JP2002134246A - 絶縁皮膜電線の通電熱カシメ接合方法と装置 - Google Patents

絶縁皮膜電線の通電熱カシメ接合方法と装置

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JP2002134246A
JP2002134246A JP2000328027A JP2000328027A JP2002134246A JP 2002134246 A JP2002134246 A JP 2002134246A JP 2000328027 A JP2000328027 A JP 2000328027A JP 2000328027 A JP2000328027 A JP 2000328027A JP 2002134246 A JP2002134246 A JP 2002134246A
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terminal
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caulking
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Shoji Shiba
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Dengensha Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】皮膜電線の通電熱カシメによる端子寸法管理を
飛躍的に向上させることを課題とする。 【解決手段】 結束した複数の皮膜線を接続端子に挿入
し,その挿入して形成した重ね接合部を電極で挟みつけ
て加圧・通電して加熱し,被接合部の絶縁皮膜を溶融除
去して皮膜線と接続端子とを結合する場合,少なくとも
一方の電極は電動モータで加圧駆動し,電極位置決め,
電極変位及び/又は熱カシメに必要な加圧力又は加熱電
流を制御可能とし,通電熱カシメ中に,モータ出力で駆
動する電極の変位量が予め設定した端子寸法値に達した
ときに外部に出力信号を発し端子接合部の品質管理を行
なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は,モータ,リレーコ
イル,ソレノイド端末などのようにコイル状に巻かれた
絶縁皮膜電線(以下 皮膜線という)を複数本束ねた皮
膜線と接続端子に通電加熱しながら端子を押し潰して通
電熱カシメする場合に有用な絶縁皮膜線の端子接合方法
と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,エナメル線又は樹脂等の皮膜を有
する絶縁皮膜電線と接続端子とを結合する場合,たとえ
ば特開平6−218552号公報,特開平7−1455
2号公報,特開平7−256464号公報,特開平8−
39264号公報,特開平8−39264号公報,特開
平8−132245号公報,特開平8−264256号
公報に記載された接続方法及び装置が知られている。
【0003】上記の公知技術は図5に示すように絶縁皮
膜電線Wを接続端子Sその他の金属チップP類に重ねあ
わせ,その重ね合わせた被接合部を,抵抗発熱を利用し
て熱カシメする場合,その熱カシメ機に抵抗スポット溶
接機が利用されている。
【0004】従来の熱カシメ機に使用されている電極装
置はエア方式によるものが一般的であり,図6に示すよ
うに凸型の上電極61と凸型の下電極62はそれぞれの
電極ホルダ63と64と組み合わせた構造を有してい
る。また前記電極ホルダ63と64は円錐状の挿入部が
各チップホルダ65,66の嵌入部に嵌め込まれて支持
されている。
【0005】被接合材を抵抗発熱させるための電流は,
上電極61から被接合部を経て下電極62へダイレクト
に流れる。またこの場合,極性を逆にすれば逆方向に通
電経路を流れ,この通電経路は電流供給源の熱カシメト
ランスの端子と結合されている。
【0006】従来は他の部分より電気抵抗値の高い電極
部分が発熱し,被接合部を加熱し,さらには被接合部の
温度上昇による抵抗値の上昇でこの部分の自己発熱も加
わって最終的には被接合部の相互結合が可能となるもの
であった。
【0007】ワークに当接する上電極61と下電極62
はタングステンに代表される電気抵抗値の高い,高融点
の性質を持つ金属で作られているのが一般的である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,従来は
次のような問題点があった。 1.従来の通電熱カシメ機は大半が専用機として使用さ
れ,電極の加圧源はエアシリンダが主流であった。この
ため,可動側の外部に位置測定器たとえばリニアセンサ
を取り付けて機械的な動きで寸法測定を行なってきた
が,実際の押し潰された端子カシメ量と設定した所定寸
法値とにバラツキが生じ接合品質の不安定を招いてい
た。 2.結束した皮膜線に端子角度をつけて取り付ける場合
に,従来の定置式抵抗スポット溶接機では電極の向きが
固定であるため角度を付けて端子を接合することは困難
である。 3.接続端子への電極のソフトタッチができないので加
圧時の衝撃力によりカシメ部が過剰に潰れてしまい,そ
れは端子寸法管理上不適合の原因となり,絶対に避けな
ければならなかった。 4.接続端子とエナメル線の熱カシメ部の機械的性能
(引張り強度・繰り返し曲げ強度)の低下,電気的機能
(抵抗値の増加)の低下や機械的・電気的性能のバラツ
キ量が増加し,これによってモータの性能を低下させ,
使用上に様々な問題を発生させる。 5.また,従来の通電熱カシメ機は発熱体のタングステ
ン電極61,62と電極ホルダ63,64との相互結合
間は主に銀ロウで接合されているため,上電極と電極ホ
ルダが400℃から500℃の高温に加熱されると,ロ
ウ材が溶けて接合部の耐久性が劣り,甚だしくは接合部
が分離し電極自体が離脱し上電極,下電極の早期消耗と
いう致命的問題が発生する。
【0009】
【目 的】本発明は上記の問題点を解決するために開発
されたもので,電極の精確・巧妙な位置制御を可能と
し,これによって接続端子とエナメル線との通電熱カシ
メによる端子寸法管理精度の向上と,通電熱カシメによ
る端子寸法のバラツキをなくし,任意の端子接合角度に
も容易に対応し得ることができ,工業的量産化を可能と
する絶縁皮膜電線の接合方法及び装置を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで,本発明は前記の
目的を達成するために次のような技術的手段を講じてあ
る。すなわち請求項1は,電線の表面を絶縁皮膜で被覆
された複数の皮膜線を結束して,その結束した前記皮膜
線を接続端子に挿入し,その挿入して形成された重ね接
合部を正負一対の電極で挟みつけて加圧・通電して加熱
し,前記被接合部の絶縁皮膜を溶融除去して前記皮膜線
と前記端子とを結合する方法において,少なくとも一方
の電極は電動モータで加圧駆動し,通電加熱時に電極変
位量を検出し,その検出した電極変位量に応じて通電熱
カシメに必要な電極加圧力を制御する絶縁皮膜電線の通
電熱カシメ接合方法を提供する。
【0011】次に本発明の請求項2は,電線の表面を絶
縁皮膜で被覆された複数の皮膜線を結束して,その結束
した前記皮膜線を接続端子に挿入し,その挿入して形成
された重ね接合部を正負一対の電極で挟みつけて加圧・
通電して加熱して前記被接合部の絶縁皮膜を溶融除去し
て前記皮膜線と前記端子とを結合する方法であって,少
なくとも一方の電極は電動モータで加圧駆動し,電極変
位及び/又は通電熱カシメに必要な加圧力又は加熱電流
を制御可能とする通電熱カシメ接合方法を提供する。
【0012】次に本発明の請求項3は,電線の表面を絶
縁皮膜で被覆された複数の皮膜線を結束して,その結束
した前記皮膜線を接続端子に挿入し,その挿入して形成
された重ね接合部を正負一対の電極で挟みつけて加圧・
通電して加熱し,前記被接合部の絶縁皮膜を溶融除去し
て前記皮膜線と前記端子とを結合する方法であって,少
なくとも一方の電極は電動モータで加圧駆動し,電極位
置決め,電極変位及び/又は通電熱カシメに必要な加圧
力又は加熱電流を制御可能とする熱カシメ接合方法にお
いて,前記モータ出力で電極を駆動するサーボスポット
ガンを産業用ロボットに搭載し,これによって前記熱カ
シメに必要な諸動作をロボットコントローラからの指令
を受けて行なうようにした絶縁皮膜線の通電熱カシメ接
合方法を提供する。
【0013】次に本発明の請求項4は,電線の表面を絶
縁皮膜で被覆された複数の皮膜線を結束して,その結束
した前記皮膜線を接続端子に挿入し,その挿入して形成
された重ね接合部を正負一対の電極で挟みつけて加圧・
通電して加熱し,前記被接合部の絶縁皮膜を溶融除去し
て前記皮膜線と前記端子とを結合する方法であって,少
なくとも一方の電極は電動モータで加圧駆動し,電極位
置決め,電極変位及び/又は通電熱カシメに必要な加圧
力又は加熱電流を制御可能とする熱カシメ接合方法にお
いて,前記熱カシメ過程中に,モータ出力で電極を駆動
するサーボスポットガンの電極変位量が予め設定された
値に達したとき,又は達しなかったときに外部に出力信
号を発し前記接合部の品質管理を行なう絶縁皮膜線の通
電熱カシメ接合方法を提供する。
【0014】次に本発明の請求項5は,前記請求項1か
ら4のいずれか一つの方法において,前記電極変位の検
出は前記モータのエンコーダで行ない,電極加圧力の検
出は前記モータの電機子電流で行ない,かつこれらのデ
ータをモニタリングしてフィードバック制御を行なう絶
縁皮膜線の通電熱カシメ接合方法を提供する。
【0015】さらに本発明の請求項6は,電線の表面を
絶縁皮膜で被覆された複数の皮膜線を結束して,その結
束した前記皮膜線を接続端子に挿入し,その挿入して形
成された重ね接合部を支持するワーク治具と,前記ワー
ク治具の近傍に設置された産業用ロボットと,前記産業
ロボットに搭載された少なくとも一方の電極は電動モー
タで加圧駆動する正負一対の電極を有するサーボスポッ
トガンと,前記ロボットの複数軸と前記スポットガンの
駆動軸を制御するロボットコントローラおよび前記ロボ
ットコントローラからの信号で熱電源の開閉器を制御す
る電源制御装置とを有し,前記スポットガンの電極で挟
みつけて加圧・通電して加熱し,前記被接合部の絶縁皮
膜を溶融除去して前記皮膜線と前記端子とを結合する過
程中に,前記電極の変位量が所定値に達したときに前記
電極間の加圧力及び加熱電流を遮断する絶縁皮膜電線の
通電熱カシメ装置を提供する。
【0016】次に,本発明の請求項7は前記スポットガ
ンの電極先端に電気抵抗値の高い,高融点の性質を有す
る金属チップを嵌め込み,前記嵌合部に連結ピンを挿入
して,前記金属チップを結合した絶絶縁皮膜電線の熱カ
シメによる端子接合装置を提供する。
【0017】次に,本発明の請求項8は前記電極先端に
嵌め込まれた金属はタングステン系又はモリブデン系で
ある絶縁皮膜電線の通電熱カシメによる端子接合装置を
提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明の通電熱カシメによ
る接合方法を実施するための装置の実施例を示す全体構
想図である。図2は本発明の通電熱カシメ方法を実施す
る動作原理を示すフロチャートである。図3は本発明の
装置に使用される電極の構造例を示す断面図である。図
4は図3のA矢視図である。
【0019】本発明の通電熱カシメによる接合装置は,
図1に示すように周知の複数駆動軸を有する産業用ロボ
ット1と,ロボットアーム2の手首に連結されたサーボ
スポットガン3(Cタイプ,Xタイプを問わない)と,
前記ロボットのサーボ駆動軸を制御するサーボCPU4
及び前記サーボスポットガンの1軸又は2軸を制御するド
ライブユニット5を含むロッボトコントローラ6と,電
源制御装置として前記スポットガン3の熱カシメ電源の
開閉器を制御するタイマコンタクタ7と,複数個の被接
合物である電動モータMを位置固定して各電動モータの
ステータに巻かれた複数の皮膜線Wを結束して,その結
束した前記皮膜線を接続端子Sに挿入した重ね接合部を
所定位置で支持するワーク治具9とが備えられたもので
ある。
【0020】前記スポットガン3の基本的構造は正負一
対の可動電極10と固定電極11とからなり,可動電極
10は加圧駆動ユニット12によりガンアーム13の先
端に取り付けられた固定電極11に対向して前進後退す
る。前記駆動ユニット12はボールねじ14を回転させ
る電動モータ8を有し,ボールねじ14とボールナット
5を組み合わせ,ボールナット15にはリニアガイドレ
ール16と接するボールベアリングを循環させてボール
ナット15を滑らかに直動させるリニアガイド装置から
構成されている。前記駆動ユニット12は前記モータ8
でボールねじ14を回転することでボールナット側に取
付けられた可動電極10に通電熱カシメに必要な機械的
な加圧力を得るためのトルクを発生させる。
【0021】固定電極11は前記駆動ユニット12の本
体側に固定されたガンアーム13に支持されている。給
電面をフラットな形状にしているが,接続端子Sの外形
寸法に適した断面凹型溝を形成する場合もある。可動電
極10は電極先端が凸型をなし,前記固定電極11と相
対向して配置されている。前記可動電極10はボールナ
ット15に取付けられたチップホルダ16に支持されて
いる。
【0022】前記スポットガンの可動電極10及び固定
電極11は,図3,図4に示すように各電極の先端に形
成された凹型溝に純タングステン又は銅タングステン等
からなる電極チップ17が挿入される。このタングステ
ン系の金属チップは電気抵抗値の高い,高融点の性質を
有するもので,ほかにカーバイドやモリブデンと銅又は
銀とを焼結した焼結金属も同様に利用可能である。前記
電極チップ17と電極ホルダ18はそれぞれ貫通穴が形
成され,その嵌合部において貫通穴に銅製,又はタング
ステン棒のような連結ピン19が打ちこまれて機械的に
結合される。
【0023】上記の機械的な結合は,タングステン自体
が発熱体であるため加熱電流によって結合材のロウを溶
融し結合部の分離を防止するためである。この連結ピン
19は1本又は導電材に限らず,結合部の機械的強度に
応じて2本以上又は非導電性のものでもよい。前記電極
チップ17を交換する場合は前記連結ピン19を外すこ
とで前記チップの着脱が可能になる。
【0024】なお,固定電極11の断面溝はU字型,V
字型など接続端子のフック形状・大きさ等に合わせて任
意の形状が選択される。
【0025】ワーク治具9は複数のワークをセットして
間欠的に所定位置へ送ることができるターンテーブルや
コンベア式の移動台でよい。
【0026】電極位置検出は電極チップの磨耗による電
極チップ間の変位量を修正するため,電極の原点セット
を行なう。この原点セットを行なう場合に電極同志を加
圧してトルク電流が流れた位置を基点(ゼロ)として,
その原点位置をサーボモータ8に内蔵されているエンコ
ーダ20の値から読み取る。
【0027】サーボスポットガン3のサーボモータ駆動
の制御はロボットコントローラ6に内蔵されているドラ
イブユニット5で行なわれる。
【0028】タイマコンタクタ7はサーボスポットガン
3では電源とトランスTとの主回路に介在し,通電熱カ
シメを行う際にロボットコントローラ6からの通電信号
を受けて電子スイッチを動作させ,トランスTの主電流
を制御し,サーボスポットガン3の二次側導体に流れる
加熱電流の大きさや通電時間等を直接制御する。
【0029】次に本発明の動作を図1及び図2に基づいて
説明する。まず予め通電熱カシメする前に電極チップ間
にワークを挿入しない状態で,固定電極11と可動電極
10同志または電極間に基準材を挿入してクランプし,
その停止した時の可動電極10の移動量からエンコーダ
20により電極の原点,ゼロ基点を検出し,そのデータ
をロボットコントローラ6に記憶する。
【0030】産業用ロボット1は一般的な6軸制御の運
動機能を有し,ロボットコントローラ6には前記ロボッ
ト1とサーボスポットガン3の通電熱カシメに必要な諸
動作,つまり速度,位置決め,最適条件などの情報がテ
イーチングされ,そのテイーチングされたプログラムデ
ータに基づいて一連の作業操作がロボットにより再現さ
れる。
【0031】通電熱カシメの対象となる電動モータMの
皮膜線接合端子Sは,予めワーク治具9に設けた複数の
モータセット位置に固定される。
【0032】かくして,前記ロボット1によりサーボス
ポットガン3を所定の接合位置に移動を開始する。この
場合,サーボスポットガン3の可動電極10は開放した
状態で移動する。可動電極10及び固定電極11の電極
角度が端子接合部に位置決めされると,前記スポットガ
ン3は停止する。
【0033】次いで,ロボットコントローラ6からの信
号でサーボスポットガン3の電動モータ8が作動し,前
記駆動ユニット12による直線運動で可動電極10が下
降し固定電極11との間で端子接合部を挟み付けて加圧
する。
【0034】この間の可動電極10の速度は電極先端が
端子接合部に接する寸前まで速く動作することができ,
したがって電極10がワークと接する瞬間にスピードが
減速され,実質的にソフトタッチでワークに当接する。
【0035】その後,第一段目の加圧力として固定電極
11と可動電極10との間にたとえば5kNから10k
Nの高加圧力を得るためのトルクを発生させて5から1
0サイクルの間で接続端子を機械的にカシメる。次いで
第二段目の加圧力として,たとえば第一段目に対応した
3kNから6kNの低い加圧力にトルクを切替え,ロボ
ットコントローラ6からの信号でタイマコンタクタ7の
開閉器を動作し,たとえば50から200サイクルの間
に12kAから17kAの加熱電流を少なくとも一回以
上たとえば二回通電する。
【0036】これによって,可動電極10と固定電極1
1によって形成された各通電回路に加熱電流が供給され
ると,電流は正負間の電極の接触点を通りワークへ流
れ,ワークと接する電極面が加速的に加熱され,この熱
が接続端子S及び皮膜線Wに伝わって絶縁皮膜を熱破壊
する。
【0037】このようにして皮膜線の絶縁被覆が溶解さ
れた後,第一段目の通電を遮断し,第二段目の加熱電流
を上下電極間にダイレクトに供給して被接合部を直接加
熱し圧接することができる。
【0038】この場合,前記スポットガンの電極で挟み
つけて加圧・通電して加熱して前記被接合部の絶縁皮膜
を溶融除去して前記皮膜線と前記端子とを結合する過程
中に,前記可動電極10の変位量が押し潰す所定寸法つ
まり設定値に達したときに前記電極間の加圧力及び/又
は加熱電流を遮断する。
【0039】なお,カシメ量は前記電極変位から前記モ
ータ8のエンコーダ20で検出され,電極加圧力は前記
モータ8の電機子電流で検出される。これらのデータは
打点毎に逐次モニタリングしてそのカシメ量が設定値に
達したかどうかCPUで比較演算し,その結果が設定値
に達しなかったときに,その差分をフィードバック制御
し,設定値に達するまで加圧力及び/又は加熱電流を増
減するなどの補正制御が行われる。
【0040】かくして設定寸法に達し端子接合が完了す
ると,ロボットコントローラ6からの完了信号で,加圧
力と加熱電流が遮断され,前記スポットガン3の駆動ユ
ニット12が逆動作し可動電極10が開放し,熱カシメ
の一サイクル動作が完了する。次いで,ターンテーブル
9が回転し所定位置で停止し,新しいワークの出し入れ
が行なわれ,以下同様に熱カシメサイクルが繰り返され
る。なお,前記スポットガンの電極動作とロボット動作
は同期させて移動することになる。
【0041】電極チップ17の消耗量の測定は10回に
1回スポットガンの空打ち加圧を行ない,基点をリセッ
トすることになる。
【0042】なお,本発明の通電熱カシメの実施例では
サーボスポットガン3をロボット1に搭載したが,定置
型のサーボスポットでワーク治具9側をロボットに置換
えることも本発明の一態様として容易である。
【0043】
【発明の効果】以上で説明したように,本発明の請求項
1又は2の方法によれば,モータ,リレーコイル,ソレ
ノイド端末などのようにコイル状に巻かれた絶縁皮膜電
線を複数本束ねた端末又は電線途中を,接続端子に直接
セットし通電熱カシメ又はスポット溶接で結合する場合
に, 電動モータにより精確・巧妙に位置制御すること
ができ,このため,端子カシメ量と設定寸法値とのバラ
ツキをなくすことができ安定な接合品質を得ることがで
きる。
【0044】また,本発明の請求項3,4又は6によれ
ば,接続端子を結束した皮膜線に端子角度をつけて取り
付ける場合に,従来の定置式スポット溶接機による通電
熱カシメ機では電極の向きが固定であるため角度を付け
て結合することは困難であったが,ロボットにより自由
に電極の方向姿勢変更ができるため,任意の端子取り付
け角度またはワーク形状・大きさの変化にも容易に対応
することができ,設備コストの削減はもちろん,通電熱
カシメの接合タクト短縮を可能とし,工業的量産を可能
とする。
【0045】本発明の請求項5によれば,一打点毎に電
極速度,電極変位,電極加圧力,電流値等の情報をモニ
タリングしてフィードバック制御を行なうことで,接続
端子への電極のソフトタッチができ,加圧時の衝撃力に
より従来のカシメ部と対比し過剰に押し潰れることがな
くなり,不良品の発生をなくし,しかも端子寸法管理が
飛躍的に向上する。
【0046】これによって,接続端子とエナメル線の熱
カシメ部の機械的性能(引張り強度・繰り返し曲げ強
度)の低下,電気的機能(抵抗値の増加)の低下や機械
的・電気的性能のバラツキ量が減少し,これをもってモ
ータの性能を維持することができる。
【0047】本発明の請求項7又は8によると,従来の
熱カシメ機は発熱体のタングステン電極と電極ホルダの
相互間は主に銀ロウで接合されているため,上電極と電
極ホルダが400℃から500℃の高温に晒されると,
ロウ材が溶けて接合部の耐久性が劣り,甚だしくは接合
部が分離し電極自体が離脱し上電極,下電極の早期消耗
という致命的問題が発生するのに対し,前記スポットガ
ンの少なくとも一方の電極先端に電気抵抗値の高い,高
融点の性質を有する金属チップを嵌め込み,前記嵌合部
に連結ピンを挿入し,機械的に結合したことによって,
前記ロウ材の溶融や嵌合公差に左右されないから電極の
耐熱・耐久性を得ることができる。また連結ピンを取り
外すことで高価な金属チップのみを交換することができ
る。
【0048】また本発明によれば,連続した任意の可変
加圧力と,低加圧時での二回通電を行うことができ,高
加圧力のみで熱カシメを行う従来の一般的な方法に比
べ,高温度に晒される電極部の亀裂・破損を防止するこ
とができる。
【0049】つまり本発明は高加圧力で機械的にカシメ
た後,加熱しやすいように低加圧力に可変させた状態で
通電することが可能となり,適切な発熱温度が維持で
き,繰り返し使用する消耗電極としても電極寿命を各段
に延長することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための実施例を示す上
下電極の概略図である。
【図2】本発明の動作例を示すフロチャートである。
【図3】本発明装置の電極構造の実施例を示す断面図で
ある。
【図4】図3のA矢視図である。
【図5】絶縁皮膜電線と接続端子との接合部の例を示す
ワーク外観図である。
【図6】従来の通電熱カシメ機に使用された電極装置の
構造例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 産業用ロボット 2 ロボットアーム 3 サーボスポットガン 6 ロボットコントローラ 7 タイマコンタクタ 8 電動モータ 9 ワーク治具 10 可動電極 11 固定電極 12 加圧駆動ユニット 13 ガンアーム 14 ボールねじ 15 ボールナット 16 チップホルダ 17 電極チップ 18 電極ホルダ 19 連結ピン 20 エンコーダ S 接続端子 T 加熱用トランス W 絶縁皮膜電線
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年10月27日(2000.10.
27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】本発明の請求項7又は8によると,従来の
熱カシメ機は発熱体のタングステン電極と電極ホルダの
相互間は主にロウ材で接合されているため,上電極と電
極ホルダが400℃から500℃の高温に晒されると,
ロウ材が溶けて接合部の耐久性が劣り,甚だしくは接合
部が分離し電極自体が離脱し上電極,下電極の早期消耗
という致命的問題が発生するのに対し,前記スポットガ
ンの少なくとも一方の電極先端に電気抵抗値の高い,高
融点の性質を有する金属チップを嵌め込み,前記嵌合部
に連結ピンを挿入し,機械的に結合したことによって,
前記ロウ材の溶融や嵌合公差に左右されないから電極の
耐熱・耐久性を得ることができる。また連結ピンを取り
外すことで金属チップのみを交換することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 11/24 336 B23K 11/24 336 11/25 513 11/25 513

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電線の表面を絶縁皮膜で被覆された複数
    の皮膜線を結束して,その結束した前記皮膜線を接続端
    子に挿入し,その挿入して形成された重ね接合部を正負
    一対の電極で挟みつけて加圧・通電して加熱し,前記被
    接合部の絶縁皮膜を溶融除去して前記皮膜線と前記端子
    とを結合する方法において,少なくとも一方の電極は電
    動モータで加圧駆動し,通電加熱時に電極変位量を検出
    し,その検出した電極変位量に応じて通電熱カシメに必
    要な電極加圧力を制御する絶縁皮膜電線の通電熱カシメ
    による端子接合方法。
  2. 【請求項2】 電線の表面を絶縁皮膜で被覆された複数
    の皮膜線を結束して,その結束した前記皮膜線を接続端
    子に挿入し,その挿入して形成された重ね接合部を正負
    一対の電極で挟みつけて加圧・通電して加熱し,前記被
    接合部の絶縁皮膜を溶融除去して前記皮膜線と前記端子
    とを結合する方法であって,少なくとも一方の電極は電
    動モータで加圧駆動し,電極変位及び/又は通電熱カシ
    メに必要な加圧力又は加熱電流を制御可能とする通電熱
    カシメ接合方法。
  3. 【請求項3】 電線の表面を絶縁皮膜で被覆された複数
    の皮膜線を結束して,その結束した前記皮膜線を接続端
    子に挿入し,その挿入して形成された重ね接合部を正負
    一対の電極で挟みつけて加圧・通電して加熱し,前記被
    接合部の絶縁皮膜を溶融除去して前記皮膜線と前記端子
    とを結合する方法であって,少なくとも一方の電極は電
    動モータで加圧駆動し,電極位置決め,電極変位及び/
    又は通電熱カシメに必要な加圧力又は加熱電流を制御可
    能とする通電熱カシメ接合方法において,前記モータ出
    力で電極を駆動するサーボスポットガンを産業用ロボッ
    トに搭載し,これによって前記熱カシメに必要な諸動作
    をロボットコントローラからの指令を受けて行なうよう
    にした絶縁皮膜線の通電熱カシメによる端子接合方法。
  4. 【請求項4】 電線の表面を絶縁皮膜で被覆された複数
    の皮膜線を結束して,その結束した前記皮膜線を接続端
    子に挿入し,その挿入して形成された重ね接合部を正負
    一対の電極で挟みつけて加圧・通電して加熱し,前記被
    接合部の絶縁皮膜を溶融除去して前記皮膜線と前記端子
    とを結合する方法であって,少なくとも一方の電極は電
    動モータで加圧駆動し,電極位置決め,電極変位及び/
    又は熱カシメに必要な加圧力又は加熱電流を制御可能と
    する通電熱カシメ接合方法において,前記熱カシメ過程
    中に,前記モータ出力で電極を駆動するサーボスポット
    ガンの電極変位量が予めロボットコントローラに設定さ
    れた値に達したとき,又は達しなかったときに外部に出
    力信号を発し前記接合部の品質管理を行なう絶縁皮膜線
    の通電熱カシメによる端子接合方法。
  5. 【請求項5】前記請求項1から4のいずれか一つの方法
    において,前記電極変位の検出は前記モータのエンコー
    ダで行ない,電極加圧力の検出は前記モータの電機子電
    流で行ない,かつこれらのデータを打点毎にモニタリン
    グしてフィードバック制御を行なう絶縁皮膜線の通電熱
    カシメ接合方法。
  6. 【請求項6】 電線の表面を絶縁皮膜で被覆された複数
    の皮膜線を結束して,その結束した前記皮膜線を接続端
    子に挿入し,その挿入して形成された重ね接合部を支持
    するワーク治具と,前記ワーク治具の近傍に設置された
    産業用ロボットと,前記産業ロボットに搭載された少な
    くとも一方の電極は電動モータで加圧駆動する正負一対
    の電極を有するサーボスポットガンと,前記ロボットの
    複数軸と前記スポットガンの駆動軸を制御するロボット
    コントローラおよび前記ロボットコントローラからの信
    号で熱カシメ電源の開閉器を制御する電源制御装置とを
    有し,前記スポットガンの電極で挟みつけて加圧・通電
    して加熱し前記被接合部の絶縁皮膜を溶融除去して前記
    皮膜線と前記端子とを結合する過程中に,前記電極の変
    位量が所定値に達したときに前記電極間の加圧力及び/
    又は加熱電流を遮断する絶縁皮膜電線の通電熱カシメに
    よる端子接合装置。
  7. 【請求項7】 請求項6の装置において,前記スポット
    ガンの電極先端に電気抵抗値の高い,高融点の性質を有
    する金属チップを嵌め込み,前記嵌合部に連結ピンを挿
    入して前記金属チップを結合した絶縁皮膜電線の通電熱
    カシメによる端子接合装置。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7の装置において,前記電
    極先端に嵌め込まれた金属はタングステン系又はモリブ
    デン系である絶縁皮膜電線の通電熱カシメによる端子接
    合装置。
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