JP2002280140A - 被覆電線の超音波接合方法およびその方法を用いた超音波接合装置 - Google Patents
被覆電線の超音波接合方法およびその方法を用いた超音波接合装置Info
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Abstract
合するに際して、絶縁体の溶融と導体同士の接合とで超
音波振動の振動条件を切り替えることにより、被覆電線
を安定して接続する。 【解決手段】 被覆電線20,21の交差部分Cを、ホ
ーン側チップ11とアンビル側チップ12との間に挟ん
で加圧する(挟圧工程)。ホーン側チップ11に、第1
の振動条件で決定される超音波加振力を付加して、被覆
電線20,21の絶縁体20a,21aを溶融する(絶
縁体溶融工程)。絶縁体20a,21aの溶融によって
被覆電線20,21の導体20b,21b同士が接触す
る時点を自動検出する(導体接触検出工程)。導体同士
が接触した後、ホーン側チップ11に、第2の振動条件
で決定される超音波加振力を付加して、それぞれの導体
20b,21b同士を接合する(導体接合工程)。
Description
被覆電線を絶縁体を除去することなく交差して、その交
差部分を超音波振動で接合する被覆電線の超音波接合方
法およびその方法を用いた超音波接合装置に関する。
する被覆電線に超音波振動と同時に加圧力を加えて、接
合するもので、このような超音波接合では、例えば特開
平9−29445号公報に開示されるように、電線同士
を接続する技術がある。
る電線1,2の交差部分Cの上下を、ホーン側チップ3
とアンビル側チップ4とで挟み込んで加圧し、この状態
でホーン側チップ3に超音波振動を加えることにより、
前記交差部分Cで電線1,2が接合されるようになって
いる。なお、5は電線1,2を位置決めする台座であ
る。
従来の超音波振動を用いた電線の接合では、電線1,2
が被覆電線である場合、まず、絶縁体を溶融除去した後
に、その中身の導体同士を接合する必要がある。このた
め、被覆電線同士を接合する場合は、ホーン側チップ3
に加える超音波振動の振動条件、つまり、この振動条件
とは、加圧力、周波数、振幅などによって決定される
が、この振動条件は絶縁体を溶融するときと導体同士を
接合するときとで違いが生じてくる。
設定が複雑化され、かつ、その条件設定が電線製造時の
導体位置ズレや加圧時のセットズレによって簡単に変化
してしまうため、電線の接合作業を作業者の感に頼る部
分が大きく、均一な接続状態を得るのが困難になってし
まう。
すべく成されたもので、被覆電線の交差部分を超音波振
動によって接合するに際して、絶縁体の溶融と導体同士
の接合とで超音波振動の振動条件を切り替えることによ
り、被覆電線を安定して接続するようにした被覆電線の
超音波接合方法およびその方法を用いた超音波接合装置
を提供することを目的とする。
電線を相互に交差し、それぞれの被覆電線の交差部分を
超音波振動で接合する被覆電線の超音波接合方法におい
て、前記被覆電線の交差部分を、ホーン側チップとアン
ビル側チップとの間に挟んで加圧する挟圧工程と、ホー
ン側チップに、第1の振動条件で決定される超音波加振
力を付加して、前記被覆電線の絶縁体を溶融する絶縁体
溶融工程と、絶縁体の溶融によって、前記被覆電線の導
体同士が接触する時点を自動検出する導体接触検出工程
と、前記導体同士が接触した後、前記ホーン側チップ
に、第2の振動条件で決定される超音波加振力を付加し
て、それぞれの導体同士を接合する導体接合工程と、を
備えたことを特徴とする。
加振力の第1の振動条件と、導体接合工程で用いる超音
波加振力の第2の振動条件とを、それぞれ適宜設定する
ことにより、絶縁体の溶融と、導体同士の接合とをそれ
ぞれ最適状態で行うことができる。このとき、被覆電線
の導体同士の接触は導体接触検出工程によって自動検出
できるため、絶縁溶融工程と導体接合工程とを自動で切
り替えができるようになり、絶縁体を溶融除去して導体
同士を接合するという一連の接続作業を簡単かつ正確に
行うことができる。
電線の超音波接合方法において、導体接合工程で超音波
加振力を決定する第2の振動条件は、それぞれの導体同
士の接触面積の変化に応じて可変とすることを特徴とす
る。
ら溶融が進行する過程で導体両者の接触面積が増大し、
この接触面積の変化で接合進行度合いが判断されること
になる。このため、その接触面積が少ない場合と、接触
面積が増大した場合とで、それぞれの超音波加振力を変
化させることにより、導体同士の接合状況を進行度合い
に応じて最適化することができる。
電線の超音波接合方法において、導体同士の接触面積の
変化は、ホーン側チップとアンビル側チップとの間に導
通した電流の抵抗値変化により検出することを特徴とす
る。
ップとの間の抵抗値変化で導体同士の接触面積を正確に
検知できるため、接合進行度合いを簡単かつ正確に推定
して、第2の振動条件を適正に変化させることができ
る。
し、それぞれの被覆電線の交差部分を超音波振動で接合
する被覆電線の超音波接合装置において、前記被覆電線
の交差部分を挟んで加圧するホーン側チップおよびアン
ビル側チップと、ホーン側チップに、前記被覆電線の絶
縁体を溶融する第1の振動条件で決定される超音波加振
力を出力するとともに、前記被覆電線の導体同士が接触
した後、それぞれの導体同士を接合する第2の振動条件
で決定される超音波加振力を出力する超音波加振機と、
を備えたことを特徴とする。
ップとの間に被覆電線の交差部分を挟んで加圧した状態
で、超音波加振機から超音波加振力をホーン側チップに
出力することにより、超音波振動により被覆電線の交差
部分を溶融することができる。このとき、絶縁体を溶融
する超音波加振力は第1の振動条件で決定されるととも
に、導体同士を接合する超音波加振力は第2の振動条件
で決定されることにより、これら第1の振動条件および
第2の振動条件を、絶縁体の溶融と、導体同士の接合と
が最適状態となるように設定しておくことにより、絶縁
体を溶融除去して導体同士を接合するという一連の接続
作業を簡単かつ安定して行うことができる。
電線の超音波接合装置において、それぞれの導体同士の
接触面積の変化を検出する検出手段と、検出手段で検出
した接合進行度合いに応じて、超音波加振力を決定する
第2の振動条件を可変とする制御手段と、を設けたこと
を特徴とする。
手段に出力されて第2の振動条件が導体同士の接触面積
の変化で可変となるため、導体同士が接触開始してそれ
ぞれの接触面積が少ない場合と、導体同士の溶融が進行
してそれぞれの接触面積が増大した場合とで、それぞれ
の超音波加振力を変化させることができ、導体同士の接
合状況を進行度合いに応じて最適化することができる。
電線の超音波接合装置において、検出手段は、ホーン側
チップとアンビル側チップとの間に導通した電流の抵抗
値変化を検出することを特徴とする。
ップとの間の抵抗値変化で導体同士の接触面積を正確に
検知できるため、接合進行度合いを簡単かつ正確に推定
して、第2の振動条件を適正に変化させることができ
る。
面を参照して詳細に説明する。図1〜図4は本発明の一
実施形態を示し、図1は被覆電線のセット状態を示す被
覆電線の超音波接合装置の構成図、図2は被覆電線の挟
圧工程を示す超音波接合装置の構成図、図3は被覆電線
の絶縁体溶融工程を示す超音波接合装置の構成図、図4
は被覆電線の導体接合工程を示す超音波接合装置の構成
図である。
方法は、図1に示す超音波接合装置10によって達成さ
れる。この超音波接合装置10は、上下方向に対向配置
されるホーン側チップ11とアンビル側チップ12とを
備え、これら両チップ11,12間に接続しようとする
被覆電線20,21を交差して配置するようになってい
る。前記ホーン側チップ11は昇降自在になる一方、前
記アンビル側チップ12は固定され、ホーン側チップ1
1の下降により、両チップ11,12間に配置した前記
被覆電線20,21の交差部分Cが適宜の加圧力をもっ
て挟み込まれる。
13が接続され、この超音波加振機13で発生される超
音波振動がホーン側チップ11に入力されるようになっ
ている。また、ホーン側チップ11とアンビル側チップ
12との間には電流が導通され、これら両チップ11,
12間の電気抵抗値変化を検出する検出手段14が設け
られるとともに、この検出手段14の検出信号は、前記
超音波加振機13で発生する超音波振動の振動条件を変
化させる制御手段15に出力される。
21の絶縁体20a,21aを溶融するに最適な超音波
振動を第1の振動条件によって決定するとともに、被覆
電線20,21の導体20b,21bを接合するに最適
な超音波振動を第2の振動条件によって決定するように
なっている。これら第1の振動条件と第2の振動条件
は、前記検出手段14により被覆電線20,21の導体
20b,21bが接触した時点、つまり、両導体20
b,21bを介して通電される時点を検出して切り替え
られる。
被覆電線20,21の超音波接合方法では、まず、図2
に示すように、被覆電線20,21の交差部分Cを、ホ
ーン側チップ11とアンビル側チップ12との間に挟ん
で加圧(挟圧工程)する。次に、図3に示すように、ホ
ーン側チップ11に、第1の振動条件で決定される超音
波加振力を付加して、前記被覆電線20,21の絶縁体
20a,21aを溶融(絶縁体溶融工程)する。そし
て、絶縁体20a,21aの溶融によって、図4に示す
ように、被覆電線20,21の導体20b,21b同士
が接触する時点を検出手段14によって自動検出(導体
接触検出工程)する。その後、導体20b,21b同士
が接触した後、前記ホーン側チップ11に、第2の振動
条件で決定される超音波加振力を付加して、それぞれの
導体20b,21b同士を接合(導体接合工程)する。
決定する第2の振動条件は、導体20b,21bの接合
進行に伴って両者間の接触面積が増大することになる
が、この接合進行度合いは前記検出手段14により電気
抵抗値の変化により検出され、この抵抗値変化に応じて
制御手段15から超音波加振機13に制御振動を出力し
て、前記第2の振動条件を接合進行度合いに応じて可変
とするようになっている。
装置10では、図2に示すように、ホーン側チップ11
とアンビル側チップ12との間に被覆電線20,21の
交差部分Cを挟んで加圧した状態で、超音波加振機13
から超音波加振力をホーン側チップ11に出力すること
により、超音波振動により被覆電線20,21が交差部
分Cで接続される。このとき、まず、図3に示すよう
に、被覆電線20,21の絶縁体20a,21aを溶融
する状態では、超音波加振機13から出力される超音波
加振力は第1の振動条件により決定されて、専ら、樹脂
などを素材とする絶縁体20a,21aを最適状態で溶
融することができる。
して、図4に示すように、導体20b,21b同士が接
触される状態では、これを検出手段14が電気抵抗値か
ら検出して、超音波加振機13から出力する超音波加振
力を第2の振動条件によって決定されるように自動的に
切り替えて、導体20b,21b同士を接合するように
なっている。このとき、前記第2の振動条件は、導体2
0b,21b同士の接触面積の変化で可変となるため、
例えば、導体20b,21b同士が接触開始してそれぞ
れの接触面積が少ない場合と、導体20b,21b同士
の溶融が進行してそれぞれの接触面積が増大した場合と
で、それぞれの超音波加振力を変化させることができ、
これによって導体20b,21b同士の接合状況を進行
度合いに応じて最適化することができる。
面の酸化皮膜が超音波エネルギで破壊されて金属の表面
が清掃されて、その結果活性化した金属原子が互いに結
合することで導体20b、21b同士が電気的に結合す
る。この場合、導体20b、21bの溶融温度より低い
温度で接合するいわゆるコールド接合がなされる。
bの接触面積の変化に応じて前記第2の振動条件を可変
するにあたって、ホーン側チップ11とアンビル側チッ
プ12との間に導通した電流の抵抗値変化を検出手段1
4で検出するようにしたので、前記接触面積の変化を簡
単かつ正確に推定して、第2の振動条件を適正に変化さ
せることができる。このため、被覆電線20,21の種
類、例えば導線20b,21bが単線か撚り線かの違い
や両者のセット状態のバラツキなどに関係なく、一定の
接合状態を得ることができる。
では、加圧力、周波数、振幅などによって決定される第
1の振動条件および第2の振動条件を、絶縁体20a,
21aの溶融および導体20b,21b同士の接合がそ
れぞれ最適状態となるように設定しておくことにより、
絶縁体20a,21aを溶融除去して導体20b,21
b同士を接合するという一連の接続作業を、作業者の熟
練度に関わりなく簡単かつ安定して行うことができる。
このため、その接続部分の信頼性を向上することができ
るとともに、接続作業性を向上することができる。
線の超音波接合方法によれば、絶縁体溶融工程の超音波
加振力の第1の振動条件と、導体接合工程の超音波加振
力の第2の振動条件とを適宜設定することにより、絶縁
体の溶融と、導体同士の接合とをそれぞれ最適状態で行
うことができ、また、導体接触検出工程により絶縁溶融
工程と導体接合工程とを自動で切り替えができるように
なるため、絶縁体を溶融除去して導体同士を接合すると
いう一連の接続作業を簡単かつ正確に行うことができ
る。このため、被覆電線の接続を作業者の熟練度に関わ
りなく簡単かつ安定して行って、その接続部分の信頼性
を向上することができるとともに、接続作業性を向上す
ることができる。
の超音波接合方法によれば、請求項1の効果に加えて、
第2の振動条件を導体同士の接触面積に応じて可変とし
たので、導体同士の接合状況を進行度合いに応じて最適
化することができる。このため、被覆電線の種類や両者
のセット状態のバラツキなどに関係なく、一定の接合状
態を得ることができる。
の超音波接合方法によれば、請求項2の効果に加えて、
導体同士の接合進行度合をホーン側チップとアンビル側
チップとの間の電気抵抗値の変化で検出したので、接合
進行度合いを簡単かつ正確に推定して、第2の振動条件
を適正に変化させることができる。
の超音波接合装置によれば、ホーン側チップとアンビル
側チップとの間に被覆電線の交差部分を挟んで加圧した
状態で、超音波加振機から超音波加振力をホーン側チッ
プに出力して被覆電線の交差部分を溶融する際に、絶縁
体を溶融する超音波加振力を第1の振動条件で決定する
とともに、導体同士を接合する超音波加振力を第2の振
動条件で決定するようにしたので、これら第1の振動条
件および第2の振動条件を、絶縁体の溶融と、導体同士
の接合とが最適状態となるように設定しておくことによ
り、絶縁体を溶融除去して導体同士を接合するという一
連の接続作業を簡単かつ安定して行うことができる。
の超音波接合装置によれば、請求項4の効果に加えて、
検出手段で検出した導体同士の接触面積の変化から制御
手段で第2の振動条件を可変としたので、導体同士の接
合進行度合いに応じて超音波加振力を最適に変化させる
ことができる。
の超音波接合装置によれば、請求項5の効果に加えて、
ホーン側チップとアンビル側チップとの間の抵抗値変化
で導体同士の接触面積を正確に検知できるため、接合進
行度合いを簡単かつ正確に推定して、第2の振動条件を
適正に変化させることができる。
実施形態を示す被覆電線のセット状態の構成図である。
実施形態を示す被覆電線の挟圧工程の構成図である。
実施形態を示す被覆電線の絶縁体溶融工程の構成図であ
る。
実施形態を示す被覆電線の導体接合工程の構成図であ
る。
態を示す断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 被覆電線を相互に交差し、それぞれの被
覆電線の交差部分を超音波振動で接合する被覆電線の超
音波接合方法において、 前記被覆電線の交差部分を、ホーン側チップとアンビル
側チップとの間に挟んで加圧する挟圧工程と、 ホーン側チップに、第1の振動条件で決定される超音波
加振力を付加して、前記被覆電線の絶縁体を溶融する絶
縁体溶融工程と、 絶縁体の溶融によって、前記被覆電線の導体同士が接触
する時点を自動検出する導体接触検出工程と、 前記導体同士が接触した後、前記ホーン側チップに、第
2の振動条件で決定される超音波加振力を付加して、そ
れぞれの導体同士を接合する導体接合工程とを備え、た
ことを特徴とする被覆電線の超音波接合方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の被覆電線の超音波接合
方法において、 導体接合工程で超音波加振力を決定する第2の振動条件
は、それぞれの導体同士の接触面積の変化に応じて可変
とすることを特徴とする被覆電線の超音波接合方法。 - 【請求項3】 請求項2に記載の被覆電線の超音波接合
方法において、 導体同士の接触面積の変化は、ホーン側チップとアンビ
ル側チップとの間に導通した電流の抵抗値変化により検
出することを特徴とする被覆電線の超音波接合方法。 - 【請求項4】 被覆電線を相互に交差し、それぞれの被
覆電線の交差部分を超音波振動で接合する被覆電線の超
音波接合装置において、 前記被覆電線の交差部分を挟んで加圧するホーン側チッ
プおよびアンビル側チップと、 ホーン側チップに、前記被覆電線の絶縁体を溶融する第
1の振動条件で決定される超音波加振力を出力するとと
もに、前記被覆電線の導体同士が接触した後、それぞれ
の導体同士を接合する第2の振動条件で決定される超音
波加振力を出力する超音波加振機と、を備えたことを特
徴とする被覆電線の超音波接合装置。 - 【請求項5】 請求項4に記載の被覆電線の超音波接合
装置において、 それぞれの導体同士の接触面積の変化を検出する検出手
段と、 検出手段で検出した接触面積の変化に応じて、超音波加
振力を決定する第2の振動条件を可変とする制御手段
と、を設けたことを特徴とする被覆電線の超音波接合装
置。 - 【請求項6】 請求項5に記載の被覆電線の超音波接合
装置において、 検出手段は、ホーン側チップとアンビル側チップとの間
に導通した電流の抵抗値変化を検出することを特徴とす
る被覆電線の超音波接合装置。
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