JP2002294617A - 覆工板 - Google Patents

覆工板

Info

Publication number
JP2002294617A
JP2002294617A JP2001098429A JP2001098429A JP2002294617A JP 2002294617 A JP2002294617 A JP 2002294617A JP 2001098429 A JP2001098429 A JP 2001098429A JP 2001098429 A JP2001098429 A JP 2001098429A JP 2002294617 A JP2002294617 A JP 2002294617A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
material layer
elastic material
lining
porous elastic
lining plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001098429A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Morimoto
整 森本
Fuminari Shizuku
文成 雫
Toshiaki Imaeda
稔明 今枝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2001098429A priority Critical patent/JP2002294617A/ja
Publication of JP2002294617A publication Critical patent/JP2002294617A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Road Paving Structures (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の走行による交通騒音を低減すると共
に、濡れた路面上でのすべり摩擦係数を高くして車両の
制動距離を短くできる覆工板を提供する。 【解決手段】 覆工板10は、H型鋼11Aを並列に組
み合せた覆工板本体11の主表面に多孔質弾性材層13
を被覆固定したものである。多孔質弾性材層13は、ゴ
ムチップに、ウレタン系等のバインダー及び硬質骨材で
ある第3成分材料を混合し成形して形成され、空隙率が
10〜50%であり、第3成分材料の平均粒径が0.0
1〜0.5mmであり、かつ第3成分材料の配合量が全
骨材に対して10〜90重量%である。金属薄板上に多
孔質弾性材層を形成し、金属薄板を覆工板本体に被覆固
定してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下鉄、上下水
道、電気配線、ガス配管等の地下工事に伴う道路掘削の
際に仮設道路として用いられる覆工板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の覆工板としては、H型鋼
をベースとしたものが用いられており、覆工板の表面に
格子模様の突起による防滑機能が施されているが、さら
に防滑機能を高めるため、コンクリート、コンクリート
モルタル、アクリル樹脂、アスファルト、エポキシ樹脂
等で表面被覆処理されたものが用いられている。その
他、例えば特開平10−296181号公報に示すよう
に、覆工板にウレタン樹脂を塗布したものも知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記コンクリ
ート、モルタル、アスファルト等は、材料剛性が高く、
タイヤと路面の接触時の衝撃によって発生するタイヤ衝
撃音や、タイヤのトレッドパターンの溝と路面で挟まれ
た空気がタイヤの蹴り出しにおいて開口部から一気に放
射される際に発生するエアーポンピング音のため、車両
走行時の騒音が大きくなり、覆工板が敷設された箇所の
周辺地域の環境を悪化させるという問題がある。特に、
上記地下工事は長期に及ぶことが多いため、環境悪化の
影響も一層深刻である。上記ウレタン樹脂の場合は、剛
性がコンクリート等に比べてやや低く、タイヤ衝撃音は
小さくなるが、エアーポンピング音の低減効果はなく、
総体的な騒音低減効果も不十分である。
【0004】さらに、上記被覆材料については、いずれ
も降雨時等において路面からの排水がスムーズに行われ
ないため、車両の走行時にすべり摩擦係数は非常に小さ
くなり、車両の制動時の制動距離が伸びて事故に繋がる
という問題がある。また、車両の走行により水跳ねが起
こって、後続の車両の走行の邪魔になり、また歩行者の
歩行を妨げるという問題もある。
【0005】本発明は、上記の問題を解決しようとする
もので、車両の走行による交通騒音を低減し、濡れた路
面上でのすべり摩擦係数を高くして車両の制動距離を短
くすると共に水跳ねを抑制することができる覆工板を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的
を達成するために、上記請求項1に係る発明の構成上の
特徴は、弾性骨材と、バインダーと、実質的に変形され
得ない硬質骨材である第3成分材料とが混合・成形され
てなる平板状の多孔質弾性材層が、覆工板本体の主表面
を被覆して主表面に固定されていることにある。なお、
主表面とは、覆工板の車両通行側の面である。
【0007】多孔質弾性材層は、通常1〜20mm程度
に粉砕された弾性骨材とバインダーと第3成分材料とを
混合し、混合材料を成形することにより形成される。な
お、弾性骨材としては、天然ゴム,合成ゴム等のゴム材
料や、熱可塑性エラストマー、発泡ポリウレタン等の弾
性を有する合成樹脂材料が用いられ、なかでも資源再利
用の観点から廃タイヤより作製されるゴムチップ等が好
適に利用される。チップの形状としては、ひじき状タイ
プ、粒状タイプ等がある。バインダーとしては、ウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂等が用いられる。
【0008】また、硬質骨材である第3成分としては、
無機材料、有機材料に限らないが、無機材料としては砕
石、珪砂、砂、シリカ、ガラス等の窯業材料等が、有機
材料としてはナイロン、ウレタン等の樹脂材料等、の中
から少なくとも1種類を選択して用いられる。
【0009】上記のように構成した請求項1に係る発明
においては、弾性骨材とバインダーと実質的に変形され
得ない硬質骨材である第3成分材料とを混合・成形した
多孔質弾性材層が金属製の覆工板本体の表面を被覆して
固定されていることにより、覆工板は所定の弾性率を確
保することができる。その結果、タイヤと覆工板との間
で発生する衝撃音を小さくでき、覆工板上を走行する車
両の走行騒音を大幅に低下させることができる。また、
濡れ時における覆工板のすべり摩擦係数を高くすること
ができ、降雨時等での車両の制動距離を短くでき、制動
時の事故を防止できる。さらに、多孔質弾性材層により
水を吸収することができるため、車両の走行による水跳
ねを抑えることができ、後続の車両の走行や、歩行者の
歩行の邪魔になるという問題も解消することができる。
【0010】また、上記請求項2に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1に記載の覆工板において、多孔質
弾性材層の空隙率が10〜50%であることにある。こ
のように、多孔質弾性材層の空隙率を高めることによ
り、タイヤトレッドのエアーポンピング音をなくすこと
ができる。さらに、多孔質弾性材層の空隙率を10〜5
0%にすることにより、吸音率の極大値を1〜2kHz
にすることができ、自動車のエンジンが発生する最大高
圧レベルの周波数は1〜2kHzにあるため、エンジン
音を吸音して騒音を低減することができる。なお、空隙
率が10%未満であると、吸音率の極大値が1kHzよ
り低くなりかつピーク吸音率が低下する。一方、空隙率
が50%を越えると、吸音率の極大値が2kHzより高
くなりかつピーク吸音率が低下すると共に多孔質弾性材
層の強度の低下が顕著になる。
【0011】また、上記請求項3に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項2に記載の覆工板において、第3成
分材料の平均粒径が0.01〜0.5mmであり、かつ
該第3成分材料の配合量が全骨材に対して10〜90重
量%であることにある。なお、平均粒径については、
0.01mm未満であると強度が低下し磨耗性が悪くな
り、0.5mmより大きいと濡れ時のすべり摩擦係数が
低いため、多量の添加が必要となる。しかし、それによ
り硬さが高くなりタイヤと路面間の衝撃音が大きくな
る。また、配合量については、10重量%未満であると
濡れ時のすべり摩擦係数が低く、90重量%を越えると
多孔質弾性材層の強度が低下することになる。
【0012】上記のように構成した請求項3に係る発明
においては、第3成分材料を小粒径とすることにより、
濡れた路面でのすべり摩擦係数を上げることができる。
そのため、降雨時での車両の制動距離をアスファルト舗
装と同程度にすることができる。また、第3成分材料と
して粒径違いの硬質骨材を同重量添加した多孔質弾性材
層を比較したとき、小さい粒径の硬質骨材を添加した方
が降雨時のすべり摩擦係数が高く、かつ硬さも硬くな
る。そのために、第3成分材料として小さい粒径の硬質
骨材を用いることにより、大きい粒径の硬質骨材を用い
るときに比べて、少ない添加量で同程度の降雨時のすべ
り摩擦係数を得ることができる。また、弾性の確保によ
りタイヤと覆工板との間の衝撃音を低下させることがで
きる。
【0013】また、上記請求項4に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記
載の覆工板において、多孔質弾性材層の厚みが、5mm
〜50mmであることにある。なお、多孔質弾性材層の
厚みが5mm未満であると、弾性材層による騒音低減等
の効果が得られなくなり、また50mmより厚くなって
も、弾性材層の効果が変らないため、多孔質弾性材料の
無駄になる。
【0014】上記のように構成した請求項4に係る発明
においては、多孔質弾性材層の厚さを5〜50mmの範
囲とすることにより、タイヤと覆工板間の衝撃音を小さ
くして車両走行騒音を低減する効果が得られる。また、
濡れ時のすべり摩擦係数を低減できることにより、車両
制動時の制動距離を短くすることができ、さらに車両の
走行に伴う水跳ねを防止することができる。
【0015】また、上記請求項5に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1から請求項4のいずれか1項に記
載の覆工板において、多孔質弾性材層が接着剤層を介し
て覆工板本体に接着されていることにある。これによ
り、多孔質弾性材層を覆工板本体に強固に接着させるこ
とができると共に、多孔質弾性材層を覆工板本体に固定
する時期を、多孔質弾性材層の製造時、覆工板使用時等
任意に選択することができる。
【0016】また、上記請求項6に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1から請求項4のいずれか1項に記
載の覆工板において、多孔質弾性材層が加硫成形により
直接覆工板本体に接着されていることにある。これによ
り、多孔質弾性材層を覆工板本体に強固に接着させるこ
とができる。
【0017】また、上記請求項7に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1から請求項4のいずれか1項に記
載の覆工板において、多孔質弾性材層が金属薄板表面に
接着形成されており、金属薄板が物理的接合具を用いて
覆工板本体に固定されていることにある。
【0018】上記のように構成した請求項7に係る発明
においては、多孔質弾性材層が金属薄板表面に接着形成
されることにより、多孔質弾性材層の取扱いが容易にな
る。また、金属薄板を物理的接合具を用いて覆工板本体
に固定すればよいので、多孔質弾性材層の覆工板本体へ
の固定が容易になり、特に覆工板使用場所での取り付け
が容易となるため便利である。さらに、多孔質弾性材層
の覆工板本体からの取り外しも容易であるため、多孔質
弾性材層の交換を容易に行うことができる。
【0019】また、上記請求項8に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項7に記載の覆工板において、物理的
接合具が、ボルト締め具、クランプ締め具、フック締め
具のいずれかであることにある。
【0020】また、上記請求項9に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1から請求項4のいずれか1項に記
載の覆工板において、多孔質弾性材層が金属薄板表面に
接着形成されており、金属薄板に設けた係合手段と覆工
板本体に設けた係合手段との係合により金属薄板が覆工
板本体に固定されていることにある。このように、多孔
質弾性材層が金属薄板表面に接着形成されることによ
り、多孔質弾性材層の取扱いが容易になる。また、金属
薄板に設けた係合手段を覆工板本体に設けた係合手段と
係合させればよいので、多孔質弾性材層の覆工板本体へ
の固定が容易になり、特に覆工板使用場所での取り付け
が容易となるため便利である。さらに、多孔質弾性材層
の覆工板本体からの取り外しも容易であるため、多孔質
弾性材層の交換を容易に行うことができる。
【0021】また、上記請求項10に係る発明の構成上
の特徴は、前記請求項1から請求項4のいずれか1項に
記載の覆工板において、多孔質弾性材層が金属薄板表面
に接着形成されており、金属薄板が溶接により覆工板本
体に固定されていることにある。このように、多孔質弾
性材層が金属薄板表面に接着形成されることにより、多
孔質弾性材層の取扱いが容易になり、また金属薄板を覆
工板本体に溶接することにより、多孔質弾性材層の覆工
板本体への固定が容易になる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明すると、図1,図2は、第1の実施形態で
ある覆工板を斜視図及び正面図により示したものであ
る。覆工板10は、H型鋼を組み合わせた覆工板本体1
1の主表面上に多孔質弾性材層13を被覆固定したもの
である。覆工板本体11は、長さ2m(又は3m)、高
さ20cmのH型鋼11Aを、図に示すように高さ方向
に5個配列してそれぞれ溶接により固定した1m×2m
(又は1m×3m)の中空板材である。
【0023】多孔質弾性材層13は、厚さ5〜50mm
の平板であり、弾性骨材としてのゴムチップ(ひじき状
タイプ、粒状タイプ等がある)と、ウレタン系バインダ
ーと、第3の成分材料として、砂とを含んでいる。砂
は、平均粒径が0.01〜0.5mm、及び配合量が全
骨材に対して10〜90重量%であるという条件を満た
している。なお、第3成分材料としては、上記条件を満
たすものであれば、砂に限らずその他の無機材料または
有機材料でもよく、また1種類の材料に限らず複数種類
を混合したものでもよい。バインダーについては、湿気
硬化型ウレタンバインダーが望ましいが、2液硬化型ウ
レタンバインダーや、その他エポキシ系バインダー等特
に限定しない。
【0024】多孔質弾性材層13は、上記弾性骨材、バ
インダー及び砂を攪拌機にて混合し、空隙率10〜50
%になるように計量して金型に投入し、金型を熱プレス
にて150℃、20分間加熱処理することにより硬化形
成される。ただし、成形条件(温度及び時間)について
はこれに限るものではない。このように形成された多孔
質弾性材層13は、図2に示すように、覆工板本体11
の主表面全面にエポキシ系あるいはウレタン系等の接着
剤12を用いて接着することにより敷設され、覆工板1
0として形成される。
【0025】上記実施形態においては、覆工板10は、
多孔質弾性材層13の弾性によりタイヤとの間で発生す
る衝撃音を小さくでき、車両の走行騒音を低下させるこ
とができる。また、第3成分材料である砂を、平均粒径
が0.01〜0.5mmの小粒径とし、その配合量を全
骨材に対して10〜90重量%とすることにより、濡れ
た多孔質弾性材層13での摩擦係数を上げることができ
る。そのため、降雨時での車両のスリップを避けること
ができ、制動距離をアスファルト舗装と同程度にするこ
とができる。また、第3成分材料として粒径違いの弾性
骨材を同重量部添加した覆工板を比較したとき、小さい
粒径の硬質骨材を添加した方が降雨時のすべり摩擦係数
が高くなる。そのために、第3成分材料として小さい粒
径の硬質骨材を用いることにより、大きい粒径の硬質骨
材を用いるときに比べて、少ない添加量で同程度の降雨
時のすべり摩擦係数を得ることができる。また、弾性の
確保によりタイヤと路面との衝撃音を低下させることが
できる。
【0026】また、多孔質弾性材層13の空隙率10〜
50%と高くしたことにより、タイヤトレッドのエアー
ポンピング音をなくすことができる。さらに、多孔質弾
性材層の空隙率を10〜50%にすることにより、吸音
率の極大値を1〜2kHzにすることができ、この周波
数領域にある振動数のエンジン音を吸音して騒音を低減
することができる。さらに、空隙率を高くしたことによ
り、多孔質弾性材層13によって水を吸収することがで
きるため、車両の走行による水跳ねを抑えることがで
き、後続の車両の走行や、歩行者の歩行の邪魔になると
いう問題も解消することができる。
【0027】なお、上記実施形態において、多孔質弾性
材層13は、(1)空隙率が10〜50%である、
(2)第3成分材料の平均粒径が0.01〜0.5mm
であり、かつ第3成分材料の配合量が全骨材に対して1
0〜90重量%である、という両要件を備えているが、
これらのうち要件(1)を満たすのみでもよい。それに
よっても、弾性が確保でき、タイヤと路面との衝撃音を
小さくでき車両の走行騒音を低下させることができる。
また、剛性が高く、車両が多孔質弾性材層上に載ったと
きに、変形が小さいことにより多孔質弾性材層表面とタ
イヤ間の水膜を切断することができ、濡れ時のすべり摩
擦係数は高くなり制動距離が短くなる。
【0028】なお、本実施形態においては、多孔質弾性
材層13を覆工板本体11に接着剤12によって接着し
ているが、これに代えて多孔質弾性材層13を直接覆工
板本体11に加硫成形により接着してもよい。
【0029】つぎに、上記第1の実施形態に係る具体的
実施例について説明する。所定の要件を備えた覆工板の
試験品について、走行騒音、濡れ時(ウエット時)のす
べり摩擦係数、透水性について試験を行った。ここで
は、(1)多孔質弾性材層の空隙率が10〜50%、
(2)第3成分材料である砂が、平均粒径が0.01〜
0.5mmの小粒径で、その配合量が全骨材に対して1
0〜90重量%である、の2つの要件を備えた多孔質弾
性材層を被覆した覆工板について実施例1〜7の7種類
と、要件(1)のみを満たした実施例8,9の2種類を
用意した。また、実施例1〜9に対し、現行の覆工板で
ある比較例1、密粒舗装である比較例2、さらに多孔質
弾性材層が要件(1)を満たさない比較例3,4の計4
種類の比較例を用意した。これら各実施例及び比較例に
ついての各要件の組み合わせ及び試験結果を下記表1,
2に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】なお、上記走行騒音の測定については、J
ASO C 606に準じて行われる。濡れ時のすべり
摩擦係数の測定については、50cm×50cm×30
mm厚さの平板状試験片(成形後、常温で3日以上放置
したもの)を用い、DFテスター(有限会社サニー工研
製)を用い、水を試料表面に流しながら、80km/h
以下の領域で測定するASTM E1911−98に準
拠して行った。
【0033】透水係数K15の測定は、JIS A12
18に基づいて行われるもので、原理としては、透水流
の見掛けの流速と動水勾配を関係付ける比例定数であ
り、一定の断面と長さを持つ供試体の中を、一定の水位
差の下で一定時間内に浸透する水量を測定する定水位透
水試験と,一定の断面と長さを持つ供試体の中を、ある
水位差を初期状態として浸透するときの水位の降下量
と、その経過時間を測定する変水位透水試験とがある。
本実施例では、定水位透水試験により測定が行われた。
【0034】上記表1に示すように、要件(1),
(2)を満たす実施例1〜7については、走行騒音、濡
れ時すべり摩擦係数及び透水性の全てがほぼ良好な結果
となっている。ただし、実施例2に示すように、空隙率
が10%に近いと、走行騒音が67dB−Aと大きくな
り、透水係数K15も低くなっている。また、実施例
5,7については、いずれも第3成分の配合量が上限値
に近いため、走行騒音がそれぞれ68,69dB−Aと
大きめになるので注意を要する。一方、要件(1)のみ
を満たす実施例8,9についても、濡れ時すべり摩擦係
数が実施例1〜7に比べてわずかに小さくなっている
が、走行騒音、及び透水性についてはほぼ良好な結果と
なっている。
【0035】これに対し、上記表2に示すように、比較
例1,2は、走行騒音が高く、透水係数が0という従来
知られた結果である。また、空隙率が下限値より低い比
較例3では、走行騒音が高く、透水性も0.01と劣っ
た結果になっており、空隙率が上限値より高い比較例5
では、透水性は良好であるが走行騒音が高過ぎる結果に
なっている。
【0036】つぎに、本発明の第2の実施形態について
説明する。本実施形態に係る覆工板15は、図3に示す
ように、多孔質弾性材層16が金属薄板17に接着され
ており、この金属薄板17を覆工板本体11に固定する
ことにより形成される。多孔質弾性材層16の金属薄板
17への接着については、加硫成形により行うのが望ま
しいが、接着剤により接着してもよい。さらに、金属薄
板17の覆工板本体11への固定は、図4に示すよう
に、ボルト18締めにより行われる。
【0037】このように形成した覆工板15について
も、上記第1の実施形態に示した覆工板10と同様に、
低走行騒音で、濡れ時のすべり摩擦係数を低くでき、か
つ排水性が良好であるという効果が得られる。さらに、
覆工板15は、多孔質弾性材層16が金属薄板17表面
に接着形成されることにより、多孔質弾性材層16の取
扱いが容易になり、また金属薄板をボルト18を用いて
覆工板本体11に固定すればよいので、多孔質弾性材層
16の覆工板本体11への取り付けが容易になり、特に
覆工板使用場所での取り付けが容易となるため便利であ
る。さらに、多孔質弾性材層16の覆工板本体11から
の取り外しも容易であるため、多孔質弾性材層16の交
換を容易に行うことができる。なお、金属薄板17の覆
工板本体11への固定については、ボルト18締めの他
に、クランプ締め具、フック締め具等類似の固定具を用
いることができる。
【0038】つぎに、上記多孔質弾性材層16が接着さ
れた金属薄板17の、覆工板本体11への固定方法の変
形例について説明する。図5に示すように、金属薄板1
7に係合手段として係合孔17aを設け、覆工板本体1
1に係合手段として係合凸部11aを設け、係合孔17
aを係合凸部11aに係合させることにより、金属薄板
17を覆工板本体11に被覆固定させることができる。
逆に、金属薄板17に係合凸部を設け、覆工板本体11
に係合孔(あるいは係合凹部)を設け、係合凸部を係合
孔に係合させるようにしてもよい。
【0039】この変形例によっても、第2の実施形態と
同様の効果が得られる。なお、金属薄板17の覆工板本
体11への固定については、係合孔17aを係合凸部1
1aさせる他に、金属薄板17の覆工板本体11にそれ
ぞれ取付孔を設け、取付孔にピン、金属棒を嵌め合せて
固定してもよい。その他、上記実施形態等に示したもの
は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変
更して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る覆工板を示す斜
視図である。
【図2】同覆工板を示す正面図である。
【図3】第2の実施形態に係る覆工板の組付け状態を示
す正面図である。
【図4】同覆工板の一部を示す断面図である。
【図5】変形例である覆工板の一部を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10…覆工板、11…覆工板本体、12…接着剤、13
…多孔質弾性材層、15…覆工板、16…多孔質弾性材
層、17…金属薄板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今枝 稔明 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 Fターム(参考) 2D051 DA12

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性骨材と、バインダーと、実質的に変
    形され得ない硬質骨材である第3成分材料とが混合・成
    形されてなる平板状の多孔質弾性材層が、覆工板本体の
    主表面を被覆して該主表面に固定されていることを特徴
    とする覆工板。
  2. 【請求項2】 前記多孔質弾性材層の空隙率が10〜5
    0%であることを特徴とする前記請求項1に記載の覆工
    板。
  3. 【請求項3】 前記第3成分材料の平均粒径が0.01
    〜0.5mmであり、かつ該第3成分材料の配合量が全
    骨材に対して10〜90重量%であることを特徴とする
    前記請求項2に記載の覆工板。
  4. 【請求項4】 前記多孔質弾性材層の厚みが、5mm〜
    50mmであることを特徴とする前記請求項1から請求
    項3のいずれか1項に記載の覆工板。
  5. 【請求項5】 前記多孔質弾性材層が接着剤層を介して
    前記覆工板本体に接着されていることを特徴とする前記
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の覆工板。
  6. 【請求項6】 前記多孔質弾性材層が加硫成形により直
    接前記覆工板本体に接着されていることを特徴とする前
    記請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の覆工
    板。
  7. 【請求項7】 前記多孔質弾性材層が金属薄板表面に接
    着形成されており、該金属薄板が物理的接合具を用いて
    前記覆工板本体に固定されていることを特徴とする前記
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の覆工板。
  8. 【請求項8】 前記物理的接合具が、ボルト締め具、ク
    ランプ締め具、フック締め具のいずれかであることを特
    徴とする前記請求項7に記載の覆工板。
  9. 【請求項9】 前記多孔質弾性材層が金属薄板表面に接
    着形成されており、該金属薄板に設けた係合手段と前記
    覆工板本体に設けた係合手段との係合により該金属薄板
    が該覆工板本体に固定されていることを特徴とする前記
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の覆工板。
  10. 【請求項10】 前記多孔質弾性材層が金属薄板表面に
    接着形成されており、該金属薄板が溶接により前記覆工
    板本体に固定されていることを特徴とする前記請求項1
    から請求項4のいずれか1項に記載の覆工板。
JP2001098429A 2001-03-30 2001-03-30 覆工板 Withdrawn JP2002294617A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001098429A JP2002294617A (ja) 2001-03-30 2001-03-30 覆工板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001098429A JP2002294617A (ja) 2001-03-30 2001-03-30 覆工板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002294617A true JP2002294617A (ja) 2002-10-09

Family

ID=18952078

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001098429A Withdrawn JP2002294617A (ja) 2001-03-30 2001-03-30 覆工板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002294617A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100926167B1 (ko) * 2007-06-28 2009-11-12 위봉철 복개도로용 복공판 제조방법
JP2016121523A (ja) * 2014-12-25 2016-07-07 植村 誠 推進タイプのオープンシールド工法における路面覆工方法
CN105908591A (zh) * 2016-03-02 2016-08-31 林钢 一种粮面走道板
JP2017193844A (ja) * 2016-04-19 2017-10-26 植村 誠 路面覆工方法および路面覆工構造
JP6328840B1 (ja) * 2016-12-22 2018-05-23 ハンラ ケミカル カンパニー リミテッド 滑り止め層を備えた覆工板
JP7402488B2 (ja) 2019-10-04 2023-12-21 株式会社名倉ルーフ 敷板および敷板の製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100926167B1 (ko) * 2007-06-28 2009-11-12 위봉철 복개도로용 복공판 제조방법
JP2016121523A (ja) * 2014-12-25 2016-07-07 植村 誠 推進タイプのオープンシールド工法における路面覆工方法
JP2017053219A (ja) * 2014-12-25 2017-03-16 植村 誠 推進タイプのオープンシールド工法における路面覆工方法
CN105908591A (zh) * 2016-03-02 2016-08-31 林钢 一种粮面走道板
CN105908591B (zh) * 2016-03-02 2018-06-05 林钢 一种粮面走道板
JP2017193844A (ja) * 2016-04-19 2017-10-26 植村 誠 路面覆工方法および路面覆工構造
JP6328840B1 (ja) * 2016-12-22 2018-05-23 ハンラ ケミカル カンパニー リミテッド 滑り止め層を備えた覆工板
JP2018105110A (ja) * 2016-12-22 2018-07-05 ハンラ ケミカル カンパニー リミテッド 滑り止め層を備えた覆工板
JP7402488B2 (ja) 2019-10-04 2023-12-21 株式会社名倉ルーフ 敷板および敷板の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4506530B2 (ja) 多孔質弾性舗装材
JP2002294617A (ja) 覆工板
JP4915139B2 (ja) タイヤ騒音試験方法
JP3900498B2 (ja) ゴムラテックスモルタル複合鋼床版
JP5382867B2 (ja) 防音材とその製造方法及びレールの防音構造
JP2007277899A (ja) 透水性の弾性舗装材
JP2642843B2 (ja) 弾性路面敷板と弾性路面敷板の敷設方法
JPH0720030A (ja) タイヤ摩耗試験機用路面
JP5423195B2 (ja) 低騒音舗装体の積層構造及び低騒音舗装体の補修工法
JPH11280007A (ja) 排水性弾性舗装用舗装材及び排水性弾性舗装構造
KR200234610Y1 (ko) 자동차의 수막현상과 미끄럼방지용 그루빙 복공판
JP3511199B2 (ja) 自動車走行道路用弾性舗装材及び自動車走行道路用弾性舗装構造
JPH10158448A (ja) 舗装材及び舗装材の塗着方法及び舗装材を被覆した覆工板
JP2006342582A (ja) 弾性透水性舗装材
JP2000064213A (ja) 道路用継手及びその製造方法
CN210315214U (zh) 一种钢桥面铺装结构
JP3076225B2 (ja) 弾性路面敷板
JP2004137893A (ja) 排水性弾性舗装用舗装材
JP2002188102A (ja) 舗装構造体およびその施工方法
JP2011080249A (ja) 低騒音型舗装の積層構造及び低騒音型舗装の施工工法
JPH0330404Y2 (ja)
JPH1113005A (ja) 橋梁用継ぎ目部の構造及び橋梁用継ぎ目部の舗装工法
JP2006200244A (ja) 弾性舗装体及びその施工方法
JPH0790801A (ja) スラブ軌道用吸音構造体
JP2003176503A (ja) 弾性舗装材及び弾性舗装構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060228

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20060317