JP2002292498A - 粉末充填配向装置およびそれを用いたプレス成形装置、ならびに粉末充填配向方法およびそれを用いた焼結磁石製造方法 - Google Patents
粉末充填配向装置およびそれを用いたプレス成形装置、ならびに粉末充填配向方法およびそれを用いた焼結磁石製造方法Info
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Abstract
特性が得られる、粉末充填配向装置およびそれを用いた
プレス成形装置、ならびに粉末充填配向方法およびそれ
を用いた焼結磁石製造方法を提供する。 【解決手段】 プレス成形装置10は粉末充填配向装置
14を含む。粉末充填配向装置14は、粉末mが収容さ
れる給粉箱32を含む。給粉箱32内に棒状部材50を
設け、給粉箱32の開口90に線状部材92を設ける。
給粉箱32を金型18のキャビティ28上へ移動し、給
粉箱32がキャビティ28上に位置したとき給粉箱32
内で棒状部材50を水平方向に動作させながら粉末mを
キャビティ28に充填する。キャビティ28内の粉末m
に磁場発生コイル94によって配向磁場を印加して粉末
mを配向する。キャビティ28に充填された粉末mを上
パンチ24および下パンチ22によってプレスして成形
体を得、その成形体を焼結して焼結磁石を製造する。
Description
およびそれを用いたプレス成形装置、ならびに粉末充填
配向方法およびそれを用いた焼結磁石製造方法に関し、
より特定的にはダイに形成されたキャビティに粉末を充
填するための、粉末充填配向装置およびそれを用いたプ
レス成形装置、ならびに粉末充填配向方法およびそれを
用いた焼結磁石製造方法に関する。
術が、特開平11−49101号や特開2000−24
8301号において提案されている。特開平11−49
101号の技術は、空気タッピングにより供給ホッパを
介して容器に被充填物を充填する充填方法であって、空
気タッピング後に供給ホッパと容器との両方に被充填物
が存在するようにし、その後、供給ホッパと容器との両
方に存在する被充填物のうち、容器に形成された密度が
均一な部分を、供給ホッパに残存する被充填物から分離
するようにしたものである。
金型に形成されるキャビティ上に、底部に開口を有する
給粉箱を移動させてその開口からキャビティ内に希土類
合金粉末を供給するようにした供給装置であって、給粉
箱内の底部を水平方向に平行移動する棒状部材を備え
る。そして、この棒状部材を往復運動させながら給粉箱
内の希土類合金粉末をキャビティ内に供給するものであ
る。
49101号の技術では、空気タッピングにより容器内
に被充填物を充填するため、容器内の被充填物の充填密
度が自然落下による充填時の充填密度より高くなってし
まう。たとえば、希土類合金粉末の自然落下による充填
密度は1.8g/cm3前後であるのに対して、空気タ
ッピングによる充填密度は3.4g/cm3前後とな
る。このように高密度充填された被充填物は個々の粉末
が動きづらい状態になるので、配向のためにはより強い
磁場が必要となってしまい、生産コストが高くなる。
術では、図12(a)に示すようにキャビティ1方向に
給粉箱2を移動させ、図12(b)に示すようにキャビ
ティ1上に給粉箱2が位置したとき粉末3の自重によっ
てキャビティ1内に粉末3が供給されてしまう。このと
き充填が偏り粉末3は均一に充填されない。その後、図
12(c)および(d)に示すようにシェーカー4の動
作によってキャビティ1内に粉末3が充填されるが、シ
ェーカー4によって粉末3を押し込むことによって、充
填密度を2.3g/cm3前後にまで上げ、その結果、
充填密度を均一にする。したがって、所望の配向度を得
るためには、より強い磁場が必要となる。なお、図13
にこの従来装置による給粉状態を示す。
薄い場合には、キャビティ内における充填密度むらを圧
縮によって修正しにくくなり、成形体に割れが発生する
ことがある。時には給粉箱内の粉末のかたまりがキャビ
ティにそのまま充填されて充填密度むらを発生させる。
ストで所望の配向が可能になり高い磁気特性が得られ、
かつ単重バラツキの少ない粉末充填配向装置およびそれ
を用いたプレス成形装置、ならびに粉末充填配向方法お
よびそれを用いた焼結磁石製造方法を提供することであ
る。
めに、請求項1に記載の粉末充填配向装置は、ダイに形
成されたキャビティ内に粉末を充填するための粉末充填
配向装置であって、キャビティ上に移動自在で底部に開
口を有しかつ粉末が収容される給粉箱、給粉箱内に設け
られかつ下方に向かって粉末を押込む棒状部材、給粉箱
の開口に設けられる線状部材、および給粉箱からキャビ
ティ内に充填された粉末を配向するための配向手段を備
える。
求項1に記載の粉末充填配向装置において、棒状部材と
線状部材との間隔が0.5mm以上10mm以下である
ことを特徴とする。請求項3に記載のプレス成形装置
は、請求項1に記載の粉末充填配向装置、および粉末充
填配向装置によってキャビティ内に充填された粉末をプ
レス成形するためのプレス手段を備える。
イに形成されたキャビティ内に粉末を充填するための粉
末充填配向方法であって、粉末を収容した給粉箱をダイ
のキャビティ上へ移動するステップ、給粉箱がキャビテ
ィ上に位置したとき給粉箱内で粉末を攪拌しつつ下方に
移動させ線状部材を通過させながら粉末をキャビティに
充填するステップ、およびキャビティ内の粉末に配向磁
場を印加して粉末を配向するステップを備える。
求項4に記載の粉末充填配向方法において、粉末は急冷
法によって製造されたものであることを特徴とする。請
求項6に記載の粉末充填配向方法は、請求項4に記載の
粉末充填配向方法において、線状部材の間隔が2mm以
上12mm以下であることを特徴とする。請求項7に記
載の焼結磁石製造方法は、請求項4または5に記載の粉
末充填配向方法によってキャビティに充填された粉末
を、プレス成形して成形体を得るステップ、および成形
体を焼結して焼結磁石を製造するステップを備える。
給粉箱の開口に線状部材を設けることによって、キャビ
ティ上への給粉箱の移動が完了してもキャビティ内に粉
末は重力のみによっては落下せず、その後給粉箱内の棒
状部材を動作させることによってキャビティ内に粉末を
充填できる。このとき、キャビティ内に粉末を配向しや
すい低い充填密度(たとえば1.7g/cm3〜2.1
g/cm3)でむらなく充填することができる。このよ
うに、粉末は高密度で充填されていないので個々の粉末
が動きやすく比較的低い配向磁場であっても所望の配向
を施すことができ、生産コストを抑えることができる。
また、充填密度の分布を均一にできるので、キャビティ
内の粉末を配向することによって磁気特性の高い製品が
得られる。さらに、充填密度ばらつきによる成形体の割
れも少なくなる。請求項4に記載の粉末充填配向方法に
ついても同様である。なお、給粉・充填される粉末の平
均粒径(FSSS粒径)は2.0μm〜6.0μmであ
る。
線状部材周辺の粉末の流動が促され、キャビティへ粉末
を配向に適したかさ密度で円滑に充填できる。請求項3
に記載のプレス成形装置では、上述の粉末充填配向装置
によってキャビティ内に充填された粉末を、プレスする
ことによって密度の均一性が高い成形体を得ることがで
き、密度の不均一から生じるひびや割れの発生を防止で
きる。
分布を狭くてシャープにすると、流動性が極めて悪くな
る。しかし、請求項5に記載の粉末充填配向方法では、
自然落下による充填によって粉末の流動性を向上できる
ので、粉末が急冷法で製造され粒度分布がシャープな場
合であってもキャビティ内での粉末の密度の均一性を向
上できる。また、個々の粉末を容易に運動させることが
でき、たとえば磁気異方性の高い磁石を作製できる。請
求項6に記載するように、線状部材の間隔は2mm以上
12mm以下であることが好ましい。
上述の粉末充填配向方法によってキャビティ内に充填さ
れた粉末を、プレスすることによって密度の均一性が高
い成形体を得ることができ、成形体のひびや割れの発生
を低減できる。その結果、その成形体を焼結して得られ
る焼結磁石もひびや割れによる不良発生が少なくなり、
変形も低減できるので、製造工程での歩留まりを向上で
き、焼結磁石の生産性を向上できるとともに、磁気特性
のよい焼結磁石を製造することができる。
実施形態について説明する。図1ないし図5を参照し
て、この発明の一実施形態のプレス成形装置10につい
て説明する。
および粉末充填配向装置14を含む。プレス成形部12
はダイセット16と金型18とを含む。金型18は、ダ
イ20、下パンチ22および上パンチ24を含む。ダイ
20の飽和磁化はたとえば0.05T以上1.2T以下
に設定される。ダイ20はダイセット16に嵌め込ま
れ、下パンチ22はダイ20を上下方向に貫通するダイ
ホール26に下方から嵌入自在に配置される。下パンチ
22の上端面とダイホール26の内周面とによって任意
の容積のキャビティ28が形成される。そして、上パン
チ24をキャビティ28内に没入することによって、キ
ャビティ28内に充填された粉末mが圧縮され、成形体
が得られる。
に隣接配置されるベースプレート30を含む。ベースプ
レート30上には給粉箱32が設けられ、給粉箱32は
たとえば油圧シリンダやエアーシリンダ等のシリンダ
(または電動サーボモータ)34のシリンダロッド36
によってダイ20上と待機位置とを往復移動する。給粉
箱32の待機位置近傍には、給粉箱32に粉末mを補給
するための補給装置38が設けられる。
ップ42が配置され、振動トラフ44によって少しずつ
フィーダカップ42内に粉末mが落下される。この計量
動作は給粉箱32がダイ20上に移動している間に行わ
れる。フィーダカップ42内の粉末mの重量が一定レベ
ルに達した時点でロボット46がフィーダカップ42を
把持し、給粉箱32が待機位置に戻ったときにロボット
46によってフィーダカップ42内の粉末mが給粉箱3
2に補給される。フィーダカップ42内の粉末mの量
は、1回のプレス動作に伴う給粉箱32内の粉末減少分
に相当するように設定され、給粉箱32内の粉末mの量
が常に一定量にされる。このように、給粉箱32内の粉
末mの量が一定となる結果、粉末mがキャビティ28に
重力落下するときの圧力が一定となり、キャビティ28
に充填される粉末mの量が一定となる。粉末mにはたと
えば希土類合金粉末が用いられる。
うにして作製される。まず、急冷法(冷却速度102°
C/sec以上104°C/sec以下)による合金の
作製法としてストリップキャスト法を用いて、鋳片を作
製する。ストリップキャスト法は、たとえば米国特許第
5,383,978号に開示されている。具体的には、
Nd:26wt%、Dy:5.0wt%、B:1.0w
t%、Al:0.2wt%、Co:0.9wt%、C
u:0.2wt%、残部Feおよび不可避不純物からな
る組成の合金を高周波溶解によって溶融し、合金溶湯を
形成する。この合金溶湯を1350℃に保持した後、単
ロール法によって、合金溶湯を急冷し、厚さ0.3mm
のフレーク状合金を得る。このときの急冷条件は、たと
えば、ロール周速度約1m/秒、冷却速度500℃/
秒、過冷度200℃である。
粗粉砕した後、ジェットミルを用いて窒素ガス雰囲気中
で微粉砕すれば、平均粒径が約3.5μmの合金粉末を
得ることができる。この窒素ガス雰囲気中の酸素量は1
0000ppm程度に低く抑えることが好ましい。この
ようなジェットミルは、特公平6−6728号公報に記
載されている。微粉砕時における雰囲気ガス中に含まれ
る酸化性ガス(酸素や水蒸気)の濃度を制御し、それに
よって、微粉砕後における合金粉末の酸素含有量(重
量)を6000ppm以下に調整することが好ましい。
希土類合金粉末中の酸素量が6000ppmを超えて多
くなりすぎると、磁石中に非磁性酸化物の占める割合が
増加し、最終的な焼結磁石の磁気特性が劣化してしまう
からである。
ッキングミキサー内で潤滑剤をたとえば0.3wt%添
加・混合し、潤滑剤で合金粉末粒子の表面を被覆する。
潤滑剤としては、脂肪酸エステルを石油系溶剤で希釈し
たものを用いることが好ましい。この実施形態では、脂
肪酸エステルとしてカプロン酸メチルを用い、石油系溶
剤としてはイソパラフィンを好適に用いることができ
る。カプロン酸メチルとイソパラフィンの重量比は、た
とえば1:9とすればよい。
れるわけではない。脂肪酸エステルとしては、カプロン
酸メチル以外に、たとえば、カプリル酸メチル、ラウリ
ル酸メチル、ラウリン酸メチルなどを用いても良い。溶
剤としては、イソパラフィンに代表される石油系溶剤や
ナフテン系溶剤等を用いることができる。潤滑剤添加の
タイミングは任意であり、微粉砕前、微粉砕中、微粉砕
後の何れであっても良い。上記液体潤滑剤とともに、ス
テアリン酸亜鉛などの固体(乾式)潤滑剤を用いても良
い。
内にはシェーカー(アジテータともいう)48が設けら
れる。シェーカー48は、ダイ20上面やベースプレー
ト30上面と平行に配置される複数の棒状部材50、お
よび略コ字状の複数の支持部材52を含む。棒状部材5
0は、たとえば直径3mm以上10mm以下の円形断面
を有する丸棒材であり、また角材であってもよい。棒状
部材50および支持部材52は、それぞれたとえばステ
ンレス(SUS304)からなる。この実施の形態では
棒状部材50および支持部材52がそれぞれ3つずつ用
いられ、棒状部材50の両端部近傍に支持部材52が連
結されて略四角形の3つの枠体形状に形成される。そし
て、給粉箱32の移動方向に対面する側壁54および5
6を貫通して平行に延びる2本の支持棒58に、各支持
部材52の上部が接続され、支持部材52および棒状部
材50が固定される。2本の支持棒58の両端はそれぞ
れたとえば短冊状の連結材60および62にねじ等で固
定される。側壁56の外面に取り付けられた固定金具6
4にエアシリンダ66が固定され、エアシリンダ66の
シリンダシャフト68が連結材62に固定される。した
がって、エアシリンダ66の両端にエア供給管70から
供給されるエアによってシリンダシャフト68が往復運
動することによって、シェーカー48が往復運動する。
そのため、粉末は攪拌されて、粉末中に存在するかたま
りがつぶされながら下方に移動される。往復回数は粉末
の充填量に応じて変更される。
には、給粉箱32内に窒素ガスなどの不活性ガスを供給
するためのガス供給パイプ72が設けられ、給粉箱32
内を不活性ガス雰囲気に保つように大気圧より高い圧力
で窒素ガスなどの不活性ガスが給粉箱32内に供給され
る。したがって、給粉箱32に収容された粉末が大気に
よって酸化されることを防止できる。また、シェーカー
48が往復運動するときに給粉箱32と粉末との間で摩
擦が発生しても発火することはない。給粉箱32の底面
とベースプレート30との間でも粉末が挟まったまま給
粉箱32が移動することになるが摩擦によって発火する
こともない。さらに、給粉箱32の移動にともなって給
粉箱32内の粉末同士に摩擦が発生するが、粉末が発火
することはない。
密に覆うように蓋76が設けられる。粉末mの補給時に
は粉末収容部74の上面を開口するために、蓋76をシ
リンダ66方向(図4でいえば右方向)に移動させなけ
ればならない。そのため、蓋76を開蓋駆動するための
エアシリンダ78が側壁80に設けられる。蓋76とエ
アシリンダ78とは金具82で連結され、ねじ留めされ
ている。蓋76は、給粉箱32内を通常不活性ガス雰囲
気に保つために通常は給粉箱32の粉末収容部74上に
配置され、粉末補給時のみシリンダ66方向に移動され
る。なお、給粉箱32の側壁80と対向する側壁84に
は、エアシリンダ78によって蓋76が開閉されるとき
に円滑に移動できるようにガイド手段(図示せず)が設
けられる。したがって、エアシリンダ78の両端にエア
供給管86から供給されるエアによってシリンダシャフ
ト(図示せず)が駆動され、蓋76が開閉駆動される。
ッ素樹脂製の厚み5mmの板材88がねじ留め固定さ
れ、給粉箱32を板材88を介してベースプレート30
上を摺動させるようにして、給粉箱32とベースプレー
ト30との間において粉末mの噛み込みが起きないよう
にする。
口90には複数の線状部材92が、給粉箱32の進行方
向に対して平行に張設される。開口90はキャビティ2
8の上面開口より大きく形成される。線状部材92には
直径0.15mm程度の非磁性金属材が用いられ、線状
部材92は2mm以上4mm以下の間隔で設けられる。
また、棒状部材50と線状部材92との距離が0.5m
m以上10mm以下に設定される。換言すれば、棒状部
材50の下面と線状部材92の上面との距離が0.5m
m〜10mmに設定される。ここで、線状部材92の径
および棒状部材50と線状部材92との間隔はキャビテ
ィ28の大きさに応じて調整される。
ダイセット16を挟んで一対の磁場発生コイル94が設
けられ、磁場発生コイル94の中心にパーメンジュール
等のコア95が設けられる。磁場発生コイル94に通電
することによって、キャビティ28内の粉末mに矢印B
方向のたとえば1.2Tの配向磁場が印加され、粉末m
が配向される。
いて説明する。給粉箱32の粉末収容部74にはガス供
給パイプ72から窒素ガスなどの不活性ガスが導入され
ている。この状態で、給粉箱32の蓋76が開蓋して、
ロボット46によってフィーダカップ42内の所定量の
粉末mを粉末収容部74に供給する。粉末mの供給後、
蓋76を閉じて粉末収容部74の内部を不活性ガス雰囲
気に保つ。なお、粉末収容部74への不活性ガスの導入
は、給粉箱32がキャビティ28上を移動するときだけ
でなく常時行うこととして、粉末の発火を防止する。ま
た、不活性ガスとしてはArやHeも使用できる。
て、給粉箱32をダイ20のキャビティ28上に移動さ
せ、その後、給粉箱32内の棒状部材50をたとえば5
〜15往復、水平方向に往復動させながら、給粉箱32
内の粉末を線状部材92を通過させてキャビティ28内
に不活性ガス雰囲気中で充填する。このため、発火の恐
れなどなく、極めて均一な充填密度でキャビティ28内
に粉末を供給できる。このとき、給粉箱32内の粉末は
給粉箱32がキャビティ28上に位置したときに自然落
下することなく、シェーカー48の押し込み動作によっ
てはじめて線状部材92を通過し、キャビティ28に配
向に適した密度で充填されていく。
後、給粉箱32を後退させ、その後、上パンチ24を降
下させた状態で磁場発生コイル94によって配向磁場を
発生させつつ、キャビティ28内の粉末mをプレス成形
する。この間に退去した給粉箱32に対して粉末mが補
給される。上述の操作を繰り返して粉末mのプレス作業
が連続して行われる。
図6(a)に示すようにキャビティ28方向へ給粉箱3
2を移動させ、図6(b)に示すようにキャビティ28
上への給粉箱32の移動が完了しても、給粉箱32の開
口90に設けられた線状部材92によって粉末mはブリ
ッジングを起こしているので、粉末mはキャビティ28
内に落下しない。その後、図6(c)および(d)に示
すように、給粉箱32内のシェーカー48の往復動作に
よってキャビティ28内に毎回一定量の粉末mが略均一
に充填されていく。すなわち、図7に示すようにキャビ
ティ28内に粉末mが充填されていき、キャビティ28
内に粉末mを低い充填密度(たとえば1.7g/cm3
〜2.1g/cm3)でむらなく充填することができ
る。このように、粉末mは高密度で充填されていないの
で個々の粒子が動きやすい状態にあるため、比較的低い
配向磁場であっても所望の配向を施すことができ、生産
コストを抑えることができる。また、略均一に充填でき
るので、キャビティ28内の粉末mを配向することによ
って磁気特性の高い製品が得られる。
ャビティ28上の一方端から他方端まで移動できるよう
に、シェーカー48の往復動作を設定することが望まし
い。これによって、キャビティ28内に粉末mをより均
一に充填できる。
0.5mm以上10mm以下にすることによって、線状
部材92周辺の粉末mの流動が促されキャビティ28へ
粉末mを配向に適したかさ密度で円滑に充填できる。な
お、棒状部材50と線状部材92との間隔が0.5mm
未満では、粉末が線状部材92と棒状部材50との間で
線状部材92や棒状部材50に激しく摩擦し、細い線状
部材92が摩擦によって切れてしまう恐れがある。一
方、両者の間隔が10mmを超えると、粉末を棒状部材
50の押し込み動作によって線状部材92を通過させる
ことができないので、配向に適した充填ができない。
mは、重力による落下をせず、給粉箱32内の棒状部材
50を動作させ配向しやすい低い充填密度で充填される
ことによって、磁場配向時の粉末mの流動性を向上でき
るので、粉末mが急冷法で製造される場合であってもキ
ャビティ28内での粉末mが個々に動きやすい状態にあ
り、粉末mを磁場方向へ容易に配向させることができ、
たとえば磁気異方性の高い磁石を成形できる。また、線
状部材92同士の間隔は、2mm〜12mmにするのが
好ましい。2mm未満では棒状部材50の動作では粉末
mを押し込めず、12mmを超えるとキャビティ28上
でのブリッジング力が弱いため充填密度が自然充填密度
より高くなるからである。
に充填された粉末mを、プレスすることによって密度の
均一性が高い成形体を得ることができ、密度の不均一か
ら生じるひびや割れさらに変形の発生を防止できる。
気の下で1050°Cにて2時間焼結され、さらに60
0°C、Ar雰囲気中で1時間時効処理され、焼結磁石
が得られる。このような焼結磁石もひびや割れによる不
良発生が少なくなり、かつ焼結後の変形も少なくなる。
したがって、寸法補正のための加工代を減らして製造工
程での歩留まりを向上でき、焼結磁石の生産性を向上で
きるとともに、磁気特性のよい焼結磁石を製造すること
ができる。さらに、飽和磁化が0.05T以上1.2T
以下であるダイ20を用いてプレスすることによって、
キャビティ28内の磁場強度分布が均一になり変形のな
い焼結磁石を製造できる。
は、プレス成形装置10を用いた場合と特開2000−
248301号のプレス成形装置(従来装置)を用いた
場合のそれぞれの実験結果を比較した。実験条件は表1
の通りである。
ばボイスコイルモータ用の成形体が製造され、その寸法
は80mm(長さ)×52.2mm(幅)×20mm
(高さ)、1回のプレスによって成形される個数は1個
である。プレス方式はプレス方向に対して垂直な方向
(図8(a)に矢印Sで示す)に磁場を印加しつつプレ
スする方式、給粉箱は一個取り用給粉箱であり、シェー
カーを水平方向に10往復動作させた。粉末は希土類合
金粉末(Nd−Fe−B系合金粉末)であり、ストリッ
プキャスト法によって平均粒径2μm以上5μm以下の
合金粉末を製造し、合金粉末に潤滑剤(カプロン酸メチ
ル)を添加した。図8(a)に示す成形体をさらに焼結
・時効処理し、その後切断加工して得られた焼結磁石の
うち中央の焼結磁石(図8(a)における斜線部分Pに
相当)についてのみ磁気特性を測定した。測定部位は焼
結磁石の主面とした。
2.3g/cm3程度に対して、本発明のプレス成形装
置10では1.8g/cm3程度となり所望の充填密度
で充填できる。したがって、図8(b)からわかるよう
に、製造される成形体から得られる焼結磁石について、
プレス成形装置10を用いた場合は従来装置を用いた場
合に比べて残留磁束密度Brおよび最大エネルギー積
(BH)maxが向上する。
に示すように複数のキャビティ28aが形成されるダイ
20aが用いられてもよい。この場合、図9に示すよう
に、各キャビティ28aに1つの棒状部材50aを対応
させて粉末mを充填してもよい。このとき、隣接する棒
状部材50a同士の間隔は、隣接するキャビティ28a
同士の中心間距離と略等しくすることが好ましい。この
ように構成すれば、各棒状部材50aが対応するキャビ
ティ28a上を一端側から他端側まで移動するために
は、各棒状部材50aのストロークL1はキャビティ略
1つ分で足りる。また、棒状部材50aの移動時に棒状
部材50aが他のキャビティ28a上で止まることなく
不均一な充填を防止できる。さらに、各棒状部材50a
とダイ20aとの距離を均一にすると単重バラツキが少
なく充填することができる。
28aに1つ以上(ここでは3つ)の棒状部材50bの
全てで粉末mを充填してもよい。このとき、各棒状部材
50bがすべてのキャビティ28a上を一端側から他端
側まで移動できるように、各棒状部材50bのストロー
クL2が設定される。この場合も、各棒状部材50bと
ダイ20aとの距離を均一にすると単重バラツキが少な
く充填することができる。
こでは、ダイにおいて2個のキャビティを給粉箱の進行
方向に並置するように形成し、プレス成形時に粉末を成
形する方向と粉末に磁場配向をする方向とが直交するプ
レス装置を用いて、VCM(ボイスコイルモータ)用磁
石ブロックを2個取りする実験において、図1に示す粉
末充填配向装置14を用いた場合と特開2000−24
8301号に記載の従来の粉末充填配向装置を用いた場
合のそれぞれの単重分布を比較した。実験条件として
は、製造すべき焼結体の寸法を58.6mm(長さ)×
36.9mm(幅)×18.1mm(高さ)、単重を2
17.7gとし、使用する線状部材として線径0.6m
mの線状部材を目開きが6メッシュになるように組み合
わせた金網を用い、連続150ストロークで成形体(焼
結体)を300ブロック製造した。
(b)に示すような結果が得られた。単重バラツキは従
来の9.22gから6.04gに30%程度低減され、
給粉精度が向上した。このように、キャビティが複数個
形成されるプレス成形装置にシェーカ48および線状部
材92を用いると、キャビティへの単重バラツキも従来
装置に比べ低減する。
−248301号に開示される微磁性の金型、または非
磁性体のダイのうち磁場印加方向に垂直なダイホール側
面に強磁性体のヨークを配置した金型を用いることが好
ましい。このような金型を用いることによって、キャビ
ティ28内の磁場強度を均一にすることができるので、
得られた成形体を焼結した際変形が起こらない。線状部
材92は、給粉箱32の開口90において、給粉箱32
の進行方向に対して垂直に設けられてもよく、また網目
状に形成されてもよい。
高密度で充填されないので個々の粉末が動きやすく比較
的低い配向磁場であっても所望の配向を施すことがで
き、生産コストを抑えることができる。また、充填密度
の分布を均一にできるので、キャビティ内の粉末を配向
することによって磁気特性の高い製品が得られる。
を示す斜視図である。
る。
る。
の要部を示す側面図である。
を示す斜視図である。
図である。
図である。
示す図解図であり、(b)はその実験例の結果を示すテ
ーブルである。
ある。
る。
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 ダイに形成されたキャビティ内に粉末を
充填するための粉末充填配向装置であって、 前記キャビティ上に移動自在で底部に開口を有しかつ前
記粉末が収容される給粉箱、 前記給粉箱内に設けられかつ下方に向かって前記粉末を
押込む棒状部材、 前記給粉箱の前記開口に設けられる線状部材、および前
記給粉箱から前記キャビティ内に充填された前記粉末を
配向するための配向手段を備える、粉末充填配向装置。 - 【請求項2】 前記棒状部材と前記線状部材との間隔が
0.5mm以上10mm以下である、請求項1に記載の
粉末充填配向装置 - 【請求項3】 請求項1に記載の粉末充填配向装置、お
よび前記粉末充填配向装置によって前記キャビティ内に
充填された前記粉末をプレス成形するためのプレス手段
を備える、プレス成形装置。 - 【請求項4】 ダイに形成されたキャビティ内に粉末を
充填するための粉末充填配向方法であって、 前記粉末を収容した前記給粉箱を前記ダイの前記キャビ
ティ上へ移動するステップ、 前記給粉箱が前記キャビティ上に位置したとき前記給粉
箱内で前記粉末を攪拌しつつ下方に移動させ線状部材を
通過させながら前記粉末を前記キャビティに充填するス
テップ、および前記キャビティ内の前記粉末に配向磁場
を印加して前記粉末を配向するステップを備える、粉末
充填配向方法。 - 【請求項5】 前記粉末は急冷法によって製造されたも
のである、請求項4に記載の粉末充填配向方法。 - 【請求項6】 前記線状部材の間隔が2mm以上12m
m以下である、請求項4に記載の粉末充填配向方法。 - 【請求項7】 請求項4または5に記載の粉末充填配向
方法によって前記キャビティに充填された前記粉末を、
プレス成形して成形体を得るステップ、および前記成形
体を焼結して焼結磁石を製造するステップを備える、焼
結磁石製造方法。
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- 2001-09-21 JP JP2001289849A patent/JP4701573B2/ja not_active Expired - Lifetime
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