JPH09218178A - ガスセンサとその製造方法 - Google Patents

ガスセンサとその製造方法

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JPH09218178A
JPH09218178A JP8025697A JP2569796A JPH09218178A JP H09218178 A JPH09218178 A JP H09218178A JP 8025697 A JP8025697 A JP 8025697A JP 2569796 A JP2569796 A JP 2569796A JP H09218178 A JPH09218178 A JP H09218178A
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JP
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substrate
insulating layer
heater
gas sensor
electrodes
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Application number
JP8025697A
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English (en)
Inventor
Masayuki Obara
真之 小原
Kaname Miwa
要 三輪
Takehiko Saiki
猛彦 齋木
Hideaki Yagi
秀明 八木
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 固体電解質の基板を用いたガスセンサにおい
て、測定するガスや雰囲気温度による基板の劣化を防止
し、センサの温度依存性を低減させるガスセンサを提供
し、且つ、生産性の向上をも図る製造方法。 【解決手段】 固体電解質からなる表裏面を有する基板
2に、複数の電極層3と電気絶縁層5を設け、該電気絶
縁層5上にヒータ6を設けたガスセンサであって、該電
気絶縁層5を上記ヒータの加熱、冷却によって上記基板
に反り等の歪みが生じないパターン又は厚みで、上記基
板2の表裏面のいずれにも設けたもの、又は固体電解質
の基板2の一方の表面に複数の電極3と、この電極以外
の基板の両表面を電気絶縁層5で被覆し、この電気絶縁
層5の上にヒータを設けたガスセンサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関、暖房
機、ガス給湯器やガスレンジ等の燃焼系や空気調和系の
制御に用いられ、各種のガスの有無や濃度を検知するた
めの固体電解質基板を用いたガスセンサとその製造方法
に関する。尚、本明細書においては、検知ガス用の触
媒、或いは、電極を保護するフィルタ層を欠くガスセン
サ素子も含めて、ガスセンサと称するものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】一般に固体電解質の基板を
用いたガスセンサは、その固体電解質のイオン伝導率を
高く維持するため、ヒータ等により数100℃に加熱保持
する必要があり、このヒータの取付に関するガスセンサ
一例として特開昭61-194348号公報に記載のCOガス検
知素子が挙げられる。この検知素子は、電極や触媒層を
被覆した固体電解質の基板と、ヒータ回路を印刷した電
気絶縁性基板とを無機系接着剤等で接合した構造を有す
ることで、素子温度が安定し、且つ消費電力が少なくで
きる効果を得るものである。しかし、この接合構造によ
るガスセンサでは、上記固体電解質の基板と電気絶縁性
基板との密着性を長期にわたり維持することが困難で、
経年使用のヒートサイクルによって、剥離したり破損す
る恐れがあった。
【0003】この問題を解決するため、固体電解質の基
板に対し電気絶縁層とヒータの印刷用ペーストを同時に
焼成する方法が提案されている。これは固体電解質の基
板、アルミナ(Al2O3)膜、及びヒータ印刷用ペーストを同
時に焼成することで密着性は十分改善され、前記接合構
造によるガスセンサの欠点を解決したものである。しか
しながら、上記の同時焼成方式においては、固体電解質
の基板とアルミナ膜との焼成後の収縮量を完全に合わせ
ることは困難で、焼成時に反りが生じやすく、多数のセ
ンサを同時に得るための数センチ角程度のグリーンシー
トを表裏面が平坦になるよう焼成できず、センサの歩留
及び生産性を低下させると共に、得られるガスセンサの
機能を低下させる等の問題点があった。更に、ガスセン
サは高温の還元ガス雰囲気中で使用されることが多く、
固体電解質の基板がこれらのガスと直接接触するため、
固体電解質が劣化し、センサ機能が低下していくという
問題点もあった。
【0004】
【発明が解決すべき課題】本発明は、前記従来の技術の
問題点を解決し、断面方向に歪み(反り)のない固体電解
質の基板を有するガスセンサを提供し、且つ長期に渉る
還元ガス中等におけるヒートサイクルによっても固体電
解質の基板の歪みを微少にし、基板やセンサ特性の劣化
を防止し、上記基板の強度を向上できるガスセンサを提
供すると共に、係るガスセンサの製品精度及び製品歩留
いずれにも優れた製造方法をも提供しようとするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、第1の発明は、固体電解質の基板の表面に複数の電
極、ヒータ及び電気絶縁層を設けたものであって、上記
基板の両表面に電気絶縁層を被覆したことを特徴とする
ガスセンサとその製造方法を内容とする。具体的には、
固体電解質の基板の両表面に電気絶縁層をヒータの加熱
等によって基板に反り等の歪みを生じないパターンや厚
みで被覆したり、固体電解質の基板の一方の表面に複数
の電極を、該電極設置部以外の基板の両表面に電気絶縁
層を被覆し、少なくとも一方の電気絶縁層の上にヒータ
を設けたり、上記基板の同じ表面に複数の電極と電気絶
縁層を設け、該電気絶縁層の上にヒータを設け、基板の
他方の表面に電気絶縁層を被覆したり、或いは、前記基
板の両表面に電極をそれぞれ対応して設け、これらの電
極設置部以外の基板の両表面に電気絶縁層を被覆し、少
なくとも一方の絶縁層の上にヒータを設けた構造を有す
ることを特徴とするガスセンサをも含む。更にこれらの
構造において、前記複数の電極の少なくとも一方の上に
多孔質な電気絶縁層、及び/又は検知ガス用の触媒を被
覆したガスセンサ、特にCOガス検知用のセンサとする
ものも含む。
【0006】そして、上記したガスセンサを得るため、
固体電解質基板用のグリーンシートの一方の表面に複数
の電極用ペーストを、又は、上記シートの両表面にそれ
ぞれ対応して電極用ペーストを面方向に複数配置する工
程と、これら電極用ペースト以外のグリーンシートの両
表面に電気絶縁層用ペーストを配置する工程と、少なく
とも一方の電気絶縁層の上にヒータ用ペーストを配置す
る工程と、このグリーンシートを焼成する工程と、該焼
成後のセラミックシートから電極を一方又は両方の表面
に有し、該電極設置部以外の両表面を被覆する電気絶縁
層と、少なくとも一方の電気絶縁層の上にヒータを有す
るセンサ用基板を複数個切り出す工程と、からなること
を特徴とする製造方法も提案するものである。
【0007】更に、第2の発明は、固体電解質の基板の
表面に複数の電極、ヒータ及び電気絶縁層を設けたもの
であって、上記基板の電極設置部以外の基板のいずれか
一方の表面に電気絶縁層を被覆した平坦な基板を有する
ことを特徴とするガスセンサと、その製造方法を内容と
する。具体的には、固体電解質の基板の一方の表面に複
数の電極を、又は前記基板の両表面にそれぞれ対応して
電極を設け、これらの電極設置部を除いた上記基板のい
ずれか一方の表面に電気絶縁層を被覆し、この電気絶縁
層の上にヒータを設けたものであって、この基板の断面
方向の歪みが20μm以下とするガスセンサを内容とす
る。
【0008】加えて、固体電解質基板用のグリーンシー
トのいずれか一方の表面に複数の電極用ペーストを、又
は上記シートの両表面にそれぞれ対応して電極用ペース
トを面方向に複数配置する工程と、上記シートの電極設
置部を除く両表面に電気絶縁層用ペーストを配置する工
程と、いずれか一方の電気絶縁層の上にヒータ用ペース
トを配置する工程と、このグリーンシートを焼成した
後、該焼成後のセラミックシートから電極を一方又は両
方の表面に有し、且ついずれかの表面にのみ電気絶縁層
を有し、該電気絶縁層の上にヒータを有するセンサ用基
板を複数個切り出す工程とからなり、断面方向の歪みが
20μm以下であるセンサ用基板を得るガスセンサの製造
方法をも提案するものである。
【0009】
【作用】第1の発明によれば、固体電解質基板の両表面
に電気絶縁層を被覆したことによって、ガスセンサの固
体電解質の基板が反らず、長期に渉る還元ガス中等にお
けるヒートサイクルによってもガスセンサの固体電解質
の基板に生じる熱応力が低減され、変形等が抑制される
ので、上記基板の断面方向の歪みを最大でも20μm以
下に、条件によっては10μm以下、或いは5μm以下
に低く抑えられる。しかも前記還元性ガス等にも直かに
基板に接触しなくなるので、基板が劣化せず、且つガス
温度による影響も低減できるため、ガスセンサの特性を
高レベルに維持・安定したものにできる。
【0010】また、第1の発明の製造方法によれば、固
体電解質のグリーンシートの両表面に電気絶縁層を被覆
させることにより、電極・ヒータ用ペースト共に焼成す
る工程においても上記シートに反り等の歪みが発生しに
くくなり、製品精度及び製品歩留りに優れたガスセンサ
を効率良く製造することができる。更に、第2の発明に
よれば、反り等の歪みの微少な固体電解質の基板を有す
るガスセンサが得られ、且つ、固体電解質のシートの両
表面の適所に電気絶縁層を被覆させることにより、電極
・ヒータ用ペーストと共に焼成する工程においても上記
シートの両表面に生ずる応力や変形を抑制し合って反り
等の歪みが発生しにくくなり、製品精度及び製品歩留に
優れたガスセンサを効率良く製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本願の各発明について図面
に沿って、実施の形態を説明する。図1は、第1の発明
の実施の形態における代表的なガスセンサを示し、ガス
センサ1の基板2は、全体が直方体の形状(寸法;2〜5mm
×2〜10mm×0.1〜1.0mm)を有し、イットリア(Y2O3)、マ
グネシア(MgO)、又はカルシア(CaO)等で安定化された酸
素イオン伝導性を有するジルコニア(ZrO2)(以下、単にY
SZ,MSZ,又はCSZと記す)からなる。この基板
2の上面のほぼ中央部には、白金(Pt)等からなる一対の
正方形状(寸法;0.5〜3.0mm×0.5〜3.0mm×5〜50μm)
の電極3,3が密着して配設され、それらの周囲には、
アルミナ(Al2O3)等からなる電気絶縁層4が基板2の上
面に密着して被覆される。一方、上記基板2の底面のほ
ぼ全面にもアルミナ(Al2O3)等からなる電気絶縁層5が
被覆され、その上には白金等からなる厚さ5〜20μmのヒ
ータ6が蛇行状に配設され、その両端にはリード線との
接着部6aが設けられている。
【0012】前記基板2の上面側の電気絶縁層4は、本
体2の底面側の電気絶縁層5よりも量(体積)が多くなる
よう、又は厚く被覆される。これは、YSZからなる基
板2が反り等の歪みを生ずることなく、電気絶縁層4,
5を両表面に被覆するには、前記電極3,3の存在から
上面側の電気絶縁層4のパターン面積を多く、又は厚く
する必要によるものである。因みに上記絶縁層4の厚さ
は、4〜45μmであるのに対して、上記絶縁層5の厚さ
は、3〜30μmの範囲内で且つ上記絶縁層4よりも薄い。
これら絶縁層4,5の厚さの比は10:9〜2:1の範囲
内が望ましく、且つこれら絶縁層4,5の厚さの総和は
前記基板2の厚さの10分の1以下の範囲内が望まし
い。尚、仮に上記絶縁層4,5の厚さを上記と逆にする
には、それらのパターン面積を調整して、用いるペース
トの量を制御することで対処できる。また、この絶縁層
5はヒータ6が直にYSZの基板2に接してイオンが伝
導するのを防止するために被覆されるので、ヒータ6よ
りも広めに配設される。更に、上記ヒータ6はYSZか
らなる基板2のイオン伝導作用を活性化するために用い
られ、通常は基板2を300〜700℃程度に加熱する。
【0013】図2は、第1の発明におけるガスセンサの
他の実施形態を示す(図1と共通部分は同じ符号を用い
る)。図2(A)はYSZからなる基板2の上面中央に一対
の電極3,3を設け、その周囲にアルミナ(Al2O3)等か
らなる電気絶縁層4を被覆し、且つこの絶縁層上4の両
側部、又は周縁に沿ってヒータ6を配設すると共に、基
板2の底面のほぼ全面に電気絶縁層5を被覆したガスセ
ンサ1の断面を示す。係る構造により、電極3とヒータ
6との距離が縮まり電極3の温度が正確に制御できるた
め、その機能が向上すると共に、電極3とヒータ6を基
板2の同じ表面に配設したので、製造上も工程管理を容
易にすることができる。
【0014】また、図2(B)は、YSZからなる基板2の
両面の各中央に電極3をそれぞれ対応して設け、該電極
3,3の周囲にはアルミナ等からなる電気絶縁層4,5
を基板2の両面全体に被覆すると共に、これらの電気絶
縁層4,5の両側部、又は周縁に沿ってそれぞれヒータ
6,6を配設したガスセンサ1の断面を示す。更に、図
2(C)は、基板2の両面の一辺寄りに電極3をそれぞれ対
応して設け、該電極3,3以外の基板2の両面全体に電
気絶縁層4,5を被覆すると共に、これらの電気絶縁層
4,5上の中央部付近にそれぞれヒータ6,6を配設し
たガスセンサ1の断面を示す。これら図2(B),(C)のガ
スセンサ1は、前記と同様電極3の機能が向上すると共
に、センサ全体をコンパクト化することも可能となる。
尚、図2(B),(C)の各センサ1で、電極3,3及びヒー
タ6,6は必ずしも基板2の表裏面の同じ位置に配設さ
れるとは限らず、適宜ずらして配設することもでき、ま
た、ヒータ6は基板2の片面側にのみ設けることもでき
る。
【0015】図3は、前記図1,2の各実施形態をガス検
知可能に具体化したガスセンサの実施形態を示し、図3
(A)は、前記図1のガスセンサ1の基板2上面の一方の
電極3を覆うように例えば一酸化炭素(CO)を酸化して炭
酸ガス(CO2)とし、COガスを検知するための触媒層7
で被覆し、且つこの触媒層7と他方の電極3を含む電気
絶縁層4の上面のほぼ全体に多孔質なアルミナ(Al2O3)
等の電気絶縁材からなるフィルタ層8を被覆したもの
で、該フィルタ層8によって上記触媒層7と他方の電極
3を検知ガス中の塵埃から隔離し、且つ防護作用も果た
すものである。また、図3(B)は前記図2(A)のガスセン
サ1の基板2上面の一方の電極3を触媒層7で被覆し、
且つこの触媒層7と他方の電極3を含むヒータ6,6の
間における電気絶縁層4の上面のほぼ全体にフィルタ層
8を被覆したものである。更に、図3(C)は前記図2(B)
のガスセンサ1の基板2上面の電極3を触媒層7で被覆
し、且つこの触媒層7の上面を含むヒータ6,6の間に
おける電気絶縁層4の上のほぼ全面にフィルタ層8を被
覆すると共に、上記基板2底面の電極3の上にはフィル
タ層8のみを被覆したものである。尚、これらの実施例
におけるフィルタ層8は、少なくとも上記電極3や触媒
層7の上を覆っていれば基板2に対し部分的に被覆され
ていても良い。
【0016】次に第1の発明の製造方法の実施形態を、
前記図1のセンサ1について説明する。図4は数モル%
のイットリアと残り90数モル%のジルコニアとの混合粉
末にバインダ樹脂を添加して成形した固体電解質基板用
のグリーンシート2aを示し、その厚さは0.6mmで一
辺30mm角の正方形を呈する。その上面に白金(Pt)とYS
Z粉末を混合・調整したペーストをスクリーン(250メッシ
ュ,エマルシ゛ョン層厚;12μm)を用いて印刷し、図4(B)に示す
ように、上記シート2aの上面の面方向に一対で厚さ12μ
mの電極3,3を複数対配設した。そして約5分間放置
しスクリーンの網目跡をなくすよう水平化した後、約60
℃で15分間程乾燥処理をした。次いでこれらの複数対の
電極3,3…を除く上記シート2aの上面であって図4(B)
中の一点鎖線9の範囲内に、アルミナ粉末にバインダ樹
脂を添加して混合・調整したペーストをスクリーン印刷
した。その後約5分間放置して水平化し、更に約60℃で
20分間程乾燥処理をして厚さ37〜42μmの前記電気絶縁
層4を得た。
【0017】次に上記シート2aの底面に図4(C)中に示
す一点鎖線9の範囲内に、上記と同様アルミナを主成分
としたペーストをスクリーン印刷し、上記と同様の水平
化、乾燥処理を行い厚さ30〜36μmの前記電気絶縁層5
を得た。更に、この電気絶縁層5の上に白金等を含むペ
ーストをヒータパターンになるようスクリーン印刷し、
約5分間放置して水平化した後、約60℃で15分間程乾燥
処理を行って厚さ13μmのヒータ6,6…を得た。その
後このように前記電極3、電気絶縁層4,5、及びヒー
タ6を有するグリーンシート2a全体を350〜400℃に加熱
して脱脂処理をし、更に1400〜1600℃にて焼成処理を行
い、表面に前記電極3、電気絶縁層4,5、及びヒータ
6を有する厚さ0.54mmの固体電解質のセラミックシート
2bを得た。尚、図4(B),(C)中の破線10はレーザースク
ライブ加工を行う際、ガスセンサ1とする基板2,2…を
多数個取りするための切り出し線を示す。
【0018】前記のようにして得られた焼成済みセラミ
ックシート2bの反り量の評価を行った。比較例として、
前記製造工程のうち基板2の上面への電気絶縁層4の被
覆を省略したセラミックシート2bを用い、それぞれ図4
(D)に示すシート2bの反り量を含む断面方向の寸法tを
測定した。それらの結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1から、本発明の製造方法によるシート
2bは、比較例のものに比べ、約20分の1以下の反り量し
かなかった。そして、このシート2bから3mm×4mmの寸法
に切り出した個別のガスセンサの断面方向の反り(歪み)
は7〜9μmの範囲内にあり平均8μmで、全て10μm
未満の反りしか生じなかった。この結果から焼成済みシ
ート2bの段階で、直に前記ガス検知用の触媒7やフィル
タ層8のスクリーン印刷による被覆ができ、ガスセンサ
の生産性向上及びコストダウンが可能になる。
【0021】次に、ガスセンサ1の固体電解質の基板2
のインピーダンスを前記同様に本発明と比較例によるも
のとをそれぞれ測定した。前記セラミックシート2bから
切り出されたガスセンサ1を図5に示すように、基板2
の上面の一対の電極3,3と底面のヒータ6の両端にそれ
ぞれ白金のリード線(直径0.1mm)を接合し、それらの他
端側を台座12の角部から立設する外部計器用端子ピン1
3,13に信号引出し線14,14として、残った台座12の角
部から立設するヒータ電源用端子ピン15,15にヒータ電
圧印加用引出し線16,16としてそれぞれスポット溶接し
て接続した。この状態でヒータ6に通電し前記基板2を
500℃に加熱し、上記外部計器用端子ピン13,13の他端側
にインピーダンスアナライザ(ヒューレット゛・ハ゜ッカート゛社製4194
A)を接続して本発明と比較例のもの双方を測定した。更
にこれらのセンサ1を10,000ppmのCOガスを含む空気
中に、500℃の加熱状態で100時間保持した後、前記と同
様にインピーダンスを測定した。これらの結果を表2に
示す。表2から本発明のセンサ1は比較例のものに比
べ、加熱前後のインピーダンスは僅かしか増えず、還元
ガスに対する温度依存性が低いことが理解できる。ま
た、このことはヒータの加熱、冷却による基板の歪みが
微少であったものと推定される。因みに500℃×1時間
の加熱と、冷却を各々50回繰り返したが本発明のガスセ
ンサには殆ど歪みを生じていなかった。
【0022】
【表2】
【0023】第1の発明の製造方法は、前記の方法に限
らず、他の方法も採用できる。前記図2(A)のガスセン
サ1を得るには、固体電解質基板用のグリーンシート2a
の一方の表面に、面方向に複数対の電極用ペーストとそ
れらの周囲の表面に電気絶縁層用ペーストを印刷・乾燥
し、この電気絶縁層の上にヒータ用ペーストを印刷・乾
燥すると共に、他方の表面のほぼ全面に電気絶縁層用ペ
ーストを印刷・乾燥し、このように前記電極3、電気絶
縁層4,5、及びヒータ6を有するグリーンシート2aを
焼成した後、該焼成後のセラミックシート2bから一対の
電極3,3とヒータ6を同じ表面に有するセンサ用基板2
を複数個切り出すことによって製造できる。また、前記
図2(B)及び(C)のガスセンサ1を得るには、固体電解質
基板用のグリーンシート2aの両表面に、それぞれ面方向
に複数の電極用ペーストとそれらの周囲の面に電気絶縁
層用ペーストを表裏対応して印刷・乾燥し、これらの電
気絶縁層の上にヒータ用ペーストを印刷・乾燥し、この
ように前記電極3、電気絶縁層4,5、及びヒータ6を
有するグリーンシート2aを焼成した後、該焼成後のセラ
ミックシート2bから電極3とヒータ6を表裏面の両方に
有するセンサ用基板2を複数個切り出すことによって製
造できる。
【0024】更に、前記図3にて説明した触媒7は、前
記各方法における焼成後のセラミックシート2b上の所望
の電極3の上に被覆することで、また、フィルタ層8も
アルミナに対してバインダ樹脂の含有量を多くしたペー
ストをやはり前記各方法における焼成後のセラミックシ
ート2b上の所望の電極3、触媒7及び電気絶縁層4等を
被覆し、乾燥及び調整することによって製造される。
【0025】尚、第1の発明において、電気絶縁層は固
体電解質の基板2の両表面を被覆することは勿論、この
基板2の四周側面全てを被覆することも含まれる。この
ように電極3の上面以外の基板の全表面を電気絶縁層で
覆った場合には、長期に渉るヒートサイクルによって
も、基板やセンサ特性の劣化を確実に防止し、基板強度
を向上でき、固体電解質の基板の歪み(反り)のないガス
センサを提供できる。更に、第1の発明の製造方法にお
いて、各ペーストは自然乾燥させても良く、前記の強制
乾燥は必須の工程ではない。そして、前記した電極用ペ
ーストと電気絶縁層用ペーストの印刷や乾燥の順序も、
前記グリーンシート2aの表裏を含め自由変更して設定す
るこができる。また、電極用、電気絶縁層用、及びヒー
タ用ペーストも前記グリーンシートと同時に焼成せず、
先にグリーンシートを焼成した後で各ペーストを順次個
別に、又は同時に配置・乾燥することも可能である。
【0026】次に、本願の第2の発明について実施の形
態を図面(前記第1発明のものと共通する部分は同じ符
号を用いる)に基づいて説明する。図6(A)は断面方向
の歪み(反り量)が20μm以下の固体電解質の基板2を有
し、その上面に一対の電極3,3を配設すると共に、上
記基板2の底面にはほぼ全面に電気絶縁層4を被覆し、
且つその上にヒータ6を設けたガスセンサ1の断面を示
す。また、図6(B)は断面方向の歪みが20μm以下の固体
電解質の基板2の上面に一対の電極3,3を設けると共
に、これら電極3,3の周囲に電気絶縁層4を被覆し、
且つその上において基板2の両側部、又は周縁部にヒー
タ6を設けたガスセンサ1の断面を示す。
【0027】更に図6(C)は断面方向の歪みが20μm以下
の固体電解質の基板2の両表面中央に電極3をそれぞれ
対応して設けると共に、基板2の上面側の電極3の周囲
又は両側部にのみ電気絶縁層4を被覆し、且つその上に
おいて基板2の両側部又は周縁部にヒータ6を配設した
ガスセンサ1の断面を示す。加えて、図6(D)は断面方
向の歪みが20μm以下の固体電解質の基板2の両表面の
一辺寄りに電極3をそれぞれ対応して配設すると共に、
基板2の上面側の電極3の側方にのみ電気絶縁層4を被
覆し、且つその上にヒータ6を設けたガスセンサ1の断
面を示す。これら図6(A)〜(D)の各センサ1は、上記基
板2のいずれか一方の表面にのみ電気絶縁層4とヒータ
6を有し、且つ基板2の断面方向の歪みが20μm以下で
あることで共通する。そして、この第2の発明が前記第
1の発明と課題を共有できるのは、反りの少ないガスセ
ンサを提供することと共に、各々の製造方法において、
固体電解質基板用のグリーンシートの両面に互いに対応
するよう被覆される電気絶縁層の存在にもよるものであ
る。従って、第2の発明の製造方法について次に説明す
る。
【0028】図7は前記図6(A)のガスセンサ1の製造
方法に関し、図7(A)に示すように固体電解質基板用の
グリーンシート2aの上面には、前記と同様の方法によっ
て一対の電極3,3を面方向に複数対設け、それらの周
囲で且つ各センサ1の基板2を切り出す破線10の外方に
枠形状に電気絶縁層4を被覆すると共に、上記シート2a
の底面には図7(B)に示すように前記破線10全体を覆う
よう電気絶縁層4を被覆し、その上に複数のヒータ(図
示せず)を配置し、このように前記電極3、電気絶縁層
4,5、及びヒータ6を有するグリーンシート2aを前記
同様に焼成した後、焼成後のセラミックシート2b上の破
線10に沿って切り出すことで、基板2の上面に一対の電
極3,3のみを、基板2の底面に電気絶縁層4とヒータ
6のみを有するガスセンサ1を得るものである。上記の
ようにグリーンシート2aの焼成時にその両面に被覆され
た電気絶縁層4,4同士が基板に生ずる応力や変形を抑
制し合うため、センサ1として切り出してもいずれの基
板2も断面方向の歪みを20μm以下に、条件によっては1
0μm以下に抑制することができる。
【0029】図8は前記図6(B)のガスセンサ1の製造
方法に関し、図8(A)に示すように固体電解質基板用の
グリーンシート2aの上面には、前記と同様の方法によっ
て一対の電極3,3を面方向に複数対設け、それら電極
3群の周囲で且つ切り出し用の破線10全体を覆うよう電
気絶縁層4を被覆し、該絶縁層4の上に複数のヒータ
(図示せず)を配置すると共に、図8(B)に示すように上
記シート2aの底面の切り出し用の破線10の外側に枠形状
に電気絶縁層4を被覆した後、このように前記電極3、
電気絶縁層4,5、及びヒータ6を有するグリーンシー
ト2aを前記同様に焼成し、前記と同じく破線10に沿って
センサ1の基板2を切り出すものである。この場合も前
記同様グリーンシート2a両面の電気絶縁層4,4が焼成
時における変形、歪みを抑制するものである。
【0030】図9は前記図6(C)のガスセンサ1の製造
方法に関し、図9(A)に示すように固体電解質基板用の
グリーンシート2aの上面には、前記と同様の方法によっ
て電極3を面方向に複数設け、それら電極3群の周囲で
且つ切り出し用の破線10全体を覆うよう電気絶縁層4を
被覆し、該絶縁層4の上に複数のヒータ(図示せず)を配
置すると共に、図9(B)に示すように上記シート2aの底
面にも電極3を面方向に複数対応して設け、且つ切り出
し用の破線10の外側に枠形状に電気絶縁層4を被覆した
後、このように前記電極3、電気絶縁層4,5、及びヒ
ータ6を有するグリーンシート2aを前記同様に焼成し、
前記と同じく破線10に沿ってセンサ1の基板2を切り出
すものである。この場合も前記同様グリーンシート2a両
面の電気絶縁層4,4が焼成時における変形、歪みを抑
制するものである。尚、前記図6(D)のガスセンサ1の
製造方法の説明は省略するが、前記図7乃至図9に準じ
て、グリーンシート2aの焼成時に該シート両面の適所に
電気絶縁層4,4を被覆し、焼成時における変形、歪み
を抑制させ、基板2として切り出した際に図6(D)に示
す断面のセンサ1が得られるようにすれば良い。
【0031】更に前記図7(A)、図8(B)及び図9(B)に
おいて、各グリーンシート2aの破線10の外側に、枠形
状に電気絶縁層4をそれぞれ配設したが、焼成時の応力
や変形に十二分耐えられるよう、例えば図10(A)に示す
ようにグリーンシート2a上の破線10の部分を4分割し、
それらの間を含め「田」の字状の電気絶縁層4を被覆し
たり、或いは、図10(B)のように「日」の字状の電気絶
縁層4を被覆することもできる。しかも図10のように破
線10の部分を分割する場合、電極や電気絶縁層の印刷パ
ターン等による破線10の部分が焼成時の応力に対する強
弱に応じて分割数を調整することができ、製造上の点か
らも好ましくなる。
【0032】尚、本発明における固体電解質の基板は前
記YSZ,MSZ,又はCSZに限らずこれらと同様に
酸素イオン伝導性を呈するHfO2を用いたり、CeO2,Th
O2,Bi2O3の一種を主成分とし、アルカリ土類元素又は希
土類元素を添加したもの(例えば、CaO又はM2O3(MはG
d,La等の希土類元素)とCeO2の混合物、ThO2とM2O3の混
合物、Y2O3,GdO3,Nb2O5,WO3,SrO,BaO,又はLa2O3とBi2O3
との混合物)等の酸素イオン伝導体の他に、Naイオン伝
導体(例えば、Na1+xZr2P3-xSixO12(0≦x≦3),Na-β-Al2
O3)やLiイオン伝導体(例えば、LiSmSiO4,LiAlSiO4,LiNd
SiO4,LiLaSiO4,Li-β-Al2O3)を用いることができる。ま
た、電極の材質もAu,Ag,RuO2,W,Pt,Rh,Pd,Os,Ir等の電
気伝導性を有する物質の一種又は二種以上と、添加物と
してZr2O,CeO2,ThO2,Bi2O3,Al2O3,MgO,CaO,ガラス材料
等との少なくとも一種との混合物を用いることもでき
る。更に電気絶縁層の材質もフォルステライト(2MgO・Si
O2)やスピネル(Mg・Al2O3)、或いはマグネシア、その他
ガラス材料等を用いることもできる。更に本発明のガス
センサの検知対象ガスも、CO,CO2,NOX,SOX,O2,H2,CH4
の還元性ガスや酸化性ガス等種々のものを含み、それら
の温度も−数10℃から+数百℃の範囲について適用する
ことができ、特に高温下のCOガスの検知用センサとし
て用いることで高性能のセンサ機能を発揮する。
【0033】
【発明の効果】以上において説明したように、請求項1
乃至9の第1の発明のガスセンサによれば、固体電解質
の基板の両表面に電気絶縁層を被覆したので、長期に渉
る各種ガス中におけるヒートサイクルによってもガスセ
ンサの固体電解質の基板に反り等の歪みが生じにくくな
り、上記基板の断面方向の歪みを微少に抑えることがで
きる。しかも、固体電解質の基板に検知用ガスが接触し
なくなるので、固体電解質の変質、劣化を防止すること
もでき、且つ、固体電解質内部及び電極内部の温度分布
が検知用ガスの温度による影響を受けにくくなり、セン
サとしての温度依存性を低減することもできる。併せ
て、部分安定化YSZ等に対して比較的脆いYSZ等の
固体電解質からなる基板の強度も向上させることがで
き、上記した形状安定性、低い温度依存性と相まって優
れた耐久性、安定したセンサ特性を発揮することができ
る。更に電極等の上に多孔質なフィルタ層を設けた場合
には、検知用ガス中の塵埃等からもセンサを防護するこ
ともできる。特に500℃以上の高温下のCOガスの検知
用センサとして用いた場合、長期のヒートサイクルを受
けても高性能のセンサ機能を発揮することができる。
【0034】前記請求項10乃至13の第1の発明のガスセ
ンサの製造方法によれば、固体電解質のグリーンシート
が焼成処理による反り等の歪みが生じにくくなり、触媒
等の配設も前記焼成後のセラミックシートの上で行える
ので、センサの多数個取りを歩留良く、しかも優れた精
度の製品を安価に提供することができる。また、前記請
求項14乃至22の第2の発明によれば、基板の反り等の歪
みを20μm以下にしたガスセンサが得られ、焼成処理の
ときに固体電解質のグリーンシートの両面の適所に電気
絶縁層を被覆させて上記シートの反りを生じにくくし、
使用する電気絶縁層用のペーストも抑制でき、製品精度
及び製品歩留の優れたガスセンサを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願第1の発明のガスセンサの1実施形態を示
し、(A)は上方からの斜視図、(B)は下方からの斜視図、
(C)は上記(A)におけるC−C断面図である。
【図2】(A)〜(C)とも第1の発明のガスセンサの他の実
施形態を示す断面図である。
【図3】(A)〜(C)とも第1の発明のガスセンサの別の実
施形態を示す断面図である。
【図4】第1の発明の製造方法における固体電解質基板
用のグリーンシートを示し、(A)は該シートの断面図、
(B)は該シートの平面図、(C)は該シートの底面図、(D)
は該シートを焼成した後のセラミックシートの反りを示
す断面図である。
【図5】本発明のガスセンサについてインピーダンスを
測定する態様を示す斜視図である。
【図6】(A)〜(D)とも本願第2の発明のガスセンサの実
施形態を示す断面図である。
【図7】第2の発明の製造方法の1実施形態における固
体電解質基板用のグリーンシートを示し、(A)は該シー
トの平面図、(B)は該シートの底面図である。
【図8】第2の発明の製造方法の他の実施形態における
固体電解質基板用のグリーンシートを示し、(A)は該シ
ートの平面図、(B)は該シートの底面図である。
【図9】第2の発明の製造方法の別の実施形態における
固体電解質基板用のグリーンシートを示し、(A)は該シ
ートの平面図、(B)は該シートの底面図である。
【図10】第2の発明の製造方法の更に別の実施形態に
おける固体電解質基板用のグリーンシートを示し、(A),
(B)とも該シートの平面図である。
【手続補正書】
【提出日】平成8年2月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【符号の説明】 1………………ガスセンサ 2………………基板 2a……………グリーンシート 2b……………セラミックシート 3………………電極 4,5…………電気絶縁層 6………………ヒータ 7………………触媒層 8………………フィルタ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 秀明 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体電解質からなり、表裏面を有する基
    板に、複数の電極と電気絶縁層とを設け、該電気絶縁層
    上にヒータを設けたガスセンサであって、該電気絶縁層
    を該ヒータ等の加熱、冷却によって上記基板に反り等の
    歪みが生じないパターン又は厚みで、上記基板の表裏面
    のいずれにも設けたことを特徴とするガスセンサ。
  2. 【請求項2】 固体電解質の基板の少なくとも一方表面
    に複数の電極を設け、これらの電極を除く前記基板の両
    表面に電気絶縁層を被覆すると共に、少なくとも一方の
    電気絶縁層の上にヒータを設けたことを特徴とするガス
    センサ。
  3. 【請求項3】 前記複数の電極を設けた固体電解質の基
    板表面に被覆した電気絶縁層の面積が、他方の基板表面
    に被覆した電気絶縁層の面積より大きい請求項1又は2
    に記載のガスセンサ。
  4. 【請求項4】 前記複数の電極を設けた固体電解質の基
    板表面に被覆した電気絶縁層の厚さが、他方の基板表面
    に被覆した電気絶縁層の厚さより厚い請求項1乃至3の
    いずれかに記載のガスセンサ。
  5. 【請求項5】 前記複数の電極を設けた固体電解質の基
    板表面に被覆した電気絶縁層の厚さが4〜45μmで、
    他方の基板表面に被覆した電気絶縁層の厚さが3〜30
    μmである請求項1乃至4のいずれかに記載のガスセン
    サ。
  6. 【請求項6】 前記複数の電極を設けた固体電解質の基
    板表面に被覆した電気絶縁層の厚さと、他方の基板表面
    に被覆した電気絶縁層の厚さとの比が10:9〜2:1
    の範囲内にあり、且つこれら両方の電気絶縁層の厚さの
    和が上記固体電解質の基板の厚さの10分の1以下であ
    る請求項1乃至5のいずれかに記載のガスセンサ。
  7. 【請求項7】 前記固体電解質の基板の一方の表面に複
    数の電極を、基板の他方の表面の電気絶縁層の上にヒー
    タを設けた請求項1乃至6のいずれかに記載のガスセン
    サ。
  8. 【請求項8】 前記固体電解質の基板の同じ表面に複数
    の電極、及びヒータを設けた請求項1乃至6のいずれか
    に記載のガスセンサ。
  9. 【請求項9】 前記複数の電極を固体電解質の基板の両
    表面に、それぞれ個別に対応して設けた請求項1又は2
    に記載のガスセンサ。
  10. 【請求項10】 前記基板の両表面に被覆された電気絶
    縁層の少なくとも一方の上にヒータを設けた請求項9に
    記載のガスセンサ。
  11. 【請求項11】 前記複数の電極の少なくとも一方の上
    に、多孔質な電気絶縁材等のフィルタ層を被覆した請求
    項1〜10のいずれかに記載のガスセンサ。
  12. 【請求項12】 前記複数の電極の少なくとも一方の上
    に、検知用ガスと酸化等の反応を行う触媒を被覆した請
    求項1〜11のいずれかに記載のガスセンサ。
  13. 【請求項13】 前記センサがCOガス検知用のもので
    ある請求項1〜12のいずれかに記載のガスセンサ。
  14. 【請求項14】固体電解質基板用のグリーンシートの少
    なくとも一方の表面に複数の電極を配置する工程と、上
    記シートの両表面に電気絶縁層用ペーストを配置する工
    程と、少なくとも一方の電気絶縁層の上にヒータを配置
    する工程と、このグリーンシートを焼成する工程と、該
    焼成後のセラミックシートから電気絶縁層を両表面に有
    するセンサ用基板を複数個切り出す工程とからなり、上
    記焼成時に両面の電気絶縁層が上記基板に生ずる応力や
    変形を抑制し合い、反り等の歪みが少ない固体電解質の
    基板を得ることを特徴とするガスセンサの製造方法。
  15. 【請求項15】 固体電解質基板用のグリーンシートの
    一方の表面に複数の電極用ペーストを、又は、上記グリ
    ーンシートの両表面にそれぞれ対応して電極用ペースト
    を面方向に複数配置する工程と、上記電極配置部を除く
    グリーンシートの両表面に電気絶縁層用ペーストを配置
    する工程と、少なくとも一方の電気絶縁層の上にヒータ
    用ペーストを配置する工程と、このグリーンシートを焼
    成する工程と、該焼成後のセラミックシートから電極を
    一方又は両方の表面に有し、該電極配置部以外の表面を
    被覆する電気絶縁層の上にヒータを有するセンサ用基板
    を複数個切り出す工程と、からなることを特徴とするガ
    スセンサの製造方法。
  16. 【請求項16】 固体電解質基板用のグリーンシートの
    一方の表面に、面方向に複数の電極用ペーストを配置す
    る工程と、それら電極配置部以外の表面に電気絶縁層用
    ペーストを配置する工程と、他方の表面のほぼ全体に電
    気絶縁層用ペーストを配置する工程と、この電気絶縁層
    の上にヒータ用ペーストを配置する工程と、このグリー
    ンシートを焼成する工程と、該焼成後のセラミックシー
    トから複数の電極を一方の表面に、ヒータを他方の表面
    に有するセンサ用基板を複数個切り出す工程と、からな
    る請求項14又は15に記載のガスセンサの製造方法。
  17. 【請求項17】 固体電解質基板用のグリーンシートの
    一方の表面に、面方向に複数の電極用ペーストを配置す
    る工程と、それら電極配置部以外の表面に電気絶縁層用
    ペーストを配置する工程と、この電気絶縁層の上にヒー
    タ用ペーストを配置する工程と、他方の表面のほぼ全体
    に電気絶縁層用ペーストを配置する工程と、このグリー
    ンシートを焼成する工程と、該焼成後のセラミックシー
    トから複数の電極とヒータを同じ表面に有するセンサ用
    基板を複数個切り出す工程と、からなる請求項14又は
    15に記載のガスセンサの製造方法。
  18. 【請求項18】 固体電解質基板用のグリーンシートの
    両表面に、それぞれ面方向に複数の電極用ペーストを配
    置する工程と、それら電極配置部以外の両表面に電気絶
    縁層用ペーストを表裏対応して配置する工程と、少なく
    とも一方の電気絶縁層の上にヒータ用ペーストを配置す
    る工程と、このグリーンシートを焼成する工程と、該焼
    成後のセラミックシートから電極と電気絶縁層を表裏面
    の両方に有し、且つ少なくとも一方の電気絶縁層の上に
    ヒータを有するセンサ用基板を複数個切り出す工程と、
    からなる請求項14又は15に記載のガスセンサの製造
    方法。
  19. 【請求項19】 固体電解質の基板の一方の表面に複数
    の電極を、又は前記基板の両表面にそれぞれ対応して電
    極を設け、これらの電極設置部を除いた上記基板のいず
    れか一方の表面に電気絶縁層を被覆し、この電気絶縁層
    の上にヒータを設けたものであって、この基板の断面方
    向の歪みが20μm以下であることを特徴とするガスセ
    ンサ。
  20. 【請求項20】 固体電解質の基板の一方の表面に複数
    の電極を設け、他方の表面に電気絶縁層を被覆し、この
    電気絶縁層の上にヒータを設けたものであって、この基
    板の断面方向の歪みが20μm以下である請求項19に
    記載のガスセンサ。
  21. 【請求項21】 固体電解質の基板の一方の表面に複数
    の電極を設け、それら電極の周囲で同じ表面に電気絶縁
    層を被覆し、この電気絶縁層の上にヒータを設けたもの
    であって、この基板の断面方向の歪みが20μm以下で
    ある請求項19に記載のガスセンサ。
  22. 【請求項22】 固体電解質の基板の両表面にそれぞれ
    対応して電極を設け、いずれか一方の表面の電極の周囲
    に電気絶縁層を被覆し、この電気絶縁層の上にヒータを
    配設したものであって、この基板の断面方向の歪みが2
    0μm以下である請求項19に記載のガスセンサ。
  23. 【請求項23】 前記基板の断面方向の歪みが10μm
    以下である請求項19乃至22のいずれかに記載のガス
    センサ。
  24. 【請求項24】 固体電解質基板用のグリーンシートの
    いずれか一方の表面に複数の電極用ペーストを、又は上
    記シートの両表面にそれぞれ対応して電極用ペーストを
    面方向に複数配置する工程と、それら電極配置部以外の
    両表面に電気絶縁層用ペーストを配置する工程と、いず
    れか一方の電気絶縁層の上にヒータ用ペーストを配置す
    る工程と、このグリーンシートを焼成する工程と、該焼
    成後のセラミックシートから電極を一方又は両方の表面
    に有し、且つ電気絶縁層をいずれか一方の表面にのみ有
    し、該電気絶縁層の上にヒータが存在するセンサ用基板
    を複数個切り出す工程とからなり、断面方向の歪みが2
    0μm以下であるセンサ用基板を得ることを特徴とする
    ガスセンサの製造方法。
  25. 【請求項25】 固体電解質基板用のグリーンシートの
    一方の表面に複数の電極用ペーストを面方向に配置する
    工程と、それら電極配置部以外の同じ表面に電気絶縁層
    用ペーストを配置する工程と、グリーンシートの他方の
    表面のほぼ全体に電気絶縁層用ペーストを配置する工程
    と、該他方の表面の電気絶縁層の上にヒータ用ペースト
    を配置する工程と、このグリーンシートを焼成する工程
    と、該焼成後のセラミックシートから複数の電極と電気
    絶縁層を表裏面にそれぞれ別個に有し、且つ該電気絶縁
    層の上にヒータを有するセンサ用基板を複数個切り出す
    工程と、からなる請求項24に記載のガスセンサの製造
    方法。
  26. 【請求項26】 固体電解質基板用のグリーンシートの
    一方の表面に複数の電極用ペーストを面方向に配置する
    工程と、それら電極配置部以外の同じ表面に電気絶縁層
    用ペーストを配置する工程と、この電気絶縁層の上にヒ
    ータ用ペーストを配置する工程と、グリーンシートの他
    方の表面の周縁等に電気絶縁層用ペーストを配置する工
    程と、このグリーンシートを焼成する工程と、該焼成後
    のセラミックシートから複数の電極と電気絶縁層を同じ
    表面にそれぞれに有し、且つ該電気絶縁層の上にヒータ
    を有するセンサ用基板を複数個切り出す工程と、からな
    る請求項24に記載のガスセンサの製造方法。
  27. 【請求項27】 固体電解質基板用のグリーンシートの
    両表面にそれぞれ対応して電極用ペーストを面方向に複
    数配置する工程と、これらの電極群の周囲又は側縁に電
    気絶縁層用ペーストを配置する工程と、いずれか一方の
    表面の電気絶縁層の上にのみヒータ用ペーストを配置す
    る工程と、このグリーンシートを焼成する工程と、該焼
    成後のセラミックシートから両表面にそれぞれ電極を有
    し、電気絶縁層をいずれか一方の表面にのみ有し、且つ
    該電気絶縁層の上にヒータを有するセンサ用基板を複数
    個切り出す工程と、からなる請求項24に記載のガスセ
    ンサの製造方法。
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