JP2003317925A - 誘導加熱装置 - Google Patents

誘導加熱装置

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JP2003317925A
JP2003317925A JP2002124744A JP2002124744A JP2003317925A JP 2003317925 A JP2003317925 A JP 2003317925A JP 2002124744 A JP2002124744 A JP 2002124744A JP 2002124744 A JP2002124744 A JP 2002124744A JP 2003317925 A JP2003317925 A JP 2003317925A
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heating
heating roller
wiring
power supply
induction
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JP2002124744A
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English (en)
Inventor
Takayuki Ogasawara
崇行 小笠原
Ichiro Yokozeki
一郎 横関
Toshiya Suzuki
俊也 鈴木
Takaaki Tanaka
貴章 田中
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Harison Toshiba Lighting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱ローラ表面の温度むらを少なくし、温度
均斉度を向上する。 【解決手段】 この誘導加熱装置は、表面上の被加熱体
の加熱コイル(2次コイル)とトランス結合された一次
コイルとして動作する複数の誘導コイル2a〜2dを同
心状に複数並べて巻装した加熱ローラ1と;この加熱ロ
ーラ1の軸方向一端(左端)から引き出された一対の給電
線3aと;加熱ローラ1の軸方向他端(右端)から引き出
された一対の給電線3bと;これら給電線3a,3bを
ほぼ同じ長さで分岐させ電源装置5へ接続する配線切分
部4とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばプリンタ、
ファクシミリ、コピー機などの定着装置および画像形成
装置に用いられる誘導加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プリンタ、ファクシミリ、コピ
ー機などの定着装置および画像形成装置には、加熱装置
が用いられている。この種の加熱装置に用いられる加熱
方式として、誘導加熱方式がある。誘導加熱方式には、
コイルに発生する渦電流損を利用する加熱方式と、1次
コイルと2次コイルのトランス結合を用いる加熱方式と
がある。
【0003】渦電流損を利用する加熱方式は、IHジャ
ーなどにおいて実用化されているのと同様な動作原理で
ある。この種の加熱方式において用いられている高周波
の周波数は、20〜100kHz程度である。
【0004】一方、トランス結合を用いる従来の誘導加
熱装置としては、図5に示すように、表面を導電材で構
成した円筒状の加熱ローラ1と、この加熱ローラ1の一
端から引き出された一対の給電線3と、この給電線3に
高周波電流を流す(給電)する電源装置5と、加熱ローラ
1内に同心状に巻装して電源装置5からの通電により加
熱ローラ1内に誘導電流を誘起させて加熱ローラ1表面
を加熱する複数の誘導コイル2a〜2dとを備えてい
る。
【0005】また、図6に示すように、一対の給電線3
を加熱ローラ1の外で分岐させ、加熱ローラ1の内部で
複数の誘導コイル2a〜2dそれぞれに給電線31〜3
4を接続したものもある。
【0006】これら従来の誘導加熱装置の場合、円筒状
の加熱ローラ1表面が閉回路の2次コイルとなり、誘導
コイル2a〜2dが1次コイルとなって、両者の間にト
ランス結合が生じて、加熱ローラ1の2次コイルに2次
電圧が誘起される。そして、この2次電圧に基づいて加
熱ローラ1の表面を2次電流が流れることにより、加熱
ローラ1表面が発熱する2次側抵抗加熱方式である。こ
の2次側抵抗加熱方式は、渦電流損を利用する加熱方式
よりも磁気的結合が強いために定常効率が高く、加熱ロ
ーラ全体を加熱できるので、比較的、定着装置の構造が
簡単になるという利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の誘導
加熱装置では、電源装置5に近い側と遠い側で給電線の
長さが大きく変わることから、図7に示すように、加熱
ローラ1の表面における温度分布を測定すると、電源装
置5に近い側では表面温度が高く、電源装置5から遠く
なるにつれて表面温度が低くなり、ローラ全体として温
度勾配が大きくなり、加熱ローラの表面に比較的大きな
温度むらが生じるという問題がある。
【0008】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、加熱ローラの表面の温度むらを少なく
し、温度均斉度を向上することのできる誘導加熱装置を
提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明の誘導加熱装置は、複数の1次コイルを
同心状に並べて配置すると共に、前記1次コイルの外側
に前記1次コイルとトランス結合される2次コイルとし
て作用する加熱ローラと;前記加熱ローラの軸方向一端
から引き出された第1の配線群と;前記加熱ローラの軸
方向他端から引き出された第2の配線群と;前記第1の
配線群に接続された1次コイルを含む配線負荷と前記第
2の配線群に接続された1次コイルを含む配線負荷とを
ほぼ同じにする配線切分手段と;前記第1の配線群、前
記第2の配線群および配線切分手段を通じて前記加熱ロ
ーラの各1次コイルに給電する電源装置と;を具備した
ことを特徴としている。なお、トランス結合とは、完全
な空芯のトランス結合だけでなく、実質的に空芯とみな
せるトランス結合の場合を含む。本発明では、加熱ロー
ラの軸方向一端から第1の配線群を引き出し、他端から
第2の配線群を引き出し、互いの配線負荷をほぼ同じに
する配線切分手段を備えたことで、加熱ローラ表面にお
ける温度分布の温度勾配を小さくでき、加熱ローラ表面
の温度均斉度を向上することができる。上記誘導加熱装
置において、配線切分手段は、互いの配線群の配線負荷
をほぼ同じにするように力率を改善する力率改善手段を
備えることで、第1の配線群と第2の配線群との長さが
多少違う場合でも、加熱が弱い側の配線群へ電力を多く
給電できるようになり、加熱ローラの中央から左側と右
側との温度むらを少なくできる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は本発明に係る一実施形態の
定着装置の構成を示す縦断面図、図2は図1の定着装置
に用いられる第1実施形態の誘導加熱装置の回路構成図
である。なお、各図において、同一部分については同一
符号を付してその説明は省略する。この定着装置は、図
1に示すように、誘導加熱装置21、加圧ローラ22、
記録媒体23、トナー24、架台25などを有してい
る。
【0011】誘導加熱装置21は中空の回転自在な加熱
ローラ1と、誘導コイル2a〜2dを巻装した回転しな
いコイルボビン6とを有している。加圧ローラ22は、
誘導加熱装置21の加熱ローラ1と圧接関係を有して配
設されており、両者の間に記録媒体23を狭圧しながら
搬送する。記録媒体23は、その表面にトナー24が付
着することにより画像が形成される。架台25は、以上
の各構成要素(記録媒体23を除く。)を所定の位置関
係に装架している。
【0012】つまり、この定着装置は、トナー画像を熱
定着する装置であり、この定着装置では、加熱ローラ1
と対向させて加圧ローラ22を配設して、両ローラの間
をトナー画像を形成した記録媒体が通過する際に加熱さ
れてトナーが記録媒体に融着するように構成されてい
る。なお、この定着装置から誘導加熱装置21の加熱ロ
ーラ1を除去した残余の部分を定着装置本体という。
【0013】この定着装置では、トナー24が付着して
画像を形成している記録媒体23が誘導加熱装置21の
加熱ローラ1と加圧ローラ22との間に挿入されて搬送
されるとともに、加熱ローラ1の熱を受けてトナー24
が加熱されて溶融し、熱定着が行われる。
【0014】加圧ローラ22と加熱ローラ1とは、直接
圧接してもよいが、要すれば搬送シートなどを介して間
接的に圧接してもよい。なお、搬送シートは、無端また
はロール状であってもよい。このように構成した定着装
置では、トナー画像が形成された記録媒体を加熱ローラ
1と加圧ローラ22との間に挟んで搬送しながらトナー
画像を定着することができる。
【0015】誘導加熱装置21は、図2に示すように、
ほぼ表面に2次コイルとして作用する、加熱コイル(導
電層)を形成した円筒状の加熱ローラ1と、加熱コイル
と同心状に加熱ローラ1の内部にほぼ等間隔に並べて巻
装された1次コイルとして作用する複数の誘導コイル2
a〜2dと、各誘導コイル2a,2bに接続され、加熱
ローラ1の軸方向一端から引き出された一対の給電線3
aと、各誘導コイル2c,2dに接続され、加熱ローラ
1の軸方向他端から引き出された一対の給電線3bと、
給電線3a,3bをほぼ同じ長さの位置で分岐させる配
線切分部4と、この配線切分部4と給電線3a,3bを
通じて各誘導コイル2a〜2dに高周波電流を流す(給
電)する電源装置5とを備えている。なお、「ほぼ表
面」とは、加熱ローラ1の加熱コイル(導電層)の上
に、通常は、酸化防止用の皮膜(合成樹脂層)を被着さ
せており、加熱コイル(導電層)は厳密には最も上層で
はない可能性があるためである。
【0016】すなわち、この誘導加熱装置21は、円筒
状の加熱ローラ1と、この加熱ローラ1の内部に同心状
に並べて巻装された複数の1次コイルとしての誘導コイ
ル2a〜2dと、加熱ローラ1のほぼ表面に誘導コイル
2a〜2dと同心状に位置され、誘導コイル2a〜2d
により形成される磁界と空芯トランス結合して誘導電流
により自己発熱する2次コイルとしての加熱コイルと、
誘導コイル2a〜2dに給電する電源装置5と、この電
源装置5から各誘導コイル2a〜2dへ給電するために
加熱ローラ1の軸方向一端より引き出された給電線3a
と,加熱ローラ1の軸方向他端より引き出された給電線
3bと、加熱ローラ1の軸方向両端から引き出された各
給電線3a,3bを含む誘導コイル2a〜2dを、互い
にほぼ同じ配線負荷にするように設けられた配線切分部
4とを具備する。
【0017】複数の誘導コイル2a〜2dは電源装置5
からの通電により加熱ローラ1内に誘導電流を誘起させ
て加熱ローラ1表面を加熱する。複数の誘導コイル2a
〜2dのうち、加熱ローラ1の中央から左側に位置する
誘導コイル2a,2bは給電線3aに接続されている。
複数の誘導コイル2a〜2dのうち、加熱ローラ1の中
央から右側に位置する誘導コイル2c,2dは給電線3
bに接続されている。
【0018】配線切分部4は、誘導コイル2a,2b,
給電線3aと、誘導コイル2c,2d,給電線3bとの
長さを、互いに物理的に同じ長さにする位置に設けら
れ、左右の回路を切り分ける機能を有している。配線の
長さを同じにするということは、誘導コイル2a〜2d
を含む配線負荷を同じにするということである。
【0019】電源装置5は、低周波交流電源から供給さ
れる低周波電流を高周波電流に変換し、配線切分部4お
呼び給電線3a,3bを通じて各誘導コイル2a〜2d
へ供給する。低周波交流電源は200V〜240Vの商
用交流電源である。電源装置5は、ノイズフィルタ、全
波整流回路、平滑コンデンサおよびハーフブリッジ形の
高周波インバータなどを備えている。ノイズフィルタ
は、高周波インバータのスイッチングにより発生する高
周波ノイズを吸収して、低周波交流電源側へ流出するの
を阻止する。全波整流回路は、低周波交流を整流して脈
動直流を出力する。平滑コンデンサは、脈動直流を平滑
化直流に変換する。ハーフブリッジ形の高周波インバー
タは、一対のスイッチング手段と、一対のコンデンサお
よび直列共振回路を構成するインダクタおよびコンデン
サなどを備えている。
【0020】誘導コイル2a〜2dは、交流電源、好適
には高周波電源から励磁されると共に、例えば後述する
加熱コイル(2次コイル)が同軸的に形成された中空の
加熱ローラ1の内部に挿入される。誘導コイル2a〜2
dは、電源装置5からの給電により、加熱ローラ1の表
面に形成された加熱コイル(2次コイル)と空芯トラン
ス結合される1次コイルとして機能する。
【0021】加熱ローラ1の回転に伴い加熱コイル(2
次コイル)は回転するが、この回転する加熱コイルに対
して誘導コイル2a〜2dは静止していても良く、加熱
ローラ1と共に、または別に回転させても良い。なお、
誘導コイル2a〜2dを回転させる場合には、電源装置
5と誘導コイル2a〜2dとの間に回転集電機構を介在
すればよい。また、加熱ローラ1中心にはコイルボビン
6が配置されている。コイルボビン6には、整列巻のた
めの巻溝が形成されており、この巻溝に複数の誘導コイ
ル2a〜2dが並べて巻装および支持されている。複数
の誘導コイル2a〜2dは、それぞれ軸方向にほぼ等間
隔で分散して配設し、各誘導コイル2a〜2dを交流電
源に対して給電線3a,3bを通じて並列接続する。
【0022】加熱ローラ1には、絶縁性物質(非導電性
物質)からなるローラ基体が用いられており、このロー
ラ基体に、発熱体の加熱コイルが2次コイルとして皮膜
あるいは巻装されている。ローラ基体は、非導電性物
質、例えばセラミックス、ガラス、酎熱性合成樹脂など
の材料から構成され、内部が中空である。中空は、その
内部に誘導コイル2a〜2dの挿入を許容する程度であ
ればよい。また、ローラ基体は、加熱ローラ1として所
要の機械的強度を主として担当することになるので、構
成材料の強度を考慮して適当な厚みを備えているように
構成するのがよい。
【0023】非導電物質からなるローラ基体は、鉄など
の金属に比較して一般に熱容量が小さいので、加熱所要
時間が短くなる。なお、熱源が一定の場合、加熱所要時
間は熱抵抗と熱容量との積で決まるので、熱容量が小さ
ければ加熱所要時間が短くなる。例えば一般的な加熱ロ
ーラ1は鉄からなるため、基体が鉄であるといえるの
で、これを100とすると、ソーダガラスの熱容量は5
8、アルミナセラミックスは87であり、いずれも相対
的に熱容量が小さいので、これらの非導電性物質からな
る基体を備えていることにより、加熱所要時間を短縮す
ることができる。
【0024】加熱コイル(2次コイル)は、単一の円筒
体で構成することが温度むら、表面凹凸、輻射ノイズの
解消、機械的強度の向上等の点からより望ましい。
【0025】加熱コイル(2次コイル)は、導電膜によっ
て形成することもできる。導電膜は、導電性物質の蒸
着、化学的被着、導電性金属箔の貼着、導電性物質の厚
膜構造などによって形成することができる。2次コイル
を導電膜によって形成することにより、2次コイルの全
体を薄くすることができる。加熱ローラ1には、その最
外周面に合成樹脂層を被着させる。
【0026】合成樹脂層は、加熱ローラ1の表面温度を
なるべく均一化するために寄与する。また、合成樹脂層
は、加熱ローラ1の表面を平滑化するためにも寄与す
る。したがって、合成樹脂層は、上記の作用を実質的に
呈する程度の層厚に構成される。しかし、合成樹脂層の
層厚が大きすぎると、層表面の温度上昇が遅くなった
り、熱膨張係数の違いによるクラックを生じやすくなっ
たりするので、適当な層厚、好ましくは0.5〜5mm
の範囲内にすべきである。また、合成樹脂層は、多層膜
構成であることを許容する。たとえば、異種の合成樹脂
層を積層した構造にすることができる。さらに、合成樹
脂層は、加熱ローラ1の温度上昇に耐える材質、たとえ
ばフッ素樹脂、シリコーン樹脂およびエポキシ樹脂など
を用いるのがよい。なお、2次コイルの加熱劣化を防ぐ
ため、2次コイル上に合成樹脂層を被覆したり、外気と
2次コイルとの連通部を封止することが望ましい。
【0027】なお、誘導コイル2a〜2dと電気的接続
が生じない状態であれば、加熱ローラ1自体を導電性物
質で構成し2次コイルとして作用させても良い。加熱コ
イル(2次コイル)は、誘導コイル2a〜2d(1次コ
イル)と空芯トランス結合する構成であっても良く、コ
アを介して結合する有芯トランス結合であっても良い。
加熱ローラ1を回転させる機構は、既知の種々の構成を
適宜選択して採用することができる。
【0028】電源装置5としては、MOSFETからな
るスイッチング手段を備えた高周波インバータを主体と
し、周波数が100KHz以上で好適には1MHz以上
の高周波出力により誘導コイル2a〜2d(1次コイ
ル)を励磁(付勢)する高周波インバータを主体とする
電源装置が用いられている。
【0029】電源装置5は、周波数が1MHz以上の高
周波を出力し、この高周波により誘導コイル装置の1次
コイルを付勢(励磁)する。高周波は、高周波インバー
タにより発生する。高周波インバータは、その回路方式
を限定されるものではないが、たとえばハーフブリッジ
形インバータ、好適には2石直列共振形インバータを採
用することができる。
【0030】また、要すれば、電源装置5は、高周波イ
ンバータに加えてその直流入力側にスイッチングレギュ
レータなどのアクティブフィルタを付設することができ
る。この場合、スイッチングレギュレータをPWM制御
して、高周波直流インバータの入力電圧を制御すること
で、高周波出力電圧を制御することができる。このた
め、加熱ローラ1の温度制御を可変にしたり、一定に保
持したりするといった制御を容易に行えるようになる。
なお、加熱ローラ1の温度を一定に保持するには、加熱
ローラの温度を監視する温度センサを加熱ローラ1に配
設して、スイッチングレギュレータまたは高周波インバ
ータを帰還制御するように構成すればよい。しかし、要
すれば、高周波インバータの直流入力側に脈動直流電圧
を出力する整流回路手段を直結することもできる。
【0031】さらに、高周波インバータは、スイッチン
グ手段がMOSFETによって構成されている。MOS
FETは、本発明の周波数範囲において90%以上のド
レイン効率でスイッチング動作を行うことができる。
【0032】MOSFETを用いた高周波インバータに
ついて説明する。MOSFETを用いた高周波インバー
タにより、1MHz以上の高周波を変換効率高く発生さ
せて、誘導コイル2a〜2d(1次コイル)を高周波で
付勢することにより、空芯コイルのQを大きくすること
ができる。このため、誘導コイル2a〜2d(1次コイ
ル)の損失が少なくなり、したがって加熱ローラ1に対
する電力伝達効率が向上する。高周波の周波数として
は、1〜4MHzの範囲が好ましく、この範囲であれば
効果的であり、またMOSFETのスイッチング損失が
少なくて、高い変換効率を得ることができる。
【0033】誘導コイル2a〜2dは、磁性材料からな
る胴部および胴部の少なくとも一端において形成された
鍔部を有するコアおよびコアの胴部の周囲に巻装する。
【0034】コアは、加熱コイルの軸方向に沿って単一
または複数に形成することができる。1次コイルが単一
の場合であっても、複数のコアに分割巻きしても良く、
複数の1次コイルを複数のコアに1対1の割合で巻装し
ても良い。コアを加熱ローラ1の軸方向に複数に分割す
ることにより、コアを安価にするとともに、内側の誘導
コイル2a〜2d(1次コイル)のコアからの磁路外へ
の漏洩を少なくすることができる。また、コアは、胴部
が棒状および筒状のいずれであってもよい。鍔部は、加
熱ローラ1の内面に接触してもよいし、わずかな隙間を
形成することにより、非接触にしてもよい。
【0035】さらに、加熱ローラ1の軸方向において、
コアの鍔部より端部側に加熱ローラ1の軸受機構および
駆動機構などを配設することにより、軸受機構などが磁
路の外部に位置するので、磁路が軸受機構などに影響を
受けないで、最適な磁路を形成することができる。
【0036】一般に複数の1次コイルを負荷とする回路
は、負荷の力率が良いとはいえない。また、電源装置5
は、負荷に対する供給電力の増加に伴って容積が大きく
なる。電源装置5の容積が小さければ、加熱ローラ1の
内部空間に電源装置5を配置することができるが、供給
電力と適当な軸長で実用的な内径の加熱ローラ1との関
係から、電源装置5は、これを加熱ローラ1の外部に配
置するのが一般的である。そこで、誘導コイル2a〜2
dと電源装置5との間を接続するには、加熱ローラ1の
端部から配線対、つまり給電線を引き出す必要がなる。
負荷の力率が悪い場合、給電線を流れる電流が比較的大
きくなってしまい、給電線の発熱や電力伝送効率の低
下、さらにそれに伴う絶縁劣化といった不具合が生じ
る。また、給電線を流れる電流が大きくなると、給電線
から輻射されるノイズが増大し、周辺機器に悪影響を及
ぼす危険率が増大する。
【0037】この実施形態の定着装置では、電源装置5
より給電を開始すると、誘導コイル2a〜2dにより磁
界が発生する。この磁界により加熱ローラ1表面のとし
ての加熱コイル(2次コイル)が空芯トランス結合して
誘導電流により自己発熱する。
【0038】この定着装置では、加熱ローラ1内部の誘
導コイル2a,2bに接続される給電線3aを加熱ロー
ラ1の左端より引き出し、加熱ローラ1内部の誘導コイ
ル2c,2dに接続される給電線3bを加熱ローラ1の
右端より引き出し、互いの給電線3a,3bをほぼ同じ
長さする位置で配線切分部4を接続しているので、誘導
コイル2a,2bと誘導コイル2c,2dとにほぼ同じ
電力が供給される。これにより、加熱ローラ1の表面の
温度分布としては、図3に示すように、加熱ローラ1の
両端から中央までのほぼ半分の位置で温度勾配が折り返
すようになり、片側から給電線を引き出していた従来の
加熱ローラに比べて温度変化をほぼ半減させることがで
きる。
【0039】このようにこの実施形態の定着装置によれ
ば、加熱ローラ1の軸方向両端からそれぞれ給電線3
a、3bを引き出した第1実施形態の誘導加熱装置21
を備えたことで、被加熱体である加熱コイル(2次コイ
ル)の位置による温度変化をほぼ半減できるようにな
り、加熱ローラ1の表面温度の均斉度を向上することが
できる。また、加熱ローラ1の表面が平滑化されるの
で、被加熱体との接触が均一化するため、被加熱体を均
一に加熱しやすくなる。この結果、ウォームアップ時間
が短く、加熱ローラ1表面の温度むらが少ない誘導加熱
装置を提供することができる。
【0040】続いて、図4を参照して上記定着装置に用
いる誘導加熱装置の第2実施形態について説明する。こ
の第2実施形態の誘電加熱装置は、図4に示すように、
円筒状の加熱ローラ1と、この加熱ローラ1の内部に同
心状に並べて巻装された複数の1次コイルとしての誘導
コイル2a〜2dと、加熱ローラ1のほぼ表面に誘導コ
イル2a〜2dと同心状に位置され、誘導コイル2a〜
2dにより形成される磁界と空芯トランス結合して誘導
電流により自己発熱する2次コイルとしての加熱コイル
と、誘導コイル2a〜2dに給電する電源装置5と、こ
の電源装置5から各誘導コイル2a〜2dへ給電するた
めに加熱ローラ1の軸方向一端(図の向かって左端)よ
り引き出された給電線3aと,加熱ローラ1の軸方向他
端(図の向かって右端)より給電線3aよりも長く引き
出された給電線3bと、加熱ローラ1の軸方向両端から
引き出された各給電線3a,3bと電源装置5とを接続
し給電線3aと誘導コイル2a,2bを含む第1の配線
群と、給電線3bと誘導コイル2c,2dを含む第2の
配線群との配線負荷をほぼ同じにするように力率を改善
する力率改善手段としてのコンデンサ7を給電線3bに
接続した配線切分部4とを具備する。
【0041】このようにこの第2実施形態の誘電加熱装
置によれば、配線切分部4において、配線長が長い側の
給電線3b側に力率改善用のコンデンサ7を接続したの
で、加熱が不足しがちな給電線3bを流れる電流(電
力)を増加させて、互いの配線負荷がほぼ同じくするこ
とで、電源装置5から各誘導コイル2a〜2dまでの配
線長が異なることから起こる加熱むらなどの不具合を改
善することができる。なお、この第2実施形態では、配
線切分部4において、長い側の給電線3bに力率改善用
のコンデンサを1つ設けたが、複数のコンデンサを接続
しても良い。
【0042】本発明は上記実施形態のみに限定させるも
のではない。上記実施形態では、トランス結合方式の誘
導加熱装置を定着装置に適用した例について説明した
が、この他、例えば画像形成装置にも適用できる。画像
形成装置としては、例えば電子写真複写機、プリンタ、
ファクシミリなどが該当する。画像形成装置あるいは定
着装置に使用する記録媒体としては、例えば転写材シー
ト、印刷紙、エレクトロファックスシート、静電記録シ
ートなどが該当する。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、加
熱ローラの軸方向一端から第1の配線群を引き出し、他
端から第2の配線群を引き出し、互いの配線負荷をほぼ
同じにする配線切分手段を備えたことで、加熱ローラ表
面における温度分布の温度勾配を小さくでき、加熱ロー
ラ表面の温度均斉度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一実施形態の定着装置の構成を
示す図。
【図2】 図1の定着装置に用いる誘導加熱装置の回路
構成を示す図。
【図3】 図2の誘導加熱装置の加熱ローラの温度勾配
を示す図。
【図4】 図1の定着装置に用いる誘導加熱装置の他の
回路例を示す図。
【図5】 従来の誘導加熱装置の構成を示す図。
【図6】 従来の他の誘導加熱装置の構成を示す図。
【図7】 従来の誘導加熱装置の加熱ローラの温度勾配
を示す図。
【符号の説明】
1…加熱ローラ、2a〜2d…誘導コイル、3a,3b
…給電線、4…配線切分部、5…電源装置、6…コイル
ボビン、7…コンデンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 俊也 愛媛県今治市旭町5丁目2番地の1 ハリ ソン東芝ライティング株式会社内 (72)発明者 田中 貴章 愛媛県今治市旭町5丁目2番地の1 ハリ ソン東芝ライティング株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA03 BA25 BB03 BB04 BB13 BB14 BB18 BB22 BE06 3K059 AA08 AB19 AD03 AD05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の1次コイルを同心状に並べて配置
    すると共に、前記1次コイルの外側に前記1次コイルと
    トランス結合される2次コイルとして作用する加熱ロー
    ラと;前記加熱ローラの軸方向一端から引き出された第
    1の配線群と;前記加熱ローラの軸方向他端から引き出
    された第2の配線群と;前記第1の配線群に接続された
    1次コイルを含む配線負荷と前記第2の配線群に接続さ
    れた1次コイルを含む配線負荷とをほぼ同じにする配線
    切分手段と;前記第1の配線群、前記第2の配線群およ
    び配線切分手段を通じて前記加熱ローラの各1次コイル
    に給電する電源装置と;を具備していることを特徴とす
    る誘導加熱装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の誘導加熱装置において、
    前記配線切分手段は、 互いの配線群の配線負荷をほぼ同じにするように力率を
    改善する力率改善手段を備えたことを特徴とする誘導加
    熱装置。
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