JP2002289328A - 発熱体、それを用いた定着器および発熱体の製造方法 - Google Patents
発熱体、それを用いた定着器および発熱体の製造方法Info
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Abstract
とともに、非晶質ガラス層における比較的大きな気泡の
発生を防止することにより、電気絶縁性を良好に確保す
ることのできる、発熱体を提供する。 【解決手段】 熱応答性を有する基板1上に形成された
抵抗体2と、この抵抗体2を保護するために形成された
保護層3とによって構成される発熱体であって、保護層
3は、抵抗体2を覆うように基板1の上に形成された第
1結晶化ガラス層4と、この第1結晶化ガラス層4の上
に第1結晶化ガラス層4より薄く形成された第1非晶質
ガラス層5と、この第1非晶質ガラス層5の上に形成さ
れた第2結晶化ガラス層6と、この第2結晶化ガラス層
6の上に最上層として形成された第2非晶質ガラス層7
とによって構成されている。
Description
タ等の定着器に備えられる発熱体、その定着器、および
発熱体の製造方法に関する。
よりトナーを用紙に定着させるための定着器が具備さ
れ、この定着器には、熱を供給するための発熱体が備え
られている。図6は、上記発熱体の一例を示す概略断面
図である。この発熱体は、たとえばチッ化アルミニウム
系セラミックスからなる基板11と、この基板11上に
帯状に形成された、たとえば銀・パラジウムからなる抵
抗体12と、この抵抗体12を保護するために形成され
た保護層13とによって大略構成されている。
成された結晶化ガラス層14と、結晶化ガラス層14の
上面に形成された電気絶縁性および平滑性を有する非晶
質ガラス層15とからなる。なお、図6には示されてい
ないが、基板11上には、抵抗体12に対して電力を供
給するための電極層が形成されている。
に上記電極層を介して電力が供給されると、抵抗体12
は、所定の発熱量で発熱する。この発熱体では、基板材
料に熱応答性に優れたチッ化アルミニウム系セラミック
スが用いられているため、基板11全体に熱が広がる。
そのため、基板11全体を、たとえばプリンタ等の定着
器における発熱体として利用することができる。また、
たとえばサーマルプリントヘッドに用いられるアルミナ
系セラミックス基板等では、発熱抵抗体の部分でのみし
か発熱せず、熱分布が悪いために基板割れが生じること
がある。しかし、上記発熱体では、基板11全体に熱が
広がるため、上記基板割れは起こりにくいといった利点
がある。
基板11にチッ化アルミニウム系セラミックスが用いら
れているために、以下に示す不都合が生じる。すなわ
ち、この発熱体では、非晶質ガラス層15を基板11上
に接するように形成すると、この非晶質ガラス層15の
材料となるガラスペーストを基板11上で印刷焼成する
ときに、基板11中の窒素とガラス中の酸素とが反応し
てNO2やNOX等による気泡を生じる場合がある。そ
のため、この気泡を生じる部分では、充分な電気絶縁性
が得られないことがあった。
うに、図6に示したように、非晶質ガラス層15と基板
11との間に、結晶化ガラス層14を介在させて、非晶
質ガラス層15が基板11と接することが可能な限り少
なくなるようにしている。また、この場合、非晶質ガラ
ス層15は、この発熱体の電気絶縁性を確保するため
に、比較的厚めに形成されている。具体的には、結晶化
ガラス層14の厚みはたとえば22μm程度に、非晶質
ガラス層15の厚みは40μm程度にそれぞれ形成され
ている。
ガラス層14を基板11上に形成するために、ガラスペ
ーストが印刷された基板11を焼成炉に搬入して焼成す
ると、銀・パラジウムからなる抵抗体12中の銀成分が
結晶化ガラス層14中に拡散してしまうことがある。こ
れは、結晶化ガラス層14が多孔質であるためであり、
このように、結晶化ガラス層14に銀成分が拡散する
と、発熱体としての電気絶縁性が損われることになる。
ようにそれ自体が多孔質であるため、その上に非晶質ガ
ラス層15が積層されると、結晶化ガラス層14中にガ
スが溜まってしまう。このガスは、結晶化ガラス層14
内を抜けていこうとするが、結晶化ガラス層14の上
に、非晶質ガラス層15が比較的厚く形成されているの
で、非晶質ガラス層15にガスが徐々にしみ込んで、今
度は、非晶質ガラス層15内にそのガスが留まり、比較
的大きな気泡を生じさせることがあった。図7は、走査
型電子顕微鏡(SEM:Scanning Elect
ron Microscope)によって800倍に拡
大したときの発熱体の断面構造を示す写真であるが、こ
の写真によれば、非晶質ガラス層15中に大きな気泡が
生じていることがわかる。このように、非晶質ガラス層
15中に大きな気泡が存在することによっても、発熱体
として電気絶縁性が悪化し、破壊の一因となることがあ
った。
出されたものであって、結晶化ガラス層における銀の拡
散を抑制するとともに、非晶質ガラス層における比較的
大きな気泡の発生を防止することにより、電気絶縁性を
良好に確保することのできる、発熱体を提供すること
を、その課題とする。
は、次の技術的手段を講じている。
発熱体は、たとえばチッ化アルミニウム系セラミックス
からなる熱応答性を有する基板上に形成された抵抗体
と、この抵抗体を保護するために形成された保護層とに
よって構成される発熱体であって、上記保護層は、結晶
化ガラス層および非晶質ガラス層が、少なくとも4層以
上に交互に積層されてなることを特徴としている。具体
的には、上記保護層は、上記抵抗体を覆うように上記基
板の上に形成された第1結晶化ガラス層と、この第1結
晶化ガラス層の上に第1結晶化ガラス層より薄く形成さ
れた第1非晶質ガラス層と、上記第1非晶質ガラス層の
上に形成された第2結晶化ガラス層と、この第2結晶化
ガラス層の上に最上層として形成された第2非晶質ガラ
ス層とによって構成される。この場合、第1非晶質ガラ
ス層は、たとえば8〜12μmに設定されて形成されて
いる。
るための保護層は、結晶化ガラス層および非晶質ガラス
層が交互に積層されてなり、抵抗体を覆う最下層として
の第1結晶化ガラス層の上に、これより薄く第1非晶質
ガラス層が形成されている。ここで、第1結晶化ガラス
層においては、それ自体が多孔質であるために、たとえ
ば銀・パラジウムからなる抵抗体の銀成分が拡散するこ
とがあるが、第1非晶質ガラス層内では銀の拡散が生じ
ないため、第1結晶化ガラス層の上に、第1非晶質ガラ
ス層を形成すれば、それ以上の銀の拡散を抑制すること
ができる。また、第1非晶質ガラス層は薄く形成されて
いるため、この層において比較的大きな気泡が生じるこ
とはない。
層および非晶質ガラス層の2層構造とされ、抵抗体を保
護するのに充分な有効膜厚が確保されるように、非晶質
ガラス層が比較的厚く形成されていた。そのため、結晶
化ガラス層において溜まっていたガスが非晶質ガラス層
にしみ込んで留まり、比較的大きな気泡を生じさせるこ
とがあり、電気絶縁性の低下を招いていた。しかし、本
願発明のように、第1非晶質ガラス層を薄く形成すれ
ば、ガスは第1非晶質ガラス層に留まることなく抜けて
しまい、大きな気泡を生じさせることがない。そのた
め、この発熱体の電気絶縁性の低下を防止することがで
きる。
上記第2非晶質ガラス層は、上記第1結晶化ガラス層お
よび上記第2結晶化ガラス層が外部に露出することのな
いようにそれらを覆うように形成されている。この構成
によれば、多孔質である第1結晶化ガラス層および第2
結晶化ガラス層が外部に露出されれば、その外表面から
内部に水分が侵入することがあるが、上記第2非晶質ガ
ラス層によってその水分の侵入を防止することができ
る。
ば、上記保護層は、その全体厚みが、各ガラス層がそれ
ぞれ所定の厚みに形成されることにより、上記抵抗体を
保護するための有効膜厚となるよう形成される。この構
成により、抵抗体を保護する目的で形成された保護層に
おいて、その有効膜厚を充分に維持でき、良好に電気絶
縁性を確保することができる。
定着器は、本願発明の第1の側面によって提供される発
熱体を用いたことを特徴としている。このように、たと
えばプリンタ等に具備され、熱によりトナーを用紙に定
着させるための定着器に対して、上記した絶縁性が良好
に維持された発熱体を用いれば、信頼性の高い定着器を
提供することができる。
される発熱体の製造方法は、チッ化アルミニウム系セラ
ミックスからなる基板上に抵抗体を形成し、この抵抗体
の上に結晶化ガラスペーストおよび非晶質ガラスペース
トを順次、印刷焼成して積層状に結晶化ガラス層および
非晶質ガラス層を形成する工程を含む、発熱体の製造方
法であって、上記抵抗体が形成された上記基板上に、結
晶化ガラスペーストを印刷焼成することにより第1結晶
化ガラス層を形成する工程と、この第1結晶化ガラス層
の上に、非晶質ガラスペーストを印刷焼成することによ
り第1非晶質ガラス層を第1結晶化ガラス層より薄く形
成する工程と、この第1非晶質ガラス層の上に、結晶化
ガラスペーストを印刷焼成することにより第2結晶化ガ
ラス層を形成する工程と、この第2結晶化ガラス層の上
に、非晶質ガラスペーストを印刷焼成することにより、
上記第1結晶化ガラス層および第2結晶化ガラス層が外
部に露出しないようにそれらを覆うように、最上層とし
ての第2非晶質ガラス層を形成する工程とを含むことを
特徴としている。
方法によれば、本願発明の第1の側面によって提供され
る発熱体を製造することができ、また、上記第1の側面
によって得られる作用効果と同様の作用効果を得ること
ができる。
付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より
明らかとなろう。
形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
す概略断面図である。この発熱体は、プリンタ等に具備
された、熱によりトナーを用紙に定着させるための定着
器に備えられ、用紙に対して熱を供給するためのもので
ある。上記発熱体は、熱応答性を有する基板1と、この
基板1上に形成された抵抗体2と、この抵抗体2を保護
するための保護層3とによって大略構成されている。
の上に形成された第1結晶化ガラス層4と、この第1結
晶化ガラス層4の上に形成された第1非晶質ガラス層5
と、この第1非晶質ガラス層5の上に形成された第2結
晶化ガラス層6と、この第2結晶化ガラス層6の上に最
上層として形成された第2非晶質ガラス層7とを備えて
いる。
セラミックスからなり、略平板状に形成されている。チ
ッ化アルミニウム系セラミックスは、熱応答性に優れて
いるため、基板1の材料にこれを用いることにより基板
1全体に熱を広げることができる。そのため、この発熱
体では、熱分布に劣るアルミナ系セラミックス等に比
べ、それらによって生じる可能性のある基板割れの発生
を抑えることができるといった利点を有する。
面と垂直方向に延びて帯状に形成されている。抵抗体2
は、たとえば銀・パラジウムからなり、所定幅を有し、
かつ厚みが13μm程度に形成されている。なお、図1
では、省略されているが、基板1上には、抵抗体2に電
力を供給するための電極層が形成されている。この電極
層に対して図示しない駆動装置から電力が供給されるこ
とにより、抵抗体2が所定の発熱量で発熱する。この場
合、発熱体では、基板1に、熱応答性に優れたチッ化ア
ルミニウム系セラミックスが用いられているため、基板
1全体に熱が広がる。したがって、この発熱体を、たと
えばプリンタ等の定着器に用いれば、基板1全体を利用
して、トナーを紙面に対して良好に定着させることがで
きる。
にそれを覆うようにして形成されている。第1結晶化ガ
ラス層4は、第1非晶質ガラス層5と基板1とが反応し
てNOX等の気泡を発生することを防止する目的で形成
される。第1結晶化ガラス層4は、たとえばBaO−A
l2O3−SiO2系のガラスからなり、多孔性を有し
ている。第1結晶化ガラス層4は、この層の材料となる
ガラスペーストが印刷焼成されることにより形成され、
層の厚みは、22μm程度に設定される。なお、第1結
晶化ガラス層4は、後述するように、いわゆる二度塗り
されて形成される。
ス層4の上面に形成される。第1非晶質ガラス層5は、
第1結晶化ガラス層4において拡散された銀のさらなる
拡散を抑制するために形成される。第1非晶質ガラス層
5は、たとえばSiO2−BaO−B2O3系のガラス
からなり、電気絶縁性および平滑性を有しているが、多
孔質ではない。そのため、第1非晶質ガラス層5内にお
いては、銀が拡散することはない。
なるガラスペーストを印刷焼成することにより形成さ
れ、基板1と接触しないように、第1結晶化ガラス層4
の上面を覆うように形成される。第1非晶質ガラス層5
の厚みは、8〜12μm程度に、好ましくは10μm程
度に設定され、従来の非晶質ガラス層15の厚み(40
μm程度)と比較して極端に薄く形成されている。
較的厚めに形成されていたために、結晶化ガラス層14
において発生した気泡が非晶質ガラス層15内にしみ込
んで溜まり、大きな気泡となることがあった。しかしな
がら、本実施形態においては、第1非晶質ガラス層5の
厚みを薄く形成しており、第1非晶質ガラス層5は、第
1結晶化ガラス層4に比べ、より緻密な分子構造とされ
るため、気泡は、第1非晶質ガラス層5にしみ込んでい
くが、大きなものにはならず、また、留まることなく外
部に抜けていく。したがって、比較的大きな気泡が非晶
質ガラス層に留まることによる電気絶縁性の低下を防止
することができ、信頼性の高い発熱体、およびこれを備
えた定着器を提供することができる。
ス層5の上に形成されている。第2結晶化ガラス層6
は、第1結晶化ガラス層4と同様の材料からなり、多孔
性を有している。第1結晶化ガラス層4は、この層の材
料となるガラスペーストを印刷焼成することにより形成
され、層の厚みは10μm程度に設定されて形成され
る。
ス層6上に最上層として積層されている。第2非晶質ガ
ラス層7は、第1非晶質ガラス層5と同様の材料からな
り、電気絶縁性および平滑性を有している。第2非晶質
ガラス層7は、この層の材料となるガラスペーストを印
刷焼成することにより形成され、層の厚みは、20μm
程度に設定されている。なお、第2結晶化ガラス層6
は、第1結晶化ガラス層4と同様に、後述するように、
いわゆる二度塗りされて形成される。このように、最上
層に分子構造が緻密な非晶質ガラス層15が形成されれ
ば、発熱体としての表面が滑らかなものとなり、発熱体
と接触される用紙等に与える影響を少なくすることがで
きる。
電子顕微鏡(SEM)によって800倍に拡大した場合
の写真である。なお、この写真は、抵抗体2が存在しな
い部分を示している。このように、第1結晶化ガラス層
4および第1非晶質ガラス層5、並びに第2結晶化ガラ
ス層6および第2非晶質ガラス層7が所定の膜圧にそれ
ぞれ形成されることにより、抵抗体2を適切に保護し、
かつ必要な電気絶縁性を実現するための有効膜厚を確保
することができる。
3および図4を参照して説明する。まず、チッ化アルミ
ニウム系セラミックスの原材料を用いて、これを焼成す
ることにより、平板状の基板1を得る。
うに、帯状の抵抗体2を形成する。すなわち、銀・パラ
ジウムの抵抗体ペーストを、基板1上の所定位置に塗布
し、その後、乾燥し、所定の焼成温度(たとえば850
℃)で焼成することにより、抵抗体2をその厚みが13
μm程度になるように形成する。
にして第1結晶化ガラス層4を形成する。この場合、ま
ず、図3(b)に示すように、第1結晶化ガラス層4の
材料となるガラスペーストを塗布し、印刷、乾燥し、所
定の焼成温度(たとえば810℃)で焼成することによ
り、厚みが11μm程度になるように下層4aを形成す
る。その後、さらに図3(c)に示すように、焼成した
下層4aの上にガラスペーストを塗布し、印刷焼成する
ことにより、全体の厚みが22μm程度になるように上
層4bを形成する。すなわち、いわゆる二度塗りを行
う。これは、一度の印刷焼成では、所定の厚みが形成さ
れにくいためであり、また、層を平滑に形成するためで
ある。
(d)に示すように、第1非晶質ガラス層5を形成す
る。具体的には、第1非晶質ガラス層5の材料となるガ
ラスペーストを基板1と接触しないように、かつ第1結
晶化ガラス層4の上面を覆うように印刷する。その後、
ガラスペーストを乾燥させ、所定の焼成温度(たとえば
810℃)で焼成することにより、第1非晶質ガラス層
5を、その厚みが10μm程度になるように形成する。
4(e)に示すように、第2結晶化ガラス層6を形成す
る。具体的には、第2結晶化ガラス層6の材料となるガ
ラスペーストを、第1非晶質ガラス層5の上面を覆うよ
うに印刷し、その後、乾燥させ、所定の焼成温度(たと
えば810℃)で焼成することにより、第1非晶質ガラ
ス層5を、その厚みが10μm程度になるように形成す
る。
非晶質ガラス層7を形成する。この工程では、第1結晶
化ガラス層4と同様に二度塗りが行われる。具体的に
は、図4(f)に示すように、第2非晶質ガラス層7の
材料となるガラスペーストを、第1結晶化ガラス層4お
よび第2結晶化ガラス層6が外部に露出しないように、
これらを覆うようにして印刷する。そして、上記ガラス
ペーストを乾燥させ、所定の焼成温度(たとえば810
℃)で焼成することにより、下層7aを、その厚みが1
0μm程度に形成する。
下層7aの外表面を覆うように、ガラスペーストを塗布
し、印刷焼成することにより、上層7bを、その厚みが
10μm程度に形成し、第2非晶質ガラス層7の全体の
厚みが22μm程度に形成する。このようにして、図1
に示したような、第1および第2結晶化ガラス層4,
6、並びに第1および第2非晶質ガラス層5,7が交互
に積層された保護層3を有する発熱体が得られる。
さの集合基板を準備し、縦割り溝および横割り溝によっ
て区画された個別領域に対して一括して上記した抵抗体
2および各層3を形成し、その後、縦割り溝および横割
り溝に沿って分割することにより、上記した発熱体が得
られる。
本願発明者らが行った絶縁破壊試験および耐電圧試験を
説明する。絶縁破壊試験は、本実施形態の発熱体および
従来品を試料としてそれぞれ複数準備し、発熱体の抵抗
体と最上層の非晶質ガラス層との間に段階的に電圧を印
加していき、発熱体の材料が破壊に至る電圧を測定する
試験であり、表1に、実際に測定したデータを従来品の
測定データとともに示す。
および従来品を試料としてそれぞれ複数準備し、図5に
示すように、発熱体の抵抗体2と最上層の第2非晶質ガ
ラス層7との間に、たとえば1.6kVを3秒間、印加
したときに、どの位の割合で試料が破壊するか、すなわ
ち不良品となるかを調べる試験であり、実施数に対する
不良品の割合を不良率として求め、表1に、実際に調べ
たデータを従来品のデータとともに示す。
実施形態の発熱体における平均値は、4.0kV程度で
あるのに対し、従来品における平均値は、3.9kV程
度であり、それほどの差は見られなかった。ところが、
本実施形態の発熱体における最大値と最小値との電圧幅
は、最大値が4.2kV程度、最小値が3.8kV程度
であって約0.4kVであるのに対し、従来品は、最大
値が4.4kV程度、最小値が2.6kV程度であって
約1.8kVであった。この結果より、本実施形態の発
熱体は、従来品に比べ、最大値と最小値との電圧幅にお
いてばらつきが小さいと言え、電気絶縁性が安定してい
ることがわかる。
発熱体における不良率は、0.3%であるのに対し、従
来品における不良率は、11.8%であった。この結果
より、本実施形態の発熱体の方が従来品に比べ、不良品
となる割合が各段に少なく、絶縁耐圧において各段に優
れていることがわかる。
の形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施
形態では、保護層3の層数を4層としたが、これ以上の
層数によって保護層3が形成されてもよい。また、上記
した基板1、抵抗体2、結晶化ガラス層4,6および非
晶質ガラス層5,7のそれぞれの材質、形状、および厚
み等は上記した実施形態に限るものではない。また、こ
の発明をプリンタ等の定着器だけでなく、サーマルプリ
ントヘッド等の他の電子部品に適用するようにしてもよ
い。
ある。
Claims (8)
- 【請求項1】 熱応答性を有する基板上に形成された抵
抗体と、この抵抗体を保護するために形成された保護層
とによって構成される発熱体であって、 上記保護層は、結晶化ガラス層および非晶質ガラス層
が、少なくとも4層以上に交互に積層されてなることを
特徴とする、発熱体。 - 【請求項2】 上記保護層は、上記抵抗体を覆うように
上記基板の上に形成された第1結晶化ガラス層と、この
第1結晶化ガラス層の上に上記第1結晶化ガラス層より
薄く形成された第1非晶質ガラス層と、この第1非晶質
ガラス層の上に形成された第2結晶化ガラス層と、この
第2結晶化ガラス層の上に最上層として形成された第2
非晶質ガラス層とによって構成される、請求項1に記載
の発熱体。 - 【請求項3】 上記第1非晶質ガラス層は、8〜12μ
mに設定されて形成された、請求項2に記載の発熱体。 - 【請求項4】 上記第2非晶質ガラス層は、上記第1結
晶化ガラス層および上記第2結晶化ガラス層が外部に露
出することのないようにそれらを覆うように形成され
た、請求項2または3に記載の発熱体。 - 【請求項5】 上記保護層は、その全体厚みが、各ガラ
ス層がそれぞれ所定の厚みに形成されることにより、上
記抵抗体を保護するための有効膜厚となるよう形成され
る、請求項1ないし4に記載の発熱体。 - 【請求項6】 上記基板は、チッ化アルミニウム系セラ
ミックスからなる、請求項1ないし5のいずれかに記載
の発熱体。 - 【請求項7】 上記請求項1ないし6のいずれかに記載
の発熱体を用いたことを特徴とする、定着器。 - 【請求項8】 チッ化アルミニウム系セラミックスから
なる基板上に抵抗体を形成し、この抵抗体の上に結晶化
ガラスペーストおよび非晶質ガラスペーストを順次、印
刷焼成して積層状に結晶化ガラス層および非晶質ガラス
層を形成する工程を含む、発熱体の製造方法であって、 上記抵抗体が形成された上記基板上に、結晶化ガラスペ
ーストを印刷焼成することにより第1結晶化ガラス層を
形成する工程と、 この第1結晶化ガラス層の上に、非晶質ガラスペースト
を印刷焼成することにより第1非晶質ガラス層を上記第
1結晶化ガラス層より薄く形成する工程と、 この第1非晶質ガラス層の上に、結晶化ガラスペースト
を印刷焼成することにより第2結晶化ガラス層を形成す
る工程と、 この第2結晶化ガラス層の上に、非晶質ガラスペースト
を印刷焼成することにより、上記第1結晶化ガラス層お
よび第2結晶化ガラス層が外部に露出しないようにそれ
らを覆うように、最上層としての第2非晶質ガラス層を
形成する工程とを含むことを特徴とする、発熱体の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001130354A JP4593824B2 (ja) | 2001-03-23 | 2001-03-23 | 発熱体、それを用いた定着器および発熱体の製造方法 |
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