JP2000304507A - 回折格子の回折光干渉を用いた寸法測定装置 - Google Patents

回折格子の回折光干渉を用いた寸法測定装置

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JP2000304507A
JP2000304507A JP11113433A JP11343399A JP2000304507A JP 2000304507 A JP2000304507 A JP 2000304507A JP 11113433 A JP11113433 A JP 11113433A JP 11343399 A JP11343399 A JP 11343399A JP 2000304507 A JP2000304507 A JP 2000304507A
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phase
grating
moving
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Hiroo Fujita
宏夫 藤田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回折格子を用いた寸法測定装置において、光
学系の構成を簡素化すると共に、寸法測定の精度と信頼
性を向上させる。 【解決手段】 回折光を干渉させて1相の正弦波信号を
出力する光学系と、1相信号の時間情報から寸法を算出
する信号処理系から構成する。1相信号は時間的に離散
化された信号に変調し、格子移動の特定の期間毎に離散
化信号の個数である移動パルス数を検出する。この移動
パルス数が距離情報を含む。このとき、格子半ピッチを
移動したときの第1の移動パルス数(N1)と、格子が
移動を開始した位置と停止した位置での格子半ピッチ以
下の距離を移動したときの第2の移動パルス数(N2)
を検出する。移動パルス数の比N2/N1と格子半ピッ
チ長から、格子半ピッチ以下の移動距離を算出して寸法
を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回折格子を光学スケ
ールとして用いた触針式寸法測定装置の光学系と信号処
理系の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】回折格子などの2値強度分布を有する直
線状の格子パターンが一定のピッチで形成された光学ス
ケールを触針に取り付け、触針の移動(光学スケールの
変位)を光学的に検出して寸法を測定する触針式寸法測
定器が生産ラインで多く用いられている。この種の測定
器は光学スケールに光を照射し、触針の移動に伴って変
化する光強度信号を検出して各種の信号処理を行い、触
針の移動距離から寸法を測定する。寸法測定精度として
0.1μmが要求される場合は、測定器としては0.0
1μm程度の測定分解能が必要である。この場合の光学
スケールは1μm程度のピッチを有する回折格子が用い
られ、回折格子にレーザ光を照射したときに発生する回
折光を干渉させて光強度信号を作成している。
【0003】図7に回折光の干渉を利用した従来の寸法
測定装置の光学系の構成例を示す。レーザ光源10から
放射されたレーザ光をビームスプリッタ11で2方向に
分割し、2方向から回折格子12のP1点、P2点に照
射する。回折格子12は2値の光透過分布をもつ一定の
ピッチの格子がガラス基板上に形成され、光を透過しな
い黒パターン部の幅と光を透過する白パターン部の幅が
共にa/2で、格子の1ピッチ長がaである。0.01
μmの測定分解能を実現するためには、通常はa=1μ
m程度の格子が用いられる。回折格子12は触針(図示
せず)に取り付けられ、触針の動きに伴って矢印で示す
A方向、B方向に移動する。
【0004】回折格子12のP1点、P2点にレーザ光
が照射されると、P1点から+1次回折光120、P2
点からは−1次回折光125が発生する。実際には、こ
れらの回折光の他にも多数の回折光が生じるが、それら
は検出しないで、±1次回折光だけを検出対象とする。
+1次回折光120と−1次125をビームスプリッタ
ー71に入射して、ほぼ同一方向へ進行する±1次回折
光がペアーとなった2光束72と73を合成し、各々の
2光束を受光器74と受光器76で干渉する。2光束干
渉の結果、受光器74はA相信号75を出力し、受光器
76はB相信号77を出力する。A相信号75とB相信
号77は、共に回折格子12の移動に応じて光強度が正
弦的に変化する信号で、回折格子12の半ピッチa/2
の移動で正弦波強度が1周期変化する。
【0005】A相信号75とB相信号77の2相正弦波
信号は互いの位相が異なること、望ましくは位相がπ/
2異なることが必要である。そのために、2光束72の
ビームスプリッター71から受光器74までの光路長
と、2光束73のビームスプリッター71から受光器7
6までの光路長との差が、レーザ光の波長の1/4の整
数倍になるように光路長を調整する。あるいは、2光束
72と73のいずれか一方の光路中に位相変調素子、例
えば1/4波長板を挿入し、2相信号の位相差がπ/2
になるように調整してもよい。波形750と770はA
相信号75とB相信号77の例で、互いの位相がπ/2
シフトしている正弦波信号である。なお、上記の光学系
ではレーザ光源10は連続的に点灯して格子を連続照明
し、時間的に連続した2相信号を出力している。
【0006】2相信号75と77を演算処理して寸法を
算出する信号処理系の構成例を図8に示す。寸法測定で
は、格子半ピッチの整数倍の移動距離と半ピッチ以下の
移動距離の両方を検出する必要がある。このとき、回折
格子12の移動方向を判定して、移動方向に応じた格子
の移動個数を検出する。移動方向判定部81は、回折格
子12の矢印で示す移動方向を判定するもので、A相信
号75とB相信号77の位相の進み遅れの関係から判定
する。図の波形はA相信号75の位相が進んでいる例
で、例えば回折格子12が矢印で示すA方向に移動して
いると判定する。A相信号75とB相信号77の位相関
係が反転すれば、矢印で示すB方向に移動していると判
定する。
【0007】格子移動個数カウント部82は、移動方向
判定部81で検出した回折格子12の移動方向に応じ
て、格子の移動個数をアップ/ダウン型のカウンター回
路で検出する。例えば、A方向に移動しているときはア
ップカウント、B方向に移動しているときはダウンカウ
ントする。正弦波の1周期で1パルスを検出する場合、
例えばA相信号75の振幅の半値強度の位置(860、
862、864など)をカウント動作のトリガー位置と
し、格子の移動個数を移動方向に応じてカウントする。
この移動個数の検出により格子半ピッチ長a/2の整数
倍の移動距離が測定できる。
【0008】格子半ピッチ以下の移動距離は、格子が移
動を開始した位置87と最初の基準位置860との間の
距離La、及び停止直前の基準位置864と停止位置8
8との間の距離Lbである。距離La、Lbの検出精度
で寸法測定の分解能と精度が決まるため、正弦波信号の
1周期をいかに細かく分割して格子の停止位置を検出す
るかが重要である。a=1μmの場合に0.01μm分
解能を実現するには、格子1ピッチ間を100分割して
格子停止位置を検出する必要がある。その停止位置の検
出のために、停止位置での正弦波の位相を検出する。
【0009】正弦波信号の場合、各強度に対して異なる
2つの位相状態が存在するため、1相信号からでは位相
が直接に検出できない。そのため、2相信号を用いて相
互の強度関係から位相を検出する。位相象限判定部83
は格子の停止位置87と88での2相信号の強度の相関
から正弦波の位相象限(1〜4)を決定する。表89に
2相信号の強度符号と位相象限の関係を示す。A相信号
75の位相がB相信号77の位相よりも進んでいる場
合、例えば、A相信号75の強度が半値強度よりも大き
く(正)、B相信号77の強度が半値強度よりも小さい
(負)場合には、位相は第2象限(π/2〜π)にある
と判定できる。
【0010】位相象限が決まれば正弦波強度と位相が直
接に対応するため、位相検出部84で正弦波強度の振幅
を±1に規格化して位相を検出する。このとき、si
n、あるいはcosの三角関数テーブルを用意してお
き、テーブルを参照して位相を決定する。位相検出にお
いて、規格化された正弦波強度の絶対値が1に近い場合
は位相検出精度が低く、強度の絶対値が0に近い場合は
位相検出精度が高い。そのため、2相信号の位相をπ/
2シフトさせ、2相信号の強度の絶対値が0に近い方の
信号を用いて位相を検出する。寸法算出部85は、格子
移動個数カウント部82で検出された格子半ピッチ長の
整数倍の移動距離と、位相検出部84で検出された格子
半ピッチ長以下の移動距離の和から寸法を算出する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の寸法測定器は位
相の異なる2相信号を作成することが基本である。2相
信号を用いる主たる理由は、格子の移動方向の判定、
格子停止位置での位相検出のためである。光学系の面
から見ると、2相信号の作成のために±1次回折光が2
ペアー(4本)必要となる。そのために、回折格子で生
じた2本の回折光をビームスプリッターで2組の回折光
ペアーに合成すること、2個の受光器が必要なことな
ど、光学系の構成が複雑で大型になるという問題点があ
る。さらに、2相信号を作成するときに、受光器の光電
変換のゲインを調整して2相信号の強度を等しくする必
要があり、回路的な調整が複雑になるという問題点があ
る。
【0012】また、2相信号間の位相差をπ/2に保つ
必要がある。位相差がπ/2をはずれると正弦波強度を
位相に変換するときの誤差が大きくなるためである。位
相差をπ/2に保つために、2組の±1次回折光ペアー
の光路長を微細に調整する必要があり、機械的な調整が
複雑となって光学系の製造コストが高くなる問題点があ
る。さらには、測定器の設置環境によっては、機械的な
ショックや温度変化などで回折光の光路長が変化して2
相信号間の位相差がπ/2からずれることもあり、測定
の信頼性が低下するという問題点もある。
【0013】従来の寸法測定の測定分解能を決める最大
の要因は、格子の半ピッチ間の分割精度である。格子半
ピッチ間を細かく分割して検出するほど格子停止位置の
位相検出分解能が高まり、格子半ピッチ長以下の移動距
離を精密に測定できる。この位相検出では、一般には強
度レベルが異なる2相信号の振幅を数値的処理で共に±
1の振幅に規格化し、2相信号の強度を等しくして格子
停止位置での位相象限を決定し、三角関数テーブルを参
照して位相を検出していた。そのため、信号処理系のハ
ードウエアーとソフトウエアーが複雑になり、構成が大
型で高コストになるという問題もある。
【0014】本発明は、上記の諸課題を解決するため、
1相信号だけを用いることで回折光を干渉させる光学系
の構成を簡素化すると共に、正弦波信号の光強度情報か
ら位相を検出することなく、正弦波信号の時間情報から
格子半ピッチ長以下の移動距離を検出し、この移動距離
の検出で正弦波信号を離散化して、離散化信号の個数を
検出することによって、光学系の小型、低コスト化と共
に、寸法測定の測定精度と測定信頼性を向上させること
を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1に記載の回折格子の回折光干
渉を用いた寸法測定装置は、触針と共に移動する一定の
ピッチと形状を有する格子が形成された回折格子と、該
回折格子にレーザ光を照射するレーザ光源と、前記回折
格子にレーザ光を入射させて前記回折格子で回折した複
数の回折光を干渉させる受光器などからなる光学系と、
該光学系から出力される信号をデータ処理して寸法を算
出する信号処理部とを備える回折格子の回折光干渉を用
いた寸法測定装置において、前記光学系は前記回折格子
で回折した2本の回折光を単一の受光器で干渉させて光
強度が正弦波状に変化する単一の1相信号を作成するよ
うに構成され、前記信号処理部は前記1相信号をデータ
処理して寸法を算出するように構成されている。
【0016】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の回折格子の回折光干渉を用いた寸法測定装置に
係わり、設定された周波数を有する基準信号を発生する
基準信号発生部と、前記1相信号をサンプリングして出
力するサンプリング制御部を設け、前記基準信号発生部
から出力される基準信号に同期して前記サンプリング制
御部に入力される前記1相信号をサンプリングして前記
1相信号を時間的に離散化した1相離散化信号に変換
し、該1相離散化信号を前記信号処理部でデータ処理し
て寸法を算出するように構成されている。
【0017】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
に記載の回折格子の回折光干渉を用いた寸法測定装置に
係わり、設定された周波数を有する基準信号を発生する
基準信号発生部と、前記基準信号に同期して前記レーザ
光源の点灯と非点灯を一定の時間周期で繰り返して前記
回折格子を間欠的に照明するフラッシング制御部を設
け、前記レーザ光源が点灯しているときに前記回折格子
で発生した2本の回折光を単一の受光器で干渉させて時
間的に離散化された1相離散化信号を作成し、該1相離
散化信号を前記信号処理部でデータ処理して寸法を算出
するように構成されている。
【0018】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
に記載の回折格子の回折光干渉を用いた寸法測定装置に
係わり、前記1相信号の信号処理部は、前記回折格子の
移動速度に応じた周波数特性を有する前記1相信号の時
間情報を検出し、該時間情報を長さ情報に変換して寸法
を算出するように構成されている。
【0019】また、請求項5に記載の発明は、触針と共
に移動する一定のピッチと形状を有する格子が形成され
た回折格子と、該回折格子にレーザ光を照射するレーザ
光源と、前記回折格子にレーザ光を入射させて前記回折
格子で回折した複数の回折光を干渉させる受光器などか
らなる光学系と、光強度が正弦波状に変化する時間的に
離散化された1相離散化信号をデータ処理して寸法を算
出する信号処理部とを備える回折格子の回折光干渉を用
いた寸法測定装置であって、前記信号処理部は、前記1
相離散化信号の強度変化あるいは周波数変化から前記回
折格子の移動方向が反転したことを検出する格子移動方
向反転検出部と、該格子移動方向反転検出部からの格子
移動情報に基づいて前記回折格子の半ピッチを1単位と
する整数個の格子移動数を検出して格子半ピッチ長の整
数倍の長さである整数ピッチ距離を検出する整数ピッチ
距離検出部と、前記回折格子が移動する特定の期間毎に
前記1相離散化信号が移動した個数である移動パルス数
を検出して前記回折格子の半ピッチ長以下の長さである
端数ピッチ距離を検出する端数ピッチ距離検出部と、前
記整数ピッチ距離と端数ピッチ距離の和から寸法を算出
する寸法算出部とを有する。
【0020】また、請求項6に記載の発明は、請求項5
に記載の回折格子の回折光干渉を用いた寸法測定装置に
係わり、前記の端数ピッチ距離検出部は、前記回折格子
の移動開始点と移動停止点の各々の近傍で格子半ピッチ
間を移動する期間毎に前記1相離散化信号が移動した個
数である第1の移動パルス数を検出して記憶する第1の
移動パルス数検出部と、前記回折格子の移動開始点から
次の格子基準位置までの移動期間及び移動停止点の直前
の格子基準位置から移動停止点までの移動期間の各々に
ついて格子半ピッチ長以下の距離を移動する期間に前記
1相離散化信号が移動した個数である第2の移動パルス
数を検出して記憶する第2の移動パルス数検出部と、前
記第1の移動パルス数の変化を演算処理して前記回折格
子の移動開始位置の直後と移動停止位置の直前の各々に
ついて格子半ピッチ間を移動すると仮定したときの格子
移動個数である基準移動パルス数を推定する基準移動パ
ルス数推定部と、前記第2の移動パルス数と前記基準移
動パルス数の比の値を算出する移動パルス数比算出部と
を備え、前記回折格子の移動開始点と停止点における格
子半ピッチ長以下の移動距離を検出するように構成され
ている。
【0021】また、請求項7に記載の発明は、請求項6
に記載の回折格子の回折光干渉を用いた寸法測定装置に
係わり、前記の端数ピッチ距離検出部において、前記1
相の離散化信号から前記第1の移動パルス数と第2の移
動パルス数を検出するとき、該離散化信号の強度の差分
値を検出して差分強度信号を作成し、該差分強度信号の
ピーク強度位置を前記第1の移動パルス数と第2の移動
パルス数のカウント動作位置となる格子基準位置とする
ように構成されている。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明による寸法測定装置の光学
系は、回折格子にレーザ光を照射し、回折格子で回折さ
れた2本の回折光(例えば+1次と−1次の回折光)を
1個の受光器で干渉させ、1個(1相)の正弦波信号だ
けを出力するように構成されている。さらには、本発明
による1相信号の信号処理部は、回折格子の移動速度に
応じた周波数特性を持つ1相信号の時間情報を検出し、
その時間情報を距離情報に変換して寸法を測定するよう
に構成されている。
【0023】1相正弦波信号の信号処理、特に1相信号
の時間情報から格子半ピッチ長以下の移動距離を精密に
測定するためには、1相信号は時間的に離散化された不
連続信号であることが望ましい。それは、連続1相信号
を一定の時間周期で離散化すれば、1相信号の時間情報
が離散化信号の信号個数に対応し、デジタル的な信号処
理ができるためである。さらには、離散化信号にしてそ
の信号個数を検出することにより、正弦波の位相検出な
どの複雑なデータ処理が不要となり、寸法算出のデータ
処理系が簡素化されるためである。
【0024】レーザ光源が連続点灯しているとき得られ
る時間的な連続1相信号から離散化信号を作成するに
は、連続1相信号を一定周波数の信号でサンプリング
し、そのサンプリング周期に応じた離散化信号に変換す
る。さらには、光学系で直接に1相の離散化信号を作成
してもよい。この場合は、一定周波数の信号でレーザ光
源の点灯と非点灯を繰り返して回折格子を間欠照明(フ
ラッシング)する。レーザ光源が点灯しているときに発
生した2本の回折光を干渉させれば、格子の移動によっ
て離散化された1相信号が作成できる。
【0025】離散化された1相信号の処理においては、
回折格子の移動方向に応じた格子半ピッチ長の整数倍の
移動距離(整数ピッチ距離)と、格子半ピッチ長以下の
移動距離(端数ピッチ距離)の両方を検出する必要があ
る。本発明の整数ピッチ距離の検出では、格子の移動方
向は検出しないで、移動する方向が反転した位置を検出
する。格子の移動方向が反転するときは、正弦波信号の
強度や周波数が不連続に変化するため、1相信号の強度
などの不連続変化点を検出して格子の移動方向が反転し
たことを判定する。
【0026】格子移動方向の反転を検出したら、格子の
移動個数をカウントする符号を変化させる。例えば移動
個数を増加するアップカウントを行っていれば、反転後
は個数を減少させるダウンカウントに変え、トータルと
しての格子移動個数から整数ピッチ距離を検出する。こ
のカウント動作では、例えば離散化信号の振幅の中間強
度位置を正弦波の基準位置とし、この中間強度レベルを
超えたときにカウント値を増減する。
【0027】格子半ピッチ長以下の移動距離である端数
ピッチ距離の検出分解能が寸法測定の分解能になる。こ
の分解能を高めるためには、離散化信号を作成する際の
サンプリング周波数やフラッシング周波数を高くするこ
とが必要である。さらには、端数ピッチ距離の測定精度
を高めるためには、格子半ピッチ間をいかに細かく分割
して格子の停止位置を検出するかが重要である。この分
割に相当するのが離散信号の信号個数の検出で、離散信
号の1周期に含まれる信号個数が多い(周波数が高い)
ほど、信号個数の検出誤差による寸法測定誤差が小さく
なる。
【0028】格子をフラッシング照明した場合の離散化
信号の個数検出の例では、フラッシング周波数と格子半
ピッチ長が一定であるため、格子の移動中に検出した信
号個数は格子の移動距離と移動速度に応じた個数とな
る。すなわち、離散化信号の1周期に含まれる信号個数
Nが格子半ピッチの長さに対応するため、信号個数Nを
基準として格子半ピッチ長以下の移動距離を検出する。
このように、本発明では離散化信号の個数情報を長さ基
準とする。
【0029】上記の離散化信号の個数(移動パルス数と
称する)の検出においては、以下の2種類の移動パルス
数を検出して記憶する。第1の検出は、格子が半ピッチ
間を移動する期間に光源がフラッシングした回数(第1
の移動パルス数)の検出で、格子の移動開始位置と移動
停止位置の近傍の数周期の期間についての第1の移動パ
ルス数をメモリー回路に記憶する。第2の検出は、格子
が移動を開始した位置から次の格子基準位置までの期間
と格子が停止する直前の格子基準位置から停止位置まで
の期間(格子半ピッチ長以下の移動距離)に光源をフラ
ッシングした回数(第2の移動パルス数)の検出で、そ
の2つの第2に移動パルス数をメモリー回路に記憶す
る。
【0030】格子が等速度で移動している場合は、格子
が半ピッチ長を移動する間に検出される第1の移動パル
ス数が距離の基準となる。そこで、第1の移動パルス数
と第2の移動パルス数との比例関係から格子半ピッチ長
以下の移動距離を検出する。しかし、一般には格子の移
動速度は一定ではなく、第1の移動パルス数は格子の移
動に応じて変動する。この場合は、第1の移動パルス数
は距離の基準にはならないため、補正する必要がある。
【0031】例えば格子が移動を開始した場合は、移動
開始位置近傍の数周期の期間での第1の移動パルス数の
変化を演算処理し、格子が移動を開始した直後の移動速
度で格子半ピッチの距離を移動すると仮定したときの基
準移動パルス数を推定する。この基準移動パルス数が格
子半ピッチ長の基準となる。そこで、移動開始時に検出
した第2の移動パルス数と基準移動パルス数の比例関係
から、格子半ピッチ長以下の移動距離を検出する。格子
の移動停止位置についても同様である。以上のように、
本発明は1相の離散化信号だけを出力する光学系で、1
相離散化信号の移動パルス数を長さ基準として寸法を測
定する。
【0032】以下に図面を用いて本発明の実施の形態を
説明する。図1に本発明による寸法測定装置の光学系の
基本構成例を示す。レーザ光源10から放射されるレー
ザ光をビームスプリッター11で2方向に進行するレー
ザ光に分割し、2方向から回折格子12のP1点、P2
点に照射する。回折格子12は従来技術の項での説明と
同じく、光を透過しない黒パターン部の幅と光を透過す
る白パターン部の幅が共にa/2(半ピッチ長)で、白
(黒)パターンから次の白(黒)パターンまでの幅がa
(1ピッチ長)である。通常はa=1μm程度の微細ピ
ッチの格子が用いられる。回折格子12のP1点、P2
点にレーザ光が照射されると、P1点から+1次回折光
120、P2点からは−1次回折光125、及び前述し
た±1次回折光以外にも多数の回折光が発生するが、本
発明では±1次回折光だけを検出対象とする。
【0033】+1次回折光120と−1次125の2つ
の回折光を受光器13に入射させて干渉させ、単一信号
(1相信号)14を作成する。1相信号14は回折格子
12の移動に応じて干渉光強度が正弦波的に変化する信
号(波形140)で、回折格子12の半ピッチa/2の
移動で正弦波強度が1周期変化する。図1の実施例では
レーザ光源10は連続点灯しており、1相信号波形14
0は時間的に連続した信号である。本発明は1相の正弦
波信号だけを出力する構成で、1相信号14を信号処理
部100でデータ処理して寸法を測定する。
【0034】1相信号14の信号処理を行うとき、特に
回折格子12の半ピッチ以下の移動距離の検出には、後
述するように、1相信号は時間的に不連続な離散信号で
あることが望ましい。そこで、時間的な連続信号を離散
化された信号に変換する手段が必要になる。離散信号を
作成する第1の実施例を図2に示す。基準信号発生部1
5は予め設定された一定の周波数Fs(周期Ts)の信
号150を出力する。例えば、Fsは10MHz程度の
周波数である。サンプリング制御部16は、基準信号1
50に同期して連続1相信号14を時間間隔Ts毎にサ
ンプリングし、時間的に離散化された信号17に変換す
る。波形175に離散化された信号の例を示す。信号1
75の1周期に含まれる信号個数は回折格子12の移動
速度に応じて変化する。このとき、離散化信号の個数を
格子半ピッチ長以下の移動距離を計測するときの基準と
する。
【0035】1相離散化信号を作成する第2の実施例を
図3に示す。第2の実施例は光学系から出射された時点
で直接に離散化された信号を得る構成である。フラッシ
ング制御部18は、基準信号発生部15で発せられる基
準信号150のタイミングに応じてレーザ光源10の点
灯と非点灯を繰り返す点滅制御を行い、回折格子12を
間欠照明(フラッシング)する。レーザ光源10が半導
体レーザ(LD)の場合、電気信号による高速の点滅制
御が可能で、基準信号150がHレベルのときにLDを
点灯、Lレベルのときに消灯させて点滅を行う。レーザ
光源10が点灯しているときに発生した+1次回折光1
20と−1次回折光125を受光器13で干渉させ、最
初から離散化された1相信号19を出力する。波形19
5が離散信号の例で、図2に示した離散信号175と同
様の信号である。
【0036】従来の寸法測定器は、時間的に連続な2相
信号の強度を検出して位相を決定していた。これに対し
て本発明による寸法測定は、回折格子12の移動に応じ
た1相離散化号を作成することが特徴で、離散化信号の
個数(移動パルス数)を検出する。格子半ピッチ間を移
動する期間に検出した移動パルス数は長さ情報a/2を
持つため、移動パルスの個数情報を長さ情報に変換して
格子半ピッチ長以下の移動距離を検出する。すなわち、
本発明は移動パルス数が距離の目盛りとなり、離散化す
る基準信号150の周波数Fsが距離の分解能に対応す
る。
【0037】基準信号150の周波数Fsは、回折格子
12の移動速度、格子半ピッチ長、及び要求される分解
能から決まる。例えば、回折格子12の移動速度が10
cm/secの場合には、1μmの格子1ピッチ間を1
00分割して0.01μmの分解能を実現するには10
MHz程度の周波数でフラッシング、あるいはサンプリ
ングすればよい。さらには、本発明では離散化信号の移
動パルス数を計測するため、1相信号だけを用いたデジ
タル的な信号処理でよい。
【0038】次に、1相の離散化信号を処理して寸法を
算出する信号処理部100の構成例を図4に示して動作
を説明する。寸法測定では格子半ピッチ長の整数倍の移
動距離(整数ピッチ距離)と、格子半ピッチ長以下の移
動距離(端数ピッチ距離)の両方を検出する必要があ
る。整数ピッチ距離は、1相離散化信号19を格子移動
方向反転検出部40と整数ピッチ距離検出部41に入力
し、格子半ピッチを1単位とした格子移動個数を移動方
向に応じてカウントして検出する。
【0039】格子移動方向反転検出部40は、回折格子
12の移動による離散化信号の強度が不連続に変化する
位置や周波数が不連続に変化する位置を検出し、格子の
移動方向が反転した位置を検出する。強度変化の不連続
点を検出するために、1相信号だけで移動方向の反転が
判定できる。整数ピッチ距離検出部41は、格子移動方
向反転検出部40の反転情報に応じたアップ/ダウン型
のカウント動作を行って格子移動個数のカウント値を増
減し、トータルとしての格子の移動個数Pを検出して格
子半ピッチ長の整数倍の移動距離aP/2を検出する。
【0040】図5に1相離散化信号の例を示して、上記
の整数ピッチ距離検出の詳細を説明する。図5(A)の
波形50は、触針が最初はA方向(上側)に移動して最
高点51に達し、次にB方向(下側)に移動する例であ
る。本例での移動方向の反転位置は最高点51で、その
位置で離散化された正弦波強度が不連続に変化する。格
子の移動個数のカウントでは、正弦波信号の中間強度位
置をカウント動作のトリガー点とする。
【0041】格子がA方向に進んでいる場合の移動個数
の検出では、中間強度位置52を超える(強度が増加)
とカウント値を1個増加してアップカウントする。位置
51での強度の不連続変化を検出すれば、次はB方向に
移動していると判定する。B方向への移動個数の検出で
は、中間強度位置53を超える(強度が減少)とカウン
ト値を1個減少してダウンカウントする。以上の検出で
は、中間強度位置54から反転位置51までと、反転位
置51から中間強度位置53までの格子半ピッチ長以下
の距離は互いにキャンセルされるため、整数ピッチ距離
の検出には影響しない。
【0042】図5(B)の波形56は、触針が最初はB
方向(下側)に移動しており、位置57で被測定物に衝
突し、その反跳でA方向(上側)に反転する例である。
反転位置57において、強度と共に周波数も不連続に変
化する。そこで、強度と周波数の両方の変化を検出すれ
ば、移動方向反転検出の信頼性が向上する。本例は前述
の例と同じく、B方向に移動しているときは、中間強度
位置58をカウントのトリガー点として格子移動個数を
ダウンカウントする。衝突位置57から右側への移動は
測定対象としないでもよい。この場合は、中間強度位置
59から反転位置57までの半ピッチ以下の距離(端数
ピッチ距離)を検出する。
【0043】次に、図4を用いて端数ピッチ距離検出部
42の動作を説明する。1相離散化信号19は第1の移
動パルス数検出部43と第2の移動パルス数検出部44
に入力され、格子の移動に伴う離散化信号の個数を検出
する。第1の移動パルス数検出部43は、格子半ピッチ
間を移動する間にレーザ光源10がフラッシングしたパ
ルス数(第1の移動パルス数)を検出するもので、移動
の特定の区間で検出された移動パルス数をメモリー回路
に記憶する。フラッシング周波数と格子半ピッチ長が一
定で、第1の移動パルス数は格子半ピッチの長さ情報を
含む。
【0044】第2の移動パルス数検出部44は、格子が
停止している位置から動き始めた次の格子基準位置(例
えば図5(A)の位置52)までの期間と、格子が停止
する直前の格子基準位置(例えば図5(A)の位置5
5)から停止した位置までの期間について、各々の期間
内でレーザ光源10をフラッシングした回数(第2の移
動パルス数)を検出し、メモリー回路に記憶する。第2
の移動パルス数は格子半ピッチ以下の長さ情報を含む。
【0045】第2の移動パルス数の検出は第1の移動パ
ルス数の検出の特別の場合であり、実際の移動パルス数
検出は同じように行う。すなわち、同一のカウンター回
路を用いてカウント動作を行い、移動開始位置から格子
基準位置までの期間で検出した信号個数は第2の移動パ
ルス数として記憶し、それ以後のカウント動作で得た信
号個数は第1の移動パルス数として記憶する。格子が停
止するときも同様にして行う。さらには、整数ピッチ距
離を検出するときのカウント動作も上記の移動パルス数
検出のカウンターで共用できる。この場合は、中間強度
である格子基準位置を検出する毎にカウント値を±1個
増減すればよい。
【0046】以上の第1と第2の移動パルス数は共に距
離の情報を含むが、格子が移動する速度に応じて移動パ
ルス数は変化する。回折格子12が等速度で移動する場
合、第2の移動パルス数(N2)と第1の移動パルス数
(N1)の比の値から格子の端数ピッチ距離(aN2/
2N1)が検出できる。しかし、一般には格子の移動速
度は一定ではないため、第1の移動パルス数は長さの基
準にはならない。そこで、第1の移動パルス数を補正し
て、格子半ピッチ長の距離基準を新たに設定する必要が
ある。
【0047】格子の移動速度が変化する場合、基準移動
パルス数推定部45は、第1の移動パルス数の変化から
格子の移動開始直後と停止直前の各々について、格子半
ピッチを移動すると仮定したときの移動パルス数(基準
移動パルス数)を推定する。この基準移動パルス数が格
子半ピッチの距離基準になる。移動パルス数比算出部4
6は、第2の移動パルス数と前記の補正された基準移動
パルス数との比の値を算出するもので、格子が停止して
いる位置から動き始めた次の格子基準位置までと、格子
が停止する直前の格子基準位置から停止した位置までの
各々の端数ピッチ距離を検出する。寸法算出部47は、
整数ピッチ距離検出部41で求めた移動距離と、端数ピ
ッチ距離検出部42で求めた移動距離の和から触針が移
動した距離である寸法を算出する。
【0048】図6で上記の端数ピッチ距離検出の詳細を
説明する。図6(A)の波形60は格子が移動を開始し
た位置近傍での離散化信号である。一般に、格子が動き
はじめるときは低速度で移動し、後に一定速度で移動す
るため、離散化信号の周波数あるいは移動パルス数は格
子移動に応じて変化する。位置61で移動を開始し、格
子半ピッチの移動で1周期の強度変化となる。図5の波
形例と同じく、中間強度位置62、63などを移動パル
ス数検出の基準位置とする。第2の移動パルス数は位置
61から62までの格子半ピッチ以下の距離を移動した
とき検出され、そのときのパルス数Psを記憶する。
【0049】基準位置62と63の間の格子半ピッチの
距離を移動する期間で検出した第1の移動パルス数をP
1とする。同じく位置63以降の各周期で検出した第1
の移動パルス数をP2、P3などとし、各々の個数を記
憶する。格子の移動速度が異なるため、移動パルス数は
一定ではなく、P1>P2>P3のように変化する。そ
こで、上記の移動パルス数P1、P2、P3などの変化
から、格子が移動を開始した位置61で格子半ピッチを
移動すると仮定した場合の基準移動パルス数を推定し、
格子半ピッチの長さ基準とする。
【0050】図6(B)に第1の移動パルス数の変化を
示して、基準移動パルス数を算出する例を示す。丸印6
5は第1の移動パルス数で、図の横軸は移動区間、縦軸
は第1の移動パルス数である。図は格子の移動にともな
って移動速度が増し、やがて一定の速度で移動する例で
あるが、重要なのは移動開始位置の近傍での速度の変化
である。本例では移動開始位置近傍の3周期目あたりま
では直線的に移動速度が増す。そこで、P1〜P3まで
のデータを直線回帰線66で近似し、その回帰線の外挿
値から格子の移動開始直後での基準移動パルス数P0を
推定する。
【0051】このP0は、格子が移動を開始したときの
速度で格子半ピッチ長を移動すると推定した移動パルス
数である。P0が格子半ピッチ距離(a/2)に対応
し、移動パルス数を距離に変換するときの基準となる。
したがって、格子が移動を開始した位置61から最初の
基準位置62までの端数ピッチ距離は、第2の移動パル
ス数Psを用いて、aPs/(2P0)で求められる。
格子が移動を停止する場合も同様である。
【0052】端数ピッチ距離の検出では、離散化信号の
基準位置(位置62、63など)を正確に設定すること
が必要である。基準位置の設定精度が悪いと、端数ピッ
チ距離を算出する基準となる第2の移動パルス数が誤差
を持つためである。基準位置はsinの強度が0である
から、そこでは強度変化率が最大になる。そこで、1相
離散化信号の強度の差分を演算し、差分信号のピーク強
度位置を検出して基準位置を決定する。このピーク強度
検出では、正弦波信号の最大と最小強度を検出する必要
がなく、安定して基準位置が決定できる。
【0053】
【発明の効果】上記のごとく本発明による回折格子を用
いた寸法測定器の光学系は、回折格子で発生した1組
(2光波)の回折光だけを干渉させて1相の正弦波信号
を作成する構成である。位相がπ/2異なる2相信号を
作成する従来の方法と比べると、光学系が簡素、小型、
低コストになると共に、光路長の精密な調整が不要にな
るなどの効果がある。さらには、従来の2相信号法では
測定するときの環境変化などで光路長が変化し、2相信
号間の位相差が変化して寸法測定に誤差が生じる。本発
明では1相信号を用いるために、環境変化などによる光
路長の変化に影響されず、測定の信頼性が高いという効
果がある。
【0054】本発明は1相信号を離散化し、格子の移動
による離散化信号の個数を検出する構成である。光源を
連続点灯して連続信号の強度から位相を検出する従来の
アナログ的な方法は、正弦波信号の強度の検出精度で分
解能が決まるため、信号の強度レベルの変動が測定誤差
になる。本発明は離散化信号の信号個数を計測するデジ
タル的な方法であるため、正弦波強度の規格化や三角関
数テーブルなどの位相検出用の複雑なデータ処理が不要
で、ハードウエアーやソフトウエアーが簡素化できると
いう効果がある。
【0055】さらには、1相離散化信号のデジタル的な
処理では、信号の強度レベルが多少変動しても信号個数
の検出には影響がなく、測定の信頼性が高いという効果
もある。また、本発明の測定分解能は離散化信号の周波
数に依存するため、例えば光源をフラッシングする周波
数を高くすることで容易に測定分解能を向上させること
ができる。以上のように、本発明は離散化信号の個数か
ら格子の移動距離を高精度に検出する構成で、寸法測定
のみならず、精密位置決め装置などへの応用も可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における寸法測定装置の光学
系の基本構成例を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態における寸法測定装置の光学
系の第1の実施例を説明する図である。
【図3】本発明の実施形態における寸法測定装置の光学
系の第2の実施例を説明する図である。
【図4】本発明の実施形態における寸法測定装置の信号
処理部の構成例を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態における離散化信号の波形例
で、格子の移動方向反転検出を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態における離散化信号の波形例
と移動パルス数の補正処理を説明する図である。
【図7】従来の寸法測定装置の光学系の構成例を示す図
である。
【図8】従来の寸法測定装置の信号処理部の構成例を示
す図である。
【符号の説明】
10 レーザ光源 12 回折格子 15 基準信号発生部 16 サンプリング制御部 18 フラッシング制御部 40 格子移動方向反転検出部 41 整数ピッチ距離検出部 42 端数ピッチ距離検出部 47 寸法算出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA02 AA09 DD02 DD03 DD19 EE00 FF16 FF31 FF48 FF52 GG04 GG06 GG08 HH12 HH15 JJ01 JJ09 KK03 LL00 LL42 NN01 QQ01 QQ03 QQ13 QQ23 QQ25 QQ29 QQ30 QQ51 2F103 BA01 BA31 BA37 BA43 CA01 CA04 DA01 DA12 EA05 EA15 EB02 EB19 EC12 ED06 ED11 ED23 FA02 FA04 FA05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触針と共に移動する一定のピッチと形状
    を有する格子が形成された回折格子と、該回折格子にレ
    ーザ光を照射するレーザ光源と、前記回折格子にレーザ
    光を入射させて前記回折格子で回折した複数の回折光を
    干渉させる受光器などからなる光学系と、該光学系から
    出力される正弦波信号をデータ処理して寸法を算出する
    信号処理部とを備える回折格子の回折光干渉を用いた寸
    法測定装置において、 前記光学系は前記回折格子で回折した2本の回折光を単
    一の受光器で干渉させて光強度が正弦波状に変化する単
    一の1相信号を作成するように構成され、前記信号処理
    部は前記1相信号をデータ処理して寸法を算出するよう
    に構成されていることを特徴とする回折格子の回折光干
    渉を用いた寸法測定装置。
  2. 【請求項2】 設定された周波数を有する基準信号を発
    生する基準信号発生部と、前記1相信号をサンプリング
    して出力するサンプリング制御部を設け、前記基準信号
    発生部から出力される基準信号に同期して前記サンプリ
    ング制御部に入力される前記1相信号をサンプリングし
    て前記1相信号を時間的に離散化した1相離散化信号に
    変換し、該1相離散化信号を前記信号処理部でデータ処
    理して寸法を算出するように構成されていることを特徴
    とする請求項1に記載の回折格子の回折光干渉を用いた
    寸法測定装置。
  3. 【請求項3】 設定された周波数を有する基準信号を発
    生する基準信号発生部と、前記基準信号に同期して前記
    レーザ光源の点灯と非点灯を一定の時間周期で繰り返し
    て前記回折格子を間欠的に照明するフラッシング制御部
    を設け、前記レーザ光源が点灯しているときに前記回折
    格子で発生した2本の回折光を単一の受光器で干渉させ
    て時間的に離散化された1相離散化信号を作成し、該1
    相離散化信号を前記信号処理部でデータ処理して寸法を
    算出するように構成されていることを特徴とする請求項
    1に記載の回折格子の回折光干渉を用いた寸法測定装
    置。
  4. 【請求項4】 前記1相信号の信号処理部は、前記回折
    格子の移動速度に応じた周波数特性を有する前記1相信
    号の時間情報を検出し、該時間情報を長さ情報に変換し
    て寸法を算出するように構成されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の回折格子の回折光干渉を用いた寸法
    測定装置。
  5. 【請求項5】 触針と共に移動する一定のピッチと形状
    を有する格子が形成された回折格子と、該回折格子にレ
    ーザ光を照射するレーザ光源と、前記回折格子にレーザ
    光を入射させて前記回折格子で回折した複数の回折光を
    干渉させる受光器などからなる光学系と、光強度が正弦
    波状に変化する時間的に離散化された1相離散化信号を
    データ処理して寸法を算出する信号処理部とを備える回
    折格子の回折光干渉を用いた寸法測定装置であって、 前記信号処理部は、前記1相離散化信号の強度変化ある
    いは周波数変化から前記回折格子の移動方向が反転した
    ことを検出する格子移動方向反転検出部と、該格子移動
    方向反転検出部からの格子移動情報に基づいて前記回折
    格子の半ピッチを1単位とする整数個の格子移動数を検
    出して格子半ピッチ長の整数倍の長さである整数ピッチ
    距離を検出する整数ピッチ距離検出部と、前記回折格子
    が移動する特定の期間毎に前記1相離散化信号が移動し
    た個数である移動パルス数を検出して前記回折格子の半
    ピッチ長以下の長さである端数ピッチ距離を検出する端
    数ピッチ距離検出部と、前記整数ピッチ距離と端数ピッ
    チ距離の和から寸法を算出する寸法算出部とを有するこ
    とを特徴とする回折格子の回折光干渉を用いた寸法測定
    装置。
  6. 【請求項6】 前記の端数ピッチ距離検出部は、前記回
    折格子の移動開始点と移動停止点の各々の近傍で格子半
    ピッチ間を移動する期間毎に前記1相離散化信号が移動
    した個数である第1の移動パルス数を検出して記憶する
    第1の移動パルス数検出部と、前記回折格子の移動開始
    点から次の格子基準位置までの移動期間及び移動停止点
    の直前の格子基準位置から移動停止点までの移動期間の
    各々について格子半ピッチ長以下の距離を移動する期間
    に前記1相離散化信号が移動した個数である第2の移動
    パルス数を検出して記憶する第2の移動パルス数検出部
    と、前記第1の移動パルス数の変化を演算処理して前記
    回折格子の移動開始位置の直後と移動停止位置の直前の
    各々について格子半ピッチ間を移動すると仮定したとき
    の格子移動個数である基準移動パルス数を推定する基準
    移動パルス数推定部と、前記第2の移動パルス数と前記
    基準移動パルス数の比の値を算出する移動パルス数比算
    出部とを備え、前記回折格子の移動開始点と停止点にお
    ける格子半ピッチ長以下の移動距離を検出するように構
    成されていることを特徴とする請求項5に記載の回折格
    子の回折光干渉を用いた寸法測定装置。
  7. 【請求項7】 前記の端数ピッチ距離検出部において、
    前記1相離散化信号から前記第1の移動パルス数と第2
    の移動パルス数を検出するとき、該離散化信号の強度の
    差分値を検出して差分強度信号を作成し、該差分強度信
    号のピーク強度位置を前記第1の移動パルス数と第2の
    移動パルス数のカウント動作位置となる格子基準位置と
    することを特徴とする請求項6に記載の回折格子の回折
    光干渉を用いた寸法測定装置。
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