン
酸カルシウム化合物を析出させるようにした晶析脱リン
方法に関する。
ン含有排水からリンを分離する排水処理方法に関し、更
に詳しくは、リン酸カルシウムを含有する結晶種を流動
化させた流動床式の反応晶析槽内に前記リン含有排水を
供給し、前記流動床式の反応晶析槽内でカルシウム化合
物及び/又はアルカリ剤を添加しながら前記リン含有排
水中のリンと前記結晶種とを反応させることによりリン
酸カルシウム化合物を析出させるようにした晶析脱リン
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、下水処理等のリン含有排水からリ
ンを除去する処理方法としては、生物処理法、凝集沈殿
法、吸着法、晶析法等が知られている。 (1)生物処理法としては、例えば活性汚泥法がある
が、活性汚泥法は本来BODおよびSSの除去を目的と
しているのでリンの除去率が低く、流入したリンの40
%程度しか除去されない。しかも、曝気槽や薬品設備が
必要となるため用地面積が大きくなるという欠点があ
る。また、別の生物処理法としてリンの過剰摂取を利用
した活性汚泥法がある。この方法は、余剰汚泥(返送汚
泥)を嫌気性にしてリンを放出させ、リン濃度の高い上
澄液に凝集剤を添加することによりリンを除去する処理
方法である。この方法を用いれば、流入したリンの70
〜90%の除去率が得られるが、嫌気性槽と汚泥凝集槽
が必要なためにプロセスが複雑になるという欠点があ
る。
ンを除去する処理方法としては、生物処理法、凝集沈殿
法、吸着法、晶析法等が知られている。 (1)生物処理法としては、例えば活性汚泥法がある
が、活性汚泥法は本来BODおよびSSの除去を目的と
しているのでリンの除去率が低く、流入したリンの40
%程度しか除去されない。しかも、曝気槽や薬品設備が
必要となるため用地面積が大きくなるという欠点があ
る。また、別の生物処理法としてリンの過剰摂取を利用
した活性汚泥法がある。この方法は、余剰汚泥(返送汚
泥)を嫌気性にしてリンを放出させ、リン濃度の高い上
澄液に凝集剤を添加することによりリンを除去する処理
方法である。この方法を用いれば、流入したリンの70
〜90%の除去率が得られるが、嫌気性槽と汚泥凝集槽
が必要なためにプロセスが複雑になるという欠点があ
る。
【0003】(2)凝集沈殿法は、放流水中のリン(P
O4−P)を凝集させて不溶性にし、この含リン不溶性
物質を沈殿分離するのでリンの除去効率が高い。使用す
る凝集剤は、リン(PO4−P)と結合して不溶性の塩
を作る鉄塩(例えば塩化第2鉄や硫酸第1鉄等)、アル
ミニウム塩(例えば硫酸バンドやPAC等)、石灰等が
用いられる。しかし、沈殿槽や薬品設備を必要とするた
め用地面積が大きくなるという欠点がある。
O4−P)を凝集させて不溶性にし、この含リン不溶性
物質を沈殿分離するのでリンの除去効率が高い。使用す
る凝集剤は、リン(PO4−P)と結合して不溶性の塩
を作る鉄塩(例えば塩化第2鉄や硫酸第1鉄等)、アル
ミニウム塩(例えば硫酸バンドやPAC等)、石灰等が
用いられる。しかし、沈殿槽や薬品設備を必要とするた
め用地面積が大きくなるという欠点がある。
【0004】(3)吸着法は、原水中のリン(PO4−
P)を吸着剤(例えば鉄添着剤)と反応させてリンを除
去する。リン(PO4−P)の除去率は高いが、吸着剤
が高価なこと、吸着剤を再生する操作が必要なこと、吸
着剤の廃棄処理コストが高いこと等の欠点がある。これ
ら(1)〜(3)のリン含有排水からリンを除去する処
理方法は、それぞれ一長一短があり、必要に応じて適宜
実施されている。
P)を吸着剤(例えば鉄添着剤)と反応させてリンを除
去する。リン(PO4−P)の除去率は高いが、吸着剤
が高価なこと、吸着剤を再生する操作が必要なこと、吸
着剤の廃棄処理コストが高いこと等の欠点がある。これ
ら(1)〜(3)のリン含有排水からリンを除去する処
理方法は、それぞれ一長一短があり、必要に応じて適宜
実施されている。
【0005】一方、近年地球環境問題もあり、最終生成
物のリサイクル性が高く、生物処理法や凝集沈殿法と比
較して、系外に排出されるリン含有物の容積が最も小さ
く、しかも含液分(付着液分)の少ない晶析による脱リ
ン方法が注目されている。 (4)現在、実用化されている晶析法としては、結晶種
を固定した状態で用いる固定床式が多数を占めている。
物のリサイクル性が高く、生物処理法や凝集沈殿法と比
較して、系外に排出されるリン含有物の容積が最も小さ
く、しかも含液分(付着液分)の少ない晶析による脱リ
ン方法が注目されている。 (4)現在、実用化されている晶析法としては、結晶種
を固定した状態で用いる固定床式が多数を占めている。
【0006】この固定床式の晶析法は、図2に示すよう
に、pH調整槽104に供給する前にリン含有排水の脱
炭酸を行う前処理工程と、前処理した前記リン含有排水
のpH値を前記pH調整槽104で調整するために薬剤
を注入する薬注工程と、前記リン含有排水のpH値を調
整するpH調整工程と、リン酸カルシウムを含有する結
晶種を固定状態にした固定床100aで前記リン含有排
水中のリンと前記結晶種とを接触させる固定床式の反応
工程とを主要工程としている。
に、pH調整槽104に供給する前にリン含有排水の脱
炭酸を行う前処理工程と、前処理した前記リン含有排水
のpH値を前記pH調整槽104で調整するために薬剤
を注入する薬注工程と、前記リン含有排水のpH値を調
整するpH調整工程と、リン酸カルシウムを含有する結
晶種を固定状態にした固定床100aで前記リン含有排
水中のリンと前記結晶種とを接触させる固定床式の反応
工程とを主要工程としている。
【0007】このような工程からなる固定床式の晶析法
では、 (1)最初に、下水処理水等のリン含有排水は、流量調
整槽101に供給され貯溜される。流量調整槽101で
流量変動を吸収したリン含有排水は、原水ポンプ101
aにより流量調整槽101から所定量抜き出され、配管
101bを介して後工程の脱炭酸塔102に供給され
る。 (2)脱炭酸塔102の上部に供給されたリン含有排水
は、充填層102cの上部から落下しながら充填物(例
えばラシヒリングやテラレット等)の表面で分散され
る。一方、充填層102cの下部からは、ブロワ(図示
しない)により配管102aを介して空気が吹き込まれ
る。このように脱炭酸塔102内で向流で気液接触さ
せ、気体−液体の接触界面積を大きくすることにより、
リン含有排水中に含まれる炭酸根CO3 2-、HCO3 -1を
好適に炭酸ガスCO2としてストリッピング(放散)す
ることができる。脱炭酸塔102から排出された炭酸ガ
スCO2は、処理水を中和するための再炭酸化等の処理
に使用される。尚、脱炭酸塔102は、リン含有排水中
の炭酸根CO3 2-、HCO3 -1が少ない場合は、省略する
ことができる。このようにリン含有排水を前処理するこ
とで、リン含有排水量の流量変動に対しても安定して所
定の排水処理量を確保できると共に、pH調整槽104
のアルカリ剤の消費量を低減でき、かつ、固定床式の反
応晶析槽100でリン酸カルシウム化合物以外の難溶解
性のカルシウム塩(例えば、炭酸カルシウム)が生成す
るのを防止することもできる。
では、 (1)最初に、下水処理水等のリン含有排水は、流量調
整槽101に供給され貯溜される。流量調整槽101で
流量変動を吸収したリン含有排水は、原水ポンプ101
aにより流量調整槽101から所定量抜き出され、配管
101bを介して後工程の脱炭酸塔102に供給され
る。 (2)脱炭酸塔102の上部に供給されたリン含有排水
は、充填層102cの上部から落下しながら充填物(例
えばラシヒリングやテラレット等)の表面で分散され
る。一方、充填層102cの下部からは、ブロワ(図示
しない)により配管102aを介して空気が吹き込まれ
る。このように脱炭酸塔102内で向流で気液接触さ
せ、気体−液体の接触界面積を大きくすることにより、
リン含有排水中に含まれる炭酸根CO3 2-、HCO3 -1を
好適に炭酸ガスCO2としてストリッピング(放散)す
ることができる。脱炭酸塔102から排出された炭酸ガ
スCO2は、処理水を中和するための再炭酸化等の処理
に使用される。尚、脱炭酸塔102は、リン含有排水中
の炭酸根CO3 2-、HCO3 -1が少ない場合は、省略する
ことができる。このようにリン含有排水を前処理するこ
とで、リン含有排水量の流量変動に対しても安定して所
定の排水処理量を確保できると共に、pH調整槽104
のアルカリ剤の消費量を低減でき、かつ、固定床式の反
応晶析槽100でリン酸カルシウム化合物以外の難溶解
性のカルシウム塩(例えば、炭酸カルシウム)が生成す
るのを防止することもできる。
【0008】(3)次に、前処理工程で脱炭酸されたリ
ン含有排水は、配管102bを介してpH調整槽104
に供給され、後工程の固定床式の反応晶析槽100に適
したpH値に調整される(例えば、pH=9)。pH調
整槽104では、脱炭酸されたリン含有排水のpH値を
調整するため、薬注工程の薬注ポンプ103aにより薬
注タンク103から薬剤が所定量抜き出され、配管10
3bを介してpH調整槽104に注入される。
ン含有排水は、配管102bを介してpH調整槽104
に供給され、後工程の固定床式の反応晶析槽100に適
したpH値に調整される(例えば、pH=9)。pH調
整槽104では、脱炭酸されたリン含有排水のpH値を
調整するため、薬注工程の薬注ポンプ103aにより薬
注タンク103から薬剤が所定量抜き出され、配管10
3bを介してpH調整槽104に注入される。
【0009】このようにpH値を調整されたリン含有排
水は、固定床式の反応晶析槽100の下部に供給する圧
力を一定にして供給するため、調整液ポンプ104aに
より配管104bを介してヘッドタンク105にポンプ
アップされる。ポンプアップされたリン含有排水は、配
管105aを介してリン酸カルシウムを含有する結晶種
を固定した固定床100aを有する固定床式の反応晶析
槽100へと一定圧力で供給される。固定床式の反応晶
析槽100へ供給されたリン含有排水は、固定床を通過
する間に排水に含有するリンがリン酸カルシウムとして
結晶種の表面に析出し分離される。このようにしてリン
が分離された排水は、処理水として固定床式の反応晶析
槽100の上部から外部に排出される。
水は、固定床式の反応晶析槽100の下部に供給する圧
力を一定にして供給するため、調整液ポンプ104aに
より配管104bを介してヘッドタンク105にポンプ
アップされる。ポンプアップされたリン含有排水は、配
管105aを介してリン酸カルシウムを含有する結晶種
を固定した固定床100aを有する固定床式の反応晶析
槽100へと一定圧力で供給される。固定床式の反応晶
析槽100へ供給されたリン含有排水は、固定床を通過
する間に排水に含有するリンがリン酸カルシウムとして
結晶種の表面に析出し分離される。このようにしてリン
が分離された排水は、処理水として固定床式の反応晶析
槽100の上部から外部に排出される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
固定床式の反応晶析槽100を使用した晶析脱リン方法
は、長時間運転しているとどうしてもリン含有排水中の
SS分が固定床100aを詰まらせてしまうという問題
があり、詰まりを解消するために固定床100aを逆洗
する洗浄工程が必要になるので、運転員のメンテナンス
作業が大変であった。また、従来、流動床式の反応晶析
槽を利用した晶析脱リン方法も行われているが、反応晶
析槽内でリン含有排水中の炭酸イオンとカルシウムイオ
ンとが反応して炭酸カルシウムがリン酸カルシウム化合
物の表面を覆ってしまうためリン酸カルシウム化合物の
結晶種表面への析出反応が進まなくなってしまうという
問題があり、通常、当業者間で炭酸カルシウムが生成し
ない運転条件として推奨されているpH=9程度、空塔
速度SV=3〜4hr-1で運転されている。しかしなが
ら、運転条件の設定が難しく長時間連続運転するのが難
しかった。また、リン含有排水の処理速度が非常に遅
く、装置が大型化するという問題があった。
固定床式の反応晶析槽100を使用した晶析脱リン方法
は、長時間運転しているとどうしてもリン含有排水中の
SS分が固定床100aを詰まらせてしまうという問題
があり、詰まりを解消するために固定床100aを逆洗
する洗浄工程が必要になるので、運転員のメンテナンス
作業が大変であった。また、従来、流動床式の反応晶析
槽を利用した晶析脱リン方法も行われているが、反応晶
析槽内でリン含有排水中の炭酸イオンとカルシウムイオ
ンとが反応して炭酸カルシウムがリン酸カルシウム化合
物の表面を覆ってしまうためリン酸カルシウム化合物の
結晶種表面への析出反応が進まなくなってしまうという
問題があり、通常、当業者間で炭酸カルシウムが生成し
ない運転条件として推奨されているpH=9程度、空塔
速度SV=3〜4hr-1で運転されている。しかしなが
ら、運転条件の設定が難しく長時間連続運転するのが難
しかった。また、リン含有排水の処理速度が非常に遅
く、装置が大型化するという問題があった。
【0011】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであって、メンテナンス作業が容易で、しかも
従来の流動床式の晶析脱リン方法と比較してコンパクト
で処理速度が速く、かつ、安定して長時間連続運転が可
能な流動床式の晶析脱リン方法を提供することを目的と
する。
れたものであって、メンテナンス作業が容易で、しかも
従来の流動床式の晶析脱リン方法と比較してコンパクト
で処理速度が速く、かつ、安定して長時間連続運転が可
能な流動床式の晶析脱リン方法を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
になされた請求項1に係る晶析脱リン方法の発明は、リ
ン含有排水を反応晶析槽内に導入し、カルシウム化合物
及び/又はアルカリ剤を添加すると共にリン酸カルシウ
ムを含有する結晶種の流動床を形成しながら前記リン含
有排水中のリンと前記結晶種とを接触させて、前記リン
含有排水中のリンをリン酸カルシウム化合物として分離
する晶析脱リン方法において、前記カルシウム化合物及
び/又はアルカリ剤として150メッシュの目開きの篩
上残分が0.05%以下のものを用いることを特徴とす
る方法である。
になされた請求項1に係る晶析脱リン方法の発明は、リ
ン含有排水を反応晶析槽内に導入し、カルシウム化合物
及び/又はアルカリ剤を添加すると共にリン酸カルシウ
ムを含有する結晶種の流動床を形成しながら前記リン含
有排水中のリンと前記結晶種とを接触させて、前記リン
含有排水中のリンをリン酸カルシウム化合物として分離
する晶析脱リン方法において、前記カルシウム化合物及
び/又はアルカリ剤として150メッシュの目開きの篩
上残分が0.05%以下のものを用いることを特徴とす
る方法である。
【0013】請求項1の発明によると、流動床を利用し
た晶析脱リン方法において、カルシウム化合物及び/又
はアルカリ剤として150メッシュの目開きの篩上残分
が0.05%以下のものを用いるようにしたので、前記
カルシウム化合物及び/又はアルカリ剤の単位容積あた
りの表面積が大きくなり溶解性が向上する結果、前記カ
ルシウム化合物及び/又はアルカリ剤の有効使用率を向
上させることができる。また、従来、前記カルシウム化
合物及び/又はアルカリ剤の大きな粒子を使用していた
ことによる放流水側へのSSの漏れ量を少なくすること
ができる。
た晶析脱リン方法において、カルシウム化合物及び/又
はアルカリ剤として150メッシュの目開きの篩上残分
が0.05%以下のものを用いるようにしたので、前記
カルシウム化合物及び/又はアルカリ剤の単位容積あた
りの表面積が大きくなり溶解性が向上する結果、前記カ
ルシウム化合物及び/又はアルカリ剤の有効使用率を向
上させることができる。また、従来、前記カルシウム化
合物及び/又はアルカリ剤の大きな粒子を使用していた
ことによる放流水側へのSSの漏れ量を少なくすること
ができる。
【0014】請求項2に係る晶析脱リン方法の発明は、
前記カルシウム化合物及び/又はアルカリ剤を、前記結
晶種の流動床に添加することを特徴とする請求項1に記
載の晶析脱リン方法である。
前記カルシウム化合物及び/又はアルカリ剤を、前記結
晶種の流動床に添加することを特徴とする請求項1に記
載の晶析脱リン方法である。
【0015】請求項2の発明によると、カルシウム化合
物及び/又はアルカリ剤をリン酸カルシウムを含有する
結晶種の流動床に添加することにより、前記カルシウム
化合物及び/又はアルカリ剤が流動床内で強く攪拌・混
合されるので、流動床内のカルシウムイオン濃度及び/
又はpH値を瞬時に均一に保つことができる。その結
果、従来問題となっていた流動床内でのカルシウムイオ
ン濃度及び/又はpH値が不均一なために発生するリン
酸カルシウム等の細かい結晶の析出がなくなるので、細
かい粒子の処理水側への混入を抑制でき、さらに、リン
酸カルシウムの結晶表面への析出が効率良く行われるた
めリンの回収率が向上する。
物及び/又はアルカリ剤をリン酸カルシウムを含有する
結晶種の流動床に添加することにより、前記カルシウム
化合物及び/又はアルカリ剤が流動床内で強く攪拌・混
合されるので、流動床内のカルシウムイオン濃度及び/
又はpH値を瞬時に均一に保つことができる。その結
果、従来問題となっていた流動床内でのカルシウムイオ
ン濃度及び/又はpH値が不均一なために発生するリン
酸カルシウム等の細かい結晶の析出がなくなるので、細
かい粒子の処理水側への混入を抑制でき、さらに、リン
酸カルシウムの結晶表面への析出が効率良く行われるた
めリンの回収率が向上する。
【0016】請求項3に係る晶析脱リン方法の発明は、
前記反応晶析槽内の処理水の空塔速度が10〜20hr
-1であることを特徴とする請求項1又は請求項2のうち
の何れか1項に記載の晶析脱リン方法である。
前記反応晶析槽内の処理水の空塔速度が10〜20hr
-1であることを特徴とする請求項1又は請求項2のうち
の何れか1項に記載の晶析脱リン方法である。
【0017】請求項3の発明によると、カルシウム化合
物及び/又はアルカリ剤に150メッシュの目開きの篩
上残分が0.05%以下のものを用い、かつ、結晶種の
流動床に前記カルシウム化合物及び/又はアルカリ剤を
添加するようにしたので、リン含有排水中のリンのリン
酸カルシウムとして結晶種表面への析出反応が促進され
反応晶析槽内の処理水の空塔速度を10〜20hr-1に
することができる。その結果、従来の流動床式の晶析脱
リン法(反応晶析槽内の処理水の空塔速度は3〜4hr
-1)に比較してコンパクトで処理速度の速い流動床式の
晶析脱リン方法が提供できる。また、このように空塔速
度を速くしても、従来のものよりも粒径の小さいカルシ
ウム化合物/又はアルカリ剤を使用するため処理水への
これらの未溶解分の混入を少なくし、さらに薬注量を少
なくすることが可能となる。尚、ここでいう処理水の空
塔速度とは、反応晶析槽内の流動床に供給されるリン含
有排水及びカルシウム化合物及び/又はアルカリ剤の単
位時間当たりの容積流量を流動床の容積で除算した値で
ある。
物及び/又はアルカリ剤に150メッシュの目開きの篩
上残分が0.05%以下のものを用い、かつ、結晶種の
流動床に前記カルシウム化合物及び/又はアルカリ剤を
添加するようにしたので、リン含有排水中のリンのリン
酸カルシウムとして結晶種表面への析出反応が促進され
反応晶析槽内の処理水の空塔速度を10〜20hr-1に
することができる。その結果、従来の流動床式の晶析脱
リン法(反応晶析槽内の処理水の空塔速度は3〜4hr
-1)に比較してコンパクトで処理速度の速い流動床式の
晶析脱リン方法が提供できる。また、このように空塔速
度を速くしても、従来のものよりも粒径の小さいカルシ
ウム化合物/又はアルカリ剤を使用するため処理水への
これらの未溶解分の混入を少なくし、さらに薬注量を少
なくすることが可能となる。尚、ここでいう処理水の空
塔速度とは、反応晶析槽内の流動床に供給されるリン含
有排水及びカルシウム化合物及び/又はアルカリ剤の単
位時間当たりの容積流量を流動床の容積で除算した値で
ある。
【0018】請求項4に係る晶析脱リン方法の発明は、
前記流動床のpH値を9.5以上、カルシウムイオン濃
度20mg/l〜100mg/lで運転することを特徴
とする請求項1から請求項3のうちの何れか1項に記載
の晶析脱リン方法である。
前記流動床のpH値を9.5以上、カルシウムイオン濃
度20mg/l〜100mg/lで運転することを特徴
とする請求項1から請求項3のうちの何れか1項に記載
の晶析脱リン方法である。
【0019】請求項4の発明によると、反応晶析槽内の
流動床のpH値を9.5以上、カルシウム濃度20mg
/l〜100mg/l以上で運転することにより、流動
床におけるリン酸カルシウムの溶解状態を不安定域と
し、炭酸カルシウムが結晶表面を覆っても、それにうち
勝ってリン酸カルシウムが結晶種表面に析出することが
できるので、安定して長時間連続運転することができ
る。不安定域とは、結晶種が存在しない系においても、
リン酸カルシウムが析出する過飽和状態をいう。
流動床のpH値を9.5以上、カルシウム濃度20mg
/l〜100mg/l以上で運転することにより、流動
床におけるリン酸カルシウムの溶解状態を不安定域と
し、炭酸カルシウムが結晶表面を覆っても、それにうち
勝ってリン酸カルシウムが結晶種表面に析出することが
できるので、安定して長時間連続運転することができ
る。不安定域とは、結晶種が存在しない系においても、
リン酸カルシウムが析出する過飽和状態をいう。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に係る晶析脱リン方法の1
実施形態について図面を参照して説明する。最初に、本
実施形態で使用される薬剤について説明する。 (1)本実施形態で用いられるカルシウム化合物及び/
又はアルカリ剤とは、排水中のリンと反応して難溶解性
のカルシウム塩を生成するものであり、代表的には、消
石灰Ca(OH)2の消石灰乳が挙げられる。しかし、
本発明で用いるカルシウム化合物は、同様な機能を奏す
ればCa(OH)2に限定されるものではなく、例えば
塩化カルシウム等他のカルシウム化合物を用いることも
できる。本発明の実施形態においては代表的な化合物と
してCa(OH)2を例示して説明する。Ca(OH)2
は、カルシウムイオン供給源としてだけでなくアルカリ
剤としての機能を兼用できることから、カルシウム化合
物としてはCa(OH)2を用いるのが望ましい。 (2)リン酸カルシウムを含有する結晶種は、例えば骨
炭、リン酸カルシウム、リン鉱石を用いることができ
る。特にランニングコストの面からリン鉱石が好適であ
る。また、その粒径は、晶析反応速度と粉砕コストとの
兼ね合いから0.15〜0.3mm程度であることが好
ましい。すなわち、粒径が0.15mm未満では粉砕コ
ストが高くなり、逆に、粒径が0.3mm以上では晶析
反応速度が遅くなる。
実施形態について図面を参照して説明する。最初に、本
実施形態で使用される薬剤について説明する。 (1)本実施形態で用いられるカルシウム化合物及び/
又はアルカリ剤とは、排水中のリンと反応して難溶解性
のカルシウム塩を生成するものであり、代表的には、消
石灰Ca(OH)2の消石灰乳が挙げられる。しかし、
本発明で用いるカルシウム化合物は、同様な機能を奏す
ればCa(OH)2に限定されるものではなく、例えば
塩化カルシウム等他のカルシウム化合物を用いることも
できる。本発明の実施形態においては代表的な化合物と
してCa(OH)2を例示して説明する。Ca(OH)2
は、カルシウムイオン供給源としてだけでなくアルカリ
剤としての機能を兼用できることから、カルシウム化合
物としてはCa(OH)2を用いるのが望ましい。 (2)リン酸カルシウムを含有する結晶種は、例えば骨
炭、リン酸カルシウム、リン鉱石を用いることができ
る。特にランニングコストの面からリン鉱石が好適であ
る。また、その粒径は、晶析反応速度と粉砕コストとの
兼ね合いから0.15〜0.3mm程度であることが好
ましい。すなわち、粒径が0.15mm未満では粉砕コ
ストが高くなり、逆に、粒径が0.3mm以上では晶析
反応速度が遅くなる。
【0021】次に、本発明に係る晶析脱リン方法につい
て図1を参照して説明する。図1は、本発明に係る晶析
脱リン方法の1実施形態を示す系統図である。本発明に
係る晶析脱リン方法は、原水供給工程と、消石灰乳供給
工程と、晶析脱リン工程と、処理水循環工程とを主要工
程としている。
て図1を参照して説明する。図1は、本発明に係る晶析
脱リン方法の1実施形態を示す系統図である。本発明に
係る晶析脱リン方法は、原水供給工程と、消石灰乳供給
工程と、晶析脱リン工程と、処理水循環工程とを主要工
程としている。
【0022】原水供給工程では、下水処理水等のリン含
有排水(リン濃度(PO4−Pとして)は1〜10mg
/l)が原水ピット2に供給され、そして原水ピット2
に貯溜される。原水ピット2には液面計2cが設けられ
ており、液面高さが予め設定した値より高すぎたり又は
低すぎたりすると警報を発するようになっている。尚、
液面高さの設定は、リン含有排水の流入量と原水ピット
2でのリン含有排水の滞留時間により決定される。原水
ピット2に貯溜されたリン含有排水は、原水ポンプ2a
により一定量抜き出され配管2bを介して流動床式の反
応晶析槽1に供給される。このとき、流動床式の反応晶
析槽1には、原水ポンプ2aにより供給されるリン含有
排水と前記反応晶析槽1でリンを分離され循環水ポンプ
4a1により配管4b1を介して供給される処理水とが
合流した常に一定の流量の液が供給される。このように
反応晶析槽1へ供給するリン含有排水の量が変動して
も、循環水ポンプ4a1を使って処理水の循環量を調整
することにより供給する液量を一定にすることができる
ので、従来必要であった流量調整槽が不要となる。
有排水(リン濃度(PO4−Pとして)は1〜10mg
/l)が原水ピット2に供給され、そして原水ピット2
に貯溜される。原水ピット2には液面計2cが設けられ
ており、液面高さが予め設定した値より高すぎたり又は
低すぎたりすると警報を発するようになっている。尚、
液面高さの設定は、リン含有排水の流入量と原水ピット
2でのリン含有排水の滞留時間により決定される。原水
ピット2に貯溜されたリン含有排水は、原水ポンプ2a
により一定量抜き出され配管2bを介して流動床式の反
応晶析槽1に供給される。このとき、流動床式の反応晶
析槽1には、原水ポンプ2aにより供給されるリン含有
排水と前記反応晶析槽1でリンを分離され循環水ポンプ
4a1により配管4b1を介して供給される処理水とが
合流した常に一定の流量の液が供給される。このように
反応晶析槽1へ供給するリン含有排水の量が変動して
も、循環水ポンプ4a1を使って処理水の循環量を調整
することにより供給する液量を一定にすることができる
ので、従来必要であった流量調整槽が不要となる。
【0023】一方、消石灰乳供給工程では、タンクロー
リー車からカルシウム化合物及び/又はアルカリ剤であ
る消石灰乳(例えばCa(OH)2として25%濃度)
が消石灰乳受入タンク3に受け入れられ、貯蔵される。
貯蔵された消石灰乳は、バルブV1を開として循環ライ
ンを形成し、循環ポンプ3aを運転しながら配管3bを
介して循環(攪拌)するようにすることで消石灰乳受入
タンク3内の消石灰濃度を均一にすることができる。バ
ルブV2を開とすることにより、循環ポンプ3aを運転
しながら配管3b及び配管3cを介して流動床式の反応
晶析槽1に消石灰乳を供給できる。このとき、消石灰乳
(例えばCa(OH)2として25%濃度)は、消石灰
乳受入タンク3から循環ポンプ3aにより配管3b及び
配管3cを介して流動床式の反応晶析槽1に供給される
前に、処理水槽4から希釈水ポンプ4a2により配管4
b2を介して供給される処理水により配管3c内で20
0倍に希釈され、流動床式の反応晶析槽1の流動床1a
がpH=9.5〜12好ましくは9.7〜11、Ca濃
度=20〜100mg/l好ましくは20〜80mg/
lに設定できるように自動制御されて供給される。この
ようにリンと反応する成分であるカルシウムイオン濃度
およびpH値を高く設定することで、流動床におけるリ
ン含有排水のリン酸カルシウムの溶解状態を不安定域と
し、炭酸カルシウムが結晶表面を覆っても、それにうち
勝ってリン酸カルシウムが結晶種表面に析出することが
できるので、安定して長時間連続運転することができ、
従来と同一の大きさの反応晶析層1でもリン含有排水の
処理速度を速くすることが可能になることは、当該技術
分野の常識から全く驚くべきことである。
リー車からカルシウム化合物及び/又はアルカリ剤であ
る消石灰乳(例えばCa(OH)2として25%濃度)
が消石灰乳受入タンク3に受け入れられ、貯蔵される。
貯蔵された消石灰乳は、バルブV1を開として循環ライ
ンを形成し、循環ポンプ3aを運転しながら配管3bを
介して循環(攪拌)するようにすることで消石灰乳受入
タンク3内の消石灰濃度を均一にすることができる。バ
ルブV2を開とすることにより、循環ポンプ3aを運転
しながら配管3b及び配管3cを介して流動床式の反応
晶析槽1に消石灰乳を供給できる。このとき、消石灰乳
(例えばCa(OH)2として25%濃度)は、消石灰
乳受入タンク3から循環ポンプ3aにより配管3b及び
配管3cを介して流動床式の反応晶析槽1に供給される
前に、処理水槽4から希釈水ポンプ4a2により配管4
b2を介して供給される処理水により配管3c内で20
0倍に希釈され、流動床式の反応晶析槽1の流動床1a
がpH=9.5〜12好ましくは9.7〜11、Ca濃
度=20〜100mg/l好ましくは20〜80mg/
lに設定できるように自動制御されて供給される。この
ようにリンと反応する成分であるカルシウムイオン濃度
およびpH値を高く設定することで、流動床におけるリ
ン含有排水のリン酸カルシウムの溶解状態を不安定域と
し、炭酸カルシウムが結晶表面を覆っても、それにうち
勝ってリン酸カルシウムが結晶種表面に析出することが
できるので、安定して長時間連続運転することができ、
従来と同一の大きさの反応晶析層1でもリン含有排水の
処理速度を速くすることが可能になることは、当該技術
分野の常識から全く驚くべきことである。
【0024】晶析脱リン工程では、流動床式の反応晶析
槽1の下部から所定流量の液、すなわちリン含有排水を
ディストリビュータ1cに通過させて9〜11m/hr
の範囲の線速度LVで上向流を形成し、結晶種を流動化
させて流動床を形成する。このときリン含有排水の流量
変動を考慮して原水ポンプ2aと循環水ポンプ4a1の
吐出量を制御して適性な流動床の流動状態(流動床の界
面が乱れずに一定状態)を保つようにしている。消石灰
乳を流動床1aに注入してpH=9.5〜12、Ca濃
度=20〜100mg/l、反応晶析槽内の処理水の空
塔速度SV=10hr-1とし、結晶種とリンを反応させ
ることでリン含有排水から好適にリンを分離することが
できる。結晶種と反応したリンは、カルシウムヒドロキ
シルアパタイトとして有意に回収される。最終回収物と
して得られるカルシウムヒドロキシルアパタイトは、過
リン酸石灰等の原料として使用できるので有価物として
回収でき、リサイクルができるので地球環境を汚さな
い。また、汚泥等の有機系のたんぱく質を含んだ含液分
の高い(80〜95%)廃棄物と比較して、含液率が低
いので搬送等の作業性が容易になる。
槽1の下部から所定流量の液、すなわちリン含有排水を
ディストリビュータ1cに通過させて9〜11m/hr
の範囲の線速度LVで上向流を形成し、結晶種を流動化
させて流動床を形成する。このときリン含有排水の流量
変動を考慮して原水ポンプ2aと循環水ポンプ4a1の
吐出量を制御して適性な流動床の流動状態(流動床の界
面が乱れずに一定状態)を保つようにしている。消石灰
乳を流動床1aに注入してpH=9.5〜12、Ca濃
度=20〜100mg/l、反応晶析槽内の処理水の空
塔速度SV=10hr-1とし、結晶種とリンを反応させ
ることでリン含有排水から好適にリンを分離することが
できる。結晶種と反応したリンは、カルシウムヒドロキ
シルアパタイトとして有意に回収される。最終回収物と
して得られるカルシウムヒドロキシルアパタイトは、過
リン酸石灰等の原料として使用できるので有価物として
回収でき、リサイクルができるので地球環境を汚さな
い。また、汚泥等の有機系のたんぱく質を含んだ含液分
の高い(80〜95%)廃棄物と比較して、含液率が低
いので搬送等の作業性が容易になる。
【0025】処理水循環工程では、流動床式の反応晶析
槽1内でリンを分離されたリン含有排水が配管1bを介
して処理水として処理水槽4に貯溜され、処理水の1部
は、後段のpH調整槽(不図示)でpH値を中和処理さ
れた後河川に放流される。処理水の残りは、1部は循環
水ポンプ4a1により配管4b1を介して反応晶析層1
の下部へ戻され、また1部は希釈水ポンプ4a2により
配管4b2を介して配管3cへと消石灰乳を希釈するた
めの希釈水として供給される。
槽1内でリンを分離されたリン含有排水が配管1bを介
して処理水として処理水槽4に貯溜され、処理水の1部
は、後段のpH調整槽(不図示)でpH値を中和処理さ
れた後河川に放流される。処理水の残りは、1部は循環
水ポンプ4a1により配管4b1を介して反応晶析層1
の下部へ戻され、また1部は希釈水ポンプ4a2により
配管4b2を介して配管3cへと消石灰乳を希釈するた
めの希釈水として供給される。
【0026】
【実施例】次に、図1に示すような晶析脱リン方法を適
用して、リン含有排水を処理したときの実施例について
説明する。尚、本発明はこの実施例に限定されるもので
ない。 実施例 (1)原水処理量 リン含有排水(リン濃度(PO4−P)=2〜4mg/
l)を平均100m3/日(最大200m3/日)の水量
で処理した。 (2)カルシウム化合物及び/又はアルカリ剤 消石灰のうちJIS規格の特号より微粒子のもので、目
開きが150メッシュ(タイラー標準篩)の篩上残分が
0.05%以下のものを水に分散し懸濁液(消石灰乳)
として使用した。 (3)流動床式の反応晶析槽内での反応条件 処理水で希釈した10%のCa(OH)2水溶液を用
い、Ca(OH)2の添加量が反応晶析槽内のpH=1
0〜10.5、Ca濃度=40〜70mg/lを維持す
るように添加した。 反応晶析槽内の上向流の線速度LV=10m/hr程
度とした。
用して、リン含有排水を処理したときの実施例について
説明する。尚、本発明はこの実施例に限定されるもので
ない。 実施例 (1)原水処理量 リン含有排水(リン濃度(PO4−P)=2〜4mg/
l)を平均100m3/日(最大200m3/日)の水量
で処理した。 (2)カルシウム化合物及び/又はアルカリ剤 消石灰のうちJIS規格の特号より微粒子のもので、目
開きが150メッシュ(タイラー標準篩)の篩上残分が
0.05%以下のものを水に分散し懸濁液(消石灰乳)
として使用した。 (3)流動床式の反応晶析槽内での反応条件 処理水で希釈した10%のCa(OH)2水溶液を用
い、Ca(OH)2の添加量が反応晶析槽内のpH=1
0〜10.5、Ca濃度=40〜70mg/lを維持す
るように添加した。 反応晶析槽内の上向流の線速度LV=10m/hr程
度とした。
【0027】以上述べた実施例によれば、 (1)処理水中のリン濃度(PO4-P)は<0.4mg
/lが得られた(一般排水基準は8mg/l)。 (2)処理水SS成分のうち消石灰に由来するものは<
2mg/lと少なかった。 (3)反応晶析槽内の処理水の空塔速度SV=10hr
-1と大きな処理速度が得られた。
/lが得られた(一般排水基準は8mg/l)。 (2)処理水SS成分のうち消石灰に由来するものは<
2mg/lと少なかった。 (3)反応晶析槽内の処理水の空塔速度SV=10hr
-1と大きな処理速度が得られた。
【0028】
【発明の効果】以上説明した工程と作用からなる本発明
によれば、以下の効果を奏する。 1.請求項1の発明によれば、流動床を利用した晶析脱
リン方法において、カルシウム化合物及び/又はアルカ
リ剤として150メッシュの目開きの篩上残分が0.0
5%以下のものを用いるようにしたので、前記カルシウ
ム化合物及び/又はアルカリ剤の単位容積あたりの表面
積が大きくなり溶解性が向上する結果、前記カルシウム
化合物及び/又はアルカリ剤の有効使用率を向上させる
ことができる。また、従来、前記カルシウム化合物及び
/又はアルカリ剤の大きな粒子を使用していたことによ
る放流水側へのSSの漏れ量を少なくすることができ
る。 2.請求項2の発明によれば、カルシウム化合物及び/
又はアルカリ剤をリン酸カルシウムを含有する結晶種の
流動床に添加することにより、前記カルシウム化合物及
び/又はアルカリ剤が流動床内で強く攪拌・混合される
ので、流動床内のカルシウムイオン濃度及び/又はpH
値を瞬時に均一に保つことができる。その結果、従来問
題となっていた流動床内でのカルシウムイオン濃度及び
/又はpH値が不均一なために発生するリン酸カルシウ
ム等の細かい結晶の析出がなくなるので、細かい粒子の
処理水側への混入を抑制でき、さらに、リン酸カルシウ
ムの結晶表面への析出が効率良く行われるためリンの回
収率が向上する。 3.請求項3の発明によれば、カルシウム化合物及び/
又はアルカリ剤に150メッシュの目開きの篩上残分が
0.05%以下のものを用い、かつ、結晶種の流動床に
前記カルシウム化合物及び/又はアルカリ剤を添加する
ようにしたので、リン含有排水中のリンのリン酸カルシ
ウムとして結晶種表面への析出反応が促進され反応晶析
槽内の処理水の空塔速度を10〜20hr-1にすること
ができる。その結果、従来の流動床式の晶析脱リン法
(反応晶析槽内の処理水の空塔速度は3〜4hr-1)に
比較してコンパクトで処理速度の速い流動床式の晶析脱
リン方法が提供できる。また、このように空塔速度を速
くしても、従来のものよりも粒径の小さいカルシウム化
合物/又はアルカリ剤を使用するため処理水へのこれら
の未溶解分の混入を少なくし、さらに薬注量を少なくす
ることが可能となる。 4.請求項4の発明によれば、反応晶析槽内の流動床の
pH値を9.5以上、カルシウム濃度20mg/l〜1
00mg/l以上で運転することにより、流動床におけ
るリン酸カルシウムの溶解状態を不安定域とし、炭酸カ
ルシウムが結晶表面を覆っても、それにうち勝ってリン
酸カルシウムが結晶種表面に析出することができるの
で、安定して長時間連続運転することができる。
によれば、以下の効果を奏する。 1.請求項1の発明によれば、流動床を利用した晶析脱
リン方法において、カルシウム化合物及び/又はアルカ
リ剤として150メッシュの目開きの篩上残分が0.0
5%以下のものを用いるようにしたので、前記カルシウ
ム化合物及び/又はアルカリ剤の単位容積あたりの表面
積が大きくなり溶解性が向上する結果、前記カルシウム
化合物及び/又はアルカリ剤の有効使用率を向上させる
ことができる。また、従来、前記カルシウム化合物及び
/又はアルカリ剤の大きな粒子を使用していたことによ
る放流水側へのSSの漏れ量を少なくすることができ
る。 2.請求項2の発明によれば、カルシウム化合物及び/
又はアルカリ剤をリン酸カルシウムを含有する結晶種の
流動床に添加することにより、前記カルシウム化合物及
び/又はアルカリ剤が流動床内で強く攪拌・混合される
ので、流動床内のカルシウムイオン濃度及び/又はpH
値を瞬時に均一に保つことができる。その結果、従来問
題となっていた流動床内でのカルシウムイオン濃度及び
/又はpH値が不均一なために発生するリン酸カルシウ
ム等の細かい結晶の析出がなくなるので、細かい粒子の
処理水側への混入を抑制でき、さらに、リン酸カルシウ
ムの結晶表面への析出が効率良く行われるためリンの回
収率が向上する。 3.請求項3の発明によれば、カルシウム化合物及び/
又はアルカリ剤に150メッシュの目開きの篩上残分が
0.05%以下のものを用い、かつ、結晶種の流動床に
前記カルシウム化合物及び/又はアルカリ剤を添加する
ようにしたので、リン含有排水中のリンのリン酸カルシ
ウムとして結晶種表面への析出反応が促進され反応晶析
槽内の処理水の空塔速度を10〜20hr-1にすること
ができる。その結果、従来の流動床式の晶析脱リン法
(反応晶析槽内の処理水の空塔速度は3〜4hr-1)に
比較してコンパクトで処理速度の速い流動床式の晶析脱
リン方法が提供できる。また、このように空塔速度を速
くしても、従来のものよりも粒径の小さいカルシウム化
合物/又はアルカリ剤を使用するため処理水へのこれら
の未溶解分の混入を少なくし、さらに薬注量を少なくす
ることが可能となる。 4.請求項4の発明によれば、反応晶析槽内の流動床の
pH値を9.5以上、カルシウム濃度20mg/l〜1
00mg/l以上で運転することにより、流動床におけ
るリン酸カルシウムの溶解状態を不安定域とし、炭酸カ
ルシウムが結晶表面を覆っても、それにうち勝ってリン
酸カルシウムが結晶種表面に析出することができるの
で、安定して長時間連続運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る晶析脱リン方法の1実施形態を示
す系統図である。
す系統図である。
【図2】従来の晶析脱リン方法を示す系統図である。
1 反応晶析槽 1a 流動床 2 原水ピット 2a 原水ポンプ 3 消石灰乳受入タンク 3a 循環ポンプ 4 処理水槽 4a1 循環水ポンプ 4a2 希釈水ポンプ V1,V2 バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 9/02 625 B01D 9/02 625D 625E 625Z (72)発明者 小林 達也 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D038 AA08 AB45 AB49 AB54 BA02 BA04 BB13 BB20
Claims (4)
- 【請求項1】 リン含有排水を反応晶析槽内に導入し、
カルシウム化合物及び/又はアルカリ剤を添加すると共
にリン酸カルシウムを含有する結晶種の流動床を形成し
ながら前記リン含有排水中のリンと前記結晶種とを接触
させて、前記リン含有排水中のリンをリン酸カルシウム
化合物として分離する晶析脱リン方法において、 前記カルシウム化合物及び/又はアルカリ剤として15
0メッシュの目開きの篩上残分が0.05%以下のもの
を用いることを特徴とする晶析脱リン方法。 - 【請求項2】 前記カルシウム化合物及び/又はアルカ
リ剤を、前記結晶種の流動床に添加することを特徴とす
る請求項1に記載の晶析脱リン方法。 - 【請求項3】 前記反応晶析槽内の処理水の空塔速度が
10〜20hr-1であることを特徴とする請求項1又は
請求項2のうちの何れか1項に記載の晶析脱リン方法。 - 【請求項4】 前記流動床のpH値を9.5以上、カル
シウムイオン濃度20mg/l〜100mg/lで運転
することを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何
れか1項に記載の晶析脱リン方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001110728A JP2002301480A (ja) | 2001-04-10 | 2001-04-10 | 晶析脱リン方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001110728A JP2002301480A (ja) | 2001-04-10 | 2001-04-10 | 晶析脱リン方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002301480A true JP2002301480A (ja) | 2002-10-15 |
Family
ID=18962435
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001110728A Pending JP2002301480A (ja) | 2001-04-10 | 2001-04-10 | 晶析脱リン方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002301480A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005095726A (ja) * | 2003-09-22 | 2005-04-14 | Mitsubishi Materials Corp | 反応晶析処理方法およびその装置 |
WO2009119299A1 (ja) * | 2008-03-24 | 2009-10-01 | メタウォーター株式会社 | 高硬度原水膜ろ過の前処理装置及び前処理方法 |
-
2001
- 2001-04-10 JP JP2001110728A patent/JP2002301480A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005095726A (ja) * | 2003-09-22 | 2005-04-14 | Mitsubishi Materials Corp | 反応晶析処理方法およびその装置 |
JP4562366B2 (ja) * | 2003-09-22 | 2010-10-13 | 三菱マテリアル株式会社 | 反応晶析処理方法およびその装置 |
WO2009119299A1 (ja) * | 2008-03-24 | 2009-10-01 | メタウォーター株式会社 | 高硬度原水膜ろ過の前処理装置及び前処理方法 |
JPWO2009119299A1 (ja) * | 2008-03-24 | 2011-07-21 | メタウォーター株式会社 | 高硬度原水膜ろ過の前処理装置及び前処理方法 |
JP5374497B2 (ja) * | 2008-03-24 | 2013-12-25 | メタウォーター株式会社 | 高硬度原水膜ろ過の前処理装置及び前処理方法 |
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