JP2002285377A - セラミック電子部品およびその銅電極形成方法 - Google Patents
セラミック電子部品およびその銅電極形成方法Info
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Abstract
ック材料の表面に電極を形成した電子部品と、その電極
形成方法を得る。 【解決手段】 セラミック材料で形成された基体を、導
電化溶液に浸漬し、基体表面に導電化材料を付着させ、
この導電化材料を下地として、電解めっきを行ない、基
体表面に銅電極を形成する。電解銅めっき液として、ア
ミン類あるいはオキシカルボン酸類を錯化剤として含有
するものを用いる。
Description
部品およびその銅電極形成方法に関し、特に、たとえば
セラミック材料、あるいはセラミックと樹脂との複合セ
ラミック材料で形成された基体の表面に銅電極が形成さ
れたセラミック電子部品と、その銅電極形成方法に関す
る。
形成された基体の表面に銅電極を形成する方法として
は、たとえばスパッタ法、蒸着法、導電ペーストの印刷
法、無電解めっき法、あるいはこれらの方法により基体
の表面に下地金属を形成した後に電解めっきを施す方法
など、種々の方法が用いられている。
当でなかったり、基体の電気的特性が変化したり、めっ
き浴の管理に手間がかかるなどの問題がある。このよう
な問題点を解決する電極形成方法として、近年、ダイレ
クトプレーティング法と呼ばれる方法が注目されてい
る。この方法は、プリント基板などに形成されたスルー
ホールの内表面にパラジウム−スズコロイドやカーボ
ン、グラファイト粒子を吸着させて導電化したのち、電
解めっき法により、この導電化材料を伝ってめっきが逐
次析出していき(総じて、めっき伝播という)、スルー
ホール内にめっき金属を析出させて電極を形成するもの
である。この方法によれば、電解めっきを行なう前の下
地金属の形成プロセスを簡略化することができ、電極の
形成コストを大幅に抑制することができる。
クトプレーティング法をセラミック材料で形成された基
体に適用するには、いくつかの問題点がある。すなわ
ち、用いられるパラジウム−スズコロイドなどの導電化
材料は、水酸基やカルボニル基などの化学的な官能基と
結合しやすいという性質を有している。プリント基板な
どの樹脂材料では、アルカリなどでエッチングすること
により、その表面にこれらの官能基を形成することが可
能であり、プリント基板表面に導電化材料を付着させる
ことができる。
ッチングなどによってもその表面に官能基を形成するこ
とが困難で、必要量の導電化材料を基体表面に付着させ
ることができず、表面抵抗が高かった。そのため、電解
めっきを施した場合、プリント基板などの樹脂材料で形
成された基体ではめっきが伝播しやすく、所定の部分に
めっきがつき回るが、セラミック材料で形成された基体
ではめっきが伝播しにくく、所定部分にめっきが完全に
つき回らず、一部に不めっき部分が生じて電極を形成で
きなかった。さらに、このような電解めっきに用いられ
る電解銅めっき浴は、ほとんどの場合が硫酸をベースに
した強酸性浴であり、酸に対して耐性の弱いセラミック
材料では、電解めっき液に侵食されて電気的特性が劣化
するなどの問題があった。
イレクトプレーティング法によってセラミック材料の表
面に銅電極を形成したセラミック電子部品と、その銅電
極形成方法を提供することである。
材料、あるいはセラミックと樹脂との複合セラミック材
料を用いた基体の表面に銅電極を形成するためのセラミ
ック電子部品の銅電極形成方法であって、基体の表面に
導電化材料を付着させる工程と、基体の表面に付着した
導電化材料を下地として電解めっき法によって銅電極を
形成する工程とを含み、電解めっき法に用いられる電解
銅めっき液が、アミン類あるいはオキシカルボン酸類を
銅イオンの錯化剤として含有することを特徴とする、セ
ラミック電子部品の銅電極形成方法である。このような
セラミック電子部品の銅電極形成方法において、電解銅
めっき液の錯化剤として、トリエタノールアミン、エチ
レンジアミン、エチレンジアミン四酢酸から選ばれる少
なくとも1種を用いることができる。また、電解銅めっ
き液の錯化剤として、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グ
ルコン酸から選ばれる少なくとも1種を用いることがで
きる。さらに、電解銅めっき液の錯化剤濃度が、0.1
〜1.0mol/Lの範囲にあることが好ましい。ま
た、電解銅めっき液の銅イオン濃度が、0.05〜0.
5mol/Lの範囲にあることが好ましい。さらに、電
解銅めっき液のpHが、4.0〜10.0の範囲にある
ことが好ましい。また、導電化溶液としては、パラジウ
ム、スズ、銀、銅から選ばれる1つ以上を含有するコロ
イド、前述のいずれかの金属の錯体、前述のいずれかの
金属の水酸化物を用いることができる。また、この発明
は、セラミック材料、あるいはセラミックと樹脂との複
合セラミック材料を用いた基体の表面に銅電極が形成さ
れたセラミック電子部品において、銅電極は、上述のい
ずれかに記載の電極形成方法によって形成されたことを
特徴とする、セラミック電子部品である。
錯化剤を含有する電解銅めっき液を用いることにより、
セラミック材料で形成された基体の表面に十分に導電化
材料を付着させることができなくても、めっきが伝播し
やすく、所定部分にめっきがつき回り、良好な銅電極を
形成できることが見出された。このめっき伝播性は、一
般的に表現されている均一電着性とは異なる性質である
ことが明らかになった。このような効果を得ることがで
きる銅イオンの錯化剤としては、アミン類あるいはオキ
シカルボン酸類があるが、これらの錯化剤を用いた電解
銅めっき液においては、pHを弱酸性から弱アルカリ性
において使用できるため、セラミック材料を侵食する恐
れがない。
徴および利点は、以下の発明の実施の形態の詳細な説明
から一層明らかとなろう。
セラミックと樹脂との複合セラミック材料(以下、セラ
ミック材料と総称する)で形成された基体が準備され
る。このようなセラミック材料としては、たとえば絶縁
体、誘電体、圧電体、焦電体、磁性体などのセラミック
や、これらのセラミックと樹脂との複合セラミック材料
が含まれる。この電子部品の電極形成方法が適用される
基体としては、その表面に直接電解めっきを施すことが
できないような導電性の乏しい表面を持つ基体である。
これらの基体の形状や寸法は特に問題とされず、貫通孔
や凹凸を有する基体に対しても、この発明の電極形成方
法を好適に適用することができる。
させるために、導電化溶液が準備される。導電化溶液に
は、パラジウム、スズ、銀、銅から選ばれる1つ以上を
含有するコロイド、前述のいずれかの金属の錯体、前述
のいずれかの金属の水酸化物が含まれる。この導電化溶
液に、脱脂やエッチングなどにより表面の洗浄された基
体が浸漬される。それによって、基体の表面に導電化材
料が付着する。このとき、基体の全面に導電化材料を付
着させてもよいし、レジストなどのマスキング方法を用
いて、選択的に基体表面に導電化材料を付着させてもよ
い。
ま電解銅めっき処理を施してもよいし、さらに置換溶液
に浸漬して、導電化材料に含まれる金属を部分的に他の
金属に置換した後に電解銅めっき処理を施してもよい。
このような置換溶液には、導電化溶液に含まれる金属よ
り導電性が高く、電位的に貴な金属が含まれる。また、
このような基体の導電化処理と置換処理とを繰り返した
後に、電解銅めっき処理を施してもよい。
っきによって銅電極が形成される。電解銅めっきで用い
られるめっき液は、銅イオン、銅イオンの錯化剤、電導
度剤、pH調整剤を含有し、必要に応じて界面活性剤が
添加される。銅イオンについては、銅イオンとして供給
されるものであればよく、たとえば、硫酸銅、塩化第二
銅、酢酸銅などを用いることができる。めっき液中の銅
イオン濃度は、0.01〜0.8mol/Lの範囲で使
用され、より好ましくは、0.05〜0.5mol/L
の範囲で使用される。
カルボン酸類が用いられる。アミン類としては、トリエ
タノールアミン、エチレンジアミン、エチレンジアミン
四酢酸などが好適に用いられる。また、オキシカルボン
酸類としては、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グルコン
酸などが好適に用いられる。その中でも、特に好適であ
るのは、アミン類ではエチレンジアミンであり、オキシ
カルボン酸類ではクエン酸である。めっき液中の錯化剤
濃度は、0.02〜2.0mol/Lであり、より好ま
しくは、0.1〜1.0mol/Lである。
カリウム、硫酸アンモニウム、塩化ナトリウム、塩化カ
リウム、塩化アンモニウムなどを用いることができ、め
っき液中の電導度剤濃度は、0.1〜2.5mol/L
で使用される。
水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水、硫
酸、塩酸などを用いることができ、めっき液のpHが
3.0〜11.0となるように調整され、より好ましく
は、pHが4.0〜10.0となるように調整される。
このように、めっき液が、弱酸性から弱アルカリ性であ
れば、酸に対する耐性の弱いセラミック材料で形成され
た基体に銅めっきを施す場合にも、基体を侵食する恐れ
がない。
ノニオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面
活性剤を適宜添加してもよい。界面活性剤の添加量は、
0.05〜5g/L程度が望ましい。
法やラックめっき法など、種々のめっき法を用いること
ができる。ただし、チップ形状の電子部品の場合、バレ
ルめっき法によって基体表面に銅電極を形成することが
好ましい。
して、銅イオンの特定の錯化剤を含有するものを用いる
ことにより、導電化材料が十分に付着されないセラミッ
ク材料で形成された基体表面に、電解めっき法によって
銅電極を形成することができる。このように、基体を導
電化溶液に浸漬して導電化し、電解めっきを施すことに
より銅電極を形成することができ、銅電極の形成プロセ
スを簡単にすることができる。したがって、セラミック
材料を用いた電子部品などの製造コストを低くすること
ができる。
とした誘電体共振器用の基体を準備した。基体のサイズ
は、20×8×5mmであり、直径0.4〜1.0mm
の貫通孔が形成されたものである。この基体の全面に、
以下の方法によって、外部銅電極を形成した。
洗浄後、水洗し、ともに1〜3%程度の濃度をもつフッ
酸と塩酸の混合溶液に浸漬して表面をエッチングし、再
度水洗した。次に、塩化パラジウム0.15mol/
L、塩化スズ0.4mol/L、塩酸0.05mol/
L、塩化ナトリウム1.0mol/LからなるpH2.
0、浴温50℃の導電化溶液(金属コロイドを含む)を
準備した。この導電化溶液に、基体を10分間浸漬し、
水洗した。このとき、基体表面に付着した導電化材料量
は12μm/cm2 であり、そのときの抵抗率は500
kΩ・cmであった。
て、電流密度を0.5A/dm2 に設定し、バレルめっ
き法によって1時間のめっき(膜厚3μm程度)を行な
った。評価として、めっきのつき回り(めっき伝播
性)、膜厚分布、セラミック材料の侵食性の有無を調べ
た。
て、周知のハルセル試験法で均一電着性を評価した。ハ
ルセル試験は、267mlハルセル槽を用い、サイズが
100×67mmで、材質がSUS304の試験板を使
用した。評価は、試験板の強電側の端部から10mmと
60mmの位置の膜厚を測定し、その比率を算出した。
は、○:完全にめっきが伝播しつき回る、△:不めっき
部分が10%未満、×:不めっき部分が10%以上であ
ることを示す。また、膜厚分布(膜厚の最大値と最小値
の比)については、◎:20%未満、○:20%以上〜
40%未満、△:40%以上〜60%未満、×:60%
以上であることを示す。さらに、均一電着性について
は、◎:90%以上、○:90%未満〜70%以上、
△:70%未満〜50%以上、×:50%未満であるこ
とを示す。なお、以後の表2〜表4についても、同様の
判断基準とする。
施例5〜8に示した錯化剤を用いた場合、基体の全面に
銅電極が形成された。その中でも、実施例2に示したエ
チレンジアミンおよび実施例6に示したクエン酸を用い
た場合、膜厚分布も少なく、良好な銅電極を形成するこ
とができた。一方、実施例4,9に示した錯化剤を用い
た場合、銅電極が形成されたものの、一部で不めっき部
分が生じた。
例1〜9に示した電解銅めっき浴に変えて、表2に示す
電解銅めっき浴によって、電流密度を0.5A/dm2
に設定し、バレルめっき法で1時間のめっきを行ない、
基体の全面に銅電極を形成した。
例12に示すように、錯化剤としてクエン酸を用いた場
合、いずれの銅イオン濃度および錯化剤濃度において
も、めっきが完全に伝播してつき回り、膜厚分布も少な
い良好な銅電極が形成された。さらに、pH4.0の弱
酸性のめっき浴であるため、基体が侵食されているよう
なことはなかった。
ースにした電解銅めっき浴では、比較例3の場合を除
き、めっきが完全に伝播せず、一部で不めっき部分が生
じるなど、良好な銅電極を形成することができなかっ
た。また、比較例1〜比較例3の全てにおいて、pH1
以下の強酸性浴であるため、基体が侵食されて電気的特
性が劣化するなどの不具合が生じた。
実施例10〜12、比較例1〜3に示した電解銅めっき
浴に変えて、表3に示す電解銅めっき浴によって、電流
密度を0.5A/dm2 に設定し、バレルめっき法で1
時間のめっきを行ない、基体の全面に銅電極を形成し
た。
例15に示すように、錯化剤としてエチレンジアミンを
用いた場合、いずれの銅イオンおよび銅錯化剤濃度にお
いても、めっきが完全に伝播してつき回り、膜厚分布の
少ない良好な電極が形成された。一方、実施例16〜1
8に示すジエチレントリアミン五酢酸を用いた場合、銅
電極が形成されたものの、一部で不めっき部分が生じ
た。
8と同様に、表4に示す電解銅めっき浴によって、電流
密度を0.5A/dm2 に設定し、バレルめっき法で1
時間のめっきを行ない、基体の全面に銅電極を形成し
た。
として用いた電解銅めっき浴の場合、銅イオンは0.0
5〜0.5mol/L、錯化剤は0.1〜1.0mol
/L、pHは4〜10の範囲が、めっきの伝播性がよ
く、膜厚分布が少ない良好な銅電極を形成することがで
きる範囲であると考えられる。
成された基体の表面に、チップ型電子部品としての特性
を劣化させることなく、電極を形成することができる。
このとき、樹脂板に適用していたダイレクトプレーティ
ング法をセラミック材料で形成された基体に適用するこ
とができ、簡単な電極形成プロセスとすることができる
ため、チップ型電子部品などを製造する際に、製造コス
トを低減することができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 セラミック材料、あるいはセラミックと
樹脂との複合セラミック材料を用いた基体の表面に銅電
極を形成するためのセラミック電子部品の銅電極形成方
法であって、 前記基体の表面に導電化材料を付着させる工程、および
前記基体の表面に付着した前記導電化材料を下地として
電解めっき法によって前記銅電極を形成する工程を含
み、 電解めっき法に用いられる電解銅めっき液が、アミン類
あるいはオキシカルボン酸類を銅イオンの錯化剤として
含有することを特徴とする、セラミック電子部品の銅電
極形成方法。 - 【請求項2】 前記電解銅めっき液の錯化剤が、トリエ
タノールアミン、エチレンジアミン、エチレンジアミン
四酢酸から選ばれる少なくとも1種であることを特徴と
する、請求項1に記載のセラミック電子部品の銅電極形
成方法。 - 【請求項3】 前記電解銅めっき液の錯化剤が、リンゴ
酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸から選ばれる少なく
とも1種であることを特徴とする、請求項1に記載のセ
ラミック電子部品の銅電極形成方法。 - 【請求項4】 前記電解銅めっき液の錯化剤濃度が、
0.1〜1.0mol/Lであることを特徴とする、請
求項1ないし請求項3のいずれかに記載のセラミック電
子部品の銅電極形成方法。 - 【請求項5】 前記電解銅めっき液の銅イオン濃度が、
0.05〜0.5mol/Lであることを特徴とする、
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のセラミック
電子部品の銅電極形成方法。 - 【請求項6】 前記電解銅めっき液のpHが、4.0〜
10.0であることを特徴とする、請求項1ないし請求
項5のいずれかに記載のセラミック電子部品の銅電極形
成方法。 - 【請求項7】 前記導電化溶液は、パラジウム、スズ、
銀、銅から選ばれる1つ以上を含有するコロイド、前記
いずれかの金属の錯体、または前記いずれかの金属の水
酸化物であることを特徴とする、請求項1ないし請求項
6のいずれかに記載のセラミック電子部品の銅電極形成
方法。 - 【請求項8】 セラミック材料、あるいはセラミックと
樹脂との複合セラミック材料を用いた基体の表面に銅電
極が形成されたセラミック電子部品において、前記銅電
極は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の電極
形成方法によって形成されたことを特徴とする、セラミ
ック電子部品。
Priority Applications (1)
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JP2001093293A JP4207394B2 (ja) | 2001-03-28 | 2001-03-28 | セラミック電子部品の銅電極形成方法 |
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JP2002285377A5 JP2002285377A5 (ja) | 2005-09-22 |
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Family Applications (1)
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JP2001093293A Expired - Lifetime JP4207394B2 (ja) | 2001-03-28 | 2001-03-28 | セラミック電子部品の銅電極形成方法 |
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