JP4842446B2 - マイナスイオン発生粉体組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルマリン粉末を含有した粉体組成物、塗料組成物、合成樹脂組成物に関し、更に詳しくは、トルマリンによる空気のマイナスイオン化の効果を安全に高めることができるようにしたものである。
【0002】
【従来技術】
トルマリンは、従来より永久電極と称される電気的性質を備え、この特性を利用することで水の電気分解を行い、その結果界面活性機能を備えた水を得ることができることが知られている。
トルマリン電極による微弱な水の電気分解は、空気中に含まれる水分(湿気)に対しても起きることからトルマリン粉末を混練する繊維や塗布する布地によって製造された衣服は、空気中の水分を電気分解してヒドロキシルイオン、すなわちマイナスイオンを発生させ、人体に対して新陳代謝の促進、血行促進、鎮痛、快眠、鎮咳、制汗、食欲増進、血圧降下、疲労防止等の効果があることが知られている。
【0003】
このトルマリンの機能を発揮させるためには、トルマリンを粉末化させて空気との接触面積を大きくすることが必要である。トルマリン鉱石そのままではマイナスイオン発生機能は極めて微弱なものとなってしまう。また、粉末にした場合であっても、これを繊維内に練り込んだり、バインダーに混合すると、空気との接触面積が少なくなりマイナスイオン発生機能が顕著に現れなくなってしまうものであった。トルマリン粉末を繊維に多量に練り込んだり、バインダーに多量に混合すると、繊維や混合されたバインダーの物理的性質が低下して、日常の使用に耐えられるものは得られなくなってしまうものであった。
【0004】
また、一般的にトルマリン粉末は空気の乱流、温度差、湿度差、圧力、摩擦力等の外的作用が働かないとその電気的特性を発揮しない、すなわち、マイナスイオンを発生する機能が極めて微弱なものとなってしまう。また外力作用を加えても継続的にその電気特性を発揮できないものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
トルマリンのマイナスイオン発生機能を向上させ、外的作用を働かせなくても常時マイナスイオンを発生させることが研究され、トルマリン粉末に希有元素類を含有する鉱石の粉末を混合することにより、トルマリンのマイナスイオン発生機能が向上するばかりでなく、静止状態においてもマイナスイオンを発生できることが分かり、この混合粉体が各種分野において利用され始めた(例えば、特開平11−279422号公報)。
【0006】
そして、特開平11−279422号公報に記載された発明において、希有元素類を含有する鉱石としては、フェルグソン石、モナズ石、バストネス石、ゼノタイム、コルンブ石、ベタホ石、サマルスキー石、ユークセン石、タンタル石、閃ウラン鉱、方トリウム石、カルノー石、ガドリアン石などが掲げられている。
しかしながら、これらの鉱石は、放射線を放射しており、マイナスイオンによるプラスの効果と放射線によるマイナス面が同居しており、必ずしも安全であるとは言い切れないものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、放射線の放射によるマイナス面を解消するとともに、トルマリンのマイナスイオン発生機能を向上させ、静止状態でもマイナスイオンが多く発生できる、マイナスイオン発生粉体組成物を提供するものである。
本発明者は、放射線を放射する希土類元素を含む鉱石を使用せずに、トルマリンのマイナスイオン発生機能を向上させ、静止状態でもマイナスイオンを多く生成することができる方法を鋭意研究した結果、ジルコニウム化合物粉末とともにトルマリン粉末を使用すると、放射線の放射はきわめて微量で、しかもトルマリンからのマイナスイオン発生は、トルマリン粉末単独で使用した場合よりもきわめて多量であることを見いだし、本発明を完成したものである。
【0008】
すなわち、上記従来技術の有する課題を解決するための本発明の請求項1記載のマイナスイオン発生粉体組成物は、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と珪酸ジルコニウム粉末(比重B、平均粒子径b)との混合粉末であって、トルマリン粉末100重量部に対し珪酸ジルコニウム粉末が100Bb/3Aa〜1000Bb/Aa重量部配合されてなるものである。
このマイナスイオン発生粉体組成物によれば、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と珪酸ジルコニウム粉末(比重B、平均粒子径b)とが、トルマリン粉末100重量部に対し珪酸ジルコニウム粉末が、100Bb/3Aa〜1000Bb/Aa重量部配合されてなるものであるため、珪酸ジルコニウム粉末によりトルマリン粉末のマイナスイオン発生の働きが向上されると共に、常時安定的にマイナスイオンが発生され、しかも希土類元素を含有する鉱石の粉末を使用していないので、放射線の放射はほとんどなく、人体に対して安全なマイナスイオン発生粉体組成物が得られるのである。
【0009】
また、本発明の請求項2記載のマイナスイオン発生粉体組成物は、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定化ジルコニウム粉末(比重C、平均粒子径c)との混合粉末であって、トルマリン粉末100重量部に対して電融安定化ジルコニウム粉末が、25Cc/Aa〜1000Cc/Aa重量部配合されてなるものである。
このマイナスイオン発生粉体組成物によれば、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定化ジルコニウム粉末(比重C、平均粒子径c)とが、トルマリン粉末100重量部に対して電融安定化ジルコニウム粉末が、25Cc/Aa〜1000Cc/Aa重量部配合されてなるものであるため、電融安定化ジルコニウム粉末により、さらにトルマリン粉末のマイナスイオン発生の働きが向上されると共に、常時安定的にマイナスイオンが発生され、しかも希土類元素を含有する鉱石の粉末を使用していないので、放射線の放射はほとんどなく、人体に対して安全なマイナスイオン発生粉体組成物が得られるものである。
【0010】
また、本発明の請求項3記載のマイナスイオン発生塗料組成物は、請求項1または2記載のマイナスイオン発生粉体組成物を、塗料中の樹脂固形分100重量部に対して50〜300重量部配合したことを特徴とするものである。
このマイナスイオン発生塗料によれば、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と珪酸ジルコニウム粉末(比重B、平均粒子径b)とが、トルマリン粉末100重量部に対して珪酸ジルコニウム粉末が、100Bb/3Aa〜1000Bb/Aa重量部配合されてなる粉体組成物、またはトルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定化ジルコニウム粉末(比重C、平均粒子径c)とが、トルマリン粉末100重量部に対し電融安定化ジルコニウム粉末が25Cc/Aa〜1000Cc/Aa重量部配合されてなる粉体組成物を、塗料中の樹脂固形分100重量部に対して50〜300重量部配合しているため、このマイナスイオン発生粉体塗料組成物を塗布・固化して塗料層を形成したときには、塗料層からは常時安定的にマイナスイオンが発生され、しかも希土類元素を含有する鉱石の粉末を使用していないので、放射線の放射はほとんどなく、人体に対して安全なマイナスイオン発生塗料層を形成できるものである。
【0011】
また、本発明の請求項4記載のマイナスイオン発生合成樹脂は、請求項1または2記載のマイナスイオン発生粉体組成物を、合成樹脂100重量部に対して5〜50重量部配合したことを特徴とするものである。
このマイナスイオン発生合成樹脂によれば、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と珪酸ジルコニウム粉末(比重B、平均粒子径b)とが、トルマリン粉末100重量部に対して珪酸ジルコニウム粉末が、100Bb/3Aa〜1000Bb/Aa重量部配合されてなる粉体組成物、またはトルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定化ジルコニウム粉末(比重C、平均粒子径c)とが、トルマリン粉末100重量部に対し電融安定化ジルコニウム粉末が25Cc/Aa〜1000Cc/Aa重量部配合されてなる粉体組成物を、合成樹脂100重量部に対して5〜50重量部配合しているため、このマイナスイオン発生合成樹脂組成物を使用して作成された合成樹脂製品からは常時安定的にマイナスイオンが発生され、しかも希土類元素を含有する鉱石の粉末を使用していないので、放射線の放射はほとんどなく、人体に対して安全なマイナスイオン発生合成樹脂製品を得ることができるものである。
【0012】
さらに、本発明の請求項5記載のマイナスイオン発生合成樹脂組成物は、請求項4記載のマイナスイオン発生粉体組成物に帯電防止剤または導電性物質を含有させてなることを特徴とするものである。
このマイナスイオン発生合成樹脂組成物によれば、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と珪酸ジルコニウム粉末(比重B、平均粒子径b)とが、トルマリン粉末100重量部に対して珪酸ジルコニウム粉末が、100Bb/3Aa〜1000Bb/Aa重量部配合されてなる粉体組成物、またはトルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定化ジルコニウム粉末(比重C、平均粒子径c)とが、トルマリン粉末100重量部に対し電融安定化ジルコニウム粉末が25Cc/Aa〜1000Cc/Aa重量部配合されると共に、帯電防止剤または導電性物質が含有されているので、このマイナスイオン発生合成樹脂組成物を使用して合成樹脂製品を製造した場合には、合成樹脂製品が静電気を帯電するのを防止できるので、発生するマイナスイオンが静電気により中和されて、マイナスイオンの発生量が減少してしまうことがなく、静電気の発生しやすい冬場においても安定的にマイナスイオン効果を示す合成樹脂製品が得られるので好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明で使用できるトルマリンは、一般式:(Na,Ca,K)(Al,Fe,Li,Mg,Mn)(BO)(Al,Cr,Fe,V)(SiO)(O,OH,F)で表される珪酸塩鉱物であり、電荷の自発分極性を有し、著しい圧電性や集電性を示すことから電気石とも称されるものである。
このトルマリンとしては、一般式:Na(Li,Al)(BO)Al(SiO)(OH)で示されるエルバイトトルマリン(リチア電気石)と呼ばれるもの、式:NaFe(BO)Al(SiO)(OH)で示されるショールトルマリンと呼ばれるもの、式:NaMg(BO)Al(SiO)(OH)で示されるドラバイトトルマリンと呼ばれるものが知られているが、いずれのものも使用できる。このトルマリンは従来から室内空気のイオン化にトルマリン粉末が有効であることが知られてきた。
トルマリンの粉末粒子は自発分極により常に静電気を帯びているので、これに水分子が触れると瞬間的に放電して水素ガスとヒドロキシルイオンとを発生し、水を弱アルカリ化する作用を有している。そして、空気中において、同様に水分が電気分解されて発生したヒドロキシルイオンが空気中に放出されることによって、空気がマイナスイオン化される。
このようなマイナスイオン化した空気は、人体に対して新陳代謝の促進、血行促進、疲労回復、食欲増進、安眠、鎮痛など数々の好影響を与えるといわれている。
【0014】
したがってトルマリン粉末粒子の大きさは、小さいほど空気中の水分子と接触する面積が大きくなり、マイナスイオン発生が効果的の行われることになり好ましいものである。
トルマリン粉末の好適な大きさは平均粒子径で、0.01〜1000μmであり、好ましくは0.05〜100μm、最も好ましくは0.1〜20μmである。1000μmを越えるとマイナスイオン発生効果が少なくなるばかりでなく、塗料や合成樹脂に含有させて塗膜や合成樹脂成型品を作製したときに、平滑な表面が得られにくくなり、0.01μmより小さくなると均一に分散させることが困難となる場合がある。
【0015】
また、トルマリンは、前記静電気が物質を吸着または反発する作用によって消臭効果、抗菌効果を有し、さらに遠赤外線放射率の高い材料であることが知られている。
さらに、トルマリンはその自発分極性を恒常的に有しているので、上記した効果は、化学反応により失われたり経時的に劣化したりすることはない。
【0016】
また、本発明で使用するトルマリンとしては、リチア電気石が好ましい。このリチア電気石はエルバイトトルマリンと呼ばれ、おおよそ淡色のピンク、緑、青色を呈したエルバイトトルマリンを粉末化したものは、光の散乱によってほぼ白色を呈するものである。すなわち、リチア電気石を粉末化したものを塗料や合成樹脂に分散させれば、任意の染料や顔料を塗料や合成樹脂に含有させることによって、塗料や合成樹脂の色合いを淡色から農色まで自由に設計できるものである。
淡色系に着色する場合には、エルバイトトルマリンを単独で使用するのが最も好ましいが、ショールトルマリンやドラバイトトルマリンと混合して使用することも可能である。使用可能なエルバイトトルマリンとショールトルマリンやドラバイトトルマリンとの混合比率は、50/50〜100/0であり、好ましくは70/30〜100/0であり、さらに好ましくは80/20〜100/0である。
【0017】
本発明で使用できるジルコニウム化合物としては、ケイ酸ジルコニウム、金属ジルコニウム、酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニルアンモニウム、オキシ塩化ジルコニウム、電融安定化酸化ジルコニウム(電融安定化ジルコニウムと称する場合がある)、安定化ジルコニアなどがあげられる。特に好ましいのは、電融安定化ジルコニウムである。
これらのジルコニウム化合物は、純度100%のものが最も好ましいが、必ずしも純度100%でなくてもマイナスイオン発生機能を励起活性させ、マイナスイオン発生の向上が認められるものである。ジルコニウム化合物の純度は70%以上であれば本発明の効果が認められ、好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上である。
【0018】
電融安定化ジルコニウムは、特にトルマリンのマイナスイオン発生機能を励起活性させる作用が強く、もっとも好ましいものである。
【0019】
ケイ酸ジルコニウムは、ジルコンサンドを鉄ボールなどで粉砕し、粉砕物から鉄粉を除去し、分級することにより得られる。金属ジルコニウムは、ジルコンサンドから炭化ジルコニウムを調製し、これを四塩化ジルコニウムとし金属ジルコニウムを得ることができる。酸化ジルコニウムは、ジルコンサンドをアルカリ分解してジルコン酸アルカリとし、これを酸に溶解させジルコニル溶液とし、これから水酸化ジルコニルを得て、これを酸化することにより得られる。また、酸化ジルコニウムはパデライトを原料とし、これから不純物を除去して得ることもできる。炭酸ジルコニルアンモニウムは、ジルコニル溶液から炭酸ジルコニルを得て、これから炭酸ジルコニルアンモニウムを得ることができる。ジルコンサンドを、石炭を添加してアーク溶融すると安定化ジルコニアを得ることができる。
【0020】
電融安定化ジルコニウムは、ジルコンサンドをアーク溶融する事により得ることができる。
【0021】
上記したジルコニウム化合物または電融安定化ジルコニウムを粉砕してジルコニウム化合物粉末若しくは電融安定化ジルコニウム粉末とし、これをトルマリン粉末と混合することにより、トルマリンのマイナスイオン発生機能が向上でき、しかも放射線放射のない混合粉体組成物が得られるものである。
しかしながら、単に混合しただけでは、必ずしもマイナスイオン発生機能を向上させることができるとは限らないものである。種々の研究の結果、珪酸ジルコニウム粉末が、トルマリン粉末の個数の三分の一以上存在するときにマイナスイオン発生機能が向上することを見いだしたものである。特に珪酸ジルコニウム粉末がトルマリン粉末の個数の2倍以上存在するときに最もマイナスイオン発生機能が向上するものである。トルマリン粉末の個数よりも珪酸ジルコニウム粉末の個数が少なくなるに従って、マイナスイオン生成機能は減少し、トルマリン粉末の個数の三分の一未満になるとマイナスイオンの発生機能は急速に少なくなる。電融安定化ジルコニウム粉末の場合には、トルマリン粉末に作用してマイナスイオン発生させる機能が強いので、他のジルコニウム化合物粉末と異なり、トルマリン粉末の個数の四分の一未満になるまではマイナスイオンの発生機能は急速に少なくなることはない。一方、珪酸ジルコニウム粉末や電融安定化ジルコニウム粉末の個数がトルマリン粉末の個数より10倍以上多くなった場合には、マイナスイオン発生機能の向上はわずかとなり、しかも珪酸ジルコニウム粉末や電融安定化ジルコニウム粉末を多量に使用することは、経済的な面から効果的ではないものである。
【0022】
したがって、本発明においては、珪酸ジルコニウム粉末の個数は、トルマリン粉末の1/3〜10/1の個数を存在させるのが好ましく、電融安定化ジルコニウム粉末の場合にはトルマリン粉末の1/4〜10/1の個数を存在させるのが好ましいものである。すなわち、トルマリン粉末の比重がA(g/cc)で平均粒子径a(cm)とした場合、比重B(g/cc)で平均粒子径b(cm)の珪酸ジルコニウム粉末は、トルマリン粉末100重量部に対して100Bb/3Aa〜1000Bb/Aa重量部を混合するのがよいものである。好ましくは、50Bb/Aa〜500Bb/Aa重量部を混合するのがよい。最も好ましくは、100Bb/Aa〜300Bb/Aa重量部を混合するのがよい。
また、トルマリン粉末の比重がA(g/cc)で平均粒子径a(cm)とした場合、比重C(g/cc)で平均粒子径c(cm)の電融安定化ジルコニウム粉末は、トルマリン粉末100重量部に対して25Cc/Aa〜1000Cc/Aa重量部を混合するのがよいものである。好ましくは、40Cc/Aa〜400Cc/Aa重量部を混合するのがよい。最も好ましくは、70Cc/Aa〜250Cc/Aa重量部を混合するのがよい。
【0023】
トルマリン粉末と珪酸ジルコニウム粉末または電融安定化ジルコニウム粉末は、上記したとおりの混合比率で混合することにより、マイナスイオン発生機能は向上するものであるが、よりその機能の向上を効率的にするには、トルマリン粉末1個に対して珪酸ジルコニウム粉末が1/3個(珪酸ジルコニウム粉末1個に対してトルマリン粉末3個)〜10個、またはトルマリン粉末1個に対して電融安定化ジルコニウム粉末が1/4個(電融安定化ジルコニウム粉末1個に対してトルマリン粉末4個)〜10個が精密に分散されるのが望ましい。
トルマリン粉末と珪酸ジルコニウム粉末や電融安定化ジルコニウム粉末とを均一に分散する方法としては、通常使用されている撹拌翼型の混合機、空気流型混合機で粉末状態のままで混合してもよいし、粉末を水などの液体中に分散させ、撹拌翼を使用して混合したり、液流で混合してもよい。さらには、精密分散状態に混合するための特殊混合機、例えば、ラモンドスターラーを使用したラモンドミキサーなどを使用して混合してもよい。
通常使用されている混合機を使用する場合には、トルマリン粉末と珪酸ジルコニウム粉末または電融安定化ジルコニウム粉末との平均粒径が同じである場合には、比重の大きい粉末が下層に集中することになり、精密分散状態にすることが難しくなる傾向がある。したがって、トルマリン粉末の比重がA、珪酸ジルコニウム粉末の比重がBの場合、ジルコニウム粉末の平均粒径はトルマリン粉末の平均粒径のA/B倍にするのが好ましく、トルマリン粉末の比重がA、電融安定化ジルコニウム粉末の比重がCの場合、電融安定化ジルコニウム粉末の平均粒径はトルマリン粉末のA/C倍にするのが好ましい。
【0024】
本発明に使用される塗料としては、漆塗料などの天然樹木から採取される樹脂を主成分とする塗料、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂などの熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を主成分とした油性塗料や水性塗料のほか、天然ゴム、シリコン系ゴム、フッ素系ゴム、スチレン系ゴム、ブタジエン系ゴム、イソプレン系ゴム、クロロプレン系ゴム、アクリロニトリル系ゴム、ポリウレタン系ゴム、エチレンプロピレン系、熱可塑性ゴム、熱可塑性エラストマーを主成分とした油性塗料や水性塗料など一般に使用されている塗料であればいずれのものでも使用できる。
【0025】
これら塗料に、マイナスイオン発生粉体組成物を配合するには、塗料を製造する原料中に配合し、その後塗料を製造するようにしてもよいし、製造された塗料配合するようにしてもよい。
塗料に配合するマイナスイオン発生粉体組成物の量は、塗料中に含まれる樹脂固形分100重量部に対して50〜300重量部である。50重量部未満の場合には、塗料を塗布し乾燥して形成された塗膜から十分なマイナスイオンが発生されない場合がある。300重量部を超えて配合した場合には、塗料の粘度が高くなり塗工性が悪くなる傾向がある。
【0026】
本発明のマイナスイオン発生塗料組成物は、それぞれの塗料が使用される用途に使用することができる。すなわち、屋外用の製品に使用される塗料の場合には、マイナスイオン発生粉体組成物を配合することにより、その周囲の空気がマイナスイオン化されることになり、好ましい環境を作ることができるものである。例えば、門柱、フェンス、家屋の外壁等に本発明のマイナスイオン発生塗料組成物を塗布し、固化した場合には、その家の庭などの周辺住環境にマイナスイオンが発生しているので、住人の健康上好ましいものである。
また、屋内用の製品に使用される塗料の場合には、同様にマイナスイオン発生粉体組成物を配合することにより、その製品周囲の空気がマイナスイオン化されることになり、好ましい屋内環境を作ることができるものである。例えば、内壁、ドア、タンス等に本発明のマイナスイオン発生塗料組成物を塗布し、固化させた場合には、その家の屋内環境にマイナスイオンが発生しているので、住人の健康上好ましいものである。
【0027】
本発明に使用される合成樹脂としては、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂などの熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のほか、熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0028】
オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィンモノマーの単独重合体のほか、エチレンやプロピレンなどのオレフィン系モノマーと他のモノマー、例えば酢酸ビニル、α-オレフィン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アルキルビニルエーテル、アクリロニトリルなどとの共重合体のほか、これらオレフィン系樹脂を主成分とする他のポリマーとの混合物が使用できる。塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと他のモノマー、例えば酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリルなどとの共重合体のほか、塩化ビニル系樹脂を主成分とする他のポリマーとの混合物が使用できる。
【0029】
ポリウレタン系樹脂としては、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステル・エーテルジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリメチルバレロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール等のポリマージオールから選ばれる1種以上のポリオールと、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、環状基を有する脂肪族ジイソシアネート等の有機ポリイソシアネートから選ばれる1種以上のポリイソシアネートと、活性水素原子を少なくとも2個有する低分子化合物、例えば脂肪族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン、ヒドラジン誘導体等の群から選ばれる1種以上の鎖伸長剤とを反応させて得られる1液型又は2液型ポリウレタン樹脂が使用できる。アクリル系樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリロニトリル等のアクリル系モノマーの群から選ばれる1種以上を重合させてなる単独重合体や共重合体が使用できる。また上記のアクリル系モノマーの1種以上と他のモノマー、例えばスチレンなどとの共重合体も使用できるし、これらアクリル系樹脂を主体とする他のポリマーとの混合物も使用できる。
【0030】
ポリエステル系樹脂としては、テレフタル酸やイソフタル酸と、脂肪族ジオール、脂環族ジオール、芳香族ジオールから選ばれる1種以上のジオールとを重合させたものが使用できる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)、テレフタル酸とエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールとの共重合体(PET−G)、イソフタル酸とネオペンチルグリコールとシクロヘキサンジオールとを共重合したものなどが挙げられる。
ポリアミド系樹脂としては、一般的にナイロンと称されるものが使用でき、具体的には、ナイロン4,ナイロン6,ナイロン8,ナイロン11,ナイロン12,ナイロン66,ナイロン69,ナイロン610,ナイロン611,ナイロン6T等が挙げられ、これらは単独若しくは2種以上を混合して使用することもできるものである。
【0031】
これら合成樹脂に配合するマイナスイオン発生粉体組成物の量は、合成樹脂100重量部に対して5〜50重量部である。好ましくは10〜40重量部であり、もっとも好ましくは15〜30重量部である。5重量部未満の場合には、合成樹脂組成物から成形品を製造しても、該成形品から十分なマイナスイオンが発生されない場合がある。50重量部を越えて配合した場合には、合成樹脂組成物から成形品を製造する際に成形しにくくなるばかりでなく、得られた成形品の物理的強度が十分でない場合がある。
【0032】
これら合成樹脂に、マイナスイオン発生粉体組成物を配合するには、合成樹脂を製造する原材料中に配合し、その後合成樹脂を製造するようにしてもよいし、製造された合成樹脂に配合するようにしてもよい。製造された合成樹脂に配合する場合には、合成樹脂の溶媒溶液にマイナスイオン発生粉体組成物を配合するようにしてもよいものである。
例えば、ポリウレタン樹脂の場合を例にとると、ポリウレタン樹脂はポリオールとポリイソシアネートとを反応させて製造されるが、ポリオール中にマイナスイオン発生粉体組成物を配合し、これにポリイソシアネートを反応させることによりマイナスイオン発生粉体組成物を配合したポリウレタン樹脂が得られるものである。
【0033】
ポリウレタン樹脂は、特にポリウレタンフォームを製造する場合に、好ましいものである。ポリウレタンフォームはポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、触媒、整泡剤等を反応させて製造するものであるが、ポリオールに触媒、発泡剤、整泡剤、マイナスイオン発生粉体組成物を配合し、これにポリイソシアネートを反応させてポリウレタンフォームを製造すると、得られたポリウレタンフォームの骨格中にマイナスイオン発生粉体組成物が均一分散される。
このポリウレタンフォームからクッションやマットレスを製造すると、マイナスイオン発生粉体組成物は、脱落したりすることなく、長期間にわたりマイナスイオンを発生するクッションやマットレスが得られ、これらのクッションやマットレスを使用した場合、使用者はマイナスイオンにより、新陳代謝の促進、血行促進、疲労回復、食欲増進、安眠、鎮痛などの好影響を受けることができるものである。
【0034】
合成樹脂に配合する帯電防止剤としては、多価アルコールの部分的脂肪酸エステル、多価アルコールの部分的脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、脂肪族アルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪族アルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミンのエチレンオキサイド付加物、脂肪族アミドのエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、アルキルナフトールのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコールなどのノニオン系帯電防止剤、第1級アミン塩、第3級アミン、第4級アンモニウム化合物、ピリジン誘導体などのカチオン系帯電防止剤、硫酸化油、金属石鹸、硫酸化エステル油、硫酸化アミド油、オレフィンの硫酸エステル塩、多価アルコールの硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エチルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸とホルマリンの混合物、コハク酸エステルスルホン酸塩、リン酸エステル塩などのアニオン系帯電防止剤、カルボン酸誘導体、イミダゾリン誘導体などの両性帯電防止剤などが使用できる。
【0035】
合成樹脂に配合する導電性物質としては、導電性酸化チタン(酸化チタン表面をSn−Sb系化合物で処理したもの)粉末、カーボンブラック粉末、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、ステンレス、鉄などの金属よりなる粉末、金属細片または金属短繊維、有機繊維若しくは無機繊維または合成樹脂粉末もしくは無機粉末の表面を金属または金属酸化物などで被覆したものが使用できる。
また、電子共役系ポリマーの粉末や有機繊維もしくは無機繊維または合成樹脂粉末もしくは無機粉末の表面を電子共役系ポリマーで被覆したものも使用できる。電子共役系ポリマーとしてはアニリン、ピロール、チオフェンまたはそれらの誘導体の中から選ばれた1種のモノマーを重合したものが使用できる。
【0036】
電子共役系ポリマーは、アニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン、o−エチルアニリン、m−エチルアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、o−アニシジン、m−アニシジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、ピロール、N−メチルピロール、3−メチルピロール、3・4−ジメチルピロール、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−メトキシチオフェンなどのモノマーをドーパントの存在下に酸化重合剤と接触せしめることにより重合される。
【0037】
ドーパントとしては、一般に使用されているアクセプター性のものならいずれのものでも使用できる。例えば、塩素、臭素、沃素等のハロゲン類:5弗化リン等のルイス酸:塩化水素、硫酸等のプロトン酸:塩化第2鉄等の遷移金属化合物:過塩素酸銀、弗化ホウ素銀等の遷移金属化合物、クロル酢酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸(塩)、ナフタレン1・5ジスルホン酸(塩)などの有機酸(塩)が挙げられる。
【0038】
酸化重合剤としては、一般に使用される過マンガン酸、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸(塩)類:三酸化クロム等のクロム酸類:硝酸銀等の硝酸塩類:塩素、臭素、沃素等のハロゲン類:過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過酸化物:ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸カリウム等のペルオキソ酸(塩)類:次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム等の塩素酸(塩)類:塩化第二鉄等の遷移金属塩化物:酸化銀等の金属酸化物などが挙げられる。
【0039】
有機繊維もしくは無機繊維または合成樹脂粉末もしくは無機粉末の表面を電子共役系ポリマーで被覆するには、▲1▼電子共役系ポリマーを形成し得るモノマーと酸化重合剤及び必要に応じてドーパントを含有する処理液に、モノマーが実質的に重合する前に有機繊維もしくは無機繊維または合成樹脂粉末もしくは無機粉末を浸漬する方法、▲2▼電子共役系ポリマーを形成し得るモノマーを含有する処理液と、酸化重合剤と必要によりドーパントを含有する処理液とに有機繊維もしくは無機繊維または合成樹脂粉末もしくは無機粉末を浸漬する方法、▲3▼酸化重合剤と必要によりドーパントを含有する処理液に有機繊維もしくは無機繊維または合成樹脂粉末もしくは無機粉末を浸漬した後、この処理液中に電子共役系ポリマーを形成し得るモノマーを添加する方法などがある。
このようにして電子共役系ポリマーで被覆した有機繊維もしくは無機繊維または合成樹脂粉末もしくは無機粉末は、その表面が電子共役系ポリマーで被覆されるばかりでなく内部の表面近傍に電子共役系ポリマーが浸透して電子共役系ポリマー層が形成されているので、導電層が剥離して導電性が損なわれることがなく好ましいものである。
【0040】
合成樹脂には、必要に応じて可塑剤、安定剤、界面活性剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、抗酸化剤、充填剤、着色剤等の各種添加剤を添加することができる。
【0041】
可塑剤としては、ジ−2−エチルヘキシルフタレートなどのフタル酸エステル系可塑剤;トリクレジルホスフェートなどのリン酸エステル系可塑剤;エポキシ化大豆油などのエポキシ系可塑剤;ジ−2−エチルヘキシルアジペートなどの脂肪酸エステル系可塑剤;トリメリット酸エステル系可塑剤;ポリエステル系可塑剤から選ばれる1種以上のものが使用できる。
上記以外に、下記化学式(1)、(2)に示すような導電性可塑剤を使用することもできる。
ROCO(AO)R (1)
(B)[(CH)OCO(AO)R][(CH)OCO(AO)R] (2)
(式中、Rは置換基を有していてもよい炭素数2〜22の脂肪族、脂環族、芳香族あるいは複素環式炭化水素、R,R,Rは炭素数1〜15の直鎖、もしくは分岐のアルキル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表す。Bは硫黄[S]、酸素[O]、または脂肪族、脂環族あるいは芳香族炭化水素基を表す。sは1〜25の整数、m,nは1〜7の整数、kは1または2の整数、r,pは1〜4の整数である。)
導電性可塑剤は、上記の汎用可塑剤と併用することもできる。汎用可塑剤と併用する場合には、導電性可塑剤の添加量(X)と汎用可塑剤の添加量(Y)が下記(3)式に示す条件を満足する範囲とするのが好ましい。
30≦(X+Y)≦160,かつ 5<X<40 (3)
導電性可塑剤を使用した場合には、帯電防止剤や導電性物質を添加した場合と同様に、この合成樹脂組成物を使用して製品を製造した場合に、製品が静電気を帯電することがなく静電気帯電によりマイナスイオンの発生が抑制されることもないので好ましいものである。
【0042】
安定剤としては、ステアリン酸バリウムなどの高級脂肪酸の金属塩;p−t−ブチル安息香酸亜鉛などのアルキル安息香酸の金属塩;リシノール酸バリウムなどの金属石鹸;トリフェニルホスファイトなどの有機ホスファイト系安定剤、ジブチル錫ジラウレートなどの錫系安定剤などが使用できる。
【0043】
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤のいずれも使用可能であるが、ノニオン系界面活性剤が好ましい。ノニオン系界面活性剤としては、ソルビタン、グリセリンなどの多価アルコールと脂肪酸のエステル、多価アルコールと脂肪酸及び二塩基酸とのエステル、或いはこれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加した化合物や、フッ素系界面活性剤が使用できる。
【0044】
滑剤としては、ステアリン酸などの脂肪酸系滑剤、ステアリン酸アミド、メチレンビスステアロアミドなどの脂肪酸アミド系滑剤、ブチルパルミテートなどのエステル系滑剤、バリウムイソデシルホスフェートなどの有機リン酸金属塩系滑剤、ポリエチレンワックス、流動パラフィンから選ばれる1種以上を使用できる。
【0045】
発泡剤としては、熱可塑性樹脂からなる殻にブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素などの熱膨張性物質を包含させたマイクロカプセル型発泡剤、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル-N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、アゾジカーボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゼンスルホニルヒドラジド、P,P’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ベンゼン−1,3−ジスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジドなどの熱分解型発泡剤などが使用できる。
【0046】
紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤から選ばれる1種以上を使用することができる。
【0047】
光安定剤としては、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、トリス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリアジン−2,4,6−トリカルボキシレートなどのヒンダードアミン系光安定剤が使用できるものである。
【0048】
抗酸化剤としては、一般に使用されているフェノール系抗酸化剤、チオプロピオン酸エステル系抗酸化剤、脂肪族サルファイド系抗酸化剤を1種又は2種以上を使用することができる。
【0049】
充填剤としては、加工温度で溶融、分解などの物理的、化学的な変化を起こさない耐熱性に優れた無機質及び/又は有機質の充填剤であればいずれのものでも使用できる。具体例としては、炭酸マグネシウム、マグネシウム系ケイ酸塩、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、ハイドロタルサイト、酸化チタンなどの無機質充填剤のほか、架橋塩化ビニル樹脂粉末、アクリル系樹脂粉末、ポリウレタン粉末のような架橋された合成樹脂粉末などの有機質充填剤を挙げることができる。
【0050】
着色剤としては、カーボンブラック、群青、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、酸化チタン、亜鉛華、キナクリドンレッド、ハンザイエローなど、一般に合成樹脂の着色に使用される顔料や染料であればいずれのものでも使用でき、これらは1種又は2種以上を併用することもできる。
【0051】
【実施例】
以下に本発明のマイナスイオン発生粉体組成物、マイナスイオン発生塗料組成物、マイナスイオン発生合成樹脂組成物について、実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0052】
(実施例1〜9)
トルマリン粉末として、エルバイトトルマリン(比重3.0、平均粒径3μm)、ショールトルマリン(比重3.3、平均粒径3μm)、ドロバイトトルマリン(比重3.3、平均粒径3μm)を使用し、ジルコニウム化合物粉末として珪酸ジルコニウム粉末(比重4.2、平均粒径2μm)を使用して、表1に示す配合のマイナスイオン発生粉体組成物を製造した。トルマリン粉末とジルコニウム化合物粉末とは、トルマリン粉末とジルコニウム化合物粉末とが精密分散されるようにラモンドミキサーにて混合して粉体組成物を得た。
【0053】
それぞれの粉体組成物を、表面に10μmの導電層を形成したA4判の大きさの硬質塩化ビニル樹脂板の導電層表面に、25μmの厚みに積層してそれぞれ測定サンプルを作成した。前記測定サンプルについて、測定室(温度25℃、湿度75%、無風状態、測定器以外の電気製品の電源を切った状態)で神戸電波社製のイオン発生測定器KST−900を使用して120秒間のマイナスイオン発生数を測定した。その結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
Figure 0004842446
【0055】
(実施例10〜18)
ジルコニウム化合物粉末として、電融安定化酸化ジルコニウム粉末を使用する以外は実施例1〜9と同様にして、9種類のマイナスイオン発生粉体組成物を得た。この粉体組成物について実施例1〜9と同じ測定方法によりマイナスイオン発生数を測定した。その結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
Figure 0004842446
【0057】
(実施例19〜30)
アクリル樹脂溶液(丸石化学社製、樹脂ワニス、固形分45%)及びポリウレタン樹脂塗料(大日精化工業社製、レザミン、固形分55%)と前記実施例1〜18により得られたマイナスイオン発生粉体組成物とを、下記表3に示す比率で配合して6種類のマイナスイオン発生アクリル樹脂塗料および6種類のマイナスイオン発生ポリウレタン塗料を得た。
それぞれの塗料を実施例1で使用した、表面に10μmの導電層を形成したA4判の大きさの硬質塩化ビニル樹脂板の導電層表面に、乾燥厚みが25μmになるように塗布し、加熱乾燥することによりそれぞれ測定サンプルを作成した。
この12種類のサンプルについて実施例1〜9と同じ測定方法によりマイナスイオン発生数を測定した。その結果を表3に示す。
【0058】
【表3】
Figure 0004842446
【0059】
(実施例31〜42)
下記配合からなる塩化ビニル樹脂組成物に、塩化ビニル樹脂100重量部に対して前記実施例1〜18により得られたマイナスイオン発生粉体組成物を、下記表4に示す比率で配合して6種類のマイナスイオン発生塩化ビニル樹脂組成物を得た。また、下記配合のポリウレタン樹脂組成物に、ポリウレタン樹脂100重量部に対して前記実施例1〜18により得られたマイナスイオン発生粉体組成物を、下記表4に示す比率で配合して6種類のマイナスイオン発生ポリウレタン樹脂組成物を得た。
それぞれの樹脂組成物を、実施例1で使用した表面に10μmの導電層を形成したA4判の大きさの硬質塩化ビニル樹脂板の導電層表面に、厚みが25μmになるように積層してそれぞれ測定サンプルを作成した。
この12種類のサンプルについて実施例1〜9と同じ測定方法によりマイナスイオン発生数を測定した。その結果を表4に示す。
【0060】
《塩化ビニル樹脂組成物》
原料
塩化ビニル樹脂 100重量部
可塑剤 70重量部
安定剤 2重量部
実施例1〜18記載のマイナスイオン発生粉体組成物 20重量部
《ポリウレタン樹脂組成物》
原料
ポリウレタン系樹脂溶液 ※1 100重量部
実施例1〜18記載のマイナスイオン発生粉体組成物 5重量部
希釈剤(DMF) 15重量部
希釈剤(MEK) 15重量部
(※1:大日精化工業社製レザミンME−44)
【0061】
【表4】
Figure 0004842446
【0062】
(実施例43)
エルバイトトルマリン粉末(比重3g/cm,平均粒径3μm)と電融安定化ジルコニウム粉末(比重5.6g/cm,平均粒径1μm)を使用し、エルバイトトルマリン粉末100重量部に対して電融安定化ジルコニウム粉末30重量部(エルバイトトルマリン粉末1個に対し電融安定化ジルコニウム粉末4.5個)を配合し、これをラモンドミキサーにて精密分散させてマイナスイオン発生粉体組成物を調製した。このマイナスイオン発生粉体組成物を下記配合にて塩化ビニル樹脂組成物に配合してマイナスイオン発生塩化ビニル樹脂コンパウンドを得た。
塩化ビニル樹脂 100重量部
ジ−2−エチルヘキシルフタレート(可塑剤) 80重量部
安定剤 2重量部
上記マイナスイオン発生粉体組成物 30重量部
顔料(白色顔料) 10重量部
この塩化ビニル樹脂コンパウンドをカレンダーにて0.2mmに圧延し、塩化ビニル樹脂フィルムを作製した。
【0063】
得られた塩化ビニル樹脂フィルムのマイナスイオン発生数を、IC−1000イオンカウンター(ユニバーサル企画社製)を使用して測定した。測定は、測定室(温度25℃、湿度75%、無風状態、測定器以外の電気製品の電源を切った状態)で、塩化ビニルレザーに外から力などを加えず、塩化ビニルレザーの表面を内側にして直径7cmの円筒状に丸め、この円筒の一端にイオンカウンターの空気吸入口が沿うようにして120秒間測定を行った。
測定結果によれば、648個/cmのマイナスイオンの発生が確認された。
【0064】
また、上記の塩化ビニル樹脂フィルムのマイナスイオン発生数を、湿度を30%とする以外は同じ条件で測定した。測定結果によれば、387個/cmのマイナスイオンが確認された。
【0065】
(実施例44)
エルバイトトルマリン粉末(比重3g/cm,平均粒径3μm)と電融安定化ジルコニウム粉末(比重5.6g/cm,平均粒径1μm)を使用し、エルバイトトルマリン粉末100重量部に対して電融安定化ジルコニウム粉末30重量部(エルバイトトルマリン粉末1個に対し電融安定化ジルコニウム粉末4.5個)を配合し、これをラモンドミキサーにて精密分散させてマイナスイオン発生粉体組成物を調製した。このマイナスイオン発生粉体組成物を下記配合にて塩化ビニル樹脂組成物に配合してマイナスイオン発生塩化ビニル樹脂コンパウンドを得た。
塩化ビニル樹脂 100重量部
ジ−2−エチルヘキシルフタレート(可塑剤) 45重量部
導電性可塑剤*1 35重量部
安定剤 2重量部
上記マイナスイオン発生粉体組成物 30重量部
顔料(白色顔料) 10重量部
1: (O)[(CH)OCO(CHO)CH][(CH)OCO(CHO)CH]
この塩化ビニル樹脂コンパウンドをカレンダーにて0.2mmに圧延し、塩化ビニル樹脂フィルムを作製した。
【0066】
得られた塩化ビニル樹脂フィルムのマイナスイオン発生数を、IC−1000イオンカウンター(ユニバーサル企画社製)を使用して測定した。測定は、測定室(温度25℃、湿度30%、無風状態、測定器以外の電気製品の電源を切った状態)で、塩化ビニルレザーに外から力などを加えず、塩化ビニルレザーの表面を内側にして直径7cmの円筒状に丸め、この円筒の一端にイオンカウンターの空気吸入口が沿うようにして120秒間測定を行った。
測定結果によれば、687個/cmのマイナスイオンの発生が確認された。
【0067】
(比較例1〜6)
トルマリン粉末として、エルバイトトルマリン(比重3.0、平均粒径3μm)、ショールトルマリン(比重3.3、平均粒径3μm)、ドロバイトトルマリン(比重3.3、平均粒径3μm)を使用して、表1に示す配合の粉体組成物を製造した。エルバイトトルマリン粉末とショールトルマリン粉末やドラバイトトルマリンとを混合するのには、ラモンドミキサーを使用して混合し粉体組成物を得た。
【0068】
それぞれの粉体組成物を、表面に10μmの導電層を形成したA4判の大きさの硬質塩化ビニル樹脂板の導電層表面に、25μmの厚みコートしてそれぞれ測定サンプルを作成した。前記測定サンプルについて、測定室(温度25℃、湿度75%、無風状態、測定器以外の電気製品の電源を切った状態)で神戸電波社製のイオン発生測定器KST−900を使用して120秒間のマイナスイオン発生数を測定した。その結果を表5に示す。
【0069】
【表5】
Figure 0004842446
【0070】
(比較例7〜12)
トルマリン粉末として、エルバイトトルマリン(比重3.0、平均粒径3μm)、ショールトルマリン(比重3.3、平均粒径3μm)、ドロバイトトルマリン(比重3.3、平均粒径3μm)を使用し、ジルコニウム化合物粉末として珪酸ジルコニウム粉末(比重4.2、平均粒径2μm)と電融安定化ジルコニウム粉末を使用して、表6に示す配合のマイナスイオン発生粉体組成物を製造した。トルマリン粉末とジルコニウム化合物粉末とは、トルマリン粉末とジルコニウム化合物粉末とが精密分散されるようにラモンドミキサーにて混合して粉体組成物を得た。
【0071】
それぞれの粉体組成物を、表面に10μmの導電層を形成したA4判の大きさの硬質塩化ビニル樹脂板の導電層表面に、25μmの厚みコートしてそれぞれ測定サンプルを作成した。前記測定サンプルについて、比較例1〜6と同様の方法にてマイナスイオン発生数を測定した。その結果を表6に示す。
【0072】
【表6】
Figure 0004842446
【0073】
(比較例13〜18)
アクリル樹脂溶液(丸石化学社製、樹脂ワニス、固形分45%)と前記比較例7〜12により得られたマイナスイオン発生粉体組成物とを、下記表7に示す比率で配合して6種類のマイナスイオン発生アクリル樹脂塗料を得た。
それぞれの塗料を比較例1で使用した、表面に10μmの導電層を形成したA4判の大きさの硬質塩化ビニル樹脂板の導電層表面に、乾燥厚みが25μmになるように塗布し、加熱乾燥することによりそれぞれ測定サンプルを作成した。
この12種類のサンプルについて比較例7〜12と同じ測定方法によりマイナスイオン発生数を測定した。その結果を表7に示す。
【0074】
【表7】
Figure 0004842446
【0075】
(比較例19〜22)
下記配合からなる塩化ビニル樹脂組成物に、塩化ビニル樹脂100重量部に対して前記実施例3,5,12,14により得られたマイナスイオン発生粉体組成物を、下記表8に示す比率で配合して4種類のマイナスイオン発生塩化ビニル樹脂組成物を得た。
それぞれの樹脂組成物を、比較例1で使用した表面に10μmの導電層を形成したA4判の大きさの硬質塩化ビニル樹脂板の導電層表面に、厚みが25μmになるように積層してそれぞれ測定サンプルを作成した。
この4種類のサンプルについて比較例1〜6と同じ測定方法によりマイナスイオン発生数を測定した。その結果を表8に示す。
【0076】
《塩化ビニル樹脂組成物》
原料
塩化ビニル樹脂 100重量部
可塑剤 70重量部
安定剤 2重量部
マイナスイオン発生粉体組成物 20重量部
【0077】
【表8】
Figure 0004842446
【0078】
(比較例23)
エルバイトトルマリン粉末(比重3.0、平均粒径3μm)と希土類元素を含有するモナザイト粉末(比重、平均粒径2μm)とを、エルバイトトルマリン1個に対しモナザイト粉末が1個対応するように配合し、マイナスイオン発生粉体組成物Mを得た。
得られたマイナスイオン発生粉体組成物M、実施例5マイナスイオン発生粉体組成物及び実施例14のマイナスイオン発生粉体組成物のそれぞれを15g採取し、それぞれをポリエチレン製袋に入れて、測定用のサンプルを作製した。
【0079】
これらのサンプルについて、アロカ社製のサーベイメーター(ガイガーカウンター)を用いて放射線の放射量を測定した。その結果を表9に示す。
【0080】
【表9】
Figure 0004842446
【0081】
【発明の効果】
上記実施例1〜9から明らかなように、本発明のマイナスイオン発生粉体組成物は、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)100重量部に対して、珪酸ジルコニウムの粉末(比重B、平均粒子径b)が、100Bb/3Aa〜1000Bb/Aa重量部配合されてなるため、表1に示されたようにマイナスイオン発生数が多く、トルマリンのマイナスイオン発生機能が大幅に向上されているものである。
このことは比較例1〜6と対比してみれば明らかである。
【0082】
さらに、ジルコニウム化合物として電融安定化ジルコニウム粉末(電融安定化酸化ジルコニウム粉末)を使用した場合には、他のジルコニウム化合物の粉末を使用した場合よりもトルマリンのマイナスイオン発生機能をより大きく向上させることができ、したがって、他のジルコニウム化合物よりも少量で、より多くのマイナスイオンを発生させることができる。
このことは、実施例10〜18を見れば明らかである。それ故、電融安定化ジルコニウム粉末を使用する場合には、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)100重量部に対して、電融安定化ジルコニウム粉末(比重C、平均粒子径c)を25Cc/Aa〜1000Cc/Aa重量部配合すれば充分その効果を発揮するものである。
【0083】
本発明のマイナスイオン発生粉体組成物を塗料に配合すれば、マイナスイオン発生塗料組成物が得られるものである。塗料に本発明のマイナスイオン発生粉体組成物を配合する場合、塗料自体の流動性が大きい(粘度が低い)ため、少量の配合量では、塗料に均一に分散しない場合があり、この塗料を塗布して塗膜を形成した場合には、塗膜の場所によりマイナスイオンが有効に発生するところと、ほとんど発生しない場所ができてしまう可能性がある。
そのために、塗料の固形分100重量部に対して50〜300重量部配合しているものである。この範囲を外れてマイナスイオン発生粉体組成物の配合量が少ない場合には、有効にマイナスイオンを発生できず、逆にマイナスイオン発生粉体組成物の配合量が多すぎると、塗料の塗工性が著しく悪くなり、実用性に欠けるものとなってしまうものである(比較例13〜18)。
【0084】
本発明のマイナスイオン発生粉体組成物を合成樹脂に配合すれば、マイナスイオン発生合成樹脂組成物が得られるものである。合成樹脂に本発明のマイナスイオン発生粉体組成物を配合する場合、塗料に配合する場合と異なり、少量の配合量でも、その合成樹脂組成物から製品を製造した場合でも、有効且つ均一にマイナスイオンが発生するものである。
そのために、合成樹脂100重量部に対してマイナスイオン発生粉体組成物の配合量は5〜50重量部配合としているものである。この範囲を外れてマイナスイオン発生粉体組成物の配合量が少ない場合には、有効にマイナスイオンを発生できず、逆にマイナスイオン発生粉体組成物の配合量を増加させても、マイナスイオンの発生量の増加は極めて少なく、添加量増加に応じた効果は得られないばかりでなく、加工性にも劣る傾向があり、実用性に欠けるものとなってしまうものである。このことは、実施例31〜42および比較例19〜22を見れば明らかである。
【0085】
また、本発明のマイナスイオン発生粉体組成物、およびそれを使用したマイナスイオン発生塗料組成物やマイナスイオン発生合成樹脂組成物においては、希有元素を含有する鉱石を使用しておらず、放射線の放射量は極めて微量であり、人体に対して安全であり、しかも人体に対して新陳代謝の促進、血行促進、鎮痛、快眠、鎮咳、制汗、食欲増進、血圧降下、疲労防止等の効果があるマイナスイオンが多量に発生するところに特徴があるものである。
このことは、比較例23、実施例5、14の対比から明らかなように、本発明のマイナスイオン発生粉体組成物の放射線量は、実施例5では0.09μSV/hr、実施例14では0.06μSV/hrであり、これは1年間に換算するとそれぞれ0.79ミリSV/年、0.53ミリSV/年となり、一方、モナザイト粉末を含有するマイナスイオン発生粉体組成物Mを使用した比較例23では0.75μSV/hrであり、同様に1年間に換算すると6.57ミリSV/年となる。
【0086】
国際放射線防護委員会(ICRP)は、一般人については、実効線量当量の限度として1年間について1.0ミリSVとすることを勧告している。本発明のマイナスイオン発生粉体組成物、この粉体組成物を使用したマイナスイオン発生塗料組成物、マイナスイオン発生合成樹脂組成物のいずれもが、人体に対して安全であるのに対して、モナザイトを含有するマイナスイオン発生粉体組成物Mはもちろん、これを使用したマイナスイオン発生塗料組成物、マイナスイオン発生合成樹脂組成物は国際放射線防護委員会勧告の一般人についての実効線量当量の限度を超える放射線を放射しているので、人体に対しての安全性に懸念があることがわかる。
【0087】
また、実施例43に示したように、湿度75%と静電気帯電が起きにくい環境下では、マイナスイオンの発生が良好であっても、湿度30%という静電気帯電の起こりやすい環境下ではマイナスイオン発生数が少なくなる傾向があることが分かる。
ところが実施例44に示すように、導電性可塑剤等の導電性物質や帯電防止剤を使用した場合には、湿度30%の環境下においても、湿度75%の環境下とほぼ同じか、あるいはそれ以上のマイナスイオンが発生することが確認でき合成樹脂に帯電防止剤や導電性物質を配合した場合には、静電気の発生しやすい冬場でもマイナスイオンが効果的に発生する合成樹脂組成物が得られるものである。

Claims (4)

  1. トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と珪酸ジルコニウム粉末(比重B、平均粒子径b)との混合粉末であって、トルマリン粉末100重量部に対し珪酸ジルコニウム粉末が下記(1)式に示される量配合してなるマイナスイオン発生粉体組成物を、塗料中の樹脂固形分100重量部に対して50〜300重量部配合してなるマイナスイオン発生塗料組成物。
    100Bb/3Aa〜1000Bb/Aa重量部 (1)
  2. トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定化酸化ジルコニウム粉末(比重C、平均粒子径c)との混合粉末であって、トルマリン粉末100重量部に対し電融安定化酸化ジルコニウム粉末を下記(2)式に示される量で配合してなるマイナスイオン発生粉体組成物。
    25Cc/Aa〜1000Cc/Aa重量部 (2)
  3. 請求項2に記載のマイナスイオン発生粉体組成物を、塗料中の樹脂固形分100重量部に対して50〜300重量部配合してなるマイナスイオン発生塗料組成物。
  4. 請求項2記載のマイナスイオン発生粉体組成物を合成樹脂100重量部に対して5〜50重量部配合してなるマイナスイオン発生合成樹脂組成物。
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