JP2002299032A - 誘導加熱装置、誘導加熱ローラ装置、誘導加熱ローラ装置における加熱ローラ、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

誘導加熱装置、誘導加熱ローラ装置、誘導加熱ローラ装置における加熱ローラ、定着装置および画像形成装置

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JP2002299032A
JP2002299032A JP2001094383A JP2001094383A JP2002299032A JP 2002299032 A JP2002299032 A JP 2002299032A JP 2001094383 A JP2001094383 A JP 2001094383A JP 2001094383 A JP2001094383 A JP 2001094383A JP 2002299032 A JP2002299032 A JP 2002299032A
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coil
heating roller
induction heating
primary coil
induction
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JP2001094383A
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Ichiro Yokozeki
一郎 横関
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Harison Toshiba Lighting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い電力伝達効率が得られるとともに、ロー
ラ表面の温度むら、表面凹凸、輻射ノイズが解消され、
機械的強度の向上した誘導加熱装置、誘導加熱ローラ装
置、誘導加熱ローラ装置における加熱ローラ、これらを
用いた定着装置および画像形成装置を提供する。 【解決手段】 コイル軸の直交面に対して傾斜して形成
された1次コイルを備えた誘導コイル装置と;誘導コイ
ル装置の1次コイルの外側に同軸的に、かつ1次コイル
と平行に又はほぼ平行に配置され、1次コイルの形成磁
界と空芯トランス結合して誘導電流により自己発熱する
2次コイルとを具備している。2次コイル1wsの2次
側抵抗値Raを2次リアクタンスXaにほぼ等しくする
ことが望ましい。誘導コイル装置ICの1次コイルwp
を複数にして、配線対WPに並列接続することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導加熱装置、誘
導加熱ローラ装置、誘導加熱ローラ装置における加熱ロ
ーラ、これらを用いた定着装置および画像形成装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】トナー画像を熱定着するために、従来か
らハロゲン電球を熱源として用いた加熱ローラが用いら
れているが、ウォームアップ時間が長かったり、熱容量
が不足したりするという問題がある。そこで、誘導加熱
方式を導入してこの問題を解決しようと開発が行われて
いる。
【0003】特開2000−215974公報には、被
加熱体に近接して配設され、被加熱体に誘導電流を生じ
させる励磁コイルであって、コイル線材を平面的に巻い
たものを被加熱体の曲面に沿わせて変形してあり、励磁
コイルの長手方向両端部の被加熱体とは反対側に励磁コ
イルの曲面に沿うように磁性体コアが配設された励磁コ
イルが記載されている。(従来技術1) また、特開2000−215971公報には、電磁誘導
発熱性の加熱回転体と、加熱回転体の内側に配置された
磁束発生手段を有し、磁束発生手段から発生させた高周
波誘導磁束により加熱回転体を電磁誘導発熱させて被加
熱体を加熱する誘導加熱装置であって、磁束発生手段
は、磁性体からなるコアと、コアに巻線した電磁変換コ
イルを有し、磁性体コアは、電磁変換コイルを巻線した
コア部分と、コア部分より加熱回転体の一部分に磁束を
集中させるための、先端部間に磁気空間ギャップを存し
て対向させた磁束誘導コア部分を有する構造が記載され
ている。(従来技術2) 従来技術1および2は、いずれも渦電流損を利用する加
熱方式であり、IHジャーなどにおいて実用化されてい
るのと同様な動作原理である。この種の加熱方式におい
て用いられている高周波の周波数は、20〜100kH
z程度である。これに対して、特開昭59−33787
号公報には、導電部材で構成した円筒状ローラ本体と、
ローラ本体内に同心状に配置した円筒状ボビンと、ボビ
ンの外周に螺旋状に巻装して通電によりローラ本体内に
誘導電流を誘起させて加熱する誘導コイルとを備えた高
周波誘導加熱ローラが記載されている。(従来技術3) 従来技術3においては、円筒状ローラ本体が閉回路の2
次コイルとなり、誘導コイルが1次コイルとなって、両
者の間にトランス結合が生じて、円筒状ローラ本体の2
次コイルに2次電圧が誘起される。そして、この2次電
圧に基づいて2次コイルの閉回路内を2次電流が流れる
ことにより、円筒状ローラ本体が発熱する2次側抵抗加
熱方式である。この方式は、渦電流損を利用する加熱方
式より磁気的結合が強いために定常効率が高いととも
に、加熱ローラ全体を加熱できるので、従来技術1およ
び2に比較して定着装置の構造が簡単になるという利点
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来技術3
は、その開示の範囲においては、ウォームアップ時間が
期待されるようには短縮されにくいという問題がある。
本発明者の調査、検討の結果、この問題は、加熱ローラ
側に形成される2次コイルの抵抗値や電力伝達効率が管
理されていないことに起因していることが分かった。
【0005】また、従来技術3においては、誘導加熱式
の炊飯器やコンロといった調理器具の分野で用いられて
いるIGBTインバータで用いられている20〜100
kHz程度の周波数では、高い電力伝達効率を得ること
ができない。
【0006】かかる従来技術の問題を解決すべく、本発
明者は、さきに高い電力伝達効率が得られる誘導加熱ロ
ーラ装置、誘導加熱ローラ装置における加熱ローラ、こ
れらを用いた定着装置および画像形成装置を発明して特
許出願した(特願2001−016335(先願発
明))。
【0007】この発明は、2次コイルの抵抗値を管理す
ることにより、電力伝達効率の改善を図ったものである
が、高周波電流使用に伴う輻射ノイズや加熱ローラの表
面温度むらの解消については十分な検討がなされていな
い。
【0008】すなわち、先願発明の一実施形態において
は、周波数が1MHz以上の高周波インバータを主体と
する電源装置が用いられるが、高周波インバータのスイ
ッチングにより、特に、漏れ磁束の発生する1次コイル
の両端部から高周波ノイズが放射されるという問題があ
った。
【0009】また、先願発明の他の実施形態では、1次
コイルが複数のコイル単位に分割されてローラ軸上に分
散配置され、このローラ軸が1次コイルのコイル単位に
対応させて1ターンずつの2次コイルを形成した大径の
ローラ軸内に同軸的に挿入されて加熱ローラが構成され
るが、このような実施形態では2次コイルが1ターンず
つ複数独立的に形成されるため、2次コイルのある部分
とない部分との間で温度むらが生じるという問題があっ
た。
【0010】このような問題を解消する一つの方法は、
2次コイルを多数設けて表面温度分布を均一化する方法
であるが、軸方向に長いローラ軸の全長にわたって多数
の2次コイルを形成すると加工費が高くなるうえに、加
工工程も増して歩留まりが低くなるという問題があっ
た。
【0011】また、この問題解消の他の方法として、2
次コイルをコイル軸の直交面に対して傾斜して形成し2
次コイル1ターンがローラ軸方向に存在する長さを長く
してローラ軸方向に見た場合、2次コイルの存在しない
部分がないようにしてローラ軸方向の温度分布を均一化
することが考えられるが、この方法では1次コイルと2
次コイルのコイル面が非平行となって結合係数が低くな
るため、1次コイルから2次コイルへの電力伝達係数が
低下して電力伝達効率が低下してしまうという問題があ
った。
【0012】本発明は、かかる点に着目してなされたも
ので、輻射ノイズや表面温度むらの改善された誘導加熱
装置、誘導加熱ローラ装置、誘導加熱ローラ装置におけ
る加熱ローラ、これらを用いた定着装置および画像形成
装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の誘導加
熱装置は、コイル軸の直交面に対して傾斜して形成され
た1次コイルを備えた誘導コイル装置と;前記誘導コイ
ル装置の1次コイルの外側に同軸的に、かつ前記1次コ
イルと平行に又はほぼ平行に配置され、前記1次コイル
の形成磁界と空芯トランス結合して誘導電流により自己
発熱するた2次コイルと;を具備していることを特徴と
している。
【0014】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0015】<誘導コイル装置について>誘導コイル装
置は、交流電源、好適には高周波電源から付勢すなわち
励磁されるとともに、例えば、後述する2次コイルが同
軸的に形成された中空の加熱ローラの内部に挿入され
て、1次コイルが加熱ローラの2次コイルと空芯トラン
ス結合を行うが、回転する加熱コイルに対して静止して
いてもよいし、加熱ローラと一緒に、または別に回転し
てもよい。なお、回転する場合には、交流電源と誘導コ
イル装置との間に回転集電機構を介在すればよい。「空
芯トランス結合」とは、完全な空芯のトランス結合だけ
でなく、実質的に空芯とみなせるトランス結合の場合を
含む意味である。
【0016】誘導コイル装置は、その1次コイルが単一
または複数であることを許容する。単一の場合には、加
熱ローラのほぼ中央位置に位置するように配設すること
ができる。複数の1次コイルを用いる場合には、それら
を加熱コイルの軸方向に分散して配設することができ
る。そして、各1次コイルを交流電源に対して並列接続
することができる。
【0017】なお、1次コイルをコイル軸方向に分散配
置して複数の単位コイルにして使用する実施形態につい
ては後述する。
【0018】本明細書において、誘導コイル装置の「コ
イル軸」は、1次コイルの中心を通る仮想軸であり、
「コイル軸の直交面」とはこの仮想軸が垂直に交わる仮
想平面である。
【0019】なお、1次コイルは、コイル軸の直交面に
沿って均等に密巻きした場合でも、ほぼ線半径/コイル
径だけコイル軸の直交面に対して傾斜するが、本発明に
おける「傾斜」とはこのような1次コイルの線径に由来
して必然的に生ずる傾斜を含むものではなく、このよう
な必然的に生ずる傾斜をさらに1次コイルのコイル軸の
一方の側に傾けたときの傾斜を意味する。
【0020】コイル軸の直交面に沿って巻回された1次
コイルのコイル面はほぼ真円状であるが、コイル軸の直
交面に対して傾斜させて巻回されたコイル面はコイル径
を短径とする楕円形となる。
【0021】なお、「コイル面」は密巻きコイルの場合
は、コイル1ターンを輪郭とするその内側の面を意味す
るが、開螺旋状のコイルの場合にはコイル1ターンの端
末は開いた状態となるので、この場合のコイル面は、コ
イル軸に沿って1ターンのコイルの両端の中央にその1
ターンのコイルの両端が存在すると仮定したときの仮想
コイル1ターンを輪郭とするその内側の面を意味する。
【0022】本発明における1次コイルの傾斜は、上述
した楕円形の長径:短径の比が、例えば1:1〜2.5
の範囲、好ましくは1:5〜2.3の範囲である。
【0023】コイル軸の直交面に対して傾斜して形成さ
れた1次コイルはコイル面が楕円形をなす密巻き状態で
あっても、コイル面が楕円形をなす傾斜して密巻きされ
たコイルをコイル軸方向に均等に引き伸ばした開螺旋状
のものであってもよい。
【0024】1次コイルは、加熱ローラの内部に挿入さ
れるので、自己損失が加熱ローラ内に籠もりやすく、1
次コイルの表面温度が高温になって過熱されやすい。1
次コイルが高温になると、誘導コイル装置への通電、停
止に伴う熱サイクルが1次コイルに加わる。1次コイル
は、一般に電流容量が大きくなるので、太い素線を機械
的に成形して形成するため、熱サイクルに曝されると、
コイル成形時の歪が開放される結果、変形して所定の電
気特性が得られなくなる。
【0025】このような場合、誘導コイル装置および電
源装置の間に平衡化回路を介在させて、誘導コイル装置
の1次コイルの中点を接地することができる。このよう
に中点を接地することによって、中点接地経路を経由し
て1次コイルの熱を逃がすことができる。これにより、
1次コイルの温度上昇を抑制するとともに、1次コイル
の温度分布の均整度を向上することが可能になる。
【0026】また誘導加熱装置は、1次コイルの中点接
地経路による伝熱経路を一端側にのみ設けることができ
る。
【0027】1次コイルの中点接地経路による伝熱経路
を一端側にのみ制限した場合には、両端側に伝熱経路が
形成される場合に比較して熱伝導が少なくなるが、漏洩
電流を少なくしながら1次コイルの温度低下を図ること
ができる。なお、両端側に伝熱経路を形成すると、二つ
の接地箇所を有するため、漏洩電流が大きくなるという
新たな問題を生じる。
【0028】誘導コイル装置には、その1次コイルから
導出された配線対と、1次コイルの近傍において配線対
間に接続されたコンデンサとを具備させることができ
る。
【0029】誘導コイルを負荷とする回路は、負荷の力
率が悪い。また、電源装置は、負荷に対する供給電力の
増加に伴って容積が大きくなる。電源装置の容積が小さ
ければ、加熱ローラの内部空間に電源装置を配置するこ
とができるが、供給電力と適当な軸長で実用的な内径の
加熱ローラとの関係から、電源装置は、これを加熱ロー
ラの外部に配置するのが一般的である。そこで、誘導コ
イル装置と電源装置との間を接続する配線対が必要にな
る。そして、負荷の力率が悪いために、配線対を流れる
電流が比較的大きくなってしまい、配線の発熱や電力伝
送効率の低下、さらにそれに伴う絶縁劣化といった不具
合が生じる。また、配線対を流れる電流が大きくなる
と、配線対から輻射されるノイズが増大し、周辺機器に
悪影響を及ぼす危険率が増大する。
【0030】上記のように1次コイルの近傍において配
線対間に接続されたコンデンサを具備させることによ
り、配線対を流れる電流の力率が改善されて配線電流が
低減して上記の不具合が軽減される。
【0031】1次コイルの複数が配線対の間に分散して
接続している場合、個々の1次コイルの近傍に複数のコ
ンデンサを1次コイルの近傍において配線対の間に接続
してもよいし、一括して最も電源装置に接近した1次コ
イルの電源装置側の位置、すなわち加熱ローラの端部付
近において配線対の間に接続してもよい。この構成にお
いては、コンデンサの環境を比較的温度の低い状態にす
ることができる。
【0032】また誘導コイル装置は、その1次コイルを
2次コイルの軸方向に分散させて、一対の配線対の間に
複数の単位コイルを接続するとともに、各単位コイルの
近傍の配線対間にコンデンサを接続することもできる。
【0033】このように、誘導コイル装置の一次コイル
を複数用い、個々の1次コイルの近傍にそれぞれ対応す
るコンデンサを分散して配設した場合には、それぞれの
1次コイル近傍の配線対において流れる電流の力率を高
めて電流を低減することができる。
【0034】<2次コイルについて>本発明の誘導加熱
装置は、閉回路を形成する、1次コイルの形成磁界と空
芯トランス結合して誘導電流により自己発熱する2次コ
イルを備えており、この2次コイルは1次コイルの外側
に同軸的に、かつ1次コイルと平行に又はほぼ平行に配
置されて1次コイルと空芯トランス結合する。
【0035】ここで、「1次コイルと平行」とは、2次
コイルにおける前述した楕円形のコイル面の長径:短径
の比が1次コイルとほぼ同一で、かつ楕円の面が1次コ
イルの楕円の面と平行している状態であり、「1次コイ
ルとほぼ平行」とは上述した楕円形のコイル面の長径:
短径の比が1.1:1〜2.5程度であって、1次コイ
ルにおける楕円形のコイル面の長径:短径の比と10%
以内の範囲で一致し、かつ楕円形のコイル面が1次コイ
ルの楕円形のコイル面とほぼ平行している状態である。
【0036】2次コイルは、中空のローラ基体上に形成
することができる。ローラ基体は、非導電性物質たとえ
ばセラミックス、ガラス、耐熱性合成樹脂などの非導電
性の材料でも導電性の材料であってもよく、内部は中空
である。中空は、その内部に誘導コイル装置の挿入を許
容する程度であればよい。また、ローラ基体は、加熱ロ
ーラとして所要の機械的強度を主として担当することに
なるので、構成材料の強度を考慮して適当な厚みを備え
ているように構成するのがよい。
【0037】非導電物質からなるローラ基体は、鉄など
の金属に比較して一般に熱容量が小さいので、加熱所要
時間が短くなる。なお、熱源が一定の場合、加熱所要時
間は熱抵抗と熱容量との積で決まるので、熱容量が小さ
ければ加熱所要時間が短くなる。たとえば、従来一般の
この種加熱ローラは鉄からなるため、基体が鉄であると
いえるので、これを100とすると、ソーダガラスの熱
容量は58、アルミナセラミックスは87であり、いず
れも相対的に熱容量が小さいので、これらの非導電性物
質からなる基体を備えていることにより、加熱所要時間
を短縮することができる。
【0038】2次コイルは、ローラ基体の内面および外
面のいずれか一方または両方に配設されていてもよい。
【0039】2次コイルは複数相互に絶縁しながら配置
したり、金属箔からなるコイルを貼着したりするなど所
望の方法でローラ基体に配設することができる。
【0040】本発明に用いられる2次コイルは、コイル
面が楕円形をなす1ターン又は複数ターンで形成され
る。複数ターンの場合には、密巻き状態のコイルをコイ
ル軸方向に引き伸ばした開螺旋状であってもよい。
【0041】2次コイルが1ターンであると、ローラ基
体の周囲に適当な抵抗値を有する導体をコイル面が楕円
形のリング状に形成するだけで、所定の2次側抵抗値を
有する2次コイルの閉回路を構成することができる。2
次コイルは、ローラ軸方向に沿った温度分布がなるべく
均一になるとともに、所望の2次側抵抗値を有するよう
に適当なコイル数、幅、配設ピッチおよび傾斜角を設定
することができる。
【0042】円筒状のローラ部材を導電体とした場合に
は、複数の2次コイル間の導電体が接続している箇所の
電位差をなくすことができる。したがって、2次コイル
の基準電位を揃えることができるため、2次コイルと接
地間の分布容量を特定しやすくなる。
【0043】2次コイルは、公知の方法により導電膜に
よって形成することもできる。
【0044】導電膜は、導電性物質の蒸着、化学的被
着、導電性金属箔の貼着、導電性物質の厚膜構造などに
よって形成することができる。
【0045】2次コイルの周方向抵抗値Raは、2次コ
イルの周方向リアクタンスXaとほぼ等しい値を有する
ことが望ましい。2次コイルの周方向抵抗値Raと周方
向リアクタンスXaとが「ほぼ等しい」とは、α=Ra
/Xaとしたとき、数式1を満足する範囲である。な
お、数式条件を規定する理由については後述する。ま
た、周方向抵抗値Raは、測定により求めることが可能
である。周方向リアクタンスXaは、計算により求める
ことが可能である。
【0046】
【数1】 本発明の加熱誘導装置は、2次コイルを単一または複数
配設することができる。2次コイルを複数配設する場合
には、それらをコイル軸の軸方向に分散して配設するこ
とが望ましい。2次コイルを支持するために、絶縁性物
質からなるローラ基体を用いることができる。
【0047】<本発明の作用について>本発明において
は、上述したように、誘導コイル装置の1次コイルを、
コイル軸の直交面に対して傾斜して形成するとともに、
この1次コイルの外側に同軸的に、かつ1次コイルと平
行に又はほぼ平行に2次コイルを配置して構成したの
で、誘導コイル装置から2次コイルへの電力伝達効率が
高くなるとともに、傾斜配置された2次コイルによりコ
イル軸方向の表面温度が均一化されて温度むらが解消さ
れる。
【0048】2次コイルは、その周方向抵抗値Raを2
次コイルの周方向リアクタンスXaとほぼ等しい値とす
ることが電力伝達効率がよくなるので望ましい。
【0049】以下に、2次コイルの周方向抵抗値Raを
2次コイルの周方向リアクタンスXaとほぼ等しい値と
することにより、電力伝達効率が向上する理由を説明す
る。
【0050】まず、図1を参照して、誘導加熱装置の等
価回路を考える。
【0051】図1は、本発明の誘導加熱装置における等
価回路を示す回路図である。図において、Zcaは1次
コイルwp側から見た入力インピーダンス、Xcは1次
コイルwpのリアクタンス、Xaは2次コイルwsのリ
アクタンス、Raは2次側抵抗値、kは1次コイルwp
および2次コイルwsの結合係数である。
【0052】1次コイルwpから見た入力インピーダン
スZcaは、数式2に示すとおりである。
【数2】 数式2の実部と虚部との比、すなわちQcaは、数式3
に示すとおりである。
【数3】
【0053】ここで、変数整理のために、Ra/Xa;
αを数式3に代入して整理すると、数式4が得られる。
【0054】
【数4】
【0055】数式4を用いて結合係数kごとにαを変化
させて1次コイルから見たQcaの変化を調べてみる
と、図2が得られる。
【0056】図2は、本発明の誘導加熱装置の動作原理
を説明する結合係数kごとのαとQcaの関係を示すグ
ラフである。
【0057】図において、横軸はαを、縦軸はQca
を、それぞれ示す。
【0058】図によれば、結合係数kが大きいほど1次
コイルから見たQcaが小さくなることが分かる。ま
た、それぞれの結合係数ごとに1次コイルから見たQc
aが最小になるαが一つ存在する。したがって、2次コ
イルの構造が決定していることによりインダクタンスが
一定の場合には、αの最適化が2次コイルの抵抗値の最
適化と同義であることが理解できる。
【0059】次に、1次コイルから見たQcaを用いて
電力伝達効率を計算する。なお、計算を簡単にして、電
力伝達効率のみを問題とするために、輻射、対流による
熱伝達量を省略して、磁気的結合で2次コイルに直接伝
送できないエネルギーは全て消失すると仮定する。
【0060】1次コイルから見たQcaを、2次側に加
熱ローラがあるとき、すなわち負荷時のQLと、1次コ
イル単独で測定できるとき、すなわち無負荷時のQVと
に分けて考えることにする。加熱ローラ内に誘導コイル
装置を挿入する前後、すなわち負荷未装着時および負荷
装着時の1次コイルの力率は、負荷の影響によって、そ
れぞれ数式5および数式6に示すとおりとなる。
【0061】
【数5】
【数6】
【0062】ある電力Pcを1次コイルに供給するとき
に、1次コイルで扱う皮相電力Prは、数式7に示すと
おりとなる。
【0063】
【数7】
【0064】ここで、結合係数kが小さければ、負荷装
着前後の力率の変化が小さいため、皮相電力Prを扱う
際の1次コイルにおける損失Plossは、数式8によ
り近似することができる。
【0065】
【数8】
【0066】電力伝達効率ηcを、数式8を用いて表す
と、数式9のとおりとなる。
【0067】
【数9】
【0068】数式9は、無負荷時すなわち負荷朱装着時
の1次コイルの力率cos{tan -1(QU)}が一定
の場合、負荷時すなわち負荷装着時の力率cos{ta
-1(QL)}が小さいときほど1次コイルの電力伝達
効率ηcが小さくなることを示している。
【0069】なお、負荷装着時の力率が小さいとは、Q
Lが大きいことである。
【0070】次に、負荷装着時のQLの大きさについて
図3を参照して説明する。図3は、本発明の誘導加熱装
置の作用原理を確認する予備的実験の測定系を示す概念
図である。
【0071】図において、ICは誘導コイル装置、TL
はトランス結合式負荷、ELは渦流損式負荷である。
【0072】誘導コイル装置ICは、ボビンCBおよび
1次コイルwpからなる。ボビンCBは、外径17.7
mm、長さ120mmのベークライトの円筒体からな
る。1次コイルwpは、直径1.5mmの絶縁皮膜付軟
銅線をボビンCBに20ターン密巻きしてなり、コイル
径20.7mm、コイル長30mm、配線長140mm
である。なお、1次コイルwpの先端はボビンCBの先
端から3mm後退している。また、「配線長」とは、配
線対WPの端部からボビンCBの先端までの距離をい
う。
【0073】トランス式負荷TLは、ハロゲン電球式ヒ
ータ用として実際に用いられている加熱ローラであり、
外径30mm、内径25mmの鉄製円筒体の外面に厚さ
4mmの合成樹脂層を形成したものである。したがっ
て、鉄製円筒体が2次コイルを構成する。
【0074】渦流損式負荷ELは、比較用として準備し
たものであり、厚さ2mm、縦300mm、横400m
mのステンレス鋼板からなる。
【0075】そうして、まず、負荷朱装着時の誘導コイ
ル装置ICの1次コイルwpのインダクタンスを測定し
た。その結果を図4に示す。
【0076】図4は、本発明の誘導加熱ローラ装置の作
用原理を確認するための予備実験における負荷未装着時
の1次コイルの測定周波数に対するインダクタンスおよ
び結合係数の変化を示すグラフである。
【0077】図において、横軸は測定周波数(MHz)
を、縦軸は左側がインダクタンス(μH)、右側が結合
係数を、それぞれ示す。曲線Aはインダクタンス、曲線
Bは結合係数、をそれぞれ示す。
【0078】図から理解できるように、インダクタンス
は、測定周波数範囲内においてほぼ一定の約4.3μH
であった。したがって、この1次コイルは、分布容量の
影響が小さくて誘導結合用に用いてよいことが分かる。
また、トランス式負荷TLに対する1次コイルwpの装
着前後のインダクタンスから結合係数を計算によって求
めたところ、図に示すように測定周波数範囲内において
ほぼ一定の約0.5であることが確認された。よって、
2次側インピーダンスー定の条件下では、1次換算した
終端インピーダンスが実質的に動作周波数に依存して設
計できることが分かる。さらに、負荷未装着時のQを求
めた結果、図5のとおりであった。
【0079】図5は、本発明の誘導加熱装置の作用原理
を確認するための予備実験における負荷末装着時の1次
コイルの測定周波数に対するQUの変化を示すグラフで
ある。
【0080】図において、横軸は測定周波数(MHz)
を、縦軸はQUを、それぞれ示す。図から理解できるよ
うに、1次コイルwpは、周波数約3MHzにおいてQ
Uが最大となる。よって、1次コイルwpにおける損失
が最小となる周波数は3MHzである。
【0081】ところで、周波数3MHzのときのQUは
図から62である。一方、図2において、結合係数を
0.5としたとき、最小のQcaすなわちQLは7で、
α 1のときである。したがって、数式9を用いて本実
験に用いた1次コイルにおいて最小QLのときの電力伝
達効率ηcを計算すると、88.6%になる。これに対
して、結合係数0.5における最大のQLは約53であ
るので、この場合の電力伝達効率ηcを同様に計算する
と、14.7%になる。
【0082】以上の結果からも、2次コイルの周方向抵
抗値Raを最適化、すなわち周方向抵抗値Raを周方向
リアクタンスXaとほぼ等しくすることにより、電力伝
達効率を高くすることが可能である。
【0083】また、同じ理由で、2次コイル上に、後述
する均熱化のための導電性の円筒状のローラ部材を被嵌
する場合には、ローラ部材の周方向抵抗値Raを周方向
リアクタンスXaと大きく異ならせることにとにより、
ローラ部材に対する電力伝達効率を低くすることが可能
であることが分かる。なお、本発明において「RaがX
aにほぼ等しい」とは、前述した数式1からXaの0.
25未満、4倍の範囲であることを意味するが、この許
容範囲は、2次コイルの抵抗温度係数およびその製品ば
らつき、ならびに加熱ローラの温度上昇などを考慮した
ときの概ね高い電力伝達効率が得られる範囲である。な
お、さらに好適には0.5倍より大きく、2倍より小さ
い範囲である。
【0084】また、「RaがXaと大きく異なる」と
は、前述した数式1からXaの0.25倍以下である
か、4倍以上であることを意味するが、この許容範囲
は、円筒状のローラ部材の抵抗温度係数およびその製品
ばらつき、ならびに加熱ローラの温度上昇などを考慮し
たときの概ね低い電力伝達効率しか得られない範囲であ
る。さらに好適には0.2倍以下か、6倍以上の範囲で
ある。
【0085】この範囲でローラ部材は、それ自体はさほ
ど発熱に寄与することなく、2次コイルで発生した熱を
受けて昇温し、かつ低抵抗材料は一般に熱伝導率が良好
であるため、もっぱらコイル軸方向に熱を拡散して表面
温度を均一化する作用をすることがわかる。
【0086】次に、比較例である渦流損式負荷ELの場
合について説明する。渦流損式負荷ELに対して、誘導
コイル装置ICの1次コイルwpを遠く離間させたり、
3mmまで接近させたりして、1次コイルpwのQU、
QLを測定した。その結果、結合係数は、0.303で
あり、トランス式負荷より明らかに小さかった。また、
QU=7.4、QL=5.4であった。そこで、数式9
を用いて電力伝達効率を算出した結果、26.0%とな
った。なお、測定周波数は、実用周波数に近い40kH
zとした。実際の負荷は、加熱ローラであるから、平板
形状ではないが、たとえローラ形状にしたとしても、磁
路のインダクタンスを大きく変化させることがないの
で、大きな差を生じることがない。また、測定周波数を
1MHzにして測定しても、電力伝達効率は55%にす
ぎなかった。
【0087】さらに、図6に示す実験により空芯トラン
ス結合における2次コイルの温度上昇時間を測定した。
【0088】図6は、本発明の誘導加熱装置における2
次コイルの温度上昇の測定系を示す概念図である。
【0089】図において、HFGは高周波電源装置、M
Cは整合回路、wpは1次コイル、wsは2次コイルで
ある。
【0090】高周波電源装置HFGは、13.56MH
zの高周波を出力する。
【0091】1次コイルwpは、2ターンのアルミニウ
ム線からなり、1次インダクタンスは170nHであ
る。2次コイルwsは、幅10mm、厚さ0.3mm、
直径20mmのリング状をなす1ターンのコイルであ
る。なお、2次コイルの抵抗値は最適化していない。
【0092】そうして、2次コイルwsの表面温度が1
50゜に到達するまでの時間を測定した結果を図7に示
す。
【0093】図7は、本発明の誘導加熱装置における2
次コイルの温度上昇の測定結果を示すグラフである。図
において、横軸は入力電力(W)を、縦軸は加熱所要時
間(秒)を、それぞれ示す。
【0094】図から明なように、入力電力にほぼ比例し
て加熱時間が短縮するとともに、全体としてかなり短時
間で温度上昇する。前述したように、2次コイルの抵抗
値を最適化すれば、電力伝達効率が向上するので、一層
加熱所要時間が短縮することができ、ローラ部材の抵抗
値を大きくすれば、電力伝達効率が低下するので、もっ
ぱら熱拡散の機能を発揮させることができる。
【0095】以上を要約すると、本発明においては、加
熱ローラの2次コイルを誘導コイル装置の1次コイルと
空芯トランス結合させるとともに、2次側抵抗値を2次
リアクタンスにほぼ等しくして、誘導コイル装置から2
次コイルに対する電力伝達効率を高くし、2次コイルで
発生した熱をその外側に配置された2次コイルによって
コイル軸方向に拡散し表面温度の均一化を図ることがで
きる。
【0096】電源装置は、周波数がIMHz以上の高周
波を出力し、この高周波により誘導コイル装置の1次コ
イルを付勢する。高周波は、高周波インバータにより発
生する。高周波インバータは、その回路方式を限定され
るものではないが、たとえばハーフブリッジ形インバー
タ、好適には2石直列共振形インバータを採用すること
ができる。
【0097】また要すれば、電源装置は、高周波インバ
ータに加えてその直流入力側にスイッチングレギュレー
タなどのアクティブフィルタを付設することができる。
この場合、スイッチングレギュレータをPWM制御し
て、高周波直流インバータの入力電圧を制御すること
で、高周波出力電圧を制御することができる。このた
め、加熱ローラの温度制御を可変にしたり、一定に保持
したりするといった制御を容易に行えるようになる。な
お、加熱ローラの温度を一定に保持するには、加熱ロー
ラの温度を監視する温度センサを加熱ローラまたは誘導
コイル装置に配設して、スイッチングレギュレータまた
は高周波インバータを帰還制御するように構成すればよ
い。しかし、要すれば、高周波インバータの直流入力側
に脈動直流電圧を出力する整流回路手段を直結すること
もできる。
【0098】さらに、高周波インバータは、スイッチン
グ手段がMOSFETによって構成されている。MOS
FETは、本発明の周波数範囲において90%以上のド
レイン効率でスイッチング動作を行うことができる。
【0099】2次コイルは、誘導コイル装置の1次コイ
ルと空芯トランス結合する構成であってもよいし、コア
を介して結合する有芯トランス結合であってもよい。ま
た、空芯トランス結合の場合、2次コイルはその2次リ
アクタンスにほぼ等しい2次側抵抗値を有し、ローラ部
材はその2次リアクタンスと大きく異なる2次側抵抗値
を有しているように構成することができる。
【0100】以上説明したように、MOSFETを用い
た高周波インバータで1MHz以上の高周波を変換効率
高く発生させて、1次コイルを高周波で付勢することに
より、空芯コイルのQを大きくすることができる。
【0101】このため、1次コイルの損失が少なくな
り、したがって加熱ローラ対する電力伝達効率が向上す
る。しかし、周波数が1MHz未満になると、十分大き
なQを得にくくなるので、不可である。高周波の周波数
の好ましい範囲は、1〜4MHである。この範囲であれ
ば、図5に示す例においても効果的であり、またMOS
FETのスイッチング損失が少なくて、高い変換効率を
得ることができる。
【0102】請求項2記載の発明の誘導加熱装置は、前
記1次コイルがコイル軸方向に分散配置された複数の単
位コイルによって形成され、前記2次コイルが前記各単
位コイルの配置された位置に対応させて形成されている
ことを特徴としている。
【0103】本発明においては、1次コイルが、前述し
たように、コイル軸方向に分散配置された複数の単位コ
イルによって構成されたときに、2次コイルを1次コイ
ルの単位コイルに対応させて配置することにより、1次
コイルから2次コイルへの電力伝達効率を最大に向上さ
せることができる。
【0104】請求項3記載の発明の誘導加熱装置は、前
記1次コイルがコイル軸方向に分散配置された複数の単
位コイルによって形成され、前記2次コイルが前記各単
位コイルの間に対応させて配置されていることを特徴と
している。
【0105】本発明においては、1次コイルをコイル軸
方向に分散配置された複数の単位コイルによって形成す
る場合に、各単位コイル間の間隔が狭くなると単位コイ
ルどうしで電力交換して電力損失を生ずるようになる
が、2次コイルを1次コイルの各単位コイルの間に対応
させて配置することにより、1次コイルから2次コイル
への電力伝達効率が向上させることができる。
【0106】請求項4の発明の誘導加熱ローラ装置は、
請求項1ないし3のいずれか一記載の誘導加熱装置誘導
において、コイル装置の1次コイルが、磁性材料からな
る胴部および前記胴部の少なくとも一端において形成さ
れた鍔部を有するコアおよびコアの胴部の周囲に巻装さ
れていることを特徴としている。
【0107】コアは、コイル軸の方向に沿って単一また
は複数に形成することができる。1次コイルが単−の場
合であっても、複数のコアに分割巻きしてもよいし、複
数の1次コイルを複数のコアに1対1の割合で巻装して
もよい。コアを加熱ローラの軸方向に複数に分割するこ
とにより、コアを安価にするとともに、内側の1次コイ
ルのコアからの磁路外への漏洩を少なくすることができ
る。
【0108】また、コアは、胴部が棒状および筒状のい
ずれであってもよい。鍔部は、加熱ローラの内面に接触
してもよいし、わずかな隙間を形成することにより、非
接触にしてもよい。
【0109】誘導加熱装置で加熱ローラを構成する場
合、ローラ部材の内面に導電性の磁性材料を配置させ
て、誘導コイル装置のコアの鍔部が接触して加熱ローラ
が回転するように構成すれば、磁気抵抗が一層小さくな
り、加熱ローラ内に配置した2次コイルの効率が一層向
上する。これに対して、非接触であれば、加熱ローラの
回転を妨げないので、加熱ローラを回転駆動するモータ
の負担およびコアや加熱ローラの磨耗を少なくして、誘
導加熱ローラ装置全体のコストダウンおよび信頼性向上
に効果的である。
【0110】加熱ローラの軸方向において、コアの鍔部
より端部側に加熱ローラの軸受機構および駆動機構など
を配設することができる。これにより、軸受機構などが
磁路の外部に位置するので、磁路が軸受機構などに影響
を受けないで、最適な磁路を形成することができる。
【0111】さらに、誘導コイル装置のコアを軸方向の
長さが加熱ローラの軸方向の長さより小さくなるように
構成するとともに、加熱ローラの端部に加熱ローラの軸
受機構などを配設することができる。これにより、加熱
ローラの有効長さを最大にすることができる。
【0112】請求項5記載の発明の誘導加熱ローラ装置
は、1次コイルを備えた誘導コイル装置と前記誘導コイ
ル装置の1次コイルの外側に同軸的に、かつその両端部
が軸方向に前記1次コイルの両端部を越えて配置された
前記1次コイルの形成磁界と空芯トランス結合して誘導
電流により自己発熱する2次コイルと;を具備している
ことを特徴としている。
【0113】本発明によれば、誘導コイル装置の1次コ
イルの外側に同軸的に、かつ軸方向に前記1次コイルを
越えて配置されているので、1次コイルからのノイズを
解消することができる。
【0114】請求項6記載の発明の誘導加熱装置は、1
次コイルを備えた誘導コイル装置と前記誘導コイル装置
の1次コイルの外側に同軸的に配置され、かつその両端
部の抵抗率がそれより内側の抵抗率よりも低くされた前
記1次コイルの形成磁界と空芯トランス結合して誘導電
流により自己発熱する2次コイルと;を具備しているこ
とを特徴としている。
【0115】本発明によれば、誘導コイル装置の1次コ
イルの外側に、2次コイルを、同軸的に、かつ両端部の
抵抗率がその内側の抵抗率よりも低くなるように配置し
たので、1次コイルからのノイズを解消することができ
る。
【0116】請求項7の発明の誘導加熱ローラ装置は、
請求項1乃至6のいずれか一記載の誘導加熱装置におけ
る2次コイルの外側に円筒状のローラ部材が配置されて
いることを特徴としている。
【0117】請求項2および3記載の発明においては、
2次コイルが複数の単位コイルから構成されるので、こ
れを加熱ローラの熱源として用いる場合には、ローラ軸
方向に温度分布が不均一になる。この問題を解決するた
めには、2次コイル上に熱伝導性の良好な金属からなる
円筒体を同軸状に被嵌することが望ましい。
【0118】この円筒体も1次コイルの形成磁界と空芯
トランス結合するが、式1のαの値をα≦0.25、α
≧4の範囲の値とすることにより、自己発熱を抑えても
っぱら2次コイルで発生した熱を拡散させる機能を持た
せることができる。
【0119】ローラ部材は、2次コイルの外側に配設さ
れる。ローラ部材は、2次コイルによる加熱で生じる温
度むらや表面凹凸をなくする効果を奏する。2次コイル
は、ローラ部材の内面に形成することもできる。
【0120】本発明においては、上記の構成により複数
の2次コイル間にまたがって配設されている円筒状のロ
ーラ部材を通じて複数の2次コイル間の温度勾配にした
がって熱移動が行われる。その結果、複数の2次コイル
間の温度むらが低減する。
【0121】請求項8の発明の誘導加熱ローラ装置は、
請求項7記載の誘導加熱ローラ装置において前記加熱ロ
ーラが最外周面に被着された合成樹脂層を具備している
ことを特徴としている。
【0122】合成樹脂層は、加熱ローラの表面温度をな
るべく均一化するために寄与する。また、合成樹脂層
は、加熱ローラの表面を平滑化するためにも寄与する。
したがって、合成樹脂層は、上記の作用を実質的に呈す
る程度の層厚に構成される。しかし、合成樹脂層の層厚
が大きすぎると、層表面の温度上昇が遅くなったり、熱
膨張係数の違いによるクラックを生じやすくなったりす
るので、適当な層厚、好ましくは0.5〜5mmの範囲
内にすべきである。
【0123】また、合成樹脂層は、多層膜構成であるこ
とを許容する。たとえば、異種の合成樹脂層を積層した
構造にすることができる。
【0124】さらに、合成樹脂層は、加熱ローラの温度
上昇に耐える材質、たとえばフッ素樹脂、シリコーン樹
脂およびエポキシ樹脂などを用いるのがよい。
【0125】本発明においては、上記の構成を備えてい
るので、加熱ローラの表面温度がなるべく均一になり、
被加熱体を均一に加熱しやすくなる。また、加熱ローラ
の表面が平滑化されるので、被加熱体との接触が均一化
するため、被加熱体を均一に加熱しやすくなる。
【0126】なお、2次コイルの加熱劣化を防ぐため、
2次コイル上に合成樹脂層を被覆したり、外気と2次コ
イルとの連通部を封止することが望ましい。
【0127】請求項9記載の加熱ローラは、請求項7ま
たは8記載の誘導加熱ローラ装置における加熱ローラで
ある。
【0128】この加熱ローラは、請求項7および8で説
明したとおりの構成を有し、作用効果を発揮する。
【0129】請求項10の画像形成装置は、記録媒体に
トナー画像を形成する画像形成手段を備えた画像形成装
置本体と;定着装置本体の加圧ローラに圧接関係に対設
して、前記加圧ローラとの間にトナー画像が形成された
記録媒体を挟んで搬送しながらトナー画像を定着するよ
うに配設された加熱ローラを有する請求項7または8記
載の誘導加熱ローラ装置を備えた定着装置と;を具備し
ていることを特徴としている。
【0130】本発明において、「定着装置本体」とは、
定着装置から誘導加熱装置または誘導加熱ローラ装置に
おける加熱ローラを除去した残余の部分をいう。
【0131】加圧ローラと加熱ローラとは、直接圧接し
てもよいが、要すれば搬送シートなどを介して間接的に
圧接してもよい。なお、搬送シートは、無端またはロー
ル状であってもよい。
【0132】また本発明において、「画像形成装置本
体」とは、画像形成装置から定着装置を除いた残余の部
分をいう。また、画像形成手段は、記録媒体に間接方式
または直接方式により画像情報を形成する画像を形成す
る手段である。なお、「間接方式」とは、転写によって
画像を形成する方式をいう。
【0133】画像形成装置としては、たとえば電子写真
複写機、プリンタ、ファクシミリなどが該当する。
【0134】記録媒体としては、たとえば転写材シー
ト、印刷紙、エレクトロファックスシート、静電記録シ
ートなとが該当する。
【0135】そうして、本発明においては、請求項12
の誘導加熱ローラ装置における加熱ローラを備えて、ウ
ォームアップ時間の短い画像形成装置にすることができ
る。
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0136】図8は、本発明の誘導加熱ローラ装置の第
1の実施形態の構成を概略的に示す分解図である。
【0137】本実施形態は、誘導コイル装置ICの1次
コイルwpがコイル軸の直交面に対して傾斜させてアル
ミナセラミックス製の筒状基体CB上に密巻きされ、一
方2次コイルwsが基体CBより大径のアルミナセラミ
ックス製のロール基体BBにほぼ同一傾斜で複数ターン
厚膜状銅導体により形成され、基体CBをロール基体B
B内に同心的に、かつ1次コイル、2次コイルのコイル
面の長径が一致するように矢印方向から挿入して構成さ
れている。
【0138】3MHzの高周波が1次コイルwpに印加
される場合に、2次コイルwsのインダクタンスが60
nHで、2次側抵抗値Raが1.2Ωである。これによ
り、α=Ra/Xaが約1になるように設定されてい
る。
【0139】2次コイルを形成した厚膜状銅導体は、銅
を主成分とするペースト状導電材糾を基体BBの表面に
スクリーン印刷し、乾燥後焼成して形成されている。
【0140】図9は、本発明の他の実施形態を模式的に
示したもので、誘導コイル装置ICの1次コイルwpが
コイル軸の直交面に対して傾斜させてアルミナセラミッ
クス製の筒状基体CB上に密巻きされ、一方2次コイル
wsが基体CBより大径のアルミナセラミックス製のロ
ール基体BBにほぼ同一傾斜で複数ターン厚膜状銅導体
により形成されているが、この実施形態では、1次コイ
ルの同一ターン数ごとに1ターンの2次コイルが配置さ
れている。
【0141】このように、1次コイルの同一ターン数ご
とに1ターンの2次コイルを配置することにより、各2
次コイルに均等の電力伝達をすることができる。
【0142】図10は、本発明の他の実施形態を模式的
に示したもので、誘導コイル装置ICの1次コイルwp
がコイル軸の直交面に対して傾斜させてアルミナセラミ
ックス製の筒状基体CB上に密巻きされ、一方2次コイ
ルwsが基体CBより大径のアルミナセラミックス製の
ロール基体BBにほぼ同一傾斜で複数ターン厚膜状銅導
体により形成されているが、この実施形態では、1次コ
イルの同一ターン数ごとに1ターンの2次コイルが配置
され、さらに1次コイルの両端を越える位置にそれぞれ
3ターンの2次コイルwsが配置されている。
【0143】このように、1次コイルwpの同一ターン
数ごとに3ターンの2次コイルを配置することにより、
各2次コイルに均等の電力伝達をすることができ、かつ
基体CBをロール基体BB内に同心的に、かつ1次コイ
ルの両端を越える位置にそれぞれ1ターンの2次コイル
を配置したので輻射ノイズの発生を抑制することができ
る。 図11は、本発明のさらに他の実施形態を模式的
に示したもので、誘導コイル装置ICの1次コイルwp
がコイル軸の直交面に平行にアルミナセラミックス製の
筒状基体CB上に密巻きされ、一方2次コイルwsは基
体CBより大径のアルミナセラミックス製のロール基体
BBにコイル軸の直交面に平行に3ターンずつ間隔をお
いて厚膜状銅導体により形成されているが、この実施形
態では、1次コイルの両端を越える位置にそれぞれ3タ
ーンの2次コイルが配置されている。
【0144】このように、1次コイルの両端を越える位
置にそれぞれ3ターンずつの2次コイルwsを配置した
ので輻射ノイズの発生を抑制することができる。
【0145】図12は本発明のさらに他の実施形態の断
面図、図13はこの実施例の円筒体Rの縦断面図を示す
もので、加熱ローラTRが、鉄からなる円筒体Rと、こ
の円筒体Rの内面の軸方向の直交面と傾斜させて間隔を
おいて被着形成された導電膜より構成された2次コイル
wsと、円筒体Rの2次コイルws内にセラミックスか
らなる筒体BBの上に2次コイルwsと同一傾斜角で巻
回され対応する位置となるよう挿入された一次コイルw
pと、円筒体R上および2次コイルws上に被着された
合成樹脂層PLとから構成されている。なお、導電膜
は、透明質のITO膜からなる。
【0146】図14は、本発明に用いる定着装置の一実
施形態を示す縦断面図である。図において、21は誘導
加熱ローラ装置、22は加圧ローラ、23は記録媒体、
24はトナー、25は架台である。
【0147】誘導加熱ローラ装置21は上述したいずれ
の実施形態も用いることができる。加圧ローラ22は、
誘導加熱ローラ装置21の加熱ローラTRと圧接関係を
有して配設されており、両者の間に記録媒体23を狭圧
しながら搬送する。
【0148】記録媒体23は、その表面にトナ−24が
付着することにより、画像が形成される。
【0149】架台25は、以上の各構成要素(記録媒体
23を除く。)を所定の位置関係に装架している。
【0150】そうして、定着装置は、トナ−24が付着
して画像を形成している記録媒体23が誘導加熱ローラ
装置21の加熱ローラTRと加圧ローラ22との間に挿
入されて搬送されるとともに、加熱ローラTRの熱を受
けてトナ−24が加熱されて溶融し、熱定着が行われ
る。
【0151】図15は、本発明の画像形成装置の一実施
形態としての複写機の概念的断面図である。
【0152】図において、31は読取装置、32は画像
形成手段、33は定着装置、34は画像形成装置ケース
である。
【0153】読取装置31は、原紙を光学的に読み取っ
て画像信号を形成する。
【0154】画像形成手段32は、画像信号に基づいて
感光ドラム32a上に静電潜像を形成し、この静電潜像
にトナーを付着させて反転画像を形成し、これを紙など
の記録媒体に転写して画像を形成する。
【0155】定着装置33は、図23に示した構造を有
し、記録媒体に付着したトナーを加熱溶融して熱定着す
る。
【0156】画像形成装置ケース34は、以上の各装置
および手段31ないし33を収納するとともに、搬送装
置、電源装置および制御装置などを備えている。
【0157】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、誘導コイル装
置の1次コイルを、コイル軸の直交面に対して傾斜して
形成するとともに、この1次コイルの外側に同軸的に、
かつ1次コイルと平行に又はほぼ平行に2次コイルを配
置して構成したので、誘導コイル装置から2次コイルへ
の電力伝達効率が高くなるとともに、傾斜配置された2
次コイルによりコイル軸方向の表面温度が均一化されて
温度むらが解消される。
【0158】請求項2の発明の誘導コイル装置によれ
ば、1次コイルがコイル軸方向に分散配置された複数の
単位コイルによって形成されているので、コイル単位毎
に発熱量の調整が可能となり、1次コイルから2次コイ
ルへの電力伝達効率を最大に向上させることができる。
【0159】請求項3の発明の誘導コイル装置によれ
ば、1次コイルがコイル軸方向に分散配置された複数の
単位コイルによって形成され、2次コイルが各単位コイ
ルの間に対応させて配置されているので、2次コイルの
各単位コイルを近接配置する必要のある場合に、ようい
に電力伝達効率を高めることができる。
【0160】請求項4の発明の誘導加熱装置によれば、
誘導コイル装置の1次コイルの外側に同軸的に、かつ軸
方向に前記1次コイルを越えて配置されているので、1
次コイルからのノイズを解消することができる。
【0161】請求項5の発明の誘導加熱ローラ装置によ
れば、誘導コイル装置の1次コイルの外側に、2次コイ
ルを、同軸的に、かつ両端部の抵抗率がその内側の抵抗
率よりも低くなるように配置したので、1次コイルから
のノイズを解消することができる。
【0162】請求項6の発明の誘導加熱ローラ装置によ
れば、誘導コイル装置の1次コイルを、磁性材料からな
る胴部および前記胴部の少なくとも一端において形成さ
れた鍔部を有するコアおよびコアの胴部の周囲に巻装し
たので、コアおよび加熱コイルの2次コイルにより形成
される磁路の磁気抵抗が小さくなり、1次コイルのイン
ダクタンスを大きくして相対的に少ない電流で所望の磁
界を形成する誘導加熱ローラ装置を提供することができ
る。
【0163】請求項7の発明の誘導加熱ローラ装置によ
れば、請求項1乃至6のいずれか一記載の誘導加熱装置
における2次コイルの外側に円筒状のローラ部材を配置
したので、表面の温度むらが改善される。
【0164】請求項8の発明の誘導加熱ローラ装置によ
れば、ローラ部材の最外周面に合成樹脂層を被着したの
で、加熱ローラの表面温度がなるべく均一になるととも
に、表面が平滑な誘導加熱ローラ装置を提供することが
できる。
【0165】請求項9の発明の誘導加熱ローラ装置によ
れば、請求項1ないし8に記載の誘導加熱ローラ装置と
同様の効果を得ることができる。
【0166】請求項10の発明の画像形成装置によれ
ば、定着装置本体の加圧ローラに圧接関係に対設して、
加圧ローラとの間にトナー画像が形成された記録媒体を
挟んで搬送しながらトナー画像を定着するように配設さ
れた請求項9記載の誘導加熱ローラ装置における加熱ロ
ーラを具備したので、請求項1ないし9に記載の効果を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の誘導加熱ローラ装置における等価回
路を示す回路
【図2】 本発明の誘導加熱ローラ装置の動作原理を説
明する結合係数kごとのαとQcaの関係を示すグラフ
【図3】 本発明の誘導加熱装置の作用原理を確認する
予備的実験の測定系を示す概念図
【図4】 本発明の誘導加熱ローラ装置の作用原理を確
認するための予備実験における負荷未装着時の1次コイ
ルの測定周波数に対するインダクタンスおよび結合係数
の関係を示すグラフ
【図5】 本発明の誘導加熱ローラ装置の作用原理を確
認するための予備実験における負荷未装着時の1次コイ
ルの測定周波数に対するQUの変化を示すグラフ
【図6】 本発明の誘導加熱装置における2次コイルの
温度上昇の測定系を示す概念図
【図7】 本発明の誘導加熱装置における2次コイルの
温度上昇の測定結果を示すグラフ
【図8】 本発明の誘導加熱ローラ装置の第1の実施形
態を概略的に示す側面図
【図9】 本発明の誘導加熱ローラ装置の第2の実施形
態を概略的に示す側面図
【図10】 本発明の誘導加熱ローラ装置の第3の実施
形態を概略的に示す側面図
【図11】 本発明の誘導加熱ローラ装置の第4の実施
形態を概略的に示す側面図
【図12】 本発明の誘導加熱ローラ装置の第5の実施
形態を概略的に示す断面図
【図13】 図12に示した実施形態の要部縦断面図
【図14】 本発明に使用する定着装置を示す縦断面図
【図15】 本発明の画像形成装置の一実施形態として
の複写機の概念的断面図
【符号の説明】
BB…基体 CB…ボビン IC…誘導コイル装置 PL…合成樹脂層 TR…加熱ローラ WP…配線対 wp…1次コイル ws…2次コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 AA03 AA41 BA25 BB05 BB06 BB18 BE06 3K059 AA08 AB19 AD05 AD23 CD52 CD77

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイル軸の直交面に対して傾斜して形成
    された1次コイルを備えた誘導コイル装置と;前記誘導
    コイル装置の1次コイルの外側に同軸的に、かつ前記1
    次コイルと平行に又はほぼ平行に配置され、前記1次コ
    イルの形成磁界と空芯トランス結合して誘導電流により
    自己発熱する2次コイルと;を具備していることを特徴
    とする誘導加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記1次コイルがコイル軸方向に分散配
    置された複数の単位コイルによって形成され、前記2次
    コイルが前記各単位コイルの配置された位置に対応させ
    て形成されていることを特徴とする請求項1記載の誘導
    加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記1次コイルがコイル軸方向に分散配
    置された複数の単位コイルによって形成され、前記2次
    コイルが前記各単位コイルの間に対応させて配置されて
    いることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱装置。
  4. 【請求項4】 誘導コイル装置の1次コイルが、磁性材
    料からなる胴部および前記胴部の少なくとも一端におい
    て形成された鍔部を有するコアおよびコアの胴部の周囲
    に巻装されていることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれか一記載の誘導加熱装置。
  5. 【請求項5】 1次コイルを備えた誘導コイル装置と;
    前記誘導コイル装置の1次コイルの外側に同軸的に配置
    され、かつその両端部の抵抗率がそれより内側の抵抗率
    よりも低くされた前記1次コイルの形成磁界と空芯トラ
    ンス結合して誘導電流により自己発熱する2次コイル
    と;を具備していることを特徴とする誘導加熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし6のいずれか一記載の誘
    導加熱装置における2次コイルの外側に円筒状のローラ
    部材が配置されていることを特徴とする誘導加熱ローラ
    装置。
  7. 【請求項7】 前記ローラ部材の最外周面に被着された
    合成樹脂層を具備していることを特徴とする請求項7記
    載の誘導加熱ローラ装置。
  8. 【請求項8】 請求項7また8のいずれか一記載の誘導
    加熱ローラ装置における加熱ローラ。
  9. 【請求項9】 記録媒体にトナー画像を形成する画像形
    成手段を備えた画像形成装置本体と;定着装置本体の加
    圧ローラに圧接関係に対設して、前記加圧ローラとの間
    にトナー画像が形成された記録媒体を挟んで搬送しなが
    らトナー画像を定着するように配設された加熱ローラを
    有する請求項7または8記載の誘導加熱ローラ装置を備
    えた定着装置と;を具備していることを特徴とする画像
    形成装置。
JP2001094383A 2001-03-28 2001-03-28 誘導加熱装置、誘導加熱ローラ装置、誘導加熱ローラ装置における加熱ローラ、定着装置および画像形成装置 Withdrawn JP2002299032A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7349661B2 (en) 2004-10-29 2008-03-25 Samsung Electronics Co., Ltd. Fusing roller and fusing apparatus using the same
CN108418345A (zh) * 2018-03-14 2018-08-17 西安交通大学 一种适用于同轴相对旋转部件测试系统的自发电组件

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