JP4868159B2 - リニアスケール - Google Patents

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Description

本発明は、被検体の直線的な変位を検出することができるリニアスケールに関するものである。
近年、複数のコイルと磁気応答部材(以下、一例として強磁性部材)との相対的な位置に応じた検出信号を各コイルから得ることにより、被検体の直線的な変位を検出するリニアスケールが開発され、様々な用途へ展開が試みられている。
上記リニアスケールは、その動作原理から誘導型とインピーダンス型の2種類に分けられる。さらに、いずれの型においても、複数のコイルが直線状に配列されて、被検体の直線的な変位xを検出する直線型と、複数のコイルが円周方向に配列されて、被検体の回転角度変位θを検出する回転型とがある(例えば、特許文献1参照)。
はじめに、本発明の理解のために、インピーダンス型リニアスケールの基本検出原理につき、図7〜図10を参照して説明する。
図7は、ソレノイド型のコイルを用いたインピーダンス型リニアスケールの基本検出原理を示す図である。図7(a)に示すように、この型のリニアスケールは、コイルL及びこれに直列接続されたインピーダンス素子R(例えば、抵抗器)を基本単位としている。
コイルLのインピーダンスは、コイルLと、該コイルの巻回中心軸方向に沿って変位する強磁性部材2との相対的な位置関係によって変化し、強磁性部材2がコイルLの中央に位置する際に最も高くなる。これに対して、インピーダンス素子Rのインピーダンスは一定である。
したがって、この基本単位に励磁信号
Figure 0004868159

が入力された状態で強磁性部材2が変位すると、コイルLの両端からは、コイルLとインピーダンス素子Rのインピーダンス比に応じた出力信号Vを得ることができる。図7(b)に示すように、出力信号Vの振幅は、強磁性部材2がコイルLの中央に位置する際に最も大きくなる。
図8は、このスケールの基本単位を使用したインピーダンス型のリニアスケール20を示す図である。
リニアスケール20は、複数のコイル群L1〜nからなる検出部3、演算部11、カウンター12、及びピッチ判定部13を備えている。一般的なリニアスケールと同様に、このリニアスケール20は検出可能な最大変位をn個の区間(=ピッチ)に分割して管理しており、被検体がどのピッチに位置しているのか、つまりどのコイル群の近傍に位置しているのかを示す“ピッチ出力”と、各ピッチ内における微小な変位を示す“ピッチ内変位出力”から、被検体の相対的な変位を特定し得るようになっている。
検出部3のコイル群L1〜nは、直線状に且つ等間隔に並べられた4個のコイルL*1*4(上記基本単位のコイルLに相当)からなり、コイル群L1〜n自体も直線上に並べて配置される。結局、検出部3は、4×n個のコイルが直線状に且つ等間隔に並べられたものとなっている。
また、検出部3は、被検体である強磁性部材2の磁気的な影響を受け得る程度に近接して、且つ強磁性部材2の変位方向に沿って配置されている。
このリニアスケール20において、各基本単位の端子S、Sに交流信号ASinωtが入力されると、各基本単位のコイルLとインピーダンス素子Rのインピーダンス比に応じた出力信号Vo1が得られる。また、出力信号Vo1は、コイルL11の中央と強磁性部材2の中央が重なるような位置を初期位置(x=0)とし、この位置から強磁性部材2が矢印x方向に相対的に変位していくと、その変位量に応じて変化する。
強磁性部材2がコイル群Lの近傍で変位した際の出力信号Vo1の変化を順に説明すると、まず、図8に示す初期位置では、コイルL11の出力信号Vo1が他の出力信号に比べて大きく、強磁性部材2がx方向に相対的に変位するにつれて出力信号Vo1が減少し、出力信号Vo2が増加していく。そして、強磁性部材2がコイルL12の中央まで変位すると出力信号Vo2は最大となる。以下同様に、変位xの増加に伴って、出力信号Vo3及びVo4が順次最大となる。
他のコイル群(例えば、コイル群L)の近傍においても同様に、出力信号Vo1は、強磁性部材2の中央とコイルLn1の中央が重なる際に最大となり、その後変位xの増加に伴って、出力信号Vo2、Vo3及びVo4が順次最大となる。
このように、強磁性部材2が検出部3に沿って矢印x方向に変位すると、出力信号Vo1とVo3の差動出力からは、入力される励磁信号ASinωtに、強磁性部材2と当該コイル群の相対的な変位に応じた係数aCosxを乗じた値、すなわち、
Figure 0004868159

が得られる。ここで、aは任意の定数である。
同様に、出力信号Vo2とVo4の差動出力からは、入力される励磁信号ASinωtに、強磁性部材2と当該コイル群の相対的な変位に応じた係数aSinxを乗じた値、すなわち、
Figure 0004868159

が得られる。ここで、aは任意の定数である。
各コイル群L1〜nにおける初期位置(例えば、コイル群Lにおける図8の状態)から、強磁性部材2を矢印x方向に相対的に変位させていくと、式(2)(3)中のCosx及びSinxは、それぞれ、強磁性部材2が当該コイル群の巻回中心軸方向の全長(=1ピッチ)にわたって変位する度に、周期的に−1〜+1の範囲で変化する。
すなわち、リニアスケール20は、各コイル群L1〜n内における強磁性部材2の直線的な1ピッチの変位を、正弦関数、余弦関数において変数xが2π変化することに対応させて取り扱うことができる。
式(2)(3)の信号は、式(1)の励磁信号と比較可能な信号に変換される。この変換手順としては、まず、演算部11において、式(3)の信号が90°(=π/2)シフトされて、
Figure 0004868159

が得られる。そして、この式(4)と(2)が加法定理に基づいて合成され、最終的に、
Figure 0004868159

が得られる。
式(2)(3)(5)で表される信号波形、及びこれらの信号から変位xを算出する手順を示したのが図9である。
図9(a)は、上から、入力された励磁信号波形(=ASinωt)、式(3)で表される信号波形(=β)、式(2)で表される信号波形(=α)を示す。各信号波形の横軸は変位xであり、1ピッチの変位x(=2π、360°)を一周期として、式(2)(3)で表される信号波形は、それぞれ、周期的に変化する。
カウンター12には、演算部11で得られた式(5)で表される信号と、各コイル群L1〜nに入力されたものと同じ励磁信号(=ASinωt)が入力される。
図9(b)の上側のグラフに示すように、式(5)の信号aSin(ωt±x)は、元々の励磁信号ASinωtに対して、位相がxずれた信号として表される。したがって、励磁信号ASinωtのゼロクロス点から、式(5)の信号aSin(ωt±x)のゼロクロス点までの時間を測定することで、変位xを求めることができる。
これを実現するために、カウンター12は、励磁信号ASinωtのゼロクロス点をきっかけとして出力をリセットするとともに、カウントをスタートさせる。そして、式(5)の信号aSin(ωt±x)のゼロクロス点をきっかけとして、カウントをストップさせ、その値を保持(ラッチ)する。
結局、カウンター12は、励磁信号ASinωtと式(5)の信号aSin(ωt±x)とを比較することによって変位xを離散的なディジタル値に変換し、これを“ピッチ内変位出力”として出力する。
例えば、カウンター12が4ビットで処理を行う場合、変位x=0ピッチ(変位なし)における2進数表記のピッチ内変位出力は“0000”で、その状態から変位xが増加して1ピッチに近づくにつれて、この出力は“0001”→“0010”→“0011”→“0100”…というように変化し、変位x=1ピッチ(変位最大)になると、ピッチ内変位出力は“1111”となる。
なお、2進数表記のピッチ内変位出力が“abcd”の場合、10進数表記のピッチ内変位出力はa×2+b×2+c×2+d×2で計算できる。例えば、2進数表記のピッチ内変位出力が最小の“0000”の場合、10進数表記のピッチ内変位出力は0+0+0+0=0となり、最大の“1111”の場合は8+4+2+1=15となる。
以上のように、リニアスケール20は、励磁信号ASinωtと式(5)の信号の位相差を所定のビット数(Nビット)で処理することによって、ピッチ内における微小変位xを1ピッチ/2の分解能で検出することができる。
さらに具体的には、1ピッチが16mm、N=4の場合、分解能は16mm/2=1mmとなり、ピッチ内変位出力が“1001”を示すとき、変位xは9mmである。また、1ピッチが8.192mm、N=13の場合、分解能は8.192mm/213=0.001mmとなり、ピッチ内変位出力が“1 0100 0000 0000”を示すとき、変位xは5.120mmである。
上記ピッチ内変位出力に加えて、図8に示すリニアスケール20は、ピッチ判定部13によって強磁性部材2がどのピッチに位置しているかを判定し、ピッチ出力として出力することができる。
検出部3内には、コイル群毎に、強磁性部材2が近傍に存在しているか否かに応じて適当な信号を出力する、例えばホールスイッチのような素子(図示せず)が備えられている。ピッチ判定部13は、各素子から出力されるこの信号を受け取り、強磁性部材2が位置しているピッチに関する情報を、“ピッチ出力”として出力する。
以上のような変位の検出を位相差変換(P−D変換)方式と呼び、この方式を用いたリニアスケールは、図10に示すような態様で使用される。
図10(a)に示す従来のリニアスケールは、8個のコイル群L1〜8からなる検出部3を備えている。コイル群L1〜8は、それぞれ、4個のコイル(例えば、コイル群LにおけるL1114)を備えている。また、このリニアスケールは、図示していない演算部11、カウンター12及びピッチ判定部13(図8参照)を備えており、ピッチ内出力変位とピッチ出力が得られるようになっている。符号P〜Pはピッチ番号を示す。一例として、各ピッチは8.192mm(=コイル群長)で、これを13ビットのカウンター12で処理することによって、1ピッチを213=8192の区間に分割し、0.001mmの分解能が実現されている。
図10(a)に示すリニアスケールにおいて、強磁性部材2が矢印x方向に変位していくと、ピッチ内変位出力は0から最大値まで上昇していき、ピッチが切り替わると再び0に戻る。ピッチの切り替わりは、ピッチ判定部13によって判定され、ピッチ内変位出力とピッチ出力の双方を参照することで、強磁性部材2の変位xを特定することができる。
図10(b)に示すように、強磁性部材2の変位がXの場合、ピッチ出力が“P”を示すとともに、10進数表記のピッチ内変位出力は“0”を示す。したがって、変位Xのスケール内変位xは、
8.192mm×(1−1)+0.001mm×0=0mm
であると特定される。
また、変位がXの場合、ピッチ出力が“P”を示すとともに、10進数表記のピッチ内変位出力は“5120”を示す。したがって、変位Xのスケール内変位xは、
8.192mm×(5−1)+0.001mm×5120=37.888mm
であると特定される。
特開2004−233311号
上述した従来のリニアスケール20が適用される分野のひとつに、レール5上を走行する台車4の位置を検出する位置検出システムがある。図11に示す位置検出システムは、台車4が左方向に移動した際の、強磁性部材2、2’の相対的なx方向の変位を検出することによって、台車4の位置を検出するものである。
図11に示すように、リニアスケール20の検出部3は、台車4の下部に、変位方向xに沿って取り付けられている。また、複数の強磁性部材2、2’・・・は、台車4が走行するレール5上に取り付けられるか、またはレール5の表面近傍に埋め込まれている。そして、リニアスケール20からは、検出部3と強磁性部材2、2’・・・との相対的な位置関係に応じたピッチ内変位出力及びピッチ出力を得ることができ、これによってレール5上の台車4の位置を検出できるようになっている。
ところが、従来のリニアスケール20は、検出部3の検出部長lSと、強磁性部材間隔lの関係に制約が多く、結果として、このリニアスケール20を適用した位置検出システムは、非常に使い勝手が悪いものであった。
例えば、図11(a)に示すように、検出部3の検出部長lSと強磁性部材間隔lの関係が“l<lS”の場合、検出部3に対して複数の強磁性部材2、2’が同時に影響を及ぼすことになり、誤ったピッチ内変位出力及びピッチ出力を出力してしまっていた。
また、検出部3の検出部長lSと強磁性部材間隔lの関係を“l>lS”として上記問題を解決した場合は、図11(b)に示すように、検出部3の直下に強磁性部材2、2’が存在しない状態が生じる。このような場合、検出部3は強磁性部材2、2’からの十分な磁気的な影響を受けることができず、台車4の位置を検出し得ない“不感帯”が生じていた。また、不感帯を補完するために、他の位置検出手段を併用した場合は、構成が複雑化するとともに、高コスト化を招いていた。
そこで本発明は、同時に複数の被検体が影響を及ぼし得るような場合においても誤った出力をすることなく、しかも、不感帯を生じることもないリニアスケールを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るリニアスケールは、直線的、且つ相対的に移動する二物品の変位を検出するリニアスケールであって、前記物品の一方であって、所定の間隔で直線状に並んで配置された複数の被検体と、前記物品の他方であって、前記被検体の配列方向に沿って直線状に並んで配置された少なくとも2個の同一の検出部と、前記検出部のそれぞれから、当該検出部と前記被検体との相対的な変位を示す第1データと、当該検出部が前記第1データを検出可能な領域内にいずれかの前記被検体が存在している場合にのみ適正値を示す第2データとを得て、得られた前記第2データ同士を比較することによって選択すべき前記検出部を決定し、選択された前記検出部から得られた前記第1データを出力するスケール切替部とを備え、前記被検体の間隔が、前記検出部の検出部長よりも大きく、且つ、備えられた前記検出部の検出部長の総和よりも小さいことを特徴とする。
本発明に係るリニアスケールは、前記検出部を3個備え、前記被検体の間隔が前記検出部長の1.5倍であることが好ましい。
また、本発明に係るリニアスケールの前記検出部は、前記被検体は強磁性部材からなり、前記検出部は、前記被検体との相対的な位置関係に応じてインピーダンスが変化するコイルを備え、前記コイルのインピーダンスに基づいて前記第1データが出力されることが好ましい。
また、本発明に係るリニアスケールを適用した台車の位置検出システムは、レールと、前記レール上を走行する台車と、前記台車の下部に、前記台車の進行方向に沿って配置された上記リニアスケールとを備え、前記被検体が前記レールの表面近傍に配置されていることを特徴とする。
本発明に係るリニアスケールでは、少なくとも2個の検出部を直線状に並べて配置し、これらを適宜切り換えて使用する。これにより、“備えられているすべての検出部の検出部長の総和>被検体の間隔>検出部1個あたりの検出部長”の関係を満足する限りにおいて、不感帯を生じることなく、被検体の直線的、且つ相対的な変位を検出することができるリニアスケールを提供することができる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明に係るリニアスケールの構成について説明する。
図1に示すように、本発明に係るリニアスケール1は、少なくとも2個のスケールからなっている。簡単のために、2個のスケールを備えた場合について説明すると、第1スケール10a及び第2スケール10bは同一のもので、それぞれ、図2に示すような構成となっている。すなわち、図1に示す第1スケール10a及び第2スケール10bは、図2に示すようにn個のコイル群Lからなる検出部3a(3b)、演算部11、カウンター12及びピッチ判定部13と、さらに波高値検出部14を備えている。これらのうち、波高値検出部14を除く部分については、図8に示す従来のリニアスケール20と同様のものである。
波高値検出部14は、例えば、ピークホールド回路を備えており、演算部11で算出されたaSin(ωt±x)の波高値“a”を検出し、その値を“波高値”として出力するようになっている。
結局、図2に示す第1スケール10a及び第2スケール10bは、検出部3a(3b)と強磁性部材2の相対的な変位xを示す第1データとしてピッチ内変位出力及びピッチ出力を出力するとともに、第2データとして波高値を出力する。後述するように、波高値からは、検出部3a(3b)の検出可能領域内に強磁性部材2が存在しているか否かが分かる。
図1に示すスケール切替部15は、第1スケール10a及び第2スケール10bから、それぞれ、ピッチ内変位出力、ピッチ出力及び波高値を受け取る。スケール切替部15では、第1スケール10aの波高値(=第1波高値)と、第2スケール10bの波高値(=第2波高値)の比較が行われ、その結果に基づいて選択すべきスケールが決定される。
スケール切替部15におけるスケール選択方法の一例を図3に示す。
この一例では、レール5上を走行する台車4の下部に、第1スケール10aの検出部3aと第2スケール10bの検出部3bが直線状に並んで配置されている。また、強磁性部材2は、台車4が走行するレール5上に取り付けられるか、またはレール5の表面近傍に埋め込まれている。
図3に示す状態から、台車4が左方向に移動すると、強磁性部材2は相対的に矢印x方向に変位していく。このとき、第1波高値は、検出部3aの検出可能領域内に強磁性部材2が位置しているときのみ適正値を示し、それ以外のときは無視できる程度の低い値を示す。第2波高値も同様に、検出部3bの検出可能領域内に強磁性部材2が位置しているときのみ適正値を示し、それ以外のときは無視できる程度の低い値を示す。
なお、図3に示すような態様において、検出部の検出可能領域とは、当該検出部直下の領域で、且つ当該検出部が強磁性部材からの磁気的な影響を受け得る程度の領域を意味する。
スケール切替部15では、第1波高値と第2波高値の大小を比較し、波高値が大きい方のスケールを選択する。そして、選択された方のスケールからスケール切替部15に入力されたピッチ内変位出力及びピッチ出力は、それぞれ、選択ピッチ内変位出力及び選択ピッチ出力として出力される。
本発明に係るリニアスケールでは、一方のスケールが選択されている場合、他方のスケールから出力されるピッチ内変位出力及びピッチ出力の如何は、選択ピッチ内変位出力及び選択ピッチ出力に全く影響を及ぼさない。言い換えれば、第1スケール10aと第2スケール10bは、互いに干渉し合うことなく、独立して動作することが可能である。
図4に示す台車4の位置検出システムで、検出部長lS、強磁性部材間隔l、及び検出部長の総和(=総スケール長)lSTの関係をlST>l>lSとした場合において、本発明に係るリニアスケールがもたらす効果について考える。
本発明によれば、図4に示すように、検出部3aの検出可能領域に強磁性部材2が位置し、さらに検出部3bの検出可能領域に強磁性部材2’が位置しているような場合においても、各検出部がそれぞれの検出可能領域内に位置する強磁性部材との位置関係に応じたピッチ内変位出力及びピッチ出力を出力する。そして、選択されたいずれかのスケール側からのピッチ内変位出力及びピッチ出力に基づいて、台車4の正しい位置を検出することができる。さらに本発明によれば、lST>lの関係より、検出部3aまたは検出部3bのいずれか一方の検出可能領域には必ず強磁性部材が位置することになるので、台車4の位置が特定できない不感帯の発生を防ぐことができる。
次に、上述した本発明に係るリニアスケールの第1の実施例について、図5を参照して説明する。
本実施例では、本発明に係るリニアスケールを台車の位置検出システムに適用した。
レール5上を走行する台車4の下部には、台車4の進行方向に沿って、第1スケール10aの検出部3aと第2スケール10bの検出部3bが直線状に並んで配置されている。各検出部は、1ピッチの長さが8.192mmのコイル群を8個備えたもので、検出部長lSは65.536mmである。また、検出部3aと検出部3bは直線状に隙間なく並べて配置されているので、総スケール長lSTは、131.072mmである。
なお、検出部3a及び3b内には、コイル群毎(=ピッチ毎)に図示しないホールスイッチが備えられており、強磁性部材2、2’・・・が近傍に存在しているか否かに応じた信号が、ピッチ判定部13に向けて出力される。
強磁性部材2、2’・・・は、台車4が走行するレール5上に取り付けられるか、またはレール5の表面近傍に等間隔に埋め込まれている。本実施例において、強磁性部材間隔lは98.304mmである。すなわち、本実施例では、検出部1個あたりの検出部長lS、強磁性部材間隔l、及び総スケール長lSTの関係が、lST>l>lSとなっている。
図5に示すような、強磁性体部材2’の右端と検出部3aの左端とが重なっている状態を初期位置(x=0)とし、この状態から台車4が左方向に移動すると、これに応じて強磁性部材2、2’・・・は相対的に矢印x方向に変位していく。
図5に示す変位x=0mmの場合、第1スケール10aの波高値(=第1波高値)は、適正値にやや満たない値を示す。一方、第2スケール10bの波高値(=第2波高値)は、その検出可能領域に強磁性部材2が位置しているので、適正値を示す。
スケール切替部15は、第1波高値及び第2波高値の大小を比較し、大きい方のスケール、すなわち第2スケール10bを選択する。そして、第2スケール10bから出力されるピッチ内変位出力及びピッチ出力を、選択ピッチ内変位出力及び選択ピッチ出力として出力する。
変位x=lST−l(=32.768mm)になると、強磁性部材2が検出部3bの検出可能領域から外れるので、第2波高値は適正値を下回る。一方、このとき、検出部3aの検出可能領域には強磁性部材2’が位置しているので、第1波高値は適正値となる。そして、スケール切替部15は第1スケール10aを選択し、第1スケール10aから出力されるピッチ内変位出力及びピッチ出力を、選択ピッチ内変位出力及び選択ピッチ出力として出力する。
続いて、変位x=l(=65.536mm)になると、強磁性部材2’が検出部3aから検出部3bの検出可能領域に変位する。これに伴って、第1波高値は適正値を下回り、第2波高値は適正値となる。このとき、スケール切替部15は第2スケール10bを選択し、第2スケール10bから出力されるピッチ内変位出力及びピッチ出力を、選択ピッチ内変位出力及び選択ピッチ出力として出力する。
さらに強磁性部材2、2’・・・が相対的に変位して、変位x=l(=98.304mm)になると、強磁性部材2”が検出部3aの検出可能領域に到達するので、第1波高値は適正値となる。このとき、検出部3bの検出可能領域内には強磁性部材2’が位置しているので、第2波高値は依然として適正値を保つ。このような場合、選択スケールは変更されない。
そして、変位x=lST(=131.072mm)になると、強磁性部材2’が検出部3bの検出可能領域に位置しなくなり、第2波高値が適正値を下回る。そして、スケール切替部15は第1スケール10aを選択し、第1スケール10aから出力されるピッチ内変位出力及びピッチ出力を、選択ピッチ内変位出力及び選択ピッチ出力として出力する。
以上のように、本実施例に係るリニアスケールでは、直線状に並べられた2個の独立した検出部のうち、一方の検出部からの出力を利用し、さらに、検出部1個あたりの検出部長lS、強磁性部材間隔l、及び総スケール長lSTの関係をlST>l>lSとすることによって、台車4の位置を、正確に且つ不感帯を発生することなく検出することができる。
次に、本発明に係るリニアスケールの第2の実施例を、図6を参照して説明する。
2個の検出部を使用した上記実施例1では、例えば、図5に示す変位x=lにおいて、比較される波高値が同時に変化する。このような変化が非常に高速に行われた場合、波高値検出部14及びスケール切替部15の動作が追従できず、出力される選択ピッチ内変位出力及び選択ピッチ出力に僅かな空白期間が生じてしまう可能性がある。
実施例2に係るリニアスケールは、3個の検出部を使用することによって、その僅かな空白期間の発生をも防ぐものである。
図6に示すように、台車4の下部には、第1スケール10aの検出部3a、第2スケール10bの検出部3b、及び第3スケール10cの検出部3cが配置されている。各検出部3a〜3cは、いずれも実施例1の検出部3a、3bと同一のもので、検出部長lSは65.536mmである。また、検出部3a〜3cは直線状に隙間なく並べて配置されているので、総スケール長lSTは、196.608mmである。強磁性部材間隔lは、検出部長lSの1.5倍の98.304mmである。
本実施例では、実施例1の変位x=lのように、比較される波高値のすべてが同時に変化することはない。
例えば、変位x=0.5×lにおいて、強磁性部材2が検出部3bから検出部3cの検出可能領域に変位すると、第2波高値と第3波高値が同時に変化する。また、第2波高値は適正値から外れるので、第2スケール10bは選択されなくなる。このような場合でも、本実施例に係るリニアスケールでは、別の強磁性部材2’がもうひとつの検出部3aの検出可能領域のほぼ中央に位置することになり、第1波高値は適正値を保ち続ける。したがって、スケール切替部15は、第2波高値が適正値から外れるとともに、即座に第1スケール10aを選択することができ、出力される選択ピッチ内変位出力及び選択ピッチ出力に僅かな空白期間が生じるのを防ぐことができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、当業者であれば、種々の変形例を想到できることは自明である。
例えば、各実施例では、検出部として、コイル及びインピーダンス素子からなるインピーダンス型の検出部を使用したが、これに換えて他の検出部を使用することができる。置き換え可能な検出部としては、例えば、特許文献1に記載されている誘導型の検出部や、特願2005−371387に記載されている発光素子と受光素子の相対的な変位を検出する検出部がある。
また、コイル群毎に備えられているホールスイッチも一例であり、例えば、特願2007−020508に記載されている他の検出部を併用することによって、ピッチを特定するようにしてもよい。
また、各実施例では、固定されている強磁性部材(被検体)に対して検出部が変位した際の、強磁性部材の相対的な変位を変位xとして取り扱ったが、検出部を固定し、強磁性部材(被検体)が変位するようしてもよい。つまり本発明に係るリニアスケールは、二物品の直線的、且つ相対的な変位を検出する、あらゆる分野に適用することができる。
本発明に係るリニアスケールのブロック図である。 本発明に係るリニアスケールの第1〜3スケールを示すブロック図及び回路図である。 本発明に係るリニアスケールを適用した台車の位置検出システムにおける、台車位置の検出原理を示す図である。 本発明に係るリニアスケールの、検出部長、総スケール長及び強磁性部材間隔の関係を示す図である。 実施例1に係るリニアスケールを適用した台車の位置検出システムを示す図である。 実施例2に係るリニアスケールを適用した台車の位置検出システムを示す図である。 コイルを用いたインピーダンス型スケールの検出原理を示す図であって、(a)は構成を示す模式図、(b)はスケールの出力信号波形を示すグラフである。 インピーダンス型スケールを用いた従来のリニアスケールを示すブロック図及び回路図である。 リニアスケールの検出原理を示す図であって、(a)は各信号波形を示すグラフ、(b)は変位xを算出する方法を示すグラフである。 リニアスケールの動作を示す図であって、(a)は検出部の模式図及び被検体の変位に伴って変化する出力波形を示すグラフ、(b)はピッチ出力、ピッチ内変位出力及びスケール内変位の関係をまとめた表である。 従来のリニアスケールを適用した台車の位置検出システムを示す図であって、(a)は強磁性部材間隔が検出部長よりも大きい場合、(b)は検出部長が強磁性部材間隔よりも大きい場合を示す図である。
符号の説明
1 リニアスケール
2、2’、2” 強磁性部材
3、3a〜3c 検出部
4 台車
5 レール
10a〜10c 第1〜第3スケール
11 演算部
12 カウンター
13 ピッチ判定部
14 波高値検出部
15 スケール切替部
L コイル
R インピーダンス素子
1〜n コイル群
検出部長
ST 総スケール長
強磁性部材間隔

Claims (4)

  1. 直線的、且つ相対的に移動する二物品の変位を検出するリニアスケールであって、
    前記物品の一方であって、所定の間隔で直線状に並んで配置された複数の被検体と、
    前記物品の他方であって、前記被検体の配列方向に沿って直線状に並んで配置された少なくとも2個の同一の検出部と、
    前記検出部のそれぞれから、当該検出部と前記被検体との相対的な変位を示す第1データと、当該検出部が前記第1データを検出可能な領域内にいずれかの前記被検体が存在している場合にのみ適正値を示す第2データとを得て、得られた前記第2データ同士を比較することによって選択すべき前記検出部を決定し、選択された前記検出部から得られた前記第1データを出力するスケール切替部と、を備え、
    前記被検体の間隔が、前記検出部の検出部長よりも大きく、且つ、備えられた前記検出部の検出部長の総和よりも小さいことを特徴とするリニアスケール。
  2. 前記検出部を3個備え、前記被検体の間隔が前記検出部長の1.5倍であることを特徴とする請求項1に記載のリニアスケール。
  3. 前記被検体は強磁性部材からなり、
    前記検出部は、前記被検体との相対的な位置関係に応じてインピーダンスが変化するコイルを備え、
    前記コイルのインピーダンスに基づいて前記第1データが出力されることを特徴とする請求項1または2に記載のリニアスケール。
  4. レールと、
    前記レール上を走行する台車と、
    前記台車の下部に、前記台車の進行方向に沿って配置された請求項1に記載のリニアスケールと、を備え、
    前記被検体が前記レールの表面近傍に配置されていることを特徴とする台車の位置検出システム。
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