JP2002307077A - 晶析脱リン方法及び晶析脱リン装置 - Google Patents

晶析脱リン方法及び晶析脱リン装置

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JP2002307077A
JP2002307077A JP2001117654A JP2001117654A JP2002307077A JP 2002307077 A JP2002307077 A JP 2002307077A JP 2001117654 A JP2001117654 A JP 2001117654A JP 2001117654 A JP2001117654 A JP 2001117654A JP 2002307077 A JP2002307077 A JP 2002307077A
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treated water
fluidized bed
water
crystallization
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JP2001117654A
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Akio Oyama
昭男 大山
Ichiro Sumita
一郎 住田
Toru Sakakura
徹 坂倉
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Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は連続運転を可能とする晶析脱リン方
法及び晶析脱リン装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 リン含有排水を反応晶析槽内に導入し、
カルシウム化合物及び/又はアルカリ剤を添加すると共
にリン酸カルシウムを含有する結晶種の流動床を形成し
ながら前記リン含有排水中のリンと前記結晶種とを接触
させて、前記リン含有排水中のリンをリン酸カルシウム
化合物として分離して処理水を得る晶析脱リン方法にお
いて、前記反応晶析槽に前記リン含有排水と前記処理水
を供給すると共に、前記リン含有排水と前記処理水の流
量の和が一定になるように流量を制御して所定の流動床
を形成させることを特徴とする晶析脱リン方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水処理水等のリ
ン含有排水からリンを分離する排水処理方法及び晶析脱
リン装置に関する。更に詳しくは、リン酸カルシウムを
含有する結晶種を流動化させた流動床内に前記リン含有
排水を供給し、前記流動床内でカルシウム化合物及び/
又はアルカリ剤を添加しながら前記リン含有排水中のリ
ンと前記結晶種とを接触させることによりリン酸カルシ
ウム化合物を析出させるようにした晶析脱リン方法及び
晶析脱リン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、一般市民の地球環境問題に対する
意識が向上したこともあり、下水処理水等のリン含有排
水の脱リン装置として最終生成物のリサイクル性が高い
ことに加えて、生物処理法や凝集沈殿法と比較したとき
に、系外に排出されるリン含有物の容積が最も小さく、
かつ、含液分(付着液分)が少ないという理由から晶析
脱リン方法が注目され、その一部は実用化されるに至っ
ている。
【0003】実用化されている前記晶析脱リン方法とし
ては、結晶種を固定した状態で用いる固定床式の晶析脱
リン方法が多数を占めている。
【0004】ところが、この固定床式の晶析脱リン方法
に用いられる固定床式の晶析脱リン装置は、メンテナン
スが頗る厄介であり、しかも、設備費が高く設置スペー
スに制限があるといった問題があった。
【0005】そこで、本出願人らは、流動床式の晶析脱
リン方法により前記問題を解決することを提案し、鋭意
研究の結果、流動床を用いる晶析脱リン方法にかかる発
明を完成し本出願とは別に特許出願するに至った。
【0006】ここで、従来の流動床式の晶析脱リン装置
及びその装置を用いた晶析脱リン方法について図2を参
照して説明する。図2は、従来の晶析脱リン装置の1実
施形態を示す系統図である。従来の晶析脱リン装置は、
原水供給装置と、消石灰乳供給装置と、反応晶析槽21
とから主要部が構成されている。
【0007】この場合、前記原水供給装置は、原水ピッ
ト22と、調圧塔30とから構成されており、前記原水
ピット22と調圧塔30は、反応晶析槽21に原水の供
給が可能となるように、原水ポンプ22aを備える配管
22bと、配管22cを介して反応晶析槽21の下部に
設けられた注入口25に接続されている。そのため、原
水供給工程では、下水処理水等のリン含有排水が原水ピ
ット22に供給され、原水ピット22に貯溜され、そし
て、原水ピット22に貯溜されたリン含有排水は、原水
ポンプ22aにより一定量抜き出され配管22b,22
cを介して流動床式の反応晶析槽21に一定の圧力水頭
で供給される。
【0008】また、前記消石灰乳供給装置を構成する消
石灰乳受入タンク3は、循環ポンプ3aを備える配管3
bと、配管3cを介して反応晶析槽21に接続されてい
る。そのため、消石灰乳供給工程では、タンクローリー
車からカルシウム化合物及び/又はアルカリ剤である消
石灰乳が消石灰乳受入タンク3に受け入れられ、貯蔵さ
れる。貯蔵された消石灰乳は、反応晶析槽21内に形成
される流動床21aのpHの値やカルシウム化合物量が
最適になるように、バルブ(不図示)を開閉して制御す
ることにより配管3b,3cを介して反応晶析槽21内
に供給される。
【0009】さらに、反応晶析槽21は、反応晶析槽2
1内にリン含有排水を注入するための注入口25と、処
理水を取り出して配管21bを介して処理水槽4に供給
すための前記反応晶析槽21の上部に設けられた処理水
取出口26と、前記反応晶析槽21内にカルシウム化合
物及び/又はアルカリ剤を添加するための注入管27
と、ディストリビュータ21cと、を備えている。その
ため、晶析脱リン工程では、流動床式の反応晶析槽21
の下部から所定流量のリン含有排水をディストリビュー
タ21cに通過させて上向流を形成し、結晶種を流動化
させて流動床21aを形成する。そして、結晶種とリン
含有排水中のリンを反応させて、リン含有排水からリン
を分離すると共に、反応晶析槽21から配管21bを介
して処理水を処理水槽4側に取り出すことで処理水が得
られるのである。
【0010】ところで、一般家庭などから出される生活
排水の量は、季節や1日の時間帯により大きく変化する
ものであるため、一定流量の生活排水を前記流動床21
a内に供給することは困難である。仮に一定流量の生活
排水が前記流動床21aに供給されなくなると最適な流
動床が形成されなくなり、結晶種が沈降し、安定した処
理が不可能となる。さらに流動床21a内のカルシウム
イオン濃度及び/又はpH値が不均一になることに起因
してリン含有化合物の結晶化が起こらないか又は微細結
晶のリン含有化合物が発生してしまうおそれがあった。
【0011】そこで、従来は排水の安定供給を図るため
に、図2に示されるように、原水ピット22に排水を貯
水しておき、排水量が不足した際に原水ピット22から
不足分の排水を供給して流動床21aを形成させる構成
としていた。
【0012】また、前記反応晶析槽21よりも高い位置
に調圧塔30を設け、結晶種の沈降により最適な流動床
21aが形成されなくなった際に、排水を前記調圧塔3
0まで原水ポンプで汲み上げ、そして、調圧塔30の水
位と前記反応晶析槽21との水位差により生じる水の位
置エネルギーを利用して、調圧塔30から反応晶析槽2
1内にリン含有排水を流し込み、再び流動床21aを形
成させる構成としていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前者の原水
ピットを設置する方法にあっては、装置の連続運転を可
能とする排水を貯溜できる大きさの原水ピット22を設
置するには、設備費が嵩むと共に設置スペースの制限が
あった。また、後者の調圧塔30を設ける方法にあって
は、原水ピット22と、反応晶析槽21との間に調圧塔
30を設けなければならないといった設備のレイアウト
上の制限があった。即ち、いずれの方法も工業上実施す
るには改善すべき課題が多く残されていた。
【0014】さらに、前記原水ピット22を設ける方法
や前記調圧塔30を設ける方法にあっては、リン含有排
水を反応晶析槽21に供給しても流動床21aを形成す
る上向流の流速分布にムラが生じることにより、流動床
21a内のカルシウムイオン濃度及び/又はpHを均一
に保つことが困難であるといった本質的な問題があっ
た。そのため、流動床21a内のカルシウムイオン濃度
及び/又はpHを均一に保ち、微結晶のリン含有化合物
の形成を防いでリン含有化合物の処理水側への流出を防
止することにより、リン除去率を高めるといった更なる
改善の余地が残されていた。
【0015】本発明者らは、驚くべきことに、反応晶析
槽21内に形成される流動床21aに処理水を導入する
ように構成し、リン含有排水と処理水の流量の和が一定
になるように流量を制御して、所定の流動床を形成させ
ることで、前記課題を解決することを見出し本発明を完
成するに至ったのである。
【0016】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであって、装置の連続運転を可能とする最適な
流動床が形成されることを特徴とする晶析脱リン方法及
び晶析脱リン装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、
リン含有排水を反応晶析槽内に導入し、カルシウム化合
物及び/又はアルカリ剤を添加すると共にリン酸カルシ
ウムを含有する結晶種の流動床を形成しながら前記リン
含有排水中のリンと前記結晶種とを接触させて、前記リ
ン含有排水中のリンをリン酸カルシウム化合物として分
離して処理水を得る晶析脱リン方法において、前記反応
晶析槽に前記リン含有排水と前記処理水を供給すると共
に、前記リン含有排水と前記処理水の流量の和が一定に
なるように流量を制御して所定の流動床を形成させるこ
とを特徴とする晶析脱リン方法が提供される(請求項
1)。この場合、前記リン含有排水の流量が所定の流動
床を形成するに満たない場合、前記処理水を前記反応晶
析槽に循環させると共に、循環させる前記処理水の流量
を制御することが好ましい(請求項2)。
【0018】このように構成することにより、晶析脱リ
ン装置内における結晶種の沈降を有効に防止することが
できる。そのため、晶析脱リン装置の継続運転時間が飛
躍的に長くなると共に、装置内に沈降した結晶種の取り
除き作業の手間が軽減されることから装置のメンテナン
スが容易になる。
【0019】また、本発明の別の態様によれば、リン含
有排水を反応晶析槽内に導入し、カルシウム化合物及び
/又はアルカリ剤を添加すると共にリン酸カルシウムを
含有する結晶種の流動床を形成しながら前記リン含有排
水中のリンと前記結晶種とを接触させて、前記リン含有
排水中のリンをリン酸カルシウム化合物として分離して
処理水を得る晶析脱リン装置において、前記反応晶析槽
に前記リン含有排水を供給するための原水供給装置と、
前記処理水の少なくとも一部を前記反応晶析槽に循環可
能とするための処理水循環装置と、前記反応晶析槽に供
給される前記リン含有排水と前記処理水の流量の和を一
定に保つための流量制御装置と、を備えたことを特徴と
する晶析脱リン装置が提供される(請求項3)。この場
合、前記処理水循環装置は、処理水槽と、前記処理水の
一部を前記反応晶析槽に循環可能とするための循環用配
管と、前記処理水の流量制御装置とから構成されること
が好ましい(請求項4)。このように構成することによ
り、結晶種の沈降に由来する、装置の再立ち上げに必要
とされていた設備が不用となることで設備の簡略化も図
ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照して説明する。最初に、本実施の形態で使用され
る薬剤について説明する。 (1)本実施形態で用いられるカルシウム化合物及び/
又はアルカリ剤とは排水中のリンと反応して難溶解性の
カルシウム塩を生成するものであり、代表的には消石灰
Ca(OH)2の消石灰乳が挙げられる。しかし、本発
明で用いるカルシウム化合物は、同様な機能を奏すれば
Ca(OH)2に限定されるものではなく、例えば塩化
カルシウム等他のカルシウム化合物を用いることもでき
る。本発明の実施形態においては代表的な化合物として
Ca(OH)2を例示して説明する。Ca(OH)2は、
カルシウムイオン供給源としてだけでなくアルカリ剤と
しての機能を兼用できることから、カルシウム化合物と
してはCa(OH)2を用いるのが望ましい。 (2)リン酸カルシウムを含有する結晶種としては、例
えば骨炭、リン酸カルシウム、リン鉱石を用いることが
でき、特にランニングコストの面からリン鉱石が好適で
ある。また、その粒径は、晶析反応速度と粉砕コストと
の兼ね合いから0.15〜0.3mm程度であることが
好ましい。すなわち、粒径が0.15mm未満では粉砕
コストが高くなり、逆に0.3mm以上では晶析反応速
度が遅くなる。
【0021】次に、本発明に係る晶析脱リン装置を用い
た晶析脱リン方法について図1を参照して説明する。図
1は、本発明に係る晶析脱リン方法の1実施形態を示す
系統図である。本発明に係る晶析脱リン方法は、原水供
給工程と、消石灰乳供給工程と、晶析脱リン工程と、処
理水循環工程とを主要工程としている。
【0022】原水供給工程では、下水処理水等のリン含
有排水(リン濃度(PO4−Pとして)は1〜10mg
/l)が原水ピット2に供給され、そして原水ピット2
に貯溜される。原水ピット2には液面計2cが設けられ
ており、液面高さが予め設定した値より高すぎたり又は
低すぎたりすると警報を発するようになっている。尚、
液面高さの設定は、リン含有排水の流入量と原水ピット
2でのリン含有排水の滞留時間により決定される。原水
ピット2に貯溜されたリン含有排水は、原水ポンプ2a
により一定量抜き出されて配管2bを介して流動床式の
反応晶析槽1に供給される。このとき、流動床式の反応
晶析槽1には、原水ポンプ2aにより供給されるリン含
有排水と、前記反応晶析槽1でリンを分離されて循環水
ポンプ4a1により配管4b1を介して供給される処理
水とが合流した常に一定の流量の液が供給される。
【0023】前記流動床式の反応晶析槽1の流動床1a
に供給される前記リン含有排水と前記処理水の流量は、
前記リン含有排水と前記処理水の上向流の線速度が、9
〜15m/hr、好ましくは9〜11m/hrになるよ
うに供給すると都合がよい。前記リン含有排水と前記処
理水の流量は、流量計により測定される。そして、その
流量から前記リン含有排水と前記処理水の流速が換算さ
れる。また、前記流量の制御は、流量制御装置、例え
ば、開閉弁や、電磁弁等の開閉、又はポンプの回転数制
御等により行われる。ここでは、ポンプと、流量計と、
流量制御装置としての電磁弁を一体として構成した原水
ポンプ2aと,循環水ポンプ4a1を使用した。
【0024】このように反応晶析槽1へ供給するリン含
有排水の量が変動しても、循環水ポンプ4a1を使って
処理水の循環量を調整することにより供給する液量を一
定にすることができるので、従来必要であった流量調整
槽(不図示)が不要となる。
【0025】一方、消石灰乳供給工程では、タンクロー
リー車からカルシウム化合物及び/又はアルカリ剤であ
る消石灰乳(例えばCa(OH)2として25%濃度)
が消石灰乳受入タンク3に受け入れられ、貯蔵される。
貯蔵された消石灰乳は、バルブV1を開として循環ライ
ンを形成し、循環ポンプ3aを運転しながら配管3bを
介して循環(攪拌)するようにすることで消石灰乳受入
タンク3内の消石灰濃度を均一にすることができる。ま
た、バルブV2を開とすることにより、循環ポンプ3a
を運転しながら配管3b及び配管3cを介して流動床式
の反応晶析槽1に消石灰乳を供給できる。このとき、消
石灰乳(例えばCa(OH)2として25%濃度)は、
消石灰乳受入タンク3から循環ポンプ3aの始動により
配管3b及び配管3cを介して流動床式の反応晶析槽1
に供給される前に、処理水槽4から希釈水ポンプ4a2
の始動により配管4b2を介して供給される処理水によ
り配管3c内で200倍に希釈され、流動床式の反応晶
析槽1の流動床1aがpH=9.5〜12、好ましくは
9.7〜11、Ca濃度=20〜100mg/l、好ま
しくは20〜80mg/lに設定できるように自動制御
されて供給される。このようにリンと反応する成分であ
るCa2+イオン濃度及び/又はpHを高く設定すること
で、流動床におけるリン酸カルシウムの溶解状態を不安
定域とし、結晶種表面へのリン酸カルシウムの析出を促
進することができる。その結果、炭酸カルシウムが結晶
種表面に析出しても、リン酸カルシウムの結晶種表面へ
の析出は妨害されることなく、長期間に亘って安定して
処理することが可能であり、更にリン含有水の処理速度
を速くすることができるため、従来よりも反応晶析槽1
の容積を小さくすることが可能となる。
【0026】晶析脱リン工程では、流動床式の反応晶析
槽1の下部から所定流量の液、すなわちリン含有排水を
ディストリビュータ1cに通過させて5〜20m/h
r,好ましくは9〜11m/hrの範囲の線速度LVで
上向流を形成し、結晶種を流動化させて流動床1aを形
成する。このときリン含有排水の流量の変動を考慮して
原水ポンプと循環ポンプの吐出量を制御して適性な流動
床1aの流動状態(流動床の界面が乱れずに一定状態)
を保つようにしている。消石灰乳を流動床1aに注入し
てpH=9.7〜11、Ca濃度=20〜80mg/
l、反応晶析槽内の処理水基準の空塔速度SV=10〜
20hr-1とし、結晶種とリンを反応させることでリン
含有排水から好適にリンを分離することができる。結晶
種と反応したリンは、カルシウムヒドロキシルアパタイ
トとして有意に回収される。最終回収物として得られる
カルシウムヒドロキシルアパタイトは、過リン酸石灰等
の原料として使用できるので有価物として回収でき、リ
サイクルができるので地球環境を汚さない。また、汚泥
等の有機系のたんぱく質を含んだ含液分の高い(80〜
95%)廃棄物と比較して、含液率が低いので搬送等の
作業性が容易になる。
【0027】処理水循環工程では、流動床式の反応晶析
槽1内でリンを分離されたリン含有排水が配管1bを介
して処理水として処理水槽4に貯溜され、処理水の1部
は、後段のpH調整槽(不図示)でpH値を中和処理さ
れた後河川に放流される。処理水の残りは、1部は循環
水ポンプ4a1により配管4b1を介して反応晶析層1
の下部へ戻され、また1部は希釈水ポンプ4a2により
配管4b2を介して配管3cへと消石灰乳を希釈するた
めの希釈水として供給される。
【0028】以上、本発明について、実施の形態を示し
て説明してきたが、本発明は前記の実施の形態に限定さ
れるものではない。そのため、前記実施の形態におい
て、流動床式の反応晶析槽内の流動床に注入される排水
及び/又は処理水の流速は、それぞれの流量を制御する
ことにより制御する構成とした。この場合、流動床式の
反応晶析槽内の流動床に注入される排水及び/又は処理
水の流速は、配管に設けられたポンプにより水圧を高め
ることで制御してもよい。また、前記流動床にリン含有
排水及び/又は処理水を注入する際、処理水の注入口と
排水の注入口を一体とする構成としたが、それぞれ、独
立に構成させてもよい。
【0029】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示して本発明につ
いて具体的に説明するが、本発明が以下の実施例に限定
されるものでないことは言うまでもない。
【0030】実施例 本発明に係る晶析脱リン方法の作用効果をみる目的で、
前記実施の形態で説明した手順に従って、原水中のリン
を除去する実験を行った。以下に、その実験条件を列記
すると共に、得られた処理水の水質を記載する。
【0031】実験条件 (1)原水処理量 リン含有排水(リン濃度(PO4−P)=2〜4mg/
l)を平均100m3/日(最大200m3/日)の水量
で処理した。 (2)カルシウム化合物及び/又はアルカリ剤 消石灰のうちJIS規格の特号より微粒子のもので、目
開きが150メッシュの篩上残分が0.05%以下のも
のを水に分散し懸濁液(消石灰乳)として使用した。 (3)流動床式の反応晶析槽内での反応条件 a.処理水で希釈した10%のCa(OH)2水溶液を
用い、Ca(OH)2の添加量が反応晶析槽内のpH=
10〜10.5、Ca濃度=40〜70mg/lを維持
するように添加した。 b.反応晶析槽内の上向流の線速度をLV=10m/h
r程度とした。尚、流動床の水温は、15〜18℃であ
った。
【0032】実験結果 (1)処理水中のリン濃度(PO4-P)は<0.4mg
/lが得られた(一般排水基準は8mg/l)。 (2)処理水SS成分のうち消石灰に由来するものは<
2mg/lと少なかった。 (3)反応晶析槽内の処理水基準の空塔速度SV=10
hr-1と大きな処理速度が得られた。 (4)装置を1年以上連続して稼動させることができ
た。
【0033】以上の結果より、本発明による流動床式晶
析脱リン方法によれば、連続して排水を処理することが
できると共に、良好な水質の処理水が得られることが確
認された。特に、低温条件下でも良好にリンを除去でき
ることが確認された。尚、従来の流動床式の晶析脱リン
方法にあっては、流動床の水温が15〜18℃において
は処理水を得ることはできなかった。
【0034】
【発明の効果】本発明は、以上のような構成を有するこ
とより、以下のような作用効果を奏する。晶析脱リン装
置内における結晶種の沈降を有効に防止することができ
る。そのため、晶析脱リン装置の継続運転時間が飛躍的
に長くなると共に、装置内に沈降した結晶種の取り除き
作業の手間が軽減されることから、装置のメンテナンス
が容易になる。しかも、結晶種の沈降に由来する装置の
再立ち上げに必要とされていた設備が不用となること
で、設備の簡略化も図ることができる(請求項1〜請求
項4)。また、流動床内のpH値を均一に保つことがで
きる。そのため、従来問題となっていた流動床内でのp
H値が不均一なために発生する細かい結晶の析出がなく
なるので、細かい粒子が処理水側に流出するのを抑制で
き、リンと結晶種とが効率良く接触するためリンの回収
率も向上する(請求項1〜請求項4)。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る晶析脱リン装置の1実施
形態を示す系統図である。
【図2】図2は、従来の晶析脱リン装置の1実施形態を
示す系統図である。
【符号の説明】
1 反応晶析槽 1a 流動床 2 原水ピット 2a 原水ポンプ 3 消石灰乳受入タンク 3a 循環ポンプ 4 処理水槽 4a1 循環水ポンプ 4a2 希釈水ポンプ V1,V2 バルブ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 9/02 625 B01D 9/02 625D (72)発明者 坂倉 徹 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D038 AA08 AB45 AB54 BA04 BA06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン含有排水を反応晶析槽内に導入し、
    カルシウム化合物及び/又はアルカリ剤を添加すると共
    にリン酸カルシウムを含有する結晶種の流動床を形成し
    ながら前記リン含有排水中のリンと前記結晶種とを接触
    させて、前記リン含有排水中のリンをリン酸カルシウム
    化合物として分離して処理水を得る晶析脱リン方法にお
    いて、 前記反応晶析槽に前記リン含有排水と前記処理水とを供
    給すると共に、前記リン含有排水と前記処理水との流量
    の和が一定になるように流量を制御して所定の流動床を
    形成させることを特徴とする晶析脱リン方法。
  2. 【請求項2】 前記リン含有排水の流量が所定の流動床
    を形成するに満たない場合、前記処理水を前記反応晶析
    槽に循環させると共に、循環させる前記処理水の流量を
    制御することを特徴とする請求項1に記載の晶析脱リン
    方法。
  3. 【請求項3】 リン含有排水を反応晶析槽内に導入し、
    カルシウム化合物及び/又はアルカリ剤を添加すると共
    にリン酸カルシウムを含有する結晶種の流動床を形成し
    ながら前記リン含有排水中のリンと前記結晶種とを接触
    させて、前記リン含有排水中のリンをリン酸カルシウム
    化合物として分離して処理水を得る晶析脱リン装置にお
    いて、 前記反応晶析槽に前記リン含有排水を供給するための原
    水供給装置と、前記処理水の少なくとも一部を前記反応
    晶析槽に循環可能とするための処理水循環装置と、前記
    反応晶析槽に供給される前記リン含有排水と前記処理水
    の流量の和を一定に保つための流量制御装置と、を備え
    たことを特徴とする晶析脱リン装置。
  4. 【請求項4】 前記処理水循環装置は、処理水槽と、前
    記処理水の一部を前記反応晶析槽に循環可能とするため
    の循環用配管と、前記処理水の流量制御装置とからなる
    ことを特徴とする請求項3に記載の晶析脱リン装置。
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