JPH0423089Y2 - - Google Patents

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JPH0423089Y2
JPH0423089Y2 JP2163188U JP2163188U JPH0423089Y2 JP H0423089 Y2 JPH0423089 Y2 JP H0423089Y2 JP 2163188 U JP2163188 U JP 2163188U JP 2163188 U JP2163188 U JP 2163188U JP H0423089 Y2 JPH0423089 Y2 JP H0423089Y2
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piston
pressure chamber
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return
chamber
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  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば車両のブレーキ装置等に液圧
を供給するのに好適に用いられるマスタシリンダ
に関し、特に、圧力室を補給室に対して連通、遮
断する弁機構をピストンに設けてなるマスタシリ
ンダに関する。
〔従来の技術〕
一般に、シリンダ本体と、該シリンダ本体内に
摺動可能に挿嵌され、該シリンダ本体の底部との
間に圧力室を画成したピストンと、該ピストンの
外周側に形成され、前記シリンダ本体のサプライ
ポートを介してリザーバ内と連通する補給室と、
該補給室と圧力室との間を連通、遮断すべく、前
記ピストンに設けられた弁体と、前記シリンダ本
体の底部側に設けられたばね受と、該ばね受とピ
ストンとの間に配設され、該ピストンを戻り側に
付勢するリターンスプリングと、前記弁体に一体
的に設けられ、該リターンスプリングによりピス
トンが戻り位置にあるときに前記ばね受と係合し
て、前記弁体を開弁させるロツドと、前記ピスト
ンの外周側に設けられ、前記圧力室と補給室との
間をシールするシール部材とからなるマスタシリ
ンダは知られている。
この種のマスタシリンダでは、車両のブレーキ
操作時にピストンをリターンスプリングに抗して
シリンダ本体内で摺動させ、弁体を閉弁させるこ
とにより補給室と圧力室とを遮断すると共に該圧
力室を縮小させ、該圧力室から車輌の各ブレーキ
シリンダ等へとブレーキ液圧を供給するようにな
つている。そして、ブレーキ操作を解除したとき
には、リターンスプリングによりピストンを戻り
側へと摺動させ、ばね受とロツドとの係合によつ
て弁体を開弁させ、圧力室を補給室と再び連通さ
せるようにしている。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところで、最近の車両にあつては、ブレーキ操
作時に車輪がロツクされるのを防止すべく、ブレ
ーキシステムにアンチスキツド装置を組込むもの
が多く、このアンチスキツド装置には車輪のロツ
ク時にブレーキシリンダ内のブレーキ液をポンプ
を介して、マスタシリンダの圧力室に還流させる
型式のものがある。そして、かかる形式のアンチ
スキツド装置を備えたブレーキシステムでは、ブ
レーキペダルの踏込操作を複数回繰返すダブルブ
レーキ時等に、ピストン外周のシール部材(Uリ
ツプシール等)が撓んで、補給室から圧力室へと
ブレーキ液が流入し、これが余剰液となつてピス
トン復帰時に圧力室内に高残圧が発生し、ばね受
とロツドの係合時にも残圧によつて該ばね受を軸
方向に変位させ、弁体を閉弁状態におくことがあ
る。
このため従来技術では、ブレーキ操作の解除時
にピストンが過剰に戻つて、シール部材がサプラ
イポートの位置に達するまで前記残圧が解除され
ないことがあり、このときにシール部材がサプラ
イポートに喰われて損傷させるという欠点があ
る。
一方、実開昭62−8874号公報(以下、他の従来
技術という)では前記欠点を解消するために、シ
リンダ本体にストツパボルトを設けて、ばね受が
シリンダ本体の底部から軸方向に変位するのを規
制し、該ばね受とロツドとの係合時に弁体を強制
的に開弁させて、圧力室内の残圧を解除するよう
にしている。しかしこの場合には、弁体を強制開
弁させるときに弁体を構成するゴムバルブが外れ
たり、弁座への吸付きが発生し、弁体の寿命が低
下するばかりでなく、シリンダ本体にストツパボ
ルトを設けるための穴加工が別途必要になる等の
欠点がある。
本考案は上述した従来技術の欠点に鑑みてなさ
れたもので、本考案は圧力室内に残圧が発生し
て、シール部材がサプライポートに喰われるのを
防止でき、ストツパボルト等を不要にできるよう
にしたマスタシリンダを提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
上述した課題を解決すめために本考案が採用す
る構成の特徴は、シリンダ本体にサプライポート
よりも底部側寄りに位置してリザーバ内と連通
し、常時はシール部材により圧力室に対して遮断
される小孔を設けたことにある。
〔作用〕
上記構成により、ブレーキ操作の解除時に圧力
室内に残圧が発生してピストンが過剰に戻つたと
しても、シール部材が小孔の位置に達すると該小
孔により残圧を解除でき、シール部材がサプライ
ポートに喰われるのを防止できる。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を第1図ないし第3図に
基づいて説明する。
図において、1は有底筒状に形成されたシリン
ダ本体を示し、該シリンダ本体1には軸方向に離
間し、径方向に突出したボス部2,3が設けら
れ、該ボス部2,3にはそれぞれリザーバ4の口
部4A,4Bが装着されている。そして、該ボス
部2の底部側にはシリンダ本体1内と連通するサ
プライポート5およびリリーフポート6が穿設さ
れ、ボス部3の底部側にはシリンダ本体1内と連
通するサプライポート7および後述の小孔25が
穿設されている。また、該シリンダ本体1には後
述の圧力室A,Bから車両の各ブレーキシリンダ
(図示せず)へとブレーキ液圧を供給する吐出ポ
ート8,9が設けられている。
10,11はシリンダ本体1内に摺動可能に挿
嵌されたプライマリピストンおよびセコンダリピ
ストンを示し、該ピストン10はピストン11と
の間に第1の圧力室Aを画成し、該ピストン11
はシリンダ本体1の底部1Aとの間に第2の圧力
室Bを画成している。そして、該ピストン10,
11の外周側にはサプライポート5,7を介して
リザーバ4内とそれぞれ連通し、該リザーバ4内
のブレーキ液をシリンダ本体1内へと補給するよ
うになつた補給室C,Dが形成されている。ま
た、ピストン10の基端側には有底穴10Aが形
成され、該有底穴10A内には倍力装置等の出力
ロツド(図示せず)が挿入されるようになつてい
る。
一方、ピストン11の先端部には大径の凹部1
1Aが形成され、該凹部11Aの底面にはピスト
ン11内のT字形状の液通路11Bを介して補給
室Dと連通し、後述の弁体22によつて開、閉さ
れる弁座11Cが設けられている。12はピスト
ン11の先端側に位置し、凹部11Aに嵌着され
たリテーナを示し、該リテーナ12の中央部には
軸方向に伸長する摺動穴12Aが形成され、該摺
動穴12Aは後述のロツド21を摺動可能に支持
するようになつている。また、該リテーナ12に
は摺動穴12Aの周囲に位置して複数の液穴12
B,12B……が軸方向に穿設され、該各液穴1
2Bは凹部11A内を圧力室Bと常時連通してい
る。
13,14はピストン10にボルト15を介し
て取付けられたばね受を示し、該ばね受14はボ
ルト15に摺動可能に支持され、ピストン11の
基端側端面に当接するようになつている。16は
ばね受13,14間に配設された第1のリターン
スプリングを示し、該スプリング16はピストン
10を常時戻り側に付勢し、かつピストン11の
戻り位置を弾性的に規制するようになつている。
また、17はピストン10の外周側に設けられた
Uリツプシール等からなるシール部材を示し、該
シール部材17は圧力室Aと補給室Cとの間をシ
ールするようになつている。
18は圧力室B内に位置して、シリンダ本体1
の底部1A側に設けられたガイド筒、19は該ガ
イド筒18の外周側を取囲むように該ガイド筒1
8に固定されたばね受を示し、該ばね受19は有
底筒状に形成され、その底部側にはロツド21の
頭部21Aと係合する係合穴19Aが形成されて
いる。20は該ばね受19とリテーナ12との間
に配設された第2のリターンスプリングを示し、
該スプリング20はピストン11を戻り側に付勢
し、常時は第1のリターンスプリング16との間
でピストン11を図示の戻り位置に弾性的に保持
するようになつている。
21はリテーナ12とガイド筒18との間を軸
方向に伸長したロツドを示し、該ロツド21の先
端側にはガイド筒18内を摺動する頭部21Aが
設けられ、該頭部21Aはばね受19の係合穴1
9Aと係合することによつて、弁体22を弁座1
1Cから後述の弱ばね23に抗して開弁させるよ
うになつている。また、該ロツド21にはリテー
ナ12の摺動穴12A内に摺動可能に挿嵌された
摺動部21Bが設けられ、該ロツド21の基端側
はピストン11の凹部11A内へと突出してい
る。22はロツド21の基端側に設けられ、該ロ
ツド21と共に弁機構を構成するゴムバルブ等か
らなる弁体を示し、該弁体22はピストン11の
凹部11A内で弁座11Cに離着座し、圧力室B
と補給室Dとの間を連通、遮断するようになつて
いる。そして、該弁体22はピストン11が戻り
位置にあるときに、無効ストロークlをもつて弁
座11Cから離座するようになつている。23は
ロツド21の基端側とリテーナ12との間に設け
られ、弁体22を常時閉弁方向に付勢した弱ばね
を示している。
24はピストン11の先端側外周に設けられた
Uリツプシール等からなるシール部材を示し、該
シール部材24は第2図中に示す如く端面24A
から寸法l1の長さをもつて軸方向に伸長するリツ
プ部24Bを有し、該リツプ部24Bはシリンダ
本体1の内周面に摺接することによつて圧力室B
と補給室Dとの間をシールするようになつてい
る。
さらに、25はサプライポート7よりもシリン
ダ本体1の底部1A側寄りに位置して、該シリン
ダ本体1に径方向に穿設された小孔を示し、該小
孔25は第2図中に示す如くサプライポート7か
ら、例えばリツプ部24Bの長さ寸法l1に対応す
る寸法l2だけ離間して配設され、リザーバ4と圧
力室Bとの間を連通可能に形成されている。ここ
で、該小孔25は0.1〜0.5mm程度の小径に形成さ
れ、ピストン11が第1図、第2図中に示す如く
戻り位置にあるときには、シール部材24の端面
24Aから寸法Δlの位置に位置付けられ、この
寸法Δlは弁体22の無効ストロークlよりも小
さく(Δl<l)なる関係におかれている。そし
て、該小孔25はボス部3を介してリザーバ4内
と連通し、圧力室Bに対して常時はシール部材2
4のリツプ部24Aにより遮断されるようになつ
ている。
本実施例によるマスタシリンダは上述の如き構
成を有するもので、ブレーキ操作時には倍力装置
の出力ロツド等を介してピストン10が軸方向に
押動され、リターンスプリング16を圧縮すると
共に、ピストン11をリターンスプリング20に
抗して軸方向に摺動させる。そして、該ピストン
11が第1図に示す戻り位置から無効ストローク
l以上に摺動すると、弁体22が弱ばね23によ
り弁座11Cに着座して圧力室Bと補給室Dとの
間を遮断し、圧力室A,Bの縮小に伴い該圧力室
A,Bから吐出ポート8,9を介して車両のブレ
ーキシリンダへとブレーキ液が供給される。
また、ブレーキ操作を解除したときには、リタ
ーンスプリング16,20のばね荷重によつてピ
ストン10,11が第1図に示す戻り位置へと押
戻され、ロツド21の頭部21Aがばね受19の
係合穴19Aと係合することにより、弁体22は
弁座11Cから離座され、圧力室Bは再び補給室
D内と連通するようになる。
ところで、従来技術で述べた如くダブルブレー
キ操作の解除時に圧力室B内に高残圧が発生する
と、この残圧の作用で弁体22は弁座11Cに着
座し続けるようになり、ばね受19はガイド筒1
8と共にシリンダ本体1の底部1Aから軸方向に
離間するようになる。そして、圧力室Aはリリー
フポート6によつてリザーバ4内と連通して大気
圧状態となるから、該圧力室A側のリターンスプ
リング16は圧力室B側の残圧により圧縮され、
ピストン11は第1図に示す戻り位置よりもさら
に図中右側へと過剰に戻るようになる。
然るに本実施例では、サプライポート7よりも
底部1A側寄りに位置して、圧力室Bとリザーバ
4内とをボス部3を介して連通可能な小孔25を
シリンダ本体1に形成したから、ピストン11が
第2図の位置から第3図に示す位置へと戻つたと
きに、シール部材24のリツプ部24Bによつて
小孔25を開き、圧力室B内の残圧をリザーバ4
内へと自動的に逃がして解除でき、リツプ部24
Bの先端側がサプライポート7の位置まで達して
該サプライポート7に喰われるのを防止でき、シ
ール部材24の寿命を大幅に高めることができ
る。
また、他の従来技術の如く、ばね受19の変位
を規制するためのストツパボルトをシリンダ本体
1に設ける必要がないから、小孔25を形成する
だけで穴加工を簡略化できる上に、第3図に示す
位置で小孔25により圧力室B内の残圧を自動的
に解除して、弁体22を弁座11Cからスムーズ
に離座させることができ、該弁体22が弁座11
Cに吸付いたり、ロツド21の基端側から外れた
りするのを確実に防止できる。
なお、前記実施例では、小孔25とサプライポ
ート7との間の寸法l2をシール部材24の長さ寸
法l1と対応させるものとして述べたが、本考案は
これに限らず、シール部材24のリツプ部24B
先端側がサプライポート7に喰われるのを防止で
きればよいから、前記寸法l2をさらに小さくして
もよく、例えばシール部材24の端面24Aより
もサプライポート7側寄りに位置して小孔25を
形成してもよい。
〔考案の効果〕
以上詳述した通り、本考案によれば、サプライ
ポートよりも底部側寄りに位置してシリンダ本体
にリザーバと連通する小孔を形成し、該小孔をシ
ール部材により常時は圧力室に対して遮断するよ
うにしたから、圧力室に残圧が発生したときで
も、この残圧を小孔によりリザーバ側に逃がして
自動的に解除でき、シール部材がサプライポート
に喰われて損傷されるのを防止できると共に、ス
トツパボルト等を不要にでき、弁体の吸付きや外
れ等を防止できる等、種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例によるマスタシリンダ
を示す縦断面図、第2図は第1図中の要部拡大
図、第3図はピストンが過剰に戻つた状態を示す
第2図と同様の拡大図である。 1……シリンダ本体、4……リザーバ、5,7
……サプライポート、10……プライマリピスト
ン、11……セコンダリピストン、12……リテ
ーナ、13,14,19……ばね受、16,20
……リターンスプリング、21……ロツド、22
……弁体、24……シール部材、25……小孔、
A,B……圧力室、C,D……補給室。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. シリンダ本体と、該シリンダ本体内に摺動可能
    に挿嵌され、該シリンダ本体の底部との間に圧力
    室を画成したピストンと、該ピストンの外周側に
    形成され、前記シリンダ本体のサプライポートを
    介してリザーバ内と連通する補給室と、該補給室
    と圧力室との間を連通、遮断すべく、前記ピスト
    ンに設けられた弁体と、前記シリンダ本体の底部
    側に設けられたばね受と、該ばね受とピストンと
    の間に配設され、該ピストンを戻り側に付勢する
    リターンスプリングと、前記弁体に一体的に設け
    られ、該リターンスプリングによりピストンが戻
    り位置にあるときに前記ばね受と係合して、前記
    弁体を開弁させるロツドと、前記ピストンの外周
    側に設けられ、前記圧力室と補給室との間をシー
    ルするシール部材とからなるマスタシリンダにお
    いて、前記シリンダ本体には前記サプライポート
    よりも底部側寄りに位置して前記リザーバ内と連
    通し、常時は前記シール部材により圧力室に対し
    て遮断される小孔を設けたことを特徴とするマス
    タシリンダ。
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