JP2002289414A - 複合磁性体、シート状物品の製造方法、複合磁性体の製造方法 - Google Patents

複合磁性体、シート状物品の製造方法、複合磁性体の製造方法

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JP2002289414A JP2001345308A JP2001345308A JP2002289414A JP 2002289414 A JP2002289414 A JP 2002289414A JP 2001345308 A JP2001345308 A JP 2001345308A JP 2001345308 A JP2001345308 A JP 2001345308A JP 2002289414 A JP2002289414 A JP 2002289414A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 EMC規格を満たす上で問題となる100〜
400MHzのノイズ減衰効果の優れた、厚さの薄い
(例えば0.4mm以下の)複合磁性体及びその製造方
法等を提供する。 【解決手段】 軟磁性金属相2と、軟磁性金属相2の間
に介在する絶縁相3とで複合磁性体1を構成する。ここ
で、軟磁性金属相2は、表面に絶縁膜が形成された扁平
状軟磁性金属粉を圧接接合して構成される。また、絶縁
膜が絶縁相3を構成するようにした。複合磁性体1によ
れば、複合磁性体1に対する軟磁性金属相2の占積率を
50%以上とすることができる。また、複合磁性体1
を、厚さが5μm〜0.4mmのシート状とすることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波領域の電磁
ノイズ対策部品に用いる複合磁性体およびその製造方法
等に関する。
【0002】
【従来の技術】パソコン、ゲーム機器あるいは携帯情報
端末に代表されるデジタル電子機器をはじめとする電子
装置は、回路の高周波化、高性能化に伴い高密度化が進
行しており、受動素子が半導体素子などノイズを放射す
る能動素子の影響を受けやすくなっている。従来、この
対策として、フェライトコアや準マイクロ波帯に対応す
る電波吸収体が利用されているが、電子機器の小型化に
伴い、ノイズ対策部品の小型化、薄型化、高性能化が要
求されている。
【0003】一方、EMC規格を満たすために、100
〜400MHz近傍でのノイズ規格を満たすことが重要
課題となっており、この帯域に対応した電波吸収体や小
型EMI対策部品の需要が拡大している。特開平200
0−4097号公報には、扁平磁性粉を焼鈍処理して残
留応力を低減させた後に面内方向に配向させ、有機結合
剤のガラス転移温度Tg以上の温度においてシート面に
垂直の方向に加圧することにより、共鳴周波数の低周波
化をはかり100MHz以下の周波数で高い透磁率を達
成し得る複合磁性シートの製造方法が開示されている。
しかしながら、このような有機結合剤と扁平磁性粉の複
合磁性体シートの透磁率は、100MHzで高々20程
度であり、高透磁率を得るのは困難である。
【0004】特開平11−74140号公報には、扁平
状の軟磁性粉を用い、押し出し成型により板状に成型す
ることを特徴とする圧粉磁心の製造方法が開示されてい
る。この方法では、扁平状軟磁性粉が押し出し方向に配
向するために透磁率を高くできる利点があるが、厚さが
0.4mmよりも薄いシートを製造しようとすると、狭
ノズルから押し出すと同時にテンションを加えて引き取
って薄くする必要があり、高透磁率化が困難になる。即
ち、狭ノズルからの押し出しの際に引き取れるだけの柔
軟性を付与するために樹脂量を多くして、押し出し温度
での粘性を下げる必要があり、このため磁性粉の充填量
が減少して高透磁率が得られない。
【0005】押し出しによらず、印刷積層法やドクター
ブレード法により薄くする方法も開示されている。特開
平11−176680号公報に開示されているのは、ア
スペクト比が5〜40である扁平状の軟磁性金属粉とバ
インダーとを用いて印刷積層法によって500μm以下
のシートを作製し、このシートを10mm以下に重ねて
さらに加圧成型し打ち抜いて磁心とする方法である。し
かし、この方法を用いても溶剤以外に多量の有機バイン
ダーを使用するため、軟磁性金属粉の占積率を十分高く
することが困難である。また、特開2000−2436
15号公報は、扁平状軟磁性粉と結合剤、溶媒からなる
スラリー状の混和物から成膜を行う複合磁性体の製造方
法が開示されており、該方法において、応力歪みを除去
した扁平状軟磁性粉に再び応力歪みを加えないよう複合
磁性体を製造することを特徴としているが、このように
扁平粉自体に変形応力を加えない方法では、材料の占積
率を大きくすることは困難であるうえ、樹脂の硬化収縮
による応力発生は原理的に避けることができないなどの
欠点を有している為、100MHz付近の高周波で高い
透磁率を得ることが期待できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術は、いずれ
も扁平状軟磁性金属粉の残留応力を小さくした後、成型
工程において、該扁平状軟磁性金属粉に過大な応力が加
わらないよう配慮することに重点がおかれた技術、思想
に基づくものであり、このような技術思想では実質的に
金属粉の占積率を大きくできないうえ、成型体の残留応
力が小さくならないという二重の欠点を有しており、高
周波における複素透磁率の向上に限界があった。本発明
は、この問題点を解決し、高周波、とくにEMC規格を
満たす上で問題となる100〜400MHzのノイズ減
衰効果の優れた、厚さの薄い(例えば0.4mm以下
の)複合磁性体及びその製造方法等を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的のもと、本発
明は、軟磁性金属相と、軟磁性金属相の間に介在する絶
縁相とからなる複合磁性体であって、複合磁性体は、表
面に絶縁膜が形成された扁平状軟磁性金属粉が圧接接合
され、絶縁膜が絶縁相を構成し、かつ扁平状軟磁性金属
粉が軟磁性金属相を構成することを特徴とする複合磁性
体を提供する。本発明に係る複合磁性体によれば、複合
磁性体に対する軟磁性金属相の占積率を50%以上とす
ることができる。本発明において、扁平状軟磁性金属粉
の圧接接合された後の厚さが0.1〜1μmであること
が望ましい。また、本発明によれば、複合磁性体を、厚
さが5μm〜0.4mmのシート状とすることができ
る。本発明における複合磁性体において、絶縁膜は、酸
化物または窒化物を含むことが望ましい。そして、この
酸化物または窒化物は、ペルヒドロポリシラザンが転化
して形成されていることが望ましい。また、本発明にお
ける複合磁性体は、少なくともその表面に樹脂から構成
される補強層が形成されているものとすることができ
る。
【0008】さらに本発明は、層状の軟磁性金属相と、
軟磁性金属相の間に介在する絶縁相とからなるシート状
の複合磁性体であって、その厚さが5μm〜0.4m
m、軟磁性金属相の厚さが0.1〜1μm、複合磁性体
に占める軟磁性金属相の占積率が50%以上であること
を特徴とする複合磁性体を提供する。本発明に係る複合
磁性体によれば、100MHzにおける複素透磁率の実
数部分を30以上とすることができる。また、本発明
は、表面に酸化物または窒化物からなる絶縁膜が形成さ
れた扁平状軟磁性金属粉が層状に積層された磁性体本体
と、扁平状軟磁性金属粉同士を結合する補強組成物とを
備えたことを特徴とする複合磁性体を提供する。ここ
で、補強組成物は、磁性体本体の外表面に膜状に形成さ
れた樹脂膜とすることができる。また、補強組成物は、
磁性体本体の内部において扁平状軟磁性金属粉同士を結
合する樹脂組成物であってもよい。さらに本発明は、厚
さ0.1〜1μmの扁平状軟磁性金属粉が塑性変形して
密にからみ合い、塑性変形した個々の扁平状軟磁性金属
粉間に絶縁材を有することを特徴とする複合磁性体をも
提供する。この複合磁性体において、絶縁材に酸化物又
は窒化物を含み、扁平状軟磁性金属粉の占積率を50%
以上とすることができる。
【0009】また本発明は、シート状物品を製造する方
法であって、扁平状軟磁性金属粉の表面に絶縁膜を形成
する絶縁膜形成工程と、表面に前記絶縁膜が形成された
扁平状軟磁性金属粉を堆積した状態で加圧力を付与する
ことによって前記扁平状軟磁性金属粉同士を接合する接
合工程とを備えることを特徴とするシート状物品の製造
方法を提供する。この接合工程において、扁平状軟磁性
金属粉が塑性変形されることが望ましい。また、本発明
に係るシート状物品の製造方法において、40〜120
μmの範囲に分級された、表面に絶縁膜が形成された扁
平状軟磁性金属粉を接合工程に供することができる。こ
の範囲に分級された軟磁性金属粉を用いることにより、
磁気特性に優れたシート状物品を得ることができる。本
発明において、接合工程により得られたシート状生成物
表面に樹脂層を形成する樹脂コート工程をさらに備える
ことが望ましい。
【0010】さらに本発明は、扁平状軟磁性金属粉と絶
縁材料を混合絶縁処理する絶縁処理工程と、混合により
絶縁を施した扁平状軟磁性金属粉を基板上に堆積させた
後に圧延し配向させてシート状にする圧延配向工程と、
圧延配向工程にて得られたシート状生成物を熱処理して
扁平状軟磁性金属粉の残留歪を緩和する熱処理工程とを
備えることを特徴とする複合磁性体の製造方法を提供す
る。絶縁材料として無機系ポリマーのペルヒドロポリシ
ラザンを用いることが有効である。また、カップリング
剤を絶縁材料として用いることもできる。さらに、シリ
カゾル、チタニアゾル、マグネシアゾル、アルミナゾ
ル、粉ガラス、ボロンナイトライド等の無機絶縁体に含
まれる1種または2種以上を絶縁材料としてもよい。本
発明に係る複合磁性体の製造方法において、絶縁処理工
程の前に、扁平状軟磁性金属粉に歪み取り熱処理を施す
ことが有効である。また、シート状物品の熱処理工程で
の熱処理温度を400〜800℃とし、かつ熱処理雰囲
気を不活性ガス、窒素又は水素とすることが望ましい。
本発明に係る複合磁性体の製造方法によれば、シート状
生成物の厚さを5μm〜0.4mmとすることができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、表面に絶縁膜が形成さ
れた扁平状軟磁性金属粉が圧接接合され、絶縁膜が絶縁
相を構成し、かつ扁平状軟磁性金属粉が軟磁性金属相を
構成することを特徴としている複合磁性体を提供する。
図1に、扁平状軟磁性金属粉(軟磁性金属相)2の表面
に絶縁膜(絶縁相)3が形成された複合磁性体(シート
状物品)1を模式的に示す。はじめに、軟磁性金属相2
を構成する扁平状軟磁性金属粉について説明する。扁平
状軟磁性金属粉は、パーマロイ(Fe−Ni合金)、ス
ーパーパーマロイ(Fe−Ni−Mo合金)、センダス
ト(Fe−Si−Al合金)、Fe−Si合金、Fe−
Co合金、Fe−Cr合金、Fe−Cr −Si合金等
であり、そのアスペクト比は10〜200、より望まし
くは10〜150であることが好ましい。扁平状軟磁性
金属粉の厚さ(圧延前の厚さ)は0.1〜1μmとする
ことが望ましい。扁平状軟磁性金属粉の厚さを0.1μ
m未満とすることは製造上困難であり、取り扱いも難し
くなる。また、扁平状軟磁性金属粉の厚さが1μmを超
えると、高周波での磁気特性の低下を招くことになるの
で好ましくない。また、扁平状軟磁性金属粉を圧接接合
しても、厚さはほとんど変化しない。よって、扁平状軟
磁性金属粉が圧接接合された後の厚さも0.1〜1μm
の範囲となる。
【0012】次に、絶縁相3を構成する絶縁膜について
説明する。図1に示したように、扁平状軟磁性金属粉の
全表面に均一に絶縁膜が形成されていることが理想的で
はあるが、扁平状軟磁性金属粉の表面に絶縁膜が形成さ
れていない部分があっても圧接接合後に絶縁相3として
機能しうる程度の絶縁膜が形成されていればよい。扁平
状軟磁性金属粉と絶縁材料を混合し、所定の処理を加え
ることにより、扁平状軟磁性金属粉の表面に絶縁膜が形
成される。絶縁材料としては、無機ポリマー系のペルヒ
ドロポリシラザンが好ましく、シラン系やチタネート系
カップリング剤、無機絶縁体であるシリカゾル、チタニ
アゾル、マグネシアゾル、アルミナゾル、粉末ガラス、
ボロンナイトライド等を絶縁材料として用いることもで
き、これらをペルヒドロポリシラザンと組み合わせて用
いてもよい。
【0013】図2は、本実施の形態に係る複合磁性体1
の製造工程を示す図である。まず、粉砕工程において、
平均粒径数10μmの軟磁性金属のアトマイズ粉をトル
エン等の有機溶媒中、例えば撹拌ミルを用いて粉砕し、
厚さ0.1〜1μm、アスペクト比10〜200の扁平
状軟磁性金属粉を得る。粉砕工程後、熱処理工程に移
る。この熱処理工程では、扁平状軟磁性金属粉を不活性
ガス、窒素あるいは水素中で例えば600℃で60分の
熱処理を行う。これにより、軟磁性金属粉を扁平化する
ための粉砕工程による歪みが除去されるとともに、粉砕
中に軟磁性金属粉中に混入した酸素及び炭素が除去され
る。この熱処理工程は必須のものではないが、扁平状軟
磁性金属粉は歪みが小さい方が好ましいため、後述する
絶縁処理工程に先立って扁平状軟磁性金属粉に熱処理を
施し、扁平状軟磁性金属粉の歪みを除去しておくことが
望ましい。
【0014】次いで、絶縁処理工程(絶縁膜形成工程)
に移る。この工程では、扁平状軟磁性金属粉と絶縁材料
(液状又は微細粉)とを混合し、所定の方法で絶縁膜を
合成して絶縁処理粉、つまり扁平状軟磁性金属粉表面に
絶縁膜が形成された粉末を作製する。この絶縁処理工程
は、絶縁材料の種類に応じて処理の方法が異なる。以
下、絶縁材料がペルヒドロポリシラザンの場合、カ
ップリング剤(シラン系、チタネート系等)の場合、
その他の酸化物ゾル、BN(ボロンナイトライド)の場
合についてそれぞれの処理の方法を述べる。
【0015】絶縁材料がペルヒドロポリシラザンの場
合には、混合装置を用いて扁平状軟磁性金属粉とペルヒ
ドロポリシラザンを混合する。混合後、例えば大気中又
は窒素中300℃、60分保持で熱処理を行う。ペルヒ
ドロポリシラザンは、大気中で熱処理するとSiO
2へ、窒素中で熱処理するとSi34へ転化する。 絶縁材料がカップリング剤(シラン系、チタネート系
等)の場合には、湿式処理法を用いて金属粉表面を被覆
する。湿式処理は、溶剤で50〜100倍に希釈したカ
ップリング剤の中で扁平状軟磁性金属粉を撹拌混合しな
がら、溶剤を飛ばして表面処理を行う方法である。 絶縁材料がその他の酸化物ゾル、BNの場合には、混
合装置を用いて扁平状軟磁性金属粉と絶縁材料を直接混
合(乾式混合)する。
【0016】続いて、圧延配向工程(接合工程)に移
る。圧延配向工程では、絶縁膜が形成された扁平状軟磁
性金属粉(絶縁処理粉)同士が圧接接合される。具体的
には、絶縁処理粉を篩でふるいながらほぼ均等に基板上
に堆積させ、圧延ロールを通過させて圧延し、基板に平
行な向きに絶縁処理粉を配向させる(圧延配向工程)。
この工程により、厚さ5μm〜0.4mmの磁性シート
を得ることができる。この磁性シートに対し、必要に応
じて打ち抜き加工を施してもよい(打ち抜き加工工
程)。圧延配向工程では、基板表面から3mm以上上方
に位置する篩等の保持容器から絶縁処理粉を自由落下さ
せ、絶縁処理粉を面内配向させた上で圧延を行うことに
より、圧延後の配向度を改善することができる。また、
篩のメッシュサイズを適宜選択して絶縁処理粉の粒度を
変更することによって、最終的に得られる複合磁性体の
磁気特性を任意の範囲に設定することが可能である。篩
のメッシュサイズの好ましい範囲は、20〜120μm
である。より望ましい範囲は40〜120μm、さらに
望ましい範囲は53〜106μmである。
【0017】磁性シートの厚さを5μm〜0.4mmと
するのは以下の理由に基づく。すなわち、シートの厚さ
が5μmよりも薄い場合は、焼結により高周波で充分大
きな透磁率が得られるため、本発明による複合磁性体の
必要性が小さい。一方、シートの厚さが0.4mmを超
えると、筺体内部に配置されているケーブルのシール
ド、携帯情報端末内部あるいは液晶のバックライトを配
置するような狭い空間近傍に複合磁性体を使用すること
が困難となる。よって、シートの厚さは5μm〜0.4
mmとする。より望ましいシートの厚さは、10μm〜
0.2mmである。シートの厚さをこの範囲とすること
により、成形が容易となり、かつ高周波で高い透磁率を
得ることができる。
【0018】なお、圧延を例にして圧延配向工程(接合
工程)を説明したが、この工程は圧延に限られるもので
はない。扁平状軟磁性金属粉が塑性変形する程度の加圧
力を付与するものであれば、プレス加工等、他の加圧成
形の方法を用いてもよいが、加圧の点で圧延が最も望ま
しい。
【0019】次いで、打ち抜き加工された磁性シートに
熱処理を施し、扁平状軟磁性金属粉の塑性変形後の残留
歪を緩和する(熱処理工程)。扁平状軟磁性金属粉の著
しい酸化を避けるため、熱処理雰囲気をAr等不活性ガ
ス雰囲気中、窒素または水素雰囲気中とすることが好ま
しい。また、熱処理温度は400〜800℃の範囲とす
る。熱処理温度が400℃未満では残留歪の緩和効果が
少なく、一方、熱処理温度が800℃を超えると扁平状
軟磁性金属粉表面に形成された絶縁膜の絶縁機能が損な
われる。なお、熱処理時間は1時間程度とすればよい。
【0020】以上の工程を経ることにより、本実施の形
態に係る、厚さ5μm〜0.4mmのシート状の複合磁
性体(シート状物品)1が得られる。
【0021】さて、図2に示した製造工程において、熱
処理工程後に樹脂コート工程をさらに備えることができ
る。樹脂コート工程は複合磁性体1の強度を高めるため
に行われるものであり、複合磁性体1表面(あるいは内
部)に樹脂層を形成する工程である。樹脂コート工程に
おいて用いる樹脂としては、ブチラール系、アクリル
系、エチルセルロース系、ポリプロピレン系、スチレン
−ブタジエン系、ポリブチレン系等の熱可塑性樹脂が好
ましい。複合磁性体1表面に樹脂層を形成するにあたっ
ては、複合磁性体1を樹脂に含浸したり、複合磁性体1
にスプレーで樹脂を噴霧する等の方法を適宜採用するこ
とができる。複合磁性体1を熱可塑性樹脂に含浸する場
合には、熱可塑性樹脂をトルエン,エタノール,アセト
ン等の溶液で希釈して樹脂溶液を調整し、この樹脂溶液
中に複合磁性体1を3〜20分程度含浸させればよい。
【0022】なお、樹脂が複合磁性体1内部に含浸され
て、結果的に複合磁性体1表面に樹脂層が形成されない
場合もあるが、この場合においても複合磁性体1内部に
おいて樹脂が扁平状軟磁性金属粉同士を結合させるよう
機能するため、複合磁性体1の強度を高めることができ
る。また、樹脂以外のものを用いて複合磁性体1の強度
を高めてもよい。
【0023】本実施の形態に係る複合磁性体1の磁気特
性は測定工程で行う。測定結果は実施例のところで述べ
る。
【0024】次に、図3を用いて本実施の形態に係る複
合磁性体1の扁平状軟磁性金属粉の占積率について説明
する。図3(A)、(B)は本実施の形態に係る複合磁
性体1の拡大断面図、図3(C)、(D)は従来の複合
磁性体の拡大断面図である。図3(C)に示す従来の複
合磁性体は、扁平状軟磁性金属粉と樹脂(塩素化ポリエ
チレン)とから構成されている。また、図3(D)に示
す従来の複合磁性体は、扁平状軟磁性金属粉とウレタン
樹脂、BN粉の混合粉をプレス成型したものである。図
3(C)、(D)に示した従来の複合磁性体において、
扁平状軟磁性金属粉の占積率を調べたところ、その占積
率(体積%)は高々40%であった。
【0025】一方、図3(A)、(B)に示した本実施
の形態に係る複合磁性体1において、扁平状軟磁性金属
粉の占積率を調べたところ、図3(A)では占積率87
%、図3(B)では占積率78%であった。この結果か
ら、本実施の形態に係る複合磁性体1によれば、扁平状
軟磁性金属粉の占積率を50%以上とすることが可能で
あり、さらには扁平状軟磁性金属粉の占積率を50〜9
5%程度とすることも可能であると推測される。扁平状
軟磁性金属粉の占積率の望ましい範囲は60〜90%、
さらに望ましい範囲は70〜85%である。扁平状軟磁
性金属粉の占積率が50%未満になると、磁気特性が低
下してしまう。一方、扁平状軟磁性金属粉の占積率が9
5%を超えると、成形性が低下してしまう。本実施の形
態に係る複合磁性体1は、軟磁性金属相2、すなわち、
扁平状軟磁性金属粉の占積率が50%以上であるため、
磁気特性が良好である。なお、本実施の形態において、
扁平状軟磁性金属粉の占積率は、扁平状軟磁性金属粉表
面のシリコンオキサイドも考慮して算出した値である。
【0026】本実施の形態の複合磁性体1の断面を観察
すると、厚さ0.1〜1μmの扁平状軟磁性金属粉が塑
性変形していること、扁平状軟磁性金属粉が層状に積層
されていることが確認された。また、個々の扁平状軟磁
性金属粉は、酸化物あるいは窒化物で絶縁された構造に
なっていた。つまり、本実施の形態の複合磁性体1は、
層状の軟磁性金属相2の間に絶縁相3が介在している構
造となっていることが確認された。そして、本実施の形
態の複合磁性体1は、小さな反磁界と小さな渦電流を同
時に達成し得る構造となっており、本実施の形態の複合
磁性体1によれば、100MHzにおいて従来の複合磁
性体よりも著しく大きな複素透磁率を実現することが可
能である。
【0027】
【実施例】以下、本発明の複合磁性体1及びその製造方
法を実施例で詳述する。
【0028】(実施例1)図2の工程図に説明したよう
に、軟磁性金属粉として水アトマイズによる平均粒径約
20μmの4Moパーマロイ粉(80Ni−4Mo−1
Si−bal.Fe(mol%))を、溶媒にトルエン
を用いた媒体撹拌ミル中で粉砕扁平化し、平均粒径約4
0μm、厚さ0.2〜0.6μm、アスペクト比30〜
120の扁平状軟磁性金属粉(以下、適宜、「扁平状
粉」という。)とした。粉の平均粒子径は、光散乱を利
用した粒度分布計(日機装(株)製マイクロトラック粒
度分布計)により測定した。次に前記金属粉を扁平化す
るための粉砕による歪みを取るため、及び粉砕中に粉に
混入した酸素、炭素を除くために水素中、600℃で6
0分の熱処理を行った。絶縁材料としてはペルヒドロポ
リシラザン(東燃ポリシラザンL110、20重量%
(wt%)キシレン溶液)を用いた。ペルヒドロポリシ
ラザン20重量%キシレン溶液の扁平状Moパーマロイ
粉に対する添加量を、2,3,4,5重量%と変化させ
た。そして、扁平状Moパーマロイ粉とペルヒドロポリ
シラザンを混合機(ライカイ器、卓上ニーダー等)を用
い、室温で30分混合した。その後、大気中、300℃
で60分間保持し、ペルヒドロポリシラザンをSiO
に転化し、扁平状Moパーマロイ粉の表面に絶縁膜を形
成した。
【0029】次に、絶縁処理された前記扁平状粉をステ
ンレス基板の上方10mmの位置にある篩(目開き;1
25μm以下)でふるいながらほぼ均等にステンレス基
板上に堆積させた。このステンレス基板をロール径50
mmの2段冷間圧延ロールを通過させて圧延し、各扁平
状粉を前記基板に平行な向きに配向させ、厚さ約20μ
mのシート状にした。このシート状生成物をトロイダル
形状に打ち抜き、窒素雰囲気中600℃で60分熱処理
して塑性変形後の扁平状粉の残留歪を緩和した後、ワン
ターン法で複素透磁率(実数部:μ’、虚数部:
μ’’)の周波数依存性を測定した。代表例として、3
重量%ペルヒドロポリシラザン添加の試料No.2のμ
−周波数曲線を、絶縁処理無しの比較例1のμ−周波数
曲線と共に図4に示す。また、2,3,4,5重量%添
加の試料について、100MHzにおける複素透磁率
(実数部:μ’、虚数部:μ’’)の値を表1に示す。
さらに、ペルヒドロポリシラザンの絶縁処理の際、大気
中の他に窒素中でも行っており、その結果も表1に示
す。
【0030】
【表1】
【0031】表1および図4に示すように、ペルヒドロ
ポリシラザンで絶縁処理した複合磁性体の試料No.1
〜5は、100MHzにおいて50以上のμ’、40以
上のμ’’を示している。一方、絶縁処理を施していな
い比較例1は、100MHzにおいてμ’が9、μ’’
が12と、ともに不十分な値を示している。また、ペル
ヒドロポリシラザンの絶縁処理を窒素中で行った試料N
o.5とペルヒドロポリシラザンの絶縁処理を大気中で
行った試料No.3の複素透磁率を比較すると、試料N
o.3の方が良好な値を示すことが確認された。
【0032】次いで、試料No.3の複素透磁率(実数
部:μ’、虚数部:μ’’)の周波数依存性を、同様の
形状に打ち抜いた従来の樹脂複合シートと比較した結果
を図5に示す。なお、試料No.3は、実施例1で最も
特性の良かった試料(ペルヒドロポリシラザンキシレン
溶液が扁平状軟磁性金属粉に対して4重量%の試料)で
ある。図5に示す樹脂複合シート(1)は扁平状軟磁性
金属粉を40体積%含有し、樹脂複合シート(2)は扁
平状軟磁性金属粉を30体積%含有するものである。図
5を見ると、試料No.3は、従来の樹脂複合シートに
比べ著しく大きな複素透磁率を示すことが確認できる。
また、試料No.3を樹脂に含浸して断面観察を行った
結果、図3(B)に示したように、圧延処理により塑性
変形した扁平状軟磁性金属粉同士が層状に積層されてい
る構造(ちなみに占積率78%)が観察された。
【0033】(実施例2)軟磁性金属粉として水アトマ
イズによる平均粒径約30μmの2Moパーマロイ粉
(80Ni−2Mo−bal.Fe(mol%))を用
い、上記実施例1と同様な方法で平均粒子径約50μ
m、厚さ0.1〜0.8μm、アスペクト比10〜15
0の扁平状粉とした。更に同様な手順で絶縁処理を行
い、冷間圧延ロールを通過させ、圧延、配向処理を行
い、厚さ約20μmのシート状生成物を作製した。但
し、添加したペルヒドロポリシラザン20重量%キシレ
ン溶液は扁平状粉に対して4重量%,5重量%の試料を
作製した。ペルヒドロポリシラザン溶液4重量%添加試
料に関してはシート状生成物をトロイダル形状に打ち抜
き、窒素中、300℃、600℃、900℃で60分熱
処理後、複素透磁率 (実数部:μ’、虚数部:
μ’’)を評価した。結果を表2および図6に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2および図6に示すように、600℃で
熱処理した試料(試料No.6)は良好な特性を示す
が、900℃で熱処理した場合(比較例3)は、絶縁機
能を失うため周波数特性が著しく劣化する。また、30
0℃で熱処理した場合(比較例2)は温度が低すぎて、
シート状に圧延、配向処理したことに伴う扁平状粉の残
留歪の緩和が不十分であると認められる。したがって、
熱処理には適した範囲があるといえる。より詳細に検討
した結果、絶縁材料の濃度、材質により若干範囲は異な
るが、400〜800℃、特に好ましくは450〜70
0℃の熱処理温度範囲が効果的であることが確認され
た。5重量%ペルヒドロポリシラザン溶液添加の試料に
関しても同様にトロイダル形状に打ち抜きし、熱処理を
行った。熱処理温度600℃の値のみ、試料No.7と
して表2に併せて示す。
【0036】表2を見ると、試料No.6(熱処理温
度:600℃)はμ’が70、μ’’が68と、ともに
良好な値を示す。一方、絶縁材料の添加量が試料No.
6と同じである比較例2(熱処理温度:300℃)は
μ’が7、μ’’が9と、比較例3(熱処理温度:90
0℃)はμ’が7、μ’’が12と、試料No.6の1
/5程度の複素透磁率を示した。また、熱処理温度が6
00℃である試料No.7についても、上述の試料N
o.6と同様に、良好な複素透磁率を示した。以上の結
果から、熱処理温度を400〜800℃とすることによ
り、複合磁性体1の磁気特性を向上させることができる
といえる。
【0037】(実施例3)実施例1と同様な方法で作製
した平均粒径約40μmの扁平状4Moパーマロイ粉を
用い、この扁平状4Moパーマロイ粉と絶縁材料として
のBN、シリカゾルとを混合して絶縁処理後、上記実施
例1と同様の方法で冷間圧延ロールを通過させ、圧延、
配向処理して厚さ約30μmのシート状とした。このシ
ート状生成物をトロイダル形状に打ち抜き、これを窒素
中650℃で60分熱処理後、複素透磁率(実数部:
μ’、虚数部:μ’’)を評価した。配合比及び得られ
た結果を表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】試料No.8と、実施例1で作製した比較
例1の磁気特性を比較すると、試料No.8の方が約3
倍高い複素透磁率を示す。ところが、試料No.8と、
実施例1で作製した試料No.1〜4の磁気特性を比較
すると、試料No.1〜4の方が良好な複素透磁率を示
していることがわかる。以上の結果から、絶縁材料とし
てペルヒドロポリシラザンが好適であることがわかっ
た。
【0040】(実施例4)実施例1と同様な扁平状4M
oパーマロイ粉を用い、絶縁材料をシランカップリング
剤、チタネートカップリング剤に変化させて上記実施例
1と同様の方法で冷間圧延し、約25μmのシート状生
成物を得、トロイダル形状に打ち抜いた。その後、熱処
理を行い、試料の100MHzにおける複素透磁率を測
定した。結果を、配合比、熱処理条件と共に表4に示
す。カップリング剤による絶縁処理は公知の湿式法で行
った。
【0041】
【表4】
【0042】表4を見ると、試料No.9、10は、
μ’が30以上、μ’’が40以上と、ともに良好な値
を示している。よって、シラン系のカップリング剤、チ
タネート系のカップリング剤についても絶縁材料として
好適に用いることができることがわかった。
【0043】(実施例5)さらに、実施例1と同様な扁
平状4Moパーマロイ粉を用い、絶縁処理をペルヒドロ
ポリシラザンで行いさらにシリカゾルと混合し、実施例
1と同様の方法で冷間圧延し約25μmのシート状にし
た。このシート状生成物を打ち抜き、その後、熱処理し
た試料の100MHzにおける複素透磁率を測定した。
結果を配合比、熱処理条件と共に表5に示す。また、図
5に示した樹脂複合シート(1)、樹脂複合シート
(2)の100MHzにおける複素透磁率の値について
も表5に併せて示す。
【0044】
【表5】
【0045】表5を見ると、従来の樹脂複合シートの比
較例4、5に比べて試料No.11は著しく優れた複素
透磁率(実数部:μ’、虚数部:μ’’)を示すことが
わかる。よって、絶縁処理をペルヒドロポリシラザンで
行いさらにシリカゾルと混合する方法も有効であること
が確認された。
【0046】(実施例6)軟磁性金属粉として水アトマ
イズによる平均粒径約30μmの2Moパーマロイ粉を
用い、上記実施例1と同様な方法で平均粒子径約130
μm、厚さ0.1〜0.8μm、アスペクト比10〜1
50の扁平状粉とした。更に、ペルヒドロポリシラザン
20重量%キシレン溶液を扁平状粉に対して4重量%添
加して絶縁処理を行った。次いで、絶縁処理を施した扁
平状粉(絶縁処理粉)を種々のメッシュサイズを有する
篩を用いて以下のように9種類の分級粉を得た。これら
の分級粉を冷間圧延ロールを通過させ、圧延、配向処理
を行い、厚さ約20μmのシート状生成物を作製した。
このシート状生成物をトロイダル形状に打ち抜き、窒素
中、500℃で60分熱処理後、複素透磁率 (実数
部:μ’、虚数部:μ’’)を測定した。その結果を図
7に示す。 分級粉(μm):20〜32、32〜38、38〜4
5、45〜53、53〜63、63〜75、75〜9
0、90〜106、106アンダー(under)
【0047】図7に示すように、扁平状粉の分級サイ
ズ、つまり粒度によって磁気特性が変化する。例えば、
20〜45μmの分級粉を用いた場合には、100MH
zにおけるμ’を30〜60程度とすることができる。
また、45〜106μmの分級粉を用いた場合には、1
00MHzにおけるμ’を60以上とすることができ
る。特に、63〜106μmの分級粉を用いた場合に
は、100MHzにおけるμ’が80以上になることが
注目される。また、45〜106μmの分級粉を用いた
場合には、100MHzにおけるμ’’についても60
以上という良好な値を示すことが確認された。以上の結
果から、扁平状粉の粒度を40〜120μm程度とする
ことにより、磁気特性の良好な複合磁性体1を得ること
ができることがわかった。
【0048】(実施例7)軟磁性金属粉として水アトマ
イズによる平均粒径約30μmの2Moパーマロイ粉を
用い、上記実施例1と同様な方法で平均粒子径約130
μm、厚さ0.1〜0.8μm、アスペクト比10〜1
50の扁平状粉とした。更に、ペルヒドロポリシラザン
20重量%キシレン溶液をこの扁平状粉に対して4重量
%添加して絶縁処理を行った。次いで、絶縁処理を施し
た扁平状粉をメッシュサイズ38μm、63μmの篩で
分級した。これらの分級粉を冷間圧延ロールを通過さ
せ、圧延、配向処理を行い、厚さ約20μmのシート状
にした。そして、シート状生成物をトロイダル形状に打
ち抜き、窒素中、500℃で60分熱処理後、複素透磁
率 (実数部:μ’、虚数部:μ’’)を測定した。な
お、比較例として、軟磁性金属粉として水アトマイズに
よる平均粒径約50μmの2Moパーマロイ粉をそのま
ま用いた以外は上記との同様の工程により厚さ約20μ
mのシート状生成物を得て、やはり同様に磁気特性を測
定した。その結果を図8に示す。なお、比較例によるシ
ート状生成物を観察すると、圧延後も水アトマイズによ
る不定形状の粉末の状態が維持されていることが確認さ
れた。
【0049】図8に示すように、1〜10MHzにおい
て、扁平状粉を用いた場合には、非扁平状粉を用いた場
合の4〜5倍のμ’を示す。100MHzにおいては、
非扁平状粉を用いた場合のμ’が20近傍の値を示して
いるのに対し、扁平状粉を用いた場合にはμ’が40以
上の値を示した。また、扁平状粉を用いた場合には
μ’’の立ち上がりおよびピーク値が非扁平状粉を用い
た場合よりも高周波側にシフトすることが確認された。
以上の結果から、扁平状粉を用いることによって磁気特
性が大幅に改善された複合磁性体1を得ることができる
ことがわかった。
【0050】(実施例8)軟磁性金属アトマイズ粉とし
て水アトマイズによる平均粒径約30μmの2Moパー
マロイ粉を用い、上記実施例1と同様な方法で平均粒子
径約130μm、厚さ0.1〜0.8μm、アスペクト
比10〜150の扁平状粉とした。更に、ペルヒドロポ
リシラザン20重量%キシレン溶液を扁平状粉に対して
4重量%添加して絶縁処理を行った。次に絶縁処理され
た前記扁平状粉をステンレス基板の上方10mmの位置
にある篩(目開き;106μm以下)でふるいながらほ
ぼ均等にステンレス基板上に堆積させてロール径50m
mの2段冷間圧延ロールを通過させて圧延し、各扁平状
粉を前記基板に平行な向きに配向させ、厚さ約20μm
のシート状にした。このシート状生成物をトロイダル形
状に打ち抜き、窒素中、500℃で60分の熱処理を施
した。続いて、10種類の熱可塑性樹脂(樹脂A〜J)
をそれぞれトルエンで5重量%になるように調整し、1
0種類の樹脂溶液を作製した。この樹脂溶液を用いて、
シート状の複合磁性体に樹脂コート処理を行った(シー
ト状の複合磁性体を樹脂溶液中に15分間浸漬した後、
室温で乾燥した)。その後行った強度試験の結果を図9
に示す。
【0051】図9に示すように、樹脂コート処理した試
料No.13〜22は、応力、伸びともに樹脂コート処
理していない試料No.12の値を上回っている。特
に、ブチラール系、アクリル系の樹脂含浸を行った試料
No.15、17〜19、21は、応力については試料
No.12の2.5〜5倍の値を示し、伸びについては
試料No.12の1.5〜4.5倍の値を示した。以上
の結果から、複合磁性体1に樹脂コート処理を施すこと
によって、複合磁性体1の強度を向上させることができ
ることがわかった。また、コートされた樹脂は、複合磁
性体1を構成する扁平状軟磁性金属粉同士を結合してい
ることが確認された。
【0052】また、試料No.12と、試料No.13
〜22の磁気特性を比較したところ、いずれも同等の磁
気特性を示したことから、複合磁性体1に樹脂コート処
理を施した場合においても磁気特性は変化しないといえ
る。さらに、試料No.13〜22の厚さを測定したと
ころ、一部の試料は試料No.12の厚さと同じ厚さを
示した。つまり、複合磁性体1内部に空隙が存在するた
めに、樹脂がその空隙に含浸されたことを示唆してい
る。
【0053】以上本発明の実施の形態及び実施例につい
て説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく
請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能
なことは当業者には自明であろう。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高周波領域、とくにEMC規格を満たす上で問題となる
100〜400MHzの周波数領域で従来の磁性体と樹
脂の複合シートよりも高い複素透磁率を有し、シート状
に0.4mm以下の厚さとすることも同時に満たし得る
ため、EMI対策部品を小型化することができる。本発
明の複合磁性体は、例えば、ケーブルのシールド、携帯
情報端末内部あるいは液晶のバックライトを配置するよ
うな狭い空間近傍に好適に使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 扁平状軟磁性金属粉(軟磁性金属相)の表面
に絶縁膜(絶縁相)が形成された状態を示す模式図であ
る。
【図2】 本発明の実施の形態に係る製造工程図であ
る。
【図3】 本発明に係る複合磁性体の拡大断面を従来の
複合磁性体と対比して示し、(A)は本発明(占積率8
7%)の複合磁性体の拡大断面図、(B)は本発明(占
積率78%)の複合磁性体の拡大断面図、(C)は従来
の扁平状軟磁性金属粉と樹脂(塩素化ポリエチレン)か
らなる複合磁性体の拡大断面図、(D)は扁平状軟磁性
金属粉とウレタン樹脂、BN粉の混合粉をプレス成型し
た複合磁性体の拡大断面図である。
【図4】 本発明の実施例1に係る、ペルヒドロポリシ
ラザン溶液3重量%を用いた厚さ20μmの複合磁性体
試料の複素透磁率の周波数依存性を、扁平状軟磁性金属
粉の絶縁処理の無い場合と対比して示すグラフである。
【図5】 本発明の実施例1に係る、ペルヒドロポリシ
ラザン溶液4重量%を用いた厚さ20μmの複合磁性体
試料の複素透磁率の周波数依存性を、従来の樹脂複合シ
ートの場合と対比して示すグラフである。
【図6】 本発明の実施例2に係る、ペルヒドロポリシ
ラザン溶液4重量%を用いた厚さ20μmの複合磁性体
試料の複素透磁率の周波数依存性を、熱処理温度を変え
て示すグラフである。
【図7】 本発明の実施例6に係る、9種類の分級粉を
用いて作製した複合磁性体試料の複素透磁率の周波数依
存性を示すグラフである。
【図8】 本発明の実施例7に係る、扁平状粉を用いた
複合磁性体試料の複素透磁率の周波数依存性を、非扁平
状粉を用いた場合と対比して示すグラフである。
【図9】 本発明の実施例8に係る、樹脂コート処理を
施したシート状の複合磁性体の強度試験の結果を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1・・・複合磁性体(シート状物品)、2・・・軟磁性金属相
(扁平状軟磁性金属粉)、3・・・絶縁相(絶縁膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E040 AA00 BC01 CA13 HB11 NN01 5E041 AA00 BC01 CA01 CA10 HB11 NN01 5E321 BB32 BB53 BB60 GG11

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟磁性金属相と、 前記軟磁性金属相の間に介在する絶縁相とからなる複合
    磁性体であって、 前記複合磁性体は、 表面に絶縁膜が形成された扁平状軟磁性金属粉が圧接接
    合され、 前記絶縁膜が前記絶縁相を構成し、かつ前記扁平状軟磁
    性金属粉が前記軟磁性金属相を構成することを特徴とす
    る複合磁性体。
  2. 【請求項2】 前記複合磁性体に対する前記軟磁性金属
    相の占積率が50%以上であることを特徴とする請求項
    1に記載の複合磁性体。
  3. 【請求項3】 前記扁平状軟磁性金属粉の圧接接合され
    た後の厚さが0.1〜1μmであることを特徴とする請
    求項1または2に記載の複合磁性体。
  4. 【請求項4】 厚さが5μm〜0.4mmのシート状で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    複合磁性体。
  5. 【請求項5】 前記絶縁膜は、酸化物または窒化物を含
    むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複
    合磁性体。
  6. 【請求項6】 前記酸化物または窒化物は、ペルヒドロ
    ポリシラザンが転化して形成されたことを特徴とする請
    求項5に記載の複合磁性体。
  7. 【請求項7】 前記複合磁性体は、少なくともその表面
    に樹脂から構成される補強層が形成されていることを特
    徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の複合磁性体。
  8. 【請求項8】 層状の軟磁性金属相と、 前記軟磁性金属相の間に介在する絶縁相とからなるシー
    ト状の複合磁性体であって、 その厚さが5μm〜0.4mm、 前記軟磁性金属相の厚さが0.1〜1μm、 前記複合磁性体に占める前記軟磁性金属相の占積率が5
    0%以上であることを特徴とする複合磁性体。
  9. 【請求項9】 100MHzにおける複素透磁率の実数
    部分が30以上であることを特徴とする請求項8に記載
    の複合磁性体。
  10. 【請求項10】 表面に酸化物または窒化物からなる絶
    縁膜が形成された扁平状軟磁性金属粉が層状に積層され
    た磁性体本体と、 前記扁平状軟磁性金属粉同士を結合する補強組成物と、
    を備えたことを特徴とする複合磁性体。
  11. 【請求項11】 前記補強組成物は、前記磁性体本体の
    外表面に膜状に形成された樹脂膜であることを特徴とす
    る請求項10に記載の複合磁性体。
  12. 【請求項12】 前記補強組成物は、前記磁性体本体の
    内部において前記扁平状軟磁性金属粉同士を結合する樹
    脂組成物であることを特徴とする請求項10に記載の複
    合磁性体。
  13. 【請求項13】 厚さ0.1〜1μmの扁平状軟磁性金
    属粉が塑性変形して密にからみ合い、該塑性変形した個
    々の扁平状軟磁性金属粉間に絶縁材を有することを特徴
    とする複合磁性体。
  14. 【請求項14】 前記絶縁材に酸化物又は窒化物が含ま
    れ、前記扁平状軟磁性金属粉の占積率が50%以上であ
    ることを特徴とする請求項13に記載の複合磁性体。
  15. 【請求項15】 シート状物品を製造する方法であっ
    て、 扁平状軟磁性金属粉の表面に絶縁膜を形成する絶縁膜形
    成工程と、 表面に前記絶縁膜が形成された前記扁平状軟磁性金属粉
    を堆積した状態で加圧力を付与することによって前記扁
    平状軟磁性金属粉同士を接合する接合工程と、を備える
    ことを特徴とするシート状物品の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記接合工程において、前記扁平状軟
    磁性金属粉は、塑性変形されることを特徴とする請求項
    15に記載のシート状物品の製造方法。
  17. 【請求項17】 40〜120μmの範囲に分級され
    た、表面に絶縁膜が形成された前記扁平状軟磁性金属粉
    を、前記接合工程に供することを特徴とする請求項15
    または16に記載のシート状物品の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記接合工程により得られたシート状
    生成物表面に樹脂層を形成する樹脂コート工程をさらに
    備えることを特徴とする請求項15〜17のいずれかに
    記載のシート状物品の製造方法。
  19. 【請求項19】 扁平状軟磁性金属粉と絶縁材料を混合
    絶縁処理する絶縁処理工程と、 混合により絶縁を施した扁平状軟磁性金属粉を基板上に
    堆積させた後に圧延し配向させてシート状にする圧延配
    向工程と、 前記圧延配向工程で得られたシート状生成物を熱処理し
    て前記扁平状軟磁性金属粉の残留歪を緩和する熱処理工
    程と、を備えることを特徴とする複合磁性体の製造方
    法。
  20. 【請求項20】 前記絶縁材料が無機系ポリマーのペル
    ヒドロポリシラザンであることを特徴とする請求項19
    に記載の複合磁性体の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記絶縁材料がカップリング剤である
    請求項19に記載の複合磁性体の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記絶縁材料がシリカゾル、チタニア
    ゾル、マグネシアゾル、アルミナゾル、粉ガラス、ボロ
    ンナイトライド等の無機絶縁体に含まれる1種または2
    種以上である請求項19に記載の複合磁性体の製造方
    法。
  23. 【請求項23】 前記絶縁処理工程の前に、前記扁平状
    軟磁性金属粉に歪み取り熱処理を施す請求項19〜22
    のいずれかに記載の複合磁性体の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記シート状生成物の熱処理工程での
    熱処理温度が、400〜800℃であり、かつ熱処理雰
    囲気が不活性ガス、窒素又は水素である請求項19〜2
    3のいずれかに記載の複合磁性体の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記シート状生成物の厚さが5μm〜
    0.4mmである請求項19〜24のいずれかに記載の
    複合磁性体の製造方法。
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