JP2002282768A - 塗布ローラ装着具 - Google Patents

塗布ローラ装着具

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JP2002282768A JP2001092435A JP2001092435A JP2002282768A JP 2002282768 A JP2002282768 A JP 2002282768A JP 2001092435 A JP2001092435 A JP 2001092435A JP 2001092435 A JP2001092435 A JP 2001092435A JP 2002282768 A JP2002282768 A JP 2002282768A
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達成 法木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のものよりも部品数が少なく、その
一方で、塗布ローラを良好に支持できる塗布ローラ装着
具を提供することである。 【解決手段】 筒状の塗布ローラPを、支持軸Sを中心と
して回転可能であるよう、この支持軸Sに対して装着す
るのに用いられる塗布ローラ装着具を、塗布ローラPの
内径とほぼ等しい外径を有する外筒部1と、支持軸Sの
径とほぼ等しい内径を有し、かつ、外筒部1に対して回
転可能であるよう、この外筒部1内に設けられた内筒部
2とを具備し、内筒部2の両端は外筒部1の開放面から
突出してなると共に、この外筒部1の開放面から突出し
た、内筒部2の突出部分21,22は、外筒部1の端面
を掛止できるよう大径化されてなり、更に内筒部2の少
なくとも一端側は、その径が縮小可能であるよう、内筒
部自身の軸方向に沿って形成した切欠き23a〜23d
により複数に分割されてなるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、建物の壁
面などを塗装する際に用いられる塗布用具に関するもの
である。更に詳しくは、塗布用具を構成する塗布ローラ
を、柄(取手)から延びる支持軸に対して装着するのに
用いられる塗布ローラ装着具に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】建物の壁面などを塗装
する際、以前はハケを用いて塗布作業を行っていた。し
かし最近では、こうした手法に頼ることはもはや稀であ
り、もっぱら円筒状の塗布ローラを備えた簡便な塗布用
具が使用されている。
【0003】さて、こうした塗布用具において特に重要
な役割を果たしているのが、柄から延びる略L字形の支
持軸(金属製棒材)に対して、塗布ローラを装着するの
に用いられる塗布ローラ装着具である。すなわち塗布用
具は、この塗布ローラ装着具を使用することにより、塗
布ローラを簡単に交換でき、しかもその一方で、塗布ロ
ーラの良好な支持状態が得られるようになっている。
【0004】ここで、従来型の塗布ローラ装着具の構造
について、図8を用い簡単に説明する。なお、同図は従
来型塗布ローラ装着具の使用状態での断面図である。さ
て従来型の塗布ローラ装着具(以下、従来型装着具と言
う)は、計三つの部品から構成されている。すなわち、
装着対象である塗布ローラP’の内径とほぼ等しい外径
を有する円筒状(但し一端面は閉塞)の外筒部本体41
と、この外筒部本体41内に収納され、かつ、内径が支
持軸S’の径とほぼ等しく構成された内筒部42と、上
記外筒部本体41の開放面(開口)を閉塞する蓋部43
とから、従来型装着具はできている。
【0005】更に詳しく言うと、柄から延びる支持軸
S’は内筒部42内に、それに対して容易には回転しな
いよう嵌入し、一方、外筒部本体41は塗布ローラP’
内に、同じくそれに対して容易には回転しないよう嵌入
している。但し、外筒部本体41および蓋部43は、支
持軸S’に対して回転自在である。更に蓋部43は、内
筒部42が外筒部本体41内から外に飛び出さないよ
う、この内筒部42を封止している。この結果、塗布ロ
ーラP’は支持軸S’に対して、がたつかず滑らかに回転
可能であって、かつ、支持軸S’から不意に抜け取れな
いよう良好に支持されている。
【0006】ところで、こうした構造の塗布ローラ装着
具に関しても、コスト削減の観点から構造の更なる簡素
化が強く求められている。殊に、従来型装着具は上述し
たように計三つの部品を用いて構成されているが、コス
ト削減のために部品数を削減することが急務となってい
る。
【0007】したがって本発明が解決しようとする課題
は、従来のものよりも部品数が少なく、その一方で、塗
布ローラを良好に支持できる塗布ローラ装着具を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、筒状の塗
布ローラを、支持軸を中心として回転可能であるよう、
前記支持軸に対して装着するのに用いられる塗布ローラ
装着具であって、前記塗布ローラの内径とほぼ等しい外
径を有する外筒部と、前記支持軸の径とほぼ等しい内径
を有し、かつ、前記外筒部に対して回転可能であるよ
う、この外筒部内に設けられた内筒部とを具備し、前記
内筒部の両端は前記外筒部の開放面から突出してなると
共に、この外筒部の開放面から突出した、前記内筒部の
突出部分は、前記外筒部の端面を掛止できるよう大径化
されてなり、更に前記内筒部の少なくとも一端側は、そ
の径が縮小可能であるよう、前記内筒部自身の軸方向に
沿って形成した切欠きにより複数に分割されてなること
を特徴とする塗布ローラ装着具によって解決される。
【0009】なお本発明の塗布ローラ装着具において
は、内筒部に、その一端側を分割する切欠きから続い
て、前記内筒部自身の軸方向に沿ったスリットが形成さ
れてなることが好ましい。殊に、内筒部には、その一端
側を分割する切欠きから続いて、前記内筒部自身の軸方
向に沿った第1のスリットが形成されてなり、更に前記
内筒部には、前記第1のスリットと交差する、前記内筒
部自身の周方向に沿った第2のスリットが形成されてな
ることが好ましい。こうすることで、内筒部内に支持軸
を嵌入した際に良好な固着状態が得られ、更に、内筒部
自身の軸方向に沿ったスリット(第1のスリット)で分
断された部分が均一に開拡し、全面にて支持軸の周面に
圧着するようになる。この結果、更に良好な内筒部の、
支持軸に対する定着状態が得られる。
【0010】また、上記本発明の塗布ローラ装着具にお
いては、外筒部の少なくとも一端面に、内筒部における
大径化された突出部分を納めるための凹部が形成されて
なることが好ましい。こうすることで、塗布ローラ装着
具全体の長さを凹部内に納めた部分の量だけ短縮でき、
その上、内筒部のがたつきが、より効果的に抑えられ
る。
【0011】ひるがえって上記の課題は、筒状の塗布ロ
ーラを、支持軸を中心として回転可能であるよう、前記
支持軸に対して装着するのに用いられる塗布ローラ装着
具であって、前記塗布ローラの内径とほぼ等しい外径を
有し、かつ、一端側の内周面には周方向に沿って環状の
凸部が設けられた外筒部と、前記支持軸の径とほぼ等し
い内径を有し、かつ、前記外筒部に対して回転可能であ
るよう、この外筒部内に設けられた内筒部とを具備し、
前記内筒部の一端は前記外筒部における凸部が設けられ
た側の開放面から突出してなると共に、この外筒部の開
放面から突出した、前記内筒部の突出部分は、前記外筒
部の端面を掛止できるよう大径化されてなり、かつ、前
記内筒部の外周面には、前記外筒部における凸部の端面
を掛止する爪部が複数設けられてなると共に、この爪部
は前記内筒部の外周面から出没自在であるよう構成され
てなり、更に前記内筒部の他端側は、その径が縮小可能
であるよう、前記内筒部自身の軸方向に沿って形成した
切欠きにより複数に分割されてなると共に、前記内筒部
の他端側の最大径は、前記外筒部の内径とほぼ等しく構
成されてなることを特徴とする塗布ローラ装着具によっ
て解決される。
【0012】なお、この発明に係る塗布ローラ装着具に
関しても、先と同じ理由から、内筒部には、その他端側
を分割する切欠きから続いて爪部近傍まで、前記内筒部
自身の軸方向に沿ったスリットが形成されてなることが
好ましい。殊に、内筒部には、その他端側を分割する切
欠きから続いて爪部近傍まで、前記内筒部自身の軸方向
に沿った第1のスリットが形成されてなり、更に前記内
筒部には、前記第1のスリットと交差する、前記内筒部
自身の周方向に沿った第2のスリットが形成されてなる
ことが好ましい。
【0013】また、爪部を有するこの塗布ローラ装着具
に関し、これも先と同じ理由から、外筒部における凸部
の一端面には、内筒部における大径化された突出部分を
納めるための凹部が形成されてなることが好ましい。
【0014】さて、上記のごとく構成された本発明に係
る塗布ローラ装着具は、内筒部における大径化された突
出部分同士の共同作用(あるいは内筒部における大径化
された部分と爪部との共同作用)により、内筒部は、そ
れ自身が回転可能に納まった外筒部から抜け取れなくな
っている。したがって本発明に係る塗布ローラ装着具
は、構成要素として、内筒部および外筒部の二つを備え
るだけであるにもかかわらず、塗布ローラを支持軸に対
して、がたつかず滑らかに回転可能であって、かつ、支
持軸から不意に抜け取れないよう良好に支持することが
できる。
【0015】その上、内筒部の端は、その径が縮小可能
であるよう、それ自身の軸方向に沿って形成した切欠き
により複数に分割されているので、内筒部を外筒部へセ
ット(挿設)するのは極めて容易である。総じて言う
と、本発明に係る塗布ローラ装着具は、従来型のものよ
りも部品数が少なく、それだけコストが低く抑えられ
る。しかもその一方で、塗布ローラを良好に支持するこ
とが可能である。
【0016】加えて、本発明の塗布ローラ装着具におい
て爪部を備えるタイプのものは、上述したように、大径
化された部分と爪部との共同作用により、内筒部が外筒
部から抜け取れないように規制される。それゆえ、内筒
部におけるもう一方の側の端は、最大径が外筒部の内径
とほぼ等しくなっており、この結果、外筒部内にあっ
て、それを支持する役割を果たす。そして外筒部の長さ
が、内筒部の長さ以下となるよう制限されないことも手
伝って、外筒部を任意の長さを有するものとすることが
できる。特にそれを、爪部を持たないタイプの塗布ロー
ラ装着具における外筒部よりも、かなり長尺なものとす
ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図4を用いて、本発
明の第1実施形態を具体的に説明する。なお、図1は塗
布用具を分解状態で示す斜視図、図2は本実施形態に係
る塗布ローラ装着具の使用状態での断面図、図3は同塗
布ローラ装着具を構成する内筒部の斜視図、図4は図2
におけるX−X線での内筒部の横断面図である。
【0018】本発明の第1実施形態に係る塗布ローラ装
着具(以下、本塗布ローラ装着具と言う)は、建物の壁
面などを塗装する際に用いられる塗布用具を構成するも
のである。更に詳しく言うと、本塗布ローラ装着具は、
図1に示すごとく、塗布用具を構成する円筒状の塗布ロ
ーラPを、柄(取手)Hから延びる支持軸Sに対して、そ
れを中心として回転可能であるよう装着するのに用いら
れる。つまり本塗布ローラ装着具(図1中Aで示す)
は、塗布ローラPと支持軸Sとの間にあって、前者を後者
に対して回転可能に連結する役割を果たす。
【0019】なお、本発明の技術内容と直接の関係はな
いが、図1に示す塗布ローラPは、円筒状の芯材の周囲
に、同じく円筒状のスポンジ材を被着させて得たもので
ある。但し塗布ローラとしては、この他にも芯材の周面
に剛毛を密に植設したタイプのものを使用することもあ
る。
【0020】さて本塗布ローラ装着具は、図2に示すご
とく、二つの部材、すなわち外筒部1および内筒部2の
みから構成される。なお、外筒部1の材質はポリプロピ
レン(PP)であり、一方、内筒部2の材質はポリアセ
タール(POM)である。
【0021】上記構成要素のうち外筒部1は、一端側が
大径化された円筒状のものであり、その外径(大径化さ
れていない主体部分の外径)は上記塗布ローラP、正確
にはその芯材10の内径とほぼ等しくなっている。した
がって塗布ローラP内に嵌入させた外筒部1は、同塗布
ローラPに対して容易には回転しない。また、この外筒
部1の内径は内筒部2の外径とほぼ等しく、詳しくは、
がたつかずに一方が他方に対してスムーズに回転できる
程度の微小なクリアランスを設けてある。なお、この外
筒部1における上記大径化された部分1aは、塗布ロー
ラPを構成する芯材10の端面に当接し、もって本塗布
ローラ装着具が、それ以上、塗布ローラPの内部に進入
しないようにするためのストッパーとして機能する。
【0022】次に、内筒部2は上記支持軸Sの径とほぼ
等しい内径を有する。したがって、支持軸Sが嵌入する
この内筒部2は、同支持軸Sに対して容易には回転しな
い。その一方で内筒部2は、上記外筒部1に対しては自
由に回転できるよう、この外筒部1内に設けられてい
る。
【0023】以下、内筒部2の構造を更に詳しく説明す
る。まず内筒部2は、外筒部1に対して組み付けられた
状態(完成状態)では、その両端が、外筒部1の開放面
(開口)から突出する。そして外筒部1の開放面から突
出した、この内筒部2の両端(以下、これを突出部分2
1,22と言う)は、外筒部1の端面を掛止できるよう
大径化されている。すなわち外筒部1は、内筒部2にお
けるこの大径化された突出部分21,22に左右から挟
まれた格好となっており、したがって内筒部2が不意に
外筒部1から抜け取れることはない。
【0024】内筒部2の一端側(外筒部1に挿入する際
に先端となる側)、つまり突出部分21側は、その径が
縮小可能であるよう構成されている。すなわち内筒部2
には、図3に加えて図4からも判るように、等間隔(9
0度おき)で、それ自身の軸方向に沿った計四つの細長
い切欠き23a〜23dが形成されている。これによっ
て内筒部2の一端側は計四つに分割されており、その結
果、上述したように径の縮小が可能となっている。な
お、内筒部2の一端側の径を縮小させる必要があるの
は、それを外筒部1に挿入する際である。本実施形態で
は、この作業を更に容易なものとするため、この分割さ
れ、かつ、大径化された端部(突出部分21)にテーパ
ー面を形成している。
【0025】また本実施形態では、内筒部2に、その一
端側を複数に分割する切欠き23a〜23dの一つ、特
に切欠き23aから続いて、内筒部2自身の軸方向に沿
った第1のスリット24を形成している。そして更に内
筒部2には、この第1のスリット24と直交する、内筒
部2自身の周方向に沿った第2のスリット25を形成し
ている。つまり内筒部2には、切欠き23aから続いて
略T字形のスリットが存在する。こうしたスリット2
4,25を設けたのは、内筒部2に支持軸Sを差し込ん
だ際に、その固着状態をより堅固なものにするためであ
る。
【0026】言い換えれば、こうすることで内筒部2に
支持軸Sを差し込んだ際、第1のスリット24にて分断
された部分を均一に開拡させることができる。これによ
り内筒部2の内周面は支持軸Sに均一に密着するので、
その定着状態は極めて良好なものとなる。なお第2のス
リット25を省略し、内筒部2自身の軸方向に沿った第
1のスリット24のみが、切欠き23aから続いて形成
されてなる様態としてもよい。
【0027】説明が前後するが、上記外筒部1の一端面
(大形化された側の端面)には、内筒部2における同じ
く大径化された円形の突出部分22を納めるための円形
の凹部26が形成されている。この凹部26を設けたの
は、塗布ローラ装着具全体の長さを、この凹部26内に
納まる部分の量だけ短縮し、更に内筒部2のがたつきを
より効果的に抑えるためである。なお、外筒部1の大径
化された部分1aは、見方を変えれば、真に円筒状の外
筒部に付加されたフランジ部と考えることもでき、した
がって上記突出部分22は、外筒部1の凹部内に完全に
埋没していてもよい。
【0028】さて、上記のごとく構成された本塗布ロー
ラ装着具では、内筒部2における大径化された突出部分
21と突出部分22との共同作用により、内筒部2は、
それ自身が回転可能に納まった外筒部1から抜け取れな
くなっている。したがって本塗布ローラ装着具は、構成
要素として外筒部1および内筒部2の二つを備えるだけ
であるにもかかわらず、塗布ローラPを支持軸Sに対し
て、がたつかず滑らかに回転可能に、かつ、支持軸Sか
ら不意に抜け取れないよう良好に支持することができ
る。
【0029】加えて、内筒部2の一端(先端側)は、そ
の径が縮小可能であるよう、それ自身の軸方向に沿って
形成した切欠き23a〜23dにより複数に分割されて
いる。このため、内筒部2を外筒部1へ挿設するのは、
つまり組立は極めて容易である。以上をまとめると本塗
布ローラ装着具は、従来のものよりも部品数が少なく、
それだけコストが低く抑えられる一方、塗布ローラPを
良好に支持することが可能である。
【0030】続いて、図5〜図7を用い、本発明の第2
実施形態を具体的に説明する。なお、図5は本実施形態
に係る塗布ローラ装着具の使用状態での断面図、図6は
同塗布ローラ装着具を構成する内筒部の斜視図、図7は
図5におけるY−Y線での内筒部の横断面図である。
【0031】本発明の第2実施形態に係る塗布ローラ装
着具(以下、再び本塗布ローラ装着具と言う)も、建物
の壁面などを塗装する際に用いられる塗布用具を構成す
るもので、その基本的な技術思想は上記第1実施形態の
それとほぼ同じである。よって以下では、第1実施形態
との相違点を中心に解説する。また、先に説明した具材
と同じものについては、第1実施形態にて用いた符号を
付し、その詳しい説明を省略する。
【0032】本塗布ローラ装着具も、図5に示すごと
く、塗布用具を構成する円筒状の塗布ローラPを、柄
(取手)から延びる支持軸Sに対して、それを中心とし
て回転可能であるよう装着するのに用いられるものであ
る。つまり本塗布ローラ装着具も、塗布ローラPと支持
軸Sとの間にあって、前者を後者に対して回転可能に連
結する役割を果たす。
【0033】さて本塗布ローラ装着具は、同図から判る
ように、二つの部材、すなわち外筒部31および内筒部
32のみから構成される。ここでも、外筒部31として
はポリプロピレン(PP)から構成されたものを、他
方、内筒部32としてはポリアセタール(POM)から
構成されたものを用いている。
【0034】これら構成要素のうち外筒部31は、一端
側が大径化された円筒状のものであり、その外径(大径
化されていない主体部分の外径)は、塗布ローラPの、
正確にはその芯材10の内径とほぼ等しくなっている。
したがって塗布ローラP内に嵌入させた外筒部31は、
同塗布ローラPに対して容易には回転しない。また、こ
の外筒部31の一端側(大径化された側)内周面には、
周方向に沿って環状の凸部31aが設けられている。
【0035】この凸部31aが設けられた部分の内径
は、内筒部32の外径とほぼ等しく、詳しくは、がたつ
かず一方が他方に対してスムーズに回転できる程度の微
小なクリアランスを設けてある。更に言えば、この外筒
部31における大径化された部分31bは、塗布ローラ
Pを構成する芯材10の端面に当接し、本塗布ローラ装
着具が、それ以上、塗布ローラPの内部に進入しないよ
うにするためのストッパーとして機能する。
【0036】次に、内筒部32は上記支持軸Sの径とほ
ぼ等しい内径を有する。したがってこの支持軸Sが嵌入
する内筒部32は、同支持軸Sに対して容易には回転し
ない。その一方で内筒部32は、上述したごとく外筒部
31に対しては自由に回転できるよう、この外筒部31
内に設けられている。
【0037】更に内筒部32は、外筒部31に対して組
み付けられた状態(完成状態)では、その一端が、外筒
部31における凸部31aが設けられた側(大径化され
た側)の開放面(開口)から突出する。そして、この外
筒部31の開放面から突出した、内筒部32の端部(以
下、突出部分32aと言う)は、外筒部31の端面を掛
止できるよう大径化されている。
【0038】また内筒部32の外周面には、図6からも
判るように、その対向する2箇所に、外筒部31におけ
る凸部31aの端面を掛止する役割を果たす爪部33
a,33bが、内筒部32の本体部分に対して一体的に
設けられている。これら爪部33a,33bは、それぞ
れ所定の長さを有する平板部34a,34bを介して、
内筒部32の本体部分に接続されている。これら平板部
34a,34bはバネ特性を有するので、爪部33a,
33bは内筒部32の外周面から出没自在となってい
る。つまり押圧力を加えた際、爪部33a,33bは、
内筒部32の仮想中心軸側に向かって変位し、一方、押
圧力を解除すると、爪部33a,33bは直ちに元の状
態に復帰する。
【0039】外筒部31は、内筒部32における大径化
された突出部分32aおよび爪部33a,33bとで、
左右から挟まれた格好となっており、したがって内筒部
32が不意に外筒部31から抜け取れることはない。
【0040】加えて、内筒部32の他端側(外筒部31
に挿入する際に先端となる側)は、その径が縮小可能で
あるよう構成されている。すなわち内筒部32には、図
6に加えて図7からも判るように、等間隔(90度お
き)で、それ自身の軸方向に沿った計四つの細長い切欠
き35a〜35dが形成されている。これによって内筒
部32の他端側は四つに分割されており、この結果、上
述したように径の縮小が可能となっている。なお、内筒
部32の他端側の径を縮小させる必要があるのは、内筒
部32を外筒部31に挿入する際、特に外筒部31の凸
部31aを通過させる際である。本実施形態では、この
作業を更に容易なものとするため、上記分割された部分
にテーパー面を形成している。
【0041】更に言えば、内筒部32における分割され
た他端側の最大径は、外筒部31の内径とほぼ等しく、
よって、その全ての縁部は外筒部31の内周面に接す
る。言い換えれば本実施形態では、内筒部32が外筒部
31を、この分割された他端側でも支持するよう構成し
ている。
【0042】また本実施形態では内筒部32に、その他
端側を複数に分割する切欠き35a〜35dの一つ、特
に切欠き35aから続いて、爪部33aの近傍(例えば
数mm程度手前)まで、内筒部32自身の軸方向に沿っ
た第1のスリット36を形成している。そして更に内筒
部32には、この第1のスリット36と直交する、内筒
部32自身の周方向に沿った第2のスリット37を形成
している。つまり内筒部32には、切欠き35aから続
いて略T字形のスリットが存在している。こうしたスリ
ット36,37を設けたのは、言うまでもなく先の第1
実施形態の場合と同じ理由からである。なお第2のスリ
ット37を省略し、内筒部32自身の軸方向に沿った第
1のスリット36のみが、切欠き35aから続いて形成
されてなる様態としてもよい。
【0043】外筒部31の大形化された側の端面、正確
には環状の凸部31aには、内筒部32における同じく
大径化された円形の突出部分32aを納めるための、円
形の凹部38が形成されている。この凹部38を設けた
のは、主として内筒部32のがたつきをより効果的に抑
えるためである。なお、外筒部31の大径化された部分
31bは、真に円筒状の外筒部に付加されたフランジと
見なすこともできる。したがって上記突出部分32a
は、この凹部38内に完全に没していてもよい。
【0044】更に言えば本実施形態では、外筒部31に
おいて内筒部32の爪部33a,33bと向き合う位置
およびその中間位置に(すなわち90度おきに)、計四
つの開口39a〜39d(39b,39dは図示せず)
を形成している。したがって、開口39a,39cから
爪部33a,33bを同時に押圧することで、それを内
筒部32の外周面から没退させることができる。また開
口39a〜39dから、上述した内筒部32における四
分割された部分を同時に押圧することで、その径を縮小
させることができる。つまり本実施形態では、必要とあ
れば、内筒部32と外筒部31との係合を解除できるよ
う構成している。この機能は内筒部32を外筒部31か
ら取り外す際に利用される。
【0045】さて、上記のごとく構成された本塗布ロー
ラ装着具でも、上記第1実施形態と同様の効果、すなわ
ち構成要素として内筒部32および外筒部31を備える
だけであるにもかかわらず、がたつかず滑らかに回転可
能であって、かつ、支持軸Sから不意に抜け取れないよ
う塗布ローラPを良好に支持できる、といった効果を奏
する。また、内筒部32の端(先端側)を外筒部31へ
挿設するのは極めて容易である。つまり本塗布ローラ装
着具も従来のものより部品数が少なく、それだけコスト
が低く抑えられる一方で、塗布ローラPを良好に支持す
ることが可能である。
【0046】これに加えて本塗布ローラ装着具では、大
径化された突出部分32aと爪部33a,33bとの共
同作用により、内筒部32は外筒部31から抜け取れな
いよう規制されている。そして内筒部32のもう一方側
の端は、その最大径が外筒部31の内径とほぼ等しく構
成されており、同外筒部31内にあって、それを支持す
る役割を果たす。加えて、本塗布ローラ装着具にあって
は、外筒部31の長さが内筒部32の長さ以下となるよ
うな制限を受けないので、外筒部31を任意の長さを有
するものとすることができる。特に、爪部33a,33
bを持たない様態の塗布ローラ装着具における外筒部よ
りも、かなり長尺なものとすることができる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、従来のものよりも部品
数が少なく、その一方で、塗布ローラを良好に支持可能
な塗布ローラ装着具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗布用具を分解状態で示す斜視図(本発明の第
1実施形態)
【図2】本発明の第1実施形態に係る塗布ローラ装着具
の使用状態での断面図
【図3】本発明の第1実施形態に係る塗布ローラ装着具
を構成する内筒部の斜視図
【図4】図2におけるX−X線での内筒部の横断面図(本
発明の第1実施形態)
【図5】本発明の第2実施形態に係る塗布ローラ装着具
の使用状態での断面図
【図6】本発明の第2実施形態に係る塗布ローラ装着具
を構成する内筒部の斜視図
【図7】図5におけるY−Y線での内筒部の横断面図(本
発明の第2実施形態)
【図8】従来型塗布ローラ装着具の使用状態での断面図
【符号の説明】
A 塗布ローラ装着具 P 塗布ローラ H 柄(取手) S 支持軸 1 外筒部 2 内筒部 21,22 突出部分 23a〜23d 切欠き 24 第1のスリット 25 第2のスリット 26 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 法木 達成 東京都新宿区四谷4−1 大塚刷毛製造株 式会社内 (72)発明者 打田 敬 広島県広島市安佐南区祇園1−12−13 大 下産業株式会社内 Fターム(参考) 4F042 AA17 FA28 FA29 FA47

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の塗布ローラを、支持軸を中心とし
    て回転可能であるよう、前記支持軸に対して装着するの
    に用いられる塗布ローラ装着具であって、 前記塗布ローラの内径とほぼ等しい外径を有する外筒部
    と、 前記支持軸の径とほぼ等しい内径を有し、かつ、前記外
    筒部に対して回転可能であるよう、この外筒部内に設け
    られた内筒部とを具備し、 前記内筒部の両端は前記外筒部の開放面から突出してな
    ると共に、この外筒部の開放面から突出した、前記内筒
    部の突出部分は、前記外筒部の端面を掛止できるよう大
    径化されてなり、 更に前記内筒部の少なくとも一端側は、その径が縮小可
    能であるよう、前記内筒部自身の軸方向に沿って形成し
    た切欠きにより複数に分割されてなることを特徴とする
    塗布ローラ装着具。
  2. 【請求項2】 内筒部には、その一端側を分割する切欠
    きから続いて、前記内筒部自身の軸方向に沿ったスリッ
    トが形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の
    塗布ローラ装着具。
  3. 【請求項3】 内筒部には、その一端側を分割する切欠
    きから続いて、前記内筒部自身の軸方向に沿った第1の
    スリットが形成されてなり、更に前記内筒部には、前記
    第1のスリットと交差する、前記内筒部自身の周方向に
    沿った第2のスリットが形成されてなることを特徴とす
    る請求項1に記載の塗布ローラ装着具。
  4. 【請求項4】 外筒部の少なくとも一端面には、内筒部
    における大径化された突出部分を納めるための凹部が形
    成されてなることを特徴とする請求項1〜請求項3のい
    ずれかに記載の塗布ローラ装着具。
  5. 【請求項5】 筒状の塗布ローラを、支持軸を中心とし
    て回転可能であるよう、前記支持軸に対して装着するの
    に用いられる塗布ローラ装着具であって、 前記塗布ローラの内径とほぼ等しい外径を有し、かつ、
    一端側の内周面には周方向に沿って環状の凸部が設けら
    れた外筒部と、 前記支持軸の径とほぼ等しい内径を有し、かつ、前記外
    筒部に対して回転可能であるよう、この外筒部内に設け
    られた内筒部とを具備し、 前記内筒部の一端は前記外筒部における凸部が設けられ
    た側の開放面から突出してなると共に、この外筒部の開
    放面から突出した、前記内筒部の突出部分は、前記外筒
    部の端面を掛止できるよう大径化されてなり、 かつ、前記内筒部の外周面には、前記外筒部における凸
    部の端面を掛止する爪部が複数設けられてなると共に、
    この爪部は前記内筒部の外周面から出没自在であるよう
    構成されてなり、 更に前記内筒部の他端側は、その径が縮小可能であるよ
    う、前記内筒部自身の軸方向に沿って形成した切欠きに
    より複数に分割されてなると共に、前記内筒部の他端側
    の最大径は、前記外筒部の内径とほぼ等しく構成されて
    なることを特徴とする塗布ローラ装着具。
  6. 【請求項6】 内筒部には、その他端側を分割する切欠
    きから続いて爪部近傍まで、前記内筒部自身の軸方向に
    沿ったスリットが形成されてなることを特徴とする請求
    項5に記載の塗布ローラ装着具。
  7. 【請求項7】 内筒部には、その他端側を分割する切欠
    きから続いて爪部近傍まで、前記内筒部自身の軸方向に
    沿った第1のスリットが形成されてなり、更に前記内筒
    部には、前記第1のスリットと交差する、前記内筒部自
    身の周方向に沿った第2のスリットが形成されてなるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の塗布ローラ装着具。
  8. 【請求項8】 外筒部における凸部の一端面には、内筒
    部における大径化された突出部分を納めるための凹部が
    形成されてなることを特徴とする請求項5〜請求項7の
    いずれかに記載の塗布ローラ装着具。
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