JPH11138275A - 被覆導電部材の接合方法 - Google Patents

被覆導電部材の接合方法

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JPH11138275A
JPH11138275A JP30437297A JP30437297A JPH11138275A JP H11138275 A JPH11138275 A JP H11138275A JP 30437297 A JP30437297 A JP 30437297A JP 30437297 A JP30437297 A JP 30437297A JP H11138275 A JPH11138275 A JP H11138275A
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electrodes
resistance
vibration
terminal
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JP30437297A
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Fujio Ando
富士夫 安藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抵抗溶接により接合される導電部材の形状の
自由度が高く、電流効率の良い接合方法を提供する。 【解決手段】 電極24,26を上下に互に対向して設
け、電極24をエアシリンダ30により電極26に接
近,離間させ、加振装置40により軸方向と直角な方向
の振動を与える。電極24,26に抵抗溶接電流を供給
する溶接電源58と並列に抵抗測定回路70を設ける。
電極26上にターミナル14,被覆電線12を載せ、電
極24が被覆電線12,ターミナル14を加圧した状態
で振動させ、皮膜18をこすって物理的な力で破壊す
る。皮膜18の破壊は抵抗測定回路70に設けた電圧計
82の測定値が設定値以下になることからわかり、次に
電極24,26に抵抗溶接電流を供給し、接触電気抵抗
に基づく発熱により被覆電線12,ターミナル14を溶
接する。振動に基づく発熱により皮膜を破壊してもよ
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被覆導電部材の接合
方法に関するものであり、特に、少なくとも1つが電気
絶縁皮膜によって覆われた2つ以上の導電部材を抵抗溶
接により接合する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の接合方法は、例えば、特開平5
−285670号公報に記載されているように、まず、
被覆導電部材の電気絶縁皮膜が破られ、その後、2つ以
上の導電部材が抵抗溶接されることにより行われる。上
記公報に記載の接合装置の1つは、被覆電線の端部をタ
ーミナルの端部に抵抗溶接により接合する装置であっ
て、電極を2個備えている。これら電極は上下に対向し
て配設されており、下側の電極は位置を固定して設けら
れ、上側の電極は加圧装置により下側の電極に接近,離
間させられる。ターミナルの一端部はU字形に湾曲させ
られており、下側の電極上に載置され、被覆電線の一端
部がターミナルのUの字の部分に挟まれた状態で上側の
電極がターミナルに接触させられ、下側の電極との間に
被覆電線およびターミナルを挟んで予め設定された圧力
で加圧する。この状態で2つの電極間に電気絶縁皮膜の
破壊のための電流が供給され、2つの電極とターミナル
との間の接触部が接触電気抵抗により発熱し、被覆電線
の電気絶縁皮膜が溶融して破壊される。その後、2つの
電極間に抵抗溶接電流が供給され、ターミナルと電線と
の接触部が接触電気抵抗により発熱し、電線がターミナ
ルに溶接される。しかしながら、この接合装置において
は、抵抗溶接を行うために、ターミナルの一端部をU字
形に湾曲させなければならず、接合される導電部材の形
状の自由度が低い問題がある。
【0003】上記公報にはまた、電極を3個用いて抵抗
溶接を行う接合装置も記載されている。3個の電極のう
ちの2個は、上下に対向して設けられ、残りの1個は、
上側の電極に嵌合されるとともに、短絡導体によって下
側の電極に接続されている。また、上側の電極およびそ
れに嵌合された電極の電気抵抗は、下側の電極の電気抵
抗より大きくされている。接合時には、下側の電極上に
ターミナルの一端部が載置される。この一端部はU字形
に湾曲させられる必要がなく、真っ直ぐなままであり、
このターミナル上に被覆電線の一端部が載置された状態
で上側の電極およびそれに嵌合された電極が下側の電極
に接近させられ、上側の電極に嵌合された電極が被覆電
線に接触させられるとともに、被覆電線およびターミナ
ルを加圧する。この状態で3個の電極に電気絶縁皮膜の
破壊のための電流が供給されれば、上側の電極およびそ
れに嵌合された電極が高温となり、電気絶縁皮膜が溶融
して破壊される。その後、溶接電流が供給され、電線が
ターミナルに抵抗溶接される。この接合装置によれば、
接合される導電部材をU字形に湾曲させなくてもよく、
形状の自由度が高いが、被覆電線のターミナルに接合さ
れる側とは反対側に電極が2個設けられているため、皮
膜破壊時のみならず、抵抗溶接時においても電線の電極
側における発熱が大きく、その発熱量よりも、電線のタ
ーミナル側の部分の発熱量の方が大きくなるように溶接
条件を設定することが容易ではない。また、上側の電極
に嵌合された電極には、皮膜破壊時のみならず、抵抗溶
接時にも電流が流れ、電流効率が悪い問題もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段,作用お
よび効果】本発明は以上の事情を背景とし、接合される
導電部材の形状の自由度が高く、抵抗溶接の条件設定が
容易で、電流効率の良い接合方法を提供することを課題
として為されたものである。本発明によって、下記各態
様の被覆導電部材の接合方法および装置が得られる。各
態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付
し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載す
る。各項に記載の特徴の組合わせの可能性を明示するた
めである。 (1)少なくとも1つが電気絶縁皮膜によって覆われた
2つ以上の導電部材を抵抗溶接により接合する方法であ
って、それら2つ以上の導電部材を重ね合わせ、抵抗溶
接装置の両電極間において加圧した状態で振動を与え、
前記電気絶縁皮膜を破って前記2つ以上の導電部材同士
を接触させる絶縁皮膜破壊工程と、その絶縁皮膜破壊工
程の実施後に、前記両電極間に抵抗溶接電流を流して前
記2つ以上の導電部材を抵抗溶接する溶接工程とを含む
被覆導電部材の接合方法(請求項1)。電気絶縁皮膜の
破壊は、振動に伴う物理的な力を主体として行っても、
振動に伴う発熱による溶融を主体として行っても、両方
の併用によって行ってもよい。例えば、単芯の電線にエ
ナメルが塗布されて電気絶縁皮膜が形成された被覆電線
は、電気絶縁皮膜が薄いため、主として振動に伴う物理
的な力により電気絶縁皮膜を破ることが適している。周
波数が小さく、振幅の大きい振動を少なくとも1回与え
れば、薄い電気絶縁皮膜を破壊することが可能であるか
らである。この際、振動により被覆電線に発熱は生ずる
が、発熱量が少なく、発熱による皮膜破壊(溶融)は殆
どない。単芯の電線が、合成樹脂等の絶縁材料より成る
比較的厚い皮膜により覆われていれば、主として振動に
伴う電気絶縁皮膜の発熱により、電気絶縁皮膜を溶融さ
せて破壊することが望ましい。周波数が大きい振動の付
与により、電気絶縁皮膜が発熱して急速に高温となり、
厚い電気絶縁皮膜が容易に破壊されるのである。この
際、被覆電線には振動に伴う物理的な力も加えられる
が、それによって電気絶縁皮膜が破壊される前に発熱に
より溶融させられる。本態様によれば、互いに重ね合わ
された2つ以上の導電部材を2つの電極間において加圧
した状態で振動を与えることによって電気絶縁皮膜を破
り、その後、2つの電極間に抵抗溶接電流を供給するこ
とにより抵抗溶接することができ、接合される導電部材
の形状は問われず、導電部材の形状の自由度が高く、ま
た、抵抗溶接に使用される電極は2個であって溶接条件
の設定が容易であり、かつ電流効率の良い接合方法が得
られる。2つ以上の導電部材は、ターミナルとそれに接
合される被覆電線とのように、少なくとも1つが電気絶
縁皮膜によって覆われた被覆導電部材であり、少なくと
も1つが電気絶縁皮膜によって覆われていない非被覆導
電部材でもよく、全部の導電部材が被覆導電部材でもよ
い。本態様の接合方法は、振動による物理的な力あるい
は振動に伴う発熱により電気絶縁皮膜を破壊する方法で
あり、電気絶縁皮膜を破壊するために電極間に電流を供
給する必要がないため、被覆導電部材が幾つあっても、
導電部材の形状の自由度を保ちつつ、容易にかつ確実に
電気絶縁皮膜を破壊し、抵抗溶接することができるので
ある。 (2)前記絶縁皮膜破壊工程において、前記両電極の少
なくとも一方を振動させることにより前記2つ以上の導
電部材に振動を与える (1)項に記載の接合方法。電極で
加圧するとともに、電極以外の振動部材を2つ以上の導
電部材に接触させてそれらに振動を付与してもよいが、
電極自体を振動させる方が装置の構造を簡単化できる。
被覆導電部材が電極に接触させられるのであれば、その
電極を振動させることが望ましい。2個の電極の両方を
振動させる場合、各電極の振動方向は同じにしてもよく
(振動の位相は異ならせることが必要である)、異なら
せてもよい。 (3)前記絶縁皮膜破壊工程において、前記両電極の少
なくとも一方を、それら両電極の加圧方向と交差する方
向に振動させる (2)項に記載の接合方法。電極を加圧方
向と平行な方向に振動させても、絶縁皮膜を破壊し得る
のであるが、加圧方向と交差する方向に振動させる方が
加振が容易であり、かつ、皮膜破壊効果も大きい。 (4)前記絶縁皮膜破壊工程において、前記振動の付与
を両電極間の電気抵抗を測定しつつ行い、電気抵抗が実
質的に無くなったとき、その絶縁皮膜破壊工程を終了す
る (1)ないし (3)項のいずれか1つに記載の接合方法。
電気絶縁皮膜が破壊されていない状態では、両電極間の
通電は電気絶縁皮膜によって妨げられ、電気抵抗が大き
いのに対し、電気絶縁皮膜が破壊されれば、互いに重ね
合わされた導電部材を通って電極間を電流が流れるよう
になり、電気絶縁皮膜が破壊されていない場合に比較し
て電気抵抗が急激に小さくなる。そのため、電気抵抗の
測定により電気絶縁皮膜が破壊されたか否かがわかり、
確実に電気絶縁皮膜が破壊された後に絶縁皮膜破壊工程
を終了することができる。 (5)前記2つ以上の導電部材が、被覆電線と、それが
接続されるべきターミナルとである (1)ないし (4)項の
いずれか1つに記載の接合方法。 (6)少なくとも1つが電気絶縁皮膜によって覆われた
2つ以上の導電部材を抵抗溶接により接合する装置であ
って、それら2つ以上の導電部材を、重ね合わされた状
態で挟んで加圧可能な一対の電極と、それら両電極の少
なくとも一方を加振する加振装置と、前記一対の電極に
抵抗溶接電流を供給する溶接電源とを含む被覆導電部材
の接合装置。一対の電極が2つ以上の導電部材を挟み、
加圧した状態で2つの電極の一方を加振すれば、電気絶
縁皮膜は、被覆導電部材を挟む電極と導電部材とにより
こすられ、あるいは被覆導電部材を挟む2つの導電部材
によりこすられて破壊され、その後、一対の電極に抵抗
溶接電流が供給されて2つ以上の導電部材が抵抗溶接に
より接合される。一対の電極は上下において互いに対向
する状態で設けてもよく、水平方向において対向する状
態で設けてもよく、その他の方向において対向する状態
で設けてもよい。 (7)前記加振装置が、前記一対の電極の少なくとも一
方を、その電極の軸方向の移動を許容しつつその軸方向
と交差する方向に加振するものである (6)項に記載の接
合装置。2個の電極は軸方向に相対移動して導電部材を
加圧し、加圧時と非加圧時とでは2個の電極間の距離が
異なる。加圧のために軸方向に移動させられる電極が加
振装置により振動させられるのであれば、その電極と加
振装置との電極の軸方向における相対位置が加圧時と非
加圧時とで変わるが、本態様の加振装置は電極の軸方向
の移動を許容し、位置が変わっても電極に振動を与える
ことができる。 (8)さらに、前記溶接電源と並列に設けられた抵抗測
定回路と、それら溶接電源と抵抗測定回路とを前記一対
の電極に択一的に接続する切換装置とを含む (6)または
(7)項に記載の接合装置。電気絶縁皮膜の破壊時には、
一対の電極は抵抗測定回路に接続され、抵抗溶接時には
溶接電源に接続される。 (4)項において説明したよう
に、電気絶縁皮膜が破壊されていない状態では、電極間
の電気抵抗は大きいが、電気絶縁皮膜が破壊されれば、
電気抵抗が小さくなることから、抵抗測定回路を設けて
一対の電極間の電気抵抗を測定することにより、電気絶
縁皮膜の破壊が終了したか否かがわかる。溶接電源と抵
抗測定回路とは、一対の電極に択一的に接続されるた
め、抵抗測定時には溶接電源を電極から切り離し、溶接
電源とは別の電源を用いて抵抗の測定を行うことができ
る。 (9)さらに、前記抵抗測定回路により測定される抵抗
が設定値以下に低下することに応じて前記切換装置を、
抵抗測定回路を前記一対の電極に接続する状態から前記
溶接電源を接続する状態に自動的に切り換える切換装置
制御手段を含む (8)項に記載の接合装置。電気絶縁皮膜
が破壊され、電流が互いに重ね合わされた導電部材を通
って流れるようになれば、抵抗測定回路により測定され
る抵抗が設定値以下に低下し、切換装置が自動的に切り
換えられて一対の電極が溶接電源に接続され、抵抗溶接
が自動的に開始される。本態様によれば、接合作業の能
率を向上させることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。本発明に係る接合方法が実施
される接合装置は、被覆導電部材の一種である被覆電線
12と導電部材たる非被覆導電部材の一種であるターミ
ナル14とを接合する装置であり、抵抗溶接装置10に
後述の加振装置40が付加されたものである。被覆電線
12は、図1に示すように、単芯の電線16にエナメル
が塗布されて電気絶縁皮膜18(以下、皮膜18と略称
する)が形成されたものである。一般に、電線16は銅
製、ターミナル14は銅または銅合金製である。なお、
皮膜18は極く薄いものであるが、図1においては理解
を容易にするために、実際より厚く図示されている。
【0006】抵抗溶接装置10のフレーム22には、タ
ングステン製の電極24,26が上下に対向して設けら
れている。下側の電極26は、断面形状が円形を成し、
軸方向が垂直となる姿勢でフレーム22に固定されてお
り、水平で上向きの載置面28を有する。上側の電極2
4は、断面形状が円形を成し、フレーム22に取り付け
られた流体圧アクチュエータの一種である流体圧シリン
ダたるエアシリンダ30により保持されている。エアシ
リンダ30は、フレーム22に下向きに、かつ、ピン3
2により水平軸線まわりに回動可能に取り付けられてい
る。シリンダハウジング34から下方へ突出させられた
ピストンロッド36の突出端部に、電極24がピン38
により回動可能に取り付けられており、電極24は、下
向きで軸方向と直角な加圧面33を備えている。電極2
4は、ピストンロッド36の伸縮により軸方向に移動さ
せられ、電極26に接近,離間させられる。電極24の
エアシリンダ30に対する回動軸線は、エアシリンダ3
0の回動軸線と平行であって、これら回動軸線は、電極
24の軸方向(上下方向)と直角であり、電極24は、
軸方向と回動軸線とにほぼ直角な方向(ほぼ水平な方
向)へ、ほぼ垂直な姿勢を保って移動することができ
る。
【0007】電極24は、フレーム22に取り付けられ
た加振装置40により振動させられる。加振装置40は
コイルに電流を供給することによって形成される磁界と
永久磁石等、別の磁界形成手段によって形成される磁界
との相互作用によりリニア作動するフォースモータによ
り構成されており、その加振子42は、電極24の軸方
向と電極24の回動軸線とに直角な水平方向に振動可能
に設けられている。加振装置40の加振方向は、電極2
4の軸方向と直角であり、電極24,26による被覆電
線12およびターミナル14の加圧方向と直角であっ
て、電極24およびエアシリンダ30の回動軸線と直角
である。加振子42の先端部には円筒状の案内部材44
が上下方向に設けられるとともに、電極24が軸方向に
移動可能に嵌合されており、加振装置40は電極24の
軸方向の移動を許容しつつ、電極24にその軸方向と直
角な方向の振動を付与することができる。加振装置40
により電極24に付与される振動は、周波数が小さく、
振幅が大きいものとされている。
【0008】電極24は導電線50により、電極26は
導電線56によりそれぞれ溶接電源58に接続されてい
る。導電線56の途中には、常開のリレー接点62が設
けられており、このリレー接点62はリレーコイル64
の励磁により閉じられる。リレー接点62およびリレー
コイル64によりリレースイッチ66が構成されてい
る。
【0009】溶接電源58と並列に抵抗測定回路70が
設けられている。抵抗測定回路70は、導電線50と電
極26とを接続する導電線72に設けられた抵抗74,
抵抗測定電源76およびトランジスタ77と、導電線5
0と電極26とを導電線72と並列に接続する導電線7
8に設けられた抵抗80、および抵抗80の両端の電圧
を測定する電圧計82とを有する。上記トランジスタ7
7と前記リレースイッチ66との切換えにより、溶接電
源58と抵抗測定回路70とが択一的に電極24,26
に接続されるのであるが、溶接電流の供給,遮断を行う
リレースイッチ66を利用することにより、安価なトラ
ンジスタ77の追加によって上記択一的接続が実現され
ている。なお、溶接電流は交流でも直流でもよい。
【0010】本接合装置は、制御装置90により制御さ
れる。制御装置90は、PU(プロセッシングユニッ
ト)92,ROM94,RAM96およびそれらを接続
するバス98を有するコンピュータ100を主体とする
ものであり、バス98には入力インタフェース102が
接続され、電圧計82が接続されている。バス98には
また、出力インタフェース104が接続されるととも
に、エアシリンダ30(正確には、エアシリンダ30の
2個のエア室へのエアの供給を切り換える電磁方向切換
弁),加振装置40のフォースモータ,リレーコイル6
4およびトランジスタ77が接続されている。なお、エ
アシリンダ30およびフォースモータについては、矢印
による接続関係の図示は省略されている。また、ROM
94には、図2にフローチャートで示す接合処理等が記
憶されている。
【0011】接合時には、下側の電極26の載置面28
上にターミナル14が載置されるとともに、ターミナル
14上に被覆電線12の一端部が載置される。なお、図
1には、互いに接合される2つの導電部材のいずれが被
覆電線12であるかをわかり易くするために、被覆電線
12は、その軸方向が電極24の振動方向と直角となる
向きに図示されているが、実際には、被覆電線12およ
びターミナル14は、図1に示す姿勢から垂直軸線まわ
りに90度回動した姿勢であって、被覆電線12の軸線
方向と電極24の振動方向とが一致する姿勢でセットさ
れる。
【0012】接合の開始指令に基づいて接合が開始され
る。まず、ステップ1(以下、S1と略記する)が実行
されて電極24がエアシリンダ30により下降させら
れ、加圧面33が被覆電線12に接触させられるととも
に、被覆電線12およびターミナル14を電極26との
間に挟み、絶縁破壊に適した圧力で加圧する。エアシリ
ンダ30は、加圧装置であり、電極24を電極26に接
近,離間させる電極移動装置でもあるのである。
【0013】次いでS2が実行され、皮膜18が破壊さ
れたか否かの判定が行われる。この判定は、電圧計82
の測定値が設定値以下であるか否かにより行われる。ト
ランジスタ77およびリレー接点62はいずれも常には
開かれており、電極24,26が被覆電線12およびタ
ーミナル14を加圧する状態で、トランジスタ77のベ
ースに電圧が印加されてトランジスタ77が閉じられ
る。電圧印加当初は、被覆電線12の皮膜18が破壊さ
れていないため、抵抗測定電源76から供給された電流
は、皮膜18により流れを阻止されて電極24から電極
26へは流れず、抵抗74,80を通って流れ、電圧計
82の測定値が設定値より大きくなる。
【0014】加振装置40が作動させられ、電極24が
その軸方向と直角な方向に振動させられれば、電極24
およびターミナル14に挟まれた被覆電線12の皮膜1
8が電極24およびターミナル14によりこすられ、物
理的な破壊力により破壊される。振動に伴って皮膜18
に発熱も生ずるが、僅かであり、主として物理的な破壊
力により皮膜18が破壊される。それにより皮膜18の
抵抗がなくなって、抵抗測定電源76からの電流は、電
極24から電線16およびターミナル14を通って電極
26へ流れ、殆ど導電線78を流れなくなるため、電圧
計82の測定値が設定値以下になって、皮膜18が破壊
されたことがわかる。抵抗80の両端の電圧の測定によ
り、電極24,26間の電気抵抗が測定されるのであ
る。なお、エアシリンダ30の両端部は、加振装置40
の加振方向と直交するピン32,38により回動可能に
フレーム22と電極24とに連結されているため、電極
24への振動付与時にエアシリンダ30がこじられて損
傷することはなく、また、電極24はほぼ垂直な姿勢を
保って振動することができ、加圧面33はほぼ水平な状
態で被覆電線12をほぼ平均にこすることができる。
【0015】皮膜18が破壊されればS2の判定結果が
YESになってS3が実行され、電極24が抵抗溶接に
適した圧力で被覆電線12およびターミナル14を加圧
する状態とされた後、S4が実行され、抵抗溶接が行わ
れる。トランジスタ77が開かれる一方、リレー接点6
2が閉じられ、溶接電流が供給される。電流は、電極2
4,電線16,ターミナル14および電極26を通って
流れ、電線16とターミナル14との接触部の接触電気
抵抗に基づく発熱および電極24の加圧により、被覆電
線12がターミナル14に接合される。抵抗溶接に必要
な時間の経過後、リレー接点62が開かれ、溶接が終了
する。
【0016】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、リレー62およびトランジスタ77が切
換装置を構成し、制御装置90の電圧計82からの検出
信号に基づいてリレー62およびトランジスタ77の切
換えを行う部分が切換装置制御手段を構成している。な
お、電極24の加圧力を受けて、電極24と共に被覆電
線12およびターミナル14を加圧していると考えれ
ば、電極26やフレーム22も加圧装置の構成要素であ
り、載置面28は加圧面でもあると考えることができ
る。
【0017】なお、上記実施形態において、電極24に
付与される振動は、周波数が小さく、振幅が大きいもの
とされ、被覆電線12の皮膜18は主として振動に伴う
物理的な破壊力により破られるようにされていたが、主
として、電極に付与される振動に基づく発熱により皮膜
が溶融されて破壊されるようにしてもよい。この場合、
例えば、図3に示すように、抵抗溶接装置110と共に
接合装置を構成する加振装置112は、ピエゾスタック
により構成され、周波数が大きく、振幅が小さい振動を
上側の電極114に与えるものとされる。電極114
は、前記電極24と同様に、エアシリンダ30のピスト
ンロッド36の突出端部にピン38により回動可能に取
り付けられている。
【0018】加振装置112は、フレーム22にピン1
16により回動可能に連結されている。加振装置112
の加振子118は、電極114の軸方向(電極26に対
する移動方向)およびエアシリンダ30に対する回動軸
線と直角な方向に振動可能に設けられるとともに、ピン
120により電極114に直接、回動可能に連結され、
振動が確実に伝達されるようになっている。加振装置1
12の加振方向は、電極114の軸方向と直角であり、
電極114,26による被覆電線132およびターミナ
ル130の加圧方向と直角であって、電極114のエア
シリンダ30に対する回動軸線およびエアシリンダ30
の回動軸線と直角である。電極114はまた、一端部が
ピン122によってフレーム22に回動可能に連結され
たリンク124の他端部に、ピン126により回動可能
に連結されている。これら加振装置112,加振子11
8,リンク124の各回動軸線は互いに平行であり、電
極114のエアシリンダ30に対する回動軸線と平行で
あって加振方向と直角であり、電極114への振動付与
時にエアシリンダ30がこじられることがなく、また、
電極114は、電極114の軸方向と加振方向とに直角
な軸線まわりに回動して傾くことがなく、ほぼ垂直な姿
勢を保って振動することができる。その他の構成は前記
実施形態と同じであり、前記実施形態の装置の構成要素
と同様の作用を成す部材については同一の符号を付して
対応関係を示し、説明を省略する。また、電極114,
26間の電気抵抗の測定および電極114,26への電
流の供給は前記実施形態と同様に行われるが、電気回路
の図示は省略する。
【0019】本接合装置により、ターミナル130に抵
抗溶接される被覆電線132は、単芯の電線134が絶
縁材料の一種である合成樹脂製(例えば、ポリエステ
ル)の比較的厚い電気絶縁皮膜136(以下、皮膜13
6と略称する)により覆われたものである。接合時に
は、ターミナル130が電極26の載置面28上に載置
されるとともに、ターミナル130上に被覆電線132
が載置された後、電極114が下降させられ、加圧面1
38が被覆電線132に接触させられ、電極26との間
に被覆電線132およびターミナル130を挟んで皮膜
破壊に適した圧力で加圧するとともに、加振装置112
により振動が付与される。この振動は、周波数が大き
く、振幅が小さい振動であるため、皮膜136が発熱し
て急速に高温となり、破壊される。この際、被覆電線1
32には振動に伴う物理力な力も加えられるが、それに
よって皮膜136が破壊される前に発熱により溶融させ
られる。破壊後、電極114が抵抗溶接に適した圧力で
被覆電線132およびターミナル130を加圧する状態
とされた後、電極114,26に溶接電流が供給されて
被覆電線132がターミナル130に抵抗溶接される。
【0020】なお、上記各実施形態においては、上側の
電極24,114が昇降させられて下側の電極26との
間に被覆電線12,132およびターミナル14,13
0を挟んで加圧するようにされていたが、下側の電極を
上側の電極に対して接近,離間させ、上側の電極との間
に互いに接合される導電部材を挟んで加圧するようにし
てもよく、あるいは両電極を共に、互いに接近,離間す
る向きに移動させてもよい。
【0021】その他、特許請求の範囲を逸脱することな
く、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した
態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る接合方法が実施される接合装置を
示す正面図である。
【図2】上記接合装置を制御する制御装置のROMに記
憶された接合処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る接合方法が実施される接合装置の
別の例を示す正面図である。
【符号の説明】
10:抵抗溶接装置 12:被覆電線 14:ター
ミナル 18:電気絶縁皮膜 24,26:電極
30:エアシリンダ 40:加振装置 70:抵抗測定回路 90:制御装置 110:抵
抗溶接装置 112:加振装置 114:電極
130:ターミナル 132:被覆電線 136:
電気絶縁皮膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つが電気絶縁皮膜によって
    覆われた2つ以上の導電部材を抵抗溶接により接合する
    方法であって、 それら2つ以上の導電部材を重ね合わせ、抵抗溶接装置
    の両電極間において加圧した状態で振動を与え、前記電
    気絶縁皮膜を破って前記2つ以上の導電部材同士を接触
    させる絶縁皮膜破壊工程と、 その絶縁皮膜破壊工程の実施後に、前記両電極間に抵抗
    溶接電流を流して前記2つ以上の導電部材を抵抗溶接す
    る溶接工程とを含む被覆導電部材の接合方法。
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