JP2002284528A - 強誘電体薄膜の製造方法および強誘電体薄膜を用いた電子デバイスの製造方法 - Google Patents

強誘電体薄膜の製造方法および強誘電体薄膜を用いた電子デバイスの製造方法

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JP2002284528A
JP2002284528A JP2001088824A JP2001088824A JP2002284528A JP 2002284528 A JP2002284528 A JP 2002284528A JP 2001088824 A JP2001088824 A JP 2001088824A JP 2001088824 A JP2001088824 A JP 2001088824A JP 2002284528 A JP2002284528 A JP 2002284528A
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thin film
ferroelectric thin
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film
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立雄 沢崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強誘電体薄膜の製造において、原料溶液に含
まれる化合物は強誘電体薄膜を得るには本来不必要なも
のであるために、除去されなければならない。化合物の
除去が不充分であると、結晶化のための熱処理後に不要
な化合物が膜中に残存する、あるいは不要な化合物が結
晶化を妨げるなどの問題がある。したがって良好な強誘
電特性を有する強誘電体薄膜を製造するためには不要な
化合物すべてを除去する必要がある。 【解決手段】 本発明の強誘電体薄膜の製造において、
光触媒機能を有する物質を添加した強誘電体材料を基板
上に堆積させた後、あるいは基板上に設けた光触媒機能
を有する物質の上に強誘電体膜原料を基板に堆積させた
後に、もしくは堆積の最中に紫外線を照射する工程と、
その後前記強誘電体膜材料を熱処理し結晶化させる工程
を有する。光触媒効果により不要な化合物の結合は切ら
れ、酸化反応を起こして有機化合物のほとんどが炭酸ガ
スと水に分解される。これにより不要な化合物のほとん
どが膜中から消失し、これを熱処理すると良好な強誘電
特性を有する強誘電体薄膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電体薄膜の製
造方法および強誘電体薄膜を用いた電子デバイスの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、強誘電体薄膜をキャパシターとし
て用いる強誘電体メモリ装置の技術開発および製品化が
進んでいる。強誘電体メモリは強誘電体薄膜の残留分極
特性を利用した不揮発性メモリである。強誘電体材料と
しては、Pb含有ペロブスカイト型強誘電体であるPb(Zr,
Ti)O3(以降PZTと呼ぶ)や、Bi層状構造強誘電体であるSr
Bi2Ta2O9(以降SBTと呼ぶ)などの複合酸化物がよく知ら
れている。強誘電体薄膜の製造方法としては溶液塗布
法、CVD法、スパッタ法などがこれまでに検討されてい
るが、どの方法にも一長一短がある。その中で溶液塗布
法は組成や膜厚の均一性が良い、組成の制御が容易、装
置価格が安いなどの理由で広く用いられている。溶液塗
布法で用いられる原料溶液としてはゾル−ゲル液やMOD
液が一般的に用いられている。前者は金属アルコキシド
と溶媒からなり、後者はカルボン酸の金属塩と溶媒から
なる。これらの塗布膜はアルキル基や水酸基などの化合
物を含んでおり、これらは通常溶液を塗布後に熱処理に
より除去される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】“強誘電体メモリ徹底
検証(電子ジャーナル)のページ43からページ53に記述さ
れているように、不要な化合物はリーク電流の増加や耐
圧の低下などの原因になる。したがって原料溶液に含ま
れる化合物は強誘電体薄膜を得るには本来不必要なもの
であるために、除去されなければならない。しかしなが
ら上記の方法では熱処理によって塗布膜からの化合物の
除去と同時に結晶化が進行するため、化合物の除去が不
充分で膜中に残存する、あるいは不要な化合物が結晶化
を妨げるなどの問題がある。このため良好な強誘電特性
を有する強誘電体薄膜を製造することが困難という課題
があった。
【0004】この課題を解決する方法として、塗布膜に
熱処理を施して結晶化させる前に、紫外線を塗布膜に照
射して不要な化合物を除去する方法が、例えばUSP5,11
9,760に提案されている。この方法では波長が180-260nm
の紫外線を用いているが、水酸基の結合を切ることが出
来るが、アルキル基の除去が不充分であった。したがっ
て良好な強誘電特性を有する強誘電体薄膜を製造するた
めには不要な化合物すべてを除去する技術の開発が求め
られていた。
【0005】また、例えば基板上にもうけられた電極が
微細加工され凹凸を持った表面の上に形成された強誘電
体薄膜材料においては、紫外線が段差の凹部にまで到達
することが出来ないため、凸部よりも凹部において不要
な化合物の除去が進みにくい。そのため例えば強誘電体
メモリにおいて、電気容量を大きくするためにパターニ
ングされた電極の上面および側壁に強誘電体膜を設ける
立体セル構造が提案されているが、上記の問題のために
側壁部分の強誘電体特性が上面よりも劣ることが予想さ
れる。
【0006】また一般的に強誘電体材料の結晶化温度が
高いために、結晶化のための熱処理中に強誘電体薄膜を
含む電子デバイスにおいて電極配線の抵抗が高くなるあ
るいは断線するなどの問題があった。また強誘電体メモ
リにおいてはCMOSの特性が結晶化熱処理によって劣化す
るといった問題もあった。このため信頼性の高い強誘電
体メモリを高い製造歩留まりで作製することが困難であ
った。
【0007】さらに180-260nmの波長を持つ紫外線源と
しては、クリプトンフロライド(KrF)エキシマレーザー
(波長248nm)やアルゴンフロライド(ArF) エキシマレー
ザー(波長193nm)が知られているが、これらの装置は一
般的に高価である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の強誘電体薄膜の製造において、光触媒機能を
有する物質を添加した強誘電体材料を基板上に堆積させ
た後、あるいは基板上に設けた光触媒機能を有する物質
の上に強誘電体膜原料を基板に堆積させた後に、もしく
は堆積の最中に紫外線を照射する工程と、その後前記強
誘電体膜材料を熱処理し結晶化させる工程を有する。こ
こで強誘電体膜材料を形成する方法としては、回転して
いる基板上に溶液を吐出する回転塗布法、溶液に基板を
浸漬した後に引き上げる方法などが知られている。また
溶液を霧化し、その霧(ミスト)を基板上に堆積させるLS
MCD(Liquid Source Misted Deposition)法などが
あるが、本発明においては強誘電体膜材料を基板上に形
成する方法を特に限定しない。
【0009】光触媒とは光を照射すると触媒機能を発揮
する物質であり、金属酸化物半導体、有機高分子半導
体、金属錯体などがある。その中で金属酸化物半導体特
に酸化チタンは強い酸化力と分解効果を示すことが知ら
れている。光触媒機能を有する酸化チタンに紫外線を照
射すると水分と反応し酸化力の強いヒドロキシラジカル
(・OH)を生成する。ヒドロキシラジカルの酸化力は図1
に示すようにオゾンや過酸化水素より強く、また図2に
示すようにC-C、C-H、C-O、O-Hなどよりも強い結合エネ
ルギーを持つ。このように酸化チタンは結合を切り、酸
化反応を起こして有機化合物のほとんどを炭酸ガスと水
に分解することが出来る。酸化チタンのこの光触媒機能
は400nm程度の比較的長い波長の紫外線により発現す
る。
【0010】本発明の強誘電体薄膜の製造方法において
は前記光触媒を含有した強誘電体膜材料を基板上に堆積
させる、あるいは基板上にあらかじめ形成した光触媒の
上に強誘電体膜材料を堆積させ、紫外線を照射すること
により不必要な化合物を除去する。
【0011】[作用]この作用により塗布膜中の不必要な
化合物のほとんどが光触媒の分解作用により消失する。
その結果、熱処理による結晶化が残存化合物に妨げられ
ることがないため、良好な電気特性を有する、特にリー
ク電流が少なくまた耐圧の高い強誘電体薄膜の製造が可
能になる。
【0012】また光触媒効果により発生した酸化力の強
いヒドロキシラジカルは強誘電体材料中を移動可能なた
めに、例えば凹凸のある基板上に塗布された強誘電体材
料において紫外線が届かない部分があっても、紫外線が
照射された部分で発生したヒドロキシラジカルが移動し
供給されるために不要な化合物は分解除去される。この
ため例えば立体セル構造においても電極上面および側壁
において良好な強誘電体特性が得られる。
【0013】また結晶化を阻害する残存化合物がないた
めに、結晶化温度を下げることが可能である。結晶化温
度を下げることにより電極と強誘電体薄膜が積層された
構造をもつ電子デバイスや、電極と強誘電体薄膜が積層
された構造とCMOSが同一基板上に形成された電子デバイ
スの製造において、配線工程やCMOS工程後に強誘電体材
料の結晶化のための熱処理工程を行うことが可能にな
る。また強誘電体薄膜を含む電子デバイスにおいて電極
やCMOSへの悪影響を低減することが可能になり、強誘電
体メモリなどの信頼性が高くなり、また製造歩留まりも
向上する。
【0014】また本発明の方法においては光触媒効果を
用いるため、USP5,119,760に提案されている紫外線(波
長180nm-260nm)よりも大きな波長の紫外線、例えば水
銀灯のi線(波長365nm)を用いることが可能である。
このように本発明によれば装置コストの安価なi線源を
用いることが可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に実施例を示すが、これらは
本発明を例示するものであり、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0016】[実施例1]本発明の実施例として、シリコ
ン基板上に回転塗布法によりPZT膜を形成する製造工程
を示す。出発原料としてPb(CH3COO)2・3H2O、Zr(n-OC
4H9)、Ti(i-OC3H7) 4の2-メトキシエタノールを溶媒とし
た溶液を用いた。この溶液に光触媒機能を有する物質と
して酸化チタンの粉末を添加した。酸化チタンの粉末の
直径は小さすぎると光触媒機能が不充分に成り、大きす
ぎるとPZT薄膜の強誘電特性が劣化するため1nm-10nmが
望ましい。組成は最終工程が終わった段階で所望の膜組
成が得られるように調整した。この原料溶液を厚み200n
mのPtからなる下部電極をもうけた基板上に回転塗布法
で塗布する。この塗布膜の断面の概念図を図3に示す。
この時点では塗布膜中に不必要な化合物が多量に含まれ
ている。基板上に塗布した原料溶液を波長365nmの紫外
線を照射しながら150℃で乾燥させ、さらに酸素中で400
℃30秒の仮焼成を行った。これにより塗布膜中に含まれ
る不要な化合物のほとんどが酸化・分解され膜中から消
失する。溶液塗布、乾燥、仮焼成を所望の厚みが得られ
るまで繰り返し行い、その後酸素雰囲気中で700℃1時間
の熱処理を施した。その後厚み200nmのPtからなる上部
電極を形成し、強誘電体特性を評価した。光触媒機能を
用いて塗布膜中の不要な化合物をあらかじめ除去したた
めに、結晶化が不要な化合物に妨げられることはない。
これによりPZT膜は結晶化し良好な強誘電体特性を示
す。
【0017】[実施例2]本発明の実施例として、シリコ
ン基板上に回転塗布法によりPZT膜を形成する製造工程
を示す。出発原料としてPb(CH3COO)2・3H2O、Zr(n-OC
4H9)、Ti(i-OC3H7) 4の2-メトキシエタノールを溶媒とし
た溶液を用いた。組成は最終工程が終わった段階で所望
の膜組成が得られるように調整した。厚み200nmのPtか
らなる下部電極をもうけた基板上に、スパッタ法などの
既知の方法により酸化チタン膜を形成した。酸化チタン
の膜厚が薄すぎると光触媒機能が不充分になり、厚すぎ
るとPZT薄膜の強誘電特性が劣化するため1nm-10nmが望
ましい。この原料溶液を基板上に回転塗布法で塗布す
る。この塗布膜の断面の概念図を図4に示す。この時点
では塗布膜中に不必要な化合物が多量に含まれている。
基板上に塗布した原料溶液を波長365nmの紫外線を照射
しながら150℃で乾燥させ、さらに酸素中で400℃30秒の
仮焼成を行った。これにより塗布膜中に含まれる不要な
化合物のほとんどが酸化・分解され膜中から消失する。
溶液塗布、乾燥、仮焼成を所望の厚みが得られるまで繰
り返し行い、その後酸素雰囲気中で700℃1時間の熱処理
を施した。その後厚み200nmのPtからなる上部電極を形
成し、強誘電体特性を評価した。光触媒機能を用いて塗
布膜中の不要な化合物をあらかじめ除去したために、結
晶化が不要な化合物に妨げられることはない。これによ
りPZT膜は結晶化し良好な強誘電体特性を示す。
【0018】[実施例3]本発明の実施例として、シリコ
ン基板上にSBT膜を形成する製造工程を示す。出発原料
としての2-エチルヘキサン酸ストロンチウム、2-エチル
ヘキサン酸ビスマス、2-エチルヘキサン酸タンタルのn-
オクタンを溶媒とした溶液を用いた。組成は最終工程が
終わった段階で所望の膜組成が得られるように調整し
た。厚み200nmのPtからなる下部電極をもうけた基板上
に、スパッタ法などの既知の方法により酸化ビスマス膜
を形成した。酸化ビスマスの膜厚が薄すぎると光触媒機
能が不充分になり、厚すぎるとSBT薄膜の強誘電特性が
劣化するため1nm-10nmが望ましい。この原料溶液を基板
上にLSMCD法で塗布する。この塗布膜の断面の概念図を
図5に示す。この時点では塗布膜中に不必要な化合物が
多量に含まれている。基板上に塗布した原料溶液を波長
365nmの紫外線を照射しながら150℃で乾燥させ、さらに
酸素中で250℃4分の仮焼成を行った。これにより塗布膜
中に含まれる不要な化合物のほとんどが酸化・分解され
膜中から消失する。溶液塗布、乾燥、仮焼成を所望の厚
みが得られるまで繰り返し行い、その後酸素雰囲気中で
700℃1時間の熱処理を施した。その後厚み200nmのPtか
らなる上部電極を形成し、強誘電体特性を評価した。光
触媒機能を用いて塗布膜中の不要な化合物をあらかじめ
除去したために、結晶化が不要な化合物に妨げられるこ
とはない。これによりSBT膜は結晶化し良好な強誘電体
特性を示す。 [実施例4]実施例1,2,3と同じ構成で、紫外線を照射し、
結晶化のための熱処理温度を650℃に下げて強誘電体材
料を作製した。結晶化温度を下げたにもかかわらず残留
分極量(2Pr)に変化はなかった。
【0019】[比較例1]実施例1,2,3と同じ構成で強誘電
体材料を作製する際に、紫外線の照射を行わず、結晶化
のための熱処理温度を700℃として強誘電体材料を作製
した。残留分極量(2Pr)は実施例と同程度であったが、
リーク電流は実施例よりも大きくなり、耐圧は小さくな
った。
【0020】[比較例2]実施例1,2,3と同じ構成で、紫外
線の照射を行わず、結晶化のための熱処理温度を650℃
に下げて強誘電体材料を作製した。この場合は残留分極
量(2Pr)は実施例4と比べて低下した。またリーク電流は
実施例よりも大きくなり、耐圧は小さくなった。
【0021】[実施例5]基板上にスパッタリング法で設
けた厚み200nmのPt基板をパターニングして下部電極を
形成し、その上に実施例3に記載の方法で強誘電体薄膜
を作製した。さらにその上に上部電極として厚み200nm
のPt膜をスパッタリング法で成膜した。本実施例の構造
の断面図の模式図を図6に示す。パターニングされた下
部電極の上面部および側壁部において不要な化合物が光
触媒効果により分解除去されたために、上記方法で得ら
れた強誘電体薄膜の残留分極量(2Pr)は実施例3と同等で
あった。
【0022】[比較例3]実施例5と同じ構成で、紫外線を
照射せずに強誘電体薄膜を作製した。この場合、下部電
極の側面部において不要な化合物の分解除去が不十分で
あったために良好な強誘電体特性が得られず、残留分極
量(2Pr)は実施例4よりも小さい。
【0023】[実施例6]基板上に埋め込まれた第1のスト
ライプ状電極の上に実施例4に記載の方法で第1の強誘電
体薄膜を形成し、この第1の強誘電体薄膜の上に第1のス
トライプと直交した第2のストライプ電極を形成する。
さらに第2のストライプ電極の上に第2の強誘電体薄膜を
形成し、この第2の強誘電体薄膜の上に第2のストライプ
と直交した第3のストライプ電極を形成する。上記方法
により、直行した電極の交差領域に挟まれた部分の強誘
電体薄膜を記憶セルとしてマトリックス状に配置したマ
トリックスメモリセルが2層重ねられた構造が作製され
る。さらにこの多層マトリックスメモリセルを駆動する
回路を同一基板上に形成することにより、単純マトリッ
クス強誘電体メモリが形成される。本実施例の発明の概
観図を図7に示す。本発明の実施例4の効果により強誘電
体材料の結晶化のための熱処理を従来必要であった700
℃よりも低い650℃で行うことが出来るため、配線抵抗
の増大を防ぐことができ、また駆動IC回路の特性劣化も
防ぐことが出来た。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、光触媒機能を有する物
質を添加した強誘電体膜材料を基板上に直接あるいは他
の層を介して堆積させる工程、あるいは基板上に設けた
光触媒機能を有する物質の上に強誘電体膜原料を基板に
堆積させる工程と、堆積させた後にもしくは堆積の最中
に紫外線を照射する工程と、その後前記堆積膜を熱処理
し結晶化させる工程を有することを特徴とする強誘電体
薄膜の製造方法により、強誘電体材料中の不要な化合物
を結晶化熱処理前に除去することが可能であるため、熱
処理工程において強誘電体材料の結晶化が不要な化合物
により妨げられることがなく、その結果良好な電気特性
を有する強誘電体薄膜の作製が容易におこなうことが出
来る。
【0025】また光触媒効果により発生した酸化力の強
いヒドロキシラジカルは強誘電体材料中を移動可能なた
めに、例えば凹凸のある基板上に塗布された強誘電体材
料において紫外線が届かない部分があっても、紫外線が
照射された部分で発生したヒドロキシラジカルが移動し
供給されるために不要な化合物は分解除去される。この
ため例えば立体セル構造においても電極上面および側壁
において良好な強誘電体特性が得られる。
【0026】また結晶化を阻害する残存化合物がないた
めに、結晶化温度を下げることが可能である。この作用
により、電極と強誘電体薄膜が積層された構造をもつ電
子デバイスや、電極と強誘電体薄膜が積層された構造と
CMOSが同一基板上に形成された電子デバイスにおいて、
強誘電体薄膜の結晶化熱処理を配線工程やCMOS工程後に
それらの特性を劣化させることなく行うことが可能にな
る。結晶化温度を下げることによりアルミ電極や半導体
回路への悪影響を低減することが可能になり、強誘電体
メモリなどの信頼性が高くなり、また製造歩留まりも向
上する。
【0027】また本発明においては、光触媒効果を利用
するために例えば水銀灯のi線(波長365nm)を利用す
ることが可能である。したがって装置コストの安価なi
線源を用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒドロキシラジカル、酸素原子、オゾン過酸化
水素の酸化力を示す図である。
【図2】ヒドロキシラジカル、C-C、C-H、C-O、O-Hの結
合エネルギーを示す図である。
【図3】実施例1の発明の断面の模式図である。
【図4】実施例2の発明の断面の模式図である。
【図5】実施例3の発明の断面の模式図である。
【図6】実施例5の発明の断面の模式図である。
【図7】実施例6の発明の模式図である。
【符号の説明】
1. 基板 2. 塗布膜、 3. 酸化チタン粉末 4. 基板 5. 酸化チタン薄膜 6. 塗布膜 7. 基板 8. 酸化ビスマス薄膜 9. 塗布膜 10.上部電極 11. 強誘電体薄膜 12. 下部電極 13. 単純マトリックス強誘電体メモリの平面概観図 14. 下電 15. 上電 16. 強誘電体薄膜 17. メモリセル駆動回路 18. メモリセル駆動回路 19. 多層単純マトリックスセルの断面の概観図 20. 第1のストライプ電極 21. 第1の強誘電体薄膜 22. 第2のストライプ電極 23. 第2の強誘電体薄膜 24. 第3のストライプ電極 25. 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C01G 29/00 C01G 29/00 H01L 21/316 H01L 21/316 G P 27/105 27/10 444C Fターム(参考) 4G042 DA02 DB10 DB15 DB22 DB24 DC03 DD02 DD08 DD10 DE08 DE09 4G048 AA03 AB02 AC02 AD02 AD06 AD08 AE08 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA05A BA48A BB04A BB04B BC12A BC21A BC25A BC25B BC42A BC55A BC56A DA05 EA08 EB18Y FA03 FB23 FB29 FB58 5F058 BA01 BA11 BC03 BF46 BH01 BH17 BJ01 BJ04 5F083 FR01 GA06 JA15 JA17 JA38 PR33

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に直接あるいは他の層を介して、
    光触媒機能を有する物質を添加した強誘電体材料を堆積
    させる工程と、前記堆積膜に紫外線を照射する工程と、
    前記の堆積工程と紫外線照射工程を所望の強誘電体膜厚
    が得られるまで繰り返す工程と、その後前記基板を熱処
    理し堆積膜を結晶化させる工程を有することを特徴とす
    る強誘電体薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 光触媒機能を有する物質としてPb、Zr、
    Tiの中から選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む酸
    化物のうち、少なくとも1種類の酸化物を添加した原料
    を用い、Pb含有ペロブスカイト型強誘電体薄膜を作製す
    ることを特徴とする請求項1に記載の強誘電体薄膜の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 光触媒機能を有する物質としてSr、Bi、
    Ta、Nb、Ti、Laの中から選ばれる少なくとも1種以上の
    元素を含む酸化物のうち、少なくとも1種類の酸化物を
    添加した原料を用い、Bi層状構造強誘電体薄膜を作製す
    ることを特徴とする請求項1および2に記載の強誘電体薄
    膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 直接あるいは他の層を介して、光触媒機
    能を有する物質をもうけた基板上に強誘電体材料を堆積
    させる工程と、前記堆積膜に紫外線を照射する工程と、
    前記の堆積工程と紫外線照射工程を所望の強誘電体膜厚
    が得られるまで繰り返す工程と、その後前記基板を熱処
    理し堆積膜を結晶化させる工程を有することを特徴とす
    る強誘電体薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 光触媒機能を有する物質としてPb、Zr、
    Tiの中から選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む酸
    化物のうち、少なくとも1種類の酸化物を基板上に設
    け、その上にPb含有ペロブスカイト型強誘電体薄膜を作
    製することを特徴とする請求項4に記載の強誘電体薄膜
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 光触媒機能を有する物質としてSr、Bi、
    Ta、Nb、Ti、Laの中から選ばれる少なくとも1種以上の
    元素を含む酸化物のうち、少なくとも1種類の酸化物を
    基板上に設け、その上にBi層状構造強誘電体薄膜を作製
    することを特徴とする請求項4に記載の強誘電体薄膜の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 基板を加熱しながら紫外線を照射するこ
    とを特徴とする請求項1〜6に記載の強誘電体薄膜の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 強誘電体材料の堆積工程と紫外線の照射
    工程を同時に行うことを特徴とする請求項1〜7に記載の
    強誘電体薄膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 段差がもうけられた基板上に強誘電体薄
    膜を作製することを特徴とする請求項1〜8に記載の強誘
    電体薄膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 パターニングされた電極がもうけられ
    た基板上に強誘電体薄膜を作製することを特徴とする請
    求項1〜9に記載の強誘電体薄膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 電極が基板中に埋め込まれ、該電極の
    表面を基板上に露出させた基板上に強誘電体薄膜を作製
    することを特徴とする請求項1〜10に記載の強誘電体薄
    膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 下部電極と上部電極と、その間に挟ま
    れた強誘電体薄膜からなる電子デバイスにおいて、請求
    項1〜11に記載の方法で強誘電体薄膜を作製することを
    特徴とする電子デバイスの製造方法。
  13. 【請求項13】 電極と強誘電体薄膜が交互に積層され
    た構造を持つ電子デバイスにおいて、請求項1〜11に記
    載の方法で強誘電体薄膜を作製することを特徴とする請
    求項12に記載の電子デバイスの製造方法。
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