JP2016008903A - ディジタルスケールの表示制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 測定対象物の計測値を表示する上での表示精度を向上できると共に、装置の動作速度、応答性の迅速化を図ることができるようにする。
【解決手段】 ディジタルスケール1を用いて測定対象物100を計測し、カウンタ16から第1の相対変位量X1を算出する。位相・補正値算出部21は、信号VAD,VBDの大小比較を行うことにより一周期内での位相情報(区間♯1〜♯8)と第2の相対変位量X2とを算出する。変位補正値算出部22は、信号VAD,VBDの比率Raと区間♯1〜♯8とに基づいて第3の相対変位量X3を算出する。計測値表示処理部23は、カウンタ16による入力周波数fが判定値faを越えるか否かで、第1の相対変位量X1に対して第2,第3の相対変位量X2,X3を選択的に加算し、その合計値に従って表示器11における計測値の表示処理を行う。
【選択図】 図4

Description

本発明は、例えば工作機械における移動テーブルの変位量、各種工業材料や部品の厚さ、表面荒さ等を計測するのに好適に用いられるディジタルスケールの表示制御装置に関する。
一般に、工業部品の寸法、表面荒さ等を計測したり、工作機械における移動テーブルの変位量等を計測したりするのに、光学式ディジタルスケールを用いることは知られている。この種の従来技術による光学式ディジタルスケールは、測定対象物の形状または変位等に応じて軸方向に移動(変位)する計測部と、発光素子および受光素子からなる信号発生装置とを備え、この信号発生装置は、前記計測部の変位に従って位相が1/4ピッチずれた2つの検出信号を発生させる。これらの検出信号は、前記計測部の変位量に応じて変化するので、前記測定対象物の計測値として取り出すことができ、これを表示器によりディジタル表示するものである(例えば、特許文献1参照)。
また、例えばリニアエンコーダまたはロータリエンコーダ等の相対移動変位量検出装置として、所定の位相差を有する検出器からの擬似正弦波信号を入力し、この擬似正弦波の周期よりも短い周期のパルスを計数することによって移動変位量を算出する抵抗分割方式を採用したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−248850号公報 特開2003−214836号公報
ところで、特許文献1による従来技術では、測定対象物の計測精度を高めようとすると、計測値の表示制御を行うための演算処理に時間が掛かって動作速度が遅くなり、装置の応答性向上を図るのが難しいという問題がある。
また、特許文献2による従来技術では、検出精度を向上させるために入力波形の分割数を増やすと、倍周回路のハードウェア規模が大きくなってしまう。例えば、同一の光学式ディジタルスケールを使用した場合を想定すると、波形分割数を4倍にしたときに、コンパレータの数は10回路から40回路へと大幅に増加する。しかも、波形分割数を増やすことにより変位量に対するパルス数が増加するため、倍周回路の回路遅延により正常に計測できる変化速度の上限が低下するという問題がある。
さらに、倍周回路で使用している比較手段のヒステリシスコンパレータは、数十〜数百mVの電圧差を比較する必要があるため、精度の高い部品が必要になってコストアップを招く。また、抵抗分割方式により位相の異なる擬似正弦波を生成しているため、入力波形のノイズにより、比較手段の複数のヒステリシスコンパレータが同時にON/OFFすることがあり、入力信号にエラーが発生し易くなって、計測誤差が生じ易いという問題がある。
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、測定対象物の計測値を表示する上での表示精度を向上できると共に、装置の動作速度、応答性の迅速化を図ることができるようにしたディジタルスケールの表示制御装置を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、変位可能な計測部を有した光学式ディジタルスケールを用いて測定対象物の計測を行い、前記計測部の変位量を前記測定対象物の計測値として表示器によりディジタル表示するディジタルスケールの表示制御装置に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記計測部の変位に従って位相が1/4ピッチずれた2つの検出信号を発生させる信号発生装置と、該信号発生装置からの各検出信号に対し夫々の信号波形の変化に基づいてカウントアップ動作とカウントダウン動作を行うことにより前記測定対象物の計測値をカウンタ計数値として出力するカウンタと、前記カウンタと並列して動作し、前記各検出信号の波形をディジタル波形にA/D変換するA/D変換器と、A/D変換された2つのディジタル信号の中心電圧と振幅を一致させるように波形整形を行う波形整形部と、波形整形された前記2つのディジタル信号から前記信号波形の一周期内での位相情報と該位相情報に基づいた第1の変位補正値とを算出する位相・補正値算出部と、波形整形された前記2つのディジタル信号の信号値を比較演算し、前記第1の変位補正値よりも微細な第2の変位補正値を算出する変位補正値算出部と、前記カウンタによる単位時間当たりのカウンタ計数値から前記各検出信号の入力周波数を算出し、この入力周波数の周波数範囲に基づいて前記表示器における計測値の表示処理を行う計測値表示処理部とを備え、該計測値表示処理部は、前記入力周波数が予め決められた判定周波数を越えるか否かにより、前記カウンタの計数値に対して前記第1,第2の変位補正値を選択的に加算し、その合計値に従って前記表示器における計測値の表示処理を行う構成としたことにある。
請求項2の発明によると、前記位相・補正値算出部は、波形整形された前記2つのディジタル信号の信号値の大小比較を行うことにより前記位相情報と前記第1の変位補正値とを算出する構成としている。
請求項3の発明によると、前記変位補正値算出部は、波形整形された前記2つのディジタル信号の信号値を比較して両信号値の比率を演算し、前記位相情報と前記信号値の比率とに基づいて前記第2の変位補正値を算出する構成としている。
請求項4の発明によると、前記計測値表示処理部は、前記入力周波数が零以上で、前記判定周波数以下のときに、前記カウンタの計数値と前記第2の変位補正値との合計値に従って前記表示器における計測値の表示処理を行い、前記入力周波数が前記判定周波数を越えたときには、前記カウンタの計数値と前記第1の変位補正値との合計値に従って前記表示器における計測値の表示処理を行う構成としている。
請求項5の発明によると、前記計測値表示処理部は、前記入力周波数が前記判定周波数を越えたときに前記表示器における計測値の表示を、その最下桁が数値ではない表示に切り替える構成としている。
請求項6の発明によると、前記計測値表示処理部は、前記入力周波数が前記判定周波数を越えたときに前記表示器における計測値の表示を、その最下桁が非表示となるように切り替える構成としている。
本発明によると、前記第1の変位補正値と第2の変位補正値は、0以上で、前記光学式ディジタルスケールの位相ピッチに対して予め決められたピッチ以下の範囲の値である。
また、本発明によると、前記第1の変位補正値と第2の変位補正値は、0以上で、前記光学式ディジタルスケールの位相ピッチに対して1/4ピッチ以下の範囲の値である。
請求項1の発明は、光学式ディジタルスケールを用いて測定対象物の計測を行うことにより、前記測定対象物の計測値をカウンタ計数値として取出し、この上で、位相・補正値算出部は、2つのディジタル信号から信号波形の一周期内での位相情報と該位相情報に基づいた第1の変位補正値とを算出することができる。変位補正値算出部は、前記2つのディジタル信号の信号値を比較演算し、前記第1の変位補正値よりも微細な値(例えば、μmオーダに対して小数点以下となる最下桁を含んだ数値)である第2の変位補正値を算出することができる。そして、計測値表示処理部は、カウンタによる入力周波数が判定周波数を越えるか否かにより、前記カウンタの計数値に対して前記第1,第2の変位補正値を選択的に加算し、その合計値に従って前記表示器における計測値の表示処理を行うことができる。
請求項2の発明によると、位相・補正値算出部は、2つのディジタル信号の信号値の大小比較を行うことにより信号波形の一周期内での位相情報と該位相情報に基づいた第1の変位補正値とを算出することができる。第1の変位補正値は、例えばμm(ミクロン)オーダに対して小数点以下となる最下桁を含まない補正値として、計測値表示処理部によりカウンタの計数値に対して加算処理され、測定対象物の計測値を補正することができる。
請求項3の発明によると、変位補正値算出部は、2つのディジタル信号の信号値を比較して両信号値の比率を演算し、当該信号値の比率と前記位相情報とに基づいて前記第1の変位補正値よりも微細な第2の変位補正値を算出することができる。第2の変位補正値は、例えばμm(ミクロン)オーダに対して小数点以下となる最下桁を含んだ補正値として、計測値表示処理部によりカウンタの計数値に対して加算処理され、測定対象物の計測値を補正することができる。
請求項4の発明によると、計測値表示処理部は、入力周波数が零以上で判定周波数以下のときに、カウンタの計数値と第2の変位補正値との合計値に従って表示器における計測値の表示処理を行うことができ、前記入力周波数が判定周波数を越えたときには、前記カウンタの計数値と前記第1の変位補正値との合計値に従って前記表示器における計測値の表示処理を行うことができる。
請求項5の発明によると、計測値表示処理部は、入力周波数が判定周波数を越えたときにカウンタの計数値と第1の変位補正値との合計値に従って計測値の表示処理を行うことにより、表示器における計測値の表示を、例えばμm(ミクロン)オーダに対して小数点以下となる最下桁の表示を数値ではない表示に切り替えることができ、ディジタルスケールの使用者に対して前記小数点以下の計測値は不確定であることを知らせることができる。
請求項6の発明によると、例えば小数点以下となる最下桁を非表示となるように切り替えることにより、前記小数点以下の計測値が不確定であることを積極的に知らせることができる。
また、本発明は、第1の変位補正値と第2の変位補正値を光学式ディジタルスケールの位相ピッチに対して予め決められたピッチ以下で、0以上の範囲の値とすることができる。さらに、本発明では、第1の変位補正値と第2の変位補正値を0以上で、1/4ピッチ以下の範囲の値とすることができる。
本発明の実施の形態によるディジタルスケールの表示制御装置を示す全体構成図である。 図1のディジタルスケールに内蔵された信号発生装置を模式的に示す斜視図である。 信号発生装置から出力される2つの検出信号を示す特性線図である。 表示制御装置の内部構成を示す制御ブロック図である。 2つの検出信号に基づくディジタル信号VAD,VBD、2値信号LA ,LB の特性、第1の相対変位量X1、位相情報の区間♯1〜♯8および第2,第3の相対変位量X2,X3を示す特性線図である。 ディジタルスケールの表示制御装置による表示制御処理を示す流れ図である。 図6中の区間(位相情報)と相対変位量X2の算出処理を示す流れ図である。 図6中の周波数判定処理を示す流れ図である。 区間(位相情報)の判定条件と第2の相対変位量X2との関係を示すテーブル図である。 第3の相対変位量X3を算出する演算テーブルを示す図である。
以下、本発明の実施の形態によるディジタルスケールの表示制御装置を添付図面の図1ないし図10に従って詳細に説明する。
図において、1は本実施の形態で採用した光学式ディジタルスケールで、該ディジタルスケール1は、その外殻を構成するスケール本体2と、該スケール本体2から軸方向(例えば、図1中の下向き)に突出した筒状のステム3と、該ステム3から軸方向下向きに突出して設けられた計測部としてのスピンドル4とを含んで構成されている。スピンドル4は、ステム3内に軸方向に変位可能に取付けられ、測定対象物100の形状に応じて図1中の矢示A方向に変位する。測定対象物100は、例えば図1中の矢示B方向に移動されるものである。
ディジタルスケール1のスケール本体2内には、図2に模式的に示す信号発生装置5が設けられている。信号発生装置5は、スケール本体2内に固定して設けられる固定スリット6と、スケール本体2内に変位可能に設けられ該固定スリット6に対して相対移動可能に重合わせるように配置された可動スリット7と、一対の発光素子8A,8Bおよび一対の受光素子9A,9Bとを含んで構成されている。ここで、一対の発光素子8A,8Bと一対の受光素子9A,9Bとは、固定スリット6および可動スリット7を挟んで互いに対向する位置に配置されている。そして、一方の発光素子8Aから発射された光は、一方の受光素子9Aにより受光され、他方の発光素子8Bからの光は、他方の受光素子9Bによって受光される。
信号発生装置5の可動スリット7は、図1に示すスピンドル4が矢示A方向に変位するときに、これに追随して同方向(例えば、矢示A方向)へと変位する。このため、可動スリット7の各スリット位置は、固定スリット6の各スリット位置に対してスピンドル4の変位分だけ異なる位置となり、受光素子9A,9Bの受光量は、スピンドル4の変位量に対応して変化する。これにより、信号発生装置5は、受光素子9Aで受光した信号を、例えば図3に示す正弦波の検出信号VA として取出すことができ、受光素子9Bで受光した信号を、例えば図3に示す正弦波の検出信号VB として取出すことができる。
換言すると、信号発生装置5は、例えばガラス板からなる固定スリット6と可動スリット7との重合わせにより生じるモレア縞の濃淡を、フォトセル等からなる受光素子9A,9Bにより電圧値に変換して図3に示す正弦波の検出信号VA ,VB を出力することができる。この場合、測定対象物100の形状に応じてスピンドル4が軸方向に変位すると、モレア縞は可動スリット7の格子ピッチを1周期として明暗を繰り返し、検出信号VA ,VB は、下記の数1,2式のように計測部(即ち、スピンドル4)の変位に従って位相が1/4ピッチずれた正弦波信号として調整されている。
Figure 2016008903
Figure 2016008903
ここで、数1,2式の検出信号VA ,VB は、モアレ縞の濃淡変化に相当する振幅Ka ,Kb と、光学式ディジタルスケール1の可動部分(即ち、スピンドル4)の変位量に相当する相対変位量Xsと、格子ピッチの長さLと、オフセット電圧Vo1, Vo2とを含んで求められるものである。検出信号VA ,VB は、互いに位相が1/4ピッチ(即ち、π/2)だけずれた正弦波信号となっている。図3の縦軸は、電圧Vであり、横軸は相対変位量Xsとなっている。
本実施の形態では、格子ピッチの長さLを8μmに設定しており、検出信号VA ,VB は、図3中に示す特性線10A,10Bの如く、1ピッチが8μmとなる周期で正弦波の波形を繰り返すようになっている。図3中に示す特性線10A,10Bにおいて、正弦波中の縦じま模様をなす線分は、任意の相対変位量Xsに対する検出信号VA ,VB の信号値(電圧V)をそれぞれ示し、これらの信号値は電圧値として取出されるものである。
11は測定対象物100の計測値をディジタル表示する表示器で、該表示器11は、例えば液晶画面等を用いて構成されている。そして、表示器11は、光学式ディジタルスケール1を用いて測定対象物100の計測を行ったときに、スピンドル4の変位量に相当する相対変位量Xs(具体的には、後述の数11,12式による相対変位量Xr)を測定対象物100の計測値としてディジタル表示するものである。
12は本実施の形態で採用した表示制御装置を示し、該表示制御装置12は、図4に示すように、光学式ディジタルスケール1からの検出信号VA ,VB をフィルタ処理する2つのローパスフィルタ13A,13B(以下、LPF13A,13Bという)と、該LPF13A,13Bを通した検出信号VA ,VB を整形しカウンタ入力としての2値信号LA ,LB (図5中に示す特性線28A,28B参照)を出力する2つのヒステリシスコンパレータ14A,14Bと、マイクロコントローラ15とを含んで構成されている。
表示制御装置12は、図1に示すようにROM,RAM及び/又は不揮発性メモリ等からなる記憶部12Aを有している。この記憶部12Aには、後述の波形整形部20A,20B、位相・補正値算出部21、変位補正値算出部22および計測値表示処理部23におけるソフトウェア処理を行うためのプログラム、図6〜図8に示す流れ図に対応した処理プログラム、図9および図10に示すテーブルに対応したマップ等が更新可能に格納されている。
マイクロコントローラ15は、後述のカウンタ16、相対変位量X1の演算部17、サンプルホールド回路18A,18B、A/D変換器19A,19B、波形整形部20A,20B、位相・補正値算出部21、変位補正値算出部22および計測値表示処理部23を含んで構成されている。
位相差パルスカウント機能を有するカウンタ16は、ヒステリシスコンパレータ14A,14Bから入力される2値信号LA ,LB (図5の特性線28A,28B)に対し、夫々の信号波形の変化に基づいてカウントアップ動作とカウントダウン動作を行うことにより、測定対象物100の計測値をカウンタ計数値(以下、計数値Cnという)として出力する。
この計数値Cnは、格子ピッチの長さLの1/4(例えば、L=8μmで、L/4=2μm)を最小単位とするカウント値となる。相対変位量X1の演算部17は、後述の数11,12式に示すように、測定対象物100の計測値(相対変位量Xr)の大枠を決める第1の相対変位量X1を、カウンタ16の計数値Cnに基づいて下記の数3式により算出する。
Figure 2016008903
サンプルホールド回路18A,18BとA/D変換器19A,19Bとは、カウンタ16と並行(並列)して動作し、LPF13A,13Bを通した前記検出信号VA ,VB の波形をディジタル波形にA/D変換する。A/D変換器19A,19BによりA/D変換された2つのディジタル信号VAD,VBDは、下記の数4,5式で表される。ディジタル信号VAD,VBDは、前記数1,2式中の振幅Ka ,Kb をソフトウェア処理によりスケーリングし、オフセット電圧Vo1, Vo2を零とすることで下記のように記載することができる。振幅値Kdは、ソフトウェア処理によるものである。
Figure 2016008903
Figure 2016008903
波形整形部20A,20Bは、ディジタル信号VAD,VBDの中心電圧と振幅を一致させるように、ソフトウェア処理によって波形整形を行うものである。ソフトウェア処理によるスケーリングやオフセット除去の波形整形方法は、例えば特開2007−178170号公報等に記載のように既知の技術を用いて行うことができる。図1に示すように、光学式ディジタルスケール1を表示制御装置12に接続した状態で、個別に校正等を行うことによって補正の計数等を決定する方法もある。
図5中のディジタル信号VAD,VBDは、特性線29A,29Bに沿った正弦波曲線として示されているが、実際には縦じま模様(図3中の信号値参照)をなすディジタル信号の信号値として表されるものである。また、図5中の特性線30A,30Bは、ディジタル信号VAD,VBDの正負を反転させたディジタル信号−VAD,−VBDの特性を表している。
位相・補正値算出部21は、波形整形された2つのディジタル信号VAD,VBDの信号値の大小比較を行うことにより、前記信号波形の一周期(例えば、格子ピッチの長さL=8μm)内での位相情報としての8個の区間♯1〜♯8(図5、図9参照)と、それぞれの区間♯1〜♯8(位相情報)に基づいた第1の変位補正値である第2の相対変位量X2とを算出する。位相・補正値算出部21は、後述の図7に示す流れ図に沿って区間(位相情報)と第2の相対変位量X2とを算出するものである。
前記数1,2式による検出信号VA,VBは、真の相対変位量Xsに対して、格子ピッチの長さLを1周期とする波形であり、任意の相対変位量Xsは、整数値N(例えば、N=0,1,2,3,…)、格子ピッチの長さL(例えば、L=8μm)以下の相対変位量Xoに対して下記の数6式で表すことができる。
Figure 2016008903
後述の図7の流れ図に沿ってディジタル信号VAD,VBDの信号値(電圧値)を比較することにより、例えば図9に示すテーブル31のように、上記の相対変位量Xoが、格子ピッチの長さLを8分割した区間♯1〜♯8のいずれに含まれているかを、位相情報として求めることができる。位相・補正値算出部21は、位相情報(即ち、図9に示すテーブル31の区間♯1〜♯8)を特定した後、カウンタ16による相対変位量X1の検出精度以下の相対変位量X2を、それぞれの区間♯1〜♯8毎にテーブル31により算出する。
カウンタ16による計数値Cnは、格子ピッチの長さL/4を最小単位として増減するため、相対変位量X2を値0、または値L/8のいずれかとする。例えば、L=8μm、図9中の区間♯2「L/8≦Xo<2L/8」、区間♯4「3L/8≦Xo<4L/8」、区間♯6「5L/8≦Xo<6L/8」、区間♯8「7L/8≦Xo<L」の場合は、相対変位量X2が1μm(X2=L/8=1μm)となる。また、図9中の区間♯1「0≦Xo<L/8」、区間♯3「2L/8≦Xo<3L/8」、区間♯5「4L/8≦Xo<5L/8」、区間♯7「6L/8≦Xo<7L/8」の場合は、相対変位量X2が0μm(X2=0μm)となる。
相対変位量X2の算出処理は、比較的簡単なアルゴリズムで実現できるため、100MHzクロックの組込みマイコンを使用して、1マイクロ秒(μsec)以内の処理が可能であり、通常の使用範囲である相対変位量の速度1m/secまで対応が可能である。図7中の処理(ステップ50)で算出エラーとなった場合、ディジタル信号VAD,VBDの信号値が入力のノイズにより前記数4,5式に従っていないので、この場合の相対変位量X2は前回計算した値を維持する。
第1の変位補正値としての第2の相対変位量X2は、カウンタ16による第1の相対変位量X1を後述の数12式による相対変位量Xrの如く合計して補正する補正値であり、例えばμm(ミクロン)オーダに対して小数点以下となる最下桁を含まない数値(相対変位量Xr)として、第1の相対変位量X1を補正するものである。本実施の形態では、相対変位量X2を値0、または値L/8のいずれかとしている。しかし、本発明はこれに限らず、第2の相対変位量X2は、光学式ディジタルスケール1の位相ピッチ、即ち格子ピッチの長さL(L=8μm)に対して予め決められたピッチ以下の範囲の値、好ましくは1/4ピッチ以下の範囲の値に設定されている。
変位補正値算出部22は、前述の如く波形整形された2つのディジタル信号VAD,VBDの信号値(電圧値)を比較して両信号値の比率Raを下記の数7式または数8式の如く演算する。この上で、変位補正値算出部22は、信号値の比率Raと前記位相情報(即ち、図9に示すテーブル31の区間♯1〜♯8)とに基づいて図10に示す演算テーブル32により第2の相対変位量X2(第1の変位補正値)よりも微細な第2の変位補正値を第3の相対変位量X3として算出する。
Figure 2016008903
Figure 2016008903
但し、比率Raは、Ra≧1の数値で表されるものであり、ディジタル信号VADの絶対値がディジタル信号VBDの絶対値よりも大きい場合、即ち|VAD|>|VBD|の場合には、前記数7式によって比率Raを求める。また、ディジタル信号VBDの絶対値がディジタル信号VADの絶対値よりも大きい場合、即ち|VBD|>|VAD|の場合には、前記数8式によって比率Raを求めるものである。
図10に示す演算テーブル32は、下記の数9式による演算を行うことにより予め作成している。カウンタ16の計数値Cnは、格子ピッチの長さL/4を最小単位として増減するため、第2の変位補正値としての相対変位量X3は、範囲(0≦X3<L/4)、即ち、0≦X3<2として値を決定する。また、計算を高速化するため、前述した位相情報(即ち、図9に示すテーブル31の区間)毎に値を決定する方式としている。
Figure 2016008903
図10に示す演算テーブル32は、比率Raの数値例を合計20個の数値(1.081△≦Ra≦25.45△)で示している。しかし、これらの数値例は、その一部を代表例として示したもので、例えば約80〜160個の数値(前記数7,8式の演算による数値)が比率Raの欄にそれぞれ書込まれ、これらの数値を含んで演算テーブル32は予め作成されている。
第2の変位補正値としての第3の相対変位量X3は、カウンタ16による第1の相対変位量X1を後述の数11式による相対変位量Xrの如く合計して補正する補正値であり、例えばμm(ミクロン)オーダに対して小数点以下となる最下桁を含んだ数値(相対変位量Xr)として第1の相対変位量X1を補正するものである。第3の相対変位量X3は、光学式ディジタルスケール1の位相ピッチ、即ち格子ピッチの長さL(L=8μm)に対して予め決められたピッチ以下の範囲の値、好ましくは1/4ピッチ以下の範囲の値に設定されている。
計測値表示処理部23は、カウンタ16による単位時間当たりのカウンタ計数値から各検出信号(即ち、図5中の特性線28A,28Bによる2値信号LA ,LB )の入力周波数fを算出し、この入力周波数fの周波数範囲に基づいて表示器11における計測値の表示処理を行うものである。ここで、計測値表示処理部23は、図4に示すように、周波数判定部24、補正値選択部25、加算処理部26および表示処理部27を含んで構成されている。
周波数判定部24は、後述の図8に示す周波数判定処理をサブルーチンとして行い、入力周波数fが予め決められた判定周波数fa(以下、判定値faという)を越えたときに、最下桁無効フラグFをF=1として出力する。光学式ディジタルスケール1を用いる場合、0.1μmのオーダで検出精度を確保できるようにするため、相対変位量X3は格子ピッチの長さL(L=8μm)に対し、L/80を最小単位とするよう設計する。相対変位量X3の算出は、例えば100MHzクロックの組込みマイコンを使用して、10μsec以内の処理となるため、下記の数10式で示す処理速度(0.01m/sec)以下の変化量まで応答が可能である。
Figure 2016008903
周波数判定部24は、例えば0.1秒(sec)毎にカウンタ16の計数値Cnを取得し、前,後の計数値Cnの差分が一例として5000カウント/secを越えるときに、相対変位量X3の算出値が無効であると判定し、最下桁(0.1μmの桁)無効フラグFを「F=1」として出力する。例えば、測定対象物100の形状が大きく変わり、ディジタルスケール1のスピンドル4が急激に大きく変位するような場合に、入力周波数fは判定値faを越えることがある。
本実施の形態によると、カウンタ16は、2μm毎に計数値Cnが歩進され、一周期が8μmに設定されているため、入力周波数fが判定値fa(一例としては、fa=5000×2/8=1250Hz)を越えたときに、最下桁無効フラグFを「F=1」として出力する。入力周波数fが零以上で判定値fa以下のときには、相対変位量X3の算出値が有効であると判定し、最下桁無効フラグFを「F=0」として出力する。
補正値選択部25は、周波数判定部24から出力される最下桁無効フラグFが「0」または「1」であるかにより、第1,第2の変位補正値としての相対変位量X2,X3のいずれかを補正値として選択する。即ち、最下桁無効フラグFがF=0のときには、相対変位量X3を補正値として選択し、F=1のときには、相対変位量X2を補正値として選択する。このとき、加算処理部26は、補正値選択部25の選択処理に従って下記の数11,12式による加算処理を行い、相対変位量X1,X2,X3から表示器11でディジタル表示する計測値を相対変位量Xrとして算出する。
Figure 2016008903
Figure 2016008903
ここで、相対変位量Xrは、前述した数4,5式中の真の相対変位量Xsに対して表示器11でディジタル表示可能な数値を表し、真の相対変位量Xsに対する近似値(Xs≒Xr)となって、測定対象物100の計測値を表示処理部27を介して表示器11によりディジタル表示させる。表示処理部27は、加算処理部26の処理結果に従って相対変位量Xrを表示器11によりディジタル表示させるものである。このように、計測値表示処理部23は、カウンタ16による単位時間当たりのカウンタ計数値から各検出信号(図5中の2値信号LA ,LB )の入力周波数fを算出し、この入力周波数fの周波数範囲に基づいて表示器11における計測値の表示処理を行う。
本実施の形態による光学式ディジタルスケール1の表示制御装置12は、上述の如き構成を有するもので、次に、光学式ディジタルスケール1を用いて測定対象物100の計測を行う場合の制御動作について説明する。
まず、光学式ディジタルスケール1を用いて測定対象物100の計測を行う場合に、予め零点調節を行い、真の相対変位量Xsが零(Xs=0)の状態では、数4式によるディジタル信号VADの信号値(電圧)が零となり、数5式によるディジタル信号VBDの信号値(電圧)が最大値となるように調整すると共に、カウンタ16の計数値Cnは、Cn=0として設定される。
次に、図1中の矢示B方向に測定対象物100を移動させると、これに追従してディジタルスケール1のスピンドル4が矢示A方向に変位する。これにより、ディジタルスケール1の信号発生装置5からは、例えば図3に示す特性線10A,10Bのように、正弦波の検出信号VA ,VB が出力される。この場合、検出信号VA ,VB は、前述した数1,2式のように計測部(即ち、スピンドル4)の変位に従って位相が1/4ピッチずれた正弦波信号として調整されている。
図4に示す表示制御装置12は、LPF13A,13Bを通した検出信号VA ,VB を2つのヒステリシスコンパレータ14A,14Bにより整形して2値信号LA ,LB を図5に示す特性線28A,28Bのように発生させ、これをカウンタ16に出力する。カウンタ16は、2値信号LA ,LB の信号波形の変化に基づいた計数値Cnを出力し、次の演算部17によりカウンタ16の計数値Cnに基づいた第1の相対変位量X1を、前記数3式の如く、X1=2Cnとして算出させる。
ここで、光学式ディジタルスケール1の計測値を表示する表示制御装置12の表示制御処理について、図6〜図8を参照して説明する。
図6の処理動作がスタートすると、ステップ1でカウンタ16の計数値Cnを読込み、次のステップ2では、第1の相対変位量X1を数3式の如く、X1=2Cnとして算出する。次のステップ3では、前記数4,5式によるディジタル信号VAD,VBDを読込む。そして、次のステップ4では、前記位相・補正値算出部21による区間(位相情報)と第2の相対変位量X2との算出処理を、後述の図7に示す流れ図に沿って実行する。
次のステップ5では、計測値表示処理部23の周波数判定部24による判定処理を後述の図8に示す流れ図に沿って実行する。次のステップ6では、最下桁無効フラグFが、F=0であるか否かを判定し、「YES」と判定したときには、最下桁(0.1μmのオーダ)が有効な表示となるように演算速度、または演算時間を確保することができるので、次のステップ7に移る。
そして、ステップ7では、前記ディジタル信号VAD,VBDの絶対値を比較して判定処理を行い、「YES」と判定したときには、ディジタル信号VADの絶対値がディジタル信号VBDの絶対値よりも大きい(|VAD|>|VBD|)場合であるから、次のステップ8で前記数7式による比率Raを求める。また、ステップ7で「NO」と判定したときには、ディジタル信号VBDの絶対値がディジタル信号VADの絶対値よりも大きい(|VBD|>|VAD|)場合であるから、次のステップ9で前記数8式による比率Raを求める。
次のステップ10では、図10に示す演算テーブル32を用いて、比率Raと区間(位相情報)とから第2の変位補正値としての相対変位量X3を算出する。ここで、第3の相対変位量X3は、前述した位相情報(即ち、図9に示すテーブル31の区間♯1〜♯8)毎に値を決定するため、その演算に要する時間を短縮し、計算を高速化することができる。
次のステップ11では、表示器11でディジタル表示可能な計測値としての相対変位量Xrを、前記数11式によるXr=X1+X3として算出する。次のステップ12では、このときの相対変位量Xrを計測値として表示器11によりディジタル表示させ、次のステップ13でリターンする。
一方、ステップ6で「NO」と判定したときには、最下桁無効フラグFが、F=1となって、相対変位量X3の算出値が無効であると判定でき、最下桁(0.1μmのオーダ)の表示精度を確保できない場合である。そこで、この場合は、次のステップ14で、表示器11によりディジタル表示可能な計測値としての相対変位量Xrを、前記数12式によるXr=X1+X2として算出する。次のステップ12では、このときの相対変位量Xrを計測値として表示器11によりディジタル表示させ、次のステップ13でリターンする。
次に、図7を参照して、前記位相・補正値算出部21による区間(位相情報)と第2の相対変位量X2との算出処理について説明する。なお、以下の説明においては、ディジタル信号VAD,VBDの信号値を、簡略化して信号VAD,VBDとして記載するものとする。
まず、ステップ21では、前記ステップ3で読込んだ信号VADが正の値(VAD>0)であるか否かを判定し、「YES」と判定したときには、次のステップ22で信号VBDが正の値(VBD>0)であるか否かを判定する。そして、ステップ22で「YES」と判定したときには、次のステップ23で信号VADが信号VBDよりも小さい(VAD<VBD)か否かを判定する。
そして、ステップ23で「YES」と判定したときには、次のステップ24で位相情報(即ち、図5、図9に示す区間♯1)を「0≦Xo<L/8」として特定し、次のステップ25では、第1の変位補正値としての第2の相対変位量X2を、X2=0μmとして算出する。その後はステップ26でリターンする。
また、ステップ23で「NO」と判定したときには、信号VADが信号VBD以上(VAD≧VBD)の場合である。そこで、次のステップ27では、位相情報(即ち、図5、図9に示す区間♯2)を「L/8≦Xo<2L/8」として特定し、次のステップ28では、第2の相対変位量X2を、X2=1μmとして算出する。そして、その後はステップ26でリターンする。
一方、ステップ22で「NO」と判定したときには、次のステップ29で信号VADが信号−VBDよりも大きい(VAD>−VBD)か否かを判定する。そして、ステップ29で「YES」と判定したときには、次のステップ30で位相情報(即ち、図5、図9に示す区間♯3)を「2L/8≦Xo<3L/8」として特定し、次のステップ31では、第2の相対変位量X2を、X2=0μmとして算出する。そして、その後はステップ26でリターンする。
また、ステップ29で「NO」と判定したときには、信号VADが信号−VBD以下(VAD≦−VBD)の場合である。そこで、次のステップ32では、信号VBDが負の値(VBD<0)であるか否かを判定する。そして、ステップ32で「YES」と判定したときには、次のステップ33で位相情報(即ち、図5、図9に示す区間♯4)を「3L/8≦Xo<4L/8」として特定し、次のステップ34では、第2の相対変位量X2を、X2=1μmとして算出する。そして、その後はステップ26でリターンする。
一方、ステップ32で「NO」と判定したときには、信号VBDが零または正の値(VBD≧0)であり、該当区間がないので、この場合は、後述のステップ50に移って算出エラーとして処理する。即ち、このような場合は、信号VAD,VBDが入力のノイズ等の影響により前記数4,5式に従っていない場合であり、この場合の相対変位量X2は前回計算した値を維持する。
一方、ステップ21で「NO」と判定したときには、次のステップ35で信号VADが負の値(VAD<0)であるか否かを判定する。そして、ステップ35で「YES」と判定したときには、次のステップ36で信号VBDが負の値(VBD<0)であるか否かを判定する。そして、ステップ36で「YES」と判定したときには、次のステップ37で信号VADが信号VBDよりも大きい(VAD>VBD)か否かを判定する。そして、ステップ37で「YES」と判定したときには、次のステップ38で位相情報(即ち、図5、図9に示す区間♯5)を「4L/8≦Xo<5L/8」として特定し、次のステップ39では、第2の相対変位量X2を、X2=0μmとして算出する。そして、その後はステップ26でリターンする。
一方、ステップ37で「NO」と判定したときには、信号VADが信号VBD以下(VAD≦VBD)となっているので、次のステップ40で位相情報(即ち、図5、図9に示す区間♯6)を「5L/8≦Xo<6L/8」として特定し、次のステップ41では、第2の相対変位量X2を、X2=1μmとして算出する。そして、その後はステップ26でリターンする。
一方、ステップ36で「NO」と判定したときには、信号VBDが零または正の値(VBD≧0)であるので、次のステップ42では、信号−VADが信号VBDよりも大きい(−VAD>VBD)か否かを判定する。そして、ステップ42で「YES」と判定したときには、次のステップ43で位相情報(即ち、図5、図9に示す区間♯7)を「6L/8≦Xo<7L/8」として特定し、次のステップ39では、第2の相対変位量X2を、X2=0μmとして算出する。そして、その後はステップ26でリターンする。
一方、ステップ42で「NO」と判定したときには、信号−VADが信号VBD以下(−VAD≦VBD)となっているので、次のステップ45で信号VBDが正の値(VBD>0)であるか否かを判定する。そして、ステップ45で「YES」と判定したときには、次のステップ46で位相情報(即ち、図5、図9に示す区間♯8)を「7L/8≦Xo<L」として特定し、次のステップ47では、第2の相対変位量X2を、X2=1μmとして算出する。そして、その後はステップ26でリターンする。
また、ステップ45で「NO」と判定したときには、信号VBDが零(VBD=0)であり、この場合も該当区間がないので、ステップ50に移って算出エラーとして処理し、第2の相対変位量X2は前回計算した値を維持する。そして、その後はステップ26でリターンする。
一方、ステップ35で「NO」と判定したときには、信号VADが零(VAD=0)の場合であり、次のステップ48に移って信号VBDが正の値(VBD>0)であるか否かを判定する。そして、ステップ48で「YES」と判定したときには、前記ステップ24に移って位相情報(即ち、図5、図9に示す区間♯1)を「0≦Xo<L/8」として特定し、次のステップ25で第2の相対変位量X2を、X2=0μmとして算出する。
また、ステップ48で「NO」と判定したときには、信号VBDが零または負の値(VBD≦0)であり、次のステップ49で信号VBDが負の値(VBD<0)であるか否かを判定する。そして、ステップ49で「YES」と判定したときには、前記ステップ38に移って位相情報(即ち、図5、図9に示す区間♯5)を「4L/8≦Xo<5L/8」として特定し、次のステップ39で第2の相対変位量X2を、X2=0μmとして算出する。
また、ステップ49で「NO」と判定したときには、信号VBDが零(VBD=0)であり、この場合も該当区間がないので、ステップ50に移って算出エラーとして処理し、第2の相対変位量X2は前回計算した値を維持する。そして、その後はステップ26でリターンする。
次に、図8を参照して、計測値表示処理部23の周波数判定部24による判定処理について説明する。
まず、周波数判定処理がスタートすると、ステップ51で入力周波数fを読込む。この入力周波数fは、カウンタ16による単位時間当たりのカウンタ計数値(即ち、図5中の特性線28A,28Bによる2値信号LA ,LB のカウント値)により算出される。次のステップ52では、入力周波数fが前記判定値faに対して、0≦f≦faであるか否かを判定する。
ステップ52で「YES」と判定したときには、次のステップ53で最下桁無効フラグFを「F=0」として出力し、その後はステップ54でリターンする。一方、ステップ52で「NO」と判定したときには、例えば測定対象物100の形状が大きく変わって、ディジタルスケール1のスピンドル4が急激に変位することにより、入力周波数fが判定値faを越えているので、次のステップ55に移って最下桁無効フラグFを「F=1」に切換える。
かくして、本実施の形態によれば、最下桁無効フラグFが「F=0」のときには、表示器11でディジタル表示可能な計測値としての相対変位量Xrを、前記数11式によるXr=X1+X3として算出することができる。一方、最下桁無効フラグFが「F=1」に切換わったときには、相対変位量X3の算出値が無効となる可能性が高く、最下桁(0.1μmのオーダ)の表示精度を確保できない場合がある。そこで、このような場合には、表示器11によりディジタル表示可能な計測値としての相対変位量Xrを、前記数12式によるXr=X1+X2として算出することができる。
次に、本実施の形態による表示制御装置12の表示制御処理について、測定対象物100の計測値を一例として示した場合を説明する。
例えば、図5中に示す計測値は、相対変位量Xsが「11.33…μm」である場合を示し、測定対象物100の計測値は、図5中に実線で示す縦方向の直線33の位置となっている。この場合、2値信号LA ,LB の立上がり、立下がりによりカウンタ16は、計数値Cn=5となり、この計数値Cnは、2.0μm毎に歩進されるため、前記数3式による第1の相対変位量X1は、X1=10μmとして算出される。
また、測定対象物100の計測値は、図5中の直線33の位置となり、ディジタル信号VAD,VBDの信号値は、VAD>0,VBD<0,VAD≦−VBDであることから、これらの条件を満たす位相情報の区間は「♯4」として示され、図9中では区間「3/8L≦Xo<4/8L」となっている。これにより、図9に示すテーブル31からも、第1の変位補正値である第2の相対変位量X2は、X2=1μmとして算出される。
測定対象物100の計測値(図5中の直線33)の位置では、前記数4,5式によるディジタル信号VAD,VBDの信号値は、振幅値Kdを、Kd=511とすると、VAD=255、VBD=−442となる。そして、前記数8式により比率Raは、|VBD|÷|VAD|=1.7333として算出される。また、位相情報の区間は「♯4」として示され、図10中では区間は「3/8L≦Xo<4/8L」となっている。
これにより、図10に示す演算テーブル32から、比率Raが「1.7333」で、区間が「3/8L≦Xo<4/8L」となる参照値を、「1.33」として求め、この参照値「1.33」から第3の相対変位量X3を、X3=1.3μmとして算出することができる。そして、最下桁無効フラグFが、F=0のときには、表示器11でディジタル表示可能な計測値としての相対変位量Xrを、前記数11式によるXr=X1+X3、即ちXr=11.3μmとして算出することができる。そして、この場合の表示器11によるディジタル表示は、前記相対変位量Xrによる「11.3μm」、または「0.0113mm」として表示することができる。
一方、最下桁無効フラグFが「F=1」に切換わるような場合には、表示器11によりディジタル表示可能な計測値としての相対変位量Xrを、前記数12式によるXr=X1+X2、即ち、Xr=11.0μmとして算出することができる。そして、この場合の表示器11によるディジタル表示は、前記相対変位量Xrによる「11. μm」、または「0.011 mm」として、最下桁が無効であるアンダーバー表示とすることができる。
また、本実施の形態では、例えば入力信号である検出信号VA ,VB の振幅が低下した場合でも、例えば12ビットのA/D変換器19A,19Bを使用することで、十分な精度の取り込みを行うことができ、プログラムによる補間を用いることで、複数の入力点から位相の計算を行うことができるため、経年変化などによる光学式ディジタルスケール1の検出信号VA ,VB の振幅変化に強いという特徴がある。
かくして、本実施の形態によれば、光学式ディジタルスケール1を用いて測定対象物100の計測を行うことにより、測定対象物100の計測値をカウンタ計数値として取出し、前記数3式による第1の相対変位量X1を算出することができる。また、位相・補正値算出部21は、2つのディジタル信号VAD,VBDの信号値の大小比較を行うことにより前記信号波形の一周期内での位相情報(区間♯1〜♯8)と、該区間♯1〜♯8に基づいた第1の変位補正値(即ち、第2の相対変位量X2)とを算出することができる。
変位補正値算出部22は、2つのディジタル信号VAD,VBDの信号値を比較して両信号値の比率Raを演算し、当該信号値の比率Raと前記位相情報(区間♯1〜♯8)とに基づいて前記第1の変位補正値よりも微細で、例えば0.1μmのオーダで検出精度を確保できるようにした第2の変位補正値(即ち、第3の相対変位量X3)を算出することができる。
換言すると、第3の相対変位量X3は、0.1μmのオーダで検出精度を確保できるようにするため、格子ピッチの長さL(L=8μm)に対し、L/80を最小単位とするように設定されている。そして、計測値表示処理部23は、カウンタ16による入力周波数fが判定周波数(即ち、判定値fa)を越えるか否かにより、カウンタ16の計数値Cn(即ち、第1の相対変位量X1)に対して第2,第3の相対変位量X2,X3を選択的に加算し、その合計値に従って表示器11における計測値の表示処理を行うことができる。
この場合、計測値表示処理部23は、入力周波数fが零以上で判定値fa以下のときに、カウンタ16による第1の相対変位量X1と第3の相対変位量X3との合計値に従って、ディジタル表示可能な計測値としての相対変位量Xr(Xr=X1+X3)を表示器11により表示することができる。一方、入力周波数fが判定値faを越えたときには、カウンタ16による第1の相対変位量X1と第2の相対変位量X2との合計値に従って、計測値としての相対変位量Xr(Xr=X1+X2)を表示器11により表示することができる。
このように、計測値表示処理部23は、入力周波数fが判定値faを越えたときにカウンタ16の計数値Cnによる第1の相対変位量X1と第2の相対変位量X2(第1の変位補正値)との合計値に従って計測値の表示処理を行うことにより、表示器11における計測値の表示を、例えばμm(ミクロン)オーダに対して小数点以下となる最下桁の表示を数値ではない表示、一例としては最下桁をアンダーバー表示に切り替えることができ、ディジタルスケール1の使用者に対して小数点以下の計測値は不確定であることを知らせることができる。
なお、前記実施の形態では、入力周波数fが所定の判定値faを越えるようなときに、表示器11における計測値の表示のうち、その最下桁をアンダーバー表示にする場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばμm(ミクロン)オーダに対して小数点以下となる最下桁を非表示となるように切り替えてよく、数値以外の表示を行う構成としてもよい。これにより、ディジタルスケール1の使用者に対して小数点以下の計測値が不確定であることを積極的に知らせることができる。
また、判定周波数としての判定値faを、例えば1250Hzとした場合を例に挙げて説明したが、判定周波数はこれに限るものではなく、あくまでも変位補正値算出部22の演算処理速度等に応じて、判定周波数を適宜に変更する構成としてもよいものである。
一方、前記実施の形態では、位相・補正値算出部21により8個の区間♯1〜♯8(図5、図9参照)を位相情報として設定する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばディジタル信号VAD,VBDの信号波形の一周期(格子ピッチの長さL=aμm:但し,aは正の整数)に対し、a個の区間を位相情報として設定する構成としてもよい。
また、前記実施の形態では、変位補正値算出部22により算出される相対変位量X3の演算ないし検出精度を、変化速度0.01m/sec以下の場合に「格子ピッチの長さLの1/80」と構成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えばCPUの処理速度に応じて図9のテーブルの数値精度を向上したり、より高い変化速度に追従できる構成としてもよいものである。
また、前記実施の形態では、予め計算しておいた演算テーブル32を用いて変位補正値算出部22により相対変位量X3を算出する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えばハードウェア乗除算器により、三角関数の級数展開法等の手段を用いて第2の変位補正値としての相対変位量X3を算出する方法を採用してもよいものである。
さらに、前記実施の形態では、位相・補正値算出部21により、信号波形の一周期内での位相情報と該位相情報に基づいた第1の変位補正値(第2の相対変位量X2)とを算出する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば第1の変位補正値(第2の相対変位量X2)を算出することなく、位相情報のみを算出する位相算出部を、位相・補正値算出部21に代えて設ける構成とすることもできる。この場合には、変位補正値算出部22により算出した変位補正値(第3の相対変位量X3)を、前記数11式のようにカウンタ16による第1の相対変位量X1と加算して相対変位量Xrを算出し、表示処理部(即ち、測定値表示処理部)は相対変位量Xrを表示器によりディジタル表示させる構成としてもよい。
さらにまた、前記実施の形態では、光学式ディジタルスケール1を用いた測定対象物の計測作業場所に近い位置に、目視が可能な表示器11を配置する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限られるものでなく、例えば計測結果のデータを有線または無線通信により外部の遠隔地に設けられたパソコン(情報端末)等に送信する構成とすることもできる。一例として、計測器で一般的に用いられているBCDコードを使った場合は、「0」〜「9」の範囲の数字のみ用いることができる。このため、測定結果に、最下桁無効フラグFを示す数値を追加する構成としても良い。例えば、測定結果を表す相対変位量Xr=0.0113mmに対して、最下桁無効フラグFが「F=1」の場合には、BCDコード「“00”−“11”−“01”」を送信し、最下桁無効フラグFが「F=0」の場合には、BCDコード「“00”−“11”−“30”」を送信する。これにより、光学式ディジタルスケールによる測定対象物の計測結果を、遠隔操作によって情報端末等の表示器で表示処理することができる。
1 ディジタルスケール
4 スピンドル(計測部)
5 信号発生装置
10A,10B 特性線(検出信号の特性線)
11 表示器
12 表示制御装置
16 カウンタ
19A,19B A/D変換器
20A,20B 波形整形部
21 位相・補正値算出部
22 変位補正値算出部
23 計測値表示処理部
28A,28B 特性線(2値信号の特性線)
29A,29B 特性線(ディジタル信号の特性線)
31 テーブル
32 演算テーブル
100 測定対象物
Cn 計数値
f 入力周波数
fa 判定値(判定周波数)
L 格子ピッチの長さ(位相ピッチ)
VA ,VB 検出信号
VAD,VBD ディジタル信号
X1 第1の相対変位量
X2 第2の相対変位量(第1の変位補正値)
X3 第3の相対変位量(第2の変位補正値)
Xr 相対変位量(合計値)
Xs 相対変位量(真の相対変位量)
♯1〜♯8 区間(位相情報)
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記計測部の変位に従って位相が1/4ピッチずれた2つの検出信号を発生させる信号発生装置と、該信号発生装置からの各検出信号に対し夫々の信号波形の変化に基づいてカウントアップ動作とカウントダウン動作を行うことにより前記測定対象物の計測値をカウンタ計数値として出力するカウンタと、前記カウンタと並列して動作し、前記各検出信号の波形をディジタル波形にA/D変換するA/D変換器と、A/D変換された2つのディジタル信号(VAD,VBD)の中心電圧と振幅を一致させるように波形整形を行う波形整形部と、波形整形された前記2つのディジタル信号(VAD,VBD)から前記信号波形の一周期内で8個の区間(♯1〜♯8)の位相情報と該位相情報に基づいた第1の変位補正値(X2)とを算出する位相・補正値算出部と、波形整形された前記2つのディジタル信号(VAD,VBD)の信号値を絶対値(|VAD|,|VBD|)で比較して両信号値の比率を演算し、前記絶対値(|VAD|,|VBD|)が(|VAD|≧|VBD|)のときには、前記位相情報と前記絶対値(|VAD|,|VBD|)の比率(|VAD|/|VBD|)とに基づいて前記第1の変位補正値(X2)よりも微細な第2の変位補正値(X3)を算出し、前記絶対値(|VAD|,|VBD|)が(|VAD|<|VBD|)のときには、前記位相情報と前記絶対値(|VAD|,|VBD|)の比率(|VBD|/|VAD|)とに基づいて前記第1の変位補正値(X2)よりも微細な第2の変位補正値(X3)を算出する変位補正値算出部と、前記カウンタによる単位時間当たりのカウンタ計数値から前記各検出信号の入力周波数を算出し、この入力周波数の周波数範囲に基づいて前記表示器における計測値の表示処理を行う計測値表示処理部とを備え、該計測値表示処理部は、前記入力周波数が予め決められた判定周波数を越えるか否かにより、前記カウンタの計数値に基づいた変位量(X1)に対して前記第1の変位補正値(X2),第2の変位補正値(X3)を選択的に加算し、その合計値に従って前記表示器における計測値の表示処理を行う構成としたことにある。
請求項2の発明が採用する構成の特徴は、前記計測部の変位に従って位相が1/4ピッチずれた2つの検出信号を発生させる信号発生装置と、該信号発生装置からの各検出信号に対し夫々の信号波形の変化に基づいてカウントアップ動作とカウントダウン動作を行うことにより前記測定対象物の計測値をカウンタ計数値として出力するカウンタと、前記カウンタと並列して動作し、前記各検出信号の波形をディジタル波形にA/D変換するA/D変換器と、A/D変換された2つのディジタル信号(VAD,VBD)の中心電圧と振幅を一致させるように波形整形を行う波形整形部と、波形整形された前記2つのディジタル信号(VAD,VBD)から前記信号波形の一周期内での位相情報と該位相情報に基づいた第1の変位補正値(X2)とを算出する位相・補正値算出部と、波形整形された前記2つのディジタル信号(VAD,VBD)の信号値を比較演算し、前記第1の変位補正値(X2)よりも微細な第2の変位補正値(X3)を算出する変位補正値算出部と、前記カウンタによる単位時間当たりのカウンタ計数値から前記各検出信号の入力周波数を算出し、この入力周波数の周波数範囲に基づいて前記表示器における計測値の表示処理を行う計測値表示処理部とを備え、該計測値表示処理部は、前記入力周波数が零以上で、予め決められた判定周波数以下のときには、前記変位補正値算出部で前記第2の変位補正値(X3)を算出することにより、前記カウンタの計数値に基づいた変位量(X1)に対し前記第2の変位補正値(X3)を加算した合計値(X1+X3)に従って前記表示器における計測値の表示処理を行い、前記入力周波数が前記判定周波数を越えたときには、前記変位補正値算出部で前記第2の変位補正値(X3)の算出を行うことなく、前記カウンタの計数値に基づいた前記変位量(X1)に対し前記第1の変位補正値(X2)を加算した合計値(X1+X2)に従って前記表示器における計測値の表示処理を行う構成としている。
請求項3の発明によると、前記位相・補正値算出部は、波形整形された前記2つのディジタル信号(VAD,VBD)の信号値の大小比較を行うことにより前記位相情報と前記第1の変位補正値(X2)とを算出する構成としている。
請求項4の発明によると、前記計測値表示処理部は、前記入力周波数が零以上で、前記判定周波数以下のときに、前記カウンタの計数値に基づいた前記変位量(X1)と前記第2の変位補正値との合計値(X1+X3)に従って前記表示器における計測値の表示処理を行い、前記入力周波数が前記判定周波数を越えたときには、前記カウンタの計数値に基づいた前記変位量(X1)と前記第1の変位補正値(X2)との合計値(X1+X2)に従って前記表示器における計測値の表示処理を行う構成としている。
請求項1の発明は、光学式ディジタルスケールを用いて測定対象物の計測を行うことにより、前記測定対象物の計測値をカウンタ計数値として取出し、この上で、位相・補正値算出部は、2つのディジタル信号(VAD,VBD)から信号波形の一周期内で8個の区間(♯1〜♯8)の位相情報と該位相情報に基づいた第1の変位補正値(X2)とを算出することができる。変位補正値算出部は、前記2つのディジタル信号(VAD,VBD)の信号値を絶対値(|VAD|,|VBD|)で比較して両信号値の比率を演算し、前記位相情報と前記絶対値(|VAD|,|VBD|)の比率(|VAD|/|VBD|)または比率(|VBD|/|VAD|)とに基づいて前記第1の変位補正値(X2)よりも微細な値(例えば、μmオーダに対して小数点以下となる最下桁を含んだ数値)である第2の変位補正値(X3)を算出することができる。そして、計測値表示処理部は、カウンタによる入力周波数が判定周波数を越えるか否かにより、前記カウンタの計数値に基づいた変位量(X1)に対して前記第1の変位補正値(X2),第2の変位補正値(X3)を選択的に加算し、その合計値に従って前記表示器における計測値の表示処理を行うことができる。前記第2の変位補正値(X3)は、例えばμm(ミクロン)オーダに対して小数点以下となる最下桁を含んだ補正値として、計測値表示処理部によりカウンタの計数値に基づいた前記変位量(X1)に対して加算処理され、測定対象物の計測値を補正することができる。
請求項2の発明は、光学式ディジタルスケールを用いて測定対象物の計測を行うことにより、前記測定対象物の計測値をカウンタ計数値として取出し、この上で、位相・補正値算出部は、2つのディジタル信号(VAD,VBD)から信号波形の一周期内での位相情報と該位相情報に基づいた第1の変位補正値(X2)とを算出することができる。変位補正値算出部は、前記2つのディジタル信号(VAD,VBD)の信号値を比較演算し、前記第1の変位補正値(X2)よりも微細な値(例えば、μmオーダに対して小数点以下となる最下桁を含んだ数値)である第2の変位補正値(X3)を算出することができる。そして、計測値表示処理部は、カウンタによる入力周波数が零以上で判定周波数以下のときに、カウンタの計数値に基づいた変位量(X1)と第2の変位補正値(X3)との合計値(X1+X3)に従って表示器における計測値の表示処理を行うことができ、前記入力周波数が判定周波数を越えたときには、前記カウンタの計数値に基づいた変位量(X1)と前記第1の変位補正値(X2)との合計値(X1+X2)に従って前記表示器における計測値の表示処理を行うことができる。
請求項3の発明によると、位相・補正値算出部は、2つのディジタル信号(VAD,VBD)の信号値の大小比較を行うことにより信号波形の一周期内での位相情報該位相情報に基づい第1の変位補正値(X2)とを算出することができる。第1の変位補正値(X2)は、例えばμm(ミクロン)オーダに対して小数点以下となる最下桁を含まない補正値として、計測値表示処理部によりカウンタの計数値に基づいた前記変位量(X1)に対して加算処理され、測定対象物の計測値を補正することができる。
請求項4の発明によると、計測値表示処理部は、入力周波数が零以上で判定周波数以下のときに、カウンタの計数値に基づいた変位量(X1)と第2の変位補正値(X3)との合計値(X1+X3)に従って表示器における計測値の表示処理を行うことができ、前記入力周波数が判定周波数を越えたときには、前記カウンタの計数値に基づいた変位量(X1)と前記第1の変位補正値(X2)との合計値(X1+X2)に従って前記表示器における計測値の表示処理を行うことができる。
請求項5の発明によると、計測値表示処理部は、入力周波数が判定周波数を越えたときにカウンタの計数値に基づいた変位量(X1)と第1の変位補正値(X2)との合計値(X1+X2)に従って計測値の表示処理を行うことにより、表示器における計測値の表示を、例えばμm(ミクロン)オーダに対して小数点以下となる最下桁の表示を数値ではない表示に切り替えることができ、ディジタルスケールの使用者に対して前記小数点以下の計測値は不確定であることを知らせることができる。
また、本発明は、第1の変位補正値(X2)と第2の変位補正値(X3)を光学式ディジタルスケールの位相ピッチに対して予め決められたピッチ以下で、0以上の範囲の値とすることができる。さらに、本発明では、第1の変位補正値(X2)と第2の変位補正値(X3)を0以上で、1/4ピッチ以下の範囲の値とすることができる。

Claims (6)

  1. 変位可能な計測部を有した光学式ディジタルスケールを用いて測定対象物の計測を行い、前記計測部の変位量を前記測定対象物の計測値として表示器によりディジタル表示するディジタルスケールの表示制御装置において、
    前記計測部の変位に従って位相が1/4ピッチずれた2つの検出信号を発生させる信号発生装置と、
    該信号発生装置からの各検出信号に対し夫々の信号波形の変化に基づいてカウントアップ動作とカウントダウン動作を行うことにより前記測定対象物の計測値をカウンタ計数値として出力するカウンタと、
    前記カウンタと並列して動作し、前記各検出信号の波形をディジタル波形にA/D変換するA/D変換器と、
    A/D変換された2つのディジタル信号の中心電圧と振幅を一致させるように波形整形を行う波形整形部と、
    波形整形された前記2つのディジタル信号から前記信号波形の一周期内での位相情報と該位相情報に基づいた第1の変位補正値とを算出する位相・補正値算出部と、
    波形整形された前記2つのディジタル信号の信号値を比較演算し、前記第1の変位補正値よりも微細な第2の変位補正値を算出する変位補正値算出部と、
    前記カウンタによる単位時間当たりのカウンタ計数値から前記各検出信号の入力周波数を算出し、この入力周波数の周波数範囲に基づいて前記表示器における計測値の表示処理を行う計測値表示処理部とを備え、
    該計測値表示処理部は、前記入力周波数が予め決められた判定周波数を越えるか否かにより、前記カウンタの計数値に対して前記第1,第2の変位補正値を選択的に加算し、その合計値に従って前記表示器における計測値の表示処理を行う構成としたことを特徴とするディジタルスケールの表示制御装置。
  2. 前記位相・補正値算出部は、波形整形された前記2つのディジタル信号の信号値の大小比較を行うことにより前記位相情報と前記第1の変位補正値とを算出する構成としてなる請求項1に記載のディジタルスケールの表示制御装置。
  3. 前記変位補正値算出部は、波形整形された前記2つのディジタル信号の信号値を比較して両信号値の比率を演算し、前記位相情報と前記信号値の比率とに基づいて前記第2の変位補正値を算出する構成としてなる請求項1または2に記載のディジタルスケールの表示制御装置。
  4. 前記計測値表示処理部は、前記入力周波数が零以上で、前記判定周波数以下のときに、前記カウンタの計数値と前記第2の変位補正値との合計値に従って前記表示器における計測値の表示処理を行い、前記入力周波数が前記判定周波数を越えたときには、前記カウンタの計数値と前記第1の変位補正値との合計値に従って前記表示器における計測値の表示処理を行う構成としてなる請求項1,2または3に記載のディジタルスケールの表示制御装置。
  5. 前記計測値表示処理部は、前記入力周波数が前記判定周波数を越えたときに前記表示器における計測値の表示を、その最下桁が数値ではない表示に切り替える構成としてなる請求項1,2,3または4に記載のディジタルスケールの表示制御装置。
  6. 前記計測値表示処理部は、前記入力周波数が前記判定周波数を越えたときに前記表示器における計測値の表示を、その最下桁が非表示となるように切り替える構成としてなる請求項1,2,3,4または5に記載のディジタルスケールの表示制御装置。
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