JP2000121316A - 光学スケールを用いた寸法測定装置 - Google Patents

光学スケールを用いた寸法測定装置

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JP2000121316A
JP2000121316A JP10293227A JP29322798A JP2000121316A JP 2000121316 A JP2000121316 A JP 2000121316A JP 10293227 A JP10293227 A JP 10293227A JP 29322798 A JP29322798 A JP 29322798A JP 2000121316 A JP2000121316 A JP 2000121316A
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grating
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movement
grid
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Hiroo Fujita
宏夫 藤田
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Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学スケールを用いた寸法測定装置で、簡素
な光学系でサブミクロンの測定分解能を実現すること。 【解決手段】 各々1個の移動格子と固定格子と受光器
を用いて1相の正弦波信号を検出するとき、正弦波信号
の強度情報あるいは正弦波が移動する時間情報から、移
動格子の移動方向が反転したことを検出し、移動方向に
応じて格子の移動個数をカウントして格子1ピッチ長の
整数倍の移動距離を測定する。さらには、1相の正弦波
信号の強度情報から位相を検出したり、正弦波信号が移
動する時間情報から格子の停止位置を直接に検出し、格
子1ピッチ長以下の移動距離を検出する。この検出にお
いて、格子の1ピッチ間を100以上までに細かく分割
して検出し、サブミクロンの測定分解能を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学スケールを用い
た触針式の寸法測定装置において、光学スケールの構成
を簡素化してサブミクロン領域の測定分解能を実現する
ための装置構成に関する。
【0002】
【従来の技術】精密部材などの生産ラインでは、被加工
物の寸法、形状などをその場でミクロンメートル領域の
精度で測定するニーズが強く、サブミクロン(〜0.1
μm)の分解能をもつ測定器が必要である。簡易的な測
定器として、従来はリニアー格子(直線状の微細な格子
パターン)を触針に取り付けて移動させ、触針の動きを
光学的に読みとる方式の寸法測定器が多く用いられてい
る。この測定器は格子に光を照射し、触針の移動に伴っ
て変化する光強度信号を検出して各種の信号処理を行
い、格子の移動距離から寸法を測定する構成である。そ
のため、上記の寸法測定器は光学系の構成を簡素化して
小型化すると共に、サブミクロンの測定分解能を実現す
る技術が重要になってくる。
【0003】図8に光学スケールを用いた従来の寸法測
定装置の構成例を示して測定動作を説明する。白色ラン
プ、発光ダイオード(LED)などの光源80から放射
された光はコリメートレンズ81を介し、移動格子82
を照明する。移動格子82は触針(図示せず)の動きに
伴って矢印で示すA方向、B方向に移動し、その移動距
離を検出して寸法を計測する。移動格子82は二値の光
透過強度分布をもつリニアー格子がガラス基板上に形成
されており、光を透過しない黒パターン部の格子幅と光
を透過する白パターン部の隙間幅が共にa/2で、格子
の1ピッチ長がaである。通常の格子1ピッチ長は10
μm程度で、長さaが寸法測定の基準目盛りとなる。
【0004】移動格子82の後方に、固定して移動させ
ない2個の固定格子83、84を設ける。固定格子8
3、84は一つのガラス基板の異なる位置に個別に形成
され、各々の格子の形状は移動格子82の格子の形状と
等しく、格子幅と隙間幅は共にa/2で、格子1ピッチ
長もaである。このとき、固定格子83と84の格子は
互いにa/4だけ位置をずらして、位相差がπ/2にな
るように格子位置を設定する。固定格子83、84の後
方には2個の受光器835と845を設置し、移動格子
82と固定格子83、84を透過した光強度を個別に検
出して二つの透過光信号85、86を出力する。以上の
構成では、光源80は連続点灯して格子を照明してお
り、時間的に連続な光透過光信号を検出する。
【0005】二つの透過光信号(2相信号)85と86
は、移動格子82の移動に応じて各々の光強度が正弦波
状に変化する信号で、固定格子83、84の位相がπ/
2異なるため、信号85と86の位相もπ/2異なる。
この位相の異なる2相信号を信号処理部87で演算処理
し、移動格子82の移動方向と移動した距離を検出して
寸法を測定する。寸法測定の分解能は格子1ピッチ長a
以下の移動距離の検出精度で決まる。そこで、高分解能
測定のためには、格子の1ピッチ間を細かく分割して格
子の停止位置を検出することが重要である。例えば、a
=10μmの場合に0.1μmの分解能を実現するに
は、格子1ピッチ間を100分割して格子の停止位置を
検出する必要がある。
【0006】図9に上記の方法で検出された光強度信号
の例を示して、従来の信号処理方法を説明する。位相が
π/2シフトした正弦波信号90、91は移動格子82
と固定格子83、84を透過して得られた2相信号で、
各々をA相信号、B相信号とする。ここで、A相信号9
0とB相信号91の位相の進み遅れの関係を検出し、移
動格子82の矢印で示す移動方向を判定する。図の例は
A相信号90の位相がB相信号91より進んでいる場合
で、例えば移動格子82が矢印で示すA方向に移動して
いると判定できる。反対方向に移動すればA相信号90
とB相信号91の位相が反転し、矢印で示すB方向に移
動していると判定する。この移動方向に応じて、移動格
子82の格子の移動個数をアップ/ダウン型のカウンタ
ー回路で検出する。この場合、例えばA相信号90の1
周期で1パルスを発生させて格子の移動個数を計測する
と、移動個数から格子1ピッチ長aの整数倍の移動距離
が検出できる。
【0007】格子1ピッチ長aを分割するのに、正弦波
信号の位相を検出する方法が用いられる。しかし、1個
の正弦波信号で見たとき、特定の強度に対して2つの位
相状態が存在するため、強度だけからは位相が直接に検
出できない。位相を区別して検出するためには、予め位
相象限(1〜4)を検出しておく必要がある。図9の表
93に2相信号の強度符号と位相象限の関係を示す。A
相信号90の位相がB相信号91の位相よりも進んでい
る場合は、例えば、A相信号90の強度が正でB相信号
91の強度が負の場合に、位相は第2象限(π/2〜
π)にあると判定できる。位相象限が決まれば正弦波強
度と位相が直接に対応するため、A相信号90の強度を
規格化演算し、三角関数テーブルに記憶しておく三角関
数値を参照して位相を決定する。このようにして、正弦
波信号の位相から格子の1ピッチ間を細かく分割して格
子の1ピッチ長以下の移動距離を検出し、格子1ピッチ
長さの整数倍の移動距離との和から寸法を測定する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光学スケールを用いた寸法測定装置は、複数の正弦波信
号の間の強度関係から、格子の移動方向と格子が停止し
ている位置の位相を検出して寸法を測定するものであっ
た。この場合は複数の固定格子、及び固定格子の数に応
じた受光器と光電変換回路が必要である。そのため、従
来装置は2個以上の固定格子が必要なことから、装置の
光学系のコストが高くなると共に構成が複雑になるとい
う問題がある。さらには、位相がπ/2ずつシフトした
複数の正弦波信号を作成するために、各格子間の位相を
a/4ずつシフトさせて設置する必要がある。格子の1
ピッチ長a=8μmの場合、各々の格子が2μmずつシ
フトするように固定格子を設定する必要がある。そのた
め、固定格子の製作及び設置する際の位置の調整が困難
になるという問題もある。
【0009】従来の測定器は、2相の正弦波信号の相互
の強度関係から、格子が停止している位置の正弦波強度
を位相に変換して格子の1ピッチ長以下の移動距離を検
出していた。この場合、二つの正弦波信号の振幅が互い
に等しいことが必要である。そのために、2つの受光部
での光電変換のゲインを等しくするための調整や、検出
した2相正弦波信号の強度レベルの相関などを処理する
ためのハードウエアーとソフトウエアーが複雑になると
いう問題がある。
【0010】そこで上記の課題を解決するために本発明
は、1個の固定格子だけを用いて1相の正弦波信号を出
力する光学系と、1相の正弦波信号だけから寸法を測定
するデータ処理系とからなり、簡素な構成でサブミクロ
ンの分解能を実現できる光学スケールを用いた寸法測定
装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のうち請求項1記載の発明による光学スケール
を用いた寸法測定装置は、触針と共に移動する一定のピ
ッチと形状を有する1個の移動格子と該移動格子と同一
のピッチと形状を有する1個の固定格子から構成される
光学スケールと、前記光学スケールの格子を連続的に照
射する光源と、前記光学スケールを透過した透過光を受
光する1個の受光器を有し、該受光器から出力される正
弦波的に変化する1相の光強度信号の強度変化と位相情
報を計測して寸法を測定する光学スケールを用いた寸法
測定装置であって、前記移動格子の移動に伴って変化す
る前記光強度信号の強度が不連続に変化する位置を判定
して移動格子の移動方向の反転を検出する強度不連続反
転検出部と、前記光強度信号の1周期毎に前記移動格子
が移動する移動個数を計数すると共に前記強度不連続反
転検出部で検出した格子移動方向の反転情報に応じて前
記移動個数の計数値を増加したり減少させる計数符号を
設定して移動格子が移動した個数をカウントする移動個
数カウント部と、前記移動格子が移動を開始して停止す
るまでの移動期間内で検出する前記光強度信号をA/D
変換して移動開始位置と停止位置の二つの位置の近傍で
の特定の期間の光強度信号をメモリー回路に記憶する光
強度記憶部と、正弦波の特定の範囲の三角関数値(si
nあるいはcosの値)を記憶する三角関数テーブル部
と、前記移動格子が移動開始前の停止位置と移動後の停
止位置の各々について前記光強度記憶部に記憶されてい
る光強度と前記三角関数テーブル部に記憶されている値
とを比較して前記二つの格子停止位置での正弦波強度の
位相を検出する格子位相検出部と、前記移動個数カウン
ト部で検出した前記移動格子の移動個数のカウント値か
ら格子1ピッチ長の整数倍の移動距離を検出すると共に
前記格子位相検出部で検出した位相から移動格子が移動
を開始した位置と移動を停止した位置の各々で格子1ピ
ッチ長以下の移動距離を検出して前記二つの移動距離の
和を算出する寸法算出部を設け、前記移動格子の移動距
離から寸法を測定することを特徴とする。
【0012】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の光学スケールを用いた寸法測定装置において、強度
不連続反転検出部が、前記移動格子が移動中に検出する
光強度信号の接近した2点間の強度差となる差分強度信
号を作成して該差分強度信号の強度値と前記光強度信号
の強度値とから前記移動格子が移動中の正弦波の位相象
限を判定して移動格子が移動している位置を検出する移
動位置検出部と、前記移動格子が移動している位置の正
弦波の位相象限内での前記差分強度の正負の符号の変化
を検出する差分符号変化検出部から構成され、該差分符
号変化検出部での差分強度符号に変化のないときは前記
移動格子は同一方向に移動していると判定し、前記差分
符号変化検出部での差分強度符号に変化が生じたときは
移動格子の移動による光強度の変化に不連続が生じて移
動格子の移動方向が反転したことを検出することを特徴
とする。
【0013】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の光学スケールを用いた寸法測定装置において、格子
位相検出部が、前記移動格子の移動開始位置と移動停止
位置の近傍の数周期の期間について前記光強度記憶部に
記憶された正弦波信号を振幅が±1となる規格化正弦波
信号に変換する正弦波強度規格部と、前記移動格子が移
動開始前と移動停止後の各々の停止位置について前記規
格化正弦波の接近した2点間の光強度差である差分強度
の符号を検出して前記差分強度符号と規格化強度とから
移動格子の移動開始位置と移動停止位置での正弦波の位
相象限を検出する位相象限検出部と、前記移動格子の移
動開始前と移動停止後の停止位置の各々の位相象限にお
ける前記規格化正弦波強度と前記三角関数テーブル部に
記憶された三角関数値(sinあるいはcosの値)を
比較して移動格子が移動開始前と移動停止後の停止位置
での位相を検出する位相検出部とからなることを特徴と
する。
【0014】また、請求項4記載の発明による光学スケ
ールを用いた寸法測定装置は、触針と共に移動する一定
のピッチと形状を有する1個の移動格子と該移動格子と
同一のピッチと形状を有する1個の固定格子から構成さ
れる光学スケールと、前記光学スケールの格子を連続的
に照射する光源と、前記光学スケールを透過した透過光
を受光する1個の受光器を有し、該受光器から出力され
る正弦波的に変化する1相の光強度信号の主として時間
情報を計測して寸法を測定する光学スケールを用いた寸
法測定装置であって、予め設定された周波数信号を発す
る時間基準信号源を設け、前記移動格子の移動に伴って
変化する前記光強度信号の一定の期間毎に前記時間基準
信号源から発せられるパルス数を検出して該パルス数が
不連続的に変化する位置を判定して移動格子の移動方向
の反転を検出する時間不連続反転検出部と、前記光強度
信号の1周期毎に前記移動格子が移動する移動個数を計
数すると共に前記時間不連続反転検出部で検出した格子
移動方向の反転情報に応じて前記移動個数の計数値を増
加したり減少させる計数符号を設定して移動格子が移動
した個数をカウントする移動個数カウント部と、前記移
動格子が移動している最中で格子が1ピッチを移動する
間に前記時間基準信号源から発せられるパルス数を検出
して移動開始点と移動停止点の近傍の特定の区間で検出
した第1のパルス数を記憶する第1の移動パルス数計数
部と、前記移動格子の移動開始点から次の格子基準位置
までの移動期間と移動停止点の直前の格子基準位置から
移動停止点までの移動期間の各々について格子の1ピッ
チ長以下の距離を移動する間に前記時間基準信号源から
発せられるパルス数を計数して得られた第2のパルス数
を記憶する第2の移動パルス数計数部と、前記第1のパ
ルス数と第2のパルス数を比較して前記移動格子の移動
開始点と次の格子基準位置との間の距離と移動停止点の
直前の格子基準位置と移動停止点との間の距離を測定す
る格子停止位置検出部とを設け、前記移動個数カウント
部で検出した格子1ピッチ長の整数倍の移動距離と、前
記格子停止位置検出部で検出した格子1ピッチ長以下の
移動距離との和から前記移動格子の移動距離を検出する
ことを特徴とする。
【0015】また、請求項5記載の発明は、請求項4記
載の光学スケールを用いた寸法測定装置において、格子
停止位置検出部が、前記第1の移動パルス数計数部で検
出して記憶した前記第1のパルス数の変化を演算して前
記移動格子が移動を開始した近傍と移動を停止した近傍
の各々について移動格子の移動速度を判定して前記二つ
の区間で格子が1ピッチを移動する期間に要する基準パ
ルス数を算出すると共に、前記第2の移動パルス数計数
部で検出して記憶した第2のパルス数と前記基準パルス
数との割合を算出して格子の1ピッチ長以下の移動距離
を測定することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は1個の移動格子と1個の
固定格子(共に同一のピッチと形状である)から成る光
学スケールと1個の受光器だけを使用し、1相の正弦波
信号だけから移動格子が移動する距離を検出して寸法を
測定する構成である。本発明の共通の基本動作は、移動
格子の移動方向の反転を検出し、その移動方向に応じて
格子が移動した個数をカウントして格子1ピッチ長の整
数倍の移動距離を検出すると共に、格子の1ピッチ間を
100程度までに細かく分割し、格子が移動を開始した
位置と停止した位置の各々について、停止位置と格子の
基準位置との間の格子1ピッチ長以下の移動距離をサブ
ミクロン領域の分解能で検出することである。移動格子
の動きの例として、触針が基準位置からいったん上に上
がり、最高点で反転して下方に移動し、試料に接触した
ときのショックで再び触針が反跳して移動方向が反転
し、その反跳を何回か繰り返した後に停止する例を想定
する。この場合、最上部での反転と、試料に最初に当た
って反転したことを検出し、その期間内で移動格子がど
れだけ移動したかを検出して寸法を測定する。
【0017】(第1の実施形態)上記の構成における本
発明の第1の実施形態は、1個の移動格子と1個の固定
格子からなる光学スケールを連続的に照明して1個の受
光器で透過光を検出し、1相の正弦波信号を作成する場
合において、正弦波信号の強度から移動格子の移動方向
の反転検出と、格子が停止している位置の位相を検出す
る構成に関する。移動格子の移動に応じて透過光強度が
正弦波状に変化するとき、格子の移動方向が反転すれば
正弦波の変化の向きが逆転するため、その反転位置で正
弦波強度が不連続に変化する。そこで、この強度変化の
不連続点を検出して格子の移動方向の反転を検出する。
不連続点の検出には、移動中の格子がどの移動位置にあ
るかの検出、すなわち正弦波のどの強度位置にあるかを
検出することが必要である。正弦波の場合、同じ強度に
対して異なる2つの位相があるため、1個の正弦波信号
だけからでは正弦波の位置(位相)が決定されない。そ
こで、正弦波強度と共に、正弦波強度の変化率に相当す
る正弦波の差分強度の二つの強度情報を用いて格子が移
動している位置(正弦波位置)を検出する。
【0018】正弦波の振幅の1/2である半値強度に対
する正弦波の各位置の強度の大小に応じて正負の符号を
付与すると、正弦波の第1象限〜第4象限まで+、+、
−、−の符号である。正弦波の差分である差分強度の符
号も同じく、+、−、−、+となる。したがって、正弦
波の強度符号と差分強度の符号の組み合わせで正弦波の
位相象限(1〜4)が決定できる。格子の移動位置に応
じた正弦波の位相象限(大まかな位置)が分かれば、そ
の次の移動位置で正弦波強度がどのように変化すべきか
が予め推定されるので、同じ方向に移動する場合の予測
と実際に反転した場合との差から強度変化の不連続点を
判定する。そこで、移動格子の移動に応じて連続的に検
出する光強度信号の値と共に、光強度信号の接近した2
点間の強度差である差分強度信号の正負の符号との相関
から格子が移動しているときの位相象限、すなわち格子
の移動位置を判定する。
【0019】例えば、正弦波強度の第2象限では、振幅
の1/2である半値強度に対して、光強度の強度符号が
正で差分強度の符号は負である。第2象限で反転が生じ
なければ第3象限に移動し、そこでは光強度と差分強度
共に負の強度符号をもつように変化する。第2象限から
第3象限への移動は、光強度値が半値強度以下になると
共に、差分強度が同じく負であるがそれが増加する方向
へと変化することから判断できる。ところが、第2象限
で格子の移動方向が反転すれば、光強度の強度符号は正
で光強度が増加する方向に変化するため、差分強度の符
号は正になる。したがって、差分強度符号の変化から正
弦波強度変化に不連続性が生じたと判断し、移動方向が
反転したことが検出できる。以上のように、光強度と差
分強度の両方の情報から移動格子の移動方向の反転を検
出する。格子の移動個数をカウントするとき、移動の最
初はアップカウント(計数値の増加)に設定しておき、
移動方向が反転したらダウンカウント(計数値の減少)
への切り替えを行うというように、格子の移動方向の反
転情報に応じてカウントする計数符号を逆転する。触針
の停止を検出したらカウントをストップさせれば、格子
1ピッチ長さの整数倍の移動距離が検出できる。
【0020】寸法測定では格子1ピッチ長以下の移動距
離を精密に検出することが重要で、そのために格子の停
止位置での正弦波強度から位相を検出する。前述の格子
移動位置の決定の例と同じく、この位相検出の場合も1
相の正弦波信号だけからは位相が決定できない。そのた
め、前述の例と同じく、正弦波信号の値と共にその差分
強度の両方の情報を用いて、格子が停止している位置の
位相象限を決定した後に位相を検出する。位相象限の検
出については、移動格子が移動を開始した位置とその直
後の位置との間の光強度差と共に、格子が停止する直前
の位置と停止した位置との間の光強度差を検出し、近接
した2点間の差分強度を検出する。この差分強度と格子
の停止位置での光強度の値、あるいは強度の正負の符号
とから正弦波の位相象弦(1〜4)を判定して格子の大
まかな停止位置を検出する。
【0021】位相象限が分かれば格子停止位置での正弦
波強度から正弦波位相が決定でき、格子の停止位置が検
出できる。位相検出では、従来法と同様に検出した正弦
波強度の振幅を±1の振幅に規格化し、この規格化強度
を別に設けた三角関数テーブルに記憶されているsin
あるいはcosの値で参照して位相を決定する。この位
相検出では格子停止位置とその直後あるいは直前の格子
の基準位置との差の距離である格子1ピッチ長以下の移
動距離が測定できる。そこで、前述の格子移動個数をカ
ウントして得られた格子の1ピッチ長の整数倍の移動距
離と格子1ピッチ長以下の移動距離との和の距離から寸
法を測定する。
【0022】以下に図面を用いて本発明の第1の実施の
形態を説明する。図1に本発明の第1の実施形態とし
て、光学スケールからの透過光強度から位相を検出する
場合の装置構成のブロック図を示す。光源10は白色ラ
ンプ、あるいは発光ダイオードなどからなり、連続的に
点灯してコリメートレンズ105を介して移動格子11
を照明する。移動格子11は光を透過する白パターンと
光を透過しない黒パターンがガラス基板上に交互に多数
形成されたリニアー格子からなり、触針(図示せず)に
取り付けられて矢印のA−B方向に移動する。格子1ピ
ッチ長をaとしたとき、白と黒パターンの幅は共にa/
2である。通常はa=10μm程度の格子が用いられ、
長さaが寸法測定の基準目盛りとなる。固定格子12は
移動格子と同じピッチと形状を有するリニアー格子から
なり、移動格子11の後方に固定して設置する。移動格
子11と固定格子12を光学スケールと称する。固定格
子12の後方には1個の受光器13を設けて、光源10
で照明された光学スケールからの透過光を検出する。以
上の構成は1個の固定格子12を用いるため、受光器1
3から出力される信号130は1相の正弦波信号であ
る。1相の正弦波信号130に対して2種類の計測を行
う。第1は移動格子11の移動個数のカウント計測で、
第2は移動格子11の格子1ピッチ長以下の移動距離の
計測である。
【0023】移動格子11の移動個数の計測は、強度不
連続反転検出部14と移動個数カウント部15で行い、
強度不連続反転検出部14で検出した移動格子11の移
動方向の反転情報に応じて移動個数の計数値を増加した
り減少させる計数符号を設定して移動格子11が移動し
た個数をカウントする。強度不連続反転検出部14は移
動位置検出部140と差分符号変化検出部145から構
成され、移動格子11の移動方向の反転で生じた正弦波
強度が不連続に変化する位置を検出する。移動位置検出
部140は正弦波強度から移動格子11が移動中の位置
を検出するもので、移動格子11が移動中に検出する光
強度信号の接近した2点間の強度差となる差分強度の正
負の符号と光強度信号の強度値から正弦波の位相象限を
判定し、移動中の格子の1周期を4分割した大まかな位
置を検出する。
【0024】一般には1相の正弦波信号だけからは格子
位置が検出されないため、差分強度を参照する。正弦波
の場合、正弦波の振幅の1/2である半値強度に対する
強度の大小による正負の符号と、差分強度の正負の符号
の組み合わせは、第1象弦から第4象弦までは、(+、
+)、(+、−)、(−、−)、(−、+)となり、正
弦波強度と差分強度の符号の組み合わせで正弦波の位相
象限(1〜4)、すなわち、格子移動の大まかな位置が
決定できる。格子の位置である位相象限が決定できれ
ば、移動格子11が次に移動した位置で上記の正弦波強
度と差分強度がどのように変化すべきであるかが予測で
きる。
【0025】差分符号変化検出部145は、同じ位相象
限内において、移動格子11の移動の前後における差分
強度の正負の符号の変化を検出する。例えば、格子が第
3象限にある場合、移動格子11が同一方向に移動して
いるならば、正弦波強度と差分強度の符号は(−、−)
であるが、その第3象限内で移動方向が反転したならば
光強度が増加する方向に変化するため、差分強度符号が
−から+へ変化して符号は(−、+)に変わる。この差
分符号の変化は正弦波強度が不連続に変化することを意
味する。したがって、差分強度符号に変化のないときは
移動格子11は同一方向に移動していると判定し、差分
強度符号に変化が生じたときは移動格子11の移動方向
が反転したことを判定する。
【0026】移動個数カウント部15は、移動格子11
が1ピッチ移動するときの光強度信号の1周期あたり1
個の移動個数を計数する。このとき、強度不連続反転検
出部14で検出した格子移動方向の反転情報に応じて移
動個数の計数値を増加したり減少させる計数符号を設定
し、移動格子11が移動した個数をカウントする。この
移動個数をカウントすることによって、格子1ピッチ長
の整数倍の移動距離が検出できる。
【0027】次に、格子1ピッチ長以下の移動距離の検
出の実施例を説明する。この検出では格子の移動開始前
と移動終了後の格子停止位置での正弦波強度から正弦波
の位相を検出する。光強度記憶部16は、移動格子11
が移動を開始して停止するまでの移動期間内で検出する
光強度信号をA/D変換して、移動開始位置と移動停止
位置の各々について、その停止位置の近傍の数周期の期
間の光強度信号をメモリー回路に記憶する。この記憶さ
れた1相正弦波信号の強度情報を演算して位相を検出す
るとき、三角関数値を参照する。三角関数テーブル部1
7は、正弦波の特定の期間、例えば0〜π/2までの第
1象限の期間のsin、あるいはcosの値を記憶す
る。格子の1ピッチ間を100分割して検出する場合、
上記の三角関数の値は1度の刻みで90個ほどのデータ
を記憶しておけば十分な検出感度が得られる。正弦波の
位相が0〜π/2以外の場合は、三角関数の補角の関係
から0〜π/2の範囲に補正して検出する。
【0028】正弦波強度から位相を検出する場合、その
強度がどの位相象限にあるかを判定し、その位相象限で
の強度を三角関数の値と比較して決定する必要がある。
そこで、格子位相検出部18は、光強度記憶部16に記
憶された正弦波信号を振幅が±1となる規格化正弦波信
号に変換する正弦波強度規格部182と、格子停止位置
での正弦波強度がどの位相象限にあるかを検出する位相
象限検出部184と、正弦波の位相象限から位相を検出
する位相検出部186から構成される。正弦波強度規格
部182は、記憶された数周期分の正弦波信号の最大強
度と最小強度を検出して±1の振幅の正弦波信号に変換
するもので、強度と位相の対応を付けるために必要であ
る。前述したように、1相の正弦波信号だけからでは位
相象限が決まらない。そこで、位相象限検出部184は
格子の停止位置とその近傍の接近した2点間の強度差
(差分強度)を検出し、差分強度の正負の符号と規格化
した光強度との組み合わせから、移動格子11の移動開
始位置と移動停止位置での正弦波の位相象限(1〜4)
を検出する。例えば、規格化光強度の符号が正、差分強
度の符号が負であれば、格子は第2象限で停止している
と判定する。
【0029】位相象限が決まれば格子の停止位置での規
格化された正弦波強度から位相が決定できる。そこで、
位相検出部186は、移動格子11の移動開始前と移動
停止後の停止位置の各々の位相象限における規格化正弦
波強度と三角関数テーブル部17に記憶されたsinあ
るいはcosの値と比較し、移動格子11の停止位置で
の位相を検出する。寸法算出部19は、移動個数カウン
ト部15で検出した移動格子11の移動個数のカウント
値から格子1ピッチ長の整数倍の移動距離を検出すると
共に、位相検出部186で検出した位相から移動格子1
1が移動を開始した位置と移動を停止した位置の各々
で、格子停止位置とその直後と直前の格子基準位置との
距離の差である格子1ピッチ長以下の移動距離を検出
し、前記二つの移動距離の和を算出して、前記移動格子
の移動距離から寸法を測定する。
【0030】図2に移動格子11の移動方向反転の例を
示す。波形20は移動格子11の移動に伴って検出され
る正弦波信号で、位置21において移動方向が反転する
場合である。図では正弦波信号の周期が一定の例で、正
弦波の振幅が1/2になる半値強度22を基準として強
度の正負の符号付けを行う。反転位置21より左のA方
向への移動は触針が上に移動している状態、反転位置2
1より右側のB方向への移動は触針が下に移動している
状態である。A方向へ移動しているとき、位置21で移
動方向が反転すれば正弦波が反転する方向に変化し、位
置21において強度が不連続に変化する。この強度の不
連続点を検出するために、移動位置検出部140におい
て、正弦波信号を微分したことに相当する互いに接近し
た2点間の強度差である差分信号を演算し、正弦波信号
20の強度と差分強度との相関から、格子が移動中に検
出した正弦波がどの位相象限にあるかを検出する。
【0031】反転位置21における正弦波強度の符号は
正で、差分強度の符号は負である。したがって、位置2
1の位相象限は2であることが判定できる。第2象限で
反転が生じないとしたら、正弦波強度の符号は正、差分
強度の符号は負で進行する。しかし、第2象限で移動方
向が反転すれば正弦波強度は増加する方向に変化するた
め、差分強度の符号は負から正へと変化する。そこで、
移動の前後で差分符号の変化を検出する差分符号変化検
出部145では、本来は差分強度符号が負であるところ
が正の符号に変化したことを判定し、移動方向が反転し
たことを検出する。この判定は第2象限以外のどの位相
象限においても同様に可能である。
【0032】移動個数カウント部15のカウント動作で
は、A方向に移動しているときは正弦波の強度が増加す
る方向での半値強度22を基準として、その半値強度間
の正弦波の1周期の期間23を格子の1個の移動として
個数が増加するアップカウントを行う。反転したB方向
への移動では正弦波強度が減少する方向での半値強度2
4を基準として、その半値強度間の正弦波の1周期の期
間25を格子の1個の移動として個数が減少するダウン
カウントを行う。正弦波の1周期以内の移動距離26、
27については移動個数のカウントは行わない。この場
合は移動距離は互いにキャンセルされる。
【0033】図3に移動格子11の停止位置での位相の
検出例を示す。波形30は移動格子11が移動を開始し
た付近での正弦波強度を±1の振幅に規格化したもの
で、正弦波の強度0となる基準位置31(位相0)に対
しての移動開始位置32の位相を検出する。このとき、
移動開始位置32と基準位置31の間の距離33が格子
1ピッチ長以下の移動距離で、距離34、35などが前
述の移動個数カウント部15で検出される格子1ピッチ
長の整数倍の移動距離である。移動開始位置32の位相
を検出するために、前述の強度不連続位置検出と同様
に、位置32での位相象限を検出する。位置32の強度
符号は負で、位置32の直後の位置36と位置32との
間の強度差である差分強度の符号は正である。正弦波強
度と差分強度の符号の組み合わせから、移動開始位置3
2の位相象限は4であることが決定できる。
【0034】位相象限が決定されれば、そのときの規格
化強度の値から位相が決定できる。位相が第4象限のと
きは正弦波の強度値が負であるから、その絶対値をと
り、正の強度値として第1象限での三角関数の値から位
相φを算出し、2π−φから実際の位相を検出する。こ
の検出法では正弦波強度の絶対値が小さいほど位相検出
精度が高いが、正弦波強度が±1に近くなると位相の検
出精度が低下することになり、高分解能で正弦波強度を
検出する必要がある。このように正弦波の強度値に依存
しないで格子の停止位置を検出する方法が以下に述べる
正弦波の時間情報を用いる方法である。
【0035】(第2の実施形態)本発明の第2の実施形
態は、1個の移動格子と1個の固定格子からなる光学ス
ケールを連続的に照明して1個の受光器で透過光を検出
し、1相の正弦波信号を検出する場合において、格子の
移動に伴って変化する正弦波信号の主として時間に関す
る情報から移動格子の移動方向反転を検出すると共に、
移動格子が特定の距離を移動するときの移動時間や移動
速度の変化から格子が停止している位置を検出する構成
に関する。上記の正弦波信号の時間情報を検出するため
に、一定の周波数でパルス信号(例えば10MHz)を
発する時間基準信号源を設け、移動格子が移動する際の
時間情報をパルス信号の個数から求める。
【0036】移動格子の移動方向が反転するとき、前述
のように光強度が不連続に変化するだけでなく、移動時
間も不連続に変化する。例えば、触針が上から下に移動
して試料に当たって反転するとき、下方にはほぼ一定の
速さで移動していても、試料に当たって反跳したときは
移動速度が大きく低下するため、反転位置で移動速度が
不連続に変化する。そこで、触針が下方に移動している
ときの正弦波信号の特定の期間内に含まれる(サンプリ
ングした個数)時間基準信号のパルス数を検出し、その
パルス数の不連続性から反転を検出する。このとき、正
弦波信号の強度も当然変化するため、移動のパルス数と
光強度の不連続性の両方の情報を用いれば、反転検出の
信頼性が向上する。移動格子の移動個数のカウントは前
述の第1の実施形態の場合と同様に、格子の移動方向の
反転情報に応じて移動個数をカウントする計数符号を逆
転すればよい。この移動個数の検出で格子1ピッチ長の
整数倍の移動距離を測定する。
【0037】本発明の第2の実施形態による格子1ピッ
チ長以下の移動距離の検出は、1相の正弦波信号の位相
は検出しないで、移動格子が移動するときの正弦波信号
の時間情報を、時間基準信号源から発せられる時間基準
信号のパルス数を計測することによって行う。格子1ピ
ッチ長と時間基準信号の周波数とが一定であるため、格
子の移動中に検出したパルス数は格子の移動距離と移動
速度に関する情報を含んでいる。しかし、格子の移動速
度に応じてパルス数が変化するため、検出したパルス数
そのものは長さの基準にはならない。そこで、移動格子
が移動中に検出したパルス数の変化から格子の移動速度
を判定し、その移動速度で格子が1ピッチを移動すると
推定した基準パルス数を算出する。この推定された基準
パルス数を長さ基準として、パルス数を移動距離に変換
する。
【0038】時間基準信号のパルス数を検出する寸法測
定では以下の2種類のパルス数を検出し、移動格子が移
動を開始した位置と停止した位置の近傍の移動速度を判
定して格子1ピッチ長以下の移動距離を測定する。第1
の検出は格子が1ピッチ間を移動する間のパルス数(第
1のパルス数と呼ぶ)の検出で、格子の移動開始位置と
移動停止位置の近傍の二つの区間で検出した第1のパル
ス数をメモリー回路に記憶する。第2の検出は移動格子
が1ピッチ長以下の距離を移動する間のパルス数(第2
のパルス数と称する)の検出で、格子が移動を開始した
位置からその次の格子基準位置までの期間と格子が停止
する直前の格子基準位置から停止位置までの期間の各々
について、格子1ピッチ長以下の距離を移動したときに
検出した第2のパルス数をメモリー回路に記憶する。こ
の第2のパルス数の検出が従来の格子停止位置での位相
検出に相当する。以上の第1と第2のパルス数の関係か
ら格子1ピッチ長以下の移動距離を検出する。
【0039】格子が等速度で移動している場合は、格子
が1ピッチ移動する際に検出される第1のパルス数が距
離の基準となる。そこで、第1のパルス数と第2のパル
ス数との比例関係から格子1ピッチ長以下の移動距離を
検出する。しかし、一般には移動格子の移動速度は一定
ではなく、第1のパルス数は格子の移動速度に応じて変
動し、距離の基準にはなり得ない。特に格子が動きはじ
めるときは低速度で移動するため、格子が一定速度で移
動するときのような単純な比例関係は成り立たず、格子
の移動速度を判定して補正する必要がある。そこで、格
子が移動を開始した場合は、移動開始位置近傍の数周期
の期間で検出、記憶されている第1のパルス数の変化か
ら移動開始直後の移動速度を算出し、その速度で格子が
1ピッチを移動するときの基準パルス数を求める。この
基準パルス数は演算で求める推定値である。その基準パ
ルス数が移動開始位置での格子1ピッチの長さ基準とな
るため、移動開始時に検出した第2のパルス数との間の
比例関係から、格子1ピッチ長以下の移動距離を検出す
る。移動する格子が停止する場合についても同様にして
行う。
【0040】図4に本発明の第2の実施形態として、光
学スケールからの透過光信号の時間情報を用いて寸法を
測定する場合の装置構成のブロック図を示す。光源1
0、移動格子11、固定格子12、受光器13は図1の
説明と同じである。本発明の第2の実施形態では、移動
格子11の移動に伴って変化する正弦波信号の時間情報
を検出するために時間基準信号源41を設け、予め設定
された一定の周波数のパルス信号400のパルス数を検
出して移動格子11の移動方向の反転検出や移動距離を
検出する。信号400の周波数は、移動格子11の移動
速度、格子1ピッチ長、要求する測定分解能から決定す
る。例えば、移動格子11が1m/secの速度で移動
する場合、10μmの格子1ピッチ間を100分割して
検出するときは、信号400には10MHz程度の周波
数が必要である。このとき、正弦波の特定の期間に含ま
れる信号400のパルス数(サンプリングした回数)を
検出し、パルス数の大小で移動格子11の移動速度を判
定する。
【0041】時間不連続反転検出部42は、移動格子1
1の移動による正弦波信号の移動速度、あるいは移動時
間が不連続に変化する位置を上記のパルス数の変化から
検出する。移動格子11の移動方向が反転するとき、正
弦波強度が不連続に変化するだけでなく、移動速度も不
連続に変化する。例えば、触針が下方に移動して試料に
当たって反転するとき、反跳点で移動速度が大きく低下
するために移動速度が不連続に変化する。したがって、
下方に移動中は正弦波の1周期当たりのパルス数は少な
く、反転後は多くなり、そのパルス数の不連続性から反
転を検出する。このとき、パルス数と共に正弦波強度の
不連続情報も合わせて検出すれば、移動方向反転の検出
精度が向上する。移動格子11の移動個数のカウントは
前述の第1の実施形態の場合と同様に、移動個数カウン
ト部15で行い、格子の移動方向の反転情報に応じてカ
ウントする計数符号を逆転する。
【0042】次に格子1ピッチ長以下の移動距離を検出
する例を説明する。本実施形態では正弦波信号の位相は
検出しないで、時間基準信号のパルス数から検出する。
以下の説明で格子の基準位置は、正弦波信号の強度が最
大になる位置とする。第1の移動パルス数計数部43
は、格子の基準位置間距離である1ピッチ長を移動する
間のパルス数を検出し、移動の特定の区間でのパルス数
をメモリー回路に記憶する。ここで検出、記憶したパル
ス数を第1のパルス数と称する。第1のパルス数は移動
格子11の移動期間の全体にわたって検出するが、格子
が移動をはじめた直後の格子基準位置から後の数周期の
期間と、格子が停止した直前の格子基準位置から前の数
周期の期間でのパルス数記憶する。時間基準信号源41
の周波数と格子の1ピッチ長が一定であるため、第1の
パルス数は格子1ピッチの長さ情報を含んでおり、パル
ス数を長さに変換する際の基準データとする。
【0043】第2の移動パルス数計数部44は、格子が
停止している位置から動き始めた次の格子基準位置まで
の期間と、格子が停止する直前の格子基準位置から停止
した位置までの期間の2回について、各々の期間内での
パルス数を検出し、メモリー回路に記憶する。ここで検
出、記憶したパルス数を第2のパルス数と称する。した
がって、第2のパルス数の検出は、前記の第1のパルス
数の検出の特別の場合で、格子の1ピッチ長以下の移動
の際に検出する。以上の第1と第2のパルス数の検出に
おいて、それらのパルス数は移動距離の情報を含むが、
格子が移動する速度に応じてその個数は変化する。
【0044】格子停止位置検出部45は、第1のパルス
数と第2のパルス数を比較して格子の停止位置を検出
し、格子1ピッチ長以下の移動距離を測定する。移動格
子11が等速度で移動している場合は、第1のパルス数
が長さの基準となるため、第1のパルス数と第2のパル
ス数との間の単純な比例関係から格子1ピッチ長以下の
移動距離が求められる。しかし、実際の動作では移動格
子11の移動速度は一定ではないため、第1のパルス数
は距離の基準にはならず、移動格子11が移動を開始し
た直後と移動を停止する直前の移動速度を判定して補正
する必要がある。一般に、格子が動きはじめるときは低
速度で移動し、後に一定速度で移動し、試料に接触して
停止する。格子が動きはじめる場合は、移動初期の数周
期の期間で検出して記憶した第1のパルス数の変化から
移動開始時の移動速度を推定する。格子が直線的に移動
速度を増しているときは第1のパルス数の変化を回帰直
線に当てはめて移動速度を推定し、非直線的な動きの場
合は高次の関数の回帰式から移動速度を推定する。格子
が停止する場合も同様である。
【0045】以上で判定した移動開始と移動停止位置の
近傍での移動速度から、その移動速度で格子が1ピッチ
長を移動すると推定した場合の基準パルス数を算出す
る。格子の1ピッチ長が一定であるため、その移動速度
で格子が1ピッチを移動する期間に得られた基準パルス
数が距離の基準となる。そこで、基準パルス数と第2の
パルス数との間の比例関係から、格子の1ピッチ長以下
の移動距離を測定する。この移動距離の検出は格子の移
動開始と停止の2回行う。格子の1ピッチが10μm、
時間基準信号の周波数が10MHzで、格子の移動速度
が1m/secであれば、基準パルスの1個当たりは
0.1μmに相当し、サブミクロンの分解能が可能であ
る。以上のパルス数検出法では、時間基準信号源の周波
数で測定の分解能が決まるため、周波数が高くなるほど
測定するパルス数が多くなって測定分解能が向上する。
【0046】寸法算出部46は、移動個数カウント部1
5で検出した移動格子11の移動個数のカウント値から
格子1ピッチ長の整数倍の移動距離を検出すると共に、
格子停止位置検出部45で検出した格子停止位置から移
動格子11が移動を開始した位置と移動を停止した位置
の各々について格子1ピッチ長以下の移動距離を検出
し、前記二つの移動距離の和を算出して、移動格子11
の移動距離から寸法を測定する。
【0047】図5に移動時間変化検出法による移動方向
反転の検出例を示す。信号波形50は移動格子11が下
方に移動し、位置51において試料に接触して反跳し、
移動方向が反転する例である。A方向へはほぼ一定速度
で移動するが、位置51で反跳してB方向に移動すると
きは移動速度が低下する。そこで、位置51において移
動時間に不連続が生じ移動方向が反転したことを検出す
る。この反転検出においては、信号50の一定の強度範
囲毎に含まれる時間基準信号信号400のパルス数を検
出し、このパルス数の不連続性を判定する。なお、パル
ス数の不連続と共に正弦波の強度も不連続に変化するた
め、上記の二つの不連続を合わせて検出すれば反転検出
精度がさらに向上する。
【0048】図6に正弦波信号の例を示して格子1ピッ
チ長以下の移動距離を検出するための時間基準信号40
0のパルス数の検出例を説明する。信号60は移動格子
11の移動に伴って生じる1相の正弦波信号で、格子が
移動を開始した後の数周期の波形例である。実際に得ら
れる信号は時間的には連続した信号であるが、本実施形
態では一定周波数の信号400でサンプリングしながら
信号60の一定範囲に含まれるパルス数を検出するた
め、サンプリング点を黒いドットで示す。格子が移動を
開始した直後は移動速度が遅く、移動に伴って移動速度
が増大する。したがって、移動速度が遅い場合はパルス
数が多く、移動速度が速い場合はパルス数が少なくな
る。信号60で正のピーク強度となる位置601、60
2、603などが格子の基準位置(その1周期が格子1
ピッチ長に対応する)である。それらの位置をカウンタ
ー動作のトリガー点としてパルス数を検出する。位置6
1は格子が移動を開始した位置で、位置61と601と
の間の格子1ピッチ長以下の距離を移動する期間に第2
のパルス数を検出し、そのときのパルス数がPsであっ
たとする。
【0049】位置601と602の間の格子1ピッチ長
の距離を移動する期間に第1のパルス数を検出し、その
ときのパルス数がP1であったとする。次の移動位置6
02と603の期間を移動したときに検出したパルス数
がP2で、例えば位置601から後の4周期の期間で検
出した第1のパルス数P1、P2、P3、P4をメモリ
ーする。移動格子11が移動を開始するとき、移動速度
は一定ではなく、移動に伴って速度が増すように変化す
る。時間基準信号の周波数は一定であるから、検出した
第1のパルス数は一定ではなく、P1>P2>P3>P
4のように変化する。一方、格子の1ピッチ長が一定で
あるから、検出した第1のパルス数は距離の情報を含ん
でいるが、それが一定ではないために距離の基準にはな
らないことが問題である。そのために、移動格子11の
移動速度を判定して格子1ピッチの距離を移動するとき
の距離基準となる基準パルス数を算出する。
【0050】図7の曲線70に格子が移動を開始した後
の第1のパルス数の変化を示して、移動距離の基準とす
る基準パルス数を算出する例を示す。図7の横軸は移動
区間で縦軸は第1のパルス数である。図7は、格子の移
動にともなって移動速度が増大し、やがて一定の速度で
移動する例であるが、重要なのは移動開始位置の近傍で
の速度の変化である。移動開始位置近傍の4周期目あた
りまでは直線的に移動速度が増す場合、第1のパルス数
P1〜P4までのデータを直線回帰式で近似し、移動開
始直後での基準となる基準パルス数P0を検出する。こ
のP0は、格子が移動を開始したときに格子が1ピッチ
長を移動すると想定したときのパルス数で、パルス数を
距離に変換するときの基準である。したがって、第2の
パルス数Psから、格子が移動を開始した位置での格子
1ピッチ長以下の移動距離は、aPs/P0である。格
子が移動を停止する場合も同様である。以上のように、
本発明の第2の実施形態は正弦波信号の時間情報から移
動距離を測定するもので、サブミクロンの測定分解能を
実現することが可能である。上記の方法は光学スケール
を間欠照明し、光源を点灯させた回数である点灯パルス
数を検出する場合も同様に適用できる。本発明は寸法測
定装置としての動作を説明したが、精密な位置決め装置
などへの応用も可能である。
【0051】
【発明の効果】上記のごとく本発明による寸法測定装置
は、1個の移動格子と1個の固定格子の干渉によって生
じた1相の正弦波信号を1個の受光器で検出する構成で
ある。従来法では二組の固定格子の位置を1/4ピッチ
だけシフトさせる必要があったが、本発明では1個の移
動格子だけのために上記の調整が不要であると共に、光
学系の構成が簡素化される効果がある。さらには、正弦
波信号から移動格子の移動方向を判定する場合、従来法
は2相の正弦波信号を処理する必要があった。そのため
に2相信号の強度レベルを合わせる必要があり、受光器
で光電変換する際のゲインの調整が複雑であった。本発
明は1相の正弦波信号だけから移動方向の判定を行うた
め、上記の受光器のゲイン調整が簡素化される。
【0052】格子の1ピッチ長以下の移動距離の検出に
対しても、従来の正弦波信号の強度から位相を検出する
アナログ的な方法は、正弦波信号の強度の検出精度で分
解能が決まるため、信号の強度レベルの変動が測定誤差
になるという問題がある。本発明の特に時間情報を用い
る方法は正弦波の各周期のパルス数を計測するデジタル
的方法であるため、信号の強度レベルが変動してもパル
ス数は影響されず、測定の信頼性が高いという効果があ
る。また、本発明の測定分解能は時間基準信号の周波数
に依存するため、周波数を高くすることで容易に測定分
解能を向上させることができる。そのため、従来の2相
信号を処理する場合と比べると、本発明はパルス数を検
出するだけでよいため、ハードウエアー、ソフトウエア
ーが簡素化できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における寸法測定装置
の構成例を説明するシステムブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における移動方向反転
の検出例を説明する図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における格子停止位置
の位相検出の例を説明する図である。
【図4】本発明の第2の実施形態における寸法測定装置
の構成例を説明するシステムブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施形態における移動方向反転
の検出例を説明する図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における格子停止位置
の位相検出の例を説明する図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における基準パルス数
を算出する例を説明する図である。
【図8】従来の寸法測定装置の構成例を示す図である。
【図9】従来の寸法測定装置で位相を検出する例を示す
波形図である。
【符号の説明】
10 光源 11 移動格子 12 固定格子 13 受光器 14 強度不連続反転検出部 15 移動個数カウント部 18 格子位相検出部 41 時間基準信号源 42 時間不連続反転検出部 43 第1の移動パルス数計数部 44 第2の移動パルス数計数部 45 格子停止位置検出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA02 AA09 AA22 BB15 BB18 BB29 DD03 EE00 FF02 FF16 FF31 GG02 GG07 GG12 GG22 GG24 HH06 HH15 JJ01 LL04 LL41 QQ01 QQ03 QQ13 QQ17 QQ23 QQ25 QQ26 QQ28 QQ51 2F077 AA25 NN05 NN30 PP19 QQ13 RR23 TT21 TT41 TT49 TT51 TT57 TT66 TT72 2F103 BA37 CA02 DA02 EA02 EA15 EB01 EB06 EB11 EB33 EB34 EC03 ED06 ED11 ED23 ED27 FA05 FA11 FA15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触針と共に移動する一定のピッチと形状
    を有する1個の移動格子と該移動格子と同一のピッチと
    形状を有する1個の固定格子から構成される光学スケー
    ルと、前記光学スケールの格子を連続的に照射する光源
    と、前記光学スケールを透過した透過光を受光する1個
    の受光器とを有し、該受光器から出力される正弦波的に
    変化する1相の光強度信号の強度変化と位相情報を計測
    して寸法を測定する光学スケールを用いた寸法測定装置
    であって、 前記移動格子の移動に伴って変化する前記光強度信号の
    強度が不連続に変化する位置を判定して移動格子の移動
    方向の反転を検出する強度不連続反転検出部と、前記光
    強度信号の1周期毎に前記移動格子が移動する移動個数
    を計数すると共に前記強度不連続反転検出部で検出した
    格子移動方向の反転情報に応じて前記移動個数の計数値
    を増加したり減少させる計数符号を設定して移動格子が
    移動した個数をカウントする移動個数カウント部と、前
    記移動格子が移動を開始して停止するまでの移動期間内
    で検出する前記光強度信号をA/D変換して移動開始位
    置と停止位置の二つの位置の近傍での特定の期間の光強
    度信号をメモリー回路に記憶する光強度記憶部と、正弦
    波の特定の範囲の三角関数値(sinあるいはcosの
    値)を記憶する三角関数テーブル部と、前記移動格子が
    移動開始前の停止位置と移動後の停止位置の各々につい
    て前記光強度記憶部に記憶されている光強度と前記三角
    関数テーブル部に記憶されている値とを比較して前記二
    つの格子停止位置での正弦波強度の位相を検出する格子
    位相検出部と、前記移動個数カウント部で検出した前記
    移動格子の移動個数のカウント値から格子1ピッチ長の
    整数倍の移動距離を検出すると共に前記格子位相検出部
    で検出した位相から移動格子が移動を開始した位置と移
    動を停止した位置の各々で格子1ピッチ長以下の移動距
    離を検出して前記二つの移動距離の和を算出する寸法算
    出部とを設け、前記移動格子の移動距離から寸法を測定
    することを特徴とする光学スケールを用いた寸法測定装
    置。
  2. 【請求項2】 強度不連続反転検出部は、前記移動格子
    が移動中に検出する光強度信号の接近した2点間の強度
    差となる差分強度信号を作成して該差分強度信号の強度
    値と前記光強度信号の強度値とから前記移動格子が移動
    中の正弦波の位相象限を判定して移動格子が移動してい
    る位置を検出する移動位置検出部と、前記移動格子が移
    動している位置の正弦波の位相象限内での前記差分強度
    の正負の符号の変化を検出する差分符号変化検出部とか
    ら構成され、該差分符号変化検出部での差分強度符号に
    変化のないときは前記移動格子は同一方向に移動してい
    ると判定し、前記差分符号変化検出部での差分強度符号
    に変化が生じたときは移動格子の移動による光強度の変
    化に不連続が生じて移動格子の移動方向が反転したこと
    を検出することを特徴とする請求項1に記載の光学スケ
    ールを用いた寸法測定装置。
  3. 【請求項3】 格子位相検出部は、前記移動格子の移動
    開始位置と移動停止位置の近傍の数周期の期間について
    前記光強度記憶部に記憶された正弦波信号を振幅が±1
    となる規格化正弦波信号に変換する正弦波強度規格部
    と、前記移動格子が移動開始前と移動停止後の各々の停
    止位置について前記規格化正弦波の接近した2点間の光
    強度差である差分強度の符号を検出して前記差分強度符
    号と規格化強度とから移動格子の移動開始位置と移動停
    止位置での正弦波の位相象限を検出する位相象限検出部
    と、前記移動格子の移動開始前と移動停止後の停止位置
    の各々の位相象限における前記規格化正弦波強度と前記
    三角関数テーブル部に記憶された三角関数値(sinあ
    るいはcosの値)を比較して移動格子が移動開始前と
    移動停止後の停止位置での位相を検出する位相検出部と
    からなることを特徴とする請求項1に記載の光学スケー
    ルを用いた寸法測定装置。
  4. 【請求項4】 触針と共に移動する一定のピッチと形状
    を有する1個の移動格子と該移動格子と同一のピッチと
    形状を有する1個の固定格子から構成される光学スケー
    ルと、前記光学スケールの格子を連続的に照射する光源
    と、前記光学スケールを透過した透過光を受光する1個
    の受光器とを有し、該受光器から出力される正弦波的に
    変化する1相の光強度信号の主として時間情報を計測し
    て寸法を測定する光学スケールを用いた寸法測定装置で
    あって、 予め設定された周波数信号を発する時間基準信号源と、
    前記移動格子の移動に伴って変化する前記光強度信号の
    一定の期間毎に前記時間基準信号源から発せられるパル
    ス数を検出して該パルス数が不連続的に変化する位置を
    判定して移動格子の移動方向の反転を検出する時間不連
    続反転検出部と、前記光強度信号の1周期毎に前記移動
    格子が移動する移動個数を計数すると共に前記時間不連
    続反転検出部で検出した格子移動方向の反転情報に応じ
    て前記移動個数の計数値を増加したり減少させる計数符
    号を設定して移動格子が移動した個数をカウントする移
    動個数カウント部と、前記移動格子が移動している最中
    で格子が1ピッチを移動する間に前記時間基準信号源か
    ら発せられるパルス数を検出して移動開始点と移動停止
    点の近傍の特定の区間で検出した第1のパルス数を記憶
    する第1の移動パルス数計数部と、前記移動格子の移動
    開始点から次の格子基準位置までの移動期間と移動停止
    点の直前の格子基準位置から移動停止点までの移動期間
    の各々について格子の1ピッチ長以下の距離を移動する
    間に前記時間基準信号源から発せられるパルス数を計数
    して得られた第2のパルス数を記憶する第2の移動パル
    ス数計数部と、前記第1のパルス数と第2のパルス数を
    比較して前記移動格子の移動開始点と次の格子基準位置
    との間の距離と移動停止点の直前の格子基準位置と移動
    停止点との間の距離を測定する格子停止位置検出部とを
    設け、前記移動個数カウント部で検出した格子1ピッチ
    長の整数倍の移動距離と、前記格子停止位置検出部で検
    出した格子1ピッチ長以下の移動距離との和から前記移
    動格子の移動距離を検出して寸法を測定することを特徴
    とする光学スケールを用いた寸法測定装置。
  5. 【請求項5】 格子停止位置検出部は、前記第1の移動
    パルス数計数部で検出して記憶した前記第1のパルス数
    の変化を演算して前記移動格子が移動を開始した近傍と
    移動を停止した近傍の各々について移動格子の移動速度
    を判定して前記二つの区間で格子が1ピッチを移動する
    期間に要する基準パルス数を算出すると共に、前記第2
    の移動パルス数計数部で検出して記憶した第2のパルス
    数と前記基準パルス数との割合を算出して格子の1ピッ
    チ長以下の移動距離を測定することを特徴とする請求項
    4に記載の光学スケールを用いた寸法測定装置。
JP10293227A 1998-10-15 1998-10-15 光学スケールを用いた寸法測定装置 Pending JP2000121316A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100397676C (zh) * 2004-08-06 2008-06-25 中国科学院上海微系统与信息技术研究所 可逆相变材料电性能的表征方法
JP2010532466A (ja) * 2007-06-19 2010-10-07 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー ウェブの位置を表示するためのシステム及び方法
WO2013033902A1 (zh) * 2011-09-08 2013-03-14 Wu Mengliang 软碰撞光栅尺及其测量方法
JP2016008903A (ja) * 2014-06-25 2016-01-18 日本電波株式会社 ディジタルスケールの表示制御装置

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