JP2002294170A - 耐汚染性に優れた粉体塗料組成物およびこれを用いた塗膜形成方法 - Google Patents

耐汚染性に優れた粉体塗料組成物およびこれを用いた塗膜形成方法

Info

Publication number
JP2002294170A
JP2002294170A JP2001103378A JP2001103378A JP2002294170A JP 2002294170 A JP2002294170 A JP 2002294170A JP 2001103378 A JP2001103378 A JP 2001103378A JP 2001103378 A JP2001103378 A JP 2001103378A JP 2002294170 A JP2002294170 A JP 2002294170A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder coating
coating composition
stain resistance
curing agent
silicate compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001103378A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4901013B2 (ja
Inventor
Naoki Furuyama
直樹 古山
Rie Tomita
理会 冨田
Satoru Urano
哲 浦野
Noburo Iga
信郎 井賀
Tasaburo Ueno
太三郎 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP2001103378A priority Critical patent/JP4901013B2/ja
Publication of JP2002294170A publication Critical patent/JP2002294170A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4901013B2 publication Critical patent/JP4901013B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】水酸基が系内に多く存在する硬化系であって
も、耐汚染性を有する塗膜が得られる粉体塗料を提供す
る。 【解決方法】エチルシリケート化合物、バインダー樹脂
および硬化剤を含有する粉体塗料組成物において、上記
バインダー樹脂と硬化剤とからなる硬化系に水酸基が関
与するものであり、上記エチルシリケート化合物のアセ
トンに対する水トレランス値が2ml以下である耐汚染
性に優れた粉体塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粉体塗料組成物、特
に耐汚染性に優れた粉体塗料組成物およびこれを用いた
塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶剤系塗料にシリケート化合物を添加す
ることで、得られる塗膜に耐汚染性が付与できることは
よく知られている。これはシリケート化合物が表面に移
行した後、加水分解することにより、表面の親水性を高
めていることによるものと考えられる。一方、粉体塗料
ではその造膜過程が溶剤系塗料とは異なるため、期待し
たような耐汚染性を有する塗膜を得ることができなかっ
た。特に塗料中に多量の水酸基が存在する場合には、シ
リケート化合物がこの水酸基と反応してしまうことによ
り、表面へ移行することができなくなっているものと考
えられる。
【0003】特開2001−3006号公報では、シリ
ケート化合物を含有する粉体塗料に、特定の沸点、融点
およびSP値を有する化合物を添加することで、気泡の
ない塗膜が形成できることが開示されているが、上記の
問題を解決するものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水酸
基が系内に多く存在する硬化系であっても、耐汚染性を
有する塗膜が得られる粉体塗料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の耐汚染性に優れ
た粉体塗料組成物は、エチルシリケート化合物、バイン
ダー樹脂および硬化剤を含有する粉体塗料組成物におい
て、上記バインダー樹脂と硬化剤とからなる硬化系に水
酸基が関与するものであり、上記エチルシリケート化合
物のアセトンに対する水トレランス値が2ml以下であ
る。ここで上記エチルシリケート化合物の含有量が樹脂
固形分に対して、0.2〜10重量%とすることができ
る。また、上記バインダー樹脂と硬化剤との組み合わせ
が、水酸基含有アクリル樹脂とブロックイソシアネート
硬化剤、水酸基含有ポリエステル樹脂とブロックイソシ
アネート硬化剤、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂
とβ−ヒドロキシアルキルアミド硬化剤の中から選ぶこ
とができる。さらに、上記エチルシリケート化合物は縮
合度5〜10のテトラエチルシリケートの縮合体であっ
てよく、エトキシ基の一部は2−ブトキシエトキシ基ま
たはベンジル基で置換されていてもよい。本発明の耐汚
染性に優れた粉体塗料の製造方法は、硬化反応に水酸基
を用いる粉体塗料に、アセトンに対する水トレランス値
が2ml以下であるシリケート化合物を樹脂固形分に対
して0.2〜10重量%添加することを特徴としてい
る。
【0006】本発明の耐汚染性に優れた粉体塗料組成物
は、顔料を実質的に含有しないものである。本発明の耐
汚染性に優れたエナメルタイプの粉体塗料組成物の製造
方法は、先の顔料を実質的に含有しない粉体塗料組成物
とエナメルタイプの粉体塗料組成物とを混合するもので
ある。本発明の耐汚染性に優れたエナメルタイプの粉体
塗料組成物はこの方法で製造されたものである。本発明
の耐汚染性に優れた塗膜の形成方法は、基材に先の粉体
塗料組成物を塗布して焼き付けるものである。本発明の
耐汚染性に優れた複層塗膜の形成方法は、エナメルタイ
プの粉体塗料組成物を用いて着色塗膜を形成した後に、
先の顔料を実質的に含有しない粉体塗料組成物を用いて
クリア塗膜を形成するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の粉体塗料組成物は、主成
分としてエチルシリケート化合物、バインダー樹脂およ
び硬化剤を含有している。ここで上記バインダー樹脂と
硬化剤とからなる硬化系に水酸基が関与しているもので
ある。水酸基が硬化に関与する場合、系中に存在する水
酸基の量はそれ以外の場合に比べて多い。よって、一般
的なシリケート化合物を用いた場合には、シリケート化
合物のアルコキシル基が水酸基と反応するため、その機
能を充分に発現することができない。本発明の粉体塗料
組成物に含有されるシリケート化合物は、このような水
酸基との副反応を回避するため、水酸基を多く含む成分
との相溶性および反応性を制御しているところに特徴が
ある。
【0008】通常、相溶性はSP値の差で規定されるこ
とが多い。このSP値は、試料をアセトンなどに溶解し
たところに、水とヘキサンとを別々に加えていき、それ
ぞれ白濁した時点での量から計算されるものである。し
かし、シリケート化合物はヘキサンに完全溶解するた
め、SP値を求めることができない。しかし、水酸基を
多く含む粉体塗料においては、SP値ではなく、シリケ
ート化合物の水添加によるトレランス値を規定すること
で上記相溶性を制御できることを見いだした。
【0009】すなわち、本発明の粉体塗料組成物に含有
されるエチルシリケート化合物は、アセトンに対する水
トレランス値が2ml以下であることを特徴とする。水
トレランス値が2mlを超えると、水酸基を多く含む成
分との相溶性が増加して副反応が生じ、目的とする機能
が発揮できない。なお、本明細書におけるアセトンに対
する水トレランス値は、100mlのビーカーを容器と
して用いて、シリケート化合物1gを入れ、10mlの
アセトンを加えて溶解させた後に、水を徐々に滴下して
いき、ビーカーの底面に敷いた5号活字が、ビーカー上
部から透視して判読できなくなった時点までの水の合計
滴下量とする。
【0010】上記水トレランス値は、シリケート化合物
の縮合度およびアルコキシ基の種類に影響されることが
予想されるが、特に縮合度の影響が大きく、上記溶解性
を満たすには、縮合度が5〜20であればよい。なお、
この縮合度は平均値であっても構わない。
【0011】一方、反応性については、シリケート化合
物のアルコキシ基の種類が影響するところが大きいと考
えられる。メトキシ基が最も反応性が高いこと、およ
び、一般的にアルコキシ基の炭素数が増えていくことに
よって反応性が低下していくことが知られている。本発
明の粉体塗料組成物に含有されるシリケート化合物は、
テトラメトキシシランの縮合体であるメチルシリケート
化合物ではなく、テトラエトキシシランの縮合体である
エチルシリケート化合物である。なお、本明細書におい
て、エチルシリケート化合物とは、テトラエトキシシラ
ンを縮合して得られた化合物(以下、エチルシリケート
という)およびこの縮合して得られた化合物の半数以下
のエトキシ基が炭素数3〜8のアルコールで置換された
ものを含むものとする。
【0012】本発明の粉体塗料組成物に含有されるエチ
ルシリケート化合物が、炭素数3〜8のアルコールで置
換されたアルコキシ基を有する場合の具体的なアルコキ
シ基としては、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ベンジ
ルオキシ、2−ブトキシエトキシ、3−メトキシプロピ
ルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、オクチルオキシ
などを挙げることができる。これらの中で、反応性制御
が容易であることから、ベンジルオキシおよび2−ブト
キシエトキシが好ましく、2−ブトキシエトキシが特に
好ましい。上記アルコールで置換されたアルコキシ基の
個数が増加すると、シリケート化合物の反応性はさらに
低下する。
【0013】一方、アルコールで置換されたアルコキシ
基の個数の増加につれ、相溶性が増加する傾向がある。
上記反応性および相溶性の調節は、上記アルコールで置
換されたアルコキシ基の種類および数を選択することに
より行うことができる。
【0014】上記エチルシリケート化合物は種々の方法
で得ることができるが、上記要件を満たすものとして、
平均縮合度が10である商品名「エチルシリケート4
8」がコルコート社から市販されており、アルコール置
換を行う場合にはこれを利用することが好ましい。
【0015】上記エチルシリケートのエトキシ基の炭素
数3〜8のアルコールによる置換反応を行う場合、エチ
ルシリケート1モルに対して、炭素数3〜8のアルコー
ルが少なくとも1モル以上であればよい。さらに、炭素
数3〜8のアルコールの量を目的とする置換の量に合わ
せて、適宜増量することができる。
【0016】上記炭素数3〜8のアルコールとしては、
プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、2−
ブトキシエタノール、3−メトキシ−1−プロパノー
ル、2−エチルヘキサノール、オクタノールなどを用い
ることができる。
【0017】また、炭素数3〜8のアルコールをエチル
シリケートに対して過剰量用いることで、溶剤は特に使
用しなくてもよい。溶剤を用いる場合には、溶剤の種類
および量は特に限定されるものではないが、エチルシリ
ケートと炭素数3〜8のアルコールとの合計重量に対し
て10倍以下であることが好ましい。
【0018】溶剤の具体例としては、例えば、トルエ
ン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジクロ
ロエタンなどのハロゲン化炭化水素、THFおよびジオ
キサンなどのエーテル類、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチルおよび酢
酸ブチルなどのエステル類、ジメチルカーボメート、ア
セトニトリルなどが挙げられる。
【0019】上記反応においては触媒として、必要に応
じて酸または塩基を用いることができる。酸としては、
塩酸、硫酸、リン酸、スルホン酸などのブレンステッド
酸や有機スズ化合物などのルイス酸が挙げられる。また
塩基としては、トリエチルアミン、ジメチルベンジルア
ミン、ジアザビシクロ [2.2.2] オクタン、1,8
−ジアザビシクロ [5.4.0] ウンデンセン−7など
の3級アミンなどを使用することができる。
【0020】上記反応は、例えば、以下のようにして行
うことができる。所定量のエチルシリケートと炭素数3
〜8のアルコール、ならびに必要に応じて、溶剤および
触媒を混合する。これを、180℃まで加熱し、置換反
応を進行させる。反応を進行させるため、例えば、反応
系を減圧にすることにより、生成したエタノールを系外
に留去することが好ましい。反応の終点は、生成したエ
タノールの量の測定、 1H−NMRスペクトルまたはガ
スクロマトグラフィー分析により、上記アルコキシ基へ
の置換率を求め、これに基づいて決定することができ
る。反応時間は限定されないが、24時間以内であるこ
とが好ましい。反応終了後、必要に応じて分離・精製を
行って目的とするシリケート化合物を得ることができ
る。このようにして得られるシリケート化合物は、一般
に無色〜薄黄色の油状物質である。
【0021】本発明の粉体塗料組成物における、バイン
ダー樹脂および硬化剤のいずれかはメインの反応性基と
して水酸基を有している。このようなバインダー樹脂の
具体的なものとしては、水酸基含有アクリル樹脂または
ポリエステル樹脂が挙げられ、硬化剤ではβ−ヒドロキ
シアルキルアミド硬化剤を挙げることができる。一方、
バインダー樹脂と硬化剤との組み合わせの具体例として
は、水酸基含有アクリル樹脂とブロックイソシアネート
硬化剤またはメラミン硬化剤との組み合わせ、水酸基含
有ポリエステル樹脂とブロックイソシアネート硬化剤ま
たはメラミン硬化剤との組み合わせ、カルボキシル基含
有アクリル樹脂またはカルボキシル基含有ポリエステル
樹脂とβ−ヒドロキシアルキルアミド硬化剤との組み合
わせを挙げることができる。これらの中で、実際の粉体
塗料として汎用性が高いものは、水酸基含有アクリル樹
脂とブロックイソシアネート硬化剤、水酸基含有ポリエ
ステル樹脂とブロックイソシアネート硬化剤、カルボキ
シル基含有ポリエステル樹脂とβ−ヒドロキシアルキル
アミド化合物の組み合わせであり、さらに好ましいもの
は、水酸基含有ポリエステル樹脂とブロックイソシアネ
ート硬化剤、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂とβ
−ヒドロキシアルキルアミド硬化剤の組み合わせであ
る。これらをさらに複数組み合わせて使用することも可
能である。
【0022】水酸基含有アクリル樹脂とブロックイソシ
アネート硬化剤との組み合わせにおいて、エチルシリケ
ート化合物が上記「エチルシリケート48」を基にし
た、アルコールで置換されたアルコキシ基を有するもの
である場合には、好ましいエチルシリケート化合物とし
ては、3〜15個の2−ブトキシエトキシ基で置換され
たものおよび1〜3個のベンジル基で置換されたもので
あり、3〜12個の2−ブトキシエトキシ基で置換され
たものが特に好ましい。
【0023】上記バインダー樹脂はいずれも室温で固体
状態であり、そのガラス転移温度が40〜80℃である
ことが好ましく、50〜70℃であることがさらに好ま
しい。40℃未満ではブロッキング性が低下し、80℃
を超えると得られる塗膜の平滑性が低下する恐れがあ
る。上記バインダー樹脂が水酸基含有アクリル樹脂であ
る場合、その水酸基価が5〜200であることが好まし
く、10〜100がさらに好ましい。また、数平均分子
量は1000〜20000であることが好ましく、20
00〜10000であることがさらに好ましい。水酸基
価が5未満だと硬化性が不十分であり、200を超える
と得られる塗膜がもろくなる恐れがある。また、数平均
分子量が1000未満だと得られる塗膜の物性が低下す
る恐れがあり、20000を超えると塗膜の平滑性が低
下する。
【0024】上記バインダー樹脂がカルボキシル基含有
アクリル樹脂である場合、酸価が5〜100であること
が好ましく、10〜50であることがさらに好ましい。
また、数平均分子量が1000〜20000であること
が好ましく、2000〜10000であることがさらに
好ましい。酸価が5未満だと硬化性が不十分であり、1
00を超えると得られる塗膜がもろくなる恐れがある。
【0025】一方、上記バインダー樹脂が水酸基含有ポ
リエステル樹脂である場合、その水酸基価が5〜200
であることが好ましく、10〜100がさらに好まし
く、20〜40が特に好ましい。また、重量平均分子量
は5000〜200000であることが好ましく、70
00〜20000がさらに好ましい。
【0026】上記バインダー樹脂がカルボキシル基含有
ポリエステル樹脂である場合、酸価が5〜200である
ことが好ましく、10〜100がさらに好ましく、20
〜40が特に好ましい。また、重量平均分子量は500
0〜200000であることが好ましく、7000〜2
0000がさらに好ましい。なお、これらのポリエステ
ル樹脂の特数値が上記範囲を外れた場合の不具合点は、
先のアクリルの場合と同様である。
【0027】上記アクリル樹脂は、一般的によく知られ
たアクリルモノマーを、上記官能基当量およびガラス転
移点となるようにモノマー配合を計算して決定し、さら
に上記分子量となるように、重合開始剤の種類および
量、ならびに重合条件を調節することにより得ることが
できる。
【0028】また、上記ポリエステル樹脂は、多価カル
ボン酸を主とした酸成分と、多価アルコールを主とした
アルコール成分とを原料として通常の方法により縮重合
することにより得ることができる。それぞれの成分の配
合や縮重合の条件を選択することにより、上記の物性値
および特数値を有するポリエステル樹脂を得ることがで
きる。なお、上記酸成分にイソフタル酸が50重量%以
上、好ましくは80重量%以上含まれることで、耐候性
が高いポリエステル樹脂を得ることができる。
【0029】また、上記水酸基含有ポリエステル樹脂と
しては、粉体塗料用として市販されているものをそのま
ま使用してもよく、例えば、日本ユピカ社から市販され
ている商品名「GV−545」、大日本インキ化学工業
社から市販されている商品名「ファインディックM−8
020」やカルボキシル基含有ポリエステル樹脂とし
て、ダイセルユーシービー社から市販されている商品名
「クリルコート7630」、「クリルコート7642」
などを使用することができる。これらの中で、「GV−
545」および「クリルコート7642」が、酸成分中
のイソフタル酸の含有率が高く、耐候性に優れているた
め好ましい。
【0030】一方、上記硬化剤として、ブロックイソシ
アネート硬化剤およびメラミン硬化剤については公知の
粉体塗料用のものが使用できる。ここで上記ブロックイ
ソシアネート硬化剤には、2つのイソシアネート基を反
応させて得られるウレトジオン化合物も含まれる。
【0031】上記ブロックイソシアネート硬化剤として
は、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、ジメチルシクロヘキサンイソシアネ
ートなどの芳香族、脂環式を含む脂肪族のイソシアネー
トおよびこれらをプレポリマー化したもののイソシアネ
ート基をラクタム化合物またはオキシム化合物でブロッ
クしたものを用いることが好ましい。このようなものと
して、ε−カプロラクタムをブロック剤として用いたイ
ソホロンジイソシアネート系のベスタゴンB1530
(クレアノバ社製)を挙げることができる。また、上記
ウレトジオン化合物としては、イソホロンジイソシアネ
ート系のベスタゴンBF1540(クレアノバ社製)を
挙げることができる。
【0032】一方、β−ヒドロキシアルキルアミド硬化
剤は、カルボン酸および/またはカルボン酸エステルと
β−ヒドロキシアルキルアミンとを、ナトリウムやカリ
ウム等のアルコキシドの触媒存在下で反応させることに
より得られるものである。上記カルボン酸やカルボン酸
エステルとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、グ
ルタル酸、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、アジ
ピン酸ジメチルなどが挙げられる。また、β−ヒドロキ
シアルキルアミンとしては、例えば、N−メチルエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルプロパノ
ールアミンなどが挙げられる。上記β−ヒドロキシアル
キルアミド化合物として好ましい構造は、(HO(R)
CHCH22NCO(CH2nCON(CH2CH
(R)OH)2であり、ここで、Rは水素原子またはメ
チル基であり、nが4〜8である。なお、上記β−ヒド
ロキシアルキルアミド化合物は、EMS−PRIMD社
から「プリミド」シリーズとして市販されており、これ
を用いることができる。
【0033】本発明の粉体塗料組成物において、エチル
シリケート化合物は、バインダー樹脂と硬化剤とを合計
した樹脂固形分に対して、0.2〜10重量%であるこ
とが好ましい。0.2重量%未満だと、耐汚染性に優れ
た塗膜を得ることができず、10重量%を超えても、そ
れに見合う効果が認められず、さらに貯蔵安定性や得ら
れる塗膜の物性に悪影響を及ぼす恐れがある。さらに好
ましい範囲は、1〜5重量%である。
【0034】また、バインダー樹脂と硬化剤とは、水酸
基当量とこれと反応する官能基の当量とが0.5〜2.
0の比率になるように配合されることが好ましい。これ
らの範囲外では、硬化が充分に進行せず、塗膜物性に劣
る場合がある。より好ましい比率は、0.7〜1.5で
ある。
【0035】本発明の粉体塗料組成物は、必要に応じて
表面調整剤、硬化触媒、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、ワキ防止剤、帯電制御剤等の各種添加剤を含んで
いても良い。
【0036】本発明の粉体塗料組成物は、顔料を実質的
に含有しない、いわゆるクリアタイプでもよく、あるい
は顔料を含有した、いわゆるエナメルタイプであっても
よい。ここで顔料を実質的に含有しないとは、透明性を
維持したまま着色できるような顔料を含有する場合を含
めるものとする。顔料を含有する場合、上記バインダー
樹脂と硬化剤との合計量100重量部に対して、顔料が
30〜100重量部含まれていることが好ましい。上記
顔料としては、特に限定されず、具体的には、二酸化チ
タン、ベンガラ、黄色酸化鉄、カーボンブラック、フタ
ロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリ
ドン系顔料、アゾ系顔料などの着色顔料、各色のメタリ
ック顔料、各色のパール顔料、金属粉末およびそれに表
面処理を施したもの、タルク、シリカ、炭酸カルシウ
ム、沈降性硫酸バリウム等の体質顔料などを挙げること
ができる。また、光沢を低下させる場合には、タルク、
シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、長石、ワラス
トナイト等の無機系艶消し剤や、有機微粒子からなる有
機系の艶消し剤を含むことができる。上記艶消し剤の体
積平均粒径は、3〜30μmであることが好ましい。な
お、顔料およびシリケート化合物の種類によっては、顔
料表面にシリケート化合物が吸着して、充分に機能が発
現しない場合がある。この場合には、後述するような、
顔料を含まずシリケート成分を含む粒子と顔料を含みシ
リケート成分を含まない粒子を混合する方法、または2
コート方式を採用することが好ましい。
【0037】本発明の粉体塗料組成物の製造は、粉体塗
料分野において周知の製造方法を用いて行うことができ
る。例えば、上記バインダー樹脂、硬化剤、および、上
記エチルシリケート化合物を必須として、上記各種添加
剤や顔料を準備した後、スーパーミキサーやヘンシェル
ミキサーなどを使用してこれらを予備的に混合し、さら
にニーダーやエクストルーダーなどの混練機を用いて原
料を溶融混練する。この時の加熱温度は、少なくとも原
料の一部が溶融し、全体を混練することができる温度〜
後述する焼付けするの硬化温度の間に設定され、一般に
60〜150℃、好ましくは80〜130℃の範囲内で
溶融混練される。次にこのようにして得られた溶融物は
冷却ロールや冷却コンベヤー等で冷却して固化され、粗
粉砕および微粉砕の工程を経て所望の粒径に粉砕され
る。
【0038】このようにして得られる本発明の粉体塗料
組成物の体積平均粒子径は、巨大粒子や微小粒子を除去
して粒度分布を調整するために分級を行い、5〜50μ
mに設定することが好ましい。薄膜塗装の塗装に用いる
場合には5〜40μm、特に薄膜で平滑な塗膜を得よう
とする場合には、5〜30μmに設定することがより好
ましい。
【0039】本発明の耐汚染性に優れたエナメルタイプ
の粉体塗料組成物の製造方法は、顔料を実質的に含有し
ない先の粉体塗料組成物とエナメルタイプの粉体塗料組
成物を混合するものである。この方法によれば、粉体塗
料粒子中でシリケート化合物と顔料とが接触することが
ないため、顔料表面にシリケート化合物が吸着する問題
点を有している場合に有効である。
【0040】上記エナメルタイプの粉体塗料組成物は、
シリケート化合物を含有していなければ特に限定されな
いが、バインダー樹脂および硬化剤は、上記顔料を実質
的に含有しない粉体塗料組成物中のバインダー樹脂およ
び硬化剤と同じ種類および同じ量比であることが好まし
い。なお、上記エナメルタイプの粉体塗料における顔料
の含有量は、例えば、樹脂固形分に対して30〜100
重量%である。
【0041】上記顔料を実質的に含有しない粉体塗料組
成物とエナメルタイプの粉体塗料組成物との量比は、耐
汚染性の機能が発現し、エナメル塗料としての隠蔽が可
能な限り、任意に設定できる。また、これらの粉体塗料
組成物の体積平均粒子径をほぼ同じにしておくことが、
この製造方法で得られる粉体塗料組成物の塗着性から好
ましい。さらに、この製造方法により得られるエナメル
粉体塗料組成物の色ムラを防止する観点から、エナメル
タイプの粉体塗料組成物および顔料を実質的に含有しな
い粉体塗料組成物の体積平均粒子径は、10〜25μm
の範囲でほぼ同じことが好ましい。この他、上記色ムラ
は、エナメルタイプの粉体塗料組成物の体積平均粒子径
よりも顔料を実質的に含有しない粉体塗料組成物の体積
平均粒子径を小さくすることによっても防止することが
できる。このようにして得られる耐汚染性に優れたエナ
メルタイプの粉体塗料組成物の体積平均粒子径は、先に
述べた範囲であることが好ましい。この耐汚染性に優れ
たエナメルタイプの粉体塗料組成物も本発明の粉体塗料
組成物の1つである。
【0042】本発明の粉体塗料組成物は、さらに流動性
付与剤を含んでいてもよい。これらは、上述のようにし
て得られた粉体塗料に後で添加することで粉体塗料組成
物の1成分とすることができる。上記流動性付与剤は、
粉体塗料自体に流動性を与えるだけでなく、耐ブロッキ
ング性も向上させることができる。上記流動性付与剤と
しては、疎水性シリカ、親水性シリカや酸化アルミニウ
ム、酸化チタン等が適用できる。このような、流動性付
与剤の市販品として、例えば、AEROSIL130、
AEROSIL 200、AEROSIL 300、A
EROSILR−972、AEROSIL R−81
2、AEROSIL R−812S、二酸化チタンT−
805、二酸化チタンP−25、Alminium O
xide C(日本アエロジル社製)、カープレックス
FPS−1(塩野義製薬社製)などを例示することがで
きる。上記流動性付与剤の添加量は、付与される効果と
塗膜の平滑性の観点から、粉砕後の粉体塗料100重量
部に対して、0.05〜2重量部が好ましく、0.1〜
1重量部がより好ましい。0.05重量部未満であると
効果が小さくなり、2重量部を越えると塗膜の平滑性が
低下や艶引けが発生する恐れがある。
【0043】本発明の耐汚染性に優れた塗膜の形成方法
は、先の粉体塗料組成物を基材に対して塗布した後、焼
き付けることにより耐汚染性に優れた塗膜を得るもので
ある。上記基材としては、塗布後の焼き付けにより変形
などの不具合が生じないものであれば特に限定されず、
具体的には、鉄板、鋼板、アルミニウム板等およびそれ
らを表面処理したもの等を挙げることができる。本発明
の粉体塗料組成物から得られる塗膜が耐汚染性に優れて
いることから、上記基材は屋外に設置される自動販売
機、配電盤、建築外装材などに適用されるものが好まし
い。なお、上記基材には、プライマーなどの下塗り塗料
から得られる下塗り塗膜が形成されていてもよい。本発
明の塗膜の形成方法は、耐汚染性に優れた塗膜を得るこ
とを目的とするため、最上層に位置する塗膜を形成する
のに用いられる。
【0044】上記塗布する方法としては、特に限定され
ず、静電塗装法や流動浸漬法等の当業者によってよく知
られた方法を用いることができるが、塗着効率の点から
静電塗装法が好ましい。上記静電塗装法における帯電方
法としては、コロナ帯電方式や摩擦帯電方式を挙げるこ
とができる。これらの方法は組み合わせて用いることも
可能である。塗装膜厚は特に限定されないが、例えば2
0〜200μmとすることができる。塗布後、含有され
ているバインダー樹脂および硬化剤の種類に基づき、1
40〜220℃で5〜40分焼き付けを行い、耐汚染性
に優れた塗膜を得ることができる。
【0045】一方、本発明の耐汚染性に優れた複層塗膜
の形成方法は、エナメルタイプの粉体塗料組成物を用い
て着色塗膜を形成した後に、先の顔料を実質的に含有し
ない粉体塗料組成物を用いてクリア塗膜を形成するもの
である。これは、先に述べた顔料表面にシリケート化合
物の吸着が起こる場合に有効である。
【0046】本発明の複層塗膜の形成方法に用いられる
エナメルタイプの粉体塗料組成物としては、先の顔料を
実質的に含有しない粉体塗料組成物に影響されず、種々
のバインダー樹脂および硬化剤を使用することができ
る。上記エナメルタイプの粉体塗料組成物は、基材表面
を着色して隠蔽することができる程度の塗装膜厚で塗布
され、その上に上記顔料を実質的に含有しない粉体塗料
組成物を平滑性が得られる塗装膜厚で塗布する。それぞ
れの塗装膜厚は、粉体塗料粒子の体積平均粒子径に依存
する場合があるが、通常ともに20〜200μmである
ことが好ましい。
【0047】それぞれの粉体塗料の塗布には上記の公知
の方法が利用でき、焼き付けは別々に行っても同時に行
っても構わない。焼き付けを同時に行う場合には、それ
ぞれの粉体塗料組成物のバインダー樹脂と硬化剤とが同
じ種類および量比であることが好ましい。異なる場合に
は、着色塗膜とクリア塗膜との間でハジキが起こる恐れ
がある。このようにして、耐汚染性に優れた複層塗膜が
得られる。
【0048】
【実施例】製造例1 アルコールで置換されたエチルシ
リケート化合物の製造その1 エチルシリケート48(コルコート社製のテトラエトキ
シシランの平均縮合度が10の縮合体)713gに2−
ブトキシエタノール186gおよびトリエチルアミン
5.06gを加え、90℃で1時間、120℃で2時
間、生成したエタノールを除去しながら加熱撹拌した。
放冷後、残存する2−ブトキシエタノールを減圧下で除
去し、2−ブトキシエタノールで置換されたエチルシリ
ケート化合物785gを得た。なお、1H−NMRから
求めた、このエチルシリケート化合物の2−ブトキシエ
トキシ基の個数は3個であった。
【0049】また、100mlのビーカー中で、得られ
たエチルシリケート化合物1gをアセトン10mlに溶
かし、ここに水を1.07ml加えた時点でビーカー底
面に敷いた5号活字が白濁して判読できなくなったた
め、水トレランス値を1.07mlと決定した。
【0050】製造例2 アルコールで置換されたエチル
シリケート化合物の製造その2 エチルシリケート48 504gに2−ブトキシエタノ
ール396gおよびトリエチルアミン5.06gを加
え、90℃で1時間、120℃で2時間、さらに140
℃で2時間、生成したエタノールを除去しながら加熱撹
拌した。放冷後、残存する2−ブトキシエタノールを減
圧下で除去し、2−ブトキシエタノールで置換されたエ
チルシリケート化合物696gを得た。なお、1H−N
MRから求めた、このエチルシリケート化合物の2−ブ
トキシエトキシ基の個数は9個であった。また、製造例
1と同様にして、水トレランス値を求めたところ、0.
95mlであった。
【0051】製造例3 アルコールで置換されたエチル
シリケート化合物の製造その3 エチルシリケート48 432gにベンジルアルコール
69gおよびトリエチルアミン1.02gを加え、90
℃で1時間、120℃で2時間、さらに140℃で2時
間、生成したエタノールを除去しながら加熱撹拌した。
放冷後、残存するベンジルアルコールを減圧下で除去
し、ベンジルアルコールで置換されたエチルシリケート
化合物434gを得た。なお、1H−NMRから求め
た、このエチルシリケート化合物のベンジルオキシ基の
個数は2個であった。また、製造例1と同様にして、水
トレランス値を求めたところ、0.97mlであった。
【0052】製造例4 アルコールで置換されたエチル
シリケート化合物の製造その4 エチルシリケート40(コルコート社製のテトラエトキ
シシランの平均縮合度が5の縮合体)595gに2−ブ
トキシエタノール283gおよびトリエチルアミン6.
5gを加え、90℃で1時間、120℃で2時間、さら
に140℃で3時間、生成したエタノールを除去しなが
ら加熱撹拌した。放冷後、残存する2−ブトキシエタノ
ールを減圧下で除去し、2−ブトキシエタノールで置換
されたエチルシリケート化合物662gを得た。なお、
1H−NMRから求めた、このエチルシリケート化合物
の2−ブトキシエトキシ基の個数は3個であった。ま
た、製造例1と同様にして、水トレランス値を求めたと
ころ、1.95mlであった。
【0053】実施例1 水酸基含有ポリエステル樹脂と
ブロックイソシアネート硬化剤とを含有する粉体塗料組
成物の製造その1 GV−545(日本ユピカ社製の水酸基含有ポリエステ
ル樹脂、水酸基価33、酸価2.5、数平均分子量50
00、重量平均分子量56100、ガラス転移点56
℃)600部、B1530(ヒュルス社製のブロックイ
ソシアネート硬化剤)100部、製造例1のアルコール
で置換されたエチルシリケート化合物10部、表面調整
剤としてのベンゾイン5部をヘンシェルミキサーで混合
した後、100〜110℃に加熱しながらニーダーで混
練し、冷却後、粉砕・分級して体積平均粒子径35μm
の粉体塗料組成物を得た。
【0054】実施例2〜4 水酸基含有ポリエステル樹
脂とブロックイソシアネート硬化剤とを含有する粉体塗
料組成物の製造その2〜4 実施例1において、製造例1のエチルシリケート化合物
に代えて、製造例2〜4のアルコールで置換されたエチ
ルシリケート化合物を表1に示す量を用いた以外は同様
にして、それぞれ体積平均粒子径35〜36μmの粉体
塗料組成物を得た。
【0055】比較例1 実施例1において、製造例1のエチルシリケート化合物
に代えて、エチルシリケート40(水トレランス値2.
68ml)を表1に示す量を用いた以外は同様にして、
体積平均粒子径34μmの粉体塗料組成物を得た。
【0056】実施例5 カルボキシル基含有ポリエステ
ル樹脂とβ−ヒドロキシアルキルアミド硬化剤とを含有
する粉体塗料組成物の製造 クリルコート7642(ダイセルユーシービー社のカル
ボキシル基含有ポリエステル樹脂、酸価35、重量平均
分子量7800、ガラス転移点63℃)600部、プリ
ミドXL552(EMS−PRIMD社製の1,1,
8,8−テトラ(2−ヒドロキシエチル)アジポアミ
ド)30部、製造例1のアルコールで置換されたエチル
シリケート化合物9部、表面調整剤としてのベンゾイン
5部をヘンシェルミキサーで混合した後、100〜11
0℃に加熱しながらニーダーで混練し、冷却後、粉砕・
分級して体積平均粒子径35μmの粉体塗料組成物を得
た。
【0057】実施例6〜8 カルボキシル基含有ポリエ
ステル樹脂とβ−ヒドロキシアルキルアミド硬化剤とを
含有する粉体塗料組成物の製造その2〜4 実施例5において、製造例1のエチルシリケート化合物
に代えて、製造例2〜4のアルコールで置換されたエチ
ルシリケート化合物を表1に示す量を用いた以外は同様
にして、それぞれ体積平均粒子径34〜36μmの粉体
塗料組成物を得た。
【0058】比較例2 実施例5において、製造例1のエチルシリケート化合物
に代えて、エチルシリケート40を表1に示す量を用い
た以外は同様にして、体積平均粒子径36μmの粉体塗
料組成物を得た。
【0059】<耐汚染性の評価>得られた粉体塗料組成
物をリン酸亜鉛処理鋼板に膜厚が約60μmになるよう
にコロナ帯電型塗装ガンにより静電塗装し、180℃×
20分の条件で焼き付けて塗膜を得た。得られた塗膜
は、湿度85%以上および温度50℃に保った環境下で
24時間置かれた後、協和界面科学社製CA−A型接触
角測定装置を用いて、表面の水接触角を測定した。60
度未満であれば、充分に表面が親水化されており、耐汚
染性に優れている。
【0060】
【表1】
【0061】本発明のシリケート化合物としての要件を
満たす実施例1〜8では、得られた塗膜の水接触角が全
て60度未満だったのに対し、水トレランス値が本発明
で規定した値から外れたシリケート化合物を用いた比較
例1および2では、シリケートの含有量を増やしても、
塗膜の水接触角は60度を上回っており、耐汚染性に優
れた塗膜を得ることができなかった。
【0062】実施例9 エナメルタイプの粉体塗料組成
物の製造 実施例6と同様にして、体積平均粒子径25μmのクリ
ア粉体塗料組成物を得た。また、この実施例6におい
て、エチルシリケート化合物を用いず、その代わりにC
R−90(石原産業社製の二酸化チタン)495部を加
えた以外は同様にして、体積平均粒子径25μmの白色
顔料を含有する粉体塗料組成物を得た。上記クリア粉体
塗料組成物200部と顔料を含有する粉体塗料組成物8
44部とをヘンシェルミキサーで混合して、エナメル粉
体塗料組成物を得た。このエナメル粉体塗料組成物の樹
脂固形分に対する、顔料含有量は63.5重量%であ
り、シリケート化合物の含有量は1.4重量%であっ
た。
【0063】比較例3 シリケート化合物を含有するエ
ナメル粉体塗料組成物の製造 実施例2において、原料成分としてCR−90 400
部を加えた以外は同様にして、体積平均粒子径25μm
のシリケート化合物を含有するエナメル粉体塗料組成物
を得た。
【0064】<ブロッキング性評価>実施例9および比
較例3で得られた粉体塗料組成物について、35℃×1
週間でのブロッキング性を目視でそれぞれ評価したとこ
ろ、比較例3の粉体塗料組成物では、ブロッキングが起
こっているのが確認された。実施例9の粉体塗料組成物
には特に異常は認められなかった。
【0065】<光沢および耐汚染性の評価>実施例9お
よび比較例3の製造してすぐの粉体塗料組成物を、それ
ぞれリン酸亜鉛処理鋼板に膜厚が約40μmになるよう
にコロナ帯電型塗装ガンにより静電塗装し、180℃×
20分の条件で焼き付けて塗膜を得た。この塗膜の光沢
を測定したところ、実施例9では94と高い値が得られ
たのに対し、比較例3では塗膜に平滑性がなく、30と
低い値であった。また、光沢測定後、先の方法を用いて
塗膜表面の水接触角を測定した。実施例9では53度と
60度未満の値を示し、充分に表面が親水化されてお
り、耐汚染性に優れていることが確認された。
【0066】実施例10 複層塗膜の形成方法 実施例4および実施例8において、エチルシリケート化
合物を用いず、その代わりにCR−90(石原産業社製
の二酸化チタン)400部を加えた以外は同様にして、
体積平均粒子径35μmのエナメル粉体塗料組成物4−
Eおよび8−Eをそれぞれ得た。次に、リン酸亜鉛処理
鋼板上に、まず上記エナメル粉体塗料を用いて着色塗膜
を形成し、さらに実施例4または実施例8のクリア粉体
塗料を用いてクリア塗膜を形成して複層塗膜を得た。表
2に、塗膜形成条件である、使用したエナメル粉体塗料
およびクリア粉体塗料の種類と着色塗膜およびクリア塗
膜の焼き付け方法とを示した。なお、塗装は、1回の塗
装膜厚が約60μmになるよう、コロナ帯電型塗装ガン
を用いて静電塗装して行われ、焼き付け条件は180℃
×20分であった。
【0067】<塗膜の評価>得られた複層塗膜につい
て、その光沢および表面の水接触角を測定した。結果を
表2に示す。また、実施例4および実施例8の製造時
に、CR−90 400部を加えて塗料化したものは、
35℃×1週間でのブロッキング性の目視評価におい
て、ともにブロッキングが起こっているのが確認され
た。これら2種のシリケート化合物と顔料を含有する粉
体塗料組成物4−SEおよび8−SEについて、その製
造直後に同様の条件で塗膜を得、光沢および水接触角を
測定した。これらの結果をそれぞれ比較例として、表2
に示す。
【0068】
【表2】
【0069】本発明の複層塗膜の形成方法により得られ
た塗膜は、外観および耐汚染性に優れたものであった。
これに対して、シリケート化合物と顔料を含有する粉体
塗料組成物は、ブロッキング性に劣るものであるととも
に、基材に対する着色と耐汚染性の付与とを行うことが
できなかった。
【0070】
【発明の効果】本発明の粉体塗料組成物は水酸基が系内
に多く存在する硬化系でも耐汚染性を有する塗膜を得る
ことができる。これは、特定の水トレランス値を有する
エチルシリケート化合物を用いているため、水酸基との
副反応が進行することなくシリケート化合物が表面に移
行して加水分解が進行し、親水化が充分に行われるため
であると考えられる。水酸基との副反応の防止は、水酸
基を多く含む成分との相溶性およびシリケート化合物そ
のものの反応性の制御によって行われるが、特に相溶性
に関しては、粉体塗料に用いられる水酸基含有成分のS
P値が種類により大きく異ならない性質を利用して、濁
度法という簡便な測定方法による規定が可能であること
を発見した。
【0071】また、シリケート化合物が顔料に吸着して
その機能を発現することができない場合には、本発明の
クリアタイプの粉体塗料組成物とエナメルタイプのもの
とを混合することや、エナメル塗膜の上にこのクリアタ
イプの粉体塗料組成物によるクリア塗膜を形成すること
により、それぞれ、この問題を解決することができる。
フロントページの続き (72)発明者 井賀 信郎 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 上野 太三郎 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 4J038 CG001 DA162 DD001 DG302 DL022 GA03 GA06 KA03 KA08 NA05 PA02 PB02 PB05 PB06 PB09 PC02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチルシリケート化合物、バインダー樹脂
    および硬化剤を含有する粉体塗料組成物において、前記
    バインダー樹脂と硬化剤とからなる硬化系に水酸基が関
    与するものであり、前記エチルシリケート化合物のアセ
    トンに対する水トレランス値が2ml以下である耐汚染
    性に優れた粉体塗料組成物。
  2. 【請求項2】前記エチルシリケート化合物の含有量が樹
    脂固形分に対して、0.2〜10重量%である請求項1
    記載の耐汚染性に優れた粉体塗料組成物。
  3. 【請求項3】前記バインダー樹脂と硬化剤との組み合わ
    せが、水酸基含有アクリル樹脂とブロックイソシアネー
    ト硬化剤、水酸基含有ポリエステル樹脂とブロックイソ
    シアネート硬化剤、カルボキシル基含有ポリエステル樹
    脂とβ−ヒドロキシアルキルアミド硬化剤の中から選ば
    れるものである請求項1または2記載の耐汚染性に優れ
    た粉体塗料組成物。
  4. 【請求項4】前記エチルシリケート化合物が縮合度5〜
    10のテトラエチルシリケートの縮合体であり、エトキ
    シ基の一部が2−ブトキシエトキシ基またはベンジル基
    で置換されている請求項1〜3いずれか1つに記載の耐
    汚染性に優れた粉体塗料組成物。
  5. 【請求項5】硬化反応に水酸基を用いる粉体塗料に、ア
    セトンに対する水トレランス値が2ml以下であるシリ
    ケート化合物を樹脂固形分に対して0.2〜10重量%
    添加することを特徴とする耐汚染性に優れた粉体塗料の
    製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の方法で製造された耐汚染性
    に優れた粉体塗料組成物
  7. 【請求項7】顔料を実質的に含有しない請求項1〜4、
    6いずれか1つに記載の耐汚染性に優れた粉体塗料組成
    物。
  8. 【請求項8】請求項7記載の粉体塗料組成物とエナメル
    タイプの粉体塗料組成物とを混合する耐汚染性に優れた
    エナメルタイプの粉体塗料組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項8記載の方法で製造された耐汚染性
    に優れたエナメルタイプの粉体塗料組成物。
  10. 【請求項10】基材に請求項1〜4、6、7、9いずれ
    か1つに記載の粉体塗料組成物を塗布して焼き付ける耐
    汚染性に優れた塗膜の形成方法。
  11. 【請求項11】エナメルタイプの粉体塗料組成物を用い
    て着色塗膜を形成した後に、請求項7記載の粉体塗料組
    成物を用いてクリア塗膜を形成する耐汚染性に優れた複
    層塗膜の形成方法。
JP2001103378A 2001-04-02 2001-04-02 耐汚染性に優れた粉体塗料組成物およびこれを用いた塗膜形成方法 Expired - Fee Related JP4901013B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001103378A JP4901013B2 (ja) 2001-04-02 2001-04-02 耐汚染性に優れた粉体塗料組成物およびこれを用いた塗膜形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001103378A JP4901013B2 (ja) 2001-04-02 2001-04-02 耐汚染性に優れた粉体塗料組成物およびこれを用いた塗膜形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002294170A true JP2002294170A (ja) 2002-10-09
JP4901013B2 JP4901013B2 (ja) 2012-03-21

Family

ID=18956449

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001103378A Expired - Fee Related JP4901013B2 (ja) 2001-04-02 2001-04-02 耐汚染性に優れた粉体塗料組成物およびこれを用いた塗膜形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4901013B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005126513A (ja) * 2003-10-22 2005-05-19 Nippon Paint Co Ltd 固形シリケート組成物、その製造方法および粉体塗料
JP2006051464A (ja) * 2004-08-13 2006-02-23 Nippon Paint Co Ltd 耐汚染性に優れた複層粉体塗膜の形成方法
WO2015046262A1 (ja) 2013-09-27 2015-04-02 旭硝子株式会社 粉体塗料および塗装物品
CN106046983A (zh) * 2016-07-08 2016-10-26 英德市邦士化工实业有限公司 一种蓝相特黑汽车面漆及其制备方法
WO2018168917A1 (ja) * 2017-03-14 2018-09-20 東亞合成株式会社 粉体塗料用組成物及び塗装物品
CN110582547A (zh) * 2017-05-05 2019-12-17 老虎干漆美国有限公司 低光泽度混合粉末涂料
CN111560209A (zh) * 2020-05-22 2020-08-21 四川桑瑞斯高分子材料有限公司 一种具有肌肤感和随视角变色功能的粉末涂料及制备方法
WO2020186912A1 (zh) * 2019-03-20 2020-09-24 擎天材料科技有限公司 一种家电卷材用粉末涂料及其制备方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104673020B (zh) * 2015-03-05 2017-05-31 廊坊立邦涂料有限公司 一种单涂层高光泽耐水煮塑料漆及其制备方法和用途

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1994006870A1 (en) * 1992-09-24 1994-03-31 Kansai Paint Co., Ltd. Finish coating composition and method of forming its coating film
JPH11124501A (ja) * 1997-10-21 1999-05-11 Nippon Paint Co Ltd 熱硬化性樹脂組成物
JPH11293160A (ja) * 1998-04-07 1999-10-26 Mita Ind Co Ltd 粉体塗料の調色方法
JP2000001633A (ja) * 1998-03-26 2000-01-07 Takeda Chem Ind Ltd 粉体塗料組成物
JP2000178501A (ja) * 1998-12-15 2000-06-27 Nippon Paint Co Ltd 自動車上塗り用クリヤー塗料、複層塗膜形成方法及び自動車車体
JP2000178472A (ja) * 1998-12-16 2000-06-27 Daikin Ind Ltd 含フッ素樹脂粉体塗料用組成物
JP2000191980A (ja) * 1998-12-25 2000-07-11 Nippon Paint Co Ltd 自動車上塗り用クリヤ―塗料、自動車車体の複層塗膜形成方法及び自動車車体
JP2001003006A (ja) * 1999-04-19 2001-01-09 Sanyo Chem Ind Ltd 防汚性粉体塗料組成物

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1994006870A1 (en) * 1992-09-24 1994-03-31 Kansai Paint Co., Ltd. Finish coating composition and method of forming its coating film
JPH11124501A (ja) * 1997-10-21 1999-05-11 Nippon Paint Co Ltd 熱硬化性樹脂組成物
JP2000001633A (ja) * 1998-03-26 2000-01-07 Takeda Chem Ind Ltd 粉体塗料組成物
JPH11293160A (ja) * 1998-04-07 1999-10-26 Mita Ind Co Ltd 粉体塗料の調色方法
JP2000178501A (ja) * 1998-12-15 2000-06-27 Nippon Paint Co Ltd 自動車上塗り用クリヤー塗料、複層塗膜形成方法及び自動車車体
JP2000178472A (ja) * 1998-12-16 2000-06-27 Daikin Ind Ltd 含フッ素樹脂粉体塗料用組成物
JP2000191980A (ja) * 1998-12-25 2000-07-11 Nippon Paint Co Ltd 自動車上塗り用クリヤ―塗料、自動車車体の複層塗膜形成方法及び自動車車体
JP2001003006A (ja) * 1999-04-19 2001-01-09 Sanyo Chem Ind Ltd 防汚性粉体塗料組成物

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005126513A (ja) * 2003-10-22 2005-05-19 Nippon Paint Co Ltd 固形シリケート組成物、その製造方法および粉体塗料
JP4515746B2 (ja) * 2003-10-22 2010-08-04 日本ペイント株式会社 固形シリケート組成物、その製造方法および粉体塗料
JP2006051464A (ja) * 2004-08-13 2006-02-23 Nippon Paint Co Ltd 耐汚染性に優れた複層粉体塗膜の形成方法
WO2015046262A1 (ja) 2013-09-27 2015-04-02 旭硝子株式会社 粉体塗料および塗装物品
CN106046983A (zh) * 2016-07-08 2016-10-26 英德市邦士化工实业有限公司 一种蓝相特黑汽车面漆及其制备方法
JPWO2018168917A1 (ja) * 2017-03-14 2020-05-14 東亞合成株式会社 粉体塗料用組成物及び塗装物品
CN110418825A (zh) * 2017-03-14 2019-11-05 东亚合成株式会社 粉体涂料用组合物和涂装物品
WO2018168917A1 (ja) * 2017-03-14 2018-09-20 東亞合成株式会社 粉体塗料用組成物及び塗装物品
JP7078032B2 (ja) 2017-03-14 2022-05-31 東亞合成株式会社 粉体塗料用組成物及び塗装物品
CN110418825B (zh) * 2017-03-14 2022-09-13 东亚合成株式会社 粉体涂料用组合物和涂装物品
CN110582547A (zh) * 2017-05-05 2019-12-17 老虎干漆美国有限公司 低光泽度混合粉末涂料
WO2020186912A1 (zh) * 2019-03-20 2020-09-24 擎天材料科技有限公司 一种家电卷材用粉末涂料及其制备方法
KR20210053938A (ko) * 2019-03-20 2021-05-12 킨테 머티리얼즈 사이언스 앤드 테크놀로지 컴퍼니 리미티드 가전 코일재용 분말도료 및 그 제조방법
EP3845618A4 (en) * 2019-03-20 2021-12-15 Kinte Materials Science and Technology Co., Ltd. POWDER COATING USED FOR A COIL MATERIAL OF HOUSEHOLD APPLIANCES AND ITS PREPARATION PROCESS
KR102374055B1 (ko) 2019-03-20 2022-03-14 킨테 머티리얼즈 사이언스 앤드 테크놀로지 컴퍼니 리미티드 가전 코일재용 분말도료 및 그 제조방법
CN111560209A (zh) * 2020-05-22 2020-08-21 四川桑瑞斯高分子材料有限公司 一种具有肌肤感和随视角变色功能的粉末涂料及制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4901013B2 (ja) 2012-03-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2370493B1 (en) Powder coating compositions for low temperature curing and high flow
EP2627719B1 (en) Hybrid polyester fluorocarbon powder coating composition and process for manufacture thereof
WO2013186832A1 (ja) 粉体塗料組成物及びその製造方法
EP3074470A1 (en) Polyester resin for highly filled powder coating
JPH04103678A (ja) 粉体塗料組成物
JP4901013B2 (ja) 耐汚染性に優れた粉体塗料組成物およびこれを用いた塗膜形成方法
CN108473809A (zh) 粉体涂料、粉体涂料的制造方法、及涂装物品
JP6675549B2 (ja) 金属用粉体塗料組成物、金属用粉体塗料組成物により形成された塗膜、金属用粉体塗料組成物により形成された塗膜を備える金属材、および、塗膜を備える金属材を製造する方法
JP2014218671A (ja) 粉体塗料組成物及びその製造方法
JPH0873807A (ja) エポキシ基を含まない熱硬化性塗料
US20230279260A1 (en) Low Gloss Polyurethane Coating Compositions
US20060173127A1 (en) Matte powder coating composition
JP2013159621A (ja) 撥油性メタリック粉体塗料組成物
JPH09227800A (ja) 艶消ポリウレタン粉末コーチングおよび耐熱性支持体を被覆するためのその使用
JP2008266361A (ja) 耐汚染性に優れたフッ素樹脂系熱硬化性粉体塗料組成物
JP3944387B2 (ja) 耐汚染性に優れた粉体塗料組成物およびこれを用いた塗膜形成方法
WO2008079231A1 (en) Anti-graffity powder coating composition
JP2019534342A (ja) 熱硬化性組成物、塗装仕上げ方法、および塗装品を製造するための方法
JP2006051464A (ja) 耐汚染性に優れた複層粉体塗膜の形成方法
JP2021134260A (ja) 粉体塗料組成物、前記組成物の製造方法、前記組成物の調色方法、粉体塗料セット、および、前記組成物により形成された塗膜を備える物品
JP2004043524A (ja) 水性中塗り塗料組成物及び複層塗膜の形成方法
CA2734162A1 (en) Thermal curable powder coating composition
JP4191024B2 (ja) 粉体塗料組成物及び粉体塗装物
JP4776125B2 (ja) 耐汚染性に優れた複層塗膜の形成方法
JP3904436B2 (ja) 耐汚染性に優れたエナメル粉体塗料組成物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110726

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110922

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111019

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111214

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150113

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees