JP2002293227A - マスタシリンダ - Google Patents

マスタシリンダ

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JP2002293227A
JP2002293227A JP2001099789A JP2001099789A JP2002293227A JP 2002293227 A JP2002293227 A JP 2002293227A JP 2001099789 A JP2001099789 A JP 2001099789A JP 2001099789 A JP2001099789 A JP 2001099789A JP 2002293227 A JP2002293227 A JP 2002293227A
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和久 平
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富士夫 宮本
Yukihiro Honda
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Bosch Braking Systems Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カップシールの局部集中的な損傷発生を有効
に防いで、シールの長寿命化を図り、耐久性に富むコン
ベンショナルタイプのマスタシリンダを提供すること。 【解決手段】 ピストン5が作動位置方向へ移動する際
には、ピストン5は巻きばね19を圧縮させるのに伴い
巻きばね19の巻き線方向に回動し、且つカップシール
10の外周リップ部31とシリンダ孔3の内周壁との接
触圧が、内周リップ部32とピストン5との接触圧より
大となり、カップシール10はピストン5と共には回動
せず、ピストン5が非作動位置方向へ移動する際には、
ピストン5は巻きばね19の復元に伴って巻きばね19
の巻き線方向と逆方向に回動し、内周リップ部32とピ
ストン5との接触圧が、外周リップ部31とシリンダ孔
3の内周壁との接触圧より大となり、カップシール10
はピストン5と共に回動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等のブレーキ
システムに用いられ、特にホイールシリンダ側の作動液
を加圧還流させるポンプを含んだアンチスキッド液圧制
御(ABS)装置を備えたブレーキシステムに好適とな
る、コンベンショナルタイプのマスタシリンダに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、マスタシリンダの一種として、シ
リンダ孔及びこのシリンダ孔の内周壁に開口を有し作動
液リザーバに連絡されるリリーフポートを形成したシリ
ンダ本体と、前記シリンダ孔に移動自在に挿入されてそ
の内方に液圧発生室を区画するピストンと、このピスト
ンに接触する内周リップ部、前記シリンダ孔の内周壁に
摺接する外周リップ部、及び両リップ部が連接するベー
ス部とを有し、両リップ部の先端が前記ピストンの作動
位置方向に向けて配置されたカップシールとを備え、前
記ピストンが作動位置方向へ移動することに応じて、前
記外周リップ部が前記リリーフポートの開口を通過する
ことにより、前記リリーフポートを介して前記液圧発生
室と前記作動液リザーバとの連通を遮断するコンベンシ
ョナルタイプと呼ばれるものがよく知られている。(例
えば、実公昭62−32127号公報,実公平8−89
31号公報等参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このコンベ
ンショナルタイプのマスタシリンダは、センタバルブタ
イプのマスタシリンダに比べ構造的に簡素である反面、
上記カップシールに損傷が発生し易いという不利な点が
ある。
【0004】つまり、コンベンショナルタイプのマスタ
シリンダにあっては、その作動時、上記カップシールの
外周リップ部ないしはベース部の外周がリリーフポート
の開口にかかった位置で、カップシールが液圧発生室側
からの高い液圧を受ける状態になると、カップシールの
外周が局部的にリリーフポート内に押し込まれるという
現象が起きることが分かっている。そして、そのような
現象が、特にカップシール外周の同一箇所に対して、繰
返し発生すれば、カップシールはその外周の一部分をか
じりとられる“喰われ”といった損傷を受け、その損傷
が大きくなればシール不良に至るということも分かって
いる。
【0005】なお、上述したカップシールの損傷の発生
は、ホイールシリンダ側からマスタシリンダ側に作動液
を加圧して戻すポンプを含んだアンチスキッド制御装置
(ABS装置)を備えたブレーキシステム(このシステ
ムについては例えば特開平8−150915号公報参
照)において、そのABS装置作動時にカップシールが
ポンプからの高圧で脈動する液圧を受ける場合や、AB
S装置の作動によらずとも、マスタシリンダ自体の急作
動に伴い液圧発生室内の液圧が急峻に立上る場合に顕著
となる傾向にある。
【0006】本発明は上述の問題に鑑みてなされ、カッ
プシールの局部集中的な損傷発生を有効に防いで、シー
ルの長寿命化を図ることを課題とし、耐久性に富むマス
タシリンダを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1では、
ピストンの作動位置方向への移動、あるいは非作動位置
方向への移動の何れかで、ピストンに装着されたカップ
シールがシリンダ孔に対して回動しながら摺動する。す
なわち、カップシールはピストンの往復ごとにシリンダ
孔の内周壁に対して周方向の位置を変化させていく。
【0008】本発明の請求項3では、ピストンは回動可
能にシリンダ孔内に挿入され、且つピストンには巻きば
ねの一端が係合され、この巻きばねにより非作動位置方
向に付勢されており、ピストンが作動位置方向に移動す
る際には、ピストンは巻きばねを圧縮させるのに伴いこ
の巻きばねの巻き線方向に回動し、且つ外周リップ部と
シリンダ孔の内周壁との接触圧が、内周リップ部とピス
トンとの接触圧より大となることにより、カップシール
はシリンダ孔に対して回動せずにピストンと共に摺動
し、ピストンが非作動位置方向へ移動する際には、ピス
トンは巻きばねの復元に伴ってこの巻きばねの巻き線方
向と逆方向に回動し、且つ内周リップ部とピストンとの
接触圧が、外周リップ部とシリンダ孔の内周壁との接触
圧より大となることにより、カップシールはピストンと
共にシリンダ孔に対して回動しながら摺動する。すなわ
ち、ピストンは非作動位置方向への戻り動作時には、作
動位置方向への移動時と逆方向に回動して、結局、シリ
ンダ孔の内周壁に対して周方向の位置を変化させない
が、カップシールはピストンの戻り動作時のみに回動す
るのでピストンが往復するごとにシリンダ孔の内周壁に
対して周方向の位置を変化させる。
【0009】また、本発明の請求項4では、カップシー
ルの、内周リップ部、外周リップ部、及びベース部によ
り区画される空間内に、ピストンを非作動方向に付勢す
るばねの一端が係合する係止部材が内周リップの一部に
微小隙間を有しながら重なり合って装着されており、そ
の重なり合う量は、カップシールのピストンからの脱落
を防ぐべく所望の面積であり、且つ、その重なり合う位
置が均等に配置され、更に前記空間内に侵入する係合部
材の先端がベース部に接していない。
【0010】すなわち、ピストンの作動位置方向への移
動時に、カップシールは係止部材によってピストンとの
密着性を高めるような作用を受けておらず、カップシー
ルがピストンと共に回動してしまうのを抑制している。
そして、ピストンの非作動位置への戻り動作時に外周リ
ップ部とシリンダ孔の内周壁との接触圧が減じられるの
で、カップシールは、このピストンの戻り動作時のみに
回動し易い状態となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0012】図1は、本発明の第1の実施形態によるマ
スタシリンダを示している。本実施の形態によるマスタ
シリンダ1は、そのシリンダ本体2のシリンダ孔3にプ
ライマリピストン4及びセカンダリピストン5(以下、
これらを単にピストンと表記する。)が移動自在に挿入
されることにより2つの液圧発生室6、7が区画され
て、各々の液圧発生室6、7から図示しないホイールシ
リンダへブレーキ液圧が供給されるタンデム式ブレーキ
マスタシリンダとして構成される。
【0013】ピストン4、5の外周部には、ゴム材料よ
り成る環状のカップシール8,9及び10、11が装着
され、両ピストン4、5の間に一方の液圧発生室6が、
ピストン5とシリンダ孔3の閉塞端3aとの間に他方の
液圧発生室7がそれぞれ区画される。
【0014】カップシール8は、液圧発生室6と液補給
室22とを区画する。このカップシール8はピストン4
に形成されたフランジ部4aと、巻きばね18の一端を
支持する係止部材25との間で位置決めされ保持されて
いる。巻きばね18の他端は、ピストン4に結合された
ボルト部材26の頭部に係合するリテーナ27により支
持されている。この巻きばね18により、ピストン4
は、図示するマスタシリンダ1の非作動状態において右
方へと付勢され、液圧発生室6はリリーフポート12を
介して作動液リザーバの内部と連絡される。
【0015】次に、図1の要部拡大図である図2を参照
して、液圧発生室7と液補給室23とを区画するセカン
ダリ側のカップシール10について説明する。
【0016】カップシール10は、液圧発生室7側に向
かって延びる外周リップ部31と、同じく液圧発生室7
側に向かって延びる内周リップ部32と、これら外周リ
ップ部31と内周リップ部32とを連接するベース部3
0とが一体的に形成されて成る。外周リップ部31の外
周面の一部分はシリンダ孔3の内周壁に弾接し、内周リ
ップ部32及びベース部30の内周面はピストン5の軸
部5aの外周面に弾接している。また、ベース部30は
その背面の外縁部側をピストン5のフランジ部5bに当
接させて支持されている。なお、プライマリ側のカップ
シール8についても上述したカップシール10と同じ構
成である。
【0017】ピストン5の軸部5aには、カップシール
10のピストン5からの脱落を防止するための係止部材
40が装着されている。図3に係止部材40の斜視図を
示す。係止部材40は、後述する巻きばね19が係合す
るばね係合部として機能する環状面40aと、その環状
面40aと反対側に全周にわたって屈曲し、カップシー
ル10の内周リップ部32に対向する対向部40bとを
有するカップ形状を呈している。
【0018】図1に示すように、係止部材40の環状面
40aには巻きばね19の一端が圧接し、巻きばね19
の他端はシリンダ孔3の閉塞端3aに支持され、この巻
きばね19により、ピストン5は、図示するマスタシリ
ンダ1の非作動状態において右方へと付勢され、液圧発
生室7はリリーフポート13を介して作動液リザーバの
内部と連絡される。また、巻きばね19の一端はその内
周面をピストン5の軸部5aの外周面に当接させて係合
している。
【0019】図2に示すように、係止部材40はその対
向部40bを、カップシール10の内周リップ部32、
外周リップ部31、及びベース部30により区画される
空間s内に侵入させてピストン5の軸部5aに装着され
ている。対向部40bは、内周リップ部32と微小隙間
を形成して重なり合っている。両者の重なり合う量は、
対向部40bの先端がベース部30に接しないように、
且つ内周リップ部32の径外方側の面32aの面積の1
/2以上の面積でもって重なり合っている。この重なり
量であれば、カップシール10のピストン5からの脱落
を確実に防止できる。また、係止部材40の、ばね係合
部を構成する環状面40aと反対側の環状面40cには
内周リップ部32の先端が当接しており、カップシール
10の軸方向の動きを規制している。
【0020】以上のように構成される本実施の形態のマ
スタシリンダ1について、次にその作用について説明す
る。
【0021】各液圧発生室6、7は、図1で示すマスタ
シリンダの非作動状態において、それぞれリリーフポー
ト12、13を介して、シリンダ本体2のボス部14、
15に結合された作動液リザーバ(ニップル部16、1
7のみ図示。)の内部と連通しているが、図示しないブ
レーキペダルの踏み込みによりブレーキ操作が行われる
と、ピストン4は、その内部に形成された凹所4bに当
接する倍力装置(図示せず)の出力軸35で押されて図
中左方へ移動し、このピストン4の移動により、巻きば
ね18を介してピストン4と連結されたピストン5も図
中左方へ移動する。このとき、シリンダ孔3の内周壁に
摺接するカップシール8、10の外周リップ部がリリー
フポート12、13の開口を通過することにより液圧発
生室6、7と作動液リザーバとの間の液連通が遮断され
る。そして、各ピストン4、5の更なる移動により、各
液圧発生室6、7にてブレーキ液圧が発生する。
【0022】本実施の形態では、ブレーキシステムとし
て、図示せずとも、マスタシリンダ1と上記ホイールシ
リンダとの間にアンチスキッド液圧制御装置(ABS装
置)が備えられており、既によく知られているように、
車輪のロックを防止すべくABS装置が作動したときに
は、ABS装置に含まれるポンプによって、ホイールシ
リンダから圧力を弛めて排出された作動液を加圧して液
圧発生室6、7側に戻す構成となっている。
【0023】上記ブレーキペダルの踏み込み操作を解除
あるいは弱めた際には、巻きばね18、19の付勢力に
よりピストン4、5は図示する非作動位置に向け移動さ
れる。そして、ピストン4、5の戻り動作に伴い、液圧
発生室6、7内の液圧が一時的に大気圧(作動液リザー
バ側の圧力)よりも低くなる圧力差を生じると、それに
よりカップシール8、10の外周リップ部がシリンダ孔
3の内周壁から離れるように径内方側へ傾動され(撓ま
され)、補給孔20、21を介して作動液リザーバと常
時連通するピストン4、5の胴部外周の補給室22、2
3から液圧発生室6、7へと作動液が補給される。
【0024】上述した一連の動作について、特にセカン
ダリ側に関して更に詳しく説明すると、ピストン5が作
動位置方向へ移動すると巻きばね19を圧縮させる。こ
のとき、巻きばね19の圧縮に伴って、ピストン5は巻
きばね19の巻き線方向にわずかに回動する(周方向に
関してわずかに位置をずらす程度である)。一方、ピス
トン5に装着されているカップシール10は、ピストン
5の作動位置方向への移動によって液圧発生室7に液圧
が発生するので、外周リップ部31がその液圧を受けて
径外方へ押し広げられシリンダ孔3の内周壁に大きな接
触圧でもって弾接する。このとき、係止部材40の対向
部40bは、内周リップ部32及びベース部30と隙間
を形成させており、カップシール10をピストン5に密
着させるようなことはしていない。従って、内周リップ
部32とピストン5の軸部5a外周面との間の接触圧よ
り、外周リップ部31とシリンダ孔3の内周壁との間の
接触圧の方が大きいため、カップシール10はピストン
5の回動に追従しないで、周方向に関する位置を変えず
にシリンダ孔3の内周壁を摺接する。なお、ピストン5
は、シリンダ孔3内で、両巻きばね18、19で挟持さ
れた状態で配設されているので、シリンダ孔3の内周壁
に対して回動可能な状態にある。
【0025】ピストン5の非作動位置方向への戻り時に
は、巻きばね19の復元に伴ってピストン5は巻きばね
19の巻き線方向とは逆方向に回動する。すなわち、作
動方向への移動時に回動していた分が戻される。このと
き、カップシール10の外周リップ部31は上述したよ
うに径内方に傾動して、外周リップ部31の外周面とシ
リンダ孔3の内周壁との間を通って補給室23から液圧
発生室7に作動液が流れる。従って、外周リップ部31
とシリンダ孔3の内周壁との間の接触圧より、内周リッ
プ部32とピストン5との間の接触圧の方が大きくなっ
て、カップシール10はピストン5と共に、巻きばね1
9の巻き線方向と逆方向に回動する。
【0026】発明者らが行った試験では、室温でピスト
ン5の往復を所定回数繰り返したところ、カップシール
10は同一方向に10度〜30度回動したという結果を
得た。なお、室温より高い温度で同様な試験を行った場
合にはより大きな回動角度が得られた。
【0027】このようなカップシール10の回動は、マ
スタシリンダ1の作動と作動解除の繰返しに応じて、ピ
ストン5の戻り動作の度に起こり、外周リップ部31の
外周面においてリリーフポート13の開口と対向する箇
所が逐次変化することになる。従って、外周リップ部3
1ないしはベース部30の同一箇所が、マスタシリンダ
1の作動時、液圧発生室7内の液圧によりリリーフポー
ト13の開口内に押し込まれる頻度が少なくなり、カッ
プシール10外周における同一箇所の集中的な損傷発生
を防ぐことができる。
【0028】なお、プライマリ側のピストン4にも、巻
きばね18の圧縮及び復元に伴って同様な回動が生じる
が、プライマリ側は、カップシール8のベース部が係止
部材25の対向部25aとピストン4のフランジ部4a
との間で狭圧された構成となっているため、カップシー
ル8とピストン4との密着性がセカンダリ側より高くさ
れている。このため、カップシール8はピストン4の作
動時にも共に回動しやすく、そして戻り時には逆方向に
回動されるので、結局、カップシール8はシリンダ孔3
の内周壁に対して周方向の位置が変わらないことになっ
てしまう。
【0029】本実施の形態のように、プライマリ側、セ
カンダリ側を共にコンベンショナルタイプとしたとマス
タシリンダにあっては、セカンダリ側のカップシール1
0がそれに対応するリリーフポート13の間近で急峻に
立ち上がる液圧やABS装置による脈動圧を受け易い状
態、すなわちリリーフポート13内へ押し込まれ易い状
態となることが顕著となる傾向にあることがわかってお
り、本実施の形態ではセカンダリ側のみに上述した係止
部材40とカップシール10との配置関係を適用した。
また、両巻きばね18、19の巻き線方向を揃えれば、
回動しやすくなることが試験で得られている。
【0030】更に、図5で示すように、係止部材40の
対向部40bの先端と、ベース部30の前面との間の隙
間を小さくして、ピストン5の戻り動作に伴ってカップ
シール10の外周リップ部31が傾動したとき(この状
態を一点鎖線で示す)、ベース部30の前面と係止部材
40の対向部40bの先端とが接触するようにすれば、
ピストン5に対するカップシール10の接触圧をより高
めることができ、ピストン5の戻り動作時に共に回動し
やすくなる。
【0031】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。本実施の形態が上記第1の実施の形態と異なる
のは、カップシール10に代えて、図4に示すカップシ
ール50をピストン5に装着させた点である。
【0032】カップシール50は、カップシール10と
同様、液圧発生室7側に向かって延びる外周リップ部
と、同じく液圧発生室7側に向かって延びる内周リップ
部と、これら両リップ部を連接するベース部とが一体的
に形成されて成る。
【0033】そして、図4に示すように、カップシール
50のベース部50aの背面には、各々図において時計
周りにみてベース部50aの前面側に傾斜していく翼状
面51が互いに段部で接続されて円周方向に沿って複数
(8個)形成されている。
【0034】従って、前述したブレーキ液圧発生後、ブ
レーキ操作解除に伴うピストン5の戻り動作に際して、
液圧発生室7と補給室23との圧力差によりカップシー
ル50の外周リップ部はシリンダ孔3の内周壁から離れ
るようにして径内方側へ傾動され、補給室23から作動
液が、ピストン5のフランジ部5bとシリンダ孔3の内
周壁との間及び外周リップ部とシリンダ孔3の内周壁と
の間を通って液圧発生室7へと補給されるが、このとき
補給室23からの作動液の一部が、外周リップ部の傾動
に伴って生じるカップシール50の背面の翼状面51側
にも流れ込む。そして、この作動液の流れが各翼状面5
1に作用して、カップシール50に回動力を与えること
となる。
【0035】上記第1の実施の形態と同様、このような
カップシール50の回動は、マスタシリンダ1の作動と
作動解除の繰返しに応じて、ピストン5の戻り動作の度
に起こり、外周リップ部の外周面においてリリーフポー
ト13の開口と対向する箇所が逐次変化することにな
る。従って、外周リップ部ないしはベース部における同
一箇所が、マスタシリンダ1の作動時、液圧発生室7内
の液圧によりリリーフポート13の開口内に押し込まれ
る頻度が少なくなり、カップシール50外周における同
一箇所の集中的な損傷発生を防ぐことができる。
【0036】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、
本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能であ
る。
【0037】上記各実施の形態の係止部材40は、その
対向部40bを全周にわたって連続的に形成したが、周
方向に関して部分的に形成してもよい。この場合、対向
部40bは周方向に関して均等的配置関係で形成するよ
うにする。これは、対向部40bはその側面で液圧発生
室7に発生する液圧を受けるので、周方向に関して均等
的な配置関係となっていないと、ピストン5の作動位置
方向への移動時に係止部材40が揺動して内周リップ部
32と接触してカップシール10をピストン5に押さえ
付けてしまうおそれがあるためである。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、カ
ップシール外周のリリーフポートと対向する箇所を変化
させることにより、外周の特定箇所に損傷が発生するこ
とを防止して、カップシールの寿命を大幅に延ばすこと
ができ、もって耐久性に優れたマスタシリンダを得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるマスタシリンダ
を示す側断面図である。
【図2】図1における要部の拡大図である。
【図3】本発明に係る係止部材の斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態によるカップシールの
背面側から見た斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施形態によるマスタシリンダ
において、外周リップ部の傾動作用を説明するための要
部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 マスタシリンダ 2 シリンダ本体 3 シリンダ孔 4 (プライマリ)ピストン 5 (セカンダリ)ピストン 6 液圧発生室 7 液圧発生室 8 カップシール 10 カップシール 12 リリーフポート 13 リリーフポート 18 巻きばね 19 巻きばね 30 ベース部 31 外周リップ部 32 内周リップ部 40 係止部材 40a ばね係合部 40b 対向部 50 カップシール 51 翼状面
フロントページの続き (72)発明者 宮本 富士夫 神奈川県横須賀市浦郷町5丁目2931番地 ボッシュ ブレーキ システム株式会社内 (72)発明者 本田 幸弘 神奈川県横須賀市浦郷町5丁目2931番地 ボッシュ ブレーキ システム株式会社内 Fターム(参考) 3D047 BB24 BB27 CC09 CC13 CC19 FF13 KK03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ孔及びこのシリンダ孔の内周壁
    に開口を有し作動液リザーバに連絡されるリリーフポー
    トを形成したシリンダ本体と、 前記シリンダ孔に移動自在に挿入されてその内方に液圧
    発生室を区画するピストンと、 このピストンに接触する内周リップ部、前記シリンダ孔
    の内周壁に摺接する外周リップ部、及び両リップ部が連
    接するベース部とを有し、前記両リップ部の先端が前記
    ピストンの作動位置方向に向けて配置され、前記ピスト
    ンが作動位置方向へ移動することに応じて、前記外周リ
    ップ部が前記リリーフポートの開口を通過することによ
    り、前記リリーフポートを介して前記液圧発生室と前記
    作動液リザーバとの連通を遮断するカップシールとを備
    えたマスタシリンダにおいて、 前記ピストンの作動位置方向への移動、あるいは非作動
    位置方向への移動の何れかで、前記カップシールが前記
    シリンダ孔に対して回動しながら摺動することを特徴と
    するマスタシリンダ。
  2. 【請求項2】 前記ピストンが作動位置方向へ移動する
    際には、前記カップシールは前記シリンダ孔に対して回
    動せずに前記ピストンと共に摺動し、 前記ピストンが非作動位置方向へ移動する際には、前記
    カップシールは前記シリンダ孔に対して回動しながら摺
    動することを特徴とする請求項1に記載のマスタシリン
    ダ。
  3. 【請求項3】 前記ピストンは回動可能に前記シリンダ
    孔内に挿入され、且つ前記ピストンには巻きばねの一端
    が係合され、この巻きばねにより非作動位置方向に付勢
    されており、 前記ピストンが作動位置方向に移動する際には、前記ピ
    ストンは前記巻きばねを圧縮させるのに伴いこの巻きば
    ねの巻き線方向に回動し、且つ前記外周リップ部と前記
    シリンダ孔の内周壁との接触圧が、前記内周リップ部と
    前記ピストンとの接触圧より大となることにより、前記
    カップシールは前記シリンダ孔に対して回動せずに前記
    ピストンと共に摺動し、 前記ピストンが非作動位置方向へ移動する際には、前記
    ピストンは前記巻きばねの復元に伴ってこの巻きばねの
    巻き線方向と逆方向に回動し、且つ前記内周リップ部と
    前記ピストンとの接触圧が、前記外周リップ部と前記シ
    リンダ孔の内周壁との接触圧より大となることにより、
    前記カップシールは前記ピストンと共に前記シリンダ孔
    に対して回動しながら摺動することを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載のマスタシリンダ。
  4. 【請求項4】 シリンダ孔及びこのシリンダ孔の内周壁
    に開口を有し作動液リザーバに連絡されるリリーフポー
    トを形成したシリンダ本体と、 前記シリンダ孔に移動自在に挿入されてその内方に液圧
    発生室を区画するピストンと、 このピストンに接触する内周リップ部、前記シリンダ孔
    の内周壁に摺接する外周リップ部、及び両リップ部が連
    接するベース部とを有し、前記両リップ部の先端が前記
    ピストンの作動位置方向に向けて配置され、前記ピスト
    ンが作動位置方向へ移動することに応じて、前記外周リ
    ップ部が前記リリーフポートの開口を通過することによ
    り、前記リリーフポートを介して前記液圧発生室と前記
    作動液リザーバとの連通を遮断するカップシールとを備
    えたマスタシリンダにおいて、 前記内周リップ部、外周リップ部、及びベース部により
    区画される空間内に、前記ピストンを非作動方向に付勢
    するばねの一端が係合する係止部材が前記内周リップの
    一部に微小隙間を有しながら重なり合って装着されてお
    り、その重なり合う量は、前記カップシールの前記ピス
    トンからの脱落を防ぐべく所望の面積であり、且つ、そ
    の重なり合う位置が均等に配置され、更に前記空間内に
    侵入する前記係合部材の先端が前記ベース部に接してい
    ないことを特徴とするマスタシリンダ。
  5. 【請求項5】 前記重なり合う量は前記内周リップの1
    /2以上の面積であることを特徴とする請求項4記載の
    マスタシリンダ。
  6. 【請求項6】 前記係止部材には、前記ばねが係合する
    ばね係合部と、前記ばねと反対側に全周にわたり屈曲
    し、前記内周リップに対向する対向部とを備えている請
    求項4又は請求項5に記載のマスタシリンダ
  7. 【請求項7】 前記係止部材の先端である前記対向部と
    前記ベース部との間には前記ピストンが非作動位置にあ
    るとき、所望の隙間を有しており、この隙間は、前記ピ
    ストンが作動位置から非作動位置に戻る過程で前記液圧
    発生室が負圧ぎみになったとき前記外周リップ部の傾動
    に伴って詰められる請求項4から請求項6何れかに記載
    のマスタシリンダ。
  8. 【請求項8】 当該マスタシリンダは、少なくともセカ
    ンダリ側がコンベンショナル型のタンデムマスタシリン
    ダであって、前記係止部材は、少なくともセカンダリ側
    に設けられるとともに、各々のピストンを非作動方向に
    付勢するばねの巻き線方向が同一方向である請求項4か
    ら請求項7何れかに記載のマスタシリンダ。
  9. 【請求項9】 前記カップシールの前記ベース部の背面
    側に、その円周方向に沿って当該カップシールの軸直線
    に対して傾斜する翼状面を複数形成した請求項1から請
    求項8何れかに記載のマスタシリンダ。
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