JPH0993034A - 複合磁性体及びその製造方法ならびに電磁干渉抑制体 - Google Patents

複合磁性体及びその製造方法ならびに電磁干渉抑制体

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JPH0993034A
JPH0993034A JP7244096A JP24409695A JPH0993034A JP H0993034 A JPH0993034 A JP H0993034A JP 7244096 A JP7244096 A JP 7244096A JP 24409695 A JP24409695 A JP 24409695A JP H0993034 A JPH0993034 A JP H0993034A
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magnetic
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栄▲吉▼ ▲吉▼田
Eikichi Yoshida
Mitsuharu Sato
光晴 佐藤
Hidekuni Sugawara
英州 菅原
Hiroshi Shimada
島田  寛
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Tokin Corp
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    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H05K9/0081Electromagnetic shielding materials, e.g. EMI, RFI shielding
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 渦電流による透磁率特性の劣化を抑止し高い
実部透磁率を実現しつつ、高周波透磁率特性を広い範囲
で制御することの出来る複合磁性体及びその製造方法、
ならびに移動体通信機器をはじめとする高周波電子機器
類内部での電磁波の干渉抑制に有効な薄厚の電磁干渉抑
制体を提供すること。 【解決手段】 磁歪定数λがゼロでない値をもち扁平状
に加工された軟磁性体粉末であって、加工後のその平均
厚さが所望の複合磁性体の使用周波数における表皮深さ
よりも小さく、誘電体層として少なくともその表面に酸
化膜層をもつ軟磁性体粉末を用い、更に焼鈍処理を組み
合わせることで高周波透磁率特性を広い範囲で制御可能
とした複合磁性体を提供し、更に残留歪み量の異なる複
数の前記複合磁性体を用いることで高周波電子機器類内
部での電磁波の干渉抑制に有効な電磁干渉抑制体を提供
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波領域に於い
て優れた複素透磁率特性を有する複合磁性材料と、その
一応用事例である電磁波吸収体に関し、詳しくは、高周
波電子回路/装置に於いて問題となる電磁干渉の抑制に
有効な複素透磁率特性の優れた複合磁性体と、及びその
製造方法ならびに電磁干渉抑制体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタル電子機器をはじめ高周波
を利用する電子機器類の普及が進み、中でも準マイクロ
波帯域を使用する移動通信機器類の普及がめざましい。
それに伴ない、インダクタンス部品や電波吸収体に用い
られる軟磁性体材料にも高周波への対応が求められてい
る。
【0003】加えて、その用途が携帯電話機等の小型、
軽量な通信機器の場合には軟磁性体への要求特性に、軽
量、肉薄、堅牢等が追加される。
【0004】軟磁性材料の高周波を阻む主な要因の一つ
は、渦電流損失であり、その低減手段として、表皮深さ
を考慮した薄膜化及び高電気抵抗化が挙げられ、前者の
例としては、磁性体層と誘電体層を交互に積層製膜した
ものが挙げられ、また後者の代表としては、高電気抵抗
のNi−Zn系フェライトを挙げることができる。
【0005】準マイクロ波帯域における軟磁性体の用途
は、前述のインダクタンス部品及び電波吸収体が主であ
り、インダクタンス部品には実部透磁率μ’が用いら
れ、電波吸収体には、虚数部透磁率μ”が用いられる。
しかしながら、インダクタンス部品には高いQ値が要求
される場合が多いものの、準マイクロ波帯域では必要な
インダクタンスが極めて小さな値となる為に、磁心材料
としての用途は限られている。
【0006】一方、虚数部透磁率μ”を用いる電波吸収
体としての用途は、高周波機器類の普及と共に拡大しつ
つある。
【0007】例えば、携帯電話に代表される移動体通信
機器には、とりわけ小型化・軽量化の要求が顕著であ
り、電子部品の高密度実装化が最大の技術課題となって
いる。従って、過密に実装された電子部品類やプリント
配線あるいはモジュール間配線等が互いに極めて接近す
ることになり、更には、信号処理速度の高速化も図られ
ている為、静電結合及び/又は電磁結合による線間結合
の増大化や放射ノイズによる干渉などが生じ、機器の正
常な動作を妨げる自体が少なからず生じている。
【0008】このようないわゆる電磁障害に対して従来
は、主に導体シールドを施す事による対策がなされてき
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、導体シ
ールドは、空間とのインピーダンス不整合に起因する電
磁波の反射を利用する電磁障害対策である為に、遮蔽効
果は、得られても不要輻射源からの反射による電磁結合
が助長され、その結果二次的な電磁障害対策として、磁
性体の磁気損失、即ち虚数部透磁率μ”を利用した不要
輻射の抑制が有効である。
【0010】即ち、前記シールド体と不要輻射源の間に
磁気損失の大きい磁性体を配設する事で不要輻射を抑制
することが出来る。
【0011】ここで、磁性体の厚さdは、μ”>μ’な
る関係を満足する周波数帯域にてμ”に反比例するの
で、前述した電子機器の小型化・軽量化要求に迎合する
薄い電磁干渉抑制体即ち、シールド体と吸収体からなる
複合体を得るためには、虚数部透磁率μ”の大きな磁性
体が必要となる。また、前述した不要輻射は、多くの場
合その成分が広い周波数範囲にわたっており、電磁障害
に係る周波数成分の特定も困難な場合が少なくない。従
って、前記電磁干渉抑制体についてもより広い周波数の
不要輻射に対応できるものが望まれている。
【0012】懸る要求に対応すべく透磁率の高周波特性
に優れ、任意の広い周波数範囲にて磁気損失体として機
能する磁性体、即ち、低周波数領域にて、μ’の値が大
きく、更に、μ”>μ’なる周波数領域に於いて、μ”
が任意の広い周波数範囲に亘って大きな値を示す様な磁
性体の検討を行った。
【0013】その結果として、本発明者らは、以前に、
形状異方性を有する軟磁性体粉末において磁気共鳴によ
り発現すると思われる数十MHzから数GHzに亘る磁
気損失を利用する電磁干渉抑制体(特開平7−2120
79号)を提供した。
【0014】また、更に本発明者らは、周波数の異なる
複数の磁気共鳴を発現させることにより、各々の磁気共
鳴に対応して異なる周波数領域に出現するここの磁気損
失が十畳され、その結果として得られる広帯域なμ”分
散特性を利用した電磁干渉抑制体(特願平7−1839
11号)を提供した。
【0015】これらの発明に於いて用いられる偏平状の
軟磁性体金属粉末は、同じ組成の球状金属粉末に比べて
より高い異方性磁界Hk を有しており、これは偏平化に
よる形状異方性の寄与、即ち反磁界係数Nd によるもの
である。ここで反磁界係数Nd は、粉末の形状とアスペ
クト比により与えられるが、アスペクト比が10を越え
るとほぼ飽和し、より大きなアスペクト比を与えて以降
その変化量は僅かである。従って、磁気共鳴周波数を可
変できる範囲が比較的限定されるという問題があった。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題について様々な経験や前述した観点から熟慮の結果、
球状粉末等形状異方性の小さい粉末を偏平化加工する際
に生じる応力歪みに着目し、従来において、殆ど0に近
い値が好ましいとされていた磁気定数λをλ≠0とし、
且つ、その符号を、即ち、歪みによる異方性発現の向き
をも積極的に利用すると共に、更に焼鈍処理により残留
歪みを可変させることにより、前記形状異方性と併せて
より広範囲な磁気共鳴周波数を与えることを期待した。
【0017】一方、所望する透磁率の周波数特性を得る
ためには、磁気共鳴が生じるよりも低い周波数において
渦電流による透磁率の劣化が生じない様な対策も併せて
講じることが必要である。
【0018】前述した様に、有効な渦電流対策の一つと
して磁性体層と誘電体層を交互に積層する様に製膜した
積層構造化が提案され、一部実用化されている。この積
層構造磁性体である複合磁性体の特徴は、磁性体層の厚
さが電気抵抗、透磁率及び周波数にて定まる表皮深さと
同等もしくはそれ以下の厚さとなっている点である。し
かしながら、この積層構造磁性体には誘電体層を介して
変位電流が流れるために透磁率特性が劣化するという問
題がある。ここで変位電流は、積層構造磁性体のサイズ
(即ち、積層方向と直交する向きの大きさ)に依存する
ので、積層構造磁性体を細分化しカラム構造とすること
で、その影響を排除することが可能となる。このような
積層構造磁性体をスパッタリング等のいわゆる薄膜製膜
プロセスにて実現するのは容易ではないが、前記磁性体
層に軟磁性体粉末を当てはめることで実用化が容易とな
る。
【0019】即ち、磁性体層に相当する軟磁性体粉末
は、その厚みが前記表皮深さよりも薄いものとする、
軟磁性体粉末は、反磁界係数Nd をほぼ1にするために
十分なアスペクト比を有するものとする、誘電体層に
相当するものとして、磁性体層表面を酸化させたものを
設けることにより渦電流損失の極めて小さい複合磁性体
を得ることができると期待した。
【0020】このような複合磁性体の実現は、優れた高
周波透磁率特性を与えるのみならず、電気的な非良導性
を与え得るので電波吸収体としての対空間インピーダン
ス整合にも極めて有効であろうことも予想される。
【0021】即ち、磁歪定数λ(λ≠0)を広範囲な磁
気共鳴周波数の実現に積極的に利用すると共に、軟磁性
体粉末の厚さを特定し、その軟磁性体粉末の表面に誘電
体層を設けることにより、渦電流損失が少なく、且つ空
間とのインピーダンス不整合の生じにくい複合磁性体を
発明するに至った。
【0022】即ち、本発明によれば、磁歪定数λが正の
組成を有し偏平状に加工された軟磁性体粉末と、有機結
合剤からなることを特徴とする複合磁性体が得られる。
【0023】また、本発明によれば、磁歪定数λが負の
組成を有し偏平状に加工された軟磁性体粉末と、有機結
合剤からなることを特徴とする複合磁性体が得られる。
【0024】また、本発明によれば、前記複合磁性体に
おいて、前記軟磁性体粉末は、前記偏平状に加工された
後、加工により生じる残留歪み緩和化の為の焼鈍処理が
施されたものであることを特徴とする複合磁性体が得ら
れる。
【0025】また、本発明によれば、前記いずれかの複
合磁性体において、前記偏平状に加工された軟磁性体粉
末の平均の厚さは、該複合磁性体の使用周波数における
表皮深さδよりも小さいことを特徴とする複合磁性体が
得られる。
【0026】また、本発明によれば、前記いずれかの複
合磁性体において、前記偏平状に加工された軟磁性体粉
末は、該複合磁性体中において、配向配列されているこ
とを特徴とする複合磁性体が得られる。
【0027】また、本発明によれば、前記いずれかの複
合磁性体において、前記軟磁性体粉末は、少なくともそ
の表面に酸化物層を有することを特徴とする複合磁性体
が得られる。
【0028】また、本発明によれば、前記複合磁性体に
おいて、前記少なくともその表面に酸化物層を有する軟
磁性体粉末は、該酸化物層を気相中除酸法又は液相中除
酸法により酸素含有混合ガスにて表面酸化をすることに
より形成されたものであることを特徴とする磁性複合体
が得られる。
【0029】また、本発明によれば、前記いずれかの複
合磁性体において、前記軟磁性体粉末と、前記有機結合
剤とからなり、且つ、電気的に非良導性であることを特
徴とする複合磁性体が得られる。
【0030】また、本発明によれば、異なる大きさの及
び/又は異なる符号の磁歪定数λを有する少なくとも二
つの偏平状軟磁性体粉末と有機結合剤からなる複合磁性
体が得られる。
【0031】また、本発明によれば、焼鈍処理条件の異
なる少なくとも2つの偏平状軟磁性体粉末と有機結合剤
からなる複合磁性体が得られる。
【0032】また、本発明によれば、軟磁性体と有機結
合剤からなる複合磁性体の製造方法に関し、前記軟磁性
体粉末を偏平状に加工し、該加工により前記軟磁性体粉
末に生じる残留歪み緩和化の為の焼鈍処理を施し、該焼
鈍処理を施された前記軟磁性体粉末の少なくとも表面に
気相中除酸法又は液相中除酸法により酸素含有ガスにて
表面酸化をすることで酸化物層を形成することを特徴と
する複合磁性体の製造方法が得られる。
【0033】また、本発明によれば、軟磁性体と有機結
合剤からなる複合磁性体の製造方法に関し、前記軟磁性
体粉末を偏平状に加工し、前記軟磁性体粉末の少なくと
も表面に気相中除酸法又は液相中除酸法により酸素含有
ガスにて表面酸化をすることで酸化物層を形成し、該酸
化物層を形成された前記軟磁性体粉末に前記偏平状に加
工したことにより生じる残留歪み緩和化の為の焼鈍処理
を施すことを特徴とする複合磁性体の製造方法が得られ
る。
【0034】また、本発明によれば、軟磁性体と有機結
合剤からなる複合磁性体の製造方法に関し、前記軟磁性
体粉末を偏平状に加工し、該加工された前記軟磁性体粉
末に、前記加工により前記軟磁性体に生じる残留歪み緩
和化の為の焼鈍処理と、前記軟磁性体粉末の少なくとも
表面に気相中除酸法により酸素含有ガスにて表面酸化を
することで酸化物層を形成する処理とを同時に行うこと
を特徴とする複合磁性体の製造方法が得られる。
【0035】また、本発明によれば、前記いずれかの複
合磁性体の製造方法に関し、前記軟磁性体粉末を偏平状
に加工する際に、前記軟磁性体に加わる歪み量、あるい
は前記焼鈍処理の条件を変えることにより該複合磁性体
の複素透磁率の周辺周波数を制御することを特徴とする
複合磁性体の製造方法が得られる。
【0036】更に、本発明によれば、前記いずれかの複
合磁性体をその構成要素として有する電磁干渉抑制体で
あって、前記複合磁性体の互いに異なる大きさの残留歪
みに相応して相異なる周波数領域に出現する複数の磁気
共鳴の内、最も低い周波数領域に現れる磁気共鳴が、所
望する電磁干渉抑制周波数帯域の下限よりも低い周波数
領域にあることを特徴とする電磁干渉抑制体が得られ
る。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明に於いては、高周波透磁率
の大きな鉄アルミ珪素合金(センダスト)、鉄ニッケル
合金(パーマロイ)、或いはアモルファス合金等の金属
軟磁性材料を原料素材として用いることが出来る。
【0038】本発明では、これらの粗原料を粉砕、延伸
・引裂加工等により偏平化し、その厚みを表皮深さと同
等以下にすると共に、反磁界係数Nd をほぼ1にするた
めに偏平化された軟磁性体材料のアスペクト比を概ね1
0以上とする必要がある。ここで表皮深さδは次式によ
り与えられる。
【0039】δ=(ρ/πμf)1/2 前式において、ρは比抵抗、μは透磁率、fは周波数を
表す。ここで、目的の周波数によってその値が異なって
くるが、所望の表皮深さとアスペクト比を得るには、出
発粗原料粉末の平均粒径を特定するのが最も簡便な手段
の一つである。この粉砕、延伸・引裂加工に用いること
の出来る代表的な粉砕手段として、ボ−ルミル、アトラ
イタ、ピンミル等を挙げることが出来、前述した条件を
満足する軟磁性体粉末の厚さとアスペクト比が得られれ
ば粉砕手段に制限はないが、本発明の効果に密接にかか
わる延伸・引裂加工により生じる残留歪みの大きさを考
慮して加工手段及び加工条件を設定する必要がある。
【0040】本発明に於いて、磁歪定数λが性の原料磁
性体を用いた場合には、延伸・引裂加工により形状磁気
異方性が生じると共に、残留歪みによる歪磁気異方性
(磁気弾性効果)が生じ、両者の向きが同じとなる為、
異方性磁界は両者の和となる。従って、磁歪定数λがゼ
ロである原料を用いた場合に比べて、異方性磁界はより
大きな値となり、磁気共鳴周波数よりも高いものとな
る。
【0041】ところでこの偏平化加工により生じる残留
歪みは、適当な焼鈍処理を施すことにより緩和されるの
で、偏平化処理後に焼鈍処理を行った原料粉末を用いた
複合磁性体では、焼鈍処理条件に応じた周波数frに磁
気共鳴が現れる。この磁気共鳴周波数frは、焼鈍処理
をしていない磁性粉を用いた複合磁性体よりも低く、磁
歪定数λがゼロの磁性粉を用いた複合磁性体よりも高く
なり、焼鈍処理条件を製御することで、磁気共鳴周波数
をその範囲に任意に設定することが可能である。一方、
磁歪定数λが負の原料磁性体を用いた場合には、残留歪
みにより生じる歪み磁気異方性(磁気弾性効果)の向き
が形状磁気異方性の向きと直交することになり、異方性
磁界が小さくなり磁気共鳴周波数がゼロ磁歪原料の場合
に比べて低くなる。
【0042】このように、形状異方性と磁歪定数λの符
号、及び焼鈍処理条件を組み合わせることにより、磁気
共鳴周波数frを大幅に可変する事が可能となる。
【0043】また、本発明に於いては、個々の磁性粉末
同士の電気的に隔離、即ち複合磁性体の非良導性を磁性
粉の高充填状態においても確保出来る様、軟磁性体粉末
は、その表面に誘電体層が形成されている必要がある。
この誘電体層は、金属磁性粉末の表面を酸化させること
により得られる構成元素と酸素とからなる金属酸化物層
であり、例えば、鉄アルミ珪素合金(センダスト)の場
合には、主にAlOx及びSiOx であると推察され
る。金属粉末の表面を酸化させる手段の一例として、特
に粉末の大きさが比較的小さく、活性度の高いものにつ
いては、炭化水素系有機溶媒中あるいは不活性ガス雰囲
気中にて酸素分圧の制御された窒素−酸素混合ガスを導
入する液相中除酸法あるいは気相中除酸法により酸か処
理する事が制御の容易性、安定性、及び安全性の点で好
ましい。
【0044】尚、この表面酸化の為の除酸処理と、先に
説明した残留歪み低減の為の焼鈍処理とは、どちらを先
に行ってもよく、また、同一工程にて行う事も可能であ
る。
【0045】本発明の一構成要素として用いる有機結合
剤としては、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、ABS樹
脂、ニトリル−ブタジエン系ゴム、スチレン−ブタジエ
ン系ゴム、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミド系樹
脂、イミド系樹脂、或いはそれらの共重合体を挙げるこ
とが出来る。
【0046】以上に述べた、本発明の構成要素を混練・
分散し複合磁性体を得る手段には特に制限はなく、用い
る結合剤の性質や工程の用意差を基準に好ましい方法を
選択すればよい。
【0047】この混練・分散された磁性体混合物中の磁
性粒子を配向・配列させる手段としては、剪断応力によ
る方法と磁場配向による方法があり、いずれの方法を用
いても良い。
【0048】
【実施例】次に本発明の効果を検証する為に実験をした
ので、以下に実施例として詳細に説明する。
【0049】はじめに、水アトマイズ法により作製され
た磁歪定数λの異なる複数の鉄−ニッケル合金粉末及び
鉄アルミ珪素合金粉末を用意し、アトライタ及びピンミ
ルを用い様々な条件下にて粉砕、延伸・引裂加工を行
い、更に、炭化水素系有機溶媒中で酸素分圧35%の窒
素−酸素混合ガスを導入しながら8次間撹拌し液相中除
酸処理した後、分級処理を施し異方性磁界(Hk )の異
なる複数の粉末試料を得た。ここで得られた粉末を表面
分析した結果、金属酸化物の生成が明確に確認され、試
料粉末の表面に於ける酸か被膜の存在が認められた。
【0050】尚、粉砕、延伸・引裂加工処理された鉄−
ニッケル合金粉末、及び鉄アルミ珪素合金粉末を減圧乾
燥し、これを酸素分圧20%の窒素−酸素混合ガス雰囲
気中で気相除酸した試料についてもその表面に金属酸化
物が検出され、本発明の複合磁性体に用いることの出来
る少なくともその表面が酸化された軟磁性体粉末が液相
中除酸法あるいは気相中除酸法にて作成できることが確
認された。
【0051】本発明の効果を検証するにあたり、これら
の粉末試料を用いて以下に述べる複合磁性体を作製し、
μ−f特性及び電磁干渉抑制効果を調べた。
【0052】μ−f特性の測定には、トロイダル形状に
加工された複合磁性体試料を用いた。これを1ターンコ
イルを形成するテストフィクスチャに挿入し、インピー
ダンスを計測することにより、μ’及びμ”を求めた。
【0053】一方、電磁干渉抑制効果の検証は、図1に
示される評価系により行い、電磁干渉抑制体10の試料
には銅板8が裏打ちされた厚さ2mmで一辺の長さが2
0cmの複合磁性体2を用いた。ここで、電磁界波源用
発信器6を用いた波源用素子及び受信用素子にはループ
径1.5mmの微小ループアンテナ4,5を用い、結合
レベルの測定にはネットワークアナライザ(電磁界強度
測定器)7を使用した。
【0054】[検証用試料1]以下の配合からなる軟磁
性体ペーストを調合し、これをドクターブレード法によ
り製膜し、熱プレスを施した後に85℃にて24次間キ
ュアリングを行い検証用試料1を得た。
【0055】尚、得られた試料1を走査型電子顕微鏡を
用いて解析したところ、粒子配列方向は試料膜面内方向
であった。 偏平状軟磁性体(Fe−Al−Si合金)微粉末A・・・95重畳部 平均粒径 :φ20μm×0.3μmt 磁歪の大きさ :+0.72 焼鈍処理 :なし ポリウレタン樹脂 ・・・ 8重畳部 硬化剤(イソシアネート化合物) ・・・ 2重畳部 溶剤(シクロヘキサノンとトルエンの混合物) ・・・40重畳部 ここで磁歪の大きさは、H=200エルステッドでの歪
み量dl/l×10-6の値であり、これは後述する検証
用試料2乃至検証用試料4、及び比較用試料5及び比較
用試料6についても同じである。
【0056】[検証用試料2]以下の配合からなる軟磁
性体ペーストを調合し、これをドクターブレード法によ
り製膜し、熱プレスを施した後に85℃にて24次間キ
ュアリングを行い検証用試料2を得た。
【0057】尚、得られた試料2を走査型電子顕微鏡を
用いて解析したところ、粒子配列方向は試料膜面内方向
であった。 偏平状軟磁性体(Fe−Al−Si合金)微粉末B・・・95重畳部 平均粒径 :φ20μm×0.3μmt 磁歪の大きさ :+0.72 焼鈍処理 :650℃×2hr ポリウレタン樹脂 ・・・ 8重畳部 硬化剤(イソシアネート化合物) ・・・ 2重畳部 溶剤(シクロヘキサノンとトルエンの混合物) ・・・40重畳部 [検証用試料3]以下の配合からなる軟磁性体ペースト
を調合し、これをドクターブレード法により製膜し、熱
プレスを施した後に85℃にて24次間キュアリングを
行い検証用試料3を得た。
【0058】尚、得られた試料3を走査型電子顕微鏡を
用いて解析したところ、粒子配列方向は試料膜面内方向
であった。 偏平状軟磁性体(Fe−Ni合金)微粉末C ・・・95重畳部 平均粒径 :φ30μm×0.4μmt 磁歪の大きさ :−1.03 焼鈍処理 :なし ポリウレタン樹脂 ・・・ 8重畳部 硬化剤(イソシアネート化合物) ・・・ 2重畳部 溶剤(シクロヘキサノンとトルエンの混合物) ・・・40重畳部 [検証用試料4]以下の配合からなる軟磁性体ペースト
を調合し、これをドクターブレード法により製膜し、熱
プレスを施した後に85℃にて24次間キュアリングを
行い検証用試料4を得た。
【0059】尚、得られた試料4を走査型電子顕微鏡を
用いて解析したところ、粒子配列方向は試料膜面内方向
であった。 偏平状軟磁性体(Fe−Al−Si合金)微粉末A・・・60重畳部 平均粒径 :φ20μm×0.3μmt 磁歪の大きさ :+0.72 焼鈍処理 :なし 偏平状軟磁性体(Fe−Al−Si合金)微粉末B・・・35重畳部 平均粒径 :φ20μm×0.3μmt 磁歪の大きさ :+0.72 焼鈍処理 :650℃×2hr ポリウレタン樹脂 ・・・ 8重畳部 硬化剤(イソシアネート化合物) ・・・ 2重畳部 溶剤(シクロヘキサノンとトルエンの混合物) ・・・40重畳部 [比較用試料5]以下の配合からなる軟磁性体ペースト
を調合し、これをドクターブレード法により製膜し、熱
プレスを施した後に85℃にて24次間キュアリングを
行い検証用試料5を得た。
【0060】尚、得られた試料5を走査型電子顕微鏡を
用いて解析したところ、ほぼ等方的な配列であった。 略球状軟磁性体(Fe−Al−Si合金)微粉末D・・・95重畳部 平均粒径 :φ15 ポリウレタン樹脂 ・・・ 8重畳部 硬化剤(イソシアネート化合物) ・・・ 2重畳部 溶剤(シクロヘキサノンとトルエンの混合物) ・・・40重畳部 [比較用試料6]以下の配合からなる軟磁性体ペースト
を調合し、これをドクターブレード法により製膜し、熱
プレスを施した後に85℃にて24次間キュアリングを
行い検証用試料6を得た。
【0061】尚、得られた試料6を走査型電子顕微鏡を
用いて解析したところ、粒子配列方向は試料膜面内方向
であった。 偏平状軟磁性体(Fe−Al−Si合金)微粉末E・・・95重畳部 平均粒径 :φ20μm×0.4μmt 磁歪の大きさ :ほぼ0 ポリウレタン樹脂 ・・・ 8重畳部 硬化剤(イソシアネート化合物) ・・・ 2重畳部 溶剤(シクロヘキサノンとトルエンの混合物) ・・・40重畳部 得られた各試料の実部透磁率μ’及び磁気共鳴周波数f
rを下記表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】また、図2は、本発明の検証例である試料
1乃至試料2及び比較例である試料6のμ−f特性であ
り、磁気共鳴周波数frは、正の磁歪定数λを有する磁
性粉末を用いた試料1が最も高く、実部透磁率μ’の値
は磁歪定数λがほぼゼロである試料6が最も大きな値を
示している。試料2は、試料1で用いた磁性粉末に焼鈍
処理を施したものを原料粉末に用いたものであるが、図
2から明らかな様に磁気共鳴周波数frの値、及び実部
透磁率μ’の値ともに試料1と試料6の中間に位置して
いる。
【0064】一方、前記表1から判るように、負の磁歪
定数λを有する試料3では、磁気共鳴周波数frが磁歪
定数λがほぼゼロである試料6よりも更に低い周波数と
なっていると共に、実部透磁率μ’の値も試料6より大
きな値を示している。尚、いずれの場合でも略球状の原
料磁性粉末を用いた比較用試料である試料5に比べて実
部透磁率μ’の差は歴然である。
【0065】これらの結果から、磁歪定数λをゼロでな
い値とし、更に焼鈍により残留歪み量をも変化させた事
により、透磁率の周波数特性を広い範囲にて製御する事
が出来、加えて磁性粉末の厚さを特定し、その表面に誘
電体層を設けたことで、高周波域において高い透磁率が
得られる事が明白である。
【0066】次に、検証用試料4及び比較用試料5につ
いて、それぞれの粉末充填率、表面抵抗、μ”分布、及
び電磁干渉抑制効果を示したものを下記表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】ここで、表面抵抗はASTM−D−257
法による測定値であり、μ”分布はそれぞれお互いと比
較したものであり、電磁干渉抑制効果の値は、銅板を基
準(0dB)としたときの信号減衰量である。
【0069】前記表2により以下に述べる効果が明白で
ある。
【0070】即ち、本発明の検証用試料及び比較用試料
共、表面抵抗の値が107 〜108Ωとなっており、少
なくとも表面が酸化された磁性粉末を用いる事によっ
て、複合磁性体を非良導性とする事が出来、導体やバル
クの金属磁性体等にみられるようなインピーダンス不整
合による電磁波の表面反射を抑制出来る。
【0071】更に、本発明の検証用試料では、粉末の充
填率が比較用試料に比べて低いにもかかわらず良好な電
磁干渉抑制効果を示しており、本発明によるμ”分布の
拡張効果が電磁干渉抑制に有効である事が理解出来る。
【0072】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、軟
磁性体粉末と有機結合剤からなる複合磁性体に於いて、
渦電流による透磁率特性の劣化を抑止出来る構成により
高い実部透磁率を実現しつつ、磁歪定数λがゼロでない
値の軟磁性体粉末を用い、更に焼鈍処理を組み合わせる
事で、残留歪み量を変化させ高周波透磁率特性を広い範
囲で製御する事が出来る。
【0073】また、本発明の一実施形態である異なる残
留歪み量を有する複数の軟磁性体粉末からなる複合磁性
体を用いた電磁干渉抑制体に於いては、異なる複数の磁
気共鳴の出現により高帯域なμ”分散特性が得られるの
で、優れた電磁干渉抑制効果が現れている。即ち、本発
明によれば、移動体通信機器をはじめとする高周波電位
機器類内部での電磁波の干渉抑制に有効な薄厚の電磁干
渉抑制体を得ることが出来る。
【0074】尚、本発明の複合磁性体及び電磁干渉抑制
体は、その構成要素から判るように容易に可撓性を付与
することが可能であり、複雑な形状への対応や、厳しい
耐振動、衝撃要求への対応が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において、電磁は干渉抑制体の
特性評価に用いた評価系を示す概略図である。
【図2】本発明の実施例において、検証用試料1乃至検
証用試料2及び比較用試料6の条件にて作製した各試料
のμ−f特性を示す図である。
【符号の説明】
2 複合磁性体 4,5 微小ループアンテナ 6 電磁界波源用発信器 7 電磁界強度測定器 8 銅板 10 電磁干渉抑制体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年9月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 複合磁性体及びその製造方法ならびに
電磁干渉抑制体
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波領域に於い
て優れた複素透磁率特性を有する複合磁性材料と、その
一応用事例である電磁波吸収体に関し、詳しくは、高周
波電子回路/装置に於いて問題となる電磁干渉の抑制に
有効な複素透磁率特性の優れた複合磁性体と、及びその
製造方法ならびに電磁干渉抑制体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタル電子機器をはじめ高周波
を利用する電子機器類の普及が進み、中でも準マイクロ
波帯域を使用する移動通信機器類の普及がめざましい。
それに伴ない、インダクタンス部品や電波吸収体に用い
られる軟磁性体材料にも高周波化への対応が求められて
いる。
【0003】加えて、その用途が携帯電話機等の小型、
軽量な通信機器の場合には、軟磁性体への要求特性に、
軽量、肉薄、堅牢等が追加される。
【0004】軟磁性材料の高周波化を阻む主な要因の一
つは、渦電流損失であり、その低減手段として、表皮深
さを考慮した薄膜化及び高電気抵抗化が挙げられ、前者
の例としては、磁性体層と誘電体層を交互に積層製膜し
たものが挙げられ、また後者の代表としては、高電気抵
抗のNi−Zn系フェライトを挙げることができる。
【0005】準マイクロ波帯域における軟磁性体の用途
は、前述のインダクタンス部品及び電波吸収体が主であ
り、インダクタンス部品には実部透磁率μ’が用いら
れ、電波吸収体には、虚数部透磁率μ”が用いられる。
しかしながら、インダクタンス部品には高いQ値が要求
される場合が多いものの、準マイクロ波帯域では必要な
インダクタンスが極めて小さな値となる為に、磁心材料
としての用途は限られている。
【0006】一方、虚数部透磁率μ”を用いる電波吸収
体としての用途は、高周波機器類の普及と共に拡大しつ
つある。
【0007】例えば、携帯電話に代表される移動体通信
機器には、とりわけ小型化・軽量化の要求が顕著であ
り、電子部品の高密度実装化が最大の技術課題となって
いる。従って、過密に実装された電子部品類やプリント
配線あるいはモジュール間配線等が互いに極めて接近す
ることになり、更には、信号処理速度の高速化も図られ
ている為、静電結合及び/又は電磁結合による線間結合
の増大化や放射ノイズによる干渉などが生じ、機器の正
常な動作を妨げる事態が少なからず生じている。
【0008】このようないわゆる電磁障害に対して従来
は、主に導体シールドを施す事による対策がなされてき
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、導体シ
ールドは、空間とのインピーダンス不整合に起因する電
磁波の反射を利用する電磁障害対策である為に、遮蔽効
果は得られても不要輻射源からの反射による電磁結合が
助長され、その結果二次的な電磁障害を引き起こす場合
が少なからず生じている。その対策として、磁性体の磁
気損失、即ち虚数部透磁率μ”を利用した不要輻射の抑
制が有効である。
【0010】即ち、前記シールド体と不要輻射源の間に
磁気損失の大きい磁性体を配設する事で不要輻射を抑制
することが出来る。
【0011】ここで、磁性体の厚さdは、μ”>μ’な
る関係を満足する周波数帯域にてμ”に反比例するの
で、前述した電子機器の小型化・軽量化要求に迎合する
薄い電磁干渉抑制体即ち、シールド体と吸収体からなる
複合体を得るためには、虚数部透磁率μ”の大きな磁性
体が必要となる。また、前述した不要輻射は、多くの場
合その成分が広い周波数範囲にわたっており、電磁障害
に係る周波数成分の特定も困難な場合が少なくない。従
って、前記電磁干渉抑制体についてもより広い周波数の
不要輻射に対応できるものが望まれている。
【0012】懸る要求に対応すべく透磁率の高周波特性
に優れ、任意の広い周波数範囲にて磁気損失体として機
能する磁性体、即ち、低周波数領域にて、μ’の値が大
きく、更に、μ”>μ’なる周波数領域に於いて、μ”
が任意の広い周波数範囲に亘って大きな値を示す様な磁
性体の検討を行った。
【0013】その結果として、本発明者らは、以前に、
形状異方性を有する軟磁性体粉末において磁気共鳴によ
り発現すると思われる数十MHzから数GHzに亘る磁
気損失を利用する電磁干渉抑制体(特開平7−2120
79号)を提供した。
【0014】また、更に本発明者らは、周波数の異なる
複数の磁気共鳴を発現させることにより、各々の磁気共
鳴に対応して異なる周波数領域に出現する個々の磁気損
失が重畳され、その結果として得られる広帯域なμ”分
散特性を利用した電磁干渉抑制体(特願平7−1839
11号)を提供した。
【0015】これらの発明に於いて用いられる扁平状の
軟磁性体金属粉末は、同じ組成の球状金属粉末に比べて
より高い異方性磁界Hk を有しており、これは扁平化に
よる形状異方性の寄与、即ち反磁界係数Nd によるもの
である。ここで反磁界係数Nd は、粉末の形状とアスペ
クト比により与えられるが、アスペクト比が10を越え
るとほぼ飽和し、より大きなアスペクト比を与えても、
以降その変化量は僅かである。従って、磁気共鳴周波数
を可変できる範囲が比較的限定されるという問題があっ
た。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題について様々な経験や前述した観点から熟慮の結果、
球状粉末等形状異方性の小さい粉末を扁平化加工する際
に生じる応力歪みに着目し、従来において、殆ど0に近
い値が好ましいとされていた磁歪定数λをλ≠0とし、
且つ、その符号を、即ち、歪みによる異方性発現の向き
をも積極的に利用すると共に、更に焼鈍処理により残留
歪みを制御することにより、前記形状異方性と併せてよ
り広範囲な磁気共鳴周波数を与えることを期待した。
【0017】一方、所望する透磁率の周波数特性を得る
ためには、磁気共鳴が生じるよりも低い周波数において
渦電流による透磁率の劣化が生じない様な対策も併せて
講じることが必要である。
【0018】前述した様に、有効な渦電流対策の一つと
して磁性体層と誘電体層を交互に積層する様に製膜した
積層構造化が提案され、一部実用化されている。この積
層構造を有する複合磁性体の特徴は、磁性体層の厚さが
電気抵抗、透磁率及び周波数にて定まる表皮深さと同等
もしくはそれ以下の厚さとなっている点である。しかし
ながら、この積層構造磁性体には誘電体層を介して変位
電流が流れるために透磁率特性が劣化するという問題が
ある。ここで変位電流は、積層構造磁性体のサイズ(即
ち、積層方向と直交する向きの大きさ)に依存するの
で、積層構造磁性体を細分化しカラム構造とすること
で、その影響を排除することが可能となる。このような
積層構造磁性体をスパッタリング等のいわゆる薄膜製膜
プロセスにて実現するのは容易ではないが、前記磁性体
層に軟磁性体粉末を当てはめることで実用化が容易とな
る。
【0019】即ち、磁性体層に相当する軟磁性体粉末
は、その厚みが前記表皮深さよりも薄いものとする、
軟磁性体粉末は、反磁界係数Nd をほぼ1にするために
十分なアスペクト比を有するものとする、誘電体層に
相当するものとして、軟磁性体粉末表面を酸化させるこ
とにより得られる誘電体層を設けることで、渦電流損失
の極めて小さい複合磁性体を得ることができると期待し
た。
【0020】このような複合磁性体の実現は、優れた高
周波透磁率特性を与えるのみならず、電気的な非良導性
を与え得るので電波吸収体としての対空間インピーダン
ス整合にも極めて有効であろうことも予想される。
【0021】即ち、磁歪定数λ(λ≠0)を広範囲な磁
気共鳴周波数の実現に積極的に利用すると共に、軟磁性
体粉末の厚さを特定し、その軟磁性体粉末の表面に誘電
体層を設けることにより、渦電流損失が少なく、且つ空
間とのインピーダンス不整合の生じにくい複合磁性体を
発明するに至った。
【0022】即ち、本発明によれば、磁歪定数λが正の
組成を有し扁平状に加工された軟磁性体粉末と、有機結
合剤からなることを特徴とする複合磁性体が得られる。
【0023】また、本発明によれば、磁歪定数λが負の
組成を有し扁平状に加工された軟磁性体粉末と、有機結
合剤からなることを特徴とする複合磁性体が得られる。
【0024】また、本発明によれば、前記複合磁性体に
おいて、前記軟磁性体粉末は、前記扁平状に加工された
後、加工により生じる残留歪み緩和化の為の焼鈍処理が
施されたものであることを特徴とする複合磁性体が得ら
れる。
【0025】また、本発明によれば、前記いずれかの複
合磁性体において、前記扁平状に加工された軟磁性体粉
末の平均厚さは、該複合磁性体の使用周波数における表
皮深さδよりも小さいことを特徴とする複合磁性体が得
られる。
【0026】また、本発明によれば、前記いずれかの複
合磁性体において、前記扁平状に加工された軟磁性体粉
末は、該複合磁性体中において、配向配列されているこ
とを特徴とする複合磁性体が得られる。
【0027】また、本発明によれば、前記いずれかの複
合磁性体において、前記軟磁性体粉末は、少なくともそ
の表面に酸化物層を有することを特徴とする複合磁性体
が得られる。
【0028】また、本発明によれば、前記複合磁性体に
おいて、前記少なくともその表面に酸化物層を有する軟
磁性体粉末は、気相中徐酸法又は液相中徐酸法により酸
素含有混合ガスにてその表面を酸化処理することにより
形成されたものであることを特徴とする磁性複合体が得
られる。
【0029】また、本発明によれば、前記いずれかの複
合磁性体において、前記軟磁性体粉末と、前記有機結合
剤とからなり、且つ、電気的に非良導性であることを特
徴とする複合磁性体が得られる。
【0030】また、本発明によれば、異なる大きさの及
び/又は異なる符号の磁歪定数λを有する少なくとも二
つの扁平状軟磁性体粉末と有機結合剤からなる複合磁性
体が得られる。
【0031】また、本発明によれば、焼鈍処理条件の異
なる少なくとも2つの扁平状軟磁性体粉末と有機結合剤
からなる複合磁性体が得られる。
【0032】また、本発明によれば、軟磁性体粉末と有
機結合剤からなる複合磁性体の製造方法に関し、前記軟
磁性体粉末を扁平状に加工し、該加工により前記軟磁性
体粉末に生じる残留歪み緩和化の為の焼鈍処理を施し、
該焼鈍処理が施された前記軟磁性体粉末の少なくとも
表面に、気相中徐酸法又は液相中徐酸法により酸素含有
ガスにて酸化物層を形成することを特徴とする複合磁性
体の製造方法が得られる。
【0033】また、本発明によれば、軟磁性体粉末と有
機結合剤からなる複合磁性体の製造方法に関し、前記軟
磁性体粉末を扁平状に加工し、前記軟磁性体粉末の少な
くとも表面に、気相中徐酸法又は液相中徐酸法により酸
素含有ガスにて酸化物層を形成し、該酸化物層が形成さ
れた前記軟磁性体粉末に、前記扁平状に加工したことに
より生じる残留歪み緩和化の為の焼鈍処理を施すことを
特徴とする複合磁性体の製造方法が得られる。
【0034】また、本発明によれば、軟磁性体粉末と有
機結合剤からなる複合磁性体の製造方法に関し、前記軟
磁性体粉末を扁平状に加工し、該加工された前記軟磁性
体粉末に、前記加工により前記軟磁性体粉末に生じる残
留歪み緩和化の為の焼鈍処理と、前記軟磁性体粉末の少
なくとも表面に、気相中徐酸法により酸素含有ガスにて
酸化物層を形成する処理とを同時に行うことを特徴とす
る複合磁性体の製造方法が得られる。
【0035】また、本発明によれば、前記いずれかの複
合磁性体の製造方法に関し、前記軟磁性体粉末を扁平状
に加工する際に、前記軟磁性体粉末に加わる歪み量、あ
るいは前記焼鈍処理の条件を変えることにより該複合磁
性体の複素透磁率の周波数特性を制御することを特徴と
する複合磁性体の製造方法が得られる。
【0036】更に、本発明によれば、前記いずれかの複
合磁性体をその構成要素として有する電磁干渉抑制体で
あって、前記複合磁性体の互いに異なる大きさの残留歪
みに相応して相異なる周波数領域に出現する複数の磁気
共鳴の内、最も低い周波数領域に現れる磁気共鳴が、所
望する電磁干渉抑制周波数帯域の下限よりも低い周波数
領域にあることを特徴とする電磁干渉抑制体が得られ
る。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明に於いては、高周波透磁率
の大きな鉄アルミ珪素合金(センダスト)、鉄ニッケル
合金(パーマロイ)、或いはアモルファス合金等の金属
軟磁性材料を原料素材として用いることが出来る。
【0038】本発明では、これらの粗原料を粉砕、延伸
・引裂加工等により扁平化し、その厚みを表皮深さと同
等以下にすると共に、反磁界係数Nd をほぼ1にするた
めに扁平化された軟磁性体粉末のアスペクト比を概ね1
0以上とする必要がある。ここで表皮深さδは次式によ
り与えられる。
【0039】δ=(ρ/πμf)1/2 前式において、ρは比抵抗、μは透磁率、fは周波数で
ある。したがって表皮深さδは、目的の周波数によって
その値が異なってくるが、所望の表皮深さとアスペクト
比を得るには、出発粗原料粉末の平均粒径を特定するの
が最も簡便な手段の一つである。この粉砕、延伸・引裂
加工に用いることの出来る代表的な粉砕手段として、ボ
−ルミル、アトライタ、ピンミル等を挙げることが出
来、前述した条件を満足する軟磁性体粉末の厚さとアス
ペクト比が得られれば粉砕手段に制限はないが、本発明
の効果に密接にかかわる延伸・引裂加工により生じる残
留歪みの大きさを考慮して加工手段及び加工条件を設定
する必要がある。
【0040】本発明に於いて、磁歪定数λが正の原料磁
性体を用いた場合には、延伸・引裂加工により形状磁気
異方性が生じると共に、残留歪みによる歪磁気異方性
(磁気弾性効果)が生じ、両者の向きが同じとなる為、
異方性磁界は両者の和となる。従って、磁歪定数λがゼ
ロである原料を用いた場合に比べて、異方性磁界はより
大きな値となり、磁気共鳴周波数もより高いものとな
る。
【0041】ところで、この扁平化加工により生じる残
留歪みは、適当な焼鈍処理を施すことにより緩和される
ので、扁平化処理後に焼鈍処理を行った原料粉末を用い
た複合磁性体では、焼鈍処理条件に応じた周波数frに
磁気共鳴が現れる。この磁気共鳴周波数frは、焼鈍処
理をしていない磁性粉を用いた複合磁性体よりも低く、
磁歪定数λがゼロの磁性粉を用いた複合磁性体よりも高
くなり、焼鈍処理条件を制御することで、磁気共鳴周波
数をその範囲内に於いて任意に設定することが可能であ
る。一方、磁歪定数λが負の原料磁性体を用いた場合に
は、残留歪みにより生じる歪み磁気異方性(磁気弾性効
果)の向きが形状磁気異方性の向きと直交することにな
り、異方性磁界が小さくなり磁気共鳴周波数がゼロ磁歪
原料の場合に比べて低くなる。
【0042】このように、形状異方性と磁歪定数λの符
号、及び焼鈍処理条件を組み合わせることにより、磁気
共鳴周波数frを大幅に変化させる事が可能となる。
【0043】また、本発明に於いては、個々の磁性粉末
同士の電気的に隔離、即ち複合磁性体の非良導性を磁性
粉の高充填状態においても確保出来る様、軟磁性体粉末
は、その表面に誘電体層が形成されている必要がある。
この誘電体層は、金属磁性粉末の表面を酸化させること
により得られる構成元素と酸素とからなる金属酸化物層
であり、例えば、鉄アルミ珪素合金(センダスト)の場
合には、主にAlOx及びSiOx であると推察され
る。金属粉末の表面を酸化させる手段の一例として、特
に粉末の大きさが比較的小さく、活性度の高いものにつ
いては、炭化水素系有機溶媒中あるいは不活性ガス雰囲
気中にて酸素分圧の制御された窒素−酸素混合ガスを導
入する液相中徐酸法あるいは気相中徐酸法により酸化処
理する事が制御の容易性、安定性、及び安全性の点で好
ましい。
【0044】尚、この表面酸化の為の徐酸処理と、先に
説明した残留歪み低減の為の焼鈍処理については、どち
らを先に行ってもよく、また、同一工程にて行う事も可
能である。
【0045】本発明の一構成要素として用いる有機結合
剤としては、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、ABS樹
脂、ニトリル−ブタジエン系ゴム、スチレン−ブタジエ
ン系ゴム、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミド系樹
脂、イミド系樹脂、或いはそれらの共重合体を挙げるこ
とが出来る。
【0046】以上に述べた、本発明の構成要素を混練・
分散し複合磁性体を得る手段には特に制限はなく、用い
る結合剤の性質や工程の容易さを基準に好ましい方法を
選択すればよい。
【0047】この混練・分散された磁性体混合物中の磁
性粒子を配向・配列させる手段としては、剪断応力によ
る方法と磁場配向による方法があり、いずれの方法を用
いても良い。
【0048】
【実施例】次に本発明の効果を検証する為に実験を行っ
たので、以下に実施例として詳細に説明する。
【0049】はじめに、水アトマイズ法により作製され
た磁歪定数λの異なる複数の鉄−ニッケル合金粉末及び
鉄アルミ珪素合金粉末を用意し、アトライタ及びピンミ
ルを用い様々な条件下にて粉砕、延伸・引裂加工を行
い、更に、炭化水素系有機溶媒中で酸素分圧35%の窒
素−酸素混合ガスを導入しながら8時間撹拌し液相中徐
酸処理した後、分級処理を施し異方性磁界(Hk )の異
なる複数の粉末試料を得た。ここで得られた粉末を表面
分析した結果、金属酸化物の生成が明確に確認され、試
料粉末の表面に於ける酸化被膜の存在が認められた。
【0050】尚、粉砕、延伸・引裂加工処理された鉄−
ニッケル合金粉末、及び鉄アルミ珪素合金粉末を減圧乾
燥し、これを酸素分圧20%の窒素−酸素混合ガス雰囲
気中で気相徐酸した試料についてもその表面に金属酸化
物が検出され、本発明の複合磁性体に用いることの出来
る少なくともその表面が酸化された軟磁性体粉末が液相
中徐酸法あるいは気相中徐酸法にて作成できることが確
認された。
【0051】本発明の効果を検証するにあたり、これら
の粉末試料を用いて以下に述べる複合磁性体を作製し、
μ−f特性及び電磁干渉抑制効果を調べた。
【0052】μ−f特性の測定には、トロイダル形状に
加工された複合磁性体試料を用いた。これを1ターンコ
イルを形成するテストフィクスチャに挿入し、インピー
ダンスを計測することにより、μ’及びμ”を求めた。
【0053】一方、電磁干渉抑制効果の検証は、図1に
示される評価系により行い、電磁干渉抑制体試料10と
して、銅板8が裏打ちされた厚さ2mmで一辺の長さが
20cmの複合磁性体2を用いた。ここで、波源用素子
及び受信用素子にはループ径1.5mmの微小ループア
ンテナ4,5を用い、受信用素子に接続される信号源に
はスイープジェネレータ(電磁界波源用発振器)6を使
用し、結合レベルの測定にはネットワークアナライザ
(電磁界強度測定器)7を使用した。
【0054】[検証用試料1]以下の配合からなる軟磁
性体ペーストを調合し、これをドクターブレード法によ
り製膜し、熱プレスを施した後に85℃にて24時間キ
ュアリングを行い下記表1に示される検証用試料1を得
た。
【0055】
【表1】
【0056】尚、得られた試料1を走査型電子顕微鏡を
用いて解析したところ、粒子配列方向は試料膜面内方向
であった。
【0057】ここで磁歪の大きさは、H=200エルス
テッドでの歪み量dl/l×10-6の値であり、これは
後述する検証用試料2乃至検証用試料4、及び比較用試
料5及び比較用試料6についても同じである。
【0058】[検証用試料2]以下の配合からなる軟磁
性体ペーストを調合し、これをドクターブレード法によ
り製膜し、熱プレスを施した後に85℃にて24時間キ
ュアリングを行い下記表2に示される検証用試料2を得
た。
【0059】
【表2】
【0060】尚、得られた試料2を走査型電子顕微鏡を
用いて解析したところ、粒子配列方向は試料膜面内方向
であった。
【0061】[検証用試料3]以下の配合からなる軟磁
性体ペーストを調合し、これをドクターブレード法によ
り製膜し、熱プレスを施した後に85℃にて24時間キ
ュアリングを行い下記表3に示される検証用試料3を得
た。
【0062】
【表3】
【0063】尚、得られた試料3を走査型電子顕微鏡を
用いて解析したところ、粒子配列方向は試料膜面内方向
であった。
【0064】[検証用試料4]以下の配合からなる軟磁
性体ペーストを調合し、これをドクターブレード法によ
り製膜し、熱プレスを施した後に85℃にて24時間キ
ュアリングを行い下記表4に示される検証用試料4を得
た。
【0065】
【表4】
【0066】尚、得られた試料4を走査型電子顕微鏡を
用いて解析したところ、粒子配列方向は試料膜面内方向
であった。
【0067】[比較用試料5]以下の配合からなる軟磁
性体ペーストを調合し、これをドクターブレード法によ
り製膜し、熱プレスを施した後に85℃にて24時間キ
ュアリングを行い下記表5に示される検証用試料5を得
た。
【0068】
【表5】
【0069】尚、得られた試料5を走査型電子顕微鏡を
用いて解析したところ、ほぼ等方的な配列であった。
【0070】[比較用試料6]以下の配合からなる軟磁
性体ペーストを調合し、これをドクターブレード法によ
り製膜し、熱プレスを施した後に85℃にて24時間キ
ュアリングを行い下記表6に示される検証用試料6を得
た。
【0071】
【表6】
【0072】尚、得られた試料6を走査型電子顕微鏡を
用いて解析したところ、粒子配列方向は試料膜面内方向
であった。
【0073】得られた各試料の実部透磁率μ’及び磁気
共鳴周波数frを下記表7に示す。
【0074】
【表7】
【0075】また、図2は、本発明の検証例である試料
1乃至試料2及び比較例である試料6のμ−f特性であ
り、磁気共鳴周波数frは、正の磁歪定数λを有する磁
性粉末を用いた試料1が最も高く、実部透磁率μ’の値
は磁歪定数λがほぼゼロである試料6が最も大きな値を
示している。試料2は、試料1で用いた磁性粉末に焼鈍
処理を施したものを原料粉末に用いたものであるが、図
2から明らかな様に磁気共鳴周波数frの値、及び実部
透磁率μ’の値ともに試料1と試料6の中間に位置して
いる。
【0076】一方、前記表7から判るように、負の磁歪
定数λを有する試料3では、磁気共鳴周波数frが磁歪
定数λがほぼゼロである試料6よりも更に低い周波数と
なっていると共に、実部透磁率μ’の値も試料6より大
きな値を示している。尚、いずれの場合でも略球状の原
料磁性粉末を用いた比較用試料である試料5に比べて実
部透磁率μ’の差は歴然である。
【0077】これらの結果から、磁歪定数λをゼロでな
い値とし、更に焼鈍により残留歪み量をも変化させた事
により、透磁率の周波数特性を広い範囲にて制御する事
が出来、加えて磁性粉末の厚さを特定し、その表面に誘
電体層を設けたことで、高周波域において高い透磁率が
得られる事が明白である。
【0078】次に、検証用試料4及び比較用試料5につ
いて、それぞれの粉末充填率、表面抵抗、μ”分布、及
び電磁干渉抑制効果を比較した結果を下記表8に示す。
【0079】
【表8】
【0080】ここで、表面抵抗はASTM−D−257
法による測定値であり、μ”分布は互いを相対的に比較
したものであり、電磁干渉抑制効果の値は、銅板を基準
(0dB)としたときの信号減衰量である。
【0081】前記表8より以下に述べる効果が明白であ
る。
【0082】即ち、本発明の検証用試料及び比較用試料
共、表面抵抗の値が107 〜108Ωとなっており、少
なくとも表面が酸化された磁性粉末を用いる事によっ
て、複合磁性体を非良導性とする事が出来、導体やバル
クの金属磁性体等にみられるようなインピーダンス不整
合による電磁波の表面反射を抑制出来る。
【0083】更に、本発明の検証用試料では、粉末の充
填率が比較用試料に比べて低いにもかかわらず良好な電
磁干渉抑制効果を示しており、本発明によるμ”分布の
拡張効果が電磁干渉抑制に有効である事が理解出来る。
【0084】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、軟
磁性体粉末と有機結合剤からなる複合磁性体に於いて、
渦電流による透磁率特性の劣化を抑止出来る構成により
高い実部透磁率を実現しつつ、磁歪定数λがゼロでない
値の軟磁性体粉末を用い、更に焼鈍処理を組み合わせる
事で、残留歪み量を変化させ高周波透磁率特性を広い範
囲で制御する事が出来る。
【0085】また、本発明の一実施形態である異なる残
留歪み量を有する複数の軟磁性体粉末からなる複合磁性
体を用いた電磁干渉抑制体に於いては、異なる複数の磁
気共鳴の出現により広帯域なμ”分散特性が得られるの
で、優れた電磁干渉抑制効果が現れている。即ち、本発
明によれば、移動体通信機器をはじめとする高周波電子
機器類内部での電磁波の干渉抑制に有効な薄厚の電磁干
渉抑制体を得ることが出来る。
【0086】尚、本発明の複合磁性体及び電磁干渉抑制
体は、その構成要素から判るように容易に可撓性を付与
することが可能であり、複雑な形状への対応や、厳しい
耐振動、衝撃要求への対応が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において、電磁干渉抑制体の特
性評価に用いた評価系を示す概略図である。
【図2】本発明の実施例において、検証用試料1乃至検
証用試料2及び比較用試料6の条件にて作製した各試料
のμ−f特性を示す図である。
【符号の説明】 2 複合磁性体 4,5 微小ループアンテナ 6 電磁界波源用発信器 7 電磁界強度測定器 8 銅板 10 電磁干渉抑制体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 寛 宮城県仙台市青葉区桜ケ丘七丁目37番10号

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁歪定数λが正の組成を有し偏平状に加
    工された軟磁性体粉末と、有機結合剤からなることを特
    徴とする複合磁性体。
  2. 【請求項2】 磁歪定数λが負の組成を有し偏平状に加
    工された軟磁性体粉末と、有機結合剤からなることを特
    徴とする複合磁性体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のいずれか
    の複合磁性体において、 前記軟磁性体粉末は、前記偏平状に加工された後、加工
    により生じる残留歪み緩和化の為の焼鈍処理が施された
    ものであることを特徴とする複合磁性体。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3に記載のいずれか
    の複合磁性体において、 前記偏平状に加工された軟磁性体粉末の平均の厚さは、
    該複合磁性体の使用周波数における表皮深さδよりも小
    さいことを特徴とする複合磁性体。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4に記載のいずれか
    の複合磁性体において、 前記偏平状に加工された軟磁性体粉末は、該複合磁性体
    中において、配向配列されていることを特徴とする複合
    磁性体。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5に記載のいずれか
    の複合磁性体において、 前記軟磁性体粉末は、少なくともその表面に酸化物層を
    有することを特徴とする複合磁性体。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の複合磁性体において、 前記少なくともその表面に酸化物層を有する軟磁性体粉
    末は、該酸化物層を気相中除酸法又は液相中除酸法によ
    り酸素含有混合ガスにて表面酸化をすることにより形成
    されたものであることを特徴とする複合磁性体。
  8. 【請求項8】 請求項6又は請求項7に記載のいずれか
    の複合磁性体において、 前記軟磁性体粉末と、前記有機結合剤とからなり、且
    つ、電気的に非良導性であることを特徴とする複合磁性
    体。
  9. 【請求項9】 異なる大きさの及び/又は異なる符号の
    磁歪定数λを有する少なくとも二つの偏平状軟磁性体粉
    末と有機結合剤からなる複合磁性体。
  10. 【請求項10】 焼鈍処理条件の異なる少なくとも2つ
    の偏平状軟磁性体粉末と有機結合剤からなる複合磁性
    体。
  11. 【請求項11】 軟磁性体と有機結合剤からなる複合磁
    性体の製造方法に関し、 前記軟磁性体粉末を偏平状に加工し、 該加工により前記軟磁性体粉末に生じる残留歪み緩和化
    の為の焼鈍処理を施し、 該焼鈍処理を施された前記軟磁性体粉末の少なくとも表
    面に気相中除酸法又は液相中除酸法により酸素含有ガス
    にて表面酸化をすることで酸化物層を形成することを特
    徴とする複合磁性体の製造方法。
  12. 【請求項12】 軟磁性体と有機結合剤からなる複合磁
    性体の製造方法に関し、 前記軟磁性体粉末を偏平状に加工し、 前記軟磁性体粉末の少なくとも表面に気相中除酸法又は
    液相中除酸法により酸素含有ガスにて表面酸化をするこ
    とで酸化物層を形成し、 該酸化物層を形成された前記軟磁性体粉末に前記偏平状
    に加工したことにより生じる残留歪み緩和化の為の焼鈍
    処理を施すことを特徴とする複合磁性体の製造方法。
  13. 【請求項13】 軟磁性体と有機結合剤からなる複合磁
    性体の製造方法に関し、 前記軟磁性体粉末を偏平状に加工し、 該加工された前記軟磁性体粉末に、前記加工により前記
    軟磁性体に生じる残留歪み緩和化の為の焼鈍処理と、前
    記軟磁性体粉末の少なくとも表面に気相中除酸法により
    酸素含有ガスにて表面酸化をすることで酸化物層を形成
    する処理とを同時に行うことを特徴とする複合磁性体の
    製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項11乃至請求項13に記載のい
    ずれかの複合磁性体の製造方法に関し、 前記軟磁性体粉末を偏平状に加工する際に、前記軟磁性
    体に加わる歪み量、あるいは前記焼鈍処理の条件を変え
    ることにより該複合磁性体の複素透磁率の周辺周波数を
    制御することを特徴とする複合磁性体の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至請求項10に記載のいず
    れかの複合磁性体をその構成要素として有する電磁干渉
    抑制体であって、前記複合磁性体の互いに異なる大きさ
    の残留歪みに相応して相異なる周波数領域に出現する複
    数の磁気共鳴の内、最も低い周波数領域に現れる磁気共
    鳴が、所望する電磁干渉抑制周波数帯域の下限よりも低
    い周波数領域にあることを特徴とする電磁干渉抑制体。
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