JP2002284515A - 球状無機酸化物粒子 - Google Patents
球状無機酸化物粒子Info
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Abstract
表面の活性が高い球状無機酸化物粒子を提供する。 【解決手段】シリカを主成分とする核部と、シリカとチ
タニアとを主成分とする複合酸化物の被覆層とよりなる
二層構造を有することを特徴とする
Description
化物粒子に関する。詳しくは、優れた分散性及び流動性
を有し、しかも、粒子表面の活性が高い球状無機酸化物
粒子を提供する。
性を改善するために、樹脂やフィルムに添加して使用さ
れている。また、半導体素子を封止するエポキシ樹脂封
止材においても、吸水率を下げたり、熱膨張係数を下げ
たりするために球状のシリカ粒子が添加されている。
高いものは、液晶ディスプレイのギャップ材として重用
されている。また、液晶ディスプレイの外周部を封止す
る際にもギャップの調整用として単分散性の高い球状の
シリカ粒子が封止樹脂に添加して使用されている。
としては、特開昭63−310714号公報に記載され
ているような、いわゆるゾル−ゲル法が知られている。
途において、上記方法によって得られる球状シリカ粒子
は、凝集性、流動性において改良の余地があり、更なる
改良が求められていた。
状シリカ粒子を使用する場合は、該粒子を液晶のセル内
に均一に散布するために、より凝集が少なく、分散性に
優れた球状シリカ粒子が望まれている。また、液晶ディ
スプレイの外周部の封止材に使用する場合は、エポキシ
樹脂等に混合において、凝集が少なく、樹脂に分散し易
い球状シリカ粒子が求められている。
を解決すべく鋭意検討した結果、核部として球状シリカ
粒子を用い、該核部をシリカとチタニアを主成分とする
複合酸化物より成る被覆層で被覆することによって、分
散性や流動性が格段に向上し、また、該被覆層の耐性が
高い球状無機酸化物粒子が得られること、更には、該被
覆層により、粒子表面の活性が大幅に向上し、酸化ス
ズ、金等の各種のコーティング処理を施すための基材粒
子としても有用であることを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
核部と、シリカとチタニアとを主成分とする複合酸化物
の被覆層とよりなることを特徴とする球状無機酸化物粒
子である。
シリカを主成分とする核部を有する。即ち、シリカは、
吸水率が低く、熱膨張係数が小さい等の特性から、前記
用途に使用されるが、他の特性として、球状、特に、後
記の真球度が0.95以上の真球に近い粒子が得られ易
いという点がある。そのため、本発明においては、シリ
カを主成分とする核部により、得られる球状無機酸化物
粒子の形状が形成される。
ることは困難であり、特に、粒子径が大きい球状粒子を
得る場合、シリカを主成分とする粒子を核部として使用
することによる効果が顕著である。該核部の粒子径が、
具体的には、1μm以上、好ましくは2μm以上、更に
好ましくは3μm以上であることが好ましい。また、粒
子径の上限は、用途に応じて決定される。
られ易い性質を損なわない範囲で、シリカ以外の金属酸
化物を含んでいても良い。一般には、該核部中のシリカ
の含有率は、90モル%以上、好ましくは95モル%以
上、更に好ましくは99モル%以上であることが好まし
い。シリカ以外の金属酸化物としては、酸化ナトリウム
や酸化カリウム等のシリカと結合可能な周期律表第I族
の酸化物、及び酸化マグネシウムや酸化カルシウム等の
シリカと結合可能な周期律表第II族の酸化物、及び酸
化ホウ素や酸化アルミニウム等のシリカと結合可能な周
期律表第III族の酸化物、及び酸化チタンや酸化ゲル
マニウム等のシリカと結合可能な周期律表第IV族の酸
化物などが挙げられる。
開昭63−310714号公報などに記載されているよ
うに、加水分解可能な有機珪素化合物を原料にアルカリ
性含水アルコール溶媒中で加水分解・縮合する方法が挙
げられる。
粒子径の変動係数が10%以下のものも容易に得られる
ため、得られる球状無機酸化物粒子の単分散性を向上さ
せるために有効である。
リカを主成分とする核部を、シリカとチタニアとを主な
構成成分とする複合酸化物よりなる被覆層で被覆した二
層構造を有する。
るチタニアにより、得られる球状無機酸化物粒子の分散
性及び流動性を、前記球状シリカ粒子に比べて著しく改
良することが可能である。
複合酸化物を用いることにより、従来のシリカのみで構
成されたシリカ粒子の表面に比べて極めて高い活性を有
する表面に改質することができる。そして、本発明の球
状無機酸化物粒子は、シリカとチタニアの組成比を変え
ることにより、その表面活性を調節することができる。
シリカを含有せしめる理由は、核部の主な構成成分であ
るシリカと同一の成分を含有せしめることにより、密着
性を向上せしめ、耐性の高い被覆層を形成するためであ
る。即ち、核部と被覆層とを全く異なる物質で構成した
場合、熱膨張係数の違いなどによって、被覆層にクラッ
クが入ったり、割れて剥がれたりすると言った問題が起
こる場合がある。
主成分とする複合酸化物により構成することにより、核
部の球状粒子上に極めて均一な層で形成することがで
き、該核部によって形成された粒子の性状を損なうこと
なく、球状無機酸化物粒子を形成することができる。こ
の理由は、明らかではないが、本発明者らは、チタニア
は、シリカと化学的に結合しやすいため、分子オーダー
で均一な組成の複合酸化物層を形成し易いことによるも
のと推定している。
に制限はないが、1〜50モル%、好ましくは3〜30
モル%、さらに好ましくは5〜20モル%である。
ない場合、優れた分散性や流動性が得られ難くなる傾向
があり、また、表面活性の向上効果も低下する傾向があ
る。一方、チタニアの含有量が50モル%を超えた場合
は、前記被覆層の密着性が低下すると共に、均一な被覆
を行うことが困難となり、真球度が低下する傾向があ
る。
アとを主成分とする複合酸化物は、チタニアとシリカが
化学的に結合しており、物理的に分離不可能なものであ
る。かかる状態は、複合酸化物の内部でシリカがマトリ
ックスを形成し、該シリカマトリックス中にチタニアが
分子レベルあるいは微粒子として均質に分散した状態で
あるといえる。このような複合酸化物をX線回折試験で
分析すると、アモルファスまたは上記チタニアがわずか
に結晶相として検出される程度であり、該結晶の大きさ
は、熱処理する温度にも依存するが、50nm以下、好
ましくは20nm以下、更に好ましくは10nm以下で
ある。
状態がこのように均質な状態であると、表面活性は粒子
表面全体で均一であり、また被覆層の光学的な均一性も
高く、好ましい。
主な構成成分であるシリカとチタニアの合計が該被覆層
に対して少なくとも80モル%以上、好ましくは90モ
ル%以上含まれていれば良く、他の成分として、例え
ば、周期律表第I族のアルカリ金属酸化物、周期律表第
II族のアルカリ土類金属酸化物等を含んでいても構わ
ない。
酸化物やアルカリ土類金属酸化物を添加することによっ
て、粒子表面の活性を制御することもできる。
層の厚みは、少なくとも1nm以上、好ましくは10n
m以上、更に好ましくは20nm以上であることが好ま
しい。1nm未満では、被覆層の厚みが不均一な場合が
ある。また、被覆層の厚みの上限は特に限定されない
が、厚い被覆層を形成することは非常に手間と時間がか
かるため、最大でも1μm程度までが好適と言える。
形成されていることは、各種の表面分析装置、例えばX
線光電子分光法(ESCA)やオージェ電子分光法(A
ES)等を用いて確認することができる。シリカとチタ
ニアよりなる複合酸化物は、特定の赤外吸収スペクトル
を示すため、FT−IR等を用いて確認することもでき
る。被覆層の厚みについては、前述のESCAやAES
等でも確認できるが、粒子の断面を透過型電子顕微鏡で
直接観察することもできる。なお、合成段階において
は、核部の粒子径と被覆後の粒子径の差より求めること
ができる。
造方法としては、次のような製造方法が挙げられる。
め、公知の方法が採用できる。例えば、加水分解可能な
有機珪素化合物をアルカリ性含水アルコール溶媒中に滴
下して、上記有機珪素化合物を加水分解することによっ
て、単分散性の高い球状のシリカ粒子を製造する方法が
挙げられる。有機珪素化合物としては、メチルシリケー
トやエチルシリケートなどのアルキルシリケートが代表
的である。
カ粒子は分級処理しても良い。即ち、上記の製造段階
で、核粒子とは別に新たに微粒子が発生する場合がある
が、そのような場合はデカンテーション等によって微粒
子を除去することができる。また、上記の製造段階で二
個もしくはそれ以上の粒子が融着してしまうこともある
が、そのような場合もデカンテーションや水簸分級等で
よって融着粒子を除去し、単分散性を高めることもでき
る。
が採用できる。例えば、加水分解可能な有機チタニウム
化合物と加水分解可能な有機珪素化合物の混合物原料
を、上述した核部となるシリカ粒子を含むアルカリ性含
水アルコール溶媒中に滴下して、上記混合物原料を加水
分解することによって、核部となるシリカ粒子の表面に
シリカとチタニアよりなる被覆層を形成する方法があ
る。ここで、加水分解可能な有機チタン化合物とは、T
i(OCH3)4、Ti(OC2H5)4、Ti(OC
3H7)4、Ti(OC3H7)4、Ti(OC
4H9)4等の有機チタニウム化合物を挙げることがで
きる。加水分解可能な有機珪素化合物としては、テトラ
メチルシリケート、テトラエチルシリケート、またはそ
れらの低級縮合物等が挙げられる。アルカリ性含水アル
コールとは、アンモニア水やNaOHまたはKOHの水
溶液とメタノール、エタノール、イソプロパノール等の
低級アルコールの混合溶媒である。
化合物と有機チタニウム化合物の混合物原料を調製する
際に、両者を混合する前に、該有機珪素化合物を酸性下
で該有機チタニウム化合物の1〜5倍モルの水を加えて
予め予備加水分解した後、該有機チタニウム化合物を加
えて前駆体溶液を調製して、混合物原料にしても良い。
そうすることによって、シリカとチタニアよりなる均一
な複合酸化物の被覆層を形成し易く、好ましい。
に、複合酸化物層で被覆した球状無機酸化物粒子も分級
処理することによって単分散性を高めることができる。
即ち、製造段階で発生した微粒子や融着粒子は、デカン
テーションや水簸分級等の処理によって単分散性を高め
ることができる。
じて加熱処理することができる。加熱温度は、1200
℃以下、好ましくは1100℃以下、さらに好ましくは
1000℃以下である。加熱時間は、1〜24時間の範
囲が好適である。なお、1200℃を超えた温度で加熱
すると、粒子同士が焼結して単分散性を損なう場合があ
る。
は特に制限されないが、2μm以上、好ましくは3μm
以上の粒子において、有用である。また、かかる粒子径
の上限は用途に応じて適宜決定すればよいが、50μ
m、特に、20μm程度である。
は、後で詳述するように、走査型電子顕微鏡(SEM)
を用いて、粒子像を解析して求めた値である。
子径の変動係数が10%以下、好ましくは7%以下であ
ることが好ましい。
度分布計や電子顕微鏡像のデータを画像解析することに
よって得られる。
リカを核部とし、且つ、これに前記被覆層を形性するこ
とにより、真球度が高い粒子を得ることが可能であると
いう特徴を有する。
上記真球度が0.95〜1.0の範囲、好ましくは0.
96〜1.0の範囲のものを容易に製造することがで
き、液晶ディスプレイ用のギャップ材として使用する場
合などに最適である。
顕微鏡像を画像解析することによって調べることができ
る。
優れ、また、流動性が高いという特徴がある。かかる性
質の指標としては、後で詳述するように、篩を用いて篩
った際の篩上残量を流動性の指標とすることができる。
上残量が30%以下、好ましくは20%以下、更に好ま
しくは10%以下を達成することが可能である。
上といった高温で加熱処理した球状無機酸化物粒子にお
いて、流動性の向上効果が大である。
明の球状無機酸化物粒子は、シリカを主成分とする核部
と、該核部を被覆するシリカとチタニアとを主な構成成
分とする複合酸化物よりなる被覆層の二層構造を有する
ことにより、分散性、流動性に優れ、且つ、真球度の高
い球状無機酸化物粒子を提供することが可能である。
タニアとの複合酸化物よりなる被覆層を有しているた
め、シリカに比べて表面の活性が高いという特徴を有す
る。
晶ディスプレイ用のギャップ材として有用である。ま
た、その高い表面活性により、金やニッケルのような金
属層で被覆したり、酸化スズのような透明な導電性の金
属酸化物層で被覆するための基材粒子としても極めて有
用である。
なるシリカ粒子を均質なシリカーチタニア層で被覆して
いるため、光学的な均一性にも優れており、各種の光学
用フィラーや光触媒等としても有用である。
明するが、本発明は以下の実施例により制限されるもの
ではない。
の構造や組成は、以下の方法により測定した。
変動係数、真球度粒子の形状は走査型電子顕微鏡(以
下、SEMという)の撮影像より確認した。平均粒子径
と粒子径の変動係数及び真球度は、SEM写真を画像解
析装置で処理することにより求めた。画像処理するサン
プル数は200個以上とした。なお、ここで定義する真
球度は、SEMの撮影像を画像処理することによって求
められる円形度を代用した。即ち、画像処理で得られた
粒子の面積をS、粒子の周囲長をLとすると、円形度=
(4・π・S)/(L2)である。また、粒子径として
は、円相当径=(4・S/π)1/2を用いた。
分析によった。即ち、球状無機酸化物粒子をフッ硝酸に
溶解させた後、蒸発乾固してシリカ分を気散させ、その
残さを硝酸で溶解させた液をICP−AES装置を用い
て同定と定量分析を行なった。
1gを目開き75μmの篩(ステンレス製)に入れ、振
動数60Hz、振幅1mmで1分間、振動篩で篩った後
の篩上残量(重量%)を測定することによった。粒子の
凝集性が弱く(分散性が良く)、流動性が良い場合は篩
上残量が少なく、粒子の凝集性が強く、流動性が悪い場
合は篩上残量が多い。
2gを入れて、銅製の直径15mmのパンチで粒子を上
下から圧力100kg/cm2でプレスした。圧力をか
けたまま、銅製上下パンチに電極をつないで直流二端子
法により粒子成型体の抵抗(R、単位;Ω)を測定し
た。粒子成型体の厚さ(L、単位;cm)とパンチの断
面積(S、単位;cm2)から下式より粒子の比抵抗
(Rv、単位;Ω・cm)を測定した。
ス機の抵抗を検出しないようにした。
5リットル)に、イソプロパノール(以下、IPAとも
言う)およびアンモニア水(25重量%)をそれぞれ4
00gおよび100g仕込み、よく混合して反応液を調
製した。次に、反応液の温度を30℃に保ちつつ、エチ
ルシリケート(関東化学(株)、品名;テトラエトキシシ
ラン、純度;3N)を5g加え、30分間攪拌して核粒
子を生成させた。次いで、エチルシリケート(Si(O
Et)4、コルコート(株)、品名;エチルシリケート2
8)を8.3g/minの速度で、アンモニア水(25
重量%)を2.7g/minの速度で、それぞれ別々に
反応液中に液中同時滴下した。滴下開始から4時間後に
滴下を終了し、エチルシリケートを合計で2,000
g、アンモニア水を640g滴下した。さらに1時間攪
拌を続けた後、系内の溶液を取り出し、5リットルのビ
ーカーに移して静置した。
記沈殿にメタノール4リットルを加え、超音波を照射し
ながら粒子を再度、分散させた後、静置した。上記の操
作(デカンテーション)を5回繰返すことにより、微粒
子を取り除いた(該沈殿物をシリカケークAとする)。
し、風乾後150℃の乾燥機で乾燥させてシリカ粒子を
得た(乾燥粒子Aと言う)。
140gとメタノール400g、IPA400gを攪拌
機付きのガラス製反応容器(内容積5リットル)に入れ
て攪拌後、アンモニア水(25重量%)160gを加
え、40℃に保持した。
(25重量%)を0.5g/minの速度で、それぞれ
別々に反応液中に液中同時滴下した。それぞれの滴下速
度を徐々に増加させながら約5時間かけて、エチルシリ
ケートを900g、アンモニア水を740g滴下した。
滴下終了後1時間攪拌を続けた後、系内の溶液を取り出
し、5リットルのビーカーに移して静置した。
記沈殿にメタノール3リットルを加え、超音波を照射し
ながら粒子を再度、分散させた後、静置した。上記の操
作(デカンテーション)を5回繰返すことにより、微粒
子を取り除いた(シリカケークBとする)。
分散させ、精密分級(水簸分級)を行なうことにより、
微粒子や融着粒子を分離し、精製した。
散させ、デカンテーションを数回繰り返して溶媒をメタ
ノールに置換した。得られた沈殿を蒸発皿に移し、風乾
後150℃の乾燥機で乾燥させてシリカ粒子を得た(乾
燥粒子Bとする)。
ケークBを用いて上記(再成長工程)と同じ操作を繰り
返し、シリカケークとシリカ粒子を得た(シリカケーク
C及び乾燥粒子Cとする)。
(再成長工程)と同じ操作を繰り返し、シリカケークと
シリカ粒子を得た(シリカケークD及び乾燥粒子Dとす
る)。
数、真球度を測定した結果を表1に示す。
商品名;メチルシリケート39、以下TMSとも言う)
403.7gにメタノール115gと0.035重量%
塩酸16.2gとを加えて15分間混合した。これにテ
トライソプロピルチタネート(日本曹達(株)製、商品
名;A−1、以下TPTとも言う)85.3gをIPA
180gに溶かした溶液を加え、更に15分間混合し
た。以上の操作により、Ti/(Si+Ti)=10モ
ル%の組成の有機珪素化合物と有機チタニウム化合物よ
りなる前駆体溶液(混合物原料)を調製した。
製造例に記載のシリカケークDを200g取り分け、メ
タノール1600gに超音波分散機を用いてよく分散さ
せたスラリーを調製した。攪拌機付きのガラス製反応容
器(内容積5リットル)に、前記スラリーとアンモニア
水(25重量%)400gを仕込み、100rpmで攪
拌しながら40℃に保持した。
nの速度で反応液中に液中滴下した。徐々に滴下速度を
増加させ、約5時間かけて混合物原料をすべて滴下し
た。滴下終了後、更に1時間攪拌を続けた後、系内の溶
液を取り出し、5リットルのビーカーに移して静置し
た。合成後の反応液をSEMで観察したところ、核部と
して用いた乾燥粒子−Dとほぼ同じ約6μmの粒子と共
にサブミクロンの微粒子がたくさん生成していることが
わかった。
いて、約3リットルのメタノールを加えて、超音波分散
した後、静置した(デカンテーション処理)。上記デカ
ンテーション処理を更に7回繰り返すことによって微粒
子を除去したシリカケークを得た(シリカケークE)。
部を純水に分散させ、精密分級(水簸分級)を行なうこ
とにより、微粒子や融着粒子を分離し、精製した。
散させ、デカンテーションを数回繰り返して溶媒をメタ
ノールに置換した。得られた沈殿を蒸発皿に移し、風乾
後150℃の乾燥機で乾燥させた(乾燥粒子−E)。
て、空気中、700℃で10時間焼成した(焼成粒子−
E)。
性を測定した。結果を表2に示す。
分散性が高く、真球度にも優れた球状無機酸化物粒子で
あることがわかった。
状無機酸化物粒子中にはTiO2が2200ppm含ま
れていることがわかった。シリカケークDはTiO2を
全く含んでいなかったことより、球状無機酸化物粒子の
表面層にはシリカとチタニアよりなる複合酸化物層が形
成できていることがわかった。
粒子径と本実施例で製造された球状無機酸化物粒子(乾
燥粒子−E)の粒子径の差より、複合酸化物層の厚さは
0.03μmと見積もられた。
(AES)を用いて焼成粒子−Eの表面分析を行なった
ところ、粒子の表面層からはTiが検出され、更にアル
ゴンイオンで表面をスパッタリングしながらTiの深さ
方向の分布を調べたところ、Tiを含む表面層の厚みは
約0.03μmであることが確認できた。
複合酸化物でシリカ粒子を被覆した二層構造の球状無機
酸化物粒子が製造できた。
の流動性を調べた。結果を、表2に示すが、このように
極めて流動性の高い粉体であることがわかった。
クDと同様にしてシリカ粒子を製造した(シリカケーク
Fという)。
分散させ、精密分級(水簸分級)を行なうことにより、
微粒子や融着粒子を分離し、精製した。
散させ、デカンテーションを数回繰り返して溶媒をメタ
ノールに置換した。得られた沈殿を蒸発皿に移し、風乾
後150℃の乾燥機で乾燥させた。乾燥後の粉末の一部
は電気炉を用いて、空気中、700℃で10時間焼成し
た(焼成粒子−Fと言う)。
ろ、表2のような結果となった。このように、粒子径や
形状がほとんど同じであるにもかかわらず、複合酸化物
層で被覆された本発明の球状無機酸化物粒子は、シリカ
よりなる従来の球状シリカ粒子と比べて、粉体の流動性
の面で極めて優れていることがわかった。特に、焼成粒
子において流動性の差は顕著であった。
ケークEを用いた以外は、実施例1と同様にして複合酸
化物層の被覆を行なった。実施例1と同様にメタノール
でデカンテーション処理を7回繰返してシリカケークを
得た。
にしてもう一回、複合酸化物層の被覆処理を繰り返し
た。
純水に分散させ、精密分級(水簸分級)を行なうことに
より、微粒子や融着粒子を分離し、精製した。
散させ、デカンテーションを数回繰り返して溶媒をメタ
ノールに置換した。得られた沈殿を蒸発皿に移し、風乾
後150℃の乾燥機で乾燥させた(乾燥粒子−G)。
て、空気中、700℃で10時間焼成した(焼成粒子−
G)。
性を測定した。結果を表2に示す。
分散性が高く、真球度にも優れた球状無機酸化物粒子で
あることがわかった。
酸化物粒子中にはTiO2が6800ppm含まれてい
ることがわかった。核部として用いたシリカ粒子Dは、
TiO2を全く含んでいなかったことより、球状無機酸
化物粒子の表面層にはシリカとチタニアよりなる複合酸
化物層が形成できていることがわかる。
粒子径と本実施例で製造された球状無機酸化物粒子(乾
燥粒子−G)の粒子径の差より、複合酸化物層の厚さは
0.10μmと見積もられた。
析を行なったところ、粒子の表面層からはTiが検出さ
れ、更にアルゴンイオンで表面をスパッタリングしなが
らTiの深さ方向の分布を調べたところ、チタニアを含
む表面層の厚みは約0.1μmであることが確認でき
た。
の流動性を調べた。結果を、表2に示すが、このように
極めて流動性の高い粉体であることがわかった。
外は、実施例1と同様にしてシリカーチタニア複合酸化
物層を被覆した球状無機酸化物粒子を製造した。
IPA350gとアンモニア水(25重量%)150g
を仕込み、反応液の温度を40℃に保持しつつ攪拌し
た。
3gを仕込み、攪拌しながら、メタノール384gと
0.035重量%塩酸54gを加え、約15分間攪拌し
た。続いて、TPT284gをIPA601gに溶かし
た溶液を加え、更に15分間混合した。以上の操作によ
り、Ti/(Si+Ti)=10モル%の組成の有機珪
素化合物と有機チタニウム化合物よりなる前駆体溶液
(混合物原料)を調製した。
で1時間滴下したところ0.15μmの粒子が生成し
た。続いて、反応液の液面上すれすれの位置に、上部よ
りチューブを差し込み固定し、反応液を系外に排出する
方向にポンプを作動させた。それと同時に、上記混合物
原料を3.0g/minの速度で、アンモニア水(25
重量%)を1.3g/minの速度で、それぞれ別々に
反応液中に同時滴下した(滴下開始を0時間とした)。
8時間後からは、混合物原料とアンモニア水の滴下速度
を1/2に絞り、さらに8時間滴下を継続した。
内の溶液を取り出し、静置した。粒子が沈降した後に上
澄み液を捨てた。続いて、約1リットルのメタノールを
加えて、超音波分散した後、静置した。上記デカンテー
ション処理を更に7回繰り返すことによって微粒子を除
去したシリカケークを得た。
部を純水に分散させ、精密分級(水簸分級)を行なうこ
とにより、微粒子や融着粒子を分離し、精製した。
散させ、デカンテーションを数回繰り返して溶媒をメタ
ノールに置換した。得られた沈殿を蒸発皿に移し、風乾
後150℃の乾燥機で乾燥させた。以上の操作により、
粒子全体の組成が均一なシリカーチタニアよりなる複合
酸化物粒子(乾燥粒子−I)が得られた。また、乾燥後
の粉末の一部は電気炉を用いて、空気中、700℃で1
0時間焼成した(焼成粒子−I)。
示す。
で得られた本発明の球状無機酸化物粒子は、従来技術で
製造された複合酸化物粒子と比較して、粒子径の変動係
数や真球度の点で優れていることがわかった。
Claims (2)
- 【請求項1】 シリカを主成分とする核部と、シリカと
チタニアとを主成分とする複合酸化物の被覆層とよりな
ることを特徴とする球状無機酸化物粒子。 - 【請求項2】 粒子径の変動係数が10%以下、真球度
が0.95〜1.0の範囲であることを特徴とする請求
項1記載の球状無機酸化物粒子。
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