JP2002293762A - モノアクリレートフルオレン化合物、該化合物を含有する組成物、及びその硬化物 - Google Patents
モノアクリレートフルオレン化合物、該化合物を含有する組成物、及びその硬化物Info
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Abstract
し、光学用反射防止膜の製造に用いるオーバーコート
剤、ハードコート剤等の、光学材料用途に適したフルオ
レン系のアクリレート並びに該アクリレートを含有する
組成物及びその硬化物を提供する。 【解決手段】下記一般式(1) 【化1】 (式中、R及びR’は、同一又は異なって、水素原子又
は炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは0〜10の整
数である。)で表されることを特徴とするモノアクリレ
ートフルオレン化合物;該化合物を含有する組成物;及
び該組成物を硬化してなる硬化物。
Description
化合物並びに該化合物を含有する組成物及び該組成物の
硬化物に関する。
CD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレ
クトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管
表示装置(CRT)のような様々な画像表示装置に設け
られている。かかる反射防止膜の基本的な構成として
は、プラスチックフィルムなどからなる透明支持体上
に、ハードコート層、低屈折率層、そしてオーバーコー
ト層を順次形成したものである。このようなオーバーコ
ート層やハードコート層の形成に用いられるオーバーコ
ート剤、ハードコート剤等の光学材料としては、ポリカ
ーボネート等の熱可塑性樹脂や脂肪族アクリレートの硬
化物が用いられているが、耐湿性、屈折率の向上が要望
されている。また、フルオレン系のアクリレートとし
て、ビスアクリレートフルオレン(特開平4−3255
08)が用いられているが、硬度が十分でないといった
課題がある。
折性などに優れ、充分な硬度を有し、光学用反射防止膜
の製造に用いるオーバーコート剤、ハードコート剤等
の、光学材料用途に適したフルオレン系のアクリレート
並びに該アクリレートを含有する組成物及びその硬化物
を提供することを目的とする。
た結果、以下に示すモノアクリレートフルオレン化合
物、及び、その組成物、硬化物が上記課題を解決し得る
ことを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発
明は下記の各項に示す発明に関する。 項1 下記一般式(1)
て、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、n
は0〜10の整数である。)で表されることを特徴とす
るモノアクリレートフルオレン化合物。 項2 下記一般式(1)
て、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、n
は0〜10の整数である。)で示される化合物を含有す
るラジカル重合可能な組成物。 項3 ラジカル重合可能な組成物が、(A)一般式
(1)
て、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、n
は0〜10の整数である。)で示される化合物、(B)
希釈剤、並びに(C)熱重合開始剤及び/又は光重合開
始剤を含有することを特徴とする項2記載の組成物。項
4 項2又は項3記載の組成物を熱重合及び/又は光重
合することにより得られる硬化物。
なって、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示
す。炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロイル、n−ブチル、sec−
ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルな
どの直鎖状又は分岐状のアルキル基が例示される。これ
ら炭素数1〜6のアルキル基の中でも、メチル基が好ま
しい。
の整数を示し、0〜6であることが好ましい。
いて、R及びR’が同一であって、水素原子又はメチル
基であり、nが0又は1である化合物が好ましい。
ば、Rがメチル基又は水素原子であってn=0の場合、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−フルオレン
に等モル程度のメタクリル酸クロリド又はアクリル酸ク
ロリドを、常法に従って反応させたり、n=1〜10の
場合は9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−フル
オレンにエチレンオキシド、プロピレンオキシドなど
を、常法に従って平均で1〜10mol付加させた後に
等モル程度のメタクリル酸又はアクリル酸を常法に従っ
て反応させて得ることができる。Rが2〜6の場合も、
適当な酸クロリドを用いて上記と同様にして得ることが
できる。
は、通常の分離、精製手段、例えば再結晶、溶媒抽出
法、カラムクロマトグラフィー法等を用いて、容易に単
離、精製することができる。
のであり、ラジカル重合が可能である。該組成物は、通
常、(A)一般式(1)で示される化合物、(B)希釈
剤、並びに(C)熱重合開始剤及び/又はラジカル重合
不可能な光重合開始剤を含有する。
希釈剤(“反応性希釈剤”とする場合がある)、又はそ
れ以外の希釈剤(“非反応性希釈剤”とする場合があ
る)を用いてもよい。希釈剤としての合計使用量は、組
成物に含まれる成分や組成物の用途に応じて適宜設定で
きるものであり、前記一般式(1)の化合物100重量
部当り1〜500重量部程度が好ましく、20〜200
重量部程度よりが好ましい。
−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチ
ルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート
類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ルなどのグリコールのモノ又はジアクリレート類;N,
N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリル
アミドなどのアクリルアミド類;N,N−ジメチルアミ
ノエチルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレー
ト類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス
−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコ
ール又はこれらのエチレンオキサイドの付加物もしくは
プロピレンオキサイドの付加物の多価アクリレート類;
フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレ
ート、及びこれらのフェノール類のエチレンオキサイド
付加物などのアクリレート類;グリセリンジグリシジル
エーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエー
テル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジ
ルエーテルのアクリレート類;及びメラミンアクリレー
ト;及び/又は上記アクリレート類に対応するメタクリ
レート類などが挙げられる。
2種以上を組み合わせて用いることができる。反応性希
釈剤の使用量の好適な範囲は、前記一般式(1)の化合
物100重量部当り0〜100重量部程度であり、0〜
50重量部程度よりが好ましい。
エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIB
K)、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシ
レン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セ
ロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カル
ビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコ
ールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ
メチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、
ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテー
ト、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン
等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素
類;石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の
石油系溶剤などの公知慣用の有機溶剤が挙げられる。こ
れらの中でも、本発明組成物に用いる非反応性希釈剤と
しては、MIBKが好ましい。
は2種以上を組み合わせて用いることができる。非反応
性希釈剤の使用量の好適な範囲は、塗布方法により異な
るが、前記一般式(1)の化合物100重量部当り20
〜300重量部程度、好ましくは30〜200重量部程
度である。
ソブチロニトリル、ベンゾフェノン等の熱重合に通常用
いられる開始剤が挙げられる。
般式(1)の化合物100重量部当り0.1〜5重量部
程度、より好ましくは0.1〜2重量部程度が適当であ
る。
重合開始剤、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプ
ロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエ
ーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−
フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フ
ェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノ
ン等のアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メ
チルチオ)フェニル]−2−モルホリノアミノプロパノ
ン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4
−モルホリノフェニル)−ブタノン−1等のアミノアセ
トフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチル
アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1
−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4
−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサ
ントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプ
ロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフ
ェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等
のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;
又はキサントン類などがある。これら公知慣用の光重合
開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いるこ
とができ、また、第3級アミン類のような公知慣用の光
増感剤を単独で又は2種以上組み合わせて併用すること
ができる。
剤を併用する場合にはこれらの合計量)は、前記一般式
(1)の化合物100重量部当り0.1〜30重量部程
度、好ましくは1〜10重量部程度が適当である。光重
合開始剤の使用量が、上記範囲の下限以上である場合、
組成物の光硬化性が良好であり、一方、上限以内である
場合は、光重合開始剤自身の吸収により厚膜での光硬化
性が劣るおそれがないので好ましい。
化物の性能改良のため、本来の特性を変えない範囲内で
あれば、シランカップリング剤、重合禁止剤、レベリン
グ剤、難燃剤等の添加剤を添加することができる。
ことができ、例えば、上記希釈剤に、一般式(1)の化
合物、熱重合開始剤及び/又は光重合開始剤、並びに必
要に応じて他の成分を添加して混合すればよい。
は、耐湿性、屈折性などに優れ、充分な硬度を有してい
るので、本発明の組成物は、光学用反射防止膜のオーバ
ーコート層やハードコート層を製造するためのオーバー
コート剤やハードコート剤、プラスチックレンズの原
料、ホログラム材料、光導波路、光ファイバー材料、顔
料分散フィルム等の光学材料を得るための組成物として
好適である。
優れ、充分な硬度を有するという特性を有しているた
め、光学用反射防止膜のオーバーコート層やハードコー
ト層、眼鏡用プラスチックレンズ、光ピックアップレン
ズなどの光学レンズ、ホログラムなどの光学的材料用途
に適している。
を設定して硬化し、その用途に応じた所望の性状の硬化
物とすることができる。
後、組成物に含まれる重合開始剤の種類に応じて適当な
条件で熱重合及び/又は光重合して硬化物を得ることが
できる。
公知の方法、例えばフローコーティング法、スピンコー
ティング法、スプレーコーティング法、スクリーン印刷
法、キャスト法、バーコート法、カーテンコート法、ロ
ールコート法、ディップ法などを用いることができる。
乾燥処理は、公知の方法を用いて行うことができる。乾
燥処理の際は、必要に応じて加熱してもよい。加熱温度
は、溶媒および目的に応じて適宜設定できるが、通常4
0〜150℃程度である。また、乾燥処理は、窒素、ア
ルゴンなどの不活性ガス雰囲気中または空気中において
行ってもよい。乾燥処理は、常圧下又は減圧下で行って
もよい。
ことができる。光照射源としては、例えば、低圧水銀ラ
ンプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、水素ラン
プ、重水素ランプ、ハロゲンランプ、エキシマレーザ
ー、窒素レーザー、ヘリウム−カドミウムレーザーなど
が挙げられる。光照射エネルギー量は、用途、塗膜の膜
厚などによって異なるが、通常0.1〜10000mJ
/cm2程度、好ましくは0.5〜5000mJ/cm2
程度である。
ンズに適用する場合には、所望の形状の2枚のガラス鋳
型をエチレン−酢酸ビニル共重合体からなるガスケット
を介して型を作り、これに本発明組成物を注入した後に
加熱して硬化させたり、光を照射(光源としては、特に
制限されず、様々な発光スペクトルを有するランプ、レ
ーザーなどを使用することができ、例えば低圧水銀ラン
プ、中高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、超高圧
水銀ランプなどを好適に使用できる。)により硬化させ
たり、あるいはこれらを組み合わせて組成物を硬化させ
て硬化物を得ることができる。
ハードコート層形成のためのハードコート剤として用い
る場合は、プラスチックフィルムなどからなる透明支持
体上に該組成物を常法により塗布し、重合開始剤の種類
に応じて、加熱したり紫外線などを照射するなど適宜条
件を設定し、ハードコート層を得ることができる。
ーコート層形成のためのオーバーコート剤として用いる
場合は、例えば、透明支持体上に、ハードコート層、
(必要に応じて中屈折率層や高屈折率層)、低屈折率層
を設けた後、該低屈折率層上に該組成物を常法により塗
布し、重合開始剤の種類に応じて、加熱したり紫外線な
どを照射するなど適宜条件を設定し、オーバーコート層
を得ることができる。
し、光学用反射防止膜のオーバーコート層やハードコー
ト層の製造に用いるオーバーコート剤やハードコート剤
等として、光学材料に用いるモノアクリレートフルオレ
ン化合物とその製造方法、および前記モノアクリレート
フルオレン化合物を紫外線照射、電子線照射などにより
硬化物を形成する光学材料用の組成物、およびその硬化
物に関するものであり、該硬化物は、硬度が高く、屈折
率等の光学特性、耐熱性、耐水性等の特性に優れてい
る。
ころをより一層明らかにする。
の容器にビスフェノキシエタノールフルオレン(分子量
438.5)100g、トルエン500g、アクリル酸20g、硫酸1
0g、ハイドロキノン0.1gを入れ、110℃で、生成する
水を共沸除去しながら3時間反応させた。その後、トル
エンを200g加えて、アルカリ水で洗浄し、トルエンを
留去した。その後、展開溶媒としてトルエン50/酢酸エ
チル50(体積比)を用いたシリカゲルカラムを通して、
生成物である9−(4−アクリロキシエトキシフェニ
ル)−9'−フェノキシエタノールフルオレンを取り出
した。得られた化合物の構造分析は次のとおりである。 マススペクトルの分子イオンピーク(m/e):492 赤外線吸収スペクトル(cm-1); O-H伸縮振動:3400付近 C-H伸縮振動(芳香族及びビニル基):3100〜3000 C-H伸縮振動(脂肪族):3000〜2850 C=O伸縮振動:1724 C=C伸縮振動:1635 ベンゼン環骨格振動:1606(2本)及び1508 フルオレン骨格振動:1448,748 C-H変角振動(末端ビニル基):1409、990、916 第一級アルコールのO-H変角振動及びC-O伸縮振動:129
5、1050付近 Aryl-O-CのC-O-C伸縮振動:1243 エステルのC-O-C伸縮振動:1176 p-二置換ベンゼンのC-H面外変角振動:8231 H-NMR(CDCl3,270MHz) ケミカルシフト値(ppm) 帰属 2.1 OH基 3.8〜4.5 OCH2基 5.8〜6.4 C=C基 6.7〜7.1 ベンゼン環 7.2〜7.7 フルオレン環13 C-NMR(CDCl3,270MHz) ケミカルシフト値(ppm) 帰属 61.4, 62.9, 65.8, 69.1 OCH2基 64.2 四級炭素 5.8〜6.4 C=C基 114〜157 ベンゼン環, フルオレン環 165.9 カルボニル基 赤外線吸収スペクトル及び核磁気共鳴スペクトル(1H
−NMR及び13C−NMR)を図1、図2及び図3にそれぞれ
示す。
クトルを示す図である。
3,270MHz)のスペクトルを示す図である。
l3,270MHz)のスペクトルを示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R及びR’は、同一又は異なって、水素原子又
は炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは0〜10の整
数である。)で表されることを特徴とするモノアクリレ
ートフルオレン化合物。 - 【請求項2】 下記一般式(1) 【化2】 (式中、R及びR’は、同一又は異なって、水素原子又
は炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは0〜10の整
数である。)で示される化合物を含有するラジカル重合
可能な組成物。 - 【請求項3】 ラジカル重合可能な組成物が、(A)一
般式(1) 【化3】 (式中、R及びR’は、同一又は異なって、水素原子又
は炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは0〜10の整
数である。)で示される化合物、(B)希釈剤、並びに
(C)熱重合開始剤及び/又は光重合開始剤を含有する
ことを特徴とする請求項2記載の組成物。 - 【請求項4】 請求項2又は請求項3記載の組成物を熱
重合及び/又は光重合することにより得られる硬化物。
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JP2001096490A JP4530565B2 (ja) | 2001-03-29 | 2001-03-29 | モノアクリレートフルオレン化合物、該化合物を含有する組成物、及びその硬化物 |
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