JP2002285478A - 皮革状シート物 - Google Patents

皮革状シート物

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JP2002285478A JP2001088961A JP2001088961A JP2002285478A JP 2002285478 A JP2002285478 A JP 2002285478A JP 2001088961 A JP2001088961 A JP 2001088961A JP 2001088961 A JP2001088961 A JP 2001088961A JP 2002285478 A JP2002285478 A JP 2002285478A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外力を加えない静止状態で常時安定的にマイ
ナスイオンを発生する皮革状シート物の提供。 【解決手段】 繊維質基材に、マイナスイオン発生粉体
を含有する合成樹脂組成物を塗布若しくは含浸し、該合
成樹脂組成物が固化されてなる合成樹脂層を少なくとも
1層有してなるマイナスイオン発生皮革状シート物であ
り、使用されるマイナスイオン発生粉体が、 トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定
化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物の粉末(比重
B、平均粒子径b)との混合粉末であって、トルマリン
粉末100重量部に対し電融安定化ジルコニウムを除く
ジルコニウム化合物の粉末が、100Bb/3Aa
〜1000Bb/Aa重量部配合されてなるもので
あるか、 トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定
化ジルコニウム粉末(比重C、平均粒子径c)との混合
粉末であって、トルマリン粉末100重量部に対し電融
安定化ジルコニウム粉末を25Cc/Aa〜100
0Cc/Aa重量部配合してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルマリン粉末を
含有した皮革状シート物に係り、更に詳しくは、トルマ
リンによる空気のマイナスイオン化の効果を高めること
ができる皮革状シート物に関する。
【0002】
【従来の技術】皮革状シート物は、編織布などの基材に
可撓性合成樹脂組成物を塗布または含浸させ、合成樹脂
組成物を固化したものであり、合成樹脂として塩化ビニ
ル系樹脂を使用したものを塩ビレザー(ビニルレザー)
と呼び、塩素を含まないオレフィン系樹脂を使用したも
のをオレフィンレザーと呼んでいる。
【0003】また、合成樹脂としてポリウレタン系樹脂
を使用したものを合成皮革と呼び、基材として不織布を
使用したものを人工皮革と呼んでいる。これらの皮革状
シート物は、従来から履物、鞄、自動車用内装材、家具
(ソファや椅子等)の表皮材などとして多様な用途に使
用されてきている。
【0004】このような皮革状シート物にあっては、種
々の機能を持たせる改良が加えられており、表面にプリ
ントやエンボスを施すことによる意匠性向上のほか、可
撓性合成樹脂組成物に、種々の添加剤を配合すること、
あるいは可撓性合成樹脂組成物を固化させた合成樹脂層
の表面を形成する塗料層に、種々の添加剤を配合し、機
能性を高めたものが提案されている。例えば、実開平1
−62037号公報に記載されているように、遠赤外線
効果や脱臭効果の機能を付与するために、多孔性セラミ
ックを含有した塗料を合成樹脂層にコーティングしたも
のや、特開平6−116876号公報に記載されている
ように、軽量化のために、可撓性合成樹脂組成物にガラ
ス微少中空球を配合して合成樹脂層を形成したものがあ
る。
【0005】ところで近年注目されている機能の一つ
に、空気をマイナスイオン化することにより、人体に対
して新陳代謝の促進、血行促進、疲労回復、食欲増進、
安眠、鎮痛などの種々の効果が得られることが知られて
いる。例えば、皮革状シート物に関するものではない
が、特開平10−46479号公報には、紙基材上に樹
脂層と絵柄印刷層とを有する壁紙において、紙基材、樹
脂層、絵柄層の少なくともいずれか一つの層に、マイナ
スイオン発生材料であるトルマリン粉末を含有させて、
壁紙にマイナスイオン化の機能を付与する技術が開示さ
れている。
【0006】元来、トルマリン自体はほとんどマイナス
イオンを発生しないものである。したがって、合成樹脂
層や塗料層などにトルマリン粉末を単に含有させただけ
ではマイナスイオンの発生による効果は得られない。そ
のため、希土類元素を含む鉱石の粉末をトルマリン粉末
と共に合成樹脂層や塗料層に含有させることにより、マ
イナスイオンの発生を促進することが試みられている。
しかしながら、希土類元素を含む鉱石を併用した場合に
は、マイナスイオンの発生は促進されるものの、その発
生が安定せず、さらに放射線を放射するマイナス面があ
り、必ずしも安全であるとは言い切れない。
【0007】また、一般に産出されているトルマリンの
大部分は、ショールトルマリンと呼ばれ、おおよそ黒色
を呈しているため、鮮明な色合いの表面を有する皮革状
シート物を得ることができず、ショールトルマリンを粉
末化したものを合成樹脂層や塗料層に含有させると、外
観が非常に濃いグレー色の皮革状シート物しか得られな
いという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、
上記従来技術の問題点を解消し、外力を加えない静止状
態で常時安定的にマイナスイオンを発生する皮革状シー
ト物を提供することを課題とする。
【0009】本発明者らは、かかる課題を解決するべ
く、合成樹脂層に含有させるトルマリンについて、外力
を加えない静止状態でマイナスイオンを十分に発生させ
ることができる条件等について鋭意研究実験を行ったと
ころ、ジルコニウム化合物の粉末とともにトルマリン粉
末を使用すると、放射線の放射はきわめて微量で、しか
もトルマリンからのマイナスイオン生成は、トルマリン
粉末単独で使用した場合よりもきわめて多量であること
を見いだし、本発明を完成したのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】しかして、上記技術的課
題を解決するため本発明の請求項1記載の皮革状シート
物は、繊維質基材に合成樹脂組成物を塗布若しくは含浸
させ、該合成樹脂組成物が固化されてなる合成樹脂層を
少なくとも1層有するものであり、前記合成樹脂組成物
中に、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融
安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物の粉末
(比重B、平均粒子径b)との混合粉末であって、トル
マリン粉末100重量部に対し電融安定化ジルコニウム
を除くジルコニウム化合物の粉末を100Bb/3A
〜1000Bb/Aa重量部配合してなるマイ
ナスイオン発生粉体組成物を含有させたことを特徴とす
るマイナスイオン発生皮革状シート物である。
【0011】このマイナスイオン発生皮革状シート物に
よれば、繊維質基材に塗布または含浸される合成樹脂組
成物は、トルマリン粉末と電融安定化ジルコニウムを除
くジルコニウム化合物の粉末とが特定混合比率で配合さ
れたマイナスイオン発生粉体組成物を含有するものであ
り、かかる合成樹脂組成物が固化した層を少なくとも1
層有する皮革状シート物である。この場合の合成樹脂層
に含有されるマイナスイオン発生粉体組成物にあって
は、電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物
の粉末により、トルマリン粉末のマイナスイオン生成の
働きが向上されている。したがって、常時安定的にマイ
ナスイオンが生成されるとともに、希土類元素を含有す
る鉱石の粉末を使用していないことより、放射線の放射
はほとんどなく、人体に対して安全なマイナスイオン発
生皮革状シート物が得られるのである。
【0012】また、本発明の請求項2記載の皮革状シー
ト物は、繊維質基材に合成樹脂組成物を塗布若しくは含
浸させ、該合成樹脂組成物が固化されてなる合成樹脂層
を少なくとも1層有してなる皮革状シート物において、
前記合成樹脂組成物中に、トルマリン粉末(比重A、平
均粒子径a)と電融安定化ジルコニウム粉末(比重C、
平均粒子径c)との混合粉末であって、トルマリン粉末
100重量部に対し電融安定化ジルコニウム粉末を25
Cc/Aa〜1000Cc/Aa重量部配合し
てなるマイナスイオン発生粉体組成物を含有させたこと
を特徴とするマイナスイオン発生皮革状シート物であ
る。
【0013】この請求項2に記載のマイナスイオン発生
皮革状シート物にあっても、繊維質基材に塗布または含
浸される合成樹脂組成物は、トルマリン粉末と電融安定
化ジルコニウム粉末とが特定混合比率で配合されたマイ
ナスイオン発生粉体組成物を含有するものであり、かか
る合成樹脂組成物が固化した層を少なくとも1層有する
皮革状シート物である。この場合の合成樹脂層に含有さ
れるマイナスイオン発生粉体にあっては、電融安定化ジ
ルコニウム粉末によりトルマリン粉末のマイナスイオン
生成の働きが向上されている。したがって、常時安定的
にマイナスイオンが生成されるとともに、希土類元素を
含有する鉱石の粉末を使用していないことより、放射線
の放射はほとんどなく、人体に対して安全なマイナスイ
オン発生皮革状シート物が得られるのである。
【0014】さらに、本発明の請求項3記載の皮革状シ
ート物は、請求項1または2に記載の皮革状シート物に
おいて、マイナスイオン発生粉体に使用するトルマリン
粉末が、リチア電気石(エルバイトトルマリン)を微粉
砕したものを50重量%以上含むものである皮革状シー
ト物である。
【0015】この皮革状シート物によれば、前記皮革状
シート物に使用されるトルマリン粉末は、エルバイトト
ルマリンを微粉砕したものが50重量%以上含むもので
構成されている。このエルバイトトルマリンを微粉砕し
たものは、光の散乱によってほぼ白色を呈するので、任
意の顔料を含有させて、淡色系の色から農色系の色まで
任意の色に着色した皮革状シート物を得ることができる
ようになる。
【0016】また、本発明の請求項4記載の皮革状シー
ト物は、請求項1〜3で提供する皮革状シート物におい
て、繊維質基材として帯電防止剤や導電性物質により帯
電防止化または導電化されたものを使用した、マイナス
イオン発生皮革状シート物である。すなわち、このマイ
ナスイオン発生皮革状シート物にあっては、帯電防止剤
または導電性物質により帯電防止化または導電化された
繊維質基材が使用される。したがって、皮革状シート物
は静電気を帯電するのを防止できるため、発生するマイ
ナスイオンが静電気により中和されて、マイナスイオン
の発生量が減少してしまうことがない。そのため、特に
静電気の発生し易い冬場においても安定的にマイナスイ
オン効果を示すマイナスイオン発生皮革状シート物が得
られる利点を有している。
【0017】さらに、本発明の請求項5記載の皮革状シ
ート物は、請求項1〜3で提供する皮革状シート物にお
いて、合成樹脂組成物として帯電防止剤や導電性物質を
含有させてなるものを使用した、マイナスイオン発生皮
革状シート物である。すなわち、このマイナスイオン発
生皮革状シート物にあっては、合成樹脂組成物中に帯電
防止剤または導電性物質が含有され、この合成樹脂組成
物が固化された合成樹脂層が、皮革状シート物を構成し
ている。したがって、皮革状シート物が静電気を帯電す
るのを防止できるので、発生するマイナスイオンが静電
気により中和されて、マイナスイオンの発生量が減少し
てしまうことがない。そのため、特に静電気の発生し易
い冬場においても安定的にマイナスイオン効果を示すマ
イナスイオン発生皮革状シート物が得られる利点を有し
ている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明が提供する皮革状シ
ート物の詳細について、具体的に説明する。本発明の皮
革状シート物は、基本的には、繊維質基材に、マイナス
イオン発生粉体を含有する合成樹脂組成物を塗布若しく
は含浸し、該合成樹脂組成物が固化されてなる合成樹脂
層を少なくとも1層有してなるマイナスイオン発生皮革
状シート物であり、使用されるマイナスイオン発生粉体
が、 トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定
化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物の粉末(比重
B、平均粒子径b)との混合粉末であって、トルマリン
粉末100重量部に対し電融安定化ジルコニウムを除く
ジルコニウム化合物の粉末が、100Bb/3Aa
〜1000Bb/Aa重量部配合されてなるもので
あるか、 トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定
化ジルコニウム粉末(比重C、平均粒子径c)との混合
粉末であって、トルマリン粉末100重量部に対し電融
安定化ジルコニウム粉末を25Cc/Aa〜100
0Cc/Aa重量部配合してなるものである。
【0019】この場合、本発明の皮革状シート物に使用
する繊維質基材としては、織布、編布、不織布などの布
帛が使用でき、これらの布帛は表面が起毛されたもの、
表面に短繊維が植毛されたもの、表面がパイル加工され
たもの等いずれのものでも使用できる。繊維質基材を構
成する繊維としては、綿、ウールなどの天然繊維、ス
フ、レーヨンなど半合成繊維、ポリエステル繊維、ポリ
アミド繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ
ウレタン繊維などの合成繊維が使用できる。
【0020】繊維質基材である織布、編布、不織布など
の布帛として静電気を帯電しないように、帯電防止化し
たものや、導電化したものを使用すると、繊維質基材が
静電気を帯電することにより、発生するマイナスイオン
が中和されてマイナスイオンの発生量が少なくなること
がない。したがって、特に静電気の発生しやすい冬場に
おいても、安定的にマイナスイオン効果を示す皮革状シ
ート物が得られるもので好ましい。
【0021】上記の布帛を帯電防止化するためには、織
布、編布、不織布を構成する繊維の少なくとも1種を、
帯電防止剤および/または導電性物質を含有する繊維で
構成するか、できた布帛に帯電防止剤を含浸させたり、
塗布したりすればよい。
【0022】帯電防止剤としては、多価アルコールの部
分的脂肪酸エステル、多価アルコールの部分的脂肪酸エ
ステルのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレン
オキサイド付加物、脂肪族アルコールのエチレンオキサ
イド付加物、脂肪族アルコールのエチレンオキサイド付
加物、脂肪酸アミンのエチレンオキサイド付加物、脂肪
族アミドのエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノ
ールのエチレンオキサイド付加物、アルキルナフトール
のエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール
などのノニオン系帯電防止剤;第1級アミン塩、第3級
アミン、第4級アンモニウム化合物、ピリジン誘導体な
どのカチオン系帯電防止剤;硫酸化油、金属石鹸、硫酸
化エステル油、硫酸化アミド油;オレフィンの硫酸エス
テル塩、多価アルコールの硫酸エステル塩、アルキル硫
酸エステル塩、脂肪酸エチルスルホン酸塩、アルキルナ
フタレンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、ナフタレンスルホン酸とホルマリンの混合物、コハ
ク酸エステルスルホン酸塩、リン酸エステル塩などのア
ニオン系帯電防止剤;カルボン酸誘導体、イミダゾリン
誘導体などの両性帯電防止剤等、一般的に繊維に帯電防
止性を付与するのに使用されるものであればいずれのも
のでも使用できる。
【0023】また、上記布帛を導電化するには、織布、
編布、不織布を構成する繊維の少なくとも1種を、導電
性物質を含有する繊維で構成するか、できた布帛に導電
性物質を含浸させたり、塗布したりすればよい。
【0024】導電性物質としては、導電性酸化チタン
(酸化チタン表面をSn−Sb系化合物で処理したも
の)粉末、カーボンブラック粉末、銀、銅、ニッケル、
アルミニウム、ステンレス、鉄などの金属よりなる粉
末、金属細片または金属短繊維、有機繊維若しくは無機
繊維または合成樹脂粉末もしくは無機粉末の表面を金属
または金属酸化物などで被覆したものが使用できる。
【0025】また、電子共役系ポリマーの粉末や、有機
繊維もしくは無機繊維または合成樹脂粉末、もしくは無
機粉末の表面を電子共役系ポリマーで被覆したものも使
用できる。電子共役系ポリマーとしてはアニリン、ピロ
ール、チオフェンまたはそれらの誘導体の中から選ばれ
た1種のモノマーを重合したものがあり、布帛に導電性
物質を含浸させたり、塗布したりするには、これらの導
電性物質を合成樹脂溶液などに含有させてなる導電性合
成樹脂溶液を布帛に含浸させたり、塗布したりし、その
後加熱乾燥させれば良い。
【0026】電子共役系ポリマーとしては、アニリン、
o−メチルアニリン、m−メチルアニリン、o−エチル
アニリン、m−エチルアニリン、o−トルイジン、m−
トルイジン、o−アニシジン、m−アニシジン、o−ク
ロロアニリン、m−クロロアニリン、ピロール、N−メ
チルピロール、3−メチルピロール、3・4−ジメチル
ピロール、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−メ
トキシチオフェンなどのモノマーを、ドーパントの存在
下に酸化重合剤と接触せしめることにより重合させ、得
ることができる。
【0027】ドーパントとしては、一般に使用されてい
るアクセプター性のものならいずれのものでも使用でき
る。例えば、塩素、臭素、沃素等のハロゲン類;5弗化
リン等のルイス酸;塩化水素、硫酸等のプロトン酸;塩
化第2鉄等の遷移金属化合物;過塩素酸銀、弗化ホウ素
銀等の遷移金属化合物、クロル酢酸、p−トルエンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸(塩)、ナフタレン1・5
ジスルホン酸(塩)などの有機酸(塩)が挙げられる。
【0028】酸化重合剤としては、一般に使用される過
マンガン酸、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カ
リウム等の過マンガン酸(塩)類;三酸化クロム等のク
ロム酸類;硝酸銀等の硝酸塩類;塩素、臭素、沃素等の
ハロゲン類;過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過酸化
物;ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸カリウム等の
ペルオキソ酸(塩)類;次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリ
ウム、次亜塩素酸カリウム、塩素酸アトリウム、塩素酸
カリウム等の塩素酸(塩)類;塩化第二鉄等の遷移金属
塩化物;酸化銀等の金属酸化物などが挙げられる。
【0029】有機繊維もしくは無機繊維または合成樹脂
粉末もしくは無機粉末の表面を電子共役系ポリマーで被
覆するには、 電子共役系ポリマーを形成し得るモノマーと、酸化重
合剤及び必要に応じてドーパントを含有する処理液に、
モノマーが実質的に重合する前に有機繊維もしくは無機
繊維または合成樹脂粉末もしくは無機粉末を浸漬する方
法、 電子共役系ポリマーを形成し得るモノマーを含有する
処理液と、酸化重合剤と必用によりドーパントを含有す
る処理液とに有機繊維もしくは無機繊維または合成樹脂
粉末もしくは無機粉末を浸漬する方法、 酸化重合剤と、必要によりドーパントを含有する処理
液に、有機繊維もしくは無機繊維または合成樹脂粉末も
しくは無機粉末を浸漬した後、この処理液中に電子共役
系ポリマーを形成し得るモノマーを添加する方法などが
ある。
【0030】このようにして電子共役系ポリマーで被覆
した有機繊維もしくは無機繊維または合成樹脂粉末もし
くは無機粉末は、その表面が電子共役系ポリマーで被覆
されるばかりでなく内部の表面近傍に電子共役系ポリマ
ーが浸透して電子共役系ポリマー層が形成されているの
で、導電層が剥離して導電性が損なわれることがなく好
ましいものである。
【0031】また、織布、編布、不織布などの布帛に直
接電子共役系ポリマーを適用することにより、導電性織
布、導電性編布、導電性不織布を作製し、これを使用す
ることもできる。織布、編布、不織布などの布帛適用す
る方法としては、有機繊維もしくは無機繊維または合成
樹脂粉末もしくは無機粉末の表面に電子共役系ポリマー
を形成させるのと同じ方法が使用できる。
【0032】電子共役系ポリマーで被覆した織布、編
布、不織布などの布帛にあっても、その構成繊維の表面
が電子共役系ポリマーで被覆されるばかりでなく繊維内
部の表面近傍に電子共役系ポリマーが浸透して電子共役
系ポリマー層が形成された導電性布帛であるため、導電
層が剥離して導電性が損なわれることがなく好ましいも
のである。
【0033】一方、本発明で使用できるトルマリンは、
一般式:(Na,Ca,K)(Al,Fe,Li,Mg,Mn)(BO)(Al,Cr,
Fe,V)(SiO)(O,OH,F)で表される珪酸塩鉱物で
あり、電荷の自発分極性を有し、著しい圧電性や集電性
を示すことから電気石とも称されている。このトルマリ
ンとしては、一般式:Na(Li,Al)(BO)Al(SiO
)(OH)で示されるエルバイトトルマリン(リチア
電気石)と呼ばれるもの、一般式:NaFe(BO)Al
(SiO)(OH)で示されるショールトルマリンと呼
ばれるもの、一般式:NaMg(BO)Al(SiO)
(OH)で示されるドラバイトトルマリンと呼ばれるも
のが知られているが、いずれのものも使用が可能であ
る。これらのトルマリンは、従来から室内空気のイオン
化にトルマリン粉末が有効であるとして使用されてきた
ものである。
【0034】トルマリンの粉末粒子は自発分極により常
に静電気を帯びているので、これに水分子が触れると、
瞬間的に放電して、水素ガスとヒドロキシルイオンとを
生成し、水を弱アルカリ化する作用を有している。そし
て、空気中において、同様に水分が電気分解されて生成
したヒドロキシルイオンが空気中に放出されることによ
って、空気がマイナスイオン化される。このようなマイ
ナスイオン化した空気は、人体に対して新陳代謝の促
進、血行促進、疲労回復、食欲増進、安眠、鎮痛など数
々の好影響を与えるといわれている。
【0035】したがってトルマリン粉末粒子の大きさ
は、小さいほど空気中の水分子と接触する面積が大きく
なり、マイナスイオン発生が効果的の行われることにな
り好ましいものである。そのようなトルマリン粉末の好
適な大きさは、平均粒子径で、0.01〜1,000μ
mであり、好ましくは0.05〜100μm、最も好ま
しくは0.1〜20μmである。1,000μmを越え
るとマイナスイオン発生効果が少なくなるばかりでな
く、塗料や合成樹脂に含有させて塗膜や合成樹脂成型品
を作製したときに、平滑な表面が得られにくくなり、ま
た、0.01μmより小さくなると均一に分散させるこ
とが困難となる場合がある。
【0036】また、トルマリン粉末の自発分極により帯
電する静電気は、物質を吸着する作用あるいは反発する
作用を有しており、これにより消臭効果、抗菌効果が発
揮される。さらに、トルマリンは、遠赤外線放射率の高
い材料であることが知られている。なお、トルマリンは
その自発分極性を恒常的に有しているので、上記した効
果は、化学反応により失われたり経時的に劣化したりす
ることはない。
【0037】本発明で使用するトルマリンとしては、リ
チア電気石が好ましい。このリチア電気石はエルバイト
トルマリンと呼ばれている。このおおよそ淡色のピン
ク、緑、青色を呈したエルバイトトルマリンを粉末化し
たものは、光の散乱によってほぼ白色を呈するものであ
る。したがって、リチア電気石を粉末化したものを塗料
や合成樹脂に分散させれば、任意の染料や顔料を塗料や
合成樹脂に含有させることによって、塗料や合成樹脂の
色合いを淡色から農色まで自由に設計できるものであ
る。
【0038】例えば、淡色系に着色する場合には、エル
バイトトルマリンを単独で使用するのが最も好ましい
が、ショールトルマリンやドラバイトトルマリンと混合
して使用することも可能である。使用可能なエルバイト
トルマリンとショールトルマリンやドラバイトトルマリ
ンとの混合比率は、50/50〜100/0であり、好
ましくは70/30〜100/0であり、さらに好まし
くは80/20〜100/0である。
【0039】トルマリンと共に本発明で併用するジルコ
ニウム化合物としては、ケイ酸ジルコニウム、金属ジル
コニウム、酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニルアンモニ
ウム、オキシ塩化ジルコニウム、電融安定化ジルコニウ
ム(電融安定化酸化ジルコニウムと称する場合があり、
本明細書において両者は同義である。)、安定化ジルコ
ニアなどがあげられる。特に好ましいのは、電融安定化
ジルコニウムである。
【0040】これらのジルコニウム化合物は、純度10
0%のものが最も好ましいが、必ずしも純度100%で
なくてもマイナスイオン生成機能を励起活性させ、マイ
ナスイオン発生の向上が認められるものである。ジルコ
ニウム化合物の純度は70%以上であれば本発明の効果
が認められ、好ましくは80%以上、最も好ましくは9
0%以上である。
【0041】電融安定化ジルコニウムは、特にトルマリ
ンのマイナスイオン生成機能を活性化させる作用が強
く、最も好ましいものである。
【0042】ケイ酸ジルコニウムは、ジルコンサンドを
鉄ボールなどで粉砕し、粉砕物から鉄粉を除去し、分級
することにより得られる。金属ジルコニウムは、ジルコ
ンサンドから炭化ジルコニウムを調製し、これを四塩化
ジルコニウムとし金属ジルコニウムを得ることができ
る。酸化ジルコニウムは、ジルコンサンドをアルカリ分
解してジルコン酸アルカリとし、これを酸に溶解させジ
ルコニル溶液とし、これから水酸化ジルコニルを得て、
これを酸化することにより得られる。また、酸化ジルコ
ニウムはパデライトを原料とし、これから不純物を除去
して得ることもできる。炭酸ジルコニルアンモニウム
は、ジルコニル溶液から炭酸ジルコニルを得て、これか
ら炭酸ジルコニルアンモニウムを得ることができる。ジ
ルコンサンドを、石炭を添加してアーク溶融すると安定
化ジルコニアを得ることができる。
【0043】電融安定化ジルコニウムは、ジルコンサン
ドをアーク溶融することにより得ることができる。
【0044】本発明で使用するマイナスイオン発生粉体
組成物を得るには、例えば、上記したジルコニウム化合
物または電融安定化ジルコニウムを粉砕して、ジルコニ
ウム化合物の粉末若しくは電融安定化ジルコニウム粉末
とし、これをトルマリン粉末と混合することにより行わ
れ、これにより、トルマリンのマイナスイオン生成機能
が向上でき、しかも放射線放射のないマイナスイオン発
生粉体組成物が得られるものである。
【0045】しかしながら、単に混合しただけでは、必
ずしもマイナスイオン生成機能を向上させることができ
るとは限らないものであることが判明した。本発明者ら
による種々の研究の結果、ジルコニウム化合物の粉末ま
たは電融安定化ジルコニウム粉末が、トルマリン粉末の
個数の三分の一以上存在するときにマイナスイオン生成
機能が向上することが判明した。特に、ジルコニウム化
合物の粉末または電融安定化ジルコニウム粉末が、トル
マリン粉末の個数の2倍以上存在するときに最もマイナ
スイオン生成機能が向上するものである。トルマリン粉
末の個数よりもジルコニウム化合物の粉末または電融安
定化ジルコニウム粉末の個数が少なくなるに従って、マ
イナスイオン生成機能は減少し、トルマリン粉末の個数
の三分の一未満になるとマイナスイオンの生成機能は急
速に少なくなる。
【0046】電融安定化ジルコニウム粉末の場合には、
トルマリン粉末に作用してマイナスイオン生成させる機
能が強いので、他のジルコニウム化合物の粉末と異な
り、トルマリン粉末の個数の四分の一未満になるまでは
マイナスイオンの生成機能は急速に少なくなることはな
い。一方、ジルコニウム化合物の粉末や電融安定化ジル
コニウム粉末の個数がトルマリン粉末の個数より10倍
以上多くなった場合には、マイナスイオン生成機能の向
上はわずかとなり、しかもジルコニウム化合物の粉末や
電融安定化ジルコニウム粉末を多量に使用することは、
経済的な面から効果的ではないものである。
【0047】したがって、本発明においては、ジルコニ
ウム化合物の粉末の個数は、トルマリン粉末の1/3〜
10/1の個数を存在させるのが好ましく、電融安定化
ジルコニウム粉末の場合にはトルマリン粉末の1/4〜
10/1の個数を存在させるのが好ましいものである。
【0048】すなわち、トルマリン粉末の比重がA(g
/cc)で平均粒子径a(cm)とした場合、比重B
(g/cc)で平均粒子径b(cm)のジルコニウム化
合物の粉末は、トルマリン粉末100重量部に対して1
00Bb/3Aa〜1000Bb/Aa重量部
を混合するのがよい。好ましくは、50Bb/Aa
〜500Bb/Aa重量部を混合するのがよく、最
も好ましくは、100Bb/Aa〜300Bb
Aa重量部を混合するのがよい。
【0049】また、比重C(g/cc)で平均粒子径c
(cm)の電融安定化ジルコニウム粉末にあっては、ト
ルマリン粉末100重量部に対して25Cc/Aa
〜1000Cc/Aa重量部を混合するのがよい。
好ましくは、40Cc/Aa〜400Cc/Aa
重量部を混合するのがよく、最も好ましくは、70C
/Aa〜250Cc/Aa重量部を混合する
のがよい。
【0050】トルマリン粉末と、ジルコニウム化合物の
粉末または電融安定化ジルコニウム粉末を、上記したと
おりの混合比率で混合することにより、マイナスイオン
生成機能は向上する。よりその機能の向上を効率的にす
るには、トルマリン粉末1個に対してジルコニウム化合
物の粉末が1/3個(ジルコニウム化合物の粉末1個に
対してトルマリン粉末3個)〜10個、またはトルマリ
ン粉末1個に対して電融安定化ジルコニウム粉末が1/
4個(電融安定化ジルコニウム粉末1個に対してトルマ
リン粉末4個)〜10個が精密に分散されるのが望まし
い。
【0051】トルマリン粉末と、ジルコニウム化合物の
粉末や電融安定化ジルコニウム粉末とを均一に分散する
方法としては、通常使用されている撹拌翼型の混合機、
空気流型混合機で粉末状態のままで混合してもよいし、
粉末を水などの液体中に分散させ、撹拌翼を使用して混
合してもよく、また、液流で混合してもよい。さらに
は、精密分散状態に混合するための特殊混合機、例え
ば、ラモンドスターラーを使用したラモンドミキサーな
どを使用して混合してもよい。
【0052】通常使用されている混合機を使用する場合
にあっては、混合する粉末の平均粒径が同じである場
合、比重の大きい粉末が下層に集中することになり、精
密分散状態を確保することが難しくなる傾向がある。し
たがって、トルマリン粉末の比重がA、ジルコニウム化
合物の粉末の比重がBの場合、ジルコニウム化合物の粉
末の平均粒径はトルマリン粉末の平均粒径のA/B倍に
するのが好ましく、トルマリン粉末の比重がA、電融安
定化ジルコニウム粉末の比重がCの場合、電融安定化ジ
ルコニウム粉末の平均粒径はトルマリン粉末のA/C倍
にするのが好ましい。
【0053】さらに、本発明が提供する皮革状シート物
に使用される合成樹脂としては、ポリ塩化ビニル系樹
脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アク
リル系樹脂などが使用できる。
【0054】ポリ塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化
ビニル、塩化ビニルと他のモノマー、例えば酢酸ビニ
ル、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテル、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロ
ニトリルなどとの共重合体のほか、ポリ塩化ビニルと他
のポリマーとの混合物が使用できる。
【0055】ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレンなどの単独重合体、エチレンやプ
ロピレンなどのオレフィン系モノマーと他のモノマー、
例えば酢酸ビニル、αオレフィン、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、アルキルビニルエーテル、
アクリロニトリルなどとの共重合体のほか、ポリエチレ
ンやポリプロピレンと他のポリマーとの混合物が使用で
きる。
【0056】ポリウレタン系樹脂としては、ポリエステ
ルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステル・エ
ーテルジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリメ
チルバレロラクトンジオール、ポリカーボネートジオー
ル等のポリマージオールから選ばれる1種以上のポリオ
ールと、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネ
ート、脂環族ジイソシアネート、環状基を有する脂肪族
ジイソシアネート等の有機ポリイソシアネートから選ば
れる1種以上のポリイソシアネートと、活性水素原子を
少なくとも2個有する低分子化合物、例えば脂肪族ジオ
ール、脂環族ジオール、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミ
ン、ヒドラジン誘導体等の群から選ばれる1種以上鎖伸
長剤とを反応させて得られる1液型または2液型ポリウ
レタン樹脂を使用することができる。
【0057】合成樹脂組成物に含有させる帯電防止剤や
導電性物質としては、布帛を帯電防止化するのに使用さ
れるのと同様の帯電防止剤や導電性物質を使用すること
ができる。
【0058】合成樹脂には、必要に応じて可塑剤、安定
剤、界面活性剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、抗酸化剤、充填剤、着色剤等の各種添加剤を添加す
ることができる。
【0059】可塑剤としては、ジ−2−エチルヘキシル
フタレートなどのフタル酸エステル系可塑剤;トリクレ
ジルホスフェートなどのリン酸エステル系可塑剤;エポ
キシ化大豆油などのエポキシ系可塑剤;ジ−2−エチル
ヘキシルアジペートなどの脂肪酸エステル系可塑剤;ト
リメリット酸エステル系可塑剤;ポリエステル系可塑剤
から選ばれる1種以上のものが使用できる。
【0060】上記以外に、下記化学式(1)、(2)に
示すような導電性可塑剤を使用することもできる。 ROCO(AO)R (1) (B)[(CH)OCO(AO)R][(CH)OCO(AO)R] (2)
【0061】(式中、Rは置換基を有していてもよい
炭素数2〜22の脂肪族、脂環族、芳香族あるいは複素
環式炭化水素、R,R,Rは炭素数1〜15の直鎖、
もしくは分岐のアルキル基、Aは炭素数2〜4のアルキ
レン基を表す。Bは硫黄原子、酸素原子、または脂肪
族、脂環族あるいは芳香族炭化水素基を表す。sは1〜
25の整数、m、nは1〜7の整数、kは1または2、
r、pは1〜4の整数である。)
【0062】導電性可塑剤は、上記の汎用可塑剤と併用
することもできる。汎用可塑剤と併用する場合には、導
電性可塑剤の添加量(X)と汎用可塑剤の添加量(Y)
が下記(3)式に示す条件を満足する範囲とするのが好
ましい。 30≦(X+Y)≦160,かつ 5<X<40 (3) 導電性可塑剤を使用した場合には、帯電防止剤や導電性
物質を添加した場合と同様に、この合成樹脂組成物を使
用して製品を製造した場合に、製品が静電気を帯電する
ことがなく静電気帯電によりマイナスイオンの発生が抑
制されることもないので、好ましいものである。
【0063】安定剤としては、ステアリン酸バリウムな
どの高級脂肪酸の金属塩;p−t−ブチル安息香酸亜鉛
などのアルキル安息香酸の金属塩;リシノール酸バリウ
ムなどの金属石鹸;トリフェニルホスファイトなどの有
機ホスファイト系安定剤、ジブチル錫ジラウレートなど
の錫系安定剤などが使用できる。
【0064】界面活性剤としては、アニオン系界面活性
剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤のい
ずれも使用可能であるが、ノニオン系界面活性剤が好ま
しい。ノニオン系界面活性剤としては、ソルビタン、グ
リセリンなどの多価アルコールと脂肪酸のエステル、多
価アルコールと脂肪酸および二塩基酸とのエステル、あ
るいはこれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イドなどのアルキレンオキサイドを付加した化合物や、
フッ素系界面活性剤が使用できる。
【0065】滑剤としては、ステアリン酸などの脂肪酸
系滑剤、ステアリン酸アミド、メチレンビスステアロア
ミドなどの脂肪酸アミド系滑剤、ブチルパルミテートな
どのエステル系滑剤、バリウムイソデシルホスフェート
などの有機リン酸金属塩系滑剤、ポリエチレンワック
ス、流動パラフィンから選ばれる1種以上の滑剤を使用
できる。
【0066】発泡剤としては、ブタン、ペンタンなどの
脂肪族炭化水素;熱可塑性樹脂からなる殻に脂肪族炭化
水素などの熱膨張性物質を包含させたマイクロカプセル
型発泡剤、N’,N’−ジニトロソペンタメチレンテト
ラミン、N’,N’−ジメチル−N’,N’−ジニトロ
ソテレフタルアミド、アゾジカーボンアミド、アゾビス
イソブチロニトリル、ベンゼンスルホニルヒドラジド、
P,P’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド)、ベンゼン−1,3−ジスルホニルヒドラジド、ト
ルエンスルホニルヒドラジドなどの熱分解型発泡剤など
が使用できる。
【0067】紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫
外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、
シアノアクリレート系紫外線吸収剤から選ばれる1種以
上を使用することができる。
【0068】光安定剤としては、4−(フェニルアセト
キシ)−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、トリ
ス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)トリアジン−2,4,6−トリカルボキシレートな
どのヒンダードアミン系光安定剤が使用できるものであ
る。
【0069】抗酸化剤としては、一般に使用されている
フェノール系抗酸化剤、チオプロピオン酸エステル系抗
酸化剤、脂肪族サルファイド系抗酸化剤を1種又は2種
以上を使用することができる。
【0070】充填剤としては、加工温度で溶融、分解な
どの物理的、化学的な変化を起こさない耐熱性に優れた
無機質及び/又は有機質の充填剤であればいずれのもの
でも使用できる。具体例としては、炭酸マグネシウム、
マグネシウム系ケイ酸塩、酸化アルミニウム、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、ハイドロタ
ルサイト、酸化チタンなどの無機質充填剤のほか、架橋
塩化ビニル樹脂粉末、アクリル系樹脂粉末、ポリウレタ
ン粉末などの架橋された合成樹脂の粉末などの有機質充
填剤を挙げることができる。
【0071】着色剤としては、カーボンブラック、群
青、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、
酸化チタン、亜鉛華、キナクリドンレッド、ハンザイエ
ローなど、一般に合成樹脂の着色に使用される顔料や染
料であればいずれのものでも使用でき、これらは1種ま
たは2種以上を併用することもできる。
【0072】以下に、本発明が提供する皮革状シート物
の具体例について、図2により説明する。
【0073】例えば、皮革状シート物をビニルレザーと
する場合には、図2(a)に示すように、繊維質基材1
1上に、塩化ビニル樹脂からなる塩化ビニル樹脂層12
(合成樹脂層)を積層し、該塩化ビニル樹脂層の表面
に、合成樹脂溶液中に電融安定化ジルコニウを除くジル
コニウム化合物の粉末または電融安定化ジルコニウム粉
末とトルマリン粉末とを含有させたコーティング材を塗
布して形成された表皮層13(合成樹脂層)を積層して
構成する。
【0074】このように、合成樹脂層(図2の場合は表
皮層13)に電融安定化ジルコニウを除くジルコニウム
化合物の粉末または電融安定化ジルコニウム粉末とトル
マリン粉末とを含有させることによって、静止状態でよ
り多くのマイナスイオンを発生させることができる。
【0075】この際使用する合成樹脂溶液に使用される
合成樹脂としては、合成樹脂層を形成する可撓性合成樹
脂と同様のものが使用できるばかりでなく、一般に表面
塗工に使用される塗料用の合成樹脂、例えば、ポリウレ
タン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂なども使用できる。合成樹脂溶液として
は、合成樹脂を溶媒に溶解させたもののほか、合成樹脂
を液体中に分散させた合成樹脂分散液(エマルジョン)
でもよいし、必要に応じて水酸化アルミニウム等の難燃
剤、炭酸カルシウム等の充填剤等を配合するようにして
もよい。
【0076】また、皮革状シート物を塩ビレザーとする
場合に、表皮層13ではなく、塩化ビニル樹脂層12に
電融安定化ジルコニウを除くジルコニウム化合物の粉末
または電融安定化ジルコニウム粉末とトルマリン粉末と
を含有させて構成することもできる。
【0077】塩化ビニル樹脂層12は、塩化ビニル系樹
脂、可塑剤、安定剤、電融安定化ジルコニウを除くジル
コニウム化合物の粉末または電融安定化ジルコニウム粉
末、トルマリン粉末、顔料、必要に応じて発泡剤、紫外
線吸収剤等を均一に混練して、カレンダー加工やペース
ト加工にて繊維質基材11上に積層形成することができ
る。
【0078】電融安定化ジルコニウを除くジルコニウム
化合物の粉末または電融安定化ジルコニウム粉末とトル
マリン粉末とを含有させるに際しては、皮革状シート物
が複数の合成樹脂層を有する場合、最外層の合成樹脂層
に含有させるのが、特に好ましい。最外層の合成樹脂層
に含有させることにより、より多くのマイナスイオンを
発生させることができるものである。
【0079】次に、皮革状シート物をポリウレタン系合
成皮革とする場合には、図2(b)に示すように、図示
省略した離型紙上に、合成樹脂層を構成する電融安定化
ジルコニウを除くジルコニウム化合物の粉末または電融
安定化ジルコニウム粉末とトルマリン粉末とを含有させ
たポリウレタン表皮層21としての1液型ポリウレタン
系樹脂溶液を塗布し、乾燥後、この合成樹脂層21の上
に接着層22としての2液型ポリウレタン系樹脂溶液接
着剤を塗布し、その上に繊維質基材23を積層し、その
後離型紙を剥離することによって、図示したポリウレタ
ン系合成皮革20が得られる。
【0080】このポリウレタン系合成皮革20は、ポリ
ウレタン表皮層21(合成樹脂層)に、電融安定化ジル
コニウを除くジルコニウム化合物の粉末または電融安定
化ジルコニウム粉末とトルマリン粉末とを含有するの
で、外力などを加えない静止状態で、皮革状シート物2
0の表面により多くのマイナスイオンを発生させること
ができる。
【0081】上記ポリウレタン系合成皮革20では、ポ
リウレタン表皮層21に電融安定化ジルコニウを除くジ
ルコニウム化合物の粉末または電融安定化ジルコニウム
粉末とトルマリン粉末とを含有させたが、2液型ポリウ
レタン系樹脂溶液接着剤から形成されるポリウレタン接
着層22に電融安定化ジルコニウを除くジルコニウム化
合物の粉末または電融安定化ジルコニウム粉末とトルマ
リン粉末とを含有させるようにしてもよく、このポリウ
レタン系合成皮革20では、ポリウレタン表皮層21に
電融安定化ジルコニウを除くジルコニウム化合物の粉末
または電融安定化ジルコニウム粉末とトルマリン粉末と
が含有されていなくても、ポリウレタン接着層22に電
融安定化ジルコニウを除くジルコニウム化合物の粉末ま
たは電融安定化ジルコニウム粉末とトルマリン粉末とを
含有させているので、皮革状シート物20の表面に多く
のマイナスイオンを発生させることができる。
【0082】また、皮革状シート物を人工皮革とする場
合には、図2(c)に示すように、電融安定化ジルコニ
ウを除くジルコニウム化合物の粉末または電融安定化ジ
ルコニウム粉末とトルマリン粉末とを含有するポリウレ
タン系樹脂溶液を、繊維質基材31に含浸させこれを乾
燥固化させて得られるものである。具体的には、電融安
定化ジルコニウを除くジルコニウム化合物の粉末または
電融安定化ジルコニウム粉末とトルマリン粉末とを含有
するポリウレタン系樹脂溶液中に、繊維質基材を浸漬
し、余剰のポリウレタン系樹脂溶液をニップロールにて
絞液して除去し、加熱オーブンを通して乾燥固化させる
か、または電融安定化ジルコニウを除くジルコニウム化
合物の粉末または電融安定化ジルコニウム粉末とトルマ
リン粉末とを含有するポリウレタン系樹脂溶液を、繊維
質基材上に供給し、ロールコーター、ドクターコーター
と繊維質基材とのクリアランスを0に設定して、ロール
コーターやドクターコーターにより絞り込むようにして
繊維質基材中に含浸させ、加熱オーブンを通して乾燥固
化させることにより、ポリウレタン系人工皮革が得られ
る。
【0083】このような人工皮革30とした場合には繊
維質基材31中に、繊維質基材と一体となって電融安定
化ジルコニウを除くジルコニウム化合物の粉末または電
融安定化ジルコニウム粉末とトルマリン粉末とを含有す
るポリウレタン系樹脂層32が形成されているので、外
力などを加えない静止状態で、人工皮革30の表面によ
り多くのマイナスイオンを発生させることができる。
【0084】
【実施例】以下に本発明の皮革状シート物の実施例につ
いて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0085】実施例1:下記の原料を用いた塩化ビニル
樹脂コンパウンドをカレンダーにて0.15mmに圧延
し、これをメリヤス(繊維質基材)に積層し塩ビレザー
を作製した。下記原料中におけるエルバイトトルマリン
粉末と珪酸ジルコニウム粉末の混合比率は、エルバイト
トルマリン粉末/珪酸ジルコニウム粉末≒1/3であっ
た。 原 料 塩化ビニル樹脂 100重量部 可塑剤 70重量部 安定剤 2重量部 珪酸ジルコニウム粉末(比重4.2、粒径2μm) 11重量部 エルバイトトルマリン粉末(比重3.0、粒径3μm) 9重量部 顔料(白色顔料) 10重量部
【0086】実施例2:下記の原料を用いた塩化ビニル
樹脂コンパウンドをカレンダーにて0.15mmに圧延
し、これをメリヤス(繊維質基材)に積層し塩ビレザー
を作製した。下記原料中のエルバイトトルマリン粉末と
電融安定化ジルコニウム粉末の混合比率は、エルバイト
トルマリン粉末/電融安定化ジルコニウム粉末≒1/3
であった。 原 料 塩化ビニル樹脂 100重量部 可塑剤 70重量部 安定剤 2重量部 電融安定化ジルコニウム粉末(比重5.6、粒径1.5μm) 8重量部 エルバイトトルマリン粉末(比重3.0、粒径3μm) 12重量部 顔料(白色顔料) 10重量部
【0087】実施例3:実施例1の原料のうち、電融安
定化ジルコニウム粉末とエルバイトトルマリン粉末を含
まない塩化ビニル樹脂コンパウンドを、実施例1と同様
にカレンダーにて0.15mmに圧延し、これをメリヤ
ス(繊維質基材)に積層し塩ビレザーを作製し、塩化ビ
ニル樹脂層の表面に下記の原料からなるコーティング材
をグラビア印刷にて乾燥重量30g/mの目付量でコ
ーティングし、これを加熱乾燥した。下記原料中のエル
バイトトルマリン粉末と電融安定化ジルコニウム粉末の
混合比率は、エルバイトトルマリン粉末/電融安定化ジ
ルコニウム粉末≒1/5であった。 原 料 塩化ビニル−アクリル系樹脂溶液(固形分20重量%) 100重量部 電融安定化ジルコニウム粉末(比重5.6、粒径1.5μm) 2.7重量部 エルバイトトルマリン粉末(比重3.0、粒径3μm) 2.3重量部
【0088】実施例4:離形紙上に、下記原料よりなる
1液型ポリウレタン系樹脂溶液を、乾燥重量100g/
の目付量でコーティングし、これを加熱乾燥してポ
リウレタン系樹脂層を形成した後、ポリウレタン系樹脂
層表面に2液型ポリウレタン接着剤を、乾燥重量100
g/mの目付量でコーティングし、さらにポリウレタ
ン接着剤が半硬化の状態で起毛織布の起毛面がポリウレ
タン接着剤に接するように積層し、加熱乾燥した後、離
形紙を剥離してポリウレタン系合成皮革を得た。下記原
料中のエルバイトトルマリン粉末と電融安定化ジルコニ
ウム粉末の混合比率は、エルバイトトルマリン粉末/電
融安定化ジルコニウム粉末≒1/5であった。 原 料 ポリウレタン系樹脂溶液 ※1 100重量部 電融安定化ジルコニウム粉末(比重5.6、粒径1.5μm) 2.7重量部 エルバイトトルマリン粉末(比重3.0、粒径3μm) 2.3重量部 希釈剤(DMF) 20重量部 希釈剤(MEK) 20重量部 顔料(ピンク) 20重量部 (※1:大日精化工業社製レザミンME−44)
【0089】実施例5:実施例4の起毛織布に代えて、
ポリエステル繊維90%と、アクリル繊維を硫化銅で染
色したアクリロニトリル−硫化銅複合繊維10%とを混
綿した繊維ウェブを高圧水流で処理し、構成繊維を絡合
して得た目付40g/mの導電性不織布を使用する以
外は、実施例1と同様にして人工皮革を得た。
【0090】実施例6:実施例2の原料にカチオン系帯
電防止剤ニューエレガンA(日本油脂社製)を1重量%
添加した原料を使用する以外は、実施例2と同様にして
塩化ビニルレザーを得た。
【0091】比較例1:実施例1における原料のうち、
珪酸ジルコニウム粉末を除いた塩化ビニル樹脂コンパウ
ンドを使用し、実施例1と同様にして塩ビレザーを作製
した。
【0092】比較例2:実施例2における原料のうち、
エルバイトトルマリン粉末に代えてショールトルマリン
粉末を使用する以外は、実施例2と同様にして塩ビレザ
ーを作製した。
【0093】比較例3:エルバイトトルマリン粉末(比
重3.0、平均粒径3μm)と希土類元素を含有するモ
ナザイト粉末(比重、平均粒径2μm)とを、エルバイ
トトルマリン1個に対しモナザイト粉末が1個対応する
ように配合し、マイナスイオン発生粉体組成物Mを得
た。
【0094】得られたマイナスイオン発生粉体組成物
M、実施例1および実施例2で使用するのマイナスイオ
ン発生粉体組成物のそれぞれを15g採取し、それぞれ
をポリエチレン製袋に入れて、測定用のサンプルを作製
した。
【0095】これらのサンプルについて、アロカ社製の
サーベイメーター(ガイガーカウンター)を用いて放射
線の放射量を測定した。その結果を表1に示す。
【0096】
【表1】
【0097】以上のようにして得られた実施例1〜6お
よび比較例1,2の皮革状シート物について、マイナス
イオン数と色合いについての性能評価を行い、その結果
を表2に示した。
【0098】マイナスイオン数は、IC−1000イオ
ンカウンター(ユニバーサル企画)を使用し、測定室
(温度25℃、湿度75%、無風状態、測定器以外の電
気製品の電源を切った状態)で、皮革状シート物に外か
ら力などを加えず、皮革状シート物を、表面を内側にし
て直径7cmの円筒状に丸め、この円筒の一端にイオン
数測定器の空気吸入口が沿うようにして測定した数値で
ある。
【0099】これら実施例及び比較例から明らかなよう
に、電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物
の粉末または電融安定化ジルコニウム粉末と、トルマリ
ン粉末とを合成樹脂層に含有させることにより、静止状
態でも確実にマイナスイオンを発生する皮革状シート物
を得られることが確認できた。
【0100】また、エルバイトトルマリン粉末を用いる
ことで、任意の顔料を合成樹脂層に含有させることによ
って、色合いの淡いものから農色のものまで自由に設計
できることが確認できた。
【0101】
【表2】
【0102】
【発明の効果】以上、実施の形態とともに詳細に説明し
たように、本発明の請求項1記載の皮革状シート物によ
れば、繊維基材にトルマリン粉末(比重A、平均粒子径
a)100重量部に対して、電融安定化ジルコニウムを
除くジルコニウム化合物の粉末(比重B、平均粒子径
b)が、100Bb/3Aa〜1000Bb/A
重量部配合されてなるマイナスイオン発生粉体組成
物を含有する合成樹脂組成物が塗布若しくは含浸され、
該合成樹脂組成物が固化されてなる合成樹脂層を少なく
とも1層有しているため、表1に示されるようにマイナ
スイオン発生数が多く、トルマリンのマイナスイオン発
生機能が大幅に向上されているものである。
【0103】また、本発明の請求項2記載の皮革状シー
ト物によれば、、繊維基材にトルマリン粉末(比重A、
平均粒子径a)100重量部に対して、電融安定化ジル
コニウム粉末(比重C、平均粒子径c)を25Cc
Aa〜1000Cc/Aa重量部配合されてなる
マイナスイオン発生粉体組成物を含有する合成樹脂組成
物が塗布若しくは含浸され、該合成樹脂組成物が固化さ
れてなる合成樹脂層を少なくとも1層有しているため、
他のジルコニウム化合物の粉末を使用した場合よりもト
ルマリンのマイナスイオン発生機能をより大きく向上さ
せることができ、したがって、他のジルコニウム化合物
よりも少量で、より多くのマイナスイオンを発生させる
ことができる。このことは、実施例1〜2を見れば明ら
かである。
【0104】さらに、本発明の請求項3記載の皮革状シ
ート物によれば、前記皮革状シート物に使用されるトル
マリン粉末を、エルバイトトルマリンを微粉砕したもの
が50重量%以上含まれるもので構成するようにしたの
で、エルバイトトルマリン粉末は光の散乱によってほぼ
白色を呈するものであることから、任意の顔料を含有さ
せて淡色のものから農色のものまで色合いを自由に設計
することができファッション性に優れたものである。
【0105】また、本発明の請求項4記載の皮革状シー
ト物によれば、繊維質基材として帯電防止剤や導電性物
質により、帯電防止化または導電化されたものを使用す
ることにより、湿度が低く静電気帯電の起こりやすい環
境下(例えば冬場)であっても、マイナスイオンを効果
的に発生する皮革状シート物が得られるものである。
【0106】また、本発明の請求項5記載の皮革状シー
ト物によれば、繊維質基材に塗布若しくは含浸される合
成樹脂組成物が帯電防止剤または導電性物質を含有して
帯電防止化または導電化されたものを使用することによ
り、皮革状シート物が静電気に帯電することがなく、湿
度が低く静電気帯電の起こりやすい環境下(例えば冬
場)であっても、マイナスイオンが効果的に発生する皮
革状シート物が得られるものである。
【0107】また、本発明のマイナスイオン発皮革状シ
ート物においては、希有元素を含有する鉱石を使用して
おらず、放射線の放射量は極めて微量であり、人体に対
して安全であり、しかも人体に対して新陳代謝の促進、
血行促進、鎮痛、快眠、鎮咳、制汗、食欲増進、血圧降
下、疲労防止等の効果があるマイナスイオンが多量に発
生するところに特徴があるものである。
【0108】このことは、実施例1、実施例2で使用す
るマイナスイオン発生粉体組成物および比較例3のマイ
ナスイオン発生粉体組成物の対比から明らかなように、
本発明のマイナスイオン発生粉体組成物の放射線量は、
実施例1では0.09μSV/hr、実施例2では0.
06μSV/hrであり、これは1年間に換算するとそ
れぞれ0.79ミリSV/年、0.53ミリSV/年と
なり、一方、比較例3のモナザイト粉末を含有するマイ
ナスイオン発生粉体組成物Mは0.75μSV/hrで
あり、同様に1年間に換算すると6.57ミリSV/年
となる。
【0109】国際放射線防護委員会(ICRP)は、一
般人については、実効線量当量の限度として1年間につ
いて1.0ミリSVとすることを勧告している。本発明
のマイナスイオン発生皮革状シート物が、人体に対して
安全であるのに対して、モナザイトを含有するマイナス
イオン発生粉体組成物Mを使用したマイナスイオン発生
皮革状シート物は、国際放射線防護委員会勧告の一般人
についての実効線量当量の限度を超える放射線を放射し
ているので、人体に対しての安全性に懸念があることが
わかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の皮革状シート物について、マイナスイ
オン測定方法の説明図である。
【図2】本発明の皮革状シート物の、一実施例の形態に
かかる横断面図である。
【符号の説明】
1 皮革状シート物 2 イオン測定器 3 空気吸入口 10 塩ビレザー(皮革状シート物) 11 繊維質基材 12 塩化ビニル樹脂層(合成樹脂層) 13 表皮層(合成樹脂層) 20 ポリウレタン系合成皮革(皮革状シート物) 21 ポリウレタン表皮層(合成樹脂層) 22 接着層(合成樹脂層) 23 繊維質基材 30 人工皮革皮革状シート物 31 繊維質基材 32 ポリウレタン系樹脂層(合成樹脂層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 11/77 D06M 15/248 15/248 11/12 (72)発明者 秋谷 貴仁 栃木県足利市西宮町3003−1 グリーンヒ ル西宮C−302 (72)発明者 今村 弘 埼玉県北埼玉郡騎西町大字根古屋647−18 Fターム(参考) 4F055 AA01 BA11 CA13 EA04 EA06 EA23 EA24 FA08 FA15 FA40 GA02 GA34 4F072 AB03 AB04 AB05 AB06 AB28 AB29 AB30 AC04 AD04 AD06 AD09 AD43 AE06 AE08 AE10 AE11 AE14 AE23 AF01 AF02 AF06 AG03 AL09 4J002 AB012 BB031 BB121 BB122 BD041 BD051 BG031 BG032 CF042 CK021 CK022 CL062 DA117 DE097 DE247 DJ007 DK006 FA042 FD010 FD020 FD030 FD040 FD050 FD070 FD090 FD110 FD170 FD206 FD207 FD310 FD320 GB01 4L031 AA18 AB32 AB33 AB34 BA09 BA24 DA12 DA13 4L033 AA05 AA07 AB05 AB06 AB07 AC10 AC11 AC15 CA15 CA50

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維質基材に合成樹脂組成物を塗布若し
    くは含浸させ、該合成樹脂組成物が固化されてなる合成
    樹脂層を少なくとも1層有してなる皮革状シート物にお
    いて、前記合成樹脂組成物中に、トルマリン粉末(比重
    A、平均粒子径a)と電融安定化ジルコニウムを除くジ
    ルコニウム化合物の粉末(比重B、平均粒子径b)との
    混合粉末であって、トルマリン粉末100重量部に対し
    電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物の粉
    末を下記(1)式に示される量配合してなるマイナスイ
    オン発生粉体組成物を含有させたことを特徴とするマイ
    ナスイオン発生皮革状シート物。 100Bb/3Aa〜1000Bb/Aa重量部 (1)
  2. 【請求項2】 繊維質基材に合成樹脂組成物を塗布若し
    くは含浸させ、該合成樹脂組成物が固化されてなる合成
    樹脂層を少なくとも1層有してなる皮革状シート物にお
    いて、前記合成樹脂組成物中に、トルマリン粉末(比重
    A、平均粒子径a)と電融安定化ジルコニウム合物粉末
    (比重C、平均粒子径c)との混合粉末であって、トル
    マリン粉末100重量部に対し電融安定化ジルコニウム
    粉末を下記(2)式に示される量で配合してなるマイナ
    スイオン発生粉体組成物を含有させたことを特徴とする
    マイナスイオン発生皮革状シート物。 25Cc/Aa〜1000Cc/Aa重量部 (2)
  3. 【請求項3】 前記トルマリン粉末が、リチア電気石を
    微粉砕したものを50重量%以上含むものである請求項
    1または2項に記載のマイナスイオン発生皮革状シート
    物。
  4. 【請求項4】 繊維質基材が帯電防止剤や導電性物質に
    より、帯電防止化または導電化されたものである請求項
    1から3のいずれか1項に記載されたマイナスイオン発
    生皮革状シート物。
  5. 【請求項5】 合成樹脂組成物が帯電防止剤または導電
    性物質を含有してなる請求項1から3のいずれか1項に
    記載されたマイナスイオン発生皮革状シート物。
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