JP3511199B2 - 自動車走行道路用弾性舗装材及び自動車走行道路用弾性舗装構造 - Google Patents

自動車走行道路用弾性舗装材及び自動車走行道路用弾性舗装構造

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JP3511199B2
JP3511199B2 JP32994799A JP32994799A JP3511199B2 JP 3511199 B2 JP3511199 B2 JP 3511199B2 JP 32994799 A JP32994799 A JP 32994799A JP 32994799 A JP32994799 A JP 32994799A JP 3511199 B2 JP3511199 B2 JP 3511199B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般道路等の舗装
に用いられる弾性舗装材及びそれを用いた道路等の弾性
舗装構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の排水性弾性舗装用の舗装
材としては、例えば特許第2789805号公報に示す
ように、自動車の廃棄タイヤ等のゴム製品を粉砕したゴ
ムチップ等の弾性骨材に、ウレタン、エポキシ等のバイ
ンダーを混ぜて成形したものが知られている。この舗装
材は、弾性骨材を用いていることにより、通常のアスフ
ァルト舗装に比べて弾性があり、また、成形時に、数1
0%の空隙率とすることにより、透水性が得られ、かか
る空隙によりタイヤから発生するエアーポンピング音の
発生を抑制すると共に、走行する車両から伝播する特定
の周波数の音を吸収でき、さらにタイヤと路面の接触時
の衝撃によって発生するタイヤ衝撃音やパターン加振音
を低減することにより、交通騒音の大幅な低減が可能に
なる、といった優れた特性を備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記舗装材
は、路面が乾燥しているときには、車両のタイヤ表面と
路面との分子レベルの吸着力すなわち凝着力と、ゴムが
変形した後に復元する際に起こるヒステリシス損失によ
る摩擦力が働き、すべり摩擦係数が大きくなる。しか
し、舗装材が降雨等により濡れた状態では、水膜の形成
により凝着力がほとんどゼロになるため、ヒステリシス
損失による摩擦力のみとなり、すべり摩擦係数は非常に
小さくなる。さらに、降雨時に、舗装材内部の水がすべ
て排水されず、自動車走行時の荷重により、弾性路面が
たわみ、タイヤの周りに水が浮き出てくるため、制動時
のすべり摩擦係数が一層低下することになる。その為、
降雨等の際に、自動車の制動時の制動距離が伸びるとい
う問題がある。これに対し、排水性を改良するため舗装
材の空隙率を大幅に高くすると、弾性舗装材の剛性が低
下するため、自動車走行時の安定感が損なわれることに
なる。
【0004】従来のコンクリートやアスファルト舗装の
場合、降雨等により路面に水膜が形成されたときは、自
動車のタイヤに形成されたトレッドのエッジ効果で水膜
を破って路面を露出させることにより、タイヤの路面に
対する凝着力を回復させるようにしている。しかし、上
記弾性舗装材の場合は、ゴムチップのような弾性骨材を
用いたものであるため、コンクリート等に比べて柔らか
く、タイヤトレッドのエッジ効果が小さくなり水膜を破
るには至らないという問題がある。そのため、弾性舗装
材では、降雨等によるウエット時のすべり摩擦係数をさ
らに向上させる必要がある。
【0005】具体的には、アスファルト舗装の場合、濡
れた路面上でのすべり摩擦係数は、速度と共に低下する
傾向にあり、時速70kmでは0.3程度であるが、さ
らに高い値が求められている。弾性骨材を用いた弾性舗
装材の場合、濡れた路面上でのすべり摩擦係数は、低速
度域では高いが、時速20km以上では約0.25前後
で一定になる傾向があり、その変曲点は10km/h程
度になっている。一方、日本道路協会が道路の維持修繕
の目安として認定している目標値は、自動車専用道路が
80km/hで0.25、交通量の多い一般道路が60
km/hで0.25となっている。従って、弾性舗装材
においても、降雨時等においても0.3より大きいすべ
り摩擦係数にすることが必要になり、その変曲点もより
高い速度であることが望まれる。なお、弾性舗装材を実
用に供するために、その耐久性の目安として、引張り強
さが10kgf/cm以上あることが望ましく、また
製造が容易であるために、加工性の良否を示す攪拌時の
成分の分散状態が良好であることも必要となる。
【0006】ここで、本件発明者は、弾性骨材に少なく
とも1種類の特定の粒径の第3成分(例えば珪砂)を特
定量添加すること、及び特定のバインダーを用いて混合
・成形することにより、濡れた状態でのすべり摩擦係数
が0.4以上、かつ濡れた状態と乾いた状態でのすべり
摩擦係数の差が0.8以下になるという相関関係がある
ことを見い出し、本発明を想到するに至った。従って、
本発明は、上記の問題を解決しようとするもので、車速
70km/h時の濡れた路面上でのすべり摩擦係数が
0.4以上、かつ濡れた状態と乾いた状態でのすべり摩
擦係数の差が0.8以下で、すべり摩擦係数の変曲点が
20km/h以上である自動車走行道路用弾性舗装材及
び自動車走行道路用弾性舗装構造を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的
を達成するために、上記請求項1に係る発明の構成上の
特徴は、弾性骨材とバインダーと第3成分材料とが混合
・成形されてなり、道路の路盤に敷設されて弾性舗装を
形成する舗装材であって、第3成分材料が、硬さがJI
S A基準で90以上、平均粒径が0.01〜2.5m
m、及び配合量が弾性骨材とバインダーとを含む全配合
量に対して5〜35重量%であるという3条件を満たし
ているものであり、濡れた状態でのすべり摩擦係数が
0.4以上であり、さらにバインダーとして、減衰係数
tanδの温度依存性曲線での極大値の少なくとも1つ
が10℃以上に存在するバインダーを用いたことにあ
【0008】この自動車走行道路用弾性舗装材は、通常
1〜20mm程度に粉砕された弾性骨材とバインダーと
第3成分材料とを混合し、混合材料を成形することによ
り形成される。なお、弾性骨材としては、天然ゴム,合
成ゴム等のゴム材料や、熱可塑性エラストマー、発泡ポ
リウレタン等の弾性を有する合成樹脂材料が用いられ、
なかでも資源再利用の観点から廃タイヤより作製される
ゴムチップ等が好適に利用される。チップの形状として
は、紡錘状タイプ、メッシュタイプ、ザラメタイプ等が
ある。バインダーとしては、ウレタン、エポキシ等が用
いられる。
【0009】上記のように構成した請求項1に係る発明
においては、弾性骨材とバインダーに、さらに硬さがJ
IS A基準で90以上、平均粒径が0.01〜2.5
mmの第3成分を添加するもので、その添加量を弾性骨
材とバインダーとを含む全配合量に対して5〜35重量
%とすることで、舗装材の濡れた状態でのすべり摩擦係
数を0.4以上の高い値にできると共にすべり摩擦係数
の変曲点を高速度側にシフトさせることができる。その
結果、請求項1の発明によれば、舗装材の騒音吸収性及
び排水性を確保しつつ、降水時等の濡れた路面上での車
両の制動を、乾燥した路面での車両の制動に近づける事
ができ、スリップ防止効果が高められて降雨時等の運転
安定性を確保できる。
【0010】また、バインダーとして、減衰係数tan
δの温度依存性曲線での極大値の少なくとも1つが10
℃以上に存在するバインダーを用いることで、路面が濡
れた状態でのすべり摩擦係数をさらに高くすることがで
きると共に、その変曲点をさらに高速度側にシフトさせ
ることができる
【0011】なお、第3成分としては、無機材料、有機
材料に限らないが、無機材料としては特に珪砂、砂、シ
リカ、ムライト、ガラス、その他の窯業材料が、有機材
料としてはナイロン、ウレタン等の樹脂粒子、の中から
少なくとも1種類を選択して用いられる。第3成分の硬
さは、さらに好ましくはJIS A基準で95以上であ
る。また、平均粒径については、さらに好ましくは0.
01〜0.5mmであり、0.01mm未満であると舗
装材の加工性が悪くなり、2.5mmより大きいと舗装
材の強度が低下することになる。さらに、配合量につい
ては、より好ましくは全配合量に対して15〜30重量
%である。
【0012】また、上記請求項2に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1に記載の自動車走行道路用弾性舗
装材において、更に濡れた状態と乾いた状態でのすべり
摩擦係数の差が0.8以下であることにある。
【0013】上記のように構成した請求項2に係る発明
においては、濡れた状態と乾いた状態でのすべり摩擦係
数の差を0.8以下とすることで、乾いた状態での急ブ
レーキ時の前倒の危険性が少なくなる。
【0014】また、上記請求項3に係る発明の構成上の
特徴は、弾性骨材とバインダーとが混合・成形されてな
り、道路の路盤に敷設されて弾性舗装を形成する舗装材
であって、バインダーとして、減衰係数tanδの温度
依存性曲線での極大値の少なくとも1つが10℃以上に
存在するバインダーを用いるものとし、濡れた状態での
すべり摩擦係数が0.4以上であることにある。
【0015】上記のように構成した請求項3に係る発明
においては、バインダーとして、減衰係数tanδの温
度依存性曲線での極大値の少なくとも1つが10℃以上
に存在するバインダーを用いることで、路面が濡れた状
態でのすべり摩擦係数を高くすることができると共に、
その変曲点を高速度側にシフトさせることができる。
【0016】また、上記請求項4に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項3に記載の自動車走行道路用弾性舗
装材において、更に濡れた状態と乾いた状態でのすべり
摩擦係数の差が0.8以下であることにある。
【0017】上記のように構成した請求項4に係る発明
においては、濡れた状態と乾いた状態でのすべり摩擦係
数の差を0.8以下とすることで、乾いた状態での急ブ
レーキ時の前倒の危険性が少なくなる。
【0018】また、上記請求項5に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1から請求項4のいずれか1項に記
載の自動車走行道路用弾性舗装材において、舗装材の路
盤との接触面に排水溝を設けたことにある。
【0019】上記のように構成した請求項5に係る発明
においては、舗装材の路盤との接触面に排水溝を設けた
ことにより、降雨時等に、舗装材に吸収された水の排水
が排水溝によって効率よく行われるため、車両の走行時
に舗装材からの水の浮き出しを抑えることができる。そ
の結果、請求項5の発明によれば、上記請求項1から請
求項4の発明の効果に加えて、車両の制動時における路
面のすべり摩擦係数の低下をさらに効果的に抑制でき、
ハイドロプレーニング現象を抑えることができる。ま
た、排水が円滑に行われることにより、舗装材の強度及
び路盤との接着強度の低下を抑えることができる。
【0020】また、上記請求項6に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1から請求項5のいずれか1項に記
載の自動車走行道路用弾性舗装材が敷設された道路路盤
の弾性舗装材との接触面に排水溝を設けたことにある。
【0021】上記のように請求項6の発明をそれぞれ構
成したことにより、路盤に設けた排水溝により、降雨時
等に、弾性舗装材に吸収された水の排水を効率よく行う
ことができ、車両の走行時に舗装材からの水の浮き出し
を抑えることができる。その結果、請求項1から請求項
5に記載の自動車走行道路用弾性舗装材の効果に加え
て、車両の制動時における路面のすべり摩擦係数の低下
をさらに抑制でき、ハイドロプレーニング現象を抑える
ことができる。また、排水が円滑に行われることによ
り、弾性舗装材の強度及び路盤との接着強度の低下を抑
えることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を用いて説明すると、図1は、一実施形態である自動
車走行用の道路の路盤に敷設される自動車走行道路用弾
性舗装材(以下、舗装材と記す)を斜視図により示し、
図2及び図3は舗装材が路盤に敷設された自動車走行道
路用弾性舗装構造を平面図及び断面図により示したもの
である。
【0023】舗装材10は、厚さ20〜50mmの平板
であり、弾性骨材としてのゴムチップ(紡錘状タイプ、
メッシュタイプ、ザラメタイプ等がある)と、ウレタン
系バインダーと、第3の成分材料として、珪砂とを含ん
でいる。珪砂は、硬さがJIS A基準で90以上、平
均粒径が0.01〜2.5mm、及び配合量が弾性骨材
及びバインダーを含む全配合量に対して5〜35重量%
であるという3条件を満たしている。なお、第3成分材
料としては、珪砂に限らずその他の無機材料または有機
材料でもよく、また1種類の材料に限らず複数種類を混
合したものでもよい。バインダーについては、減衰係数
tanδの温度依存性曲線での極大値の少なくとも1つ
が10℃以上に存在することが必要で、ウレタン系が望
ましいが、その他エポキシ系バインダー等特に限定しな
い。これら3種類の材料を攪拌機にて混合し、例えば空
隙率40%になるように計量し、金型に投入し、金型を
熱プレスにて150℃、20分間加熱処理することによ
り硬化形成される。ただし、成形条件(成形方法、温度
及び時間)についてはこれに限るものではない。
【0024】舗装材10は、路盤13との接触面側に所
定半径(例えば、舗装材の厚みが30mm程度の場合に
は、10mm程度)の断面半円形の排水溝11が設けら
れている。排水溝11は、図2に示すように、車両の両
輪によって同時に踏まれない角度で傾斜させることが望
ましく、車両の道路センターC側の車輪が道路路肩K側
の車輪より先に排水溝11を通過するような角度に設け
られている。この舗装材10は、地面14に設けたコン
クリートあるいはアスファルトの路盤13にエポキシ系
あるいはウレタン系等の接着剤12を用いて接着するこ
とにより敷設され、排水性弾性舗装構造が形成される。
【0025】舗装材10に含まれる珪砂が所定の3条件
を満たしていることで、舗装材の濡れた状態でのすべり
摩擦係数を0.4以上の高い値、かつ濡れた状態と乾い
た状態でのすべり摩擦係数の差を0.8以下にできると
共にすべり摩擦係数の変曲点を高速度側にシフトさせる
ことができる。そのため、舗装材の騒音吸収性及び排水
性を確保しつつ、降水時等の濡れた路面上での車両の制
動を、乾燥した路面での車両の制動に近づける事がで
き、スリップ防止効果が高められて降雨時等の運転安定
性を確保できる。また、バインダーとして、減衰係数t
anδの温度依存性曲線での極大値の少なくとも1つが
10℃以上に存在するバインダーを用いていることによ
り、路面が濡れた状態でのすべり摩擦係数をさらに高く
することができると共に、その変曲点をさらに高速度側
にシフトさせることができる。
【0026】また、舗装材10に上記排水溝11を設け
ることにより、舗装材10にしみ込んだ水の排水を行う
ことができ、降雨時等に、自動車の走行による舗装材1
0の表面への水の浮き出しを抑制でき、舗装材10の強
度の確保と共に自動車の制動時のすべり摩擦係数の低下
を抑制できる。特に、排水溝11を、自動車の両輪によ
って同時に踏まれない角度で傾斜させ、かつ車両の道路
センターC側の車輪が道路路肩K側の車輪より先に排水
溝11を通過するように配置することにより、両側車輪
に排水溝11への押圧に時間差が生じるため、左右両輪
により排水溝11内の水を路肩K側に効率よく排水する
ことができる。
【0027】なお、上記実施形態において、舗装材10
は、(1)3条件を満たした珪砂を含み、(2)バイン
ダーについてその減衰係数tanδの温度依存性曲線で
の極大値の少なくとも1つが10℃以上に存在するもの
であり、(3)排水溝を設けているが、これらのうち、
(1)及び(2)を満たすのみでもよい。それによって
も、実施形態と同様に、舗装材の濡れた状態でのすべり
摩擦係数を0.4以上の高い値、かつ濡れた状態と乾い
た状態でのすべり摩擦係数の差を0.8以下にできると
共にすべり摩擦係数の変曲点を高速度側にシフトさせる
効果を得ることができる。また、他の実施形態として、
第3成分を含まず、ゴムチップ等の弾性骨材とバインダ
ーのみを混合成形した舗装材であり、バインダーが条件
(2)を満たすものであってもよい。これにより、路面
が濡れた状態でのすべり摩擦係数を高くすることができ
ると共に、その変曲点を高速度側にシフトさせることが
できる
【0028】つぎに、上記実施形態に係る具体的実施例
について説明する。(1)第3成分の上記3条件(硬
さ、平均粒径、全配合材料に対する配合量)、(2)バ
インダーとして減衰係数tanδの温度依存性曲線での
極大値の少なくとも1つが10℃以上に存在する、及び
(3)排水溝(以下、ドレーンと記す)を設ける、の3
つの要件を組み合わせた実施例1から実施例4の4種類
を用意した。また、この実施例1〜4に対し、7つの比
較例を用意した。これら実施例についての各要件の組み
合わせを下記表1に示し、比較例についての各要件の組
み合わせを下記表2に示す。なお、表1、表2において
矢印←は、左側の数値等と同じであることを示すもので
ある。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】上記表1に示すように、実施例1及び2に
ついては、珪砂等の第3成分は含まれておらず、バイン
ダーの減衰係数tanδの温度依存性曲線での極大値に
ついては上記要件(2)を満たしているが、ドレーンは
設けられていない。実施例3については、要件(1)及
び要件(2)を満たしているが、ドレーンは設けられて
いない。実施例4については、要件(1)〜要件(3)
を全て満たしている。
【0032】比較例1,7については、表2に示すよう
、第3成分が含まれておらず、バインダーの減衰係数
tanδの温度依存性曲線での極大値は−40℃と5℃
であり要件(2)を満たしておらず、またドレーンも設
けられていない。比較例2〜6については、要件(1)
についてそれぞれ1つが外れた値になっており、バイン
ダーの減衰係数tanδの温度依存性曲線での極大値は
−40℃となっており、またドレーンも設けられていな
い。
【0033】上記実施例及び比較例について、弾性舗装
材10の路盤13への接着強度を示す引張り強さ、路面
が濡れた状態でのすべり摩擦係数とその変曲点、路面が
乾いた状態でのすべり摩擦係数、乾いた状態と濡れた状
態でのすべり摩擦係数の差、及び加工性についての試験
が行われた。すべり摩擦係数の測定については、50c
m×50cm×30mm厚さの平板状試験片(成形後、
常温で3日以上放置したもの)を用い、DFテスター
(有限会社サニー工研製)を用い、水を試料表面に流し
ながら、80km/h以下の領域で測定するASTM
E1911−98に準拠して行った。また、引張り強さ
については、JIS K6251に準じて行われた。さ
らに、加工性については、材料の攪拌時における分散状
態により判断した。試験結果については、上記表1,表
に示した。
【0034】上記実施例4から明らかなように、要件
(1)、(2)、(3)が全て満たされていれば、路面
が濡れた状態でのすべり摩擦係数は0.55でその変曲
点も30km/hという非常に良好な結果が得られ、乾
いた状態と濡れた状態でのすべり摩擦係数の差は0.6
5であった。また、引張り強さも17kgf/cm
あり、さらに加工性も良好であった。なお、実施例4
比較例1について、速度(km/h)と濡れた状態での
すべり摩擦係数との関係を図4に示す。また、実施例3
に示すように、要件(1)、(2)が満たされているこ
とによっても、路面が濡れた状態でのすべり摩擦係数は
0.52でその変曲点も27km/h、乾いた状態と濡
れた状態でのすべり摩擦係数の差が0.65という非常
に良好な結果が得られており、引張り強さ及び加工性も
良好であった。
【0035】さらに、実施例1,2から明らかなよう
に、第3成分材料が含まれていなく、かつドレーンが設
けられていなくても、バインダーとして減衰係数tan
δの温度依存性曲線での極大値の少なくとも1つが10
℃以上に存在するという要件(2)を満たしていれば、
路面が濡れた状態でのすべり摩擦係数は0.43以上に
なり変曲点も24km/h以上であり、乾いた状態と濡
れた状態でのすべり摩擦係数の差についても0.75
0.78であった。また、引張り強さ及び加工性も良好
であった。
【0036】これに対して、比較例では、比較例3,4
及び6で、路面が濡れた状態でのすべり摩擦係数が0.
4以上の良好な値が得られてはいるが、しかし比較例
3,6では加工性が著しく劣り、また比較例4,6では
引張り強さが5kgf/cmと低く、いずれも実際に
舗装材として使用するには不適正なものであった。その
他の比較例では、すべり摩擦係数自体が0.4を大幅に
下回る不十分な結果であった。
【0037】以上の実施例及び比較例から、上記要件
(1)及び(2)または要件(1)〜(3)を満たすこ
とにより、舗装材の濡れた状態でのすべり摩擦係数が
0.4以上で、乾いた状態と濡れた状態でのすべり摩擦
係数の差が0.8以下であり、濡れた状態でのすべり摩
擦係数の変曲点をさらに高速度側にシフトさせることが
でき、引張り強さが10kgf/cm以上で、かつ加
工性の良好な舗装材が得られることが明らかになった。
一方、上記要件(1)、(2)、(3)のいずれも満た
していない場合には、舗装材の濡れた状態でのすべり摩
擦係数が0.4以上、引張り強さが10kgf/cm
以上、加工性の良好さ、のいずれかが欠けることによ
り、舗装材として供することができるものは得られない
という結果であった。
【0038】なお、本発明のその他の実施形態として、
図5に示すように、上記実施形態に示した弾性舗装材1
0が敷設された道路路盤13の舗装材10との接触面
に、排水溝15を設けたものである。この路盤13に設
けた排水溝15により、上記舗装材10に設けた排水溝
11と同様に、降雨等のウエット時において、舗装材1
0に吸収された水の排水を効率よく行うことができ、車
両の走行時に舗装材からの水の浮き出しを抑えることが
できる。そのため、舗装材10を設けた効果に加えて、
車両の制動時における路面のすべり摩擦係数の低下をさ
らに抑制できる。また、排水が円滑に行われることによ
り、弾性舗装材の強度及び路盤との接着強度の低下を抑
えることができる。なお、路盤13に排水溝15を設け
ることに加えて、舗装材10の強度に影響を与えない場
合には、舗装材10にも排水溝11を設けることがで
き、これにより排水性をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である自動車走行道路用弾
性舗装材を示す斜視図である。
【図2】自動車走行道路用弾性舗装材を敷設した弾性舗
装構造の自動車道路を示す平面図である。
【図3】自動車走行道路用弾性舗装構造を示す断面図で
ある。
【図4】実施例4と比較例1について、自動車の速度と
路面の濡れた状態でのすべり摩擦係数との関係を示すグ
ラフである。
【図5】その他の実施形態である自動車走行道路用弾性
舗装構造を示す断面図である。
【符号の説明】
10…自動車走行道路用弾性舗装材、11…排水溝、1
2…接着剤、13…路盤、14…地面、15…排水溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 楢崎 徹司 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム 工業株式会社内 (72)発明者 雫 文成 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−302604(JP,A) 特開 平9−300325(JP,A) 実開 平3−119005(JP,U)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性骨材とバインダーと第3成分材料と
    が混合・成形されてなり、道路の路盤に敷設されて弾性
    舗装を形成する舗装材であって、 前記第3成分材料が、硬さがJIS A基準で90以
    上、平均粒径が0.01〜2.5mm、及び配合量が前
    記弾性骨材とバインダーとを含む全配合量に対して5〜
    35重量%であるという3条件を満たしているものであ
    り、濡れた状態でのすべり摩擦係数が0.4以上で
    さらに、前記バインダーとして、減衰係数tanδの温
    度依存性曲線での極大値の少なくとも1つが10℃以上
    に存在するバインダーを用いたことを特徴とする自動車
    走行道路用弾性舗装材
  2. 【請求項2】 濡れた状態と乾いた状態でのすべり摩擦
    係数の差が0.8以下であることを特徴とする前記請求
    項1に記載の自動車走行道路用弾性舗装材
  3. 【請求項3】 弾性骨材とバインダーとが混合・成形さ
    れてなり、道路の路盤に敷設されて弾性舗装を形成する
    舗装材であって前記バインダーとして、減衰係数tanδの温度依存性
    曲線での極大値の少なくとも1つが10℃以上に存在す
    るバインダーを用いるものとし、濡れた状態でのすべり
    摩擦係数が0.4以上であることを特徴とする自動車走
    行道路用弾性舗装材
  4. 【請求項4】 濡れた状態と乾いた状態でのすべり摩擦
    係数の差が0.8以下であることを特徴とする前記請求
    項3に記載の自動車走行道路用弾性舗装材
  5. 【請求項5】 前記舗装材の前記路盤との接触面に排水
    溝を設けたことを特徴とする前記請求項1から請求項4
    のいずれか1項に記載の自動車走行道路用弾性舗装材
  6. 【請求項6】 前記請求項1から請求項5のいずれか1
    項に記載の自動車走行道路用弾性舗装材が敷設された道
    路路盤の該弾性舗装材との接触面に排水溝を設けたこと
    を特徴とする自動車走行道路用弾性舗装構造
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