JP2006052128A - 無機酸化物粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光散乱効率と全光線透過率の両方が高く、良好な球形性を有し、さらに、粒子径も十分な大きさを有しており光散乱体(シート)への配合用として有用な無機粒子を提供すること。
【解決手段】 シリカを主成分とする核部と、シリカとシリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物、好適にはチタニアおよび/またはジルコニアとを主成分とするシリカ系複合酸化物の被覆層とよりなる無機酸化物粒子であって、該粒子の平均粒子径が1.1〜10μmであり、電子顕微鏡の撮影像から求められる円形度が0.8以上であり、且つ前記被覆層が、0.03μm以上の厚みを有し、シリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物を22〜70モル%の範囲含有したものであることを特徴とする無機酸化物粒子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、無機酸化物粒子に関する。さらに詳しくは、シリカ を主成分とする核部と、シリカ とシリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物とを主成分とするシリカ系複合酸化物の被覆層とよりなる良好な球形成を有する粒子であって、光散乱体への配合用として好適な新規な無機酸化物粒子に関する。
近年、液晶表示装置は、あらゆる分野で使用されてきており、特に、携帯電話などの携帯端末やパーソナルコンピューター、液晶表示方式のテレビなどの電子産業分野で数多く使用されている。従来から、液晶表示装置には、液晶表示面の表示品位の向上が求められている。このために、液晶表示装置に用いられるバックライトは、少しでも多くの光を液晶部に供給し、且つ均一な光を供給することが求められている。
また、一方で液晶表示装置は、省電力であることを特徴としており、この特徴を活かすために使用するバックライトも省電力タイプであるものが要求されている。
バックライトから光を多量にかつ均一に送り、しかも使用する電力を少なくするためには、光散乱効率が高く、全光線透過率の高い光散乱性の良い粒子(以下、これを「光散乱粒子」という)およびそれらを用いた光散乱体(シート)が必要とされている。上記光散乱体は、バックライトから出た光を屈折や反射により任意の方向に拡散させるという機能を有している。
例えば、特開平6−59107号公報には、光拡散性層として透明性樹脂、合成樹脂粒子及び前記透明性樹脂の屈折率よりも高い屈折率をもつ粒子を含有した光拡散性シートが開示されているが、前記透明性樹脂の屈折率よりも高い屈折率をもつ粒子として酸化ジルコニウムを使用している(特許文献1参照)。また、特開平11−302330号公報には、1〜80μmの平均粒子径と1.60〜1.67の屈折率を有するジビニルビフェニル系単量体を含む共重合体粒子が開示されている(特許文献2参照)。
しかしながら、酸化ジルコニウムのような無機物は屈折率が高いために光散乱効率は高いものの透明性に劣るため光が均一に拡散しないなどの問題点が指摘されている。また、上記のような各種の樹脂ビーズも知られているが、平均粒子径を自由に制御できなかったり、相対的に屈折率が小さいために十分な光散乱効率が得られなかったりするなどの課題があった。
一方、上記のような光散乱粒子は、液晶表示装置や平面テレビなどの反射防止層(フィルム)や化粧品分野においても利用されている。
例えば、特開2003−121617号公報には、樹脂ビーズを光散乱粒子として用いた防眩を目的とした光拡散フィルム等の技術が開示されている(特許文献3参照)。
特開平8-225316号公報には、白浮きを防止しつつシワなどを目立ちにくくするために透明性を維持しつつ、高い光拡散性を有する球状無機酸化物粉体が開示されている。組成としては、BaSO、Al・nHO(但し、n=0〜3)、及びaAl・bSiO・nHO(但し、a/b=0.1〜100、n/(a+b)=0〜10)などが例示されている(特許文献4参照)。
ところで、特開2003−252616号公報には、光学的に透明性が高く、高屈折率のシリカ系複合酸化物粒子が開示されている。この粒子は、シリコンのアルコキシドを特定量の水で加水分解した後にシリコン以外の金属のアルコキシドと混合することによって原料を調製し、触媒を含む含水有機溶媒中で前記原料を加水分解・縮合させることにより製造されているが、かかる方法では、平均粒子径が1μmを超えて大きいものを製造しようすると時間がかかり、単分散性も低下し、実施例で実際に製造されている粒子は最大でも平均粒子径が0.45μmのものがせいぜいであった(特許文献5参照)。
また、特開2002−284515号公報には、シリカを主成分とする核部と、シリカとチタニアとを主成分とする複合酸化物の被覆層とよりなることを特徴とする球状無機酸化物粒子が開示されている。この無機酸化物粒子において被覆層は、加水分解可能な有機チタニウム化合物と加水分解可能な有機珪素化合物の混合物原料を、核部となるシリカ粒子を含むアルカリ性含水アルコール溶媒中に滴下して、上記混合物原料を加水分解することにより製造されている。しかしながら、かかる被覆層の製造方法では、チタニアの含有量が多くなると粒子の安定的成長が困難になり、チタニアの含有量が20モル%を超えたものになると、得られる無機酸化物粒子の球形状が急激に崩れる問題があった(特許文献6参照)。
特開平6−59107号公報 特開平11−302330号公報 特開2003−121617号公報 特開平8-225316号公報 特開2003−252616号公報 特開2002−284515号公報
従来の光散乱粒子は、樹脂ビーズ製のものに関しては、全光線透過率は高い(可視部に特定の吸収がない)ものの樹脂ビーズの屈折率が低いために光散乱効率が低いという問題があった。
無機粒子を使用した例においては、シリカ等の非晶質材料は吸収が無く全光線透過率は高いものの、粒子の屈折率が低いために光散乱効率が低いという問題があった。一方、アルミナ、ジルコニア、チタニアのような高屈折率材料も知られているが、これらは一般に結晶性のために、光散乱効率は高いものの全光線透過率が低くなるという問題があった。
また、前記特許文献5や特許文献6に記載される無機酸化物粒子は、光散乱効率と全光線透過率の両方について、かなり高いものが製造可能であるが、粒子径や球形状において今一歩十分ではなく、前記した液晶表示装置の光散乱体に使用するには満足できるものではなかった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、光散乱効率と全光線透過率の両方が高く、球状または略球状を有し、さらに、粒子径も十分な大きさを有しており光散乱体(シート)への配合用として有用な無機粒子を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、特定の構造及び組成の無機酸化物粒子が、無機粒子であっても非晶質のために全光線透過率が高く、従来の樹脂ビーズでは達成できなかったような高い屈折率を有し、さらに、このものは球形性や粒子径についても良好なものを得ることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、シリカを主成分とする核部と、シリカとシリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物とを主成分とするシリカ系複合酸化物の被覆層とよりなる無機酸化物粒子であって、該粒子の平均粒子径が1.1〜10μmであり、電子顕微鏡の撮影像から求められる円形度が0.8以上であり、且つ前記被覆層が、0.03μm以上の厚みを有し、シリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物を22〜70モル%の範囲で含有したものであることを特徴とする無機酸化物粒子である。
本発明の無機酸化物粒子は、シリカを主成分とする核部と、シリカとシリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物とを主成分とするシリカ系複合酸化物よりなる高屈折率の被覆層とより構成されている。被覆層に特定の組成のシリカ系複合酸化物を使用し、且つ平均粒子径と該被覆層の厚みを特定の範囲に制御することにより、光散乱効率が高く、全光線透過率も高い光散乱粒子を提供することができる。
しかも、この粒子は、粒子径が大きいため、溶媒や樹脂中における分散性が良く、光散乱体への配合用として使用した場合、安定的に性状が発揮され、光散乱効率も高いものになる。さらに、球形性も良く、電子顕微鏡の撮影像から求められる円形度が0.8以上であり形状の均一性に優れるため、上記用途に使用した場合には、光散乱性能の再現性が良く、樹脂に高充填できる点でも優れている。
更に本発明の無機酸化物粒子において、シリカ系複合酸化物を構成する周期表4族または14族の金属の酸化物としてチタニアを使用したものは、例えば、紫外線遮蔽効果の高い化粧料として有望であり、また、ジルコニアを使用したものは、例えば、X線造影効果の高い歯科用コンポジットレジン用の充填材としても有望である。
本発明の無機酸化物粒子は、シリカを主成分とする核部を有する。即ち、シリカは、吸水率が低く、熱膨張係数が小さい等の特性から有用であるが、他の特性として、球状や略球状、特に、後記の電子顕微鏡の撮影像から求められる円形度が0.8以上の真球に近い粒子を得易いという点がある。
ここで、光散乱体に使用する光散乱粒子としては、形状が均一であり、且つ、平均粒子径や粒度分布の再現性が高いものが望ましく、より真球状で、単分散性にも優れたものが好適である。得られる無機酸化物粒子の形状は、核部の形状に大きく影響されるため、本発明における状無機酸化物粒子は、核部として、上記シリカを主成分とする粒子を使用することにより、上記光散乱体に使用する光散乱粒子に求められる性状を良好に満足したものになる。
かかる球状の粒子を他の酸化物によって得ることは困難であり、特に、粒子径が大きい球状粒子を得る場合、シリカを主成分とする粒子を核部として使用することによる効果が顕著に発揮される。この核部の粒子径は、具体的には、0.1μm以上、好ましくは0.2〜8μm、更に好ましくは0.5〜5μmであることが好ましい。また、電子顕微鏡の撮影像から求められる円形度は、0.8以上であるが、好ましくは0.85以上、さらに好ましくは0.90以上、最も好ましくは0.92以上であるのが好ましい。
なお、核部を形成するシリカは、球状が得られ易い性質を損なわない範囲で、シリカ以外の他の金属酸化物を含んでいても良い。一般には、該核部中のシリカの含有率は、80モル%以上、好ましくは85モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上であることが好ましい。なお、特に前記円形度の高い核部を形成するためには、シリカの含有率は99モル%以上であることが好ましい。シリカ以外の他の金属酸化物としては、酸化ナトリウムや酸化カリウム等のシリカと結合可能な周期表1族の金属の酸化物、及び酸化マグネシウムや酸化カルシウム等のシリカと結合可能な周期表2族の金属の酸化物、及び酸化ホウ素や酸化アルミニウム等のシリカと結合可能な周期表第13族の金属の酸化物、及び酸化チタンや酸化ゲルマニウム等のシリカと結合可能な周期表4族または14族の金属の酸化物などが挙げられる。
上記核部の代表的な製造方法としては、特開平6−254383号公報、特開平8−048505号公報、特開昭62−72516号公報等などに記載されているように、ゾルゲル法を応用した方法が挙げられる。
上記方法によれば、単分散性の指標となる粒子径の変動係数が10%以下のものも容易に得られるため、得られる無機酸化物粒子の単分散性を向上させるために有効である。
本発明の無機酸化物粒子は、上記のシリカを主成分とする核部を、シリカとシリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物とを主な構成成分とするシリカ系複合酸化物よりなる被覆層で被覆した二層構造を有する。
シリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物としては、GeO、SnO、PbO、TiO、ZrO、HfO等が挙げられる。これらの中でも、TiO(チタニア)やZrO(ジルコニア)は、原料が安価で入手が容易である上に、屈折率が高いために、少量の添加によって高屈折率の被覆層を形成し易いために極めて好適に採用できる。なお、シリカーチタニアやシリカージルコニアの二成分系以外に、シリカーチタニアージルコニアの三成分系も好適である。
本発明の被覆層に使用するシリカ系複合酸化物は、例えばシリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物がチタニアの場合、シリカとチタニアが分子オーダーで均一に複合化されたものであって、単にシリカとチタニアの混合物とは異なる。したがって、該シリカ系複合酸化物は、シリカとシリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物の構成成分が一般には化学的に結合して存在するもので、これらの構成成分を物理的に分離することは、通常はできない。両成分が化学的に結合していることは、赤外スペクトルや屈折率(粒子の光学的な透明性)を測定することで確認できる。
なお、本発明の無機酸化物粒子は、特に高温で焼成しない限りは非晶質であるため光学的な等方性が高く良好であるが、被覆層であるシリカ系複合酸化物層の屈折率を向上させるために1000℃前後の温度で焼成したものにしても良い。1000℃前後の高温で焼成した場合はシリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物(例えば、チタニアやジルコニア)の一部が結晶化する場合があるが、光学的な透明性を維持できる範囲であれば問題なく使用できる。即ち、粒子同士が焼結してしまったり、結晶が大きくなり過ぎて可視光領域において不透明になったりしない(全光線透過率が大幅に低下しない)範囲であれば問題なく使用できる。そのためには粒子の焼成温度を300〜1100℃、好ましくは500〜1050℃とすることが好ましい。なお、結晶性の程度についてはX線回折等の手段で解析できる。
本発明の無機酸化物粒子において、被覆層に含有されるシリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物は、一般に高屈折率材料であり、これらの含有率が高いほど、屈折率の高い被覆層、即ち、光散乱体への配合用として使用した場合において、該光散乱体のマトリックス樹脂との屈折率差を大きくでき、光散乱効率が高くできる粒子を得ることができる。
一般的に、屈折率が1.6を超えた粒子は、従来市販の樹脂ビーズでは達成できなかった領域であり、光散乱体への配合用の粒子として極めて有用である。このため、本発明の複合酸化物粒子においても、被覆層の屈折率は1.6〜2.0の範囲、好ましくは1.65〜1.95の範囲、さらに好ましくは1.70〜1.90の範囲とするのが好適である。
なお、本発明において、屈折率は、25℃で589nmの波長の光を用いて液浸法により測定した値をいう。
なお、本発明の無機酸化物粒子は、シリカを主成分とする核部を、高屈折率を有する前記シリカ系複合酸化物で被覆した二層構造の粒子であるため、粒子自身の屈折率を直接測定することは困難である。参考のために、1050℃で12時間焼成したシリカ−チタニア系複合酸化物粒子のチタニア含有率と粒子の屈折率の関係を図1に示す。図1から明らかなように、シリカ系複合酸化物粒子の屈折率は、チタニア含有率にほぼ比例しているため、チタニア含有率を制御すれば粒子の屈折率を自由に調整できることがわかる。本発明における、上記被覆層の屈折率とは、この図1に示されるような、同じ乾燥または焼成条件で得たシリカ系複合酸化物粒子における、シリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物の含有率と粒子の屈折率との関係をもとに、該被覆層の組成から換算して求めた値である。
ここで、被覆層の屈折率を上記のような範囲とするためには、チタニアやジルコニアなどの周期表4族または14族の金属の酸化物の含有率は22〜70mol%の範囲、好ましくは25〜65mol%、さらに好ましくは30〜60mol%の範囲とすることが必要である。なお、ここで言う周期表4族または14族の金属の酸化物の含有率とは、シリカ系複合酸化物を構成するシリコンのモル数をSi、シリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物を構成する金属元素のモル数をMとすると、M/(Si+M)×100で表わされる。上記含有率が22mol%未満の場合には光散乱効果が小さい場合があり、70mol%を超えるとチタニアなどのシリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物が結晶化し易くなるために全光線透過率が低下することなどが懸念される。
以上のように本発明の粒子は、被覆層が実質的にチタニアやジルコニアなどの金属酸化物の単一組成で構成されるのではなく、シリカとの複合酸化物にすることによって、金属酸化物の結晶化を抑制し、全光線透過率の高い粒子が得られるという特徴がある。
本発明の無機酸化物粒子の平均粒子径は、1.1〜10μm、好ましくは1.20〜5μmの範囲が好適である。1.1μm未満の場合は、粒子径が小さくなることによって溶媒や樹脂中での分散性が低下し使い難くなる。また、可視光線の波長範囲が約0.4〜0.8μmであることを考慮すると、平均粒子径がこの程度に小さいと、光の散乱効率が低くなることが懸念される。一方、10μmを超えた場合は、本発明の粒子をコーティング剤に応用した場合に粒子の沈降速度が速くなるためハンドリング性が低下したり、光散乱シート等を製造する際に表面の凹凸が激しくなり光散乱特性に悪影響を与えたりすることも懸念される。
本発明においては、被覆層の厚みは0.03μm以上であることが重要である。被覆層の厚みが薄い場合には、光が被覆層を経由して粒子中を透過し易くなるため、光散乱効率が低下する場合がある。したがって、被覆層の厚みは0.03μm以上、好ましくは0.05〜2μm、さらに好ましくは0.1〜1μmであることが光散乱効率を向上させる上で好ましい。
さらに、本発明の無機酸化物粒子は、電子顕微鏡の撮影像から求められる円形度が0.8以上であり、好ましくは0.85以上、さらに好ましくは0.90以上、最も好ましくは0.92以上である。本発明の粒子が、このように球形性に優れたものになる理由は、前記したように核部に球形性の高いシリカ粒子を使用しているためであり、該核部の外側に形成される被覆層も、これに追従して球状になるからである。ここで、前記円形度が0.8以上であれば、光散乱体に使用した場合、光の散乱が等方的になり、さらに光散乱性能の再現性も高くなり好ましい。前記円形度が0.8未満の場合は、樹脂中に高充填し難くなり、コーティング剤に応用した場合に粘度が高くなったり、コート膜にしたときに表面にザラツキ感が出たり、傷つき易くなったりすることも懸念される。
上記円形度を始め、粒子の形状、平均粒子径、粒子径の変動係数等の情報は、電子顕微鏡像を画像解析することによって調べることができる。なお、ここで円形度は、電子顕微鏡の撮影像を画像処理することによって求められる値である。画像処理で得られた粒子の面積をS、粒子の周囲長をLとすると、
円形度=(4・π・S)/(L
である。200以上のサンプル数で平均して値を求めることにより、再現性のある実質的な一定値が得られる。
本発明の無機酸化物粒子は、前記被覆層の表面に、さらに最外層としてシリカを被覆しても良い。例えば、核部がシリカ、被覆層がシリカとチタニアよりなるシリカ系複合酸化物の場合、表面にチタニア成分が一部露出する場合がある。チタニアは紫外線を吸収することによって有機物を分解する、いわゆる光触媒能があることが知られているが、長期間太陽光下で使用した場合に樹脂バインダーなどが劣化することが懸念される。そのような場合は、本発明の無機酸化物粒子の最外層に、さらにシリカを被覆することによって光劣化の問題を軽減または解消することができる。上記最外層のシリカ被覆層の厚みは、1nm以上、好ましくは2〜1000nm、更に好ましくは3〜100nmが好ましい。
本発明の無機酸化物粒子は、真球状であり一定の粒子径を有するため、こうした性状が求められる種々の用途に制限なく使用できる。こうした用途としては、例えば、液晶ディスプレイ用のギャップ材、各種の光学用フィラー(例えば、光散乱粒子、光反射粒子、反射防止膜用の光拡散粒子、紙やフィルムのつや消し用のマット粒子など)、光触媒、紫外線防止機能を有する化粧料、各種樹脂の充填剤(例えば、歯科用コンポジットレジンや各種光素子や光半導体装置の接着剤や封止剤)等が挙げられる。
この無機酸化物粒子は、前記したようにこれらの性状に加えて、光散乱効率と全光線透過率の両方が高いという特徴を有するため、光散乱体への配合用として使用するのが最適である。光散乱体としては、光を効率良く伝送し、且つ散乱させる性状を有し、これらの性状を利用して使用される部材が制限無く対象とされる。具体例としては、各種照明類、発光体、ラインマーカー等に使用される成形部材等が挙げられるが、本発明では、特に、液晶用バックライトの光拡散シート、防眩効果のある反射防止シート、およびプロジェクター、プロジェクションテレビ用のスクリーンなどが挙げられる。なお、本発明において、シートとは、一般にフィルムと呼ばれる薄い厚みのものも含むものである。
本発明の無機酸化物粒子を、上記光散乱体への配合用として使用する場合、これを使用する無機酸化物粒子の被覆層の屈折率よりも0.1以上、好適には0.15〜0.7小さい屈折率を有する透明性樹脂に配合して光散乱体用の樹脂組成物とし所望の形状に成形して用いる。このような透明性樹脂を用いることにより、一層に光散乱効率の高い光散乱体を得ることができる。この場合、平均粒子径の異なる複数の粒子を混合して、分布を持った粒子として使用することもできる。
なお、上記透明性樹脂は、屈折率が1.40〜1.60、好適には1.47〜1.55の範囲にあるのが一般的であり、本発明の無機酸化物粒子は、こうした屈折率を有する透明性樹脂に配合することにより、前記した優れた光散乱効率が顕著に発揮される。
透明性樹脂は、可視光の範囲において特定の吸収が無く、透明性の高いものが好ましい。通常、100μmの厚みのフィルムにした時に、平行光線透過率(JIS K 7105に準じて測定し、波長600nmにおいて求めた値)が80%以上、好適には85%以上、さらに好適には90%以上のものを使用するのが好ましい。このような透明性樹脂の具体例としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルスチレン(AS)樹脂、メタクリルスチレン(MS)樹脂、硬質塩ビ樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、光散乱体としては、基材シートに、本発明の無機酸化物粒子を含むコート層を形成したものでも良い。この態様においては、基材シートとしては、PETフィルム、TACフィルム、COPフィルム等の基材シートが好適に使用される。更に、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、COP樹脂等からなるプラスチック基板、またはガラス基板等も好適に使用できる。
上記無機酸化物粒子を含むコート層は、該粒子を、前記説明した透明性樹脂から選ばれるバインダー樹脂と共に溶剤中に分散混合した樹脂組成物を製造し、これを基材シート上にコーティングして設けるのが一般的である。上記に例示したバインダー樹脂の中でも、非架橋性(直鎖状)ポリマーが溶剤に溶解し易く、好ましい。
更には、光や熱によって重合硬化するモノマーも、上記基材シートにコーテイング後、重合硬化させることによりバインダー樹脂として使用できる。具体的には、二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。二個以上のエチレン性不飽和基を有する場合は、膜中に架橋構造を導入できるので、耐熱性や耐傷性に優れたコート層を形成できるので好ましい。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの例としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,3,5−シクロヘキサントリオールトリメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼンの誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリルアミドが含まれる。これらの中でも、少なくとも3つの官能基を有するアクリレートもしくはメタアクリレートモノマー、さらには少なくとも5つの官能基を有するアクリレートモノマーが、膜硬度、即ち耐傷性の点で好ましい。
これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーは、各種の重合開始剤その他添加剤と共に溶剤に溶解、塗布、乾燥後、電離放射線または熱による重合反応により硬化することができる。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりまたはそれに加えて、架橋性基の反応により、架橋構造をバインダーに導入してもよい。架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。これら架橋性官能基を有するバインダーは塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
なお、本発明の無機酸化物粒子は本質的には親水性である。前記バインダー樹脂が親水性の場合は、粒子と樹脂や溶媒との良好な分散状態が得られるが、樹脂や溶媒が疎水性な場合は粒子が均一に分散しないおそれがある。したがって、バインダー樹脂が疎水性の場合には、粒子をシランカップリング剤などで表面処理したり、分散剤を添加したりするのが好ましい。
シランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシランやビニルトリエトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤;N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系シランカップリング剤;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ系シランカップリング剤;アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリロキシ系シランカップリング剤;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリロキシ系シランカップリング剤;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト系シランカップリング剤;メチルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ヒドロキシエチルトリメトキシシラン等のアルキル系シランカップリング剤;(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン等のフッ素含有有機基を有するシリコン化合物などが利用できる。
以上の他にも、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムアルキルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノメタクリレート、アルミニウムステアレートオキサイドトリマー、イソプロポキシアルミニウムアルキルアセトアセテートモノ(ジオクチルホスフェート)等の各種アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウムジn−ブトキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、ジルコニウムトリn−ブトキシドペンタンジオネート、ジルコニウムジメタクリレートジブトキシド等の各種ジルコニウム化合物、更にイソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート等のチタネート系カップリング剤等が挙げられる。
本発明において、無機酸化物粒子と透明性樹脂の配合割合は、使用用途や光散乱体やコート層の厚み等にも依存するので一概には定義できないが、透明性樹脂100重量部に対して無機酸化物粒子0.01〜300重量部、好ましくは0.1〜100重量部の範囲が好適である。
本発明の無機酸化物粒子は、前記したような要件が備わった粒子が得られる限り、その製造方法は何ら限定されるものではない。好適な製造方法としては、以下の方法が挙げられる。
すなわち、まず、シリコンのアルコキシドを触媒を含む含水有機溶媒(1)中で加水分解・縮合させることによって核部となる球状のシリカ粒子を製造し、続いて、シリコンのアルコキシドとシリコン以外の周期表4族または14族の金属のアルコキシドを混合した原料を前記シリカ粒子が分散された触媒を含む含水有機溶媒(2)中で加水分解・縮合させることによって前記シリカ粒子の表面にシリカとシリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物よりなる被覆層を形成する方法が挙げられる。
ここで、用いる含水有機溶媒(1)及び(2)中の有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコールなどのアルコール類、エチレングリコールやグリセリンなどの多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチルなどのエステル類、その他水と相溶性のある有機溶媒が単独または複数混合して用いられる。
含水有機溶媒(1)においては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールのような低級アルコール類が金属アルコキシドや水との相溶性も高く、また粘度も低いために、特に、核部となる粒子を製造する際に好適に使用される。
一方、含水有機溶媒(2)においては、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、更にはペンチルアルコールやヘキシルアルコールのような長鎖アルコール類が、金属アルコキシドの反応性を制御するのに好適であり、特に、被覆層を形成する際には好適な場合がある。即ち、シリコンのアルコキシドとシリコン以外の周期表4族または14族の金属のアルコキシドを混合した原料の加水分解・縮合の反応性は、シリコンのアルコキシドのそれよりも非常に高いためにtert−ブチルアルコールのような長鎖アルコールを使用した方が微粒子の発生を抑制でき、被覆層を形成するのに好適である。
触媒を含む含水有機溶媒(1)及び(2)中の上記有機溶媒の割合は、およそ3〜95%、好ましくは60〜90%の範囲が好適である。
また、金属アルコキシドを加水分解するための触媒としては、N(CH等のアミン、N(CHOH、アンモニア、LiOH、NaOH、KOHなどの塩基が好適に使用できる。特に、アンモニアやアミンの場合は、製造した無機酸化物粒子を焼成すれば粒子中に塩基が残留しないために、加水分解用の触媒として極めて好適である。触媒の添加量は、用いる触媒の種類や含水有機溶媒中の水と有機溶媒の種類や含有率によって異なるために一概には言えないが、pHが10以上、好ましくは11以上になるように添加するのが好ましい。触媒として最も好適なアンモニアの場合は、NHとしての重量分率で2〜10%、好ましくは3〜7%の範囲が好適である。
触媒を含む含水有機溶媒(1)及び(2)中の水の割合は、用いる金属アルコキシドの種類によって異なるため一概には言えないが、3〜95%、好ましくは、5〜40%、さらに好ましくは5〜20%の範囲が好適である。
金属アルコキシドとしては、前記の触媒を含む含水有機溶媒中で加水分解を受けて金属酸化物になるものであれば公知の化合物が何ら制限なく採用される。
シリカの原料となるシリコンのアルコキシドの代表的なものを例示すると、例えば、一般式Si(OR)またはSiR′(OR)4−nで示されるシリコンのアルコキシド、またはシリコンのアルコキシドを部分的に加水分解して得られる低縮合物が工業的に入手し易く、その1種または2種以上の混合物が好ましく用いられる。なお、上記シリコンのアルコキシドの一般式において、RおよびR′はアルキル基で、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などの低級アルキル基が好適である。nは1〜3の整数である。
また、シリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物の原料となる金属アルコキシドとしては、シリコン以外の周期表4族または14族の金属のアルコキシドが特に制限されず使用される。例えば、一般式M(OR)(但し、Rはアルキル基)で表示される金属アルコキシドまたは上記一般式中の一つ又は二つのアルコキシド基(OR)がカルボキシル基あるいはβ−ジカルボニル基で置換された化合物が好ましい。ここでMはシリコン以外の周期表4族または14族で、具体的には例えば、Ge、Sn、Pb、Ti、Zr、Hf等が好適に使用される。本発明において一般に好適に使用される上記化合物を更に具体的に例示すると、Ti(O−isoC、Ti(O−nC等の化合物および上記Tiに代わって、Ge、Sn、Pb、Zr、Hf等で代替した周期表4族または14族の金属の化合物などが挙げられる。
なお、真球性のより高い無機酸化物粒子を得ようとした場合には、上記の化合物の中でもTiおよび/またはZrのアルコキシドが最も好適に採用できる。
シリカを主成分とする核部を製造する際には、前述したように公知の技術を採用することができる。具体的な方法は、例えば、特開平06−254383号公報、特開平08−048505号公報、特開昭62−72516号公報等に記載されている。上記のような方法を採用すれば、真球性のより高いシリカを主成分とした粒子が得られる。
シリカ とシリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物とを主成分とするシリカ系複合酸化物の被覆層を製造する際には、こうしたシリカ系複合酸化物からなる粒子の公知の製造方法を応用することができる。
即ち、被覆層を製造するためには、金属アルコキシドとして上述したシリコンのアルコキシドと、シリコン以外の周期表4族または14族の金属のアルコキシドを1種または2種以上混合して用いるが、両者は予め混合したものを原料として用いることができる。特に、本発明の無機酸化物粒子を得るためには、両者を混合する前に予めシリコンのアルコキシドの一部又は全部を部分的に加水分解(以下では、部分加水分解ともいう)させることが有効であり、さらにまた、下記説明するように、部分加水分解させるときに使用する水の量をコントロールすることが極めて効果的である。
下記のような条件でシリコンのアルコシキドを水で部分加水分解した後にシリコン以外の周期表4族または14族の金属のアルコキシドと混合して複合アルコキシドを調製することによって、シリカ系複合酸化物よりなる被覆層を効率良く製造することができる。本発明の粒子のように、被覆層を形成するシリカ系複合酸化物における、シリコン以外の周期表4族または14族の酸化物の含有率が22モル%以上の高含有量のものは、特に、下記に示す条件で部分加水分解することが望ましい。
即ち、Xをシリカ系複合酸化物中におけるシリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物の含有率(モル%)とし、Yをシリコン以外の周期表4族または14族の金属のアルコキシドに対する水の当量とすると、
i) 22≦X<30のとき、
Y=2〜4
ii) 30≦X≦50のとき、
−0.06X+3.5<Y<−0.06X+4.5
好適には、
−0.06X+3.7<Y<−0.06X+4.3
iii) 50<X≦70
(100/X−1)−0.5<Y<(100/X−1)+0.5
好適には、
(100/X−1)−0.3<Y<(100/X−1)+0.3
の範囲が良好である。
シリコンのアルコキシドを部分加水分解する際の水の量が上記範囲よりも少ない場合や多い場合には、被覆層を形成する際に反応を制御することが難しくなり、得られる無機酸化物粒子の球形性が低下する。また、微粒子が発生し易くなったり、融着粒子が多く生成したり、極端な場合は粒子合成中に粒子同士が凝集してしまうおそれも生じる。
上記部分加水分解の目的は、シリコンのアルコキシドの一部を加水分解することによって分子内にシラノール基(SiOH)を生成させ、次に該シラノール基とシリコン以外の周期表4族または14族の金属のアルコキシドとを反応させ、シリコンとシリコン以外の周期表4族または14族の金属の複合アルコキシドを生成させることにあると本発明者等は考えている。したがって、シリコンのアルコキシド、シリコン以外の金属のアルコキシド及び予備加水分解に使用する水の3者のモル比を精密に管理する必要があるものと考えられる。
シリコンのアルコキシドを部分加水分解する際には、該アルコキシドと水の両方に対して相溶性のあるメタノールやエタノールのような低級アルコール等の有機溶媒を併用することが好ましい。アルコール等の有機溶媒を使用しない場合は、シリコンのアルコキシドと水が相分離する傾向があり、部分加水分解が進行しないか、または非常に反応が遅くなる場合がある。また、部分加水分解を迅速に進めるために、前記の水には、触媒を添加することも好ましい。触媒としては酸が好適で、具体的には、塩酸、硫酸、硝酸、シュウ酸などが挙げられるが、特に制限はない。酸の濃度としては、水のpHが1〜4の範囲になるように添加するのが良い。
上述したように、シリコンのアルコキシドを水で部分加水分解した後にシリコン以外の周期表4族または14族の金属のアルコキシドと混合することによって複合アルコキシドからなる原料を調製した後、シリカを主成分とする核粒子を分散した塩基性触媒を含む含水有機溶媒(2)〔以下、反応液ともいう〕中で前記原料を加水分解・縮合させてシリカ系複合酸化物よりなる被覆層を形成する。
上記原料は、液中滴下することが好ましい。液中滴下とは、上記原料を反応液中に滴下する際、滴下口先端が反応液中に浸されていることを言う。滴下口先端の位置は、液中にあれば特に限定されないが、攪拌羽根の近傍などの充分に攪拌が行われる位置が望ましい。液中滴下をせずに、例えば、反応液の上部から液上滴下した場合には粒子が凝集しやすいため好ましくない。
また、上記原料と共に、別途調製されたアルカリ性水溶液を、触媒を含む含水有機溶媒中に同時滴下しても良い。該アルカリ性水溶液としては、10〜30質量%のアンモニア水などが好適である。なお、上記原料中のシリコンとシリコン以外の金属の総モル数に対して、該アルカリ性水溶液中の水のモル数が1〜6倍モル、好ましくは2〜5倍モルとなるような供給比でアルカリ性水溶液を滴下することが好ましい。アルカリ性水溶液の滴下は、特に液中滴下する必要はないが、攪拌羽根近傍で液中滴下した方が、反応液中での攪拌が充分に行われるので好ましい。上記のようにアルカリ性水溶液を同時滴下することによって、固形分濃度を高くして粒子を合成できるので、収率の高い合成が可能となる。
また、粒子の単分散性を上げるためには、滴下速度も重要な因子である。滴下速度は、できる限り遅くした方が、単分散性は高くなる傾向にある。しかしながら、滴下速度が遅い場合には、合成が終了するまでに長時間を要するため、実用的ではない。そのため、合成初期は滴下速度を遅くし、後半になってから滴下速度を速めるのも本発明を実施する上で好ましい態様である。
複合アルコキシドからなる原料およびアルカリ性水溶液は、それぞれ滴下を開始してから終了するまで連続的に滴下することが好ましい。なお、ここで言う連続的とは、好ましくは10分以上、さらに好ましくは3分以上の間隔を空けないことを言う。滴下速度は、必ずしも一定である必要はないが、滴下速度を変える場合には連続的に変えた方が望ましい。特開平4−77309号公報には、数回に分けて水を添加することが記されているが、このような方法では、急激な水の添加によって反応液中の雰囲気が乱され、粒子同志の凝集や、新たな核粒子の発生などが起こるため、好ましい方法ではない。
加水分解を行うときの反応槽の温度は、0〜50℃の範囲であれば良く、用いるアルコキシドの種類によって適宜選択される。
その他、加水分解に使用する反応容器、上記以外の反応条件等は公知のものが何ら制限なく採用される。
上記のように合成方法を採択することによって、シリカを主成分とする核部の周囲に、本発明で特定する要件を満足するシリカ系複合酸化物よりなる被覆層を効率良く形成することができる。
合成終了後の粒子は、反応液中に分散したコロイド状の粒子分散液として得られる。用途によっては、そのまま使用しても良いし、反応液の溶媒を水もしくはアルコールなどの有機溶媒に溶媒置換した後に使用しても良い。
また、粒子を合成した後、遠心分離、ろ過、蒸留、スプレードライなどの手法で固液分離し、粉末の形で取り出しても良い。取り出した粉末は乾燥させることができる。乾燥温度は50以上300℃未満の範囲が好適で、乾燥時間は数時間から数日の間が好適である。乾燥した粉末はさらに高い温度で焼成することができる。
焼成温度は300〜1100℃の範囲が好適で、焼成時間は1〜24時間の範囲が好適である。乾燥または焼成後の粒子は、ボールミルやジェットミルなどを使用して粒子一つひとつに解砕することができる。また、樹脂や溶剤等に分散して使用する場合には、高シェアの分散機を使用することによって、樹脂や溶剤への分散と同時に粒子の解砕を行うことができる。更に、樹脂や溶剤への分散性を向上させるために該粒子はシランカップリング剤などの表面処理剤で処理しても良いし、界面活性剤などを併用して分散性を向上させることもできる。
以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
(粒子の平均粒子径、粒子径の変動係数、円形度)
粒子の形状は走査型電子顕微鏡(以下、SEMという)の撮影像より確認した。平均粒子径と粒子径の変動係数及び円形度は、上記SEMの撮影像を画像解析装置で処理することにより求めた。画像処理するサンプル数は200個以上とした。なお、ここで定義する円形度は、SEMの撮影像を画像処理することによって求められる。即ち、画像処理で得られた粒子の面積をS、粒子の周囲長をLとすると、円形度=(4・π・S)/(L)である。また、粒子径としては、円相当径=(4・S/π)1/2を用いた。
(粒子の屈折率)
粒子の屈折率は、液浸法によって測定した。即ち、異なる屈折率の溶媒(例えば、トルエン、1−ブロモナフタレン、1−クロロナフタレン、ジヨードメタン、イオウ入りジヨードメタンなど)を適当に配合することにより任意の屈折率の混合溶媒を作り、その中に粒子を分散させて25℃において最も透明な粒子分散溶液の屈折率を粒子の屈折率とした。溶媒の屈折率はアッベの屈折率計を用いて25℃で589nmの波長の光を用いて測定した。
なお、本発明の無機酸化物粒子において、被覆層の屈折率は、実測は困難であるので、先に、同一の焼成条件で製造した、核部を有さないシリカ系複合酸化物粒子におけるチタニア含有率と屈折率との関係を示す相関図を作成し(図1)、これを基に、上記被覆層のチタニア含有率から換算した値として求めた。
この図1の相関図の作成方法は、以下のとおりである。
メチルシリケートとテトライソプロポキシチタンの比率を種々変えた複合アルコキシドよりなる原料溶液を数種類調製し、後述する本発明の無機酸化物粒子における核粒子の製造例(実施例13)と同様にして、シリカとチタニアよりなる均一組成のシリカ系複合酸化物粒子を数種類合成した。合成した各粒子は乾燥後、空気中、1050℃で12時間焼成した。このようにして得たチタニア含有量の異なる数種の、核部を有さないシリカ系複合酸化物粒子の屈折率を上記液浸法によって測定し、チタニア含有率と屈折率との相関を求め図1に示した。
(光散乱体の作製と評価)
本発明の無機酸化物粒子を用い、以下のようなコート膜からなる光散乱体を試作し、光散乱性粒子としての特性を評価した。
本発明の無機酸化物粒子(比較例においては光散乱粒子)を4質量%含む水スラリー10重量部と10%ポリビニルアルコール(透明性樹脂)水溶液100重量部とを混合・分散した。希釈溶媒として適当量のエチルアルコールを添加し、バーコーターを用いてスライドガラス上に塗布し、室温で24時間かけて乾燥させ、光散乱体を試作した。なお、上記コート膜の厚みは50±5μmに調整した。
上記光散乱体は、積分球付の分光光度計を用いて、JIS K 7105に準じて全光線透過率と拡散透過率を測定し、ヘイズ値を求めた。上記全光線透過率、拡散透過率、およびヘイズ値は、波長600nmでの値を示した。
なお、ポリビニルアルコールのみからなるコート膜の物性値は、屈折率が1.50、全光線透過率が92%、拡散透過率が1.0%、ヘイズが1.1%であった。
実施例1
まず、シリカ系複合酸化物よりなる被覆層の形成用原料として、シリコンとチタンのアルコキシドよりなる原料を調製した。
3リットルの三角フラスコに、メチルシリケート(Si(OMe)、多摩化学工業(株)、商品名;正珪酸メチル)203.1gを仕込み、撹拌しながら、メチルアルコール101.5gと0.035質量%塩酸24gを加え、室温で約10分間撹拌することによってメチルシリケートを部分加水分解した。
続いて、テトライソプロポキシチタン(Ti(OiPr)、日本曹達(株)、品名;A−1(TPT))189.3gをイソプロピルアルコール378.6gで希釈した液を加え、透明な均一溶液からなる被覆層形成用の原料(SiとTiの複合アルコキシド)896.5gを得た。なお仕込み組成より、このときのTiの含有率は、33.3モル%であった。
なお上記部分加水分解時におけるシリコン以外の周期表4族または14族の金属のアルコキシドに対する水の当量(Y値)は、2.0であった。
次に、シリカを主成分とする核部を製造した。
攪拌機付きのガラス製反応容器(内容積5リットル)に、tert-ブチルアルコールおよびアンモニア水(25質量%)をそれぞれ640gおよび160g仕込み、よく混合して反応液を調製し、反応液の温度を40℃に保持した。メチルシリケート(Si(OMe)、多摩化学工業(株)、商品名;正珪酸メチル)65.5gをメチルアルコール32.7gで希釈した原料とアンモニア水(25質量%)38.0gを反応液中にそれぞれ独立に液中同時滴下した。滴下を開始してから約10分後に反応液が白濁し始め、シリカ粒子が生成していることがわかった。約2時間かけて全ての原料とアンモニア水を滴下し、核部となるシリカ粒子を製造した。なお、滴下終了後の溶液の一部をサンプリングし、後の分析に供した。
引き続き、前述した被覆層形成用の原料896.5gとアンモニア水(25質量%)189.2gをそれぞれ独立して反応容器に滴下し、前記の核粒子の表面に被覆層を形成した。なお、原料とアンモニア水の滴下比率をほぼ一定にして、最初は滴下速度を遅めにし、後半は速度を上げて約6時間かけて全ての原料を滴下し、無機酸化物粒子を製造した。
滴下終了後、更に1時間攪拌を続けた後、系内の溶液を取り出し、5リットルのビーカーに移して静置した。溶媒として純水を用いて数回デカンテーションを繰り返して生成物を洗浄した。沈殿物を乾燥後、1050℃で12時間、空気中で焼成し、無機酸化物粒子を調製した。
前記のサンプリングした核部(シリカ粒子)も上記被覆粒子(無機酸化物粒子)と同じ条件で焼成した後、SEM観察し、粒子物性を評価した。その結果、核部は、平均粒子径が0.78μm、変動係数が6.5%、電子顕微鏡の撮影像から求められる円形度が0.97の単分散性の高い球状粒子であることがわかった。
一方、被覆粒子は、平均粒子径が1.10μm、変動係数が7.8%、電子顕微鏡の撮影像から求められる円形度が0.96の単分散性の高い球状粒子であることがわかった。上記の核部と被覆粒子の平均粒子径より、被覆層の厚みは0.16μmと見積もられた。
また、確認のためにオージェ電子分光法(AES)を用いて上記粒子の表面分析を行なったところ、粒子の表面層からはSiとTiが検出され、更にアルゴンイオンで表面をスパッタリングしながらTiの深さ方向の分布を調べたところ、Tiを含む表面層の厚みは約0.15μmであることがわかった。また上記表面層中のSiとTiの比率はTi:Si=1:2であることもわかった。
以上のように、シリカ とチタニアよりなるシリカ系複合酸化物でシリカ粒子が被覆された二層構造の無機酸化物粒子であることが確認できた。
次に上記無機酸化物粒子を用いて光散乱体を試作し、光散乱粒子としての物性を評価した。
結果を表1に示すが、このように全光線透過率が高い上にヘイズ値も高く、光散乱粒子として有用であることがわかった。
実施例2〜6
反応液の組成や仕込み量、核部を製造する際のメチルシリケートの滴下量、被覆層用原料の滴下量を調整することによって、核部の粒子径と被覆層の厚みを種々変えた以外は、基本的には実施例1と同様にして各種の無機酸化物粒子を製造した。
粒子の物性測定結果と光散乱体の評価結果を表1及び表2に示した。
実施例7〜9
被覆層用原料のチタンの配合比率を種々変えた以外は、基本的には実施例1と同様にして各種の無機酸化物粒子を合成した。
粒子の物性測定結果と光散乱体の評価結果を表1に示した。
なお、被覆層用原料を調製する際の部分加水分解に使用する塩酸の使用量は、シリコン以外の周期表4族または14族の金属(チタン)の含有率に比例して変更した。チタンのアルコキシドに対する水の当量(Y値)を表2に併記した。
実施例10
実施例8と同様にして核部と被覆層を形成した後、引き続きメチルシリケートとアンモニア水(25質量%)を同時滴下することにより、シリカ系複合酸化物の被覆層の表面にさらに、シリカのみよりなる最外層を形成した。
粒子の物性測定結果と光散乱体の評価結果を表2に示した。
分析の結果、実施例8の粒子の表面に0.03μmのシリカ層が被覆された三層構造の粒子であることが確認できた。また、光散乱粒子としての特性も実施例8の粒子と比較して全く遜色はなかった。
実施例11
核部と被覆層を形成した後、引き続き同時滴下するメチルシリケートとアンモニア水の量を変えた以外は実施例10と同様にして、無機酸化物粒子を合成した。
粒子の物性測定結果と光散乱体の評価結果を表2に示した。
分析の結果、実施例8の粒子の表面に0.005μmのシリカ層が被覆された三層構造の粒子であることが確認できた。また、光散乱粒子としての特性も実施例8の粒子と比較して全く遜色はなかった。
実施例12
テトライソプロポキシチタンの代わりにテトラブトキシジルコニウムを使用した以外は実施例1と同様にしてシリカ−ジルコニアからなる被覆層を形成した無機酸化物粒子を調製した。なお、被覆層用原料の滴下量を調節することによって被覆層の厚みを制御した。
粒子の物性値と光散乱粒子としての評価結果を表2に示した。
実施例13
以下の手順により、核部を構成する粒子を製造した以外は、実施例1と同様にして無機酸化物粒子を製造した。
3リットルの三角フラスコに、メチルシリケート(Si(OMe)、多摩化学工業(株)、商品名;正珪酸メチル)794.5gを仕込み、撹拌しながら、メチルアルコール300gと0.035質量%塩酸42gを加え、室温で約10分間撹拌することによってメチルシリケートを部分加水分解した。
続いて、テトライソプロポキシチタン(Ti(OiPr)、日本曹達(株)、品名;A−1(TPT))221.7gをイソプロピルアルコール469gで希釈した液を加え、透明な均一溶液からなる原料(SiとTiの複合アルコキシド)1827gを得た。なお仕込み組成より、このときのTiの含有率は、13.0モル%であった。なお上記部分加水分解時におけるシリコン以外の周期表4族または14族の金属のアルコキシドに対する水の当量(Y値)は、3.0であった。
次に、攪拌機付きのガラス製反応容器(内容積5リットル)に、イソプロピルアルコールおよびアンモニア水(25質量%)をそれぞれ390gおよび110g仕込み、よく混合して反応液を調製し、反応液の温度を40℃に保持した。原料となる上記の複合アルコキシド溶液とアンモニア水(25質量%)350gを反応液中にそれぞれ独立に液中同時滴下した。滴下を開始してから数分後に反応液が白濁し始め、シリカとチタニアからなる複合酸化物粒子が生成していることがわかった。約7時間かけて全ての原料とアンモニア水を滴下し、核部となる複合酸化物粒子を製造した。
反応容器内のスラリーを半分抜き取った後、引き続き、実施例1と同様にして被覆層を形成し、無機酸化物粒子を製造した。
なお、上記で抜き取った核部となる複合酸化物粒子を分析すると、0.5μmの球状粒子であった。
Figure 2006052128
Figure 2006052128
比較例1
実施例3と同様にして製造した核粒子(シリカ)を用いて光散乱粒子としての特性を評価した。
粒子の物性値と光散乱粒子としての評価結果を表3に示した。
比較例2
被覆層の厚みが0.01μmになるようにした以外は実施例3と同様にして無機酸化物粒子を調製した。
粒子の物性値と光散乱粒子としての評価結果を表3に示した。
以上のように、シリカのみからなる粒子や被覆層の厚みが0.01μmと薄い場合にはヘイズ値が小さく、光散乱性能が不十分であることがわかった。
比較例3
光散乱粒子として市販のポリマービーズ(アクリル樹脂製、屈折率1.49、平均粒子径1.52μm)を使用し、実施例1と同様にして光散乱体を試作した。
評価結果を表3に示したが、光散乱効率は非常に低かった。
比較例4
光散乱粒子として市販の結晶性のアルミナ粒子(屈折率1.76、平均粒子径2.05μm)を使用し、実施例1と同様にして光散乱体を試作した。
評価結果を表3に示した。ヘイズ値は高いものの、全光線透過率は低いことがわかった。即ち、結晶性の光散乱粒子が光の透過を遮蔽するためではないかと予想された。また、フィラーの形状が不定形で、粗大粒子を含んでいるため、平滑なコート膜の試作が難しかった(塗工筋が発生し易く、コート膜の表面はざらつき感があった)。
Figure 2006052128
実施例14
本発明の無機酸化物粒子を用いたコーティング膜の耐光性を調べた。実施例8、10、および11で得られた無機酸化物粒子の各1gとアクリル樹脂4gとを、溶剤としてメチルエチルケトンを用いて高シェアのブレンダーを用いて十分に混合し、コーティング液を調製した。このコーティング液を乾燥後の膜厚が約100μmになるようにガラス基板上に塗布した。耐光性試験にはサンシャインウェザーメーター(キセノンランプ40W/m)を用い、24時間毎の膜の劣化具合を観察した。
その結果、粒子の最外層にシリカ層を被覆した三層構造の粒子(実施例10と11)が、シリカ層を被覆していない二層構造の粒子(実施例8)に比べてコーティング膜の劣化が約1/3以下に抑えられることがわかった。
図1は、本発明の無機酸化物粒子において、被覆層の屈折率を換算するのに使用した、核部を有さないシリカ系複合酸化物粒子におけるチタニア含有率と屈折率との関係を示す相関図である。

Claims (4)

  1. シリカを主成分とする核部と、シリカとシリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物とを主成分とするシリカ系複合酸化物の被覆層とよりなる無機酸化物粒子であって、該粒子の平均粒子径が1.1〜10μmであり、電子顕微鏡の撮影像から求められる円形度が0.8以上であり、且つ前記被覆層が、0.03μm以上の厚みを有し、シリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物を22〜70モル%の範囲で含有したものであることを特徴とする無機酸化物粒子。
  2. シリコン以外の周期表4族または14族の金属の酸化物が、チタニアおよび/またはジルコニアであることを特徴とする請求項1記載の無機酸化物粒子。
  3. 被覆層の表面に、最外層としてシリカ層が被覆されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の無機酸化物粒子。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の無機酸化物粒子が、該無機酸化物粒子の被覆層の屈折率よりも0.1以上小さい屈折率を有する透明性樹脂に配合されてなる光散乱体用樹脂組成物。


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