JP2002285551A - 引張材挿入工法 - Google Patents

引張材挿入工法

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JP2002285551A
JP2002285551A JP2001084211A JP2001084211A JP2002285551A JP 2002285551 A JP2002285551 A JP 2002285551A JP 2001084211 A JP2001084211 A JP 2001084211A JP 2001084211 A JP2001084211 A JP 2001084211A JP 2002285551 A JP2002285551 A JP 2002285551A
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JP
Japan
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hole
rod
bit
metal pipe
tensile
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Application number
JP2001084211A
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English (en)
Inventor
Yasuyoshi Fujishima
泰良 藤嶋
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Nisshoku Corp
Nichia Steel Works Ltd
Original Assignee
Nisshoku Corp
Nichia Steel Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度の引張材をコスト的に安価に挿入可能
な引張材挿入工法を提供する。 【解決手段】 グラウト材の流通が可能な小さい又は細
い開口部を複数備えた金属管にロッドを挿通し、かつ、
ロッド先端にビットを装着して、このビットによって地
盤に金属管の外径以上の孔を掘削しつつ、その掘削孔に
金属管を挿入し、かつ、掘削土を排除して、所定深さの
掘削孔を形成した時点で、ロッドを掘削孔から引き抜い
て、掘削孔に対して、グラウト材の注入と、引張材の挿
入とを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引張材挿入工法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記の引張材は、例えば傾斜地の地盤を
安定させて、偏土圧による地滑りを防止したり、その
他、山留め壁の補強を図るために、傾斜地の地盤に所定
の角度で挿入されるもので、この引張材の従来の挿入工
法は、一般には次の通りであった。
【0003】即ち、先端にビットを備えたロッドを用い
て、地盤に孔を掘削しつつ掘削土を排除し、かつ、所定
深さの掘削孔を形成した時点でロッドを掘削孔から引き
抜いて、この掘削孔に、先端にアンカーを備えたシース
管付きの引張材を挿入すると共に、グラウト材を注入す
る工法をとっている。そして、グラウト材の硬化後に引
張材に緊張力を付与し、地盤に圧縮力を伝達させるよう
にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の挿入
工法では、地盤削孔の際に孔壁が崩れ落ちることがあっ
て、この崩壊土が引張材とグラウト材との定着を悪くす
ることで、引張材の強度を低下させることがあった。
【0005】また、時には崩壊土のために、引張材の挿
入やグラウト材の注入が不能になる問題を生じることが
あった。
【0006】この他に、ビットを備えたロッドを掘削孔
内に残して、この掘削孔にグラウト材を注入する自穿孔
ロックボルトの挿入工法があるが、この工法では、引張
材の挿入不能の問題は生じないが、引張材の強度低下と
グラウト材の注入不能の問題が依然として残され、加え
て、ロッドを残すことがコストアップに繋がる点で問題
があった。
【0007】本発明は、かゝる実情に鑑みて成されたも
のであって、その目的は、上記の不都合を解消した高強
度引張材の挿入工法を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明による第1
発明の引張材挿入工法は、グラウト材の流通が可能な小
さい又は細い開口部を複数備えた金属管にロッドを挿通
し、かつ、ロッド先端にビットを装着して、このビット
によって地盤に金属管の外径以上の孔を掘削しつつ、そ
の掘削孔に金属管を挿入し、かつ、掘削土を排除して、
所定深さの掘削孔を形成した時点で、ロッドを掘削孔か
ら引き抜いて、掘削孔に対して、グラウト材の注入と、
引張材の挿入とを行う点に特徴がある(請求項1)。
【0009】上記の挿入工法によれば、金属管の外径が
掘削孔の内径よりもやゝ小さくて、金属管と掘削孔との
隙間が殆どないことから、地盤削孔の際に孔壁が崩れ落
ちても、これが直ぐに金属管によって受け止められるこ
とで、孔壁の大きな崩れ落ちは確実に防止される。
【0010】また、金属管には、小さい又は細い開口部
を複数形成しているので、崩壊土が金属管内に入り込む
ことも殆どなく、従って、金属管への引張材の挿入が容
易であると共に、グラウト材については、これが前記開
口部を通して掘削孔内の全体に万遍なく行き渡ることか
ら付着強度が高く、グラウト材の硬化後に引張材に緊張
力を付与し、地盤に圧縮力を伝達させることで、引張材
を高強度の構造にして挿入できるのである。
【0011】また、第2発明では、グラウト材の流通が
可能な小さい又は細い開口部を複数備えた金属管にロッ
ドを挿通し、かつ、ロッド先端にビットを装着して、こ
のビットによって地盤に金属管の外径以上の孔を掘削し
つつ、その掘削孔に金属管を挿入し、かつ、掘削土を排
除して、所定深さの掘削孔を形成した時点で、ビット及
びロッドを掘削孔に残して引張材とし、前記掘削孔に対
して、グラウト材の注入を行う点に特徴がある(請求項
2)。
【0012】第2発明によると、第1発明の作用効果に
加えて、ビット及びロッドを掘削孔に残してそのまま引
張材とすることにより、別途引張材を挿入しないので工
程が少なくてすみ、効率的な施工が可能である。
【0013】また、第3発明では、グラウト材の流通が
可能な小さい又は細い開口部を複数備えた金属管にロッ
ドを挿通し、かつ、ロッド先端に、金属管の外径以上の
掘削外径を掘削可能で、且つビット外径が金属管の内径
以内のビットを装着して、このビットによって地盤に金
属管の外径以上の孔を掘削しつつ、その掘削孔に金属管
を挿入し、かつ、掘削土を排除して、所定深さの掘削孔
を形成した時点で、ロッド及びビットを掘削孔から引き
抜いて、掘削孔に対して、グラウト材の注入と、引張材
の挿入とを行う点に特徴がある(請求項3)。
【0014】第3発明によると、第1発明の作用効果に
加えて、例えば特開平11-303560号公報に記載されたよ
うな、ビット回収型の掘削工具を用いて、ビット及びロ
ッドをグラウト材の注入前に回収するので、自穿孔ロッ
クボルトの挿入工法に比較して、高強度の引張材をコス
ト的に安価に得ることができる。
【0015】さらに、前記引張材がシース管を外装して
もよい(請求項3)。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明による引張材挿入工
法を図面に基づいて説明すると、この引張材の挿入に際
して、先ずは、図1〜図2に示すように、小さい又は細
い開口部aを周面部に備えた金属管1と引張材2とを用
意する。
【0017】金属管1は、例えば、2〜3mm厚の鋼管
を用い、開口部aとして2〜3mm径の穴や、1〜2m
m幅のスリット、又はその両方を鋼管の打ち込みが不可
能になるほど強度が低下しないように適宜間隔で設け
る。
【0018】一方、引張材2は、金属管1よりもやゝ長
尺のものであって、例えば雄ねじ形状の鉄筋からなる。
その先端側に、グラウト材に埋設されるアンカー8を、
ナット9と長尺ナット10とによって取り付けると共
に、このアンカー8の取り付け部を除く範囲にわたって
引張材2にシース管11を被せ、かつ、シース管11の
内部に必要に応じてグリースbを充填し、更に、引張材
2を金属管1のほゞ中心に位置させるためのスペーサー
12を、中央部を金属管1の内径よりもやゝ小径にした
コイルスプリングから構成して、これをシース管11の
アンカー8近傍に、例えばテープcによって止着する。
【0019】前記引張材2としては、本実施例では鉄筋
を使用しているが、これに限るものではなく、PC鋼
棒,PC鋼撚線,アラミド繊維製,カーボン繊維製等を
使用してもよい。
【0020】引張材の挿入に際して、図3(A)に示す
ように、駆動回転手段(図示を省略)によって正逆転駆
動されるロッド13に上記構成の金属管1を被せ、か
つ、ロッド13の先端側に、掘削外径が金属管1の外径
よりもやゝ大なる地盤掘削用のビット14を装着し、ロ
ッド13を回転させて、地盤Aに孔15を掘削しつつ、
その掘削孔15に金属管1を挿入する。なお、ロッド1
3に対するビット14の装着方法は、螺着に限るもので
はなく、例えば、ビット14にロッド13を挿入するの
みであってもよい。また、掘削孔15の形成は、ロッド
13およびビット14を回転させるのみならず、ロッド
13およびビット14に打撃を加えて行ってもよい。
【0021】ここで、長大な引張材を挿入する場合は、
金属管1も長大になって、長い作業スペースを要する上
に、金属管1をロッド13に装着しづらくなるが、この
ような場合には、例えばネジ式の接合部を短尺の金属管
1に設けて、この金属管1の複数本をネジで接合しなが
ら連接すると、長大な引張材の挿入にもスムースに対応
できる。
【0022】上記の掘削途中において、必要に応じてロ
ッド13を掘削孔15から引き抜いて、孔内の掘削土を
排除し、所定深さ近くに掘削孔15が形成された時点で
最終的に、ロッド13を掘削孔15から引き抜いて、孔
内の掘削土を排除する。
【0023】次いで、ロッド13を掘削孔15内に戻し
て、ビット14を孔底部に押圧した状態でロッド13を
逆回転させて、ビット14をロッド13から螺脱・脱離
し、このビット14を残してロッド13を掘削孔15か
ら引き抜くのであって〔図3(B)を参照〕、この際の
ロッド13の逆回転によって孔底がやゝ掘削されること
で、地盤Aには、所定深さの掘削孔15が形成されるこ
とになる。
【0024】尚、金属管1とビット14との外径の差
は、後述する孔壁の崩れ防止の面から、金属管1の挿入
が容易な範囲内で出来るだけ小さくすることが望まし
く、例えば外径が54〜57mmの金属管1を選択した
場合は、掘削外径が70〜75mmのビット14を選択
するものとする。
【0025】次に、図3(C)に示すように、金属管1
の基部側にグラウト材注入用のアタッチメント(図示を
省略)を取り付けて、掘削孔15内に所定量のグラウト
材16(セメントミルク等)を注入し、この後、アタッ
チメントを取り外して、アンカー8を金属管1の先端側
に位置させるように、引張材2を金属管1に挿入し、必
要に応じてグラウト材16を追加注入し、かつ、引張材
2の基部側に、受圧プレート17を設けると共に、シー
ス管11を剥がしてワッシャ18及びダブルナット1
9,20を取り付けるのである。
【0026】そして、グラウト材16の硬化後にナット
19を締め込んで、引張材2に緊張力を付与し、かつ、
ナット20によってナット19の緩み止めを効かせて、
地盤Aに圧縮力を伝達させることで、引張材2の挿入を
完了するのである。
【0027】上記の引張材2の挿入工法によれば、金属
管1と掘削孔15との隙間が殆どないことから、挿入完
了までの間に掘削孔15の孔壁が崩れ落ちたとしても、
これが直ぐに金属管1によって受け止められるので、孔
壁の大きな崩れ落ちが確実に防止されることになる。
【0028】また、金属管1には、周面部に小さい又は
細い開口部aを形成しているから、崩壊土が金属管1内
に入り込むことも殆どなく、従って、金属管1への引張
材2の挿入が容易であると共に、グラウト材16につい
ては、これが開口部aを通して掘削孔15内の全体に万
遍なく行き渡ることから付着強度が高く、グラウト材1
6の硬化後に引張材2に緊張力を付与し、地盤に圧縮力
を伝達させることで、高強度の引張材2を得ることがで
きるのである。
【0029】尚、ビット14を掘削孔15内に残して、
掘削孔15からロッド13を引き抜いた後、掘削孔15
にグラウト材16を注入し、次いで金属管1に引張材2
を挿入しているが、金属管1に引張材2を挿入した後
に、掘削孔15にグラウト材16を注入する手順をとっ
てもよい。
【0030】また、上記実施例では、掘削孔15を形成
するために使用したロッド13と、引張材2とを別に用
意しているが、前記ロッド13をビット14とともに掘
削孔15内に残して引張材として用いてもよい。この場
合、別途引張材を挿入しないので工程が少なくてすみ、
効率的な施工が可能である。
【0031】また、前記ビット14に換えて、回収可能
なビット14rを用いた場合の実施形態を次に示す。引
張材の挿入に際して、図4(A)に示すように、駆動回
転手段(図示を省略)によって正逆転駆動されるロッド
13に上記構成の金属管1を被せ、かつ、ロッド13の
先端側に、特開平11-303560号公報等に示されるよう
な、ビット外径以上の掘削外径を掘削可能で、且つビッ
ト外径が金属管1の内径以内の地盤掘削用のビット14
rを装着して、ロッド13を回転させ、地盤Aに孔15
を掘削しつつ、その掘削孔15に金属管1を挿入する。
【0032】上記の掘削途中において、必要に応じてビ
ット14r及びロッド13を掘削孔15から引き抜い
て、孔内の掘削土を排除し、所定深さ近くに掘削孔15
が形成された時点で最終的に、ビット14r及びロッド
13を掘削孔15から引き抜いて、孔内の掘削土を排除
することで、地盤Aには、図4(B)に示すように、所
定深さの掘削孔15が形成されることになる。
【0033】尚、例えば外径が54〜57mmの金属管
1を選択した場合は、掘削外径が70〜75mmのビッ
ト14rを選択するものとする。図4(C)について
は、図3(C)の説明と同様である。
【0034】上記実施形態の場合、ビット14r及びロ
ッド13をグラウト材の注入前に回収するので、自穿孔
ロックボルトの挿入工法に比較して、コスト的に安価に
得ることができる。
【発明の効果】以上説明したように、本発明による引張
材の挿入工法によれば、孔壁の崩れ落ちに起因する引張
材の挿入不能やグラウト材の注入不能の事態が確実に解
消され、しかも、崩壊土の混入を伴わないことから、引
張材を高強度に挿入できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一部を破断した金属管の全体図である。
【図2】引張材の詳細図である。
【図3】(A)は掘削孔の形成説明図、(B)はロッド
引き抜き状態の説明図、(C)は引張材の挿入完了の説
明図である。
【図4】(A)は掘削孔の形成説明図、(B)は回収型
ビット及びロッド引き抜き状態の説明図、(C)は引張
材の挿入完了の説明図である。
【符号の説明】
1…金属管、a…開口部、2…引張材、11…シース
管、13…ロッド、14…ビット、14r…回収型ビッ
ト、15…掘削孔、16…グラウト材、A…地盤。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラウト材の流通が可能な小さい又は細
    い開口部を複数備えた金属管にロッドを挿通し、かつ、
    ロッド先端にビットを装着して、このビットによって地
    盤に金属管の外径以上の孔を掘削しつつ、その掘削孔に
    金属管を挿入し、かつ、掘削土を排除して、所定深さの
    掘削孔を形成した時点で、ロッドを掘削孔から引き抜い
    て、掘削孔に対して、グラウト材の注入と、引張材の挿
    入とを行うことを特徴とする引張材挿入工法。
  2. 【請求項2】 グラウト材の流通が可能な小さい又は細
    い開口部を複数備えた金属管にロッドを挿通し、かつ、
    ロッド先端にビットを装着して、このビットによって地
    盤に金属管の外径以上の孔を掘削しつつ、その掘削孔に
    金属管を挿入し、かつ、掘削土を排除して、所定深さの
    掘削孔を形成した時点で、ビット及びロッドを掘削孔に
    残して引張材とし、前記掘削孔に対して、グラウト材の
    注入を行うことを特徴とする引張材挿入工法。
  3. 【請求項3】 グラウト材の流通が可能な小さい又は細
    い開口部を複数備えた金属管にロッドを挿通し、かつ、
    ロッド先端に、金属管の外径以上の掘削外径を掘削可能
    で、且つビット外径が金属管の内径以内のビットを装着
    して、このビットによって地盤に金属管の外径以上の孔
    を掘削しつつ、その掘削孔に金属管を挿入し、かつ、掘
    削土を排除して、所定深さの掘削孔を形成した時点で、
    ロッド及びビットを掘削孔から引き抜いて、掘削孔に対
    して、グラウト材の注入と、引張材の挿入とを行うこと
    を特徴とする引張材挿入工法。
  4. 【請求項4】 前記引張材がシース管を外装してなる請
    求項1〜3に記載の引張材挿入工法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007032040A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Okabe Co Ltd 二重管削孔装置を用いたアンカー設置方法及びそのアンカー設置方法に使用するアンカー用スペーサ
JP2007154465A (ja) * 2005-12-02 2007-06-21 Tsuneo Goto アンカーとその施工方法
JP2008223432A (ja) * 2007-03-15 2008-09-25 Ohbayashi Corp 構造物の耐震工法、構造物の耐震補強工法、構造物の構築方法、構造物の耐震構造、管状部材、アンカー、及びアンカーの設置方法

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