JP2001334274A - 脱リン方法 - Google Patents
脱リン方法Info
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Abstract
程度の低濃度リン含有排水をSV=10〜20hr−1
程度の高速処理によりPO4−P濃度1mg/L以下の
高水質処理水を得る。 【解決手段】 リン含有排水を流動床式晶析法で処理す
るに当たり、反応塔3の流動床4の下部にリン含有排水
を均一に導入するためのディストリビュータ5を設け、
Ca2+/PO4−Pが10〜15モル倍となるように
カルシウム化合物を添加すると共に、反応塔3内のpH
を9〜11に制御する。
Description
特に、下水処理水等のリン含有排水中のリンを晶析脱リ
ン反応によりリン酸カルシウムとして効率的に除去する
脱リン方法に関する。
理方法としては、次のような方法が知られている。 原水にAl塩又は鉄塩等の凝集剤を添加して凝集処
理し、固液分離する凝集沈殿法 原水にマグネシウム化合物と必要に応じてアンモニ
ウム化合物を添加してpH調整し、リンをMAP(リン
酸アンモニウムマグネシウム)として除去するMAP法 原水にカルシウム化合物を添加して種晶の固定床又
は流動床に通水することにより、リンをリン酸カルシウ
ムの結晶として除去する晶析法(特公平2−33435
号公報) しかしながら、凝集沈殿法では沈殿槽を必要とするため
用地面積が大きく、また、汚泥として除去されるリンの
純度が低く、リンの再利用に不利であり、含水率の高い
汚泥の脱水処理が必要である上に、得られる脱水ケーキ
の含水率も80%以上と高いという欠点がある。
ために用地面積が小さくて足り、また、リンを肥料とし
て有効利用可能なMAP又はリン酸カルシウムの結晶と
して回収することができ、更に結晶化させるために回収
物の容量も小さいという利点があるが、MAP法ではそ
のリン回収率が高々70%程度と低く、また、リンとマ
グネシウムとアンモニアの化合物であるために結晶を析
出させるために必要とされる化合物が高価となる上に、
pH調整用のアルカリ剤の使用量も多く、薬剤コストが
高くつくという欠点がある。
酸カルシウムの結晶として安価にかつ比較的高い回収率
で除去することができ、得られるリン酸カルシウム結晶
は、肥料として有効利用することができるが、晶析法の
うち、種晶の固定床を用いる固定床式晶析法では処理能
力が低く、通水SVとしてSV2hr−1以下での処理
しかできない上に、浮遊物で固定床が閉塞するため定期
的に固定床の逆洗が必要であり、逆洗排水の処理の問題
がある。
このような問題はないが、流動床式晶析法であっても、
PO4−P濃度3〜4mg/L程度の比較的低濃度リン
含有排水である下水処理水を高速で処理してPO4−P
濃度1mg/L以下の高水質処理水を得ることは困難で
あった。
いては、通水速度を上げた条件で高水質処理水を得るこ
とができる流動床式晶析法は提供されていない。
4−P濃度数mg/L〜数10mg/L程度の低濃度リ
ン含有排水をSV=10〜20hr−1程度の高速処理
によりPO4−P濃度1mg/L以下の高水質処理水を
得ることができる脱リン方法を提供することを目的とす
る。
塔下部にリン含有排水の導入口が設けられ、塔上部に処
理水の取り出し口が設けられ、塔内にリン酸カルシウム
を含有するリン吸着材の流動床が形成された反応塔に、
リン含有排水を導入し、カルシウム化合物及び/又はア
ルカリ剤の添加により、該反応塔内で該リン含有排水中
のリンをリン酸カルシウム結晶として除去する脱リン方
法において、該反応塔は、該導入口から導入されたリン
含有排水を流動床の下部に均一に導入するためのディス
トリビュータを有しており、該リン含有排水のPO4−
P濃度に対する該排水中のCa2 +イオン濃度が10〜
15モル倍となるように前記カルシウム化合物を添加す
ると共に、該反応塔内のpHが9〜11となるようにp
H制御することを特徴とする。
比、即ち、PO4態のリン濃度に対するカルシウムイオ
ン濃度の重量割合が10〜15のカルシウム過剰条件と
高pH条件を採用することにより反応塔内のリンの晶析
反応効率を高めると共に、反応塔にディストリビュータ
を設けることで、流動床内のリン含有排水の上昇流を均
一化し、排水のショートパスを防止して、種晶と十分に
接触させてリンを確実に除去する。このため、後述の実
施例の結果からも明らかなように、PO4−P濃度3〜
3.5mg/Lのリン含有排水をSV15hr−1の高
速処理で、PO 4−P濃度0.3〜0.4mg/Lの高
水質処理水を得ることができる。
PO4態のリンであるため、他の有機態等の形態のリン
が被処理排水中に含まれる場合には、酸化処理等により
可溶化させる前処理を行って、PO4態に変換させるこ
とが好ましい。
リン方法の実施の形態を詳細に説明する。
示す系統図である。
して消石灰:水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を用
いた場合を例示するが、本発明で用いるカルシウム化合
物はCa(OH)2に限定されるものではなく、塩化カ
ルシウム等の他のカルシウム化合物を用いることもでき
る。ただし、アルカリ剤としての機能を兼用できること
から、カルシウム化合物としてはCa(OH)2を用い
ることが望ましい。
まず配管11よりpH調整槽1に導入し、このpH調整
槽1において、消石灰溶解槽2から供給されるCa(O
H) 2を添加してpH調整する。
12より晶析反応塔3に送給し、塔下部から導入する。
し、塔上部に処理水の排出口を有し、塔内に種晶(リン
吸着材)の流動床4が形成されたものである。
むものが好ましく、例えば骨炭、リン酸カルシウム、リ
ン鉱石等を用いることができ、特に、リン鉱石が好適で
ある。また、その粒径は0.15〜0.3mm程度であ
ることが好ましい。
導入された液を均一に流入させて種晶を流動床4内に均
一に展開させると共に、種晶と水流とを確実に接触させ
るためのディストリビュータ5が設けられている。ディ
ストリビュータ5は配管12から導入された液を流動床
4に均一に導入させ得るものであれば任意のものが使用
でき、例えば流動床4下部の支持板に複数のノズルをつ
けたものなどが挙げられる。なお、流動床4の上部には
流動床4の過大な展開を抑えるための押さえ傾斜板を設
けられても良い。
からCa(OH)2が供給されてpH調整される。
より導入された液は、流動床4内で晶析反応を起こし、
液中のリンがリン酸カルシウムとして除去され、処理水
は配管13より抜き出され、処理水槽6に送給される。
処理水槽6内の処理水の一部はポンプP2を備える配管
14より抜き出され、配管15,16よりそれぞれpH
調整槽1、晶析反応塔3に循環される。また、処理水槽
6内の処理水の残部は配管17より系外へ排出される。
(OH)2水溶液をポンプP1を備える配管18で循環
させ、この循環配管18から、配管19,20により、
処理水をpH調整槽1に循環する配管15及び晶析反応
塔3に循環する配管16にそれぞれCa(OH)2を注
入している。
れた自動弁V1,V2,V3の開閉制御で、pH調整槽
1のpHが9以下、好ましくは8.8〜9.0となるよ
うに、また、反応塔3のpHが9〜11、好ましくは
9.5〜10.5となるように、各々pH計1A,3A
の測定値に基く弁V1〜V3の開閉制御でCa(OH)
2の添加量が調整される。
は特に制限はないが、例えば弁V2,V3を一定時間
開、一定時間閉とする開閉を繰り返し(弁V1は弁
V2,V3開のとき閉、弁V2,V3閉のとき開)、こ
の繰り返し開閉制御において、pH調整槽1や反応塔3
のpH測定値が制御範囲を超えないように、適宜開閉時
間の微調整を行うのが好ましい。
行うと共に、反応塔3に導入される液中のCa2+/P
O4−Pが10〜15モル倍となるようにCa(OH)
2の添加量を制御する。
(OH)2量で、十分にCa2+/PO4−P=10〜
15の範囲となる場合には特にCa2+/PO4−P調
整のための処理を行う必要はないが、Ca2+が不足す
る場合には、更に塩化カルシウム(CaCl2)等の中
性のカルシウム化合物を添加してCa2+を補充する。
逆にCa2+が過剰となる場合には、Ca(OH)2の
一部を水酸化ナトリウム(NaOH)等のアルカリ剤に
置き換えてpH調整しても良いが、Ca2+が過剰とな
っても一般的には処理水に支障をきたすことはない。
囲及びCa2+/PO4−Pに調整すると共に、反応塔
にディストリビュータを設けたことによる水流の均一化
効果で、反応塔の通水SV10〜20hr−1という高
流速処理が可能であり、これにより反応塔の小型化を図
ることができる。なお、種晶の流動化のため、反応塔内
LVは8m/hr以上、好ましくは10〜20m/hr
とすることが望ましい。
ないが、pH調整槽1に処理水を循環してこの循環配管
15にCa(OH)2を注入し、また、処理水を晶析反
応塔3に循環し、この循環配管16にCa(OH)2を
注入するように、絶えず循環している循環配管にCa
(OH)2を注入することにより、pH値の安定化を図
ることができ、好ましい。
が、pH調整槽1への循環水量は原水量に対して50〜
150倍、反応塔3への循環水量は原水量に対して50
〜150倍程度とするのが好ましい。なお、反応塔3へ
の循環水は、反応塔3の下部に導入する。
H調整槽1を設け、pH調整を2段階で行っているが、
このようにpH調整を2段階で行うことにより、晶析反
応塔3内のpHを安定化させ、晶析反応を安定かつ確実
に進行させることができ、好ましい。
的に説明する。
3〜3.5mg/L)を450L/hrの水量で処理し
た。カルシウム化合物(アルカリ剤)としては10重量
%Ca(OH)2水溶液を用い、pH調整槽1での調整
pHは上限値9.0とし、反応塔3内の調整pHは9.
5〜10.5とした。このときのCa(OH)2の添加
量はCa換算で40〜45mg−Ca/Lであった。ま
た、反応塔3には種晶としてリン鉱石(平均粒径0.1
5mm)を0.42m3投入し、消石灰循環配管18の
流量は300L/hr、処理水循環配管14,15,1
6の流量はそれぞれ30,20,10L/hrとし、反
応塔3へはSV15hr− 1,LV10m/hrで通水
した。
注入配管19,20の弁V1〜V3の開閉制御は、基本
的には弁V2,V3を5秒間開、15秒間閉の開閉を繰
り返すこととし(弁V2,V3が開のとき、弁V1は
閉、弁V2,V3が閉のとき、弁V1は開)、各々pH
の制御範囲で随時開閉を調整した。
0.3〜0.4mg/Lの処理水が得られ、リンの平均
回収率80%で安定かつ効率的な処理を行えた。
と以外は同様に処理を行って、得られた処理水の水質を
実施例1の結果と共に表1に示した。
で高水質処理水を得ることができることがわかる。
によれば、リン含有排水を高い脱リン効率で処理して、
リンが低濃度にまで除去された高水質処理水を安定かつ
効率的に得ることができる。特に、本発明によれば、反
応塔へのリン含有排水の通水流速を従来に比べて大幅に
高めることができるため、反応塔の小型化を図ることが
でき、工業的に極めて有利である。
である。
0)
4−P濃度数mg/L〜10数mg/L程度の低濃度リ
ン含有排水をSV=10〜20hr−1程度の高速処理
によりPO4−P濃度1mg/L以下の高水質処理水を
得ることができる脱リン方法を提供することを目的とす
る。
比、即ち、PO4態のリン濃度に対するカルシウムイオ
ン濃度の割合が10〜15のカルシウム過剰条件と高p
H条件を採用することにより反応塔内のリンの晶析反応
効率を高めると共に、反応塔にディストリビュータを設
けることで、流動床内のリン含有排水の上昇流を均一化
し、排水のショートパスを防止して、種晶と十分に接触
させてリンを確実に除去する。このため、後述の実施例
の結果からも明らかなように、PO4−P濃度3〜3.
5mg/Lのリン含有排水をSV15hr−1の高速処
理で、PO4−P濃度0.3〜0.4mg/Lの高水質
処理水を得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 塔下部にリン含有排水の導入口が設けら
れ、塔上部に処理水の取り出し口が設けられ、塔内にリ
ン酸カルシウムを含有するリン吸着材の流動床が形成さ
れた反応塔に、リン含有排水を導入し、カルシウム化合
物及び/又はアルカリ剤の添加により、該反応塔内で該
リン含有排水中のリンをリン酸カルシウム結晶として除
去する脱リン方法において、 該反応塔は、該導入口から導入されたリン含有排水を流
動床の下部に均一に導入するためのディストリビュータ
を有しており、 該リン含有排水のPO4−P濃度に対する該排水中のC
a2+イオン濃度が10〜15モル倍となるように前記
カルシウム化合物を添加すると共に、該反応塔内のpH
が9〜11となるようにpH制御することを特徴とする
脱リン方法。
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JP2000154923A JP3921922B2 (ja) | 2000-05-25 | 2000-05-25 | 脱リン方法 |
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JP2005246213A (ja) * | 2004-03-03 | 2005-09-15 | Kurita Water Ind Ltd | リン含有排水の処理方法 |
JP2006122882A (ja) * | 2004-11-01 | 2006-05-18 | Taikisha Ltd | フッ素除去方法、並びに、フッ素除去設備 |
CN102476848A (zh) * | 2011-10-20 | 2012-05-30 | 常州亚环环保科技有限公司 | 一种去除低浓度含磷废水的复合除磷剂及其应用方法 |
JP2016002543A (ja) * | 2014-06-19 | 2016-01-12 | 水ing株式会社 | リンの回収装置及びリンの回収方法 |
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- 2000-05-25 JP JP2000154923A patent/JP3921922B2/ja not_active Expired - Fee Related
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