JP2002284017A - 衝撃吸収式ステアリングコラム装置 - Google Patents

衝撃吸収式ステアリングコラム装置

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JP2002284017A
JP2002284017A JP2001085206A JP2001085206A JP2002284017A JP 2002284017 A JP2002284017 A JP 2002284017A JP 2001085206 A JP2001085206 A JP 2001085206A JP 2001085206 A JP2001085206 A JP 2001085206A JP 2002284017 A JP2002284017 A JP 2002284017A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転者の体格や車速等に応じて、二次衝突時
のエネルギ吸収量を調整できるようにすること。 【解決手段】 車両の衝突時に乗員の二次衝突エネルギ
を吸収する際、この二次衝突エネルギの吸収量を2種類
に調整するでき、二次衝突エネルギの吸収量を多い方に
調整している場合、エネルギ吸収荷重は、コラプススト
ロークの進行に対して、ほぼ一定を維持した後、その途
中で増大して、その後ほぼ一定を維持している。また、
二次衝突エネルギの吸収量を多い方に調整している場
合、エネルギ吸収荷重は、コラプスストロークの進行に
対して、ほぼ一定を維持した後、その途中から徐々に増
大している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、運転者の体格や車
速等に応じて二次衝突時のエネルギ吸収量を調整できる
衝撃吸収式ステアリングコラム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車が他の自動車や建造物等に衝突し
た場合、運転者が慣性でステアリングホイールに二次衝
突することがある。近年の乗用車等では、このような場
合における運転者の受傷を防止するべく、衝撃吸収式ス
テアリングシャフトや衝撃吸収式ステアリングコラム装
置が広く採用されている。衝撃吸収式ステアリングコラ
ム装置は、運転者が二次衝突した際にステアリングコラ
ムがステアリングシャフトと共に離脱するもので、通常
はステアリングシャフトと同時にコラプスし、その際に
衝突エネルギの吸収が行われる。
【0003】衝突エネルギの吸収方式としては、ステア
リングコラムの一部に形成されたメッシュ部を圧縮座屈
変形させるメッシュ式が旧来より知られているが、特公
昭46−35527号公報等に記載されたように、アウ
タコラムとインナコラムとの間に金属球を介装させ、コ
ラプス時にアウタコラムの内周面やインナコラムの外周
面に塑性溝を形成させるボール式も広く採用されてい
る。
【0004】また、特開平9−193812号公報等に
記載されたしごき式も採用されている。しごき式の衝突
エネルギ吸収機構は、例えば、金属製のワイヤの基端を
コラム側ブラケットに係止し、このワイヤを車体側のチ
ルトボルトに巻回した後、車両前方に向けて延在してあ
り、ステアリングコラムが前方に移動する際に、チルト
ボルトによりワイヤをしごき変形させる構成をとってい
る。
【0005】更に、実開平5−68776号公報等に記
載された引裂き式も一部に採用されている。引裂き式の
衝突エネルギ吸収機構は、例えば、帯形状の鋼板からな
るエネルギ吸収部材の中央部を車体側ブラケットに固着
させる一方、その両側部をU字形状に屈曲させてステア
リングコラム側に固着させ、ステアリングコラムが前方
に移動する際にエネルギ吸収部材を曲げ変形させながら
引裂く構成を採っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した衝撃吸収式ス
テアリングコラム装置では、所定のコラプス荷重が作用
した場合にステアリングコラムがコラプスするが、通
常、このコラプス荷重は、標準的な体重の運転者が所定
の速度でステアリングホイールに二次衝突した際の運動
エネルギを基に設定されている。
【0007】しかしながら、例えば、運転者の体重が軽
い場合、又は車速が低速である場合には、その運動エネ
ルギが小さくなる一方、運転者の体重が重い場合、又は
運転者の体重が軽くても車速が高速である場合には、そ
の運動エネルギが大きくなり、その結果、運転者の体格
や車速等に応じてエネルギ吸収量を調整できないといっ
たことがある。
【0008】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであって、運転者の体格や車速等に応じて二次衝突
時のエネルギ吸収量を調整できるようにした衝撃吸収式
ステアリングコラム装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の請求項1に係る衝撃吸収式ステアリングコ
ラム装置は、車両の衝突時に乗員の二次衝突エネルギを
吸収し、この二次衝突エネルギの吸収量を2種類以上に
調整できる衝撃吸収式ステアリングコラム装置であっ
て、二次衝突エネルギの吸収量を多い方に調整している
場合、エネルギ吸収荷重は、コラプスストロークの進行
に対して、ほぼ一定を維持した後、その途中で増大し
て、その後ほぼ一定を維持することを特徴とする。
【0010】このように、請求項1によれば、二次衝突
エネルギの吸収量を多い方に調整している場合、エネル
ギ吸収荷重は、コラプスストロークの進行に対して、ほ
ぼ一定を維持した後、その途中で増大して、その後ほぼ
一定を維持している。したがって、運転者の体格や車速
等に応じて二次衝突時のエネルギ吸収量を調整でき、運
転者の体重が重い場合、又は運転者の体重が軽くても車
速が高速である場合のように、その運動エネルギが大き
い場合に非常に有効である。
【0011】また、本発明の請求項4に係る衝撃吸収式
ステアリングコラム装置は、車両の衝突時に乗員の二次
衝突エネルギを吸収し、この二次衝突エネルギの吸収量
を2種類以上に調整できる衝撃吸収式ステアリングコラ
ム装置であって、二次衝突エネルギの吸収量を多い方に
調整している場合、エネルギ吸収荷重は、コラプススト
ロークの進行に対して、ほぼ一定を維持した後、その途
中から徐々に増大していくことを特徴とする。
【0012】このように、請求項4によれば、二次衝突
エネルギの吸収量を多い方に調整している場合、エネル
ギ吸収荷重は、コラプスストロークの進行に対して、ほ
ぼ一定を維持した後、その途中から徐々に増大してい
る。したがって、勿論、運動エネルギが大きい場合に非
常に有効であり、加えて、コラプスストロークに十分な
余裕がない構造の場合、フルストロークして底付きする
と、ピーク荷重が発生するが、請求項4では、ストロー
クの後半で徐々に荷重を増加させることにより、底付き
のピークを無くすことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
衝撃吸収式ステアリングコラム装置を図面を参照しつつ
説明する。 (第1実施の形態)図1は、本発明の第1実施の形態に
係る車両用チルト式ステアリング装置の側面図である。
図2は、図1に示したステアリング装置の平面図であ
る。図3は、図1のA−A線に沿った断面図である。図
4は、図1のB−B線に沿った断面図である。図5は、
二次衝突エネルギの吸収量が少なくなるように調整した
場合の作用図である。図6は、二次衝突エネルギの吸収
量が多くなるように調整した場合の作用図である。図7
(a)(b)は、それぞれ、二次衝突エネルギの吸収量
が少なくなるように調整した場合と多くなるように調整
した場合の静的荷重特性のグラフである。
【0014】図1に示すように、ステアリングコラム1
内には、ステアリングシャフト2が回転自在に支持して
あり、このステアリングコラム1の車両前方には、車体
に固定したロア側取付ブラケット3が設けてある。
【0015】このロア側取付ブラケット3の内側には、
ステアリングコラム1に固定したロア側ディスタンスブ
ラケット4が圧接しながら、チルト中心ボルト5により
揺動自在に支持してある。これにより、ステアリングコ
ラム1は、チルト中心ボルト5の廻りにチルト傾動でき
るようになっている。また、ロア側取付ブラケット3に
は、車両前方に開口した切欠き溝6が形成してあり、二
次衝突のステアリングコラム1の離脱時、ロア側ディス
タンスブラケット4とチルト中心ボルト5がステアリン
グコラム1と共に車両前方に移動できるようになってい
る。
【0016】ステアリングコラム1の中央部には、チル
ト締付・解除のためのロック機構が設けてある。図3に
も示すように、車体に固定したチルトブラケット7の内
側に、ステアリングコラム1に固定したディスタンスブ
ラケット8が圧接してある。チルトブラケット7のチル
ト用長孔9及びディスタンスブラケット8の切欠き溝1
0には、チルト固定ボルト11が通挿してあり、その先
端ネジ部がカシメナット12により取付けてある。
【0017】チルト固定ボルト11の頭部側には、スラ
スト軸受13を介してチルトレバー14が設けてあり、
このチルトレバー14には、山部や谷部を有する第1カ
ム部材15と、この第1カム部材15の山部や谷部に係
合する山部や谷部を有する非回転の第2カム部材16と
からなるカム機構が設けてある。これにより、チルト締
付時には、チルトレバー14を回動すると、第1及び第
2カム部材15,16の山部同士が係合して、チルト固
定ボルト11を軸方向に締付け、チルトブラケット7を
ディスタンスブラケット8に圧接して押圧する一方、チ
ルト解除時には、チルトレバー14を逆方向に回動する
と、第1及び第2カム部材15,16の山部と谷部が係
合して、チルト固定ボルト11の軸方向の締付を解除
し、両ブラケット7,8の圧接を解除するようになって
いる。また、ディスタンスブラケット8の切欠き溝10
は、車両後方に向けて開口してあるため、二次衝突のス
テアリングコラム1の離脱時、ディスタンスブラケット
8は、チルト固定ボルト11から離脱してステアリング
コラム1と共に車両前方に移動できるようになってい
る。
【0018】図1及び図2に示すように、ディスタンス
ブラケット8の車両前方側には、フック20が設けてあ
り、このフック20に、金属製の第1エネルギ吸収ワイ
ヤ21の基部が係止してある。この第1エネルギ吸収ワ
イヤ21は、フック20に係止した基部から両側方を車
両後方に向けて延びて、チルト固定ボルト11を巻回し
た後、車両前方に向けて延在してある。
【0019】ステアリングコラム1に取付けたブラケッ
ト22に、電磁アクチュエータ23が設けてあり、この
電磁アクチュエータ23のソレノイド24により作動す
るプランジャー25に、金属製の第2エネルギ吸収ワイ
ヤ26の基部が係止してある。これにより、プランジャ
ー25を収納すると、第2エネルギ吸収ワイヤ26は、
非作動の状態になり、プランジャー25を突出すると、
作動可能の状態になる。なお、第2エネルギ吸収ワイヤ
26の作動/非作動の切替は、電磁アクチュエータに限
らず、モータやガス発生装置等であってもよい。
【0020】この第2エネルギ吸収ワイヤ26は、プラ
ンジャー25に係止した基部から両側方を車両後方に向
けて延びて、チルト固定ボルト11の後方を巻回した
後、車両前方に向けて延在してある。但し、図1に示す
ように、チルト固定ボルト11と、第2エネルギ吸収ワ
イヤ26の曲げ部26aとの間には、第2エネルギ吸収
ワイヤ26が時間遅れで作動するための空走距離(L)
が設定してある。
【0021】また、電磁アクチュエータ23は、ECU
(電子制御装置)27により制御するように構成してあ
り、このECU27には、ドライバーの体格、シートベ
ルトの有無、車速等の運転者や車両状態の情報が入力す
るようになっており、ECU27は、この情報に基づい
て、二次衝突エネルギの吸収量を少なくするか又は多く
するかの判別を行うようになっている。
【0022】上記のように構成したステアリング装置に
おいて、車両の走行開始時や走行中、運転者の体重が軽
い場合又は車速が低速である場合等のように、その運動
エネルギが小さく、二次衝突エネルギの吸収量が少なく
てよいとECU27が判別した場合には、ECU27の
指令に基づいてソレノイド24によりプランジャー25
を収納し、第2エネルギ吸収ワイヤ26を非作動の状態
にする。
【0023】この際、二次衝突が発生して、ステアリン
グコラム1が車体から離脱して車両前方に移動すると、
図5に示すように、第1エネルギ吸収ワイヤ21のみが
ディスタンスブラケット8のフック20に引っ張られな
がら、チルト固定ボルト11にしごかれて、コラプス荷
重を吸収する。このように、第2エネルギ吸収ワイヤ2
6が作動せず、第1エネルギ吸収ワイヤ21のみが作動
する際の静的荷重特性(コラプスストロークに対する作
動荷重の関係)は、図7(a)に示すように、立ち上が
り後、ほぼ一定を維持するようになっている。
【0024】一方、車両の走行開始時や走行中、運転者
の体重が重い場合又は運転者の体重が軽くても車速が高
速である場合等のように、その運動エネルギが大きく、
二次衝突エネルギの吸収量を多くする必要があるとEC
U27が判別した場合には、ECU27の指令に基づい
てソレノイド24によりプランジャー25を突出し、第
1エネルギ吸収ワイヤ21に加えて、第2エネルギ吸収
ワイヤ26を作動可能の状態にする。
【0025】この際、二次衝突が発生して、ステアリン
グコラム1が車体から離脱して車両前方に移動すると、
図6に示すように、第1エネルギ吸収ワイヤ21は、ス
テアリングコラム1の移動と同時に、ディスタンスブラ
ケット8のフック20に引っ張られながらチルト固定ボ
ルト11にしごかれてコラプス荷重を吸収する。
【0026】第2エネルギ吸収ワイヤ26は、図6に示
すように、ステアリングコラム1の移動と同時に、プラ
ンジャー25に引っ張られるが、チルト固定ボルト11
と第2エネルギ吸収ワイヤ26の曲げ部26aとの間
に、空走距離(L、図1)が設定してあるため、第2エ
ネルギ吸収ワイヤ26は、第1エネルギ吸収ワイヤ21
より時間遅れで作動を開始し、コラプス途中からチルト
固定ボルト11にしごかれてコラプス荷重を吸収する。
【0027】このように、第1エネルギ吸収ワイヤ21
の作動に、コラプス途中から、第2エネルギ吸収ワイヤ
26の作動が加わるため、その静的荷重特性(コラプス
ストロークに対する作動荷重の関係)は、図7(b)に
示すように、立ち上がり後、ほぼ一定を維持した後、そ
の途中で増大して、その後ほぼ一定を維持するようにな
っている。
【0028】以上のように、本第1実施の形態では、運
転者の体格や車速等に応じて二次衝突時のエネルギ吸収
量を2種類に調整でき、運転者の体重が重い場合、又は
運転者の体重が軽くても車速が高速である場合のよう
に、その運動エネルギが大きい場合に非常に有効であ
る。また、チルト固定ボルト11と第2エネルギ吸収ワ
イヤ26の曲げ部26aとの間に、空走距離(L、図
1)が設定してあるため、コラプスの動き出し荷重を低
くすることができ、動き出しをスムーズにすることがで
きる。 (第2実施の形態)図8は、本発明の第2実施の形態に
係る車両用チルト式ステアリング装置の側面図である。
図9は、図8に示したステアリング装置の平面図であ
る。図10は、図8のC−C線に沿った断面図である。
図11は、図8のD−D線に沿った断面図である。図1
2は、二次衝突エネルギの吸収量が少なくなるように調
整した場合の作用図である。図13(a)は、エキスパ
ンドプレートが伸長した状態の平面図であり、図13
(b)は、二次衝突エネルギの吸収量が多くなるように
調整した場合の作用図である。図14は、エキスパンド
プレート単体の静的荷重特性のグラフである。図15
(a)(b)は、それぞれ、二次衝突エネルギの吸収量
が少なくなるように調整した場合と多くなるように調整
した場合の静的荷重特性のグラフである。
【0029】本第2実施の形態では、第2エネルギ吸収
部材として、ワイヤに代えて、エキスパンドプレート3
0を用いている。このエキスパンドプレート30は、そ
の軸方向に衝撃荷重が加えられると、図13(a)に示
すように、伸張しながら衝撃エネルギを吸収するもので
あり、その静的荷重特性は、図14に示すように、スト
ロークに対して作動荷重が徐々に増大するものであり、
その構成としては、多数の孔を有していてもよく、ま
た、波形に形成してあってもよい。
【0030】このエキスパンドプレート30の基部で
は、図8乃至図10に示すように、この基部に立設した
フランジ31,31に、チルト固定ボルト11が通挿し
てある。エキスパンドプレート30の先端部には、図8
乃至図11に示すように、軸方向の長孔32が形成して
あり、この長孔32には、電磁アクチュエータ23のプ
ランジャー25が係止してある。これにより、プランジ
ャー25を収納すると、エキスパンドプレート30は、
非作動の状態になり、プランジャー25を突出すると、
作動可能の状態になる。
【0031】また、プランジャー25がエキスパンドプ
レート30の長孔32に係合する関係になっているた
め、二次衝突のコラプス時、プランジャー25がステア
リングコラム1と共に車両前方に移動しても、エキスパ
ンダプレート30は、コラプスと同時に伸張(作動)す
ることがなく、時間遅れで伸張(作動)するようになっ
ている。
【0032】このように、本第2実施の形態では、車両
の走行開始時や走行中、運転者の体重が軽い場合又は車
速が低速である場合等のように、その運動エネルギが小
さく、二次衝突エネルギの吸収量が少なくてよいとEC
U27が判別した場合には、ECU27の指令に基づい
てソレノイド24によりプランジャー25を収納し、エ
キスパンドプレート30を非作動の状態にする。
【0033】この際、二次衝突が発生して、ステアリン
グコラム1が車体から離脱して車両前方に移動すると、
図12に示すように、第1エネルギ吸収ワイヤ21のみ
がディスタンスブラケット8のフック20に引っ張られ
ながら、チルト固定ボルト11にしごかれて、コラプス
荷重を吸収する。このように、エキスパンドプレート3
0が作動せず、第1エネルギ吸収ワイヤ21のみが作動
する際の静的荷重特性(コラプスストロークに対する作
動荷重の関係)は、図15(a)に示すように、立ち上
がり後、ほぼ一定を維持するようになっている。
【0034】一方、車両の走行開始時や走行中、運転者
の体重が重い場合又は運転者の体重が軽くても車速が高
速である場合等のように、その運動エネルギが大きく、
二次衝突エネルギの吸収量を多くする必要があるとEC
U27が判別した場合には、ECU27の指令に基づい
てソレノイド24によりプランジャー25を突出し、第
1エネルギ吸収ワイヤ21に加えて、エキスパンドプレ
ート30を作動可能の状態にする。
【0035】この際、二次衝突が発生して、ステアリン
グコラム1が車体から離脱して車両前方に移動すると、
図13(b)に示すように、第1エネルギ吸収ワイヤ2
1は、ステアリングコラム1の移動と同時に、ディスタ
ンスブラケット8のフック20に引っ張られながらチル
ト固定ボルト11にしごかれてコラプス荷重を吸収す
る。
【0036】一方、突出したプランジャー25は、コラ
プスと同時にステアリングコラム1と共に車両前方に移
動するが、エキスパンドプレート30の長孔32に係合
する関係になっているため、エキスパンドプレート30
は、第1エネルギ吸収ワイヤ21より時間遅れで伸張
(作動)を開始し、コラプス途中から伸張しながらコラ
プス荷重を吸収する。
【0037】このように、第1エネルギ吸収ワイヤ21
の作動に、コラプス途中から、エキスパンダプレート3
0の伸長(作動)が加わるため、その静的荷重特性(コ
ラプスストロークに対する作動荷重の関係)は、図15
(b)に示すように、立ち上がり後、ほぼ一定を維持し
た後、その途中から徐々増大していくようになってい
る。
【0038】以上のように、本第2実施の形態では、勿
論、運動エネルギが大きい場合に非常に有効であり、加
えて、コラプスストロークに十分な余裕がない構造の場
合、フルストロークして底付きすると、ピーク荷重が発
生するが、本第2実施の形態では、ストロークの後半で
徐々に荷重を増加させることにより、底付きのピークを
無くすことができる。
【0039】なお、本発明は、上述した実施の形態に限
定されず、種々変形可能である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1によれ
ば、二次衝突エネルギの吸収量を多い方に調整している
場合、エネルギ吸収荷重は、コラプスストロークの進行
に対して、ほぼ一定を維持した後、その途中で増大し
て、その後ほぼ一定を維持している。したがって、運転
者の体格や車速等に応じて二次衝突時のエネルギ吸収量
を調整でき、運転者の体重が重い場合、又は運転者の体
重が軽くても車速が高速である場合のように、その運動
エネルギが大きい場合に非常に有効である。
【0041】また、請求項4によれば、二次衝突エネル
ギの吸収量を多い方に調整している場合、エネルギ吸収
荷重は、コラプスストロークの進行に対して、ほぼ一定
を維持した後、その途中から徐々に増大している。した
がって、勿論、運動エネルギが大きい場合に非常に有効
であり、加えて、コラプスストロークに十分な余裕がな
い構造の場合、フルストロークして底付きすると、ピー
ク荷重が発生するが、請求項4では、ストロークの後半
で徐々に荷重を増加させることにより、底付きのピーク
を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る車両用チルト式
ステアリング装置の側面図である。
【図2】図1に示したステアリング装置の平面図であ
る。
【図3】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図4】図1のB−B線に沿った断面図である。
【図5】二次衝突エネルギの吸収量が少なくなるように
調整した場合の作用図である。
【図6】二次衝突エネルギの吸収量が多くなるように調
整した場合の作用図である。
【図7】(a)(b)は、それぞれ、二次衝突エネルギ
の吸収量が少なくなるように調整した場合と多くなるよ
うに調整した場合の静的荷重特性のグラフである。
【図8】本発明の第2実施の形態に係る車両用チルト式
ステアリング装置の側面図である。
【図9】図8に示したステアリング装置の平面図であ
る。
【図10】図8のC−C線に沿った断面図である。
【図11】図8のD−D線に沿った断面図である。
【図12】二次衝突エネルギの吸収量が少なくなるよう
に調整した場合の作用図である。
【図13】(a)は、エキスパンドプレートが伸びた状
態の平面図であり、(b)は、二次衝突エネルギの吸収
量が多くなるように調整した場合の作用図である。
【図14】エキスパンドプレート単体の静的荷重特性の
グラフである。
【図15】(a)(b)は、それぞれ、二次衝突エネル
ギの吸収量が少なくなるように調整した場合と多くなる
ように調整した場合の静的荷重特性のグラフである。
【符号の説明】 1 ステアリングコラム 2 ステアリングシャフト 3 ロア側ディスタンスブラケット 4 ロア側取付ブラケット 5 チルト中心ボルト 6 切欠き溝 7 チルトブラケット 8 ディスタンスブラケット 9 チルト用長孔 10 切欠き溝 11 チルト固定ボルト 12 カシメナット 13 スラスト軸受 14 チルトレバー 15 第1カム部材 16 第2カム部材 20 フック 21 第1エネルギ吸収ワイヤ(第1エネルギ吸収部
材) 22 ブラケット 23 電磁アクチュエータ 24 ソレノイド 25 プランジャー 26 第2エネルギ吸収ワイヤ(第2エネルギ吸収部
材) 27 ECU 30 エキスパンドプレート(第2エネルギ吸収部材) 31 フランジ 32 長孔

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の衝突時に乗員の二次衝突エネルギを
    吸収し、この二次衝突エネルギの吸収量を2種類以上に
    調整できる衝撃吸収式ステアリングコラム装置であっ
    て、 二次衝突エネルギの吸収量を多い方に調整している場
    合、エネルギ吸収荷重は、コラプスストロークの進行に
    対して、ほぼ一定を維持した後、その途中で増大して、
    その後ほぼ一定を維持することを特徴とする衝撃吸収式
    ステアリングコラム装置。
  2. 【請求項2】二次衝突エネルギの吸収量を少ない方に調
    整している場合には、二次衝突と略同時に作動する第1
    エネルギ吸収部材により二次衝突エネルギを吸収する一
    方、二次衝突エネルギの吸収量を多い方に調整している
    場合には、第1エネルギ吸収部材に加えて、第1エネル
    ギ吸収部材より時間遅れで作動する第2エネルギ吸収部
    材により二次衝突エネルギを吸収することを特徴とする
    請求項1に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  3. 【請求項3】前記第1及び第2エネルギ吸収部材は、金
    属製のワイヤであることを特徴とする請求項2に記載の
    衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  4. 【請求項4】車両の衝突時に乗員の二次衝突エネルギを
    吸収し、この二次衝突エネルギの吸収量を2種類以上に
    調整できる衝撃吸収式ステアリングコラム装置であっ
    て、 二次衝突エネルギの吸収量を多い方に調整している場
    合、エネルギ吸収荷重は、コラプスストロークの進行に
    対して、ほぼ一定を維持した後、その途中から徐々に増
    大していくことを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコ
    ラム装置。
  5. 【請求項5】二次衝突エネルギの吸収量を少ない方に調
    整している場合には、二次衝突と略同時に作動する第1
    エネルギ吸収部材により二次衝突エネルギを吸収する一
    方、二次衝突エネルギの吸収量を多い方に調整している
    場合には、第1エネルギ吸収部材に加えて、第1エネル
    ギ吸収部材より時間遅れで作動する第2エネルギ吸収部
    材により二次衝突エネルギを吸収することを特徴とする
    請求項4に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  6. 【請求項6】前記第1エネルギ吸収部材は、金属製のワ
    イヤであり、前記第2エネルギ吸収部材は、エキスパン
    ドプレートであることを特徴とする請求項5に記載の衝
    撃吸収式ステアリングコラム装置。
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