JP2003093102A - マイナスイオン発生履物 - Google Patents

マイナスイオン発生履物

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JP2003093102A
JP2003093102A JP2001287939A JP2001287939A JP2003093102A JP 2003093102 A JP2003093102 A JP 2003093102A JP 2001287939 A JP2001287939 A JP 2001287939A JP 2001287939 A JP2001287939 A JP 2001287939A JP 2003093102 A JP2003093102 A JP 2003093102A
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footwear
tourmaline
ion generating
negative ion
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Hirohiko Kubota
裕彦 久保田
Hiroyuki Tajima
裕之 田島
Yukio Iwasaki
幸夫 岩崎
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Achilles Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外力を加えない静止状態で常時安
定的にマイナスイオンを発生する履物の提供。 【解決手段】 マイナスイオン発生粉体組成物を
含有してなるマイナスイオン発生履物であり、使用され
るマイナスイオン発生粉体組成物が、トルマリン粉末
(比重A、平均粒子径a)と電融安定化ジルコニウムを
除くジルコニウム化合物の粉末(比重B、平均粒子径
b)との混合粉末であって、トルマリン粉末100重量
部に対し電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化
合物の粉末が、100Bb/3Aa〜1000Bb
/Aa重量部配合されてなるものであるか、トル
マリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定化ジル
コニウム粉末(比重C、平均粒子径c)との混合粉末で
あって、トルマリン粉末100重量部に対し電融安定化
ジルコニウム粉末を25Cc/Aa〜1000Cc
/Aa重量部配合してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルマリン粉末を
含有した履物に係り、更に詳しくは、トルマリンによる
マイナスイオン化の効果を高めることができる履物に関
する。
【0002】
【従来の技術】履物は現代人にとって必要不可欠のもの
であり、室内においては室内履を、また外出に際しては
靴やサンダルを履用するものである。1日中履物を利用
していると、足がむくんだり、履物内の湿度がきわめて
高くなったりして、不快感を感じるものである。
【0003】近年注目されているものの一つに、空気を
マイナスイオン化することにより、新陳代謝の促進、血
行促進、疲労回復、食欲増進、安眠、鎮痛など種々の効
果が得られることがある。この考えを壁材へ応用したも
のとして、特開平10−46479号公報に記載された
ような壁材があり、このような壁材を使用した部屋にい
ると、新陳代謝の促進、血行促進、疲労回復などの効果
によりリラックスできるということが知られている。
【0004】そこで、本発明者等は、マイナスイオンを
発生すると言われているトルマリン粉末を履物に適用
し、マイナスイオン発生履物を製造してみた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、元来、
トルマリン自体はほとんどマイナスイオンを発生しない
ものであるため、単に履物底や履物底に接着する胛被に
などにトルマリン粉末を含有させただけではマイナスイ
オンによる効果は得られないものである。そのため、希
土類元素を含む鉱石の粉末をトルマリン粉末と共に履物
底や胛被に含有させることにより、マイナスイオンの発
生を促進することが試みた。しかしながら、希土類元素
を含む鉱石を併用した場合には、マイナスイオンの発生
は促進されるものの、その発生が安定せず、さらに放射
線を放射するマイナス面があり、必ずしも安全であると
は言い切れないことが判明した。
【0006】また、一般に産出されているトルマリンの
大部分は、ショールトルマリンと呼ばれ、おおよそ黒色
を呈している。そのため、ショールトルマリンを粉末化
したものを胛被に含有させると、外観が非常に濃いグレ
ー色の履物しか得られず、鮮明な色合いの履物を得るこ
とができないという問題があった。本発明は、上記従来
技術の問題点を解消し、外力を加えない静止状態で常時
安定的にマイナスイオンを発生する履物を提供するもの
である。
【0007】そこで本発明者等は、履物底や胛被に含有
させるトルマリンについて、外力を加えない静止状態で
マイナスイオンを十分に発生させることができる条件等
について、鋭意研究実験を行った。その結果、ジルコニ
ウム化合物の粉末とともにトルマリン粉末を使用する
と、放射線の放射はきわめて微量で抑えられる反面、ト
ルマリンからのマイナスイオン発生は、トルマリン粉末
単独で使用した場合よりもきわめて多量であることを見
いだし、本発明を完成したのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】しかして、上記技術的課
題を解決するため本発明の請求項1記載の履物は、履物
底と該履物底に接着された胛被とからなる履物におい
て、履物底および胛被の少なくともいずれか一方に、ト
ルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定化ジ
ルコニウムを除くジルコニウム化合物の粉末(比重B、
平均粒子径b)との混合粉末であって、トルマリン粉末
100重量部に対し電融安定化ジルコニウムを除くジル
コニウム化合物の粉末を100Bb/3Aa〜10
00Bb/Aa重量部配合してなるマイナスイオン
発生粉体組成物を含有させたことを特徴とするマイナス
イオン発生履物である。
【0009】このマイナスイオン発生履物によれば、履
物底または胛被の少なくともいずれか一方に、トルマリ
ン粉末と電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化
合物の粉末とが特定混合比率で配合されたマイナスイオ
ン発生粉体組成物を含有する履物である。この場合の履
物底または胛被に含有されるマイナスイオン発生粉体組
成物にあっては、電融安定化ジルコニウムを除くジルコ
ニウム化合物の粉末により、トルマリン粉末のマイナス
イオン生成の働きが向上されている。したがって、常時
安定的にマイナスイオンが生成されるとともに、希土類
元素を含有する鉱石の粉末を使用していないことより、
放射線の放射はほとんどなく、人体に対して安全なマイ
ナスイオン発生履物が得られるのである。
【0010】また、本発明の請求項2記載の履物は、履
物底と、該履物底の内表面に配置される中敷と、前記履
物底に接着された胛被とからなる履物において、履物
底、中敷および胛被の少なくともいずれかに、トルマリ
ン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定化ジルコニ
ウムを除くジルコニウム化合物の粉末(比重B、平均粒
子径b)との混合粉末であって、トルマリン粉末100
重量部に対し電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウ
ム化合物の粉末を100Bb/3Aa〜1000B
/Aa重量部配合してなるマイナスイオン発生粉
体組成物を含有させたことを特徴とするマイナスイオン
発生履物である。
【0011】この請求項2に記載のマイナスイオン発生
履物にあっても、履物底、中敷および胛被の少なくとも
いずれかに、トルマリン粉末と電融安定化ジルコニウム
を除くジルコニウム化合物の粉末とが特定混合比率で配
合されたマイナスイオン発生粉体組成物を含有する履物
である。この場合の履物底、中敷または胛被に含有され
るマイナスイオン発生粉体にあっては、電融安定化ジル
コニウムを除くジルコニウム粉末により、トルマリン粉
末のマイナスイオン生成の働きが向上されている。した
がって、常時安定的にマイナスイオンが生成されるとと
もに、希土類元素を含有する鉱石の粉末を使用していな
いことより、放射線の放射はほとんどなく、人体に対し
て安全なマイナスイオン発生履物が得られるのである。
【0012】また、請求項3記載のマイナスイオン発生
履物によれば、履物底と該履物底を被覆する胛被とから
なる履物において、履物底および胛被の少なくともいず
れか一方に、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)
と電融安定化ジルコニウム合物粉末(比重C、平均粒子
径c)との混合粉末であって、トルマリン粉末100重
量部に対し電融安定化ジルコニウム粉末を25Cc
Aa〜1000Cc /Aa重量部配合してなるマ
イナスイオン発生粉体組成物を含有させたことを特徴と
するマイナスイオン発生履物である。
【0013】この請求項3に記載のマイナスイオン発生
履物にあっても、履物底および胛被の少なくともいずれ
か一方に、トルマリン粉末と電融安定化ジルコニウム粉
末とが特定混合比率で配合されたマイナスイオン発生粉
体組成物を含有する履物である。この場合の履物底また
は胛被に含有されるマイナスイオン発生粉体にあって
は、電融安定化ジルコニウム粉末によりトルマリン粉末
のマイナスイオン生成の働きが向上されている。したが
って、常時安定的にマイナスイオンが生成されるととも
に、希土類元素を含有する鉱石の粉末を使用していない
ことより、放射線の放射はほとんどなく、人体に対して
安全なマイナスイオン発生履物が得られるのである。
【0014】更に、この請求項4記載のマイナスイオン
発生履物によれば、履物底と、該履物底の内表面に配置
される中敷と、前記履物底に接着された胛被とからなる
履物において、履物底、中敷および胛被の少なくともい
ずれかに、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と
電融安定化ジルコニウム合物粉末(比重C、平均粒子径
c)との混合粉末であって、トルマリン粉末100重量
部に対し電融安定化ジルコニウム粉末を25Cc/A
〜1000Cc/Aa重量部配合してなるマイ
ナスイオン発生粉体組成物を含有させたことを特徴とす
るマイナスイオン発生履物である。
【0015】この請求項4に記載のマイナスイオン発生
履物にあっても、履物底、中敷および胛被の少なくとも
いずれかに、トルマリン粉末と電融安定化ジルコニウム
粉末とが特定混合比率で配合されたマイナスイオン発生
粉体組成物を含有する履物である。この場合の履物底、
中敷または胛被に含有されるマイナスイオン発生粉体に
あっては、電融安定化ジルコニウム粉末により、トルマ
リン粉末のマイナスイオン生成の働きが向上されてい
る。したがって、常時安定的にマイナスイオンが生成さ
れるとともに、希土類元素を含有する鉱石の粉末を使用
していないことより、放射線の放射はほとんどなく、人
体に対して安全なマイナスイオン発生履物が得られるの
である。
【0016】さらに、本発明の請求項5記載の履物は、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の履物において、マ
イナスイオン発生粉体に使用するトルマリン粉末が、リ
チア電気石(エルバイトトルマリン)を微粉砕したもの
を50重量%以上含むものである履物である。
【0017】この履物によれば、前記履物に使用される
トルマリン粉末は、エルバイトトルマリンを微粉砕した
ものを50重量%以上含むもので構成されている。この
エルバイトトルマリンを微粉砕したものは、光の散乱に
よってほぼ白色を呈するので、任意の顔料を含有させ
て、淡色系の色から農色系の色まで任意の色に着色した
履物底、中敷もしくは胛被を得ることができると共に、
胛被の意匠模様をくすんだ色合いにするようなことがな
いものである。
【0018】また、本発明の請求項6記載の履物は、請
求項1〜4で提供する履物において、物底、中敷または
胛被として帯電防止剤や導電性物質により帯電防止化ま
たは導電化されたものを使用した、マイナスイオン発生
履物である。すなわち、このマイナスイオン発生履物に
あっては、帯電防止剤または導電性物質により帯電防止
化または導電化された履物底、中敷または胛被が使用さ
れる。したがって、履物が静電気を帯電するのを防止で
きるため、発生するマイナスイオンが静電気によって中
和され、マイナスイオンの発生量が減少してしまうこと
がない。そのため、特に静電気の発生し易い冬場におい
ても安定的にマイナスイオン効果を示すマイナスイオン
発生履物が得られる利点を有している。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明が提供する履物の詳
細について、具体的に説明する。本発明の履物は、基本
的には、履物底と該履物底を被覆する胛被とからなり、
必要に応じて履物底の少なくとも一部をカバーする中敷
を設け、前記履物底、胛被または中敷の少なくともいず
れかに、マイナスイオン発生粉体組成物を含有してなる
マイナスイオン発生履物であり、使用されるマイナスイ
オン発生粉体組成物が、 トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定
化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物の粉末(比重
B、平均粒子径b)との混合粉末であって、トルマリン
粉末100重量部に対し電融安定化ジルコニウムを除く
ジルコニウム化合物の粉末が、100Bb/3Aa
〜1000Bb/Aa重量部配合されてなるもので
あるか、 トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定
化ジルコニウム粉末(比重C、平均粒子径c)との混合
粉末であって、トルマリン粉末100重量部に対し電融
安定化ジルコニウム粉末を25Cc/Aa〜100
0Cc/Aa重量部配合してなるものである。
【0020】この場合、本発明の履物に使用する履物底
を構成する素材としては、合成樹脂、ゴムなどが使用で
き、これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用
することもできる。例えば、合成樹脂とゴムを混合して
使用したりすることができる。また、合成樹脂も複数種
の合成樹脂を混合して使用することもできるし、同様に
ゴムも複数種のゴムを混合して使用することができる。
さらに、これら合成樹脂やゴムは発泡してスポンジ構造
としたものも使用できる。
【0021】履物底は単層で構成してもよいし、複数層
を積層して構成してもよい。例えばアウトソール(本
底)とミッドソール(中底)とインソール(内底)の3
層構造としてもよいし、アウトソールとインソールの2
層構造としてもよい。これら積層した履物底は、それぞ
れの部材を接着剤にて貼り合わせて構成してもよいし、
また、射出成形により一体的に構成してもよい。
【0022】合成樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、ポ
リオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキ
シ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、メ
ラミン系樹脂、尿素系樹脂などの熱可塑性樹脂のほか、
熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0023】オレフィン系樹脂としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどオレフィンモノマーの単独重合
体のほか、エチレンやプロピレンなどのオレフィン系モ
ノマーと他のモノマー、例えば酢酸ビニル、α-オレフ
ィン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ア
ルキルビニルエーテル、アクリロニトリルなどとの共重
合体のほか、これらオレフィン系樹脂を主成分とする他
のポリマーとの混合物が使用できる。塩化ビニル系樹脂
としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと他のモノマ
ー、例えば酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、アルキ
ルビニルエーテル、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル、アクリロニトリルなどとの共重合体のほか、
塩化ビニル系樹脂を主成分とする他のポリマーとの混合
物が使用できる。
【0024】ポリウレタン系樹脂としては、ポリエステ
ルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステル
・エーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオー
ル、ポリメチルバレロラクトンポリオール、ポリカーボ
ネートポリオール等のポリマーポリオールから選ばれる
1種以上のポリオールと、芳香族ポリイソシアネート、
脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネー
ト、環状基を有する脂肪族ポリイソシアネート等の有機
ポリイソシアネートから選ばれる1種以上のポリイソシ
アネートとを反応させて得られるポリウレタン樹脂が使
用できる。アクリル系樹脂としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、アクリルアミド、アクリロニトリル等のアクリル系
モノマーの群から選ばれる1種以上を重合させてなる単
独重合体や共重合体が使用できる。また上記のアクリル
系モノマーの1種以上と他のモノマー、例えばスチレン
などとの共重合体も使用できるし、これらアクリル系樹
脂を主体とする他のポリマーとの混合物も使用できる。
【0025】ポリエステル系樹脂としては、テレフタル
酸やイソフタル酸と、脂肪族ジオール、脂環族ジオー
ル、芳香族ジオールから選ばれる1種以上のジオールと
を重合させたものが使用できる。具体的には、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタ
レート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート
(PCT)、テレフタル酸とエチレングリコールと1,
4−シクロヘキサンジメタノールとの共重合体(PET
−G)、イソフタル酸とネオペンチルグリコールとシク
ロヘキサンジオールとを共重合したものなどが挙げられ
る。
【0026】ポリアミド系樹脂としては、一般的にナイ
ロンと称されるものが使用でき、具体的には、ナイロン
4,ナイロン6,ナイロン8,ナイロン11,ナイロン
12,ナイロン66,ナイロン69,ナイロン610,
ナイロン611,ナイロン6T等が挙げられ、これらは
単独若しくは2種以上を混合して使用することもできる
ものである。
【0027】ゴムとしては、天然ゴム、シリコン系ゴ
ム、フッ素系ゴム、スチレン系ゴム、ブタジエン系ゴ
ム、イソプレン系ゴム、クロロプレン系ゴム、アクリロ
ニトリル系ゴム、ポリウレタン系ゴム、エチレンプロピ
レン系、熱可塑性ゴムから選ばれる1種以上を単独で、
または混合して使用することができる。
【0028】履物底には帯電防止剤や導電性物質を含有
させることができる。履物底として静電気を帯電しない
ように、帯電防止化したものや導電化したものを使用す
ると、発生するマイナスイオンが中和されることがない
ため、マイナスイオンの発生量の減少を防止し得る。し
たがって、特に静電気の発生しやすい冬場においても、
安定的にマイナスイオン効果を示す履物が得られるもの
で好ましい。
【0029】そのような帯電防止剤としては、多価アル
コールの部分的脂肪酸エステル、多価アルコールの部分
的脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸
のエチレンオキサイド付加物、脂肪族アルコールのエチ
レンオキサイド付加物、脂肪族アルコールのエチレンオ
キサイド付加物、脂肪酸アミンのエチレンオキサイド付
加物、脂肪族アミドのエチレンオキサイド付加物、アル
キルフェノールのエチレンオキサイド付加物、アルキル
ナフトールのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレン
グリコールなどのノニオン系帯電防止剤;第1級アミン
塩、第3級アミン、第4級アンモニウム化合物、ピリジ
ン誘導体などのカチオン系帯電防止剤;硫酸化油、金属
石鹸、硫酸化エステル油、硫酸化アミド油;オレフィン
の硫酸エステル塩、多価アルコールの硫酸エステル塩、
アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エチルスルホン酸塩、
アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸とホルマリンの混合
物、コハク酸エステルスルホン酸塩、リン酸エステル塩
などのアニオン系帯電防止剤;カルボン酸誘導体、イミ
ダゾリン誘導体などの両性帯電防止剤等、一般的に繊維
に帯電防止性を付与するのに使用されるものであればい
ずれのものでも使用できる。
【0030】導電性物質としては、導電性酸化チタン
(酸化チタン表面をSn−Sb系化合物で処理したも
の)粉末、カーボンブラック粉末、銀、銅、ニッケル、
アルミニウム、ステンレス、鉄などの金属よりなる粉
末、金属細片または金属短繊維、有機繊維若しくは無機
繊維または合成樹脂粉末もしくは無機粉末の表面を金属
または金属酸化物などで被覆したものが使用できる。
【0031】また、電子共役系ポリマーの粉末や、有機
繊維もしくは無機繊維または合成樹脂粉末、もしくは無
機粉末の表面を電子共役系ポリマーで被覆したものも使
用できる。電子共役系ポリマーとしてはアニリン、ピロ
ール、チオフェンまたはそれらの誘導体の中から選ばれ
た1種のモノマーを重合したものがある。履物底に導電
性物質を含浸させたり、塗布したりするには、これらの
導電性物質を合成樹脂溶液などに含有させてなる導電性
合成樹脂溶液を布帛に含浸させたり、塗布したりし、そ
の後加熱乾燥させれば良い。
【0032】電子共役系ポリマーとしては、アニリン、
o−メチルアニリン、m−メチルアニリン、o−エチル
アニリン、m−エチルアニリン、o−トルイジン、m−
トルイジン、o−アニシジン、m−アニシジン、o−ク
ロロアニリン、m−クロロアニリン、ピロール、N−メ
チルピロール、3−メチルピロール、3・4−ジメチル
ピロール、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−メ
トキシチオフェンなどのモノマーを、ドーパントの存在
下に酸化重合剤と接触せしめることにより重合させ、得
ることができる。
【0033】ドーパントとしては、一般に使用されてい
るアクセプター性のものならいずれのものでも使用でき
る。例えば、塩素、臭素、沃素等のハロゲン類;5弗化
リン等のルイス酸;塩化水素、硫酸等のプロトン酸;塩
化第2鉄等の遷移金属化合物;過塩素酸銀、弗化ホウ素
銀等の遷移金属化合物、クロル酢酸、p−トルエンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸(塩)、ナフタレン1・5
ジスルホン酸(塩)などの有機酸(塩)が挙げられる。
【0034】酸化重合剤としては、一般に使用される過
マンガン酸、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カ
リウム等の過マンガン酸(塩)類;三酸化クロム等のク
ロム酸類;硝酸銀等の硝酸塩類;塩素、臭素、沃素等の
ハロゲン類;過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過酸化
物;ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸カリウム等の
ペルオキソ酸(塩)類;次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリ
ウム、次亜塩素酸カリウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸
カリウム等の塩素酸(塩)類;塩化第二鉄等の遷移金属
塩化物;酸化銀等の金属酸化物などが挙げられる。
【0035】有機繊維もしくは無機繊維または合成樹脂
粉末もしくは無機粉末の表面を電子共役系ポリマーで被
覆するには、 電子共役系ポリマーを形成し得るモノマーと、酸化重
合剤および必要に応じてドーパントを含有する処理液
に、モノマーが実質的に重合する前に有機繊維もしくは
無機繊維または合成樹脂粉末もしくは無機粉末を浸漬す
る方法、 電子共役系ポリマーを形成し得るモノマーを含有する
処理液と、酸化重合剤と必用によりドーパントを含有す
る処理液とに有機繊維もしくは無機繊維または合成樹脂
粉末もしくは無機粉末を浸漬する方法、 酸化重合剤と、必要によりドーパントを含有する処理
液に、有機繊維もしくは無機繊維または合成樹脂粉末も
しくは無機粉末を浸漬した後、この処理液中に電子共役
系ポリマーを形成し得るモノマーを添加する方法などが
ある。
【0036】このようにして電子共役系ポリマーで被覆
した有機繊維もしくは無機繊維または合成樹脂粉末もし
くは無機粉末は、その表面が電子共役系ポリマーで被覆
されるばかりでなく内部の表面近傍に電子共役系ポリマ
ーが浸透して電子共役系ポリマー層が形成されているの
で、導電層が剥離して導電性が損なわれることがなく好
ましいものである。
【0037】合成樹脂やゴムには、必要に応じて可塑
剤、安定剤、界面活性剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、抗酸化剤、充填剤、着色剤等の各種添加
剤を添加することができる。
【0038】可塑剤としては、ジ−2−エチルヘキシル
フタレートなどのフタル酸エステル系可塑剤;トリクレ
ジルホスフェートなどのリン酸エステル系可塑剤;エポ
キシ化大豆油などのエポキシ系可塑剤;ジ−2−エチル
ヘキシルアジペートなどの脂肪酸エステル系可塑剤;ト
リメリット酸エステル系可塑剤;ポリエステル系可塑剤
から選ばれる1種以上のものが使用できる。
【0039】上記以外に、下記化学式(1)、(2)に
示すような導電性可塑剤を使用することもできる。 R1OCO(AO)sR2 (1) (B)k[(CH2)rOCO(AO)mR3][(CH2)pOCO(AO)nR4] (2)
【0040】(式中、Rは置換基を有していてもよい
炭素数2〜22の脂肪族、脂環族、芳香族あるいは複素
環式炭化水素、R、R、Rは炭素数1〜15の直
鎖、もしくは分岐のアルキル基、Aは炭素数2〜4のア
ルキレン基を表す。Bは硫黄原子、酸素原子、または脂
肪族、脂環族あるいは芳香族炭化水素基を表す。sは1
〜25の整数、m、nは1〜7の整数、kは1または2
の整数、r、pは1〜4の整数である。)
【0041】導電性可塑剤は、上記の汎用可塑剤と併用
することもできる。汎用可塑剤と併用する場合には、導
電性可塑剤の添加量(X)と汎用可塑剤の添加量(Y)
が下記(3)式に示す条件を満足する範囲とするのが好
ましい。 30≦(X+Y)≦160,かつ 5<X<40 (3) 導電性可塑剤を使用した場合には、帯電防止剤や導電性
物質を添加した場合と同様に、製品が静電気を帯電する
ことがなく静電気帯電によりマイナスイオンの発生が抑
制されることもないので、好ましいものである。
【0042】安定剤としては、ステアリン酸バリウムな
どの高級脂肪酸の金属塩;p−t−ブチル安息香酸亜鉛
などのアルキル安息香酸の金属塩;リシノール酸バリウ
ムなどの金属石鹸;トリフェニルホスファイトなどの有
機ホスファイト系安定剤、ジブチル錫ジラウレートなど
の錫系安定剤などが使用できる。
【0043】界面活性剤としては、アニオン系界面活性
剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤のい
ずれも使用可能であるが、ノニオン系界面活性剤が好ま
しい。ノニオン系界面活性剤としては、ソルビタン、グ
リセリンなどの多価アルコールと脂肪酸のエステル、多
価アルコールと脂肪酸および二塩基酸とのエステル、あ
るいはこれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イドなどのアルキレンオキサイドを付加した化合物や、
フッ素系界面活性剤が使用できる。
【0044】滑剤としては、ステアリン酸などの脂肪酸
系滑剤、ステアリン酸アミド、メチレンビスステアロア
ミドなどの脂肪酸アミド系滑剤、ブチルパルミテートな
どのエステル系滑剤、バリウムイソデシルホスフェート
などの有機リン酸金属塩系滑剤、ポリエチレンワック
ス、流動パラフィンから選ばれる1種以上の滑剤を使用
できる。
【0045】発泡剤としては、ブタン、ペンタンなどの
脂肪族炭化水素;熱可塑性樹脂からなる殻に脂肪族炭化
水素などの熱膨張性物質を包含させたマイクロカプセル
型発泡剤、N’,N’−ジニトロソペンタメチレンテト
ラミン、N’,N’−ジメチル−N’,N’−ジニトロ
ソテレフタルアミド、アゾジカーボンアミド、アゾビス
イソブチロニトリル、ベンゼンスルホニルヒドラジド、
P,P’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド)、ベンゼン−1,3−ジスルホニルヒドラジド、ト
ルエンスルホニルヒドラジドなどの熱分解型発泡剤など
が使用できる。
【0046】紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫
外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、
シアノアクリレート系紫外線吸収剤から選ばれる1種以
上を使用することができる。
【0047】光安定剤としては、4−(フェニルアセト
キシ)−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、トリ
ス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)トリアジン−2,4,6−トリカルボキシレートな
どのヒンダードアミン系光安定剤が使用できるものであ
る。
【0048】抗酸化剤としては、一般に使用されている
フェノール系抗酸化剤、チオプロピオン酸エステル系抗
酸化剤、脂肪族サルファイド系抗酸化剤を1種または2
種以上を使用することができる。
【0049】充填剤としては、加工温度で溶融、分解な
どの物理的、化学的な変化を起こさない耐熱性に優れた
無機質および/または有機質の充填剤であればいずれの
ものでも使用できる。具体例としては、炭酸マグネシウ
ム、マグネシウム系ケイ酸塩、酸化アルミニウム、水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、ハイド
ロタルサイト、酸化チタンなどの無機質充填剤のほか、
架橋塩化ビニル樹脂粉末、アクリル系樹脂粉末、ポリウ
レタン粉末などの架橋された合成樹脂の粉末、木粉等の
天然素材からなる粉末などの有機質充填剤を挙げること
ができる。
【0050】着色剤としては、カーボンブラック、群
青、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、
酸化チタン、亜鉛華、キナクリドンレッド、ハンザイエ
ローなど、一般に合成樹脂の着色に使用される顔料や染
料であればいずれのものでも使用でき、これらは1種ま
たは2種以上を併用することもできる。
【0051】胛被としては、一般に胛被として使用され
ているものであればいずれのものでも使用できる。具体
的には、織布、編布、不織布などの繊維構造体や、合成
皮革、人工皮革、レザーなどのように繊維構造体に合成
樹脂層を積層したものや、これら繊維構造体や繊維構造
体に合成樹脂層を積層した積層体にポリウレタンフォー
ムシートなどのスポンジ体をラミネートしたものや、ポ
リウレタンフォームなどのスポンジ体を、2枚の織布、
編布、不織布の間にサンドイッチ状に積層したもの等が
使用できる。また、表編地と裏編地とが連結糸で連結さ
れてなるメッシュ編地であって、JIS−L1096一
般織物試験方法6・10で測定される気孔容積率が50
〜97%のものが通気性に優れ好ましいものである。
【0052】繊維構造体を構成する繊維としては、麻、
綿、絹等の天然繊維、スフ、レーヨン等の半合成繊維、
ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊
維等の合成繊維のいずれも使用することができる。また
これらの混紡繊維も使用することができるものである。
【0053】胛被として静電気を帯電しないように、帯
電防止化したものや、導電化したものを使用すると、発
生するマイナスイオンが中和されることによるマイナス
イオンの発生量の減少を防止することができる。したが
って、特に静電気の発生しやすい冬場においても、安定
的にマイナスイオン効果を示す履物が得られるもので好
ましい。
【0054】上記の胛被を帯電防止化するためには、胛
被を構成する繊維構造体や繊維構造体に積層する合成樹
脂に帯電防止剤および/または導電性物質を含有させた
り、繊維構造体を構成する繊維の少なくとも1種を、帯
電防止剤および/または導電性物質を含有する素材で構
成するか、できた胛被に帯電防止剤を含浸させたり、塗
布したりすればよい。帯電防止剤や導電性物質として
は、履物底の原料である合成樹脂を帯電防止化したり導
電化したりするのに使用するものと同様のものが使用で
きる。
【0055】中敷としては、履物底の中敷として一般的
に使用されているものであればいずれのものでも使用で
きる。例えば、織布、編布、不織布等の繊維構造体のほ
か、これらの裏面に合成樹脂やゴムのスポンジ体を積層
したものや、合成樹脂やゴムのスポンジ体の表裏両面に
繊維構造体をラミネートしたものも使用できる。また、
表編地と裏編地とが連結糸で連結されてなるメッシュ編
地であって、JIS−L1096一般織物試験方法6・
10で測定される気孔容積率が、50〜97%のものが
通気性に優れ好ましいものである。
【0056】合成樹脂やゴムのスポンジ体としては、連
通気泡を有する合成樹脂発泡体のシートや、同じく連通
気泡を有するゴムスポンジ(ゴム発泡体)が、通気性の
点から好ましい。特に好ましいスポンジ体としては、無
膜ポリウレタンフォームが好ましい。無膜ポリウレタン
フォームは通気性が極めて大きく、足が接している部分
に熱がこもることがないので爽快感を得ることができ
る。
【0057】上記の中敷を帯電防止化するためには、原
料繊維に帯電防止剤および/または導電性物質を配合さ
せたり、織布や編布や不織布を構成する繊維の少なくと
も1種を、帯電防止剤および/または導電性物質を含有
する繊維で構成するか、できた被覆材に帯電防止剤を含
浸させたり、塗布したりすればよい。
【0058】帯電防止剤や導電性物質としては、合成樹
脂を帯電防止化したり導電化したりするのに使用するの
と同様のものが使用できる。また、織布、編布または不
織布に直接電子共役系ポリマーを適用することにより、
導電性織布、導電性編布、導電性不織布を作製し、これ
を使用することもできる。織布、編布、不織布などに適
用する方法としては、有機繊維もしくは無機繊維または
合成樹脂粉末もしくは無機粉末の表面に電子共役系ポリ
マーを形成させるのと同じ方法が使用できる。
【0059】電子共役系ポリマーで被覆した織布、編
布、不織布にあっても、その構成材料である繊維の表面
が電子共役系ポリマーで被覆されるばかりでなく繊維内
部の表面近傍に電子共役系ポリマーが浸透して電子共役
系ポリマー層が形成された導電性織布、導電性編布また
は導電性不織布であるため、導電層が剥離して導電性が
損なわれることがなく好ましいものである。
【0060】一方、本発明で使用できるトルマリンは、
一般式:(Na,Ca,K)(Al,Fe,Li,Mg,Mn)3(BO3)3(Al,Cr,Fe,
V)6(Si2O6)3(O,OH,F)4で表される珪酸塩鉱物であり、電
荷の自発分極性を有し、著しい圧電性や集電性を示すこ
とから電気石とも称されている。このトルマリンとして
は、一般式:Na(Li,Al)3(BO3)3Al6(Si2O6)3(OH)4で示さ
れるエルバイトトルマリン(リチア電気石)と呼ばれる
もの、一般式:NaFe3(BO3)3Al6(Si2O6)3(OH)4で示され
るショールトルマリンと呼ばれるもの、一般式:NaMg
3(BO3)3Al6(Si2O6)3(OH)4で示されるドラバイトトルマ
リンと呼ばれるものが知られているが、いずれのものも
使用が可能である。これらのトルマリンは、従来から室
内空気のイオン化にトルマリン粉末が有効であるとして
使用されてきたものである。
【0061】トルマリンの粉末粒子は自発分極により常
に静電気を帯びているので、これに水分子が触れると、
瞬間的に放電して、水素ガスとヒドロキシルイオンとを
生成し、水を弱アルカリ化する作用を有している。そし
て、空気中において、同様に水分が電気分解されて生成
したヒドロキシルイオンが空気中に放出されることによ
って、空気がマイナスイオン化される。このようなマイ
ナスイオン化した空気は、人体に対して新陳代謝の促
進、血行促進、疲労回復、食欲増進、安眠、鎮痛など数
々の好影響を与えるといわれている。
【0062】したがってトルマリン粉末粒子の大きさ
は、小さいほど空気中の水分子と接触する面積が大きく
なり、マイナスイオン発生が効果的に行われることにな
り好ましいものである。そのようなトルマリン粉末の好
適な大きさは、平均粒子径で、0.01〜1000μm
であり、好ましくは0.05〜100μm、最も好まし
くは0.1〜20μmである。1000μmを越えると
マイナスイオン発生効果が少なくなるばかりでなく、塗
料や合成樹脂に含有させて塗膜や合成樹脂成型品を作製
したときに、平滑な表面が得られにくくなる。また、
0.01μmより小さくなると均一に分散させることが
困難となる場合がある。
【0063】また、トルマリン粉末の自発分極により帯
電する静電気は、物質を吸着する作用あるいは反発する
作用を有しており、これにより消臭効果、抗菌効果が発
揮される。さらに、トルマリンは、遠赤外線放射率の高
い材料であることが知られている。なお、トルマリンは
その自発分極性を恒常的に有しているので、上記した効
果は、化学反応により失われたり経時的に劣化したりす
ることはない。
【0064】本発明で使用するトルマリンとしては、リ
チア電気石が好ましい。このリチア電気石はエルバイト
トルマリンと呼ばれている。このおおよそ淡色のピン
ク、緑、青色を呈したエルバイトトルマリンを粉末化し
たものは、光の散乱によってほぼ白色を呈するものであ
る。したがって、リチア電気石を粉末化したものを塗料
や合成樹脂に分散させれば、任意の染料や顔料を塗料や
合成樹脂に含有させることによって、塗料や合成樹脂の
色合いを淡色から農色まで自由に設計できるものであ
る。
【0065】例えば、淡色系に着色する場合には、エル
バイトトルマリンを単独で使用するのが最も好ましい
が、ショールトルマリンやドラバイトトルマリンと混合
して使用することも可能である。使用可能なエルバイト
トルマリンとショールトルマリンやドラバイトトルマリ
ンとの混合比率は、50/50〜100/0であり、好
ましくは70/30〜100/0であり、さらに好まし
くは80/20〜100/0である。
【0066】トルマリンと共に本発明で併用するジルコ
ニウム化合物としては、ケイ酸ジルコニウム、金属ジル
コニウム、酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニルアンモニ
ウム、オキシ塩化ジルコニウム、電融安定化ジルコニウ
ム(電融安定化酸化ジルコニウムと称する場合があり、
本明細書において両者は同義である。)、安定化ジルコ
ニアなどがあげられる。特に好ましいのは、電融安定化
ジルコニウムである。
【0067】これらのジルコニウム化合物は、純度10
0%のものが最も好ましいが、必ずしも純度100%で
なくてもマイナスイオン生成機能を励起活性化させ、マ
イナスイオン発生の向上が認められるものである。ジル
コニウム化合物の純度は70%以上であれば本発明の効
果が認められ、好ましくは80%以上、最も好ましくは
90%以上である。
【0068】電融安定化ジルコニウムは、特にトルマリ
ンのマイナスイオン生成機能を活性化させる作用が強
く、最も好ましいものである。
【0069】ケイ酸ジルコニウムは、ジルコンサンドを
鉄ボールなどで粉砕し、粉砕物から鉄粉を除去し、分級
することにより得られる。金属ジルコニウムは、ジルコ
ンサンドから炭化ジルコニウムを調製し、これを四塩化
ジルコニウムとし金属ジルコニウムを得ることができ
る。酸化ジルコニウムは、ジルコンサンドをアルカリ分
解してジルコン酸アルカリとし、これを酸に溶解させジ
ルコニル溶液として、水酸化ジルコニルを得て、それを
酸化することにより得られる。また、酸化ジルコニウム
はパデライトを原料とし、これから不純物を除去して得
ることもできる。炭酸ジルコニルアンモニウムは、ジル
コニル溶液から炭酸ジルコニルを得て、これから炭酸ジ
ルコニルアンモニウムを得ることができる。ジルコンサ
ンドを、石炭を添加してアーク溶融すると安定化ジルコ
ニアを得ることができる。
【0070】電融安定化ジルコニウムは、ジルコンサン
ドをアーク溶融することにより得ることができる。
【0071】本発明で使用するマイナスイオン発生粉体
組成物を得るには、例えば、上記したジルコニウム化合
物または電融安定化ジルコニウムを粉砕して、ジルコニ
ウム化合物の粉末若しくは電融安定化ジルコニウム粉末
とし、これをトルマリン粉末と混合することにより行わ
れ、これにより、トルマリンのマイナスイオン生成機能
が向上でき、しかも放射線放射のないマイナスイオン発
生粉体組成物が得られるものである。
【0072】しかしながら、単に混合しただけでは、必
ずしもマイナスイオン生成機能を向上させることができ
るとは限らないものであることが判明した。本発明者ら
による種々の研究の結果、ジルコニウム化合物の粉末ま
たは電融安定化ジルコニウム粉末が、トルマリン粉末の
個数の三分の一以上存在するときにマイナスイオン生成
機能が向上することが判明した。特に、ジルコニウム化
合物の粉末または電融安定化ジルコニウム粉末が、トル
マリン粉末の個数の2倍以上存在するときに最もマイナ
スイオン生成機能が向上するものである。トルマリン粉
末の個数よりもジルコニウム化合物の粉末または電融安
定化ジルコニウム粉末の個数が少なくなるに従って、マ
イナスイオン生成機能は減少し、トルマリン粉末の個数
の三分の一未満になるとマイナスイオンの生成機能は急
速に少なくなる。
【0073】電融安定化ジルコニウム粉末の場合には、
トルマリン粉末に作用してマイナスイオンを生成させる
機能が強いので、他のジルコニウム化合物の粉末と異な
り、トルマリン粉末の個数の四分の一未満になるまでは
マイナスイオンの生成機能は急速に少なくなることはな
い。一方、ジルコニウム化合物の粉末や電融安定化ジル
コニウム粉末の個数がトルマリン粉末の個数の10倍以
上になった場合には、マイナスイオン生成機能の向上は
わずかとなり、しかもジルコニウム化合物の粉末や電融
安定化ジルコニウム粉末を多量に使用することは、経済
的な面から効果的ではないものである。
【0074】したがって、本発明においては、ジルコニ
ウム化合物の粉末の個数は、トルマリン粉末の1/3〜
10/1の個数を存在させるのが好ましく、電融安定化
ジルコニウム粉末の場合にはトルマリン粉末の1/4〜
10/1の個数を存在させるのが好ましいものである。
【0075】すなわち、トルマリン粉末の比重がA(g
/cc)で平均粒子径a(cm)とした場合、比重B
(g/cc)で平均粒子径b(cm)のジルコニウム化
合物の粉末は、トルマリン粉末100重量部に対して1
00Bb/3Aa〜1000Bb/Aa重量部
を混合するのがよい。好ましくは、50Bb/Aa
〜500Bb/Aa重量部を混合するのがよく、最
も好ましくは、100Bb/Aa〜300Bb
Aa重量部を混合するのがよい。
【0076】また、比重C(g/cc)で平均粒子径c
(cm)の電融安定化ジルコニウム粉末にあっては、ト
ルマリン粉末100重量部に対して25Cc/Aa
〜1000Cc/Aa重量部を混合するのがよい。
好ましくは、40Cc/Aa〜400Cc/Aa
重量部を混合するのがよく、最も好ましくは、70C
/Aa〜250Cc/Aa重量部を混合する
のがよい。
【0077】トルマリン粉末と、ジルコニウム化合物の
粉末または電融安定化ジルコニウム粉末を、上記したと
おりの混合比率で混合することにより、マイナスイオン
生成機能は向上する。よりその機能の向上を効率的にす
るには、トルマリン粉末1個に対してジルコニウム化合
物の粉末が1/3個(ジルコニウム化合物の粉末1個に
対してトルマリン粉末3個)〜10個、またはトルマリ
ン粉末1個に対して電融安定化ジルコニウム粉末が1/
4個(電融安定化ジルコニウム粉末1個に対してトルマ
リン粉末4個)〜10個が精密に分散されるのが望まし
い。
【0078】トルマリン粉末と、ジルコニウム化合物の
粉末や電融安定化ジルコニウム粉末とを均一に分散する
方法としては、通常使用されている撹拌翼型の混合機、
空気流型混合機で粉末状態のままで混合してもよいし、
粉末を水などの液体中に分散させ、撹拌翼を使用して混
合してもよく、また、液流で混合してもよい。さらに
は、精密分散状態に混合するための特殊混合機、例え
ば、ラモンドスターラーを使用したラモンドミキサーな
どを使用して混合してもよい。
【0079】通常使用されている混合機を使用する場合
にあっては、混合する粉末の平均粒径が同じである場
合、比重の大きい粉末が下層に集中することになり、精
密分散状態を確保することが難しくなる傾向がある。し
たがって、トルマリン粉末の比重がA、ジルコニウム化
合物の粉末の比重がBの場合、ジルコニウム化合物の粉
末の平均粒径はトルマリン粉末の平均粒径のA/B倍に
するのが好ましく、トルマリン粉末の比重がA、電融安
定化ジルコニウム粉末の比重がCの場合、電融安定化ジ
ルコニウム粉末の平均粒径はトルマリン粉末のA/C倍
にするのが好ましい。
【0080】合成樹脂やゴムからなる履物底にマイナス
イオン発生粉体を含有させるには、合成樹脂組成物やゴ
ム組成物にマイナスイオン発生粉体組成物を配合し、必
要に応じて発泡剤などの添加剤を配合して、シート状物
を製造してマイナスイオン発生粉体組成物を含有する合
成樹脂シートとする。これを単層または複数枚積層して
熱プレス成形したり、前記合成樹脂シートを粉砕してマ
イナスイオン発生粉体組成物を含有する合成樹脂細片と
し、これを熱プレス成形したりたり、金型にマイナスイ
オン発生粉体組成物を含有する合成樹脂組成物を注入成
形してマイナスイオン発生履物底とすることができる。
【0081】合成樹脂組成物やゴム組成物にマイナスイ
オン発生粉体組成物を配合する場合、マイナスイオン発
生粉体組成物の量は、合成樹脂またはゴム100重量部
に対して5〜50重量部である。好ましくは10〜40
重量部であり、もっとも好ましくは15〜30重量部で
ある。5重量部未満の場合には、合成樹脂組成物または
ゴム組成物から履物底を製造しても、該履物底から十分
なマイナスイオンが発生されない場合がある。50重量
部を越えて配合した場合には、合成樹脂組成物またはゴ
ム組成物から履物底を製造する際に成形しにくくなるば
かりでなく、得られた履物底の物理的強度が十分でない
場合がある。
【0082】これら合成樹脂組成物やゴム組成物に、マ
イナスイオン発生粉体組成物を配合するには、合成樹脂
やゴムを製造する原材料中に配合し、その後合成樹脂や
ゴムを製造するようにしてもよいし、製造された合成樹
脂やゴムを主成分とする合成樹脂組成物やゴム組成物に
配合するようにしてもよい。製造された合成樹脂組成物
やゴム組成物に配合する場合には、合成樹脂やゴムの溶
媒溶液またはエマルジョンにマイナスイオン発生粉体組
成物を配合するようにしてもよいものである。例えば、
ポリウレタン樹脂の場合を例にとると、ポリウレタン樹
脂はポリオールとポリイソシアネートとを反応させて製
造されるが、ポリオール中にマイナスイオン発生粉体組
成物を配合し、これにポリイソシアネートを反応させる
ことによりマイナスイオン発生粉体組成物を配合したポ
リウレタン樹脂が得られるものである。
【0083】履物底を2種以上の素材を併用して構成す
る場合、例えば、ゴム細片と合成樹脂など任意のものを
併用することができる。このように2種以上の素材を併
用する場合には、少なくとも一方がマイナスイオン発生
粉体組成物を含有していれば、履物底としてマイナスイ
オン発生粉体組成物を含有していると言えるものであ
る。
【0084】胛被にマイナスイオン発生粉体組成物を含
有させるには、胛被の表面および/または裏面にマイナ
スイオン発生粉体組成物を配合した合成樹脂組成物また
はマイナスイオン発生粉体組成物を含有した塗料を部分
的にもしくは全面に塗布または含浸させてマイナスイオ
ン発生粉体組成物含有合成樹脂層を形成すればよい。マ
イナスイオン発生による血行促進などの効果の点から、
なるべく胛被の裏面に塗布含浸するのが好ましい。マイ
ナスイオン発生粉体組成物含有合成樹脂層を形成する場
合には、胛被の通気性を確保するため、スクリーン印刷
法などにより、胛被の裏面側に部分的(例えば水玉模様
状)に形成するのが好ましい。
【0085】マイナスイオン発生粉体組成物を配合する
塗料としては、漆塗料などの天然樹木から採取される樹
脂を主成分とする塗料、オレフィン系樹脂、塩化ビニル
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フ
ェノール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、メラミン系樹
脂、尿素系樹脂などの熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を主
成分とした油性塗料や水性塗料のほか、天然ゴム、シリ
コン系ゴム、フッ素系ゴム、スチレン系ゴム、ブタジエ
ン系ゴム、イソプレン系ゴム、クロロプレン系ゴム、ア
クリロニトリル系ゴム、ポリウレタン系ゴム、エチレン
プロピレン系、熱可塑性ゴム、熱可塑性エラストマーを
主成分とした油性塗料や水性塗料など一般に使用されて
いる塗料であればいずれのものでも使用できる。
【0086】塗料に配合するマイナスイオン発生粉体組
成物の量は、塗料中に含まれる樹脂固形分100重量部
に対して5〜50重量部である。好ましくは10〜40
重量部であり、さらに好ましくは15〜30重量部であ
る。5重量部未満の場合には、塗料を塗布し乾燥して形
成された塗膜から十分なマイナスイオンが発生されない
場合がある。50重量部を越えて配合した場合には、塗
料の粘度が高くなり塗工性が悪くなる傾向がある。
【0087】中敷にマイナスイオン発生粉体組成物を含
有させる場合、織布、編布、不織布からなる中敷では、
胛被に含有させるのと同様にすればよい。連通気泡を有
する合成樹脂発泡体またはゴムスポンジにマイナスイオ
ン発生粉体組成物を含有させるには、発泡性合成樹脂組
成物または発泡性ゴム組成物中にマイナスイオン発生粉
体組成物を配合し、これを発泡させることができる。ま
た、マイナスイオン発生粉体組成物を含有する合成樹脂
組成物を、連通気泡を有する合成樹脂発泡体やゴムスポ
ンジに含浸させ、余剰のマイナスイオン発生粉体組成物
含有合成樹脂組成物を絞液した後、乾燥することによっ
て、合成樹脂発泡体やゴムスポンジの骨格の周囲にマイ
ナスイオン発生粉体組成物含有合成樹脂層を形成するよ
うにしてもよい。
【0088】以下に、本発明が提供する履物の具体例に
ついて、図に基づいて説明する。
【0089】例えば、図1に示す履物1は、カーボンブ
ラックを練り込んだポリウレタン樹脂製のアウトソール
21とエチレン−酢酸ビニル樹脂(EVA)発泡体から
なるミッドソール22と不織布からなるインソール23
とからなる履物底2を使用し、人工皮革製のパーツを縫
製してなる胛被3を使用しているものである。インソー
ル(不織布)23には、電融安定化ジルコニウム化合物
を除くジルコニウム化合物の粉末または電融安定化ジル
コニウム粉末とトルマリン粉末とを配合したポリウレタ
ン樹脂組成物を含浸固化されているものである。胛被3
に履物底2を接着させるには、アウトソール21とミッ
ドソール22とを接着積層し、これに胛被2の下端部周
縁を接着させ、胛被2の内側底面部インソール23を接
着させることによりマイナスイオン発生履物が得られ
る。
【0090】このように、インソールに電融安定化ジル
コニウム化合物を除くジルコニウム化合物の粉末または
電融安定化ジルコニウム粉末とトルマリン粉末とを含有
させることによって、静止状態でより多くのマイナスイ
オンを発生させることができる。もちろんインソールの
全体に電融安定化ジルコニウム化合物を除くジルコニウ
ム化合物の粉末または電融安定化ジルコニウム粉末とト
ルマリン粉末とを含有させる必要はなく、インソールの
一部に含有させてもよいことは言うまでもない。
【0091】また、図2に示すようにインソール23と
して合成樹脂シートを使用した場合には、足当たりをよ
くするために中敷4をインソール表面に接着剤を用いて
または用いずして施設するのが好ましい。中敷4を使用
する場合には、中敷4に電融安定化ジルコニウム化合物
を除くジルコニウム化合物の粉末または電融安定化ジル
コニウム粉末とトルマリン粉末とを含有させ、インソー
ル23には電融安定化ジルコニウム化合物を除くジルコ
ニウム化合物の粉末または電融安定化ジルコニウム粉末
とトルマリン粉末とを含有させないようにすることもで
きる。
【0092】
【実施例】以下に本発明の履物の実施例について説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0093】実施例1〜3、比較例1:胛被3として、
不織布表面にポリウレタン樹脂層を形成した人工皮革の
裏面に連通気泡を有するポリウレタンフォームシートを
積層した。それとともにポリウレタンフォームシートの
裏面にトリコットを積層してなる3層構造のシートを使
用し、これから胛被を構成する各パーツを作成し、これ
らパーツを縫製してなるものを使用した。履物底2とし
ては、カーボンブラックを練り込んだポリウレタン樹脂
製シートを熱プレス成形してなるアウトソール21とエ
チレン−酢酸ビニル樹脂(EVA)発泡体からなるミッ
ドソール22とポリウレタン樹脂シートからなるインソ
ール23とからなるものを使用し、中敷としてはEVA
発泡体の表面にポリエステル繊維からなるトリコットを
積層接着したものを使用した。
【0094】ポリエステル繊維製トリコットについて
は、下記表1の配合のマイナスイオン発生塗料中に浸漬
し、余剰の塗料を絞液し乾燥させることにより、マイナ
スイオン発生トリコットとした。履物底2に胛被3を接
着するとするとともに、履物底の履物内表面に中敷を接
着積層してマイナスイオン発生履物を得た。
【0095】なお、実施例1ではエルバイトトルマリン
粉末1個に対して珪酸ジルコニウム粉末4個の割合であ
り、実施例2ではエルバイトトルマリン粉末1個に対し
て電融安定化ジルコニウム1/2個の割合で、実施例3
ではエルバイトトルマリン粉末1個に対して電融安定化
ジルコニウム1個の割合である。
【0096】前記のそれぞれの履物について、測定室
(温度25℃、湿度75%、無風状態、測定器以外の電
気製品の電源を切った状態)で、神戸電波社製のイオン
発生測定器KST−900を使用して120秒間のマイ
ナスイオン発生数を測定した。また、中敷の外観を観察
しポリエステル繊維よりなるトリコットの色合いが鮮明
であるか否か目視で判定し、これらの結果を併せて表1
中に示した。なお、ポリエステル繊維製トリコットの色
合いが鮮明な場合は〇、くすんだ外観を呈する場合は×
とした。
【0097】表1の比較例1の結果から明らかなよう
に、エルバイトトルマリン粉末のみを配合したアクリル
系樹脂塗料の皮膜を形成した胛被を使用した履物にあっ
ては、マイナスイオンの発生は認められない。これに対
し、珪酸ジルコニウム粉末とエルバイトトルマリン粉末
を混合した履物(実施例1)では、マイナスイオンの発
生が確認された。更に、電融安定化ジルコニウム粉末と
エルバイトトルマリン粉末を混合した履物(実施例2お
よび3)では、珪酸ジルコニウムを使用したものに比較
して多量のマイナスイオンが発生することが判明する。
【0098】
【表1】
【0099】*1:大日精化社製:レザミン、固形分2
5% *2:比重4.2、粒径2μm *3:比重5.6、粒径1.5μm *4:比重3.0、粒径3μm
【0100】実施例4:実施例2で使用したポリウレタ
ン樹脂溶液に、カチオン系帯電防止剤ニューエレガンA
(日本油脂社製)を1重量%添加した以外は、実施例2
と同様にして履物を製造した。
【0101】実施例5 中敷を構成するポリエステル繊維を、ポリエステル繊維
90%とアクリル繊維をピロール処理して得られたアク
リロニトリル−ピロール複合繊維10%とを混綿した繊
維で編成したトリコットを使用した中敷とする以外は、
実施例2と同様にして、マイナスイオン発生履物を作成
した。
【0102】実施例6:電融安定化ジルコニウム粉末に
代えてショールトルマリン粉末を使用する以外は実施例
2と同様にしてマイナスイオン発生履物を製造した。
【0103】実施例4〜6のそれぞれの履物について、
実施例1〜3と同様にしてマイナスイオン発生数を測定
すると共に、中敷の外観を観察しポリエステル繊維製ト
リコットの色相が鮮明であるか否か目視で判定した。そ
の結果を表2に示す。なお、実施例4〜6のマイナスイ
オン発生数の測定は、測定室(温度25℃、湿度25
%、無風状態、測定器以外の電気製品の電源を切った状
態)で、神戸電波社製のイオン発生測定器KST−90
0を使用して120秒間のマイナスイオン発生数を測定
した値である。
【0104】
【表2】
【0105】*1:大日精化社製:レザミン、固形分2
5% *3:比重5.6、粒径1.5μm *4:比重3.0、粒径3μm *5:日本油脂社製カチオン系帯電防止剤 *6:比重3.0、粒径3μm
【0106】比較例2:エルバイトトルマリン粉末(比
重3.0、平均粒径3μm)と希土類元素を含有するモ
ナザイト粉末(比重4.6、平均粒径2μm)とを、エ
ルバイトトルマリン粉末1個に対しモナザイト粉末が1
個対応するように配合しマイナスイオン発生粉体組成物
「M」を得た。
【0107】得られたマイナスイオン発生粉体組成物
「M」、実施例1で使用するマイナスイオン発生粉体組
成物および実施例2で使用するマイナスイオン発生粉体
組成物のそれぞれを15g採取し、それぞれをポリエチ
レン製袋に入れて、測定用のサンプルを作製した。
【0108】これらのサンプルについて、アロカ社製の
サーベイメーター(ガイガーカウンター)を用いて放射
線の放射量を測定した。その結果を表3に示す。
【0109】
【表3】
【0110】マイナスイオン数は、IC−1000イオ
ンカウンター(ユニバーサル企画)を使用し、測定室
(温度25℃、湿度75%、無風状態、測定器以外の電
気製品の電源を切った状態)で、履物に外から力などを
加えず、中敷の表面側にイオン数測定器の空気吸入口を
密接させて測定した数値である。
【0111】これら実施例および比較例から明らかなよ
うに、電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化合
物の粉末または電融安定化ジルコニウム粉末とトルマリ
ン粉末とを履物底、胛被、中敷のいずれかに含有させる
ことにより、静止状態でも確実にマイナスイオンを発生
する履物を得ることが確認できた。
【0112】また、エルバイトトルマリン粉末を用いる
ことで、履物底、胛被、または中敷の色合いを、淡いも
のから農色のものまで自由に設計できるものである。
【0113】
【発明の効果】以上、実施の形態とともに詳細に説明し
たように、本発明の請求項1記載の履物によれば、履物
底、胛被のいずれか一方に、トルマリン粉末(比重A、
平均粒子径a)100重量部に対して、電融安定化ジル
コニウムを除くジルコニウム化合物の粉末(比重B、平
均粒子径b)が、100Bb/3Aa〜1000B
/Aa重量部配合されてなるマイナスイオン発生
粉体組成物を含有させているため、マイナスイオン発生
数が多く、トルマリンのマイナスイオン発生機能が大幅
に向上されているものである。
【0114】また、本発明の請求項2記載の履物によれ
ば、履物底、胛被、中敷の少なくともいずれかに、トル
マリン粉末(比重A、平均粒子径a)100重量部に対
して、電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化合
物の粉末(比重B、平均粒子径b)が、100Bb
3Aa〜1000Bb/Aa重量部配合されてな
るマイナスイオン発生粉体組成物を含有させているた
め、マイナスイオン発生数が多く、トルマリンのマイナ
スイオン発生機能が大幅に向上されているものである。
【0115】また、本発明の請求項3記載の履物によれ
ば、履物底、胛被の少なくともいずれか一方に、トルマ
リン粉末(比重A、平均粒子径a)100重量部に対し
て、電融安定化ジルコニウム粉末(比重C、平均粒子径
c)を25Cc/Aa〜1000Cc/Aa
量部配合されてなるマイナスイオン発生粉体組成物を含
有させているため、他のジルコニウム化合物の粉末を使
用した場合よりもトルマリンのマイナスイオン発生機能
をより大きく向上させることができる。したがって、他
のジルコニウム化合物よりも少量で、より多くのマイナ
スイオンを発生させることができる。
【0116】また、本発明の請求項4記載の履物によれ
ば、履物底、胛被、中敷の少なくともいずれかに、トル
マリン粉末(比重A、平均粒子径a)100重量部に対
して、電融安定化ジルコニウム粉末(比重C、平均粒子
径c)を25Cc/Aa〜1000Cc/Aa
重量部配合されてなるマイナスイオン発生粉体組成物を
含有させているため、他のジルコニウム化合物の粉末を
使用した場合よりもトルマリンのマイナスイオン発生機
能をより大きく向上させることができる。したがって、
他のジルコニウム化合物よりも少量で、より多くのマイ
ナスイオンを発生させることができる。
【0117】さらに、本発明の請求項5記載の履物によ
れば、前記履物に使用されるトルマリン粉末を、光の散
乱によってほぼ白色を呈するものであるエルバイトトル
マリンを微粉砕したものが50重量%以上含まれるもの
で構成するようにしたので、履物底、胛被、中敷の色合
いを淡色のものから農色のものまで自由に設計すること
ができ、ファッション性に優れたマイナスイオン発生履
物が得られるものである。
【0118】また、本発明の請求項6記載の履物によれ
ば、履物底、胛被、中敷のいずれかが帯電防止剤や導電
性物質により、帯電防止化または導電化されたものを使
用することにより、湿度が低く静電気帯電の起こりやす
い環境下(例えば冬場)であっても、マイナスイオンを
効果的に発生する履物が得られるものである。
【0119】また、本発明のマイナスイオン発履物にお
いては、希有元素を含有する鉱石を使用していないた
め、放射線の放射量は極めて微量であり、人体に対して
安全である。しかも人体に対して新陳代謝の促進、血行
促進、鎮痛、快眠、鎮咳、制汗、食欲増進、血圧降下、
疲労防止等の効果があるマイナスイオンが多量に発生す
るところに特徴があるものである。
【0120】このことは、実施例1、実施例2で使用す
るマイナスイオン発生粉体組成物および比較例2のマイ
ナスイオン発生粉体組成物の対比から明らかである。具
体的には、本発明のマイナスイオン発生粉体組成物の放
射線量は、実施例1では0.09μSV/hr、実施例
2では0.06μSV/hrであり、これは1年間に換
算するとそれぞれ0.79ミリSV/年、0.53ミリ
SV/年となる。これに対し比較例2のモナザイト粉末
を含有するマイナスイオン発生粉体組成物「M」は、放
射線量は0.75μSV/hrであり、同様に1年間に
換算すると6.57ミリSV/年となる。
【0121】国際放射線防護委員会(ICRP)は、一
般人については、実効線量当量の限度として、1年間に
ついて1.0ミリSVとすることを勧告している。本発
明のマイナスイオン発生履物が、人体に対して安全であ
るのに対して、モナザイトを含有するマイナスイオン発
生粉体組成物「M」を使用したマイナスイオン発生履物
は、国際放射線防護委員会勧告の一般人についての実効
線量当量の限度を超える放射線を放射している。したが
って、人体に対しての安全性に懸念があることがわか
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイナスイオン発生履物について、そ
の一実施例の構成を示す説明図である。
【図2】本発明のマイナスイオン発生履物について、他
の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 履物 2 履物底 21 アウトソール 22 ミッドソール 23 インソール 3 胛被 4 中敷
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 Fターム(参考) 4F050 BA02 HA40 HA44 HA45 HA52 HA53 HA55 HA67 HA98 4J002 AC011 AC021 AC031 AC061 AC071 AC091 BB001 BB021 BB111 BB151 BC031 BD031 BD091 BD121 BG001 BG041 CC031 CC161 CC181 CD001 CF001 CF031 CF061 CK021 CL001 CL031 CP031 DE247 DK006 FD010 FD020 FD030 FD040 FD050 FD090 FD100 FD170 FD310 GC00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 履物底と該履物底に接着された胛被とか
    らなる履物において、履物底および胛被の少なくともい
    ずれか一方に、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径
    a)と電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化合
    物の粉末(比重B、平均粒子径b)との混合粉末であっ
    て、トルマリン粉末100重量部に対し電融安定化ジル
    コニウムを除くジルコニウム化合物の粉末が下記(1)
    式に示される量で配合されてなるマイナスイオン発生粉
    体組成物を含有させたことを特徴とするマイナスイオン
    発生履物。 100Bb/3Aa〜1000Bb/Aa重量部 (1)
  2. 【請求項2】 履物底と、該履物底の内表面に配置され
    る中敷と、前記履物底に接着された胛被とからなる履物
    において、履物底、中敷および胛被の少なくともいずれ
    かに、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融
    安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物の粉末
    (比重B、平均粒子径b)との混合粉末であって、トル
    マリン粉末100重量部に対し電融安定化ジルコニウム
    を除くジルコニウム化合物の粉末が下記(1)式に示さ
    れる量で配合されてなるマイナスイオン発生粉体組成物
    を含有させたことを特徴とするマイナスイオン発生履
    物。 100Bb/3Aa〜1000Bb/Aa重量部 (1)
  3. 【請求項3】 履物底と該履物底に接着された胛被とか
    らなる履物において、履物底および胛被の少なくともい
    ずれか一方に、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径
    a)と電融安定化ジルコニウム合物粉末(比重C、平均
    粒子径c)との混合粉末であって、トルマリン粉末10
    0重量部に対し電融安定化ジルコニウム粉末が下記
    (2)式に示される量で配合されてなるマイナスイオン
    発生粉体組成物を含有させたことを特徴とするマイナス
    イオン発生履物。 25Cc/Aa〜1000Cc/Aa重量部 (2)
  4. 【請求項4】 履物底と、該履物底の内表面に配置され
    る中敷と、前記履物底に接着された胛被とからなる履物
    において、履物底、中敷および胛被の少なくともいずれ
    かに、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融
    安定化ジルコニウム合物粉末(比重C、平均粒子径c)
    との混合粉末であって、トルマリン粉末100重量部に
    対し電融安定化ジルコニウム粉末が下記(2)式に示さ
    れる量で配合されてなるマイナスイオン発生粉体組成物
    を含有させたことを特徴とするマイナスイオン発生履
    物。 25Cc/Aa〜1000Cc/Aa重量部 (2)
  5. 【請求項5】 トルマリン粉末が、リチア電気石を微粉
    砕したものを50重量%以上含むものである請求項1か
    ら4のいずれか1項に記載されたマイナスイオン発生履
    物。
  6. 【請求項6】 履物底、中敷、胛被のいずれかが帯電防
    止剤や導電性物質により、帯電防止化または導電化され
    たものである請求項1から4のいずれか1項に記載され
    たマイナスイオン発生履物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005015112A1 (ja) * 2003-08-11 2005-02-17 Kenji Tsuji 放熱部材、及びその放熱部材を用いた装置、筐体、コンピュータ支持台、放熱部材製造方法
JP2006000254A (ja) * 2004-06-16 2006-01-05 Mitsuo Kurosawa 靴中敷
JP2006236760A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Nec Corp 筐体、携帯端末装置、及びその塗料の製造方法
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KR102085299B1 (ko) * 2019-01-23 2020-03-06 한국과학기술원 압전식 에너지 하베스팅 신발 깔창 및 그 제조 방법

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