JP2002286506A - 光学スケールを用いた寸法測定装置 - Google Patents

光学スケールを用いた寸法測定装置

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JP2002286506A
JP2002286506A JP2001084201A JP2001084201A JP2002286506A JP 2002286506 A JP2002286506 A JP 2002286506A JP 2001084201 A JP2001084201 A JP 2001084201A JP 2001084201 A JP2001084201 A JP 2001084201A JP 2002286506 A JP2002286506 A JP 2002286506A
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signal
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slice
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Hiroo Fujita
宏夫 藤田
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Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学スケールを用いた寸法測定装置におい
て、簡素な信号処理で高分解能に寸法を測定すること。 【解決手段】 位相がπ/2シフトした2相信号を出力
し、2相信号の正負のピーク強度を検出して強度がほぼ
線形に変化すると見なせるスライス範囲を設定する。2
相信号のオフセットと振幅は異なっていてもよい。格子
の停止位置では、スライス範囲内にある信号を選択し、
停止位置の強度とスライス振幅との強度比を演算する。
強度比は格子位置に応じて線形に変化し、強度比を線形
変換して停止位置の位相を検出する。強度が非線形に変
化する場合は、直線近似で求めた位相を、強度比の値に
応じて補正する。位相補正により、2相信号の1周期を
400分割した分解能で格子位置が検出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学スケール(リ
ニアー格子)の移動による光強度変化を検出して寸法を
測定する寸法測定装置の信号処理の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】精密部材などの生産ラインでは、被加工
物の寸法や形状などを、インラインでミクロンメートル
(μm)オーダの精度で測定するニーズが強い。そのた
めの簡易的な寸法測定器として、白黒2値の光透過分布
の矩形パターンが一定のピッチで周期的に形成された光
学スケール(リニアー格子)を触針に取り付けて移動さ
せ、触針の移動に伴って変化する光強度信号を検出、信
号処理して寸法を測定する構成のものが多く用いられて
いる。寸法測定精度として1μmが要求される場合は、
測定器としては0.1μmの分解能が必要である。
【0003】図6(a)に光学スケールを用いた従来の
寸法測定装置の構成例、図6(b)に4相正弦波信号の
波形例、図6(c)に正弦波信号の位相検出方法を示し
て測定動作を説明する。白色ランプや発光ダイオード、
半導体レーザなどの光源61から放射された発散光をコ
リメートレンズ62で平行光に変換し、移動格子63と
固定格子64から構成される光学スケールを照明する。
移動格子63を構成する各格子は、白黒二値の光透過分
布の矩形パターンをなし、格子1ピッチ長がaで、黒パ
ターンの幅と白パターンの幅が共にa/2である。通常
の格子1ピッチaは10μm程度が用いられ、長さaが
寸法測定の基準目盛りとなる。移動格子63は触針(図
示せず)に取り付けられて、触針の移動に伴って矢印で
示すA方向、B方向に移動する。
【0004】固定格子64は同じ格子形状をなす4個の
格子グループから構成され、移動格子63の後方の特定
の位置に固定して設置される。各格子グループの格子は
移動格子63の格子パターンと等しい矩形状の白黒パタ
ーンからなり、格子1ピッチ長がaである。また、4個
の格子グループは互いの格子位置をa/4ずつシフトし
て設置する。固定格子64の後方には受光器65を設置
する。受光器65は固定格子64に対応して4個の受光
素子からなり、光学スケールを透過した光強度を個別に
検出する。移動格子63が移動すると、A+、B+、A
−、B−の4個の信号(4相信号)が受光器65から出
力される。
【0005】以上の構成の光学系で出力された4相信号
の波形例を図6(b)に示す。4相信号の各々は正弦波
信号で、移動格子63の格子1ピッチの移動で正弦波が
1周期変化するため、正弦波の1周期Pが格子1ピッチ
長aに対応する。また、固定格子64の各格子グループ
の格子位置が1/4ピッチずつシフトしているため、4
相信号の位相もπ/2ずつシフトする。この4相信号の
検出に際しては、各信号のオフセットと振幅を共に等し
くする調整が必要である。
【0006】検出した4相信号に対して、1周期Pの整
数倍の移動距離と1周期P以下の移動距離の両方を検出
して、それらの移動距離の和から寸法を測定する。1周
期Pの整数倍の移動距離の検出は、移動格子63の移動
方向に応じて格子1個を単位とした格子の整数個の移動
個数をカウントして行う。このとき、位相差π/2のA
+、B+信号の位相の進みと遅れの関係を検出して移動
格子63の移動方向を判定する。例えば、A+信号の位
相が進んでいる場合はアップカウント、B+信号が進ん
でいる場合はダウンカウントすることで、格子1ピッチ
の整数倍の移動距離を検出する。
【0007】寸法測定では移動格子63が移動を開始す
るときと、移動後に停止するときの両方について、格子
1ピッチ長a以下の移動距離(端数ピッチ距離)の検出
が重要で、その検出精度で寸法測定の分解能や測定精度
が決まる。図6(b)の位置610で移動格子63が移
動を開始したとき、位置610から正弦波信号の基準位
置620(例えばA+信号の位相が0の位置)までの距
離Lが格子1ピッチ長a以下の端数ピッチ距離である。
【0008】端数ピッチ距離Lを算出するのに、4相信
号の強度から正弦波の位相を検出する方法が多く用いら
れている。位相を検出するために、A+信号とA−信号
の差からA信号を、B+信号とB−信号の差からB信号
を作成する。A信号とB信号はオフセットがキャンセル
されて0となり、位相がπ/2シフトした振幅が等しい
信号である。停止位置610でのA信号の強度をVa、
B信号の強度をVbとしたとき、強度VaとVbの関係
から正弦波の位相を算出する。
【0009】図6(c)は位相の算出を説明する図であ
る。A信号とB信号の強度の関係がP1の位置にあれ
ば、φ1=arctan(Vb/Va)から位相φ1を
算出する。このとき、VaとVbの強度の符号から位置
P1の位相象限が第1象限にあることを予め判定してお
き、0からπ/2までの三角関数値が記憶された三角関
数テーブルを参照して位相φ1を算出する。A信号の強
度がVc、B信号の強度がVdで共に負の値となるP2
の位置にあれば、第3象限と判定して同じく三角関数の
値を参照して位相φ2を検出する。停止位置の位相がφ
1であれば、端数ピッチ距離Lは、L=P(2π−φ
1)/(2π)である。以上のごとく、従来の寸法測定
装置は位相がπ/2ずつシフトした4相正弦波信号を出
力してオフセットが0で、位相がπ/2異なる2相信号
を作成し、2相信号の各々の強度の三角関数演算を行っ
て正弦波の位相を算出して端数ピッチ距離を検出する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の4相正弦波信号
を用いる信号処理では、A+、A−、B+、B−信号の
振幅とオフセットが等しくなるように受光器の光電変換
回路を調整することが必要である。それは、端数ピッチ
距離Lを検出するための位相検出において、A+信号と
A−信号の差のA信号と、B+信号とB−信号の差のB
信号のオフセットを0にすると共に、A信号とB信号の
振幅を等しくするためである。A信号とB信号のオフセ
ットと振幅が異なれば位相検出に誤差が生じる。特に、
オフセット成分を無くすために4相信号が必要になり、
光学系の構成が複雑になると共に、4相信号の光電変換
回路の調整が複雑になるという問題点がある。
【0011】また、A信号、B信号の強度から位相を算
出するとき、三角関数演算が必要になる。そのため、三
角関数テーブルをROM化して信号処理系に組み込んだ
り、関数展開法などの演算を行う必要があり、信号処理
系の構成が複雑になるという問題がある。
【0012】寸法測定の分解能を高めるには、格子1ピ
ッチ長a以下の端数ピッチ距離の検出分解能を高める必
要がある。a=10μmの場合に0.1μmという分解
能を実現するには、正弦波信号の位相を3度程度の誤差
内で検出する必要がある。しかし、正弦波のピーク強度
付近では位相の変化に対する強度変化が小さいため、位
相がπ/2、π、3π/2の近くでは位相の算出誤差が
大きくなる。そのために、三角関数演算を用いる場合は
位相検出の分解能を向上させることが困難であるという
問題もある。
【0013】4相正弦波信号を処理して得られた信号強
度を三角関数を用いて位相に変換する従来法の諸課題を
解決するため、本発明による寸法測定装置は、位相がπ
/2異なる2相信号を出力する光学系を用い、2相信号
間の振幅とオフセットが異なっていても正確な位相が検
出できる信号処理を行う構成であり、格子1ピッチ以下
の端数ピッチ距離を、三角関数演算を行うことなく比例
演算をベースとする簡素な処理で高分解能に検出する構
成である。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のうちの請求項1に記載の光学スケールを
用いた寸法測定装置は、触針と共に移動する移動格子と
互いの格子位置が格子1ピッチ長の1/4シフトした二
つの格子グループから成る固定格子とから構成される光
学スケールと、該光学スケールを照明する光源と、前記
光学スケールを透過した透過光強度を検出する2個の受
光素子からなる受光器から構成されて位相がπ/2シフ
トした2相信号を出力する光学系と、前記2相信号の1
周期の整数倍の移動距離を検出する整数ピッチ距離検出
部と、前記移動格子が停止している位置の近傍で前記2
相信号の1周期以下の移動距離を検出する端数ピッチ距
離検出部と、前記整数ピッチ距離検出部と端数ピッチ距
離検出部で検出した各々の移動距離の和から寸法を算出
する寸法検出部から構成される信号処理系を備えた光学
スケールを用いた寸法測定装置において、前記の端数ピ
ッチ距離検出部は、前記2相格子の各々の正負のピーク
強度を検出するピーク強度検出部と、前記触針が停止し
ている位置の近傍の前記ピーク強度に対して予め設定さ
れた2値のスライス強度で前記2相信号の各々のスライ
ス範囲を設定するスライス範囲設定部と、前記停止位置
における前記2相信号の強度が前記スライス範囲の内部
にある側の信号を選択すると共に前記停止位置における
前記2相信号の強度と前記スライス強度との大小関係を
比較して前記2相信号の1周期を4つの位相象限に分割
したときの象限を検出する象限検出部と、前記選択され
た信号の前記停止位置の強度と前記スライス強度間の振
幅との比を演算する強度比演算部と、前記強度比から前
記停止位置の象限内の位相を検出すると共に該位相と前
記象限の基準位置の位相から前記停止位置での2相信号
の位相を算出する位相算出部から構成される。
【0015】また、請求項2に記載の発明は請求項1に
記載の光学スケールを用いた寸法測定装置に関わり、前
記光学系から出力される2相信号は、互いの振幅とオフ
セットレベルが異なる信号であるように構成される。
【0016】また、請求項3に記載の発明は請求項1に
記載の光学スケールを用いた寸法測定装置に関わり、前
記ピーク強度検出部は、前記2相信号の各々の各周期毎
に正負のピーク強度を検出し、前記触針が移動を開始し
た位置と移動を停止した位置の近傍でのピーク強度の値
を個別に記憶するように構成される。
【0017】また、請求項4に記載の発明は請求項1ま
たは請求項3に記載の光学スケールを用いた寸法測定装
置に関わり、前記スライス範囲を設定するための2値の
スライス強度は、前記ピーク強度間の振幅に対してほぼ
±70.7%の強度であるように構成される。
【0018】また、請求項5に記載の発明は請求項1に
記載の光学スケールを用いた寸法測定装置に関わり、前
記位相算出部はさらに、前記2相信号の前記スライス範
囲内の強度分布と前記スライス範囲内で直線近似した強
度分布との強度差に対応する位相差を記憶する位相差記
憶部と、前記強度比演算部で検出した強度比の値に応じ
て検出した位相を前記記憶されている位相差で補正する
位相補正部を設け、該補正された位相を前記象限内の位
相とするように構成される。
【0019】また、請求項6に記載の発明は請求項5に
記載の光学スケールを用いた寸法測定装置に関わり、前
記位相差記憶部は、前記2相信号の前記スライス範囲内
の強度分布と前記スライス範囲内で直線近似した強度分
布との強度差に対応する位相差を前記象限内で離散的に
変化する位相として記憶するように構成される。
【0020】また、請求項7に記載の発明は請求項5に
記載の光学スケールを用いた寸法測定装置に関わり、前
記位相差記憶部は、前記2相信号の前記スライス範囲内
の強度分布と前記スライス範囲内で直線近似した強度分
布との強度差に対応する位相差を直線近似した位相で記
憶するように構成される。
【0021】また、請求項8に記載の発明は請求項1に
記載の光学スケールを用いた寸法測定装置に関わり、前
記光学スケールは、前記移動格子の格子ピッチ(m)と
前記固定格子の格子ピッチ(a)のピッチ長は、kをk
≧3の正の奇数の整数としたとき、m=kaなる関係に
設定して前記固定格子のピッチ長aに応じた周期の2相
信号を出力すると共に、前記移動格子の近傍に前記固定
格子を設置し、前記移動格子に発散光を照射するように
構成される。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明による光学スケールを用い
た寸法測定装置は、触針が移動を開始する位置及び、移
動後に停止した位置の近傍において、格子1ピッチ以下
の端数ピッチ距離を簡素な信号処理法で高分解能に検出
する構成である。端数ピッチ距離の検出は停止位置にお
ける2相信号の位相を検出することに相当する。この検
出において、位相がπ/2シフトした正弦波信号、ある
いは三角波に近い強度分布の2相信号を用いる。2相信
号は互いのオフセットレベルと振幅が共に異なっていて
もよく、2相信号の強度変化がほぼ直線と見なしてもよ
い特定の強度範囲を設定し、その強度範囲にある信号強
度を演算して2相信号の位相を検出する。
【0023】位相がπ/2シフトした2相信号を作成す
るために、固定格子は互いの格子位置が格子1ピッチ長
の1/4シフトした2つの格子グループから構成する。
移動格子と固定格子の格子1ピッチ長の関係について
は、共に同じピッチ長に設定してもよく、移動格子の格
子1ピッチ長mと固定格子の格子1ピッチ長aを異なら
せてもよく、要求される測定精度に応じて使い分ける。
同じ格子ピッチの格子を用いる場合は2相信号は正弦波
状である。格子1ピッチ長が異なる場合は、kをk≧3
の奇数の整数としたとき、m=kaなる関係に設定する
と、出力される2相信号の1周期は固定格子の1ピッチ
長に対応する。移動格子の格子1ピッチ長を長くするこ
とで移動格子を透過した光の回折広がりが少なくなり、
2相信号の強度が直線的に変化する領域を広げることが
できる。この効果により、位相検出の分解能がさらに向
上する。
【0024】2相信号に対して、強度がほぼ直線的に変
化すると見なしてもよい範囲を、予め設定した2値のス
ライスレベルから決定する。そのために、2相信号の各
々の正負のピーク強度を検出しておき、正負のピーク強
度を基準にしたそれぞれのスライス強度からスライス範
囲を設定する。スライスレベルは、例えば、ピーク強度
の±70.7%の強度に設定する。このスライス強度は
正弦波の場合の±45度の強度位置に相当する。このス
ライス範囲内では2相信号の強度は直線的に変化すると
仮定して信号処理を行う。2相信号の各々に個別にスラ
イス範囲を設定するため、2相信号のオフセットと振幅
は異なっていてもよい。
【0025】2相信号間の位相がπ/2シフトしている
こと、及びスライス範囲を正弦波の±45度に相当する
範囲に設定しているため、2相信号の一方の信号の強度
がスライス範囲内にあれば、他方の信号の強度はスライ
ス範囲外にある。そこで、触針が停止している位置では
スライス範囲内にある側の信号を選択し、その信号の強
度を以後の位相検出の演算対象とする。信号の選択と共
に、触針の停止位置での2相信号の強度とスライス強度
との大小関係から、停止位置での信号の位相象限(〜
)を決定する。この象限は信号の1周期を4分割した
概略の位置情報を与える。
【0026】停止位置の象限内での位相を検出するため
に、選択した側の信号の停止位置での強度と、その信号
のスライス範囲の振幅との強度比の演算を行う。スライ
ス範囲内では強度は直線的に変化すると仮定したことか
ら、強度比の値は象限内の位置と線形に対応し、停止位
置に応じて直線的に変化する。そこで、強度比の値を位
相に線形変換し、その象限内の位相と象限の基準位置の
位相の和から停止位置の位相を検出する。このように、
強度が直線的に変化すると見なせるスライス範囲を設定
することで、単純な比例計算だけで停止位置の位相が求
められる。
【0027】強度比を位相に線形変換することは、各象
限のスライス範囲内での強度変化が直線であると仮定し
たことによるが、実際はスライス範囲内では非線形に強
度が変化する。直線と近似して求めた位相と実際の位相
には差が生じるため、停止位置をさらに精密に検出する
ためには直線近似で得た位相を補正する必要がある。2
相信号の強度が正弦波的に変化する場合は、直線に近似
したときの位相と正弦波の位相との位相差は、象限内の
位置に応じてほぼ正弦波状に変化し、位相差の最大は±
2度程度である。例えば、2相信号の1周期が10μm
の場合、位相の1度の誤差は約0.025μmに相当す
る。±2度の位相誤差の場合、位相補正を行わないでも
0.1μmの分解能が得られる。要求される分解能が
0.1μmで良い場合は位相の補正を行う必要はない
が、更に高分解能な測定が要求される場合は位相の補正
が必要である。
【0028】上記の位相誤差を補正する場合は、実際の
スライス範囲内の強度分布と直線近似した強度分布との
強度差に対応した位相差データを予め記憶しておき、強
度比から求めた位相を記憶されている位相差データで補
正する。正弦波の強度分布の場合、位相誤差は最大でも
±2度(±0.05μm)であるから、例えば、正弦波
の位相差を1度のステップで離散的に変化する位相差と
して記憶してもよい。この場合の位相誤差は1度程度
で、0.025μmの分解能が得られる。また、位相差
を直線式で近似して記憶してもよい。このように、単純
な比例演算で算出した位相を補正することで、更なる高
分解能な寸法測定ができる。
【0029】以下に図面を用いて本発明の実施の形態を
詳細に説明する。図1(a)は本発明の寸法測定装置の
実施例を示すブロック図、図1(b)は光学スケールの
形状例、図1(c)は2相信号の波形例である。図1
(a)において、半導体レーザや発光ダイオードなどの
光源11から放射された発散光をコリメート用のレンズ
115で平行光に変換して、移動格子12と固定格子1
3から成る光学スケールに照射する。
【0030】移動格子12と固定格子13の具体的な構
成例を図1(b)に示す。移動格子12と固定格子13
を構成する個々の格子は、光を透過しない黒パターンと
光を透過する白パターンの幅と形状が等しい矩形状格子
からなり、格子ピッチ長はaである。固定格子13の2
つの格子グループA、Bは互いの格子位置を格子ピッチ
aの1/4シフトさせて配置する。固定格子13の後方
には受光器14を設置し、光学スケールを透過した透過
光強度を検出する。受光器14も固定格子13に対応し
て2個の受光素子から構成され、光電変換して、図1
(c)に示す2相のA相信号18とB相信号19を出力
する。
【0031】図1(c)のA相信号18とB相信号19
は位相がπ/2シフトした正弦波信号で、振幅とオフセ
ットが異なってもよい。振幅とオフセットを一致させる
調整が不要なため、受光器14の光電変換回路の調整が
簡素化される。2相信号の1周期の期間Pは格子1ピッ
チ長aに相当する。
【0032】以上の2相信号を、整数ピッチ距離検出部
15、端数ピッチ距離検出部16と寸法算出部17から
なる信号処理系で演算処理して寸法を測定する。整数ピ
ッチ距離検出部15は、従来の測定装置と同じ構成で、
例えばA相信号18を基準にしたとき、信号の位相が0
となる位置125と位置127の間の1周期の整数倍に
相当する移動個数をカウンター回路で計数する。このと
き、A相信号18とB相信号19の位相の進みと遅れの
関係を判定して、位相の進みの場合はアップカウント、
位相の遅れの場合はダウンカウントを行い、格子1ピッ
チ長aの整数倍の移動個数を測定する。
【0033】本発明は格子1ピッチ長a以下の端数ピッ
チ距離を高分解能に検出する構成に関する。図1(c)
の位置120で移動格子12が移動を開始したとすれ
ば、位置120とA相信号18の基準位置125までの
1周期以下の距離Lが端数ピッチ距離である。距離Lの
検出精度で寸法測定の分解能や精度が決まるため、信号
の1周期を細かく分割して距離Lを精密に測定すること
が重要である。距離Lの算出は、位置120における2
相信号の位相を算出することに相当する。
【0034】図2に2相信号の波形とその信号処理法を
示して端数ピッチ距離検出部16の動作を説明する。ピ
ーク強度検出部160はA相信号18とB相信号19の
各々の最大強度VamとVbm及び、最小強度Vanと
Vbnを個別に検出する。図2(a)に2相信号のピー
ク強度の例を示す。端数ピッチ距離の検出は、触針が移
動を開始した位置と移動を停止した位置で検出するた
め、ピーク強度は停止位置の近傍の周期で検出した値を
用いる。移動格子12の移動中もピーク強度値は各周期
ごとに検出するが、移動の最中で検出したピーク強度値
は移動に応じて順次その値を更新し、停止位置の近傍だ
けのピーク強度値を記憶する。
【0035】スライス範囲設定部162は、2相信号の
各々の正負のピーク強度に対して、予め設定された2値
のスライスレベルからスライス範囲を設定する。スライ
スレベルとしては正負のピーク強度の±70.7%を採
用する。この±70.7%は正弦波の強度分布の場合、
±45度の位相範囲に相当する。図2(b)にスライス
範囲の例を示す。A相信号のスライス強度は実線で示し
たSamとSanで、B相信号のスライス強度は破線で
示したSbmとSbnである。以後の信号処理はスライ
ス範囲内にある強度を演算対象にする。2相信号の各々
でピーク強度を検出してスライス範囲を設定するため、
2相信号の振幅とオフセットは異なっていてもよい。
【0036】象限検出部164は、図2(b)の移動開
始位置200と、図示していないが位置200のさらに
右側にある停止位置の両方において、2相信号のどちら
の信号がスライス範囲内にあって、それらの停止位置の
強度の位相象限が1周期内のどの象限にあるかを決定す
る。開始位置200を例にとると、開始位置ではB相信
号19がスライス範囲にあり、A相信号18はスライス
範囲外にある。2相信号の位相差がπ/2で、スライス
範囲がピーク強度の±70.7%に設定されていれば、
いずれか一方だけの信号がスライス範囲の内部に存在す
る。
【0037】象限検出部164はさらに、開始位置20
0で選択した信号の位相象限を検出する。A相信号18
の位相が進んでいるとき、A相信号18とB相信号19
のスライス強度の位置が一致する位置(A相信号18の
位相が45゜の位置)を位相象限判定の基準位置にする
と、図2(b)のように1周期をからまでの4つの
象限に分割できる。象限は1周期の間を4分割したとき
の概略の位置を表す。上記の象限設定の場合、A相信号
18の強度をVa、B相信号19の強度をVbとしたと
き、Va<San、Sbn<Vb<Sbmであれば、開
始位置200は象限であると判定する。開始位置20
0から基準位置210までの端数ピッチ距離Lを算出す
るために、象限内の位相を検出することが必要であ
る。
【0038】象限内の位相を検出するために、強度比
演算部166は開始位置200で選択したB相信号19
の強度Vbとスライス範囲の振幅Vs(Sbm−Sb
n)との比Vb/Vsを演算する。図2(c)に象限内
での比例演算を示す。各象限のスライス範囲内では強度
は位置に比例して変化すると仮定していることで、開始
位置200での強度比は象限内の位置にリニアに対応す
る。
【0039】位相算出部168は、強度比演算部166
で求めた開始位置200の強度比を象限での位相に変
換すると共に、象限検出部164で検出した象限の基
準位置の位相から、開始位置200での位相を算出す
る。象限の位相幅はπ/2であるから、強度比を線形変
換することで、象限の位相φはπVb/(2Vs)と
算出される。基準位置210を象限の開始位置とすれ
ば、開始位置200での位相はπ[1+Vb/(2V
s)]である。通常の正弦波の位相が0度の位置を位相
の基準位置にすれば、上記の位相からπ/4を引いた位
相が開始位置200の位相になる。
【0040】寸法算出部17は、整数ピッチ距離検出部
15で検出した格子1ピッチ長の整数倍の移動距離と位
相算出部168で求めた位相に対応する端数ピッチ距離
Lの和から寸法を算出する。開始位置200が象限の
場合の端数ピッチ距離Lの検出を示す。象限の次の
象限から基準位置210までの距離はa/4で、象限
内の位置はφa/(2π)である。したがって、開始位
置200から基準位置210までの端数ピッチ距離Lは
(a/2)−(φa/2π)となる。この端数ピッチ距
離は停止位置についても同様に行う。このように、触針
が停止している位置の位相が分かれば端数ピッチ距離が
求められ、その精度は位相の検出精度に依存する。
【0041】上記の端数ピッチ距離検出は、スライス範
囲内の強度変化が各象限ごとに直線的に変化するものと
して、単純な比例演算で格子の停止位置を算出する方法
であった。スライス範囲内で強度が直線的に変化すると
仮定した場合の位相の検出誤差に対する寸法測定誤差を
評価する。2相信号の1周期が10μmの場合の1象限
の幅は2.5μmである。1度の位相誤差(強度比のほ
ぼ1%の誤差に相当)は0.023μmに相当する。し
たがって、スライス範囲内の強度変化が直線的であると
いう条件下では、2相信号の強度を8ビットのADコン
バータで検出すれば、0.01μmに近い分解能が実現
できる。
【0042】しかし、実際の2相信号の強度は非線形に
変化するため、スライス範囲内で強度が直線的に変化す
ると仮定した場合の位相検出には誤差が生じる。2相信
号が正弦波的に変化する場合の位相検出の誤差を評価す
る。図3(a)の曲線31はスライス範囲内での実際の
正弦波強度と直線近似した強度との強度差である。図の
横軸は象限の位相で、π/2の範囲である。縦軸は強度
差(%)で、この強度差がほぼ位相誤差に対応する。誤
差曲線31はほぼ正弦波状に変化し、強度差の最大は±
2%程度である。
【0043】2相信号の1周期が10μmの場合の1象
限は2.5μmであるため、強度比の2%の誤差(位相
では1.8度の誤差)は0.05μmに相当する。寸法
測定の分解能として0.1μmが要求される場合は、曲
線31の強度誤差による位相誤差を補正する必要はな
く、直線近似で得た位相を採用すればよい。しかし、さ
らに高分解能な測定が要求される場合は位相誤差を補正
する必要がある。
【0044】強度変化の非線形性による位相補正を行う
ために、位相算出部168にはさらに、スライス範囲内
の実際の強度分布と直線近似した強度分布との強度差に
対応する位相差を記憶する位相差記憶部と、強度比演算
部166で検出した強度比の値を線形変換した位相を前
記の記憶されている位相差で補正する位相補正部を設け
る。位相誤差は2度程度の微小量であるため、位相補正
は0.5度程度の誤差(0.01μm程度に相当)があ
ってもよい。そのため、図3(a)に示した誤差曲線に
必ずしも対応した補正でなくてもよい。
【0045】位相補正を行うときの補正量の設定例を図
3(b)と図3(c)に示す。図3(b)の波形32は
強度誤差を一定の強度幅のステップで離散的に補正する
場合で、図3(c)の波形33は同じく直線的に連続し
て補正する場合である。共に強度差を前述の位相差に変
換して補正する。強度の1%誤差は位相のほぼ1度の誤
差に対応する。例えば、位相を1度のステップで離散的
に補正する場合、検出した強度比に応じて補正すべき位
相を選択すれば、0.025μmの誤差で測定できる。
直線近似した位相で補正すればさらに高精度な測定が可
能である。
【0046】図4に本発明の寸法測定装置における光学
スケールの第二の構成例と、その光学スケールを用いた
ときに得られるスライス範囲の強度分布を示す。図4
(a)の移動格子41は固定格子13とは異なる格子ピ
ッチを有し、移動格子41の格子ピッチを長くする。こ
の構成の場合は、半導体レーザなどから発せられる発散
光を直接に移動格子41に照射する。従来の平行光を照
射する場合と比べると、コリメートレンズが不要で、光
学系が小さくなる利点がある。
【0047】図4(b)に移動格子41と固定格子13
の具体的な構成例を示す。固定格子13は図1に示した
構成と同じで、格子1ピッチ長がaである。また二つの
格子グループA、Bは互いの格子位置をa/4シフトさ
せて設置する。移動格子41の格子ピッチはm(m>
a)であって、kをk≧3なる奇数の整数としたとき、
m=kaの関係に設定する。例えば、k=5のとき、移
動格子41の格子ピッチmを50μm、固定格子13の
格子ピッチaを10μmにする。格子ピッチ長を上記の
奇数倍の関係に設定したとき、発生する2相信号の1周
期は固定格子13の格子ピッチ長aに相当する。固定格
子13の後方には同じく受光器14を設置し、位相がπ
/2シフトした2相信号を出力する。
【0048】本実施例の移動格子41の格子ピッチを長
くするのは、移動格子41による回折広がりの影響を少
なくするためである。移動格子41を透過した光の回折
広がり角度は格子ピッチ長に反比例するため、格子ピッ
チが長いほど回折広がりが少なくなる。そのため、格子
を照射する光は発散光でもよく、移動格子41と固定格
子13のすき間距離の設定クリアランスも広がる。ま
た、回折低減効果によって移動格子41を透過した光の
強度分布は格子形状をほぼ保存した分布となり、2相信
号の強度分布は三角波に近い形状になって、直線的に強
度が変化する領域が拡大される。
【0049】図4(c)の波形42は、移動格子41の
格子ピッチが50μmで、固定格子13の格子ピッチが
10μmの場合に、2相信号のスライス範囲内の実際の
強度と直線近似した強度との強度差(%)の測定例であ
る。波形42の強度差の最大値はほぼ2%の範囲内にあ
り、前述した正弦波の強度分布の場合と比べると、強度
差は半分以下になり、2相信号の強度が直線に近くなっ
ていることがわかる。したがって、強度差に応じた位相
補正を行わない場合でも0.05μmの分解能が得られ
る。前述した強度差に応じた位相補正を0.5度のステ
ップで行えば、0.025μmの分解能が得られる。
【0050】図5に本発明の端数ピッチ距離を検出する
信号処理動作のフローチャート図を示す。ステップ50
0はピーク強度検出で、2相信号の各々について2相信
号をA/D変換し、各周期毎の正負のピーク強度を検出
する。ステップ502は触針が移動を開始した位置と移
動を終了した各々の停止位置の近傍の周期で検出された
正負のピーク強度を記憶する。ステップ504はスライ
ス強度の設定で、予め±70.7%の2値の数値を与え
ておく。ステップ506は2相信号のスライス範囲の設
定で、停止位置の近傍のピーク強度と設定されたスライ
ス強度に応じたスライス範囲を設定する。2相信号に個
別にスライス範囲を設定するため、2相信号の振幅とオ
フセットは異なっていてもよい。また、スライス範囲内
の強度はほぼ比例して変化すると仮定する。
【0051】ステップ508は信号選択で、停止位置の
A相、B相信号強度と各々のスライス強度を比較して、
スライス範囲内にある側の信号を選択する。ステップ5
10は信号象限検出で、選択した信号の停止位置での強
度が信号の1周期内のからのどの位相象限にあるか
を検出する。ステップ512は強度比演算で、選択した
信号の停止位置での強度とスライス振幅との強度比を演
算する。この強度比の値は、スライス範囲内の強度変化
が線形であると仮定したとき、象限内の位置に線形に対
応する。ステップ514は位相検出で、強度比を線形変
換して停止位置の象限内での位相を検出すると共に、ス
テップ510で検出した象限に対応する位相との和から
停止位置の位相を検出する。線形近似で検出した位相で
の寸法精度で十分な場合は測定動作を終了する。さらに
寸法測定精度を向上させる場合はステップ514で検出
した象限内の位相を補正する。
【0052】ステップ516は位相誤差記憶で、実際に
は非線形に変化するスライス範囲内の強度と線形に変化
すると仮定したときの強度との強度差に対応する位相誤
差を記憶しておく。2相信号が正弦波状である場合の位
相誤差の最大値は±2度程度の小さい値であるため、位
相誤差が大きくなる領域だけで、1度のステップで離散
的に変化する位相誤差に変換して記憶しておいてもよ
い。ステップ518は位相補正で、ステップ514で検
出した象限内の位相に対して、ステップ516の位相誤
差を加算あるいは減算して補正し、更に正確な位相を検
出する。この位相補正により、1度以内の位相誤差に収
まり、高分解能な測定ができる、
【0053】
【発明の効果】本発明の寸法測定装置の端数ピッチ距離
の測定は2相信号を処理する構成で、固定格子を二つの
グループで構成すればよいため、光学スケールの構成が
簡素になる。また、異なる格子ピッチからなる光学スケ
ールを用いれば、発散光を照射してもよいため、光学系
が小型化される。さらには出力される2相信号のオフセ
ットと振幅は互いに異なっていてもよい信号処理を行う
ため、光電変換を行う回路調整が簡素化され、製造コス
トが低減される。
【0054】2相信号の処理に関しては、2相信号のピ
ーク強度を検出してスライス範囲を設定し、スライス範
囲内の信号強度の強度比を演算する。強度がブロードに
変化するピーク強度領域は検出対象とせず、強度がほぼ
直線的に変化する中間強度の領域を選択して信号処理す
るため、信頼性の高い測定が可能である。スライス範囲
内の強度が線形に変化すると仮定したとき、強度比は格
子位置と線形に対応するため、比例演算だけで位相(格
子位置)が検出できる。スライス範囲内の強度が線形に
変化する場合は、信号の1周期が10μmであれば、信
号強度の4%の検出誤差があっても0.1μmの位置分
解能が得られ、従来装置に比べて、簡素な信号処理で高
分解能化が実現できる。
【0055】さらに高分解能な測定が要求される場合
は、実際には非線形に変化する強度と線形に変化すると
仮定した強度との差に相当する位相差で補正すればよ
い。この補正する位相は1度の程度でよいため、簡素な
位相補正で0.02μmという分解能も実現可能であ
る。以上のごとく、本発明による2相信号を用いた位相
検出では、ほぼ直線的に変化する信号強度を信号処理す
るため、従来のような格子位置と信号位相を対応付ける
三角関数テーブルなどの参照テーブルが不要で、信号処
理系の構成と演算が簡素で、はるかに高分解能の測定が
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の寸法測定装置の実施形態を示
す構成ブロック図、(b)は光学スケールの第1の構成
例を示す図、(C)は2相信号波形を示す図である。
【図2】(a)は2相信号のピーク強度の検出を示す波
形図、(b)は2相信号のスライス範囲を示す図、
(C)は強度比の演算を示す図である。
【図3】(a)は正弦波強度と直線近似強度の強度差を
示す図、(b)と(c)は強度差を補正するときの補正
量を示す図である。
【図4】(a)と(b)は本発明の光学スケールの第2
の構成例を示す図、(c)は第2の光学スケールを用い
た場合に得られるスライス範囲内の信号強度と直線近似
強度との強度差を示す図である。
【図5】本発明の端数ピッチ距離を検出するときの動作
のフローチャート図である。
【図6】(a)は従来の寸法測定装置の構成を示すブロ
ック図、(b)は従来装置で検出する4相正弦波信号の
波形例、(c)は位相の検出を示す図である。
【符号の説明】
12 移動格子 13 固定格子 14 受光器 16 端数ピッチ距離検出部 160 ピーク強度検出部 162 スライス範囲設定部 164 象限検出部 166 強度比演算部 168 位相算出部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触針と共に移動する移動格子と互いの格
    子位置が格子1ピッチ長の1/4シフトした二つの格子
    グループから成る固定格子とから構成される光学スケー
    ルと、該光学スケールを照明する光源と、前記光学スケ
    ールを透過した透過光強度を検出する2個の受光素子か
    らなる受光器から構成されて位相がπ/2シフトした2
    相信号を出力する光学系と、前記2相信号の1周期の整
    数倍の移動距離を検出する整数ピッチ距離検出部と、前
    記移動格子が停止している位置の近傍で前記2相信号の
    1周期以下の移動距離を検出する端数ピッチ距離検出部
    と、前記整数ピッチ距離検出部と端数ピッチ距離検出部
    で検出した各々の移動距離の和から寸法を算出する寸法
    検出部から構成される信号処理系を備えた光学スケール
    を用いた寸法測定装置において、 前記端数ピッチ距離検出部は、前記2相格子の各々の正
    負のピーク強度を検出するピーク強度検出部と、前記触
    針が停止している位置の近傍の前記ピーク強度に対して
    予め設定された2値のスライス強度で前記2相信号の各
    々のスライス範囲を設定するスライス範囲設定部と、前
    記停止位置における前記2相信号の強度が前記スライス
    範囲の内部にある側の信号を選択すると共に前記停止位
    置における前記2相信号の強度と前記スライス強度との
    大小関係を比較して前記2相信号の1周期を4つの位相
    象限に分割したときの象限を検出する象限検出部と、前
    記選択された信号の前記停止位置の強度と前記スライス
    強度間の振幅との比を演算する強度比演算部と、前記強
    度比から前記停止位置の象限内の位相を検出すると共に
    該位相と前記象限の基準位置の位相から前記停止位置で
    の2相信号の位相を算出する位相算出部から構成され、
    前記2相信号の1周期以下の端数ピッチ距離を検出する
    ことを特徴とする光学スケールを用いた寸法測定装置。
  2. 【請求項2】 前記光学系から出力される2相信号は、
    互いの振幅とオフセットレベルが異なる信号であること
    を特徴とする請求項1に記載の光学スケールを用いた寸
    法測定装置。
  3. 【請求項3】 前記ピーク強度検出部は、前記2相信号
    の各々の各周期毎に正負のピーク強度を検出し、前記触
    針が移動を開始した位置と移動を停止した位置の近傍で
    のピーク強度の値を個別に記憶することを特徴とする請
    求項1に記載の光学スケールを用いた寸法測定装置。
  4. 【請求項4】 前記スライス範囲を設定するための2値
    のスライス強度は、前記ピーク強度間の振幅に対してほ
    ぼ±70.7%の強度であることを特徴とする請求項1
    または請求項3に記載の光学スケールを用いた寸法測定
    装置。
  5. 【請求項5】 前記位相算出部はさらに、前記2相信号
    の前記スライス範囲内の強度分布と前記スライス範囲内
    で直線近似した強度分布との強度差に対応する位相差を
    記憶する位相差記憶部と、前記強度比演算部で検出した
    強度比の値に応じて検出した位相を前記記憶されている
    位相差で補正する位相補正部を設け、該補正された位相
    を前記象限内の位相とすることを特徴とする請求項1に
    記載の光学スケールを用いた寸法測定装置。
  6. 【請求項6】 前記位相差記憶部は、前記2相信号の前
    記スライス範囲内の強度分布と前記スライス範囲内で直
    線近似した強度分布との強度差に対応する位相差を前記
    象限内で離散的に変化する位相として記憶することを特
    徴とする請求項5に記載の光学スケールを用いた寸法測
    定装置。
  7. 【請求項7】 前記位相差記憶部は、前記2相信号の前
    記スライス範囲内の強度分布と前記スライス範囲内で直
    線近似した強度分布との強度差に対応する位相差を直線
    近似した位相で記憶することを特徴とする請求項5に記
    載の光学スケールを用いた寸法測定装置。
  8. 【請求項8】 前記光学スケールは、前記移動格子の格
    子ピッチ(m)と前記固定格子の格子ピッチ(a)のピ
    ッチ長は、kをk≧3の正の奇数の整数としたとき、m
    =kaなる関係に設定して前記固定格子のピッチ長aに
    応じた周期の2相信号を出力すると共に、前記移動格子
    の近傍に前記固定格子を設置し、前記移動格子に発散光
    を照射することを特徴とする請求項1に記載の光学スケ
    ールを用いた寸法測定装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6956505B2 (en) 2002-02-28 2005-10-18 Fanuc Ltd Signal processing apparatus for encoder
EP1619477A2 (en) 2004-06-25 2006-01-25 Fanuc Ltd Linear encoder
JP2015215344A (ja) * 2014-04-25 2015-12-03 株式会社リコー 角度検出装置、モータ駆動制御装置、及びモータ装置
JP2016008903A (ja) * 2014-06-25 2016-01-18 日本電波株式会社 ディジタルスケールの表示制御装置

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