JP3931783B2 - ガスセンサ素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,内燃機関の排気系に取付け排気ガス中の特定ガス濃度等を検知し,燃焼制御等に利用するガスセンサ素子に関する。
【0002】
【従来技術】
自動車エンジンの排気系には燃焼制御に利用するためのガスセンサが設けてあり,ここに内蔵するガスセンサ素子として,以下に示すような構成の素子が知られている。
【0003】
上記ガスセンサ素子は,固体電解質板と該固体電解質板の表面に設けた被測定ガス雰囲気と対面する被測定ガス側電極と基準ガス雰囲気と対面する基準電極とよりなる。上記ガスセンサ素子において,被測定ガス側電極にはガス透過性の拡散層を積層し,該拡散層にはガス不透過性の遮蔽層を積層する。また上記ガスセンサ素子において,固体電解質板には基準電極と対面する基準ガス室を構成する基準ガス室形成板を積層する。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−120429号公報
【0005】
【解決しようとする課題】
ところで,上記ガスセンサ素子の固体電解質板は,基準ガス室と被測定ガス室に挟まれる位置に存在するため,上記固体電解質板には割れや亀裂が生じやすい。特に,ガスセンサ素子製作時の焼成を終えた後に室温まで冷却するが,この冷却過程でガスセンサ素子に割れや亀裂が生じやすかった。
【0006】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,固体電解質板に割れや亀裂等の不良が生じ難いガスセンサ素子を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、部分安定化ジルコニアよりなる固体電解質板と該固体電解質板の表面に被測定ガス雰囲気と対面する被測定ガス側電極と基準ガス雰囲気と対面する基準電極とを有し、上記固体電解質板に被測定ガス側電極を覆うガス透過性の拡散層を積層し、ガス不透過性の部分安定化ジルコニアからなり、さらにアルミナ系絶縁層によりコーティングされた遮蔽層を該拡散層に積層し、
また上記固体電解質板に基準電極と対面する基準ガス室を構成する基準ガス室形成板を積層し、
上記遮蔽層,拡散層及び基準ガス室形成板は、ガスセンサ素子を製造する際の焼成後の冷却時において1470℃から457℃へと冷却する際に、固体電解質板との収縮率の差が0.1%以下となる材料で構成されると共に、
上記遮蔽層は、部分安定化ジルコニアからなり、ガスセンサ素子を製造する際の焼成後の冷却時において1470℃から457℃へと冷却する際に、上記固体電解質板との収縮率の差が0.1%以下となる材料で構成することを特徴とするガスセンサ素子にある(請求項1)。
【0008】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明にかかるガスセンサ素子では,上記拡散層及び基準ガス室形成板,ガスセンサ素子を製造する際の焼成後の冷却時において1470℃から457℃へと冷却する際の部分安定化ジルコニアよりなる固体電解質板との収縮率の差を0.3%以下と小さくする。
よって,冷却過程での収縮率の差に起因する発生応力を減らすことができる。そのため,基準ガス室と被測定ガス室に挟まれて,強度的に脆弱な固体電解質板に割れや亀裂が生じ難くなる。
【0009】
発明によれば,固体電解質板に割れや亀裂等の不良が生じ難いガスセンサ素子を提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明(請求項1)にかかる焼成後の冷却時について説明すると,本発明にかかるガスセンサ素子は後述する実施例1に示すように,各グリーンシートを積層,プレスして相互に接着し未焼積層体となし,該未焼積層体を加熱して,焼成することにより作製する。この焼成を終えた後に室温まで冷却するが,該冷却の際の収縮率の差を上述した条件とする。
上記において収縮率の差が0.3%より大である場合は,固体電解質板と拡散層及び基準ガス室形成板との間の収縮率の差が大きくなり,発生応力が大となって固体電解質板に割れや亀裂が生じるおそれがある。
また,差が0%,つまり固体電解質板と拡散層及び基準ガス室形成板との収縮率が等しい場合は収縮率の差に起因する応力が生じないため,固体電解質板に割れや亀裂が生じ難くなり,もっとも好ましい。
【0011】
また,1470℃より高温の環境はガスセンサ素子の耐熱限界を越えており,固体電解質板,基準ガス質形成板等が劣化するおそれがある。そのため,1470℃より高温にガスセンサ素子を曝すことはなく,1470℃以下で収縮率差が0.3%以下であれば実用上の問題は生じない。
また,部分安定化ジルコニアは温度457℃で相転移し(後述する図5参照),ここを境に収縮率が変化する。従って,これより低温の領域ではガスセンサ素子を構成する各種のセラミック類と固体電解質板との収縮率の差が大きくなり難い。
従って,1470℃から457℃の範囲で収縮率差が0.3%以下であれば充分に本発明にかかる効果を得ることができる。
【0012】
また,上記遮蔽層は部分安定ジルコニアからなり,ガスセンサ素子を製造する際の焼成後の冷却時において1470℃から457℃へと冷却する際に,上記固体電解質板との収縮率の差が0.1%以下となる材料で構成する。
上記収縮率の差を0.1%以下とすることで,更に固体電解質板に発生する収縮率の差に起因する応力低減を図って,焼成後冷却における固体電解質板の割れを抑制できる。
【0013】
また,上記遮蔽層は部分安定化ジルコニアからなる。
ジルコニアにMgO,CaO,希土類酸化物などを数mol%添加した材料は立方晶系の蛍石構造をとり,相転移を起こさなくなる。これが安定化ジルコニアである。部分安定化ジルコニアは,組成の一部分を安定化したジルコニアである。
上記遮蔽層を固体電解質板と同様に部分安定化ジルコニアで構成することで,冷却過程での発生応力を生じ難くすることができる(実施例1参照)
【0014】
なお,本発明において固体電解質板や遮蔽層に使用する部分安定化ジルコニアは,イットリア(酸化イットリウム)をジルコニア(酸化ジルコニウム)に対し,4〜7mol%添加した材料を使用することができる。
【0015】
準ガス室形成板や拡散層,固体電解質板についても,全体または一部分を部分安定化ジルコニアで形成することができる。
【0016】
また,上記遮蔽層は部分安定化ジルコニアからなり,該遮蔽層はアルミナ系絶縁層によりコーティングすることが好ましい(請求項)。
部分安定化ジルコニアは熱水に弱いため,熱水に強いアルミナ系の絶縁層によってコーティングすることで,熱水による遮蔽層の被水割れを防止することができる。
【0017】
本発明は,酸素センサ素子,NOxセンサ素子,HCセンサ素子,COセンサ素子など,各種のセラミックと固体電解質体とを積層して構成する積層型の素子に適用することができる。また,1本で複数種類のガス濃度を測定可能な複合センサ素子に適用することもできる。
【0018】
【実施例】
以下に,図面を用いて本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本発明にかかるガスセンサ素子について図1〜図6を用いて説明する。
図1〜図3に示すごとく,部分安定化ジルコニアよりなる固体電解質板11と該固体電解質板11の表面に被測定ガス雰囲気と対面する被測定ガス側電極121と基準ガス雰囲気と対面する基準電極131とを有し,上記固体電解質板11に被測定ガス側電極121を覆うガス透過性の拡散層141を積層し,該拡散層141にガス不透過性の遮蔽層142を積層する。
【0019】
また上記固体電解質板11に基準電極131と対面する基準ガス室を構成する基準ガス室形成板15を積層し,上記遮蔽層142は,ガスセンサ素子1を製造する際の焼成後の冷却時において1470℃から457℃へと冷却する際に,固体電解質板11との収縮率の差が0.3%以下となる材料よりなる。本例では固体電解質板11と同じ組成の部分安定化ジルコニアより構成する。
【0020】
以下,詳細に説明する。
本例のガスセンサ素子1は,自動車エンジンの排気系に設置したガスセンサに内蔵して使用する。このガスセンサが排気ガス中の酸素濃度を測定し,測定値からエンジンの空燃比を検出し,該空燃比をエンジンの燃焼制御に利用する。
【0021】
図1〜図3に示すごとく,本例のガスセンサ素子1は,基準ガス室形成板15,固体電解質板11,拡散層141,遮蔽層142を積層して構成する。
基準ガス室形成板15は,断面がコ字状で基準ガスを導入する基準ガス室となる溝部150を備える。
固体電解質板11は,被測定ガス側電極121と基準電極131とを有し,これらの電極121,131に電気的に導通するリード部122,132を備える。
また,上記被測定ガス側電極121を覆うように拡散層141が,該拡散層141を覆うように遮蔽層142が積層される。
【0022】
また,本例のガスセンサ素子1は,基準ガス室形成板15の固体電解質板11と対面する側の反対面に,セラミックヒータ19を一体的に備える。
セラミックヒータ19は,ヒータシート191と該ヒータシート191に設けた発熱体181及び該発熱体181に通電するリード部182,発熱体181を覆うように積層される2枚のヒータ絶縁板195,197よりなる。
ヒータ絶縁板195は窓部196を有する。この窓部196は発熱体181及びリード部182と同形状で,両者を埋め込み可能な形状で,発熱体181及びリード部182をヒータシート191とヒータ絶縁板197に挟んだ際に凹凸を均して平滑とするために設ける。
また,リード部182はヒータシート191に設けた導電性のスルーホール190を通じて端子183と電気的に導通する。
【0023】
上記ヒータ絶縁板197と上記基準ガス室形成板15との間,基準ガス室形成板15と固体電解質板11との間,拡散層141と遮蔽層142との間はそれぞれ接着層161,162,165が介在する。また,固体電解質体11と拡散層141との間は絶縁層163と接着層164とが介在する。
【0024】
上記基準ガス室形成板15,上記拡散層141,上記ヒータシート191,ヒータ絶縁板195,197,そして絶縁層163及び接着層161,162,164,165はアルミナよりなる。
各組成を以下に記載する。
基準ガス室形成板15,ヒーターシート191:ジルコニア2%含有するアルミナ
拡散層141,ヒータ絶縁板195,197,接着層161,162,164,165:純度99.9%以上のアルミナ
絶縁層163:純度99.9%以上のアルミナで,ジルコニア500ppm,マグネシア300ppmを追加
また,拡散層141の気孔率は14%である。
上記固体電解質板11と上記遮蔽層142はイットリアをジルコニアに対して6mol%添加した部分安定化ジルコニアよりなる。
【0025】
上記固体電解質板11には基準ガス室となる溝部150と対面する基準電極131を有し,上記接着層162は,基準電極131と対面する位置に窓139を有する。また,基準電極131はリード部132,内部端子133,また固体電解質板11に設けた導電性のスルーホール134,絶縁層163に設けた導電性のスルーホール135を通じて,端子136と電気的に導通する。
【0026】
上記絶縁層163,接着層164は,被測定ガス側電極121と対面する位置に窓128,129を有する。また,被測定ガス側電極121はリード部122を介して端子123と電気的に導通する。
ガスセンサ素子1の出力は上記端子123,136より得ることができる。
また,図3に示すごとく絶縁層163と接着層164に設けた窓128,129は積層により被測定ガス側電極121を格納する小室127となる。
また,この小室127は,拡散層141を通じて被測定ガスが導入される。
【0027】
次に,本例にかかるガスセンサ素子1の製造方法を簡単に説明する。
固体電解質板11用のグリーンシートをドクターブレード法,または押し出し成形法から作成する。次いで,このグリーンシートに被測定ガス側電極121,基準電極131,リード部132,内部端子133を形成するための印刷部を設ける。なお,固体電解質板11用のグリーンシートにはあらかじめスルーホール134を設けておく。
【0028】
基準ガス室形成板15用の未焼成形体は射出成形,切削成形,プレス成形,貼り合わせ成形等により作成する。
また,ヒーターシート191,遮蔽層142,拡散層141用のグリーンシートはドクターブレード法,押し出し成形法等により作成する。
また,遮蔽層142,拡散層141はペーストより作成することもできる。
またヒーターシート191用のグリーンシートには発熱体181等用の印刷部を設ける。スルーホール190も予め設けておく。
【0029】
また,各種接着層161,162,164,165,絶縁層163は,接着層用,絶縁層用のペーストを作成してこれをグリーンシートに対し印刷する。窓129,139,128を持つものについては,ペーストを用いたスクリーン印刷で,ヒータ絶縁板195,197も同様にペーストを用いたスクリーン印刷で形成する。
また,固体電解質板11用のグリーンシートに上記絶縁層163用のペーストを塗布した後に,被測定ガス側電極121,リード部122,端子136,123を形成するための印刷部を設ける。
【0030】
また,遮蔽層142,拡散層141の少なくともいずれか1つをペーストにて作成した場合は,接着層165を除くことができる。また,拡散層141をペーストにて作成する場合は接着層164と重ねることができる。すなわち,接着層164を拡散層141と一体的に形成することができる。
【0031】
以上のように作成された各グリーンシートを図1に示すような順序で積層し,プレスすると,接着層161,162,164,165の接着性(粘着性)によって相互に接着し,未焼積層体を得た。この未焼積層体を1470℃まで加熱して焼成した。
その後,1470℃から室温まで冷却し,本例のガスセンサ素子1を得た。
【0032】
本例にかかる作用効果について説明する。
本例にかかるガスセンサ素子1は,上述したごとき各グリーンシートを積層し未焼積層体とした後,これを焼成する。焼きあがった後は室温となるまで冷却する。
この冷却過程において,遮蔽層142,拡散層141,そして固体電解質板11の相互に作用する発生応力を考える。
【0033】
遮蔽層142のヤング率はE1,線膨張係数はα1,厚さはt1,拡散層141のヤング率はE2,線膨張係数はα2,厚さはt2,固体電解質板11のヤング率はE3,線膨張係数はα3,厚さはt3である。
よって,各層に発生する発生応力σi=−Ei・Δαi・ΔTiとなる。
ここにiは1〜3のいずれか,Δαは線膨張係数差,ΔTは温度変化である。
【0034】
ΔTが負となる冷却過程を考える。
このとき,線膨張係数が大きい場合,引張応力σ1〜σ3が発生する。
仮に外力が作用しなければ,力はつりあうから,b(σ1・t1+σ2・t2+σ2・t2)=0となる。ここにbは各層の幅である。
従って,σ3=−(1/t3)(σ1・t1+σ2・t2)となる。
【0035】
本例にかかるガスセンサ素子1で用いた部分安定化ジルコニアの線膨張係数は温度が1500℃から450℃まで低下する間は10.6ppm,アルミナの線膨張係数は温度が1500℃から450℃まで低下する間は8ppmである。
【0036】
そのため,仮に遮蔽層142がアルミナよりなる場合は,σ1<0,σ2<0,σ3>0となる。また,本例のガスセンサ素子1は遮蔽層142が部分安定化ジルコニアであるから,σ1>0,σ2<0,σ3>0となる。
以上より,遮蔽層142を部分安定化ジルコニアとした場合のほうが,アルミナとした場合よりもσ3が小さくなる。
【0037】
本例のガスセンサ素子1で固体電解質板11は部分安定化ジルコニアより構成する。部分安定化ジルコニアは高温(1500℃程度)から冷却する際,温度457℃でM相(モノクリニック相,単斜晶相)からT相(テトラゴナル相,正方晶相)へと変態する。このとき,図5に示すごとく,収縮率の傾きがかわる。
【0038】
また,本例のガスセンサ素子1において,固体電解質板11と遮蔽層142以外の部分はアルミナより構成する。アルミナは温度の低下に応じて収縮率が変化するが,その変化の傾きは図5に示すごとく略一定である。
アルミナと部分安定化ジルコニアの収縮率の差がもっとも大となるのは部分安定化ジルコニアがM相からT相へと変態する温度457℃付近である。
【0039】
また,固体電解質板11に対し遮蔽層142から加わる応力は,図6に記載した(a)も(b)も未焼積層体を焼成している間は上昇しつづける。温度1470℃で焼成を終えて冷却過程に移行し,温度が低下し始めると共に急に小さくなっていく。これは高温のために,固体電解質板11も遮蔽層142もガスセンサ素子1のその他の部分も,いずれの部位にもクリープが生じるためである。
なお(a)は遮蔽層142がアルミナよりなる従来タイプのガスセンサ素子,(b)は本例にかかるガスセンサ素子1である。
【0040】
その後,図6に示すごとく,1300℃程度で応力は上昇しはじめる。そして,応力が温度低下とともに上昇し,およそ457℃の時点で極大となる。これは上述したごとくアルミナと部分安定化ジルコニアの収縮率の差が最大となるためである。
仮に遮蔽層142がアルミナからなる場合は,極大の際に発生応力が部分安定化ジルコニアの材料強度を越えるため(同図に示す(a)参照),固体電解質板11の割れや亀裂が発生する。
【0041】
しかしながら,本例によれば(b)に示すごとく,発生応力が全体として小さく,475℃の時点で極大となっても,発生応力がジルコニアの材料強度を越えない。
そのため,割れや亀裂が発生し難くなり,不良品が減少する(後述する実施例2参照)。
【0042】
以上,本例によれば,固体電解質板に割れや亀裂等の不良が生じ難いガスセンサ素子を提供することができる。
【0043】
なお,本例にかかる基準ガス室形成板15はひとつの成形体よりなるが,図4に示すごとく,形成板151と穴を有する形成板152とを積層して,基準ガス室形成板15を構成することができる。
この場合も本例と同様の作用効果を有する。
【0044】
(実施例2)
本例では,実施例1に示すような固体電解質板11とともに遮蔽層142が部分安定化ジルコニアからなるガスセンサ素子1や,その他の構成の素子について,冷却過程における最大発生応力を算出した。
本例の算出では実施例1の図3や図4と同じ構造をもつ試料1〜4,比較試料C1,C2を準備した。各固体電解質板11や遮蔽層142等のどの部分がアルミナか,どの部分が部分安定化ジルコニアかについては,表1に一覧を記載した。
以上の各試料について,最大発生応力を有限要素法にて計算し,結果を図7に記載した。
【0045】
同図に示すごとく,遮蔽層,拡散層及び基準ガス室形成板の少なくとも1つ以上を固体電解質板と同じ組成の部分安定化ジルコニアで構成することで,最大発生応力を減らすことができた。
そのため,固体電解質板に割れや欠損を生じ難くすることができる。
【0046】
【表1】
Figure 0003931783
【0047】
(実施例3)
本例は,本発明にかかる部分安定化ジルコニアよりなるガスセンサ素子と,従来構成等の比較試料C1のガスセンサ素子とを多数製造した際の不良率について測定した。
実施例1に示した製造方法に基づいてガスセンサ素子(試料1)を多数製造し,完成したガスセンサ素子について,超絶縁検査を行い,不良品と良品との判定を行い,不良率を測定した。比較試料C1についても同様に行った。
結果を図8に記載した。
【0048】
同図より知れるごとく,実施例1にかかる試料1のガスセンサ素子は不良品が0であったが,比較試料C1のガスセンサ素子の不良率は3割弱と非常に高かった。このように実施例1にかかるガスセンサ素子は製造不良が少ないため,歩留まりが高く,製造コストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,ガスセンサ素子の斜視展開図。
【図2】実施例1における,ガスセンサ素子の斜視図。
【図3】実施例1における,ガスセンサ素子の要部断面図。
【図4】実施例1における,基準ガス室形成板が2枚の形成板より構成されたガスセンサ素子の要部断面図。
【図5】実施例2における,部分安定化ジルコニアとアルミナとの冷却過程での収縮率の変化を示す線図。
【図6】実施例2における,冷却過程での発生応力について示す説明図。
【図7】実施例3における,試料1〜試料4,比較試料C1,C2の最大発生応力について示す線図。
【図8】実施例4における,不良率について示す線図。
【符号の説明】
1...ガスセンサ素子,
11...固体電解質板,
121...被測定ガス側電極,
131...基準電極,
141...拡散層,
142...遮蔽層,
15...基準ガス室形成板,

Claims (1)

  1. 部分安定化ジルコニアよりなる固体電解質板と該固体電解質板の表面に被測定ガス雰囲気と対面する被測定ガス側電極と基準ガス雰囲気と対面する基準電極とを有し、上記固体電解質板に被測定ガス側電極を覆うガス透過性の拡散層を積層し、ガス不透過性の部分安定化ジルコニアからなり、さらにアルミナ系絶縁層によりコーティングされた遮蔽層を該拡散層に積層し、
    また上記固体電解質板に基準電極と対面する基準ガス室を構成する基準ガス室形成板を積層し、
    上記遮蔽層,拡散層及び基準ガス室形成板は、ガスセンサ素子を製造する際の焼成後の冷却時において1470℃から457℃へと冷却する際に、固体電解質板との収縮率の差が0.1%以下となる材料で構成されると共に、
    上記遮蔽層は、部分安定化ジルコニアからなり、ガスセンサ素子を製造する際の焼成後の冷却時において1470℃から457℃へと冷却する際に、上記固体電解質板との収縮率の差が0.1%以下となる材料で構成することを特徴とするガスセンサ素子。
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