JP2002291412A - 清澄なコーヒー抽出方法及び清澄なコーヒー抽出機 - Google Patents

清澄なコーヒー抽出方法及び清澄なコーヒー抽出機

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 清澄なコーヒーの製造方法を得る。 【解決手段】 カラム本体5に備えた下部濾材15の上
面に粉砕されたコーヒー材料Mを位置させ、このコーヒ
ー材料Mが自然に堆積した状態における上面と略一致す
る位置、あるいは、この上面から上方に僅かに離間する
位置に設定して上部濾材16をカラム本体5に支持し、
この上部濾材16を超える位置Lまでカラム本体内に熱
水、あるいは、冷水を注入してコーヒーの抽出を行い、
このように抽出したコーヒーを下部濾材15より下方位
置から取出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、清澄なコーヒー抽
出方法及び清澄なコーヒー抽出機に関し、詳しくは、比
較的多量のコーヒーの抽出を可能にする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】比較的多量のコーヒーの抽出を行う技術
として、特開昭53‐15983号公報に示されるもの
が存在し、この従来の技術は複数の抽出塔に対して抽出
媒体を流動させる順序を切換えることで、高濃度の抽出
液を連続的に採取できるよう構成したものである。又、
この従来の技術では抽出塔を構成する外筒に対して、下
端にストレーナを備えた内筒を挿入する構造を有してお
り、このストレーナが、円筒状の多孔板と、これに嵌合
する円筒状のろ過体と、底蓋等とを備えて構成され、こ
のストレーナの内部に固体原料を充填し、加熱水を注入
することにより多孔板や、ろ過体を透過した抽出液を外
筒下部の流出口から流出させるよう構成してある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】コーヒーを考えるに、
コーヒーは飲料であると同時に嗜好品であるので、カッ
プ内に注がれた状態での見た目も重要である。特に、混
濁したものは味が良好であっても見た目から敬遠される
ことも多く清澄なコーヒーが望まれている。
【0004】しかしながら、従来例のように抽出塔を用
いて多量のコーヒーの製造することを考えると、連続的
に生産することに重点が置かれ、清澄な状態での抽出を
行うことに考慮が払われていないものであった。この傾
向は公報番号を上げた技術に限らず従来から一般的に言
えることである。このことから、従来の技術で抽出した
コーヒーを清澄なものにするため、抽出されたコーヒー
を再度濾過することも行われていた。そして、このよう
に再度濾過を行うものでは濾過のためのプロセスを必要
とするばかりで無く、コスト上昇も招くものとなってい
る。
【0005】又、コーヒーが清澄でない状態(例えば混
濁した状態)に陥る理由の大きい要因として、コーヒー
材料に含まれる微粒子の多くが抽出液中に分散すること
が知られている。そこで、抽出液中にコーヒー材料の微
粒子が混入しないように、濾材のメッシュを小さくする
ことが考えられるが、濾材のメッシュをあまりに小さく
し過ぎると目詰まりが発生しやすいばかりで無く、濾過
に時間を要するものとなり現実的では無い。
【0006】更に、出願人による実験結果から、濾材の
メッシュを単純に小さくしただけでは、濁りを良好に解
消することができないことも分かった。その理由は、図
4に示すように、例えば、下部にだけ濾材15を配置
し、その上面に粉砕されたコーヒー材料Mを投入した状
態(a)で熱湯を供給した場合には、(b)に示すよう
に、コーヒー材料Mの大きい粒子が液面近くまで浮き上
がり、小さい粒子ほど、下層に位置する現象(分級現
象)が起きる。このような現象が起きた状態で抽出液を
濾材の下方に流動させて抽出液の取出しを行った場合に
は濾材15近くに存在する小さい粒子の多くが濾材15
を通過するものとなり抽出液に混入する。このような理
由から濾材のメッシュだけでは濁りを解消できないので
ある。
【0007】本発明の目的は、濾材に対してコーヒー材
料の微粒子が通過し難い条件を作り出すことによって濁
りの無い清澄なコーヒー抽出方法、及び、濁りの無い清
澄なコーヒー抽出機を合理的に構成する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
清澄なコーヒー抽出方法の特徴、作用・効果は次の通り
である。 〔特徴〕カラムに備えた下部濾材の上面に粉砕されたコ
ーヒー材料を位置させ、このコーヒー材料が自然に堆積
した状態における上面と略一致する位置、あるいは、こ
の上面から上方に設定距離だけ離間する位置に設定して
上部濾材を配置し、この上部濾材を超える位置までカラ
ム内に熱水、あるいは、冷水を注入して抽出を行い、こ
のように抽出した抽出液を下部濾材より下方位置から取
出す点にある。
【0009】〔作用・効果〕上記特徴によると、熱水、
あるいは、冷水が注入された後には、粒子の流動に伴う
分級作用が上部濾材に抑制されることによりコーヒー材
料に含まれる大きい粒子が水面近くまで浮き上がること
が無く、これより小さい粒子が大きく移動することもな
い。つまり、この抽出時にはコーヒー材料に含まれる小
さい微粒子は、それより大きい粒子に接触することによ
り移動し難い状況にあるので、この微粒子だけが下部濾
材の近くに集中する現象を抑制するものとなる。そし
て、この状況で下部濾材の下方に向けて抽出液を移動さ
せる形態で取出しても抽出液に含まれる微粒子の量を極
めて少なくできるのである。その結果、メッシュの小さ
い濾材を用いずとも、又、抽出されたコーヒーの2次的
な濾過処理を行わずとも清澄なコーヒーの抽出を行える
抽出方法が得られた。
【0010】特に、この抽出の処理の流れを説明すると
図3に示すように、カラム5内の下部濾材15の上面に
粉砕されたコーヒー材料Mを先ず投入する(a)。尚、
同図に示すコーヒー材料Mは粒径の大きいものと粒径の
小さい微粒子とが混じり合ったものとなっている。そし
て、このコーヒー材料Mの上面に接する程度の位置に上
部濾材16を配置し(b)、この後に、注水を行って上
部濾材16の上方に達するまでカラム内を水で満たして
抽出を行った場合には、前述のように微粒子が下層に集
中することが無く、この後に、下部濾材15の下方から
抽出液を取り出しても清澄なものとなる(c)。つま
り、抽出が行われる際には、上部濾材16と下部濾材と
によってコーヒー材料Mの流動が抑制されているので、
コーヒー材料Mに含まれる大きい粒径のものと、粒径の
小さい微粒子とが混合状態に維持され、抽出液の中に含
まれる微粒子の量を少なくできることが分かる。これと
は逆に、上部濾材16を用いずに抽出を行った場合には
図4(a)、(b)に示すように、コーヒー材料Mに含
まれる大きい粒子が液面近くまで浮き上がり、粒子が小
さいものほど下層になる分級現象が発生し、下層の微粒
子が濾材16を通過しやすいことも分かる。
【0011】本発明の請求項2に係る清澄なコーヒー抽
出方法の特徴、作用・効果は次の通りである。 〔特徴〕請求項1記載の清澄なコーヒー抽出方法におい
て、前記上部濾材の位置を、コーヒー材料の体積の0.
9倍に対応する位置と、コーヒー材料の体積の1.5倍
に対応する位置との間の領域内に設定してある点にあ
る。
【0012】〔作用・効果〕上記特徴における0.9と
1.5との数値の根拠は図11に示す実験結果に基づく
ものである。同図に示すように、下部濾材15に対する
上部濾材16の位置を変更して同図に示す項目について
チェックしたところ、抽出水に対する非接触箇所、クラ
ック形成の有無、水中における分級現象の有無、抽出時
間夫々に対する総合的評価からすると、上部濾材16の
位置を、コーヒー材料Mの体積の0.9倍、つまり、コ
ーヒー材料Mを僅かに圧縮することになる位置と、この
コーヒー材料Mの容積の1.5倍の体積、つまり、コー
ヒー材料Mの上方に僅かな空間を形成することになる位
置との間の領域内において有効であることが分かった。
その結果、抽出したコーヒーが清澄で抽出にも無理がな
いものとなった。
【0013】尚、図中の「非接触箇所」とは抽出時にコ
ーヒー材料中に水と接触しなかった箇所のことであり、
「クラック形成の有無」とは抽出時にコーヒー材料に大
きい間隙が形成される等の理由によって通過する水の流
速が急激に変化する現象の有無であり、「水中における
分級現象の有無」とは前述したようにコーヒー材料に含
まれる大きい粒子が浮き上がり、小さい粒子が下層に滞
留する現象の有無である。
【0014】本発明の請求項3に係る清澄なコーヒー抽
出方法の特徴、作用・効果は次の通りである。 〔特徴〕請求項1又は3項に記載の清澄なコーヒー抽出
方法において、前記抽出時においては、熱水、あるい
は、冷水の注入も、抽出した抽出液の取出しも行わない
ホールド状態を設定時間以上継続させる点にある。
【0015】〔作用・効果〕上記特徴によると、ホール
ド状態において抽出時にコーヒー材料を運動させないの
でコーヒー材料に含まれる微粒子を下部濾材の側に移動
させ難くしながら、コーヒー材料中のコーヒー成分の抽
出を可能にする。その結果、抽出されたコーヒー成分を
清澄な状態を維持できた。
【0016】本発明の請求項4に係る清澄なコーヒー抽
出機の特徴、作用・効果は次の通りである。 〔特徴〕内部の下部位置に下部濾材を配置し、内部にお
いて下部濾材より上方位置に開閉自在、あるいは、着脱
自在に上部濾材を配置するカラムを備えると共に、下部
濾材の上面に粉砕されたコーヒー材料を投入した後に、
コーヒー材料が自然に堆積した状態における上面に略一
致する位置、あるいは、コーヒー材料の上面から上方に
設定距離だけ離間する位置への前記上部濾材の配置を許
す配置手段を備え、この配置の後にカラム内に熱水、あ
るいは、冷水を供給する水供給手段と、この水で抽出さ
れた抽出液を下部濾材の下方位置から取出す取出し手段
とを備えている点にある。
【0017】〔作用・効果〕上記特徴によると、カラム
に対して配置手段によって上部濾材を配置でき、水供給
手段によってカラム内に熱水、あるいは、冷水の供給を
行え、下部濾材の下方からの取出し手段がコーヒーを取
出し得るものとなる。そして、請求項1の〔作用・効
果〕に記載したように、コーヒー材料に含まれる小さい
微粒子が、それより大きい粒子に接触することにより移
動し難い状況を作り出し、この微粒子だけが下部濾材の
近くに集中する現象を抑制し、この状況で下部濾材の下
方に向けて抽出液を移動させる形態で取出してもコーヒ
ーに含まれる微粒子の量を極めて少なくできるものにな
る。その結果、抽出時の水供給、コーヒーの取出しを容
易に行えるばかりでなく、メッシュの小さい濾材を用い
ずとも、清澄なコーヒーの抽出を行える抽出機が合理的
に構成されたのである。
【0018】本発明の請求項5に係る清澄なコーヒー抽
出機の特徴、作用・効果は次の通りである。 〔特徴〕請求項4記載の清澄なコーヒー抽出機におい
て、前記上部濾材の位置を、下部濾材の上面にコーヒー
材料を投入した後に、コーヒー材料の体積の0.9倍に
対応する位置と、コーヒー材料の体積の1.5倍に対応
する位置との間の領域内に設定してある点にある。
【0019】〔作用・効果〕上記特徴によると、請求項
2の〔作用・効果〕に記載したように、実験結果から有
効な位置に上部濾材を配置することが可能となる。その
結果、抽出したコーヒーが清澄で抽出にも無理がない。
【0020】本発明の請求項6に係る清澄なコーヒー抽
出機の特徴、作用・効果は次の通りである。 〔特徴〕請求項4又は5に記載の清澄なコーヒー抽出機
において、上部濾材を超える位置までカラム内に熱水、
あるいは、冷水の注入を行って抽出を開始した後には、
設定時間以上経過した後に抽出口から抽出液の取出しを
行わせる制御装置を備えている点にある。
【0021】〔作用・効果〕上記特徴によると、請求項
3の〔作用・効果〕に記載したものと同様に、抽出時に
コーヒー材料を運動させないのでコーヒー材料に含まれ
る微粒子を下部濾材の側に移動させ難くしながら、コー
ヒー材料中のコーヒー成分の抽出を可能にする制御を制
御装置によって行える。その結果、コーヒー成分を充分
に抽出したものでありながら清澄な状態を維持する自動
制御が可能となった。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1、及び、図2に示すように、
縦向き姿勢となる筒状のカラムハウジング1の上端に上
部開口1Aを形成すると共に、この開口1Aに対してク
ランプ2Aの操作で着脱自在となる蓋体2を備え、この
カラムハウジング1の上部に熱水(冷水でも良い)の供
給部3を形成し、下端に抽出液の取出し部4を形成し、
又、このカラムハウジング1に嵌め込まれるカラム本体
5の下端近くに抽出用のコーヒー材料Mを貯留する抽出
部Eを配置してある。前記熱水の供給部3に対して熱水
タンク8から熱水を供給する供給管路9を形成し、この
供給管路9に電磁式の供給弁FV(水供給手段の一例)
を備え、前記取出し部4から抽出液(コーヒー)を貯留
タンク10送る抽出管路11を形成し、この抽出管路1
1に電磁式の抽出弁EV(取出し手段の一例)を備え、
更に、熱水タンク8の温度制御と、供給弁FV、及び、
抽出弁EVを制御する制御装置Cを備えてコーヒー抽出
装置が構成されている。
【0023】前記制御装置Cはマイクロプロセッサーを
備え、コントロールパネルCPからの入力された信号に
基づいて任意の処理を行うよう構成され、熱水タンク8
の熱水の温度を計測する温度センサSからの信号が入力
し、熱水タンク8のヒータ8Hを制御する電力制御部1
2に制御信号を出力し、供給弁FV、及び、抽出弁EV
に制御信号を出力する信号系を備えている。
【0024】前記抽出部Eは、カラム本体5にの下端位
置に備えた下部濾材15と、この下部濾材15より上方
位置でカラム本体5の内部に着脱自在に備えられる上部
濾材16とを備えて構成されている。又、上部濾材16
の位置を、下部濾材15の上面に粉砕されたコーヒー材
料Mを投入した際において、このコーヒー材料Mが自然
に堆積した状態における上面と略一致する位置にセット
してある。下部濾材15は300メッシュに設定され、
リング状の保持部材15Aに外周を支持された状態でカ
ラム本体5の下端位置に固設されている。上部濾材16
は300メッシュに設定され、リング状の保持部材16
Aに外周を支持され、中央位置にロッド材で成る係合部
材16Bを備えている。
【0025】又、上部濾材16の位置は、作用の項で説
明したように、下部濾材15の上面に粉砕されたコーヒ
ー材料Mを投入した際において、このコーヒー材料Mの
体積の0.9倍に対応する位置と、コーヒー材料の体積
の1.5倍に対応する位置との間の領域(0.9〜1.
5倍)内の何れかの位置が有効であるが、好ましくは、
コーヒー材料Mが自然に堆積した状態における上面と略
一致する位置、つまり、コーヒー材料Mの体積の1.0
倍の位置と、このコーヒー材料の体積の1.46倍に対
応する示す位置との間の領域(1.0〜1.46倍)内
にあることが望ましい。尚、下部濾材15は80メッシ
ュ程度のものを使用しても実用上差し支えない。
【0026】そして、この上部濾材16は、その保持部
材16Aをカラム本体5に形成された段状部5Aとの上
面に対して自重で接することにより、その位置に保持
(固定)される。つまり、この上部濾材16は下部濾材
15の上面に対してコーヒー材料Mを投入した後には、
カラム本体5の内部に落とし込むだけで図1に示す位置
に保持されるものとなっている。そして、この上部濾材
16を取り外す場合には係合部材16Bに棒状部材等の
先端に備えた鉤状物を係合させ、引き上げる操作を行う
ことによって取り外せるものとなっている。
【0027】又、制御装置Cは図5のフローチャート、
及び、図6に模式的に示す「抽出処理」のうち抽出工程
を自動的に行うことで清澄なコーヒーの抽出を行えるよ
うプログラムがセットされている。
【0028】つまり、その工程(「抽出処理」)では、
カラム本体5の抽出部Eに粉砕されたコーヒー材料Mを
投入する作業を行い、このコーヒー材料Mの上面に接す
る位置に上部濾材16を配置し、このカラム本体5をカ
ラムハウジング1内にセットし、上部開口1Aを蓋体2
で閉塞する(#01〜#04ステップ)。この工程は作
業者が行うものであり、予備工程と称する。この予備工
程は図6において(a)〜(c)に対応する。
【0029】前述のように予備工程が終了すると、前記
コントロールパネルCPから処理開始の情報を入力する
ことにより、供給弁FVを開放操作して必要とする量の
熱水をカラムハウジング1内に供給(加水)して、上部
濾材16上方でカラムハウジング1の上部に近いレベル
Lに達するまで熱水を満たす。このように熱水が供給さ
れると同時にタイマ(ソフトウエアで構成されている)
を作動させて時間経過の計測を開始する。この時間はコ
ーヒー材料Mや熱水の温度に基づいて設定されるもので
あり、1回抽出の場合にはタイマの設定時間が6分〜7
分程度に設定される。そして、このように設定された時
間が経過するまで熱水の供給も抽出液の取出しも行わず
静粛なホールド状態を維持してコーヒーの抽出を行い、
この時間が経過した時点で、制御装置Cが抽出弁EVを
開放して抽出液(コーヒー)を貯留タンク10に取出す
ものとなっている(#05〜#08ステップ)。この抽
出工程は図6において(d)〜(f)に対応する。
【0030】このように上部濾材16を備えた状態で抽
出を行う点が本発明の特徴であるが、本発明の有効性を
示す資料として、この上部濾材16を備えずに同様の処
理によって抽出を行った抽出液との濁りの比較結果を図
7に示した。つまり、この濁りの比較は、上部濾材16
を備えた状態で抽出した抽出液と、上部濾材16を用い
ずに抽出した抽出液とを純水で希釈することによって液
濃度(BRIX)の値を等しくした状態で、分光光度計
を用いて720nm(ナノメータ)の波長における吸光
度によって濁りを判別したものであり、同図から判るよ
うに、何れの波長においても上部濾材16を備えた状態
で抽出した抽出液の濁りが少ないことが読み取れる。な
お、420nm(ナノメータ)の波長における吸光度に
よって褐色度を判別した結果、コーヒー本来の褐色度に
は影響を与えていないことが読みとれる。
【0031】前述したように抽出を行う際には、加水
(熱水を注入)した状態で設定された時間だけ熱水を流
動させないようにホールドする処理が採用されている
が、熱水の加水を複数回行い、この注入の後にもホール
ドを行うことの有効性を示す資料を以下に示す。この資
料は図8のように、上部濾材16を備えた状態と、上部
濾材16を備えない状態とにおいて、3度の加水で抽出
を行ったもの(抽出工程1)と、1度の加水で抽出を行
ったもの(抽出工程2)との濁りを比較できるものにし
ている。濁りの判別を行うための手法は前述した図7の
ものと変わるところが無いが、同図において「収率」と
はコーヒー材料Mの重量を100とした場合において抽
出液に含まれる成分の重量を示している。同図から判る
ように、上部濾材16を備えた状態で抽出した抽出液の
方が、上部濾材16を備えないものと比較して濁りが少
なく、収率が高いことが読み取れ、又、抽出工程1と、
抽出工程2との比較では、720nm(ナノメータ)に
おいて抽出工程1における抽出液の濁りが少なく、か
つ、高い収率が得られることが読み取れる。
【0032】又、本発明の構成の抽出装置では、上部濾
材16を備えることにより、下部濾材15のメッシュを
小さくすることも可能であり、その有効性を示す資料を
以下に示す。この資料は図9のように、下部濾材15に
300メッシュ(MESH)のものと、80メッシュ
(MESH)のものとを用いたものにおいて、300メ
ッシュ(MESH)の上部濾材16を配置した場合と配
置しない場合での抽出液の濁りを比較できるものにして
いる。濁りの判別を行うための手法は前述した図7のも
のと変わるところが無く、図中に示す抽出工程と、抽出
条件に基づいている。同図から判るように何れの波長に
おいても上部濾材16を備えた状態で抽出した抽出液の
方が、上部濾材16を備えないものと比較して濁りが少
なく、収率が高いことが読み取れ、又、下部濾材15に
80メッシュのものを用いても数値的には大きい差を生
じないことが読み取れる。
【0033】本発明の構成の抽出装置では、上部濾材1
6を備えることにより、抽出液に含まれる油脂成分を少
なくして、期間経過に伴って表面に油脂が浮上する現象
を解消できるものにしており、その資料を以下に示す。
図10に示すように、この資料から読み取れるように、
上部濾材16を備えて抽出を行った抽出液は、25°C
の環境で25日を経過した後にも油脂がほとんど浮上し
ないことが読み取れる。
【0034】このように、本発明は、上部濾材を、その
位置を設定して備えるだけの改良によって抽出液に対す
る微粒子の混入を少なくして濁りのない清澄なコーヒー
を抽出できるものとなったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】コーヒー抽出機の構成図
【図2】上部濾材の支持構造を示す斜視図
【図3】本発明の抽出時のコーヒー材料の状態を順次示
す模式図
【図4】従来の抽出時のコーヒー材料の状態を順次示す
模式図
【図5】抽出処理のフローチャート
【図6】抽出処理の流れを順次示す模式図
【図7】抽出液の濁りの数値で表した図
【図8】抽出時にホールドを行う処理での濁りを数値で
表した図
【図9】下部濾材のメッシュを変更して行った抽出液の
濁りを数値で表した図
【図10】抽出液の油脂成分浮上を数値で表した図
【図11】上部濾材の位置の評価を示す図
【符号の説明】
5 カラム 15 下部濾材 16 上部濾材 M コーヒー材料 FV 水供給手段 FE 取出し手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江藤 友則 大阪府高槻市辻子3丁目1番4号 ユーシ ーシー上島珈琲株式会社R&Dセンター内 Fターム(参考) 4B004 AA12 BA22 BA34 CA02 4B027 FB21 FB24 FC03 FQ07 FQ11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラムに備えた下部濾材の上面に粉砕さ
    れたコーヒー材料を位置させ、このコーヒー材料が自然
    に堆積した状態における上面と略一致する位置、あるい
    は、この上面から上方に設定距離だけ離間する位置に設
    定して上部濾材を配置し、この上部濾材を超える位置ま
    でカラム内に熱水、あるいは、冷水を注入して抽出を行
    い、このように抽出した抽出液を下部濾材より下方位置
    から取出す清澄なコーヒー抽出方法。
  2. 【請求項2】 前記上部濾材の位置を、コーヒー材料の
    体積の0.9倍に対応する位置と、コーヒー材料の体積
    の1.5倍に対応する位置との間の領域内に設定してあ
    る請求項1記載の清澄なコーヒー抽出方法。
  3. 【請求項3】 前記抽出時においては、熱水、あるい
    は、冷水の注入も、抽出した抽出液の取出しも行わない
    ホールド状態を設定時間以上継続させる請求項1又は2
    記載の清澄なコーヒー抽出方法。
  4. 【請求項4】 内部の下部位置に下部濾材を配置し、内
    部において下部濾材より上方位置に開閉自在、あるい
    は、着脱自在に上部濾材を配置するカラムを備えると共
    に、下部濾材の上面に粉砕されたコーヒー材料を投入し
    た後に、コーヒー材料が自然に堆積した状態における上
    面に略一致する位置、あるいは、コーヒー材料の上面か
    ら上方に設定距離だけ離間する位置への前記上部濾材の
    配置を許す配置手段を備え、この配置の後にカラム内に
    熱水、あるいは、冷水を供給する水供給手段と、この水
    で抽出された抽出液を下部濾材の下方位置から取出す取
    出し手段とを備えている清澄なコーヒー抽出機。
  5. 【請求項5】 前記上部濾材の位置を、下部濾材の上面
    にコーヒー材料を投入した後に、コーヒー材料の体積の
    0.9倍に対応する位置と、コーヒー材料の体積の1.
    5倍に対応する位置との間の領域内に設定してある請求
    項4記載の清澄なコーヒー抽出機。
  6. 【請求項6】 上部濾材を超える位置までカラム内に熱
    水、あるいは、冷水の注入を行って抽出を開始した後に
    は、設定時間以上経過した後に抽出口から抽出液の取出
    しを行わせる制御装置を備えている請求項4又は5記載
    の清澄なコーヒー抽出機。
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