JP2002283191A - 刃具選択方法及び工具自動決定装置 - Google Patents
刃具選択方法及び工具自動決定装置Info
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Abstract
工条件に最適な刃具を選択し、その刃具をホルダに要求
値と等しい突出し長さで組み合わせる。 【解決手段】 加工条件入力部1にてCAD/CAMシ
ステムから要求された加工条件を入力し、刃具情報記憶
部2に刃具のシャンク形状及び加工条件に対する適合度
を記憶する。刃具選択部3は加工条件に該当する適合度
を合計し合計値が最大の刃具を選択する。ホルダ・コレ
ット情報記憶部4にホルダとコレットに関連する情報を
記憶し、ホルダ・コレット選択部5が機種及びシャンク
形状に適合するホルダとコレットを選択する。工具セッ
ト作成部6はホルダに対する刃具の突出し長さを含む工
具組合せ情報を作成し、切削条件設定部7にて突出し長
さに適合する切削条件を設定し、工具情報出力部8が工
具組合せ情報及び切削条件を出力する。
Description
て、加工条件に適した刃具を選択する方法、及び、選択
した刃具をホルダに組み合わせて工具を自動的に決定す
る装置に関するものである。
を作成するにあたり、CAD/CAMシステム又はオペ
レータにより指定された加工条件をもとに、その加工に
適した刃具を工具データベースから選択する方法が知ら
れている。例えば、特開平6−246597号公報に
は、刃具に対し特定の加工条件をキーワードで関連付け
て工具情報テーブルを作成し、多数のテーブルを工具情
報知識ベースに登録し、この知識ベースを問い合せ式を
用いて検索し、要求された加工条件に適合する刃具を選
び出す技術が開示されている。
は、加工条件に対し特定の刃具及びホルダを関連付けて
刃具・ホルダ情報管理ファイルに登録し、CAD/CA
Mシステムに入力された加工内容をもとに刃具・ホルダ
情報管理ファイルを参照して、加工に最適で本数が最小
限になる刃具を選択するととともに、刃具の全長とホル
ダの最大つかみ代とから刃具の突出し長さを算出して、
工具セットを作成する技術が開示されている。
よると、加工条件と刃具とを固定的に関連付けているた
め、金型のエンドミル加工など刃具の送り方向や仕上げ
程度が多岐にわたる場合に、要求条件を満たす刃具を検
索できなかったり、逆に、要求条件が少ない場合に、多
数の刃具が選択されたりする可能性が高かった。従っ
て、刃具の最終決定に際して人間系の設定操作(特開平
6−246597号公報の段落番号0021参照)が必
要になり、習熟しないオペレータには取扱が困難であっ
た。
械を想定して工具セットを作成しているため、複数種の
機械が稼動する工場の場合に、刃具・ホルダ情報管理フ
ァイルを機械毎に登録する必要があり、工具管理システ
ムが複雑化する問題点があった。特に、突出し長さの算
出にあたっては、ホルダ側の最大つかみ代を固定値とし
て用いているので(特開平10−156662号公報の
段落番号0043参照)、ホルダに対する刃具の突出し
長さが一定に制限され、刃具及びホルダを工具干渉を避
けるための要求値と等しい突出し長さで組み合わせるこ
とができなかった。しかも、刃具側のつかみ代が考慮さ
れていないため、長い刃具の場合につかみ代が不足し、
加工精度に悪影響を及ぼすおそれもあった。
角的に評価して、要求された加工条件に最適な刃具を選
択できる刃具選択方法、並びに、複数種の工作機械に汎
用して、最適な工具セットを作成できる工具自動決定装
置を提供することにある。
めに、請求項1の発明による刃具選択方法は、加工条件
毎に刃具の適合度を記憶し、要求された加工条件に該当
する適合度を合計し、合計値が最大の刃具を選択するこ
とを特徴とする。
計値が最大の刃具が複数ある場合に、加工条件の優先順
に最大適合度の刃具を選択することを特徴とする。
は、加工条件を入力する加工条件入力部と、刃具に関連
する情報を記憶する刃具情報記憶部と、加工条件に適合
する刃具を選択する刃具選択部と、ホルダに関連する情
報を記憶するホルダ情報記憶部と、工作機械の種類及び
刃具に適合するホルダを選択するホルダ選択部とからな
ることを特徴とする。
は、ホルダに対する刃具の突出し長さを含む組合せ情報
を作成する工具セット作成部と、突出し長さに適合する
切削条件を設定する切削条件設定部と、組合せ情報及び
切削条件を出力する工具情報出力部とを備えたことを特
徴とする。
は、工具セット作成部が刃具の最大及び最小つかみ代と
ホルダの最大及び最小つかみ代とに基づいて入力値と略
等しい突出し長さを算出する手段を備えたことを特徴と
する。
は、切削条件設定部が刃具に固有の基準条件を突出し長
さによる刃具の剛性変化に応じて変更する手段を備えた
ことを特徴とする。
に基づいて説明する。この実施形態の工具自動決定装置
は図1に示す機能部から構成され、図2に示す手順で工
具を自動的に決定する。加工条件入力部1はCAD/C
AMシステム又はオペレータから要求された加工条件を
入力する(ステップS1)。加工条件には、刃具の刃先
形状、仮想刃先径、刃先の突出し長さ、刃具の送り方
向、仕上げ程度、ワークの素材名、工作機械の種類(機
械名)等が含まれる。
照)に関連する情報が記憶されている。この刃具情報に
は、刃具のシャンクタイプ(ストレート、サイドロック
等)、シャンク長、最大シャンクつかみ代及び最小シャ
ンクつかみ代等のシャンク形状情報と、加工条件に対す
る刃具の適合度情報とが含まれる。そして、刃具選択部
3はこの適合度情報に基づいて最適な刃具を選択する
(ステップS2)。
情報は工場に保管されている全ての刃具について予め図
3に示すフォーマットで記憶されている。ここで加工条
件は、ワークの素材を定義する素材区分、刃具の送り方
向を定義する方向区分、仕上げ程度を定義する仕上げ区
分の3項目に分類され、各項目毎に刃具の周速、送り速
度及び切込速度等を考慮して5段階の適合度(1が不適
合、5が最適合)が付されている。
条件に該当する適合度を合計し、その合計値が最大の刃
具を選択する。また、合計値が最大の刃具が複数ある場
合に、刃具選択部3は加工条件の優先順に最大適合度の
刃具を選択する。例えば図4において、最優先の加工条
件が素材区分であれば刃具1を、方向区分であれば刃具
2を、仕上げ区分であれば刃具3を選択し、各項目にそ
れぞれ同じ適合度の刃具が複数あればオペレータが最終
的に決定する。
刃具の適合度が付されているため、金型加工など素材や
送り方向や仕上げ程度が多岐にわたる場合でも、3項目
にわたる適合度を合計して刃具の適性を多角的に評価
し、多数の刃具のうちから要求条件を満たす最適な刃具
を簡単に選択でき、もって、高精度、高能率加工に貢献
することができる。また、加工条件の優先順位を考慮し
た手法を用いているので、習熟しないオペレータであっ
ても、合計値が同じ複数の刃具の中から一つを容易に厳
選することもできる。
ホルダ12及びコレット13(図5参照)に関連する情
報が記憶されている。ホルダ・コレット情報には、ホル
ダのタイプ、その内外径、最大ホルダつかみ代、最小ホ
ルダつかみ代、クーラント通路の有無、ホルダを主軸に
取り付けるためのプルスタッドボルトの規格、コレット
の内外径等のデータが含まれる。そして、ホルダ・コレ
ット選択部5は、入力された工作機械の種類と選択され
た刃具のシャンク形状とに適合するホルダ及びコレット
を選択する(ステップS3)。
できるタイプであって、かつ選択された刃具のシャンク
形状にも適合する寸法のホルダ及びコレットを選択する
ことができる。従って、複数種の工作機械が設置された
加工工場において、保有する多数の工具パーツを一元的
に管理し、そのうちから実際に使用する機械に適したパ
ーツを選択して、実加工に最適な工具セットを作成する
ことができる。また、予定と違う機械に変更された場合
でも、新たな機械情報を入力してパーツを再選択すれ
ば、工具セットをすばやく更新できて、生産ラインのフ
レキシビリティーが向上する。
れた刃具、ホルダ及びコレットの組み合わせに必要な工
具組合せ情報が作成される(ステップS4)。工具組合
せ情報には、ホルダに対する刃具の突出し長さが含まれ
る。工具セット作成部6は、刃具の最大及び最小つかみ
代とホルダの最大及び最小つかみ代とに基づいて、入力
値と略等しい突出し長さを算出する手段を備える。該手
段による突出し長さの算出方法を以下に詳述する。
2の組付長さは所定の範囲で調整可能である。刃具11
は、それ以下の長さでは十分な把握力が得られない最小
シャンクつかみ代(同図A参照)と、それ以上の長さで
はホルダ12で把握できない最大シャンクつかみ代(同
図B参照)とを持つ。刃具11の全長をシャンク長とす
ると、以下の関係が成立する。 シャンク長=最大突出し長さ+最小シャンクつかみ代 シャンク長=最小突出し長さ+最大シャンクつかみ代
長さでは十分な把握力が得られない最小ホルダつかみ代
と、それ以上の長さでは刃具11を把握できない最大ホ
ルダつかみ代とを持つ。なお、 最小ホルダつかみ代<最小シャンクつかみ代 の場合は、最小シャンクつかみ代が優先されるため、最
小ホルダつかみ代は最小シャンクつかみ代と等しいとみ
なされる。
にあたり、まず、選択されたホルダの中から要求された
突出し長さを確保できる深さのホルダを抽出する。図6
に示すように、要求突出し長さをL、そのプラス側許容
値をα、マイナス側許容値をβとすると、シャンク長が L+α+最大ホルダつかみ代≧シャンク長≧最小シャン
クつかみ代+L−β の関係を満たすホルダを抽出する。次に、そのうちから
最大ホルダつかみ代が シャンク長−L より大きくかつ最も近いホルダを決定する。
考慮して突出し長さλを決定する。シャンク長が (A)L+α+最大ホルダつかみ代≧シャンク長>L+
最大ホルダつかみ代 である場合は、刃具を最大ホルダつかみ代に相当する長
さでつかむため、突出し長さλaは λa=シャンク長−最大ホルダつかみ代 である。シャンク長が (B)L+最大ホルダつかみ代≧シャンク長>L+最小
シャンクつかみ代 である場合は、刃先端を要求突出し長さLに合わせて、
刃具を最小シャンクつかみ代以上、最大ホルダつかみ代
未満の長さでつかむため、突出し長さλbは λb=L である。また、シャンク長が (C)L+最小シャンクつかみ代>シャンク長≧L−β
+最小シャンクつかみ代 である場合は、刃具を最小シャンクつかみ代に相当する
長さでつかむため、突出し長さλcは λc=シャンク長−最小シャンクつかみ代 である。
つかみ代から最大ホルダつかみ代までの範囲で調整可能
であるから、刃具を要求値とほぼ等しい突出し長さでホ
ルダに組み付けることができる。従って、短い刃具の場
合にホルダがワークに干渉するおそれがなく、長い刃具
の場合につかみ代が不足して加工精度に悪影響を及ぼす
おそれもなく、実加工に適った切削効率のよい工具セッ
トを作成することができる。なお、図7の(B)及び
(C)に示す工具セットの場合は、突出し長さを確定す
るためのアジャスタ14がホルダ12に螺着される。
件設定部7は刃具の突出し長さに応じた切削条件を設定
する(ステップS5)。切削条件は刃具の周速、送り速
度及び切込速度を含む。先に選択された刃具は所要の加
工条件(素材区分、方向区分、仕上げ区分)に応じた切
削条件を持つが、これは図8に示すように、充分な剛性
を保有する保持具15で基準つかみ代を把握し基準切込
量で切削したときの基準となる条件である。切削条件設
定部7は、その刃具に固有の基準条件を突出し長さによ
る刃具の剛性変化に応じて変更する手段を備える。該手
段による基準条件の変更方法を以下に詳述する。
均荷重ωは次の一般式で求められる。 ω=μf(v,s,f) v:周速 s:切削面積 f:送り速度 μ:刃具に応じ
た比例定数 また、刃具の剛性については、一般に基準条件下の平均
荷重ωによる刃先のたわみ量σが適正であるとみなされ
る。従って、突出し長さの変化により刃具の剛性が変化
した場合に、このときのたわみ量が適正量と等しくなる
ような平均荷重とこれを生じさせる切削条件とを求めれ
ば、その突出し長さに最適な条件を設定することができ
る。
と、基準条件下における刃具の突出し長さがλであると
き、刃先のたわみ量σは σ=ωλ3/3EΙ より求められる。エンドミルの断面2次モーメントΙは Ι=πd4/64 であるから、刃先のたわみ量σは σ=64・ωλ3/3Eπd4 となり、定数部をαとすると、 σ=α・ω・λ3/d4 より求められる。
基準条件下のたわみ量σと等しくなる平均荷重ωは、 ω=σ・d4/α・λ3 より求められる。ここで、突出し長さλの変化率をβと
したときの平均荷重ω'は、 ω'=σ・d4/α・(βλ)3 =σ・d4/α・β3・λ3 =ω/β3 となる。つまり、適正な平均荷重は突出し長さ変化率の
3乗に反比例する。
件(v,s,f)を求めれば、これをその突出し長さにおける
最適条件として設定することができる。それ故、金型加
工等に際して、工具干渉や刃具振れを防止するために、
突出し長さを必要最小限に決定した場合でも、この突出
し長さに応じて刃具の剛性を変化させ、その工具セット
の性能を最大限に活かして、切削効率及び加工精度を向
上させることができる。
に、工具情報出力部8は、工具組合せ情報に切削条件を
合わせてパラメータファイル形式の工具情報を作成し、
これをCAD/CAMシステムの参照フィールドに出力
する(ステップS6)。従って、この実施形態の工具自
動決定装置によれば、CAD/CAMシステム又は自動
プログラミング装置を工具部門から支援して、工作機械
用のNCプログラムを効率よく作成することができる。
よれば、加工条件毎に付された適合度の合計値に基づい
て刃具を選択するので、刃具の適性を多角的に評価し
て、要求された加工条件に最適な刃具を選択できるとい
う優れた効果を奏する。
順を考慮して刃具を選択するので、合計値が同じ複数の
刃具が選択された場合でも、その中から一つを容易に厳
選できる効果がある。
ホルダを選択するので、複数種の工作機械が設置された
加工工場において、多数の工具パーツを一元的に管理
し、実機に適った工具を決定できる効果がある。
さに適した切削条件を付加して工具の組合せ情報を出力
するので、実加工に適った工具セットを簡単に入手でき
る効果がある。
双方のつかみ代を考慮して入力値と略等しい突出し長さ
を算出するので、切削効率のよい工具セットを簡単に入
手できる効果がある。
る刃具の剛性変化を考慮して切削条件を設定するので、
工具セットの性能を最大限に活かして、切削効率及び加
工精度を向上できる効果がある。
ブロック図である。
ット図である。
である。
刃具選択部、4・・ホルダ・コレット情報記憶部、5・
・ホルダ・コレット選択部、6・・工具セット作成部、
7・・切削条件設定部、8・・工具情報出力部、11・
・刃具、12・・ホルダ、13・・コレット。
Claims (6)
- 【請求項1】 加工条件毎に刃具の適合度を記憶し、要
求された加工条件に該当する適合度を合計し、合計値が
最大の刃具を選択する刃具選択方法。 - 【請求項2】 合計値が最大の刃具が複数ある場合に、
加工条件の優先順に最大適合度の刃具を選択する請求項
1記載の刃具選択方法。 - 【請求項3】 加工条件を入力する加工条件入力部と、
刃具に関連する情報を記憶する刃具情報記憶部と、加工
条件に適合する刃具を選択する刃具選択部と、ホルダに
関連する情報を記憶するホルダ情報記憶部と、工作機械
の種類及び刃具に適合するホルダを選択するホルダ選択
部とからなる工具自動決定装置。 - 【請求項4】 ホルダに対する刃具の突出し長さを含む
組合せ情報を作成する工具セット作成部と、突出し長さ
に適合する切削条件を設定する切削条件設定部と、組合
せ情報及び切削条件を出力する工具情報出力部とを備え
た請求項3記載の工具自動決定装置。 - 【請求項5】 工具セット作成部は、刃具の最大及び最
小つかみ代とホルダの最大及び最小つかみ代とに基づい
て入力値と略等しい突出し長さを算出する手段を備えた
請求項4記載の工具自動決定装置。 - 【請求項6】 切削条件設定部は、刃具に固有の基準条
件を突出し長さによる刃具の剛性変化に応じて変更する
手段を備えた請求項5記載の工具自動決定装置。
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