JP2002275565A - 熱交換器用アルミニウム合金押出ヘッダータンクおよびこのヘッダータンクを用いた熱交換器 - Google Patents

熱交換器用アルミニウム合金押出ヘッダータンクおよびこのヘッダータンクを用いた熱交換器

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JP2002275565A JP2001079808A JP2001079808A JP2002275565A JP 2002275565 A JP2002275565 A JP 2002275565A JP 2001079808 A JP2001079808 A JP 2001079808A JP 2001079808 A JP2001079808 A JP 2001079808A JP 2002275565 A JP2002275565 A JP 2002275565A
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Ken Toma
建 当摩
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヘッダータンクおよびこのヘッダータンクを使
用した耐食性に優れた熱交換器を提供する。 【解決手段】Mn:0.8〜1.3%、Si:0.8超
〜1.2%、Cu:0.03〜0.09%、Ti:0.
15〜0.20%を含有し、さらに必要に応じてZr:
0.01〜0.05%を含有し、残りがAlおよび不可
避不純物からなる組成のアルミニウム合金押出管からな
るヘッダータンクのスロットが設けられた外表面にS
i:15〜30%、Zn:2〜10%を含有し、残部が
Alおよび不可避不純物からなる組成を有するAl−S
i−Zn系合金ろう材粉末とフラックスおよびバインダ
ーを含有するろう材組成物を塗布してなるヘッダータン
クに、Mn:0.1〜0.2%、Cu:0.4〜0.5
%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組
成を有するチューブを前記スロットに差し込んで接合し
てなる構造を有する熱交換器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アルミニウム合
金押出管からなる熱交換器用アルミニウム合金押出ヘッ
ダータンクおよびこのヘッダータンクを用いた熱交換器
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱交換器は、図3に示されるよ
うに、ヘッダータンク5、5と、そのヘッダータンク
5、5の間に互いに平行に間隔を空けて設けられたアル
ミニウム合金からなる多数のチューブ1と、チューブ1
とチューブ1との間に設けられた波形のフィン6とで構
成されている。そして各チューブ1の内部空間とヘッダ
ータンク5の内部空間を連通させ、ヘッダータンク5の
内部空間と各チューブ1の内部空間に冷媒を循環させ、
前記フィン6を介して効率良く熱交換ができるようにな
っている。
【0003】この熱交換器を製造するには、まず、図1
の斜視図に示されるような側面に複数のスロット7を設
けたアルミニウム合金押出管3の表面にろう材組成物を
塗布することによりろう材組成物層2を形成したろう材
被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンク55を作製
し、この側面に複数のスロット7を設けたろう材被覆ア
ルミニウム合金押出ヘッダータンク55をスロット7が
対向するように平行に間隔を空けて固定し、この固定さ
れたろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンク5
5の複数のスロット7に複数の冷媒通路穴(図示せず)
を有するろう材を塗布したアルミニウム合金押出チュー
ブ1を差し込み、このろう材を塗布したアルミニウム合
金押出チューブ1の間に波形のフィン6を配置して組み
立て、得られた組立体を加熱炉に装入して加熱する。
【0004】かかる加熱を行なうと、アルミニウム合金
押出チューブ1の表面に塗布したろう材によりチューブ
1と1の間に波形のフィン6がろう付けされて固定さ
れ、一方、ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータ
ンク55のろう材組成物層2に含まれるろう材によりヘ
ッダータンク5とチューブ1がろう付け固定され、熱交
換器が作られる。図4は、このようにして造られた熱交
換器の一部断面図である。
【0005】ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダー
タンク55は、例えば、図1の斜視図に示されるような
断面四角形状のアルミニウム合金押出管3を使用し、そ
の表面にろう材組成物を塗布してろう材組成物層2を形
成しているが、ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダ
ータンクとして図2に示されるような断面円形のアルミ
ニウム合金押出管4の表面にろう材組成物層2を形成し
たろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンク55
´を用いることもできる。
【0006】前記ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッ
ダータンク55を構成する断面四角形のアルミニウム合
金押出管3およびろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッ
ダータンク55´を構成する断面円形のアルミニウム合
金押出管4は、いずれも押出加工性と強度に優れたAl
−Mn系アルミニウム合金にCuを0.3〜0.5%添
加した合金が用いられており、さらにアルミニウム合金
押出チューブ1にも押出加工性の優れたJIS1050
が用いられている。前記ろう材組成物層2に含まれるろ
う材粉末としては、Si粉末、Si:15〜30%を含
有し、残部がAlおよび不可避不純物からなるAl−S
i系合金粉末、またはSi:15〜30%、Zn:2〜
10%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からな
るAl−Si−Zn系合金粉末が使用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかるアルミ
ニウム合金押出ヘッダータンク、チューブおよびろう材
を用いて製造した従来の熱交換器は、確かに耐食性に優
れるものの、実環境で使用する場合、まだ耐食性は不十
分であり、さらに一層の耐食性を有し、使用寿命の長い
熱交換器が求められている。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、さらに一層耐食性を向上させ、
使用寿命の長い熱交換器を製造すべく研究を行なった。
その結果、(a)従来の熱交換器、特に自動車用熱交換
器におけるチューブは、フィンが犠牲陽極となって防食
することができるが、ヘッダータンク近傍のチューブに
は図4に示されるように犠牲陽極となるフィンが取り付
けられてはおらず、ヘッダータンク近傍ではろう材部の
最も卑な部分から腐食し、次にチューブが腐食し、最後に
ヘッダータンクが腐食するという腐食形態となってお
り、かかる腐食形態をとる従来の熱交換器においては、
ヘッダータンク近傍では最も過酷な腐食環境下にある肉
厚の薄いチューブが先に腐食して冷媒漏れが発生し、使
用寿命が短くなる原因の一つとなっている、(b)そこ
で、ヘッダータンクをチューブよりも卑なる成分組成の
アルミニウム合金押出管を使用し、それによってヘッダ
ータンクに犠牲陽極作用の役割を担わせ、最も過酷な腐
食環境下に置かれているチューブの耐食性を一層向上さ
せると、ヘッダータンクの肉厚はチューブに比べて格段
に大きいところから、ヘッダータンクに腐蝕が生じても
長期間冷媒漏れが生じることはなく、熱交換器全体の耐
食性が一層向上し、使用寿命がより一層伸びる、(c)
前記(b)の条件を満たすために、Mn:0.8〜1.
3%、Si:0.8超〜1.2%、Cu:0.03〜
0.09%、Ti:0.15〜0.20%を含有し、必
要に応じて、Zr:0.01〜0.05%を含有し、残
りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウ
ム合金押出管をヘッダータンクとし、ヘッダータンクに
塗布するろう材粉末をSi:15〜30%、Zn:2〜
10%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からな
る組成を有するAl−Si−Zn系合金ろう材粉末と
し、さらにMn:0.1〜0.2%、Cu:0.4〜
0.5%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物から
なる組成を有するアルミニウム合金押出管をチューブと
して使用した熱交換器で耐食性テストを行なった結果、
これらを組み合わせた熱交換器は、ヘッダータンク表面
のろう材部が最初に腐食し、次にヘッダータンクが腐食
し、最後にチューブが腐食するようになり、この組み合
わせの熱交換器はヘッダータンクがチューブよりも先に
腐食してもヘッダータンクの肉厚はチューブの肉厚より
も格段に厚いので腐食に長期間耐えることができ、熱交
換器の寿命が一層向上する、という研究結果が得られた
のである。
【0009】この発明は、上記の研究結果に基づいてな
されたものであって、(1)質量%で(以下、%は質量
%を示す)、Mn:0.8〜1.3%、Si:0.8超
〜1.2%、Cu:0.03〜0.09%、Ti:0.
15〜0.20%を含有し、残りがAlおよび不可避不
純物からなる組成のアルミニウム合金押出管からなる熱
交換器用アルミニウム合金押出ヘッダータンク、(2)
Mn:0.8〜1.3%、Si:0.8超〜1.2%、
Cu:0.03〜0.09%、Ti:0.15〜0.2
0%、Zr:0.01〜0.05%を含有し、残りがA
lおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金
押出管からなる熱交換器用アルミニウム合金押出ヘッダ
ータンク、(3)前記(1)または(2)記載の熱交換
器用アルミニウム合金押出ヘッダータンクにおいて、少
なくともチューブを差し込むためのスロットが設けられ
た外表面にSi:15〜30%、Zn:2〜10%を含
有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有
するAl−Si−Zn系合金ろう材粉末とフラックスお
よびバインダーを含有するろう材組成物を塗布してなる
熱交換器用ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータ
ンク、(4)Mn:0.1〜0.2%、Cu:0.4〜
0.5%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物から
なる組成を有する熱交換器用アルミニウム合金押出チュ
ーブを、前記(1)もしくは(2)記載の熱交換器用ア
ルミニウム合金押出ヘッダータンクまたは前記(3)記
載の熱交換器用ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダ
ータンクに差し込んだ構造を有する熱交換器、に特徴を
有するものである。
【0010】この発明の熱交換器用アルミニウム合金押
出ヘッダータンクの外表面に塗布されるろう材組成物層
は、前記ろう材粉末と共にフッ化物系フラックス(例え
ば、LiF,KF,CaF2,AlF3,SiF4などの
弗化物、さらに前記弗化物の錯化合物であるKAl
4,KAlF5など)、バインダ樹脂および溶剤と共に
混合してスラリー状ペーストを作製し、これを塗布する
ことにより形成することができる。
【0011】次に、この発明の熱交換器用アルミニウム
合金押出チューブおよびヘッダータンクを構成するアル
ミニウム合金押出管およびろう材の成分組成を前記の如
く限定した理由を説明する。
【0012】A.ヘッダータンクの成分組成 Mn:Mnは金属間化合物として素地に晶出または析出
し、ろう付け後の強度を向上させる作用を有するが、そ
の含有量が0.8%未満では所望の効果が得られないの
で好ましくなく、一方、Mnを1.3%より多く含有さ
せると、粗大なAl−Mn系金属間化合物として素地中
に分散し、高温での変形抵抗を大きくするために押出性
を著しく低下させて生産性を阻害するので好ましくな
い。したがって、ヘッダータンクに含まれるMnは0.
8〜1.3%に定めた。Mn含有量の一層好ましい範囲
は1.1〜1.3%である。
【0013】Si:Siを多く固溶させることで電位を
貴にし、ろう材部を優先的に腐食させることで深い孔食
の発生を抑制させ、またろう付け性を向上させると共に
良好な接合部を形成してろう付け後の強度を向上させる
作用を有するが、その含有量が0.8%以下では所望の
効果が得られないので好ましくなく、一方、Siを1.
2%より多く含有させると、合金の融点を低下させてろ
う付け時の過剰な溶融を招き、さらに押出性を低下させ
ると共にヘッダータンクの電位がチューブに対して貴に
なり、チューブの耐食性を阻害するので好ましくない。
したがって、Siは0.8超〜1.2%に定めた。Si
含有量の一層好ましい範囲は0.9〜1.1%である。
【0014】Cu:Cuは電位を貴にし、さらに素地に
固溶してろう付け後の強度を向上させる作用を有する
が、その含有量が0.03%未満では強度向上効果が得
られないので好ましくなく、一方、Cuを0.09%よ
り多く含有させると、電位が貴になりチューブの耐食性
を阻害するので好ましくない。したがってCuの含有量
は0.03〜0.09%に定めた。Cu含有量の一層好
ましい範囲は0.03〜0.06%である。
【0015】Ti:Tiは押出成形時に素地中に層状に
分布し、Ti濃度が低い部分は高い部分に比べて電位が
卑になるため優先的に腐食が進行し、腐食形態が層状と
なり、深い孔食の発生が抑制されるために耐食性が向上
し、また金属間化合物として晶出または析出して強度を
向上させる作用を有するので添加するが、その含有量が
0.15%未満では所望の効果が得られず、一方、0.
20%を越えて含有すると、巨大な金属間化合物が生成
しやすくなるために押出加工性が低下するので好ましく
ない。したがって、Ti:0.15〜0.20%(一層
好ましくは0.16〜0.18%)に定めた。
【0016】Zr:Zrはろう付け時に発生する結晶粒
を偏平にし、腐食形態を層状にし、耐食性を向上させる
とともに、金属間化合物として晶出または析出して強度
を向上させる作用を有するので必要に応じて添加する
が、その含有量が0.01%未満では所望の効果が得ら
れず、一方、0.05%を越えて含有すると、巨大な金
属間化合物が生成しやすくなるために押出加工性が低下
するので好ましくない。したがって、Zr:0.01〜
0.05%に定めた。
【0017】B.ろう材組成物に含まれるろう材粉末の
成分組成 Si:Siはヘッダータンクに拡散し、液相ろうを形成
する作用を有するが、その含有量が15%未満では液相
ろうの不足によるろう付け不良となるので好ましくな
く、一方、Siを30%より多く含有させると、ヘッダ
ータンクの著しいエロージョン発生が起こるので好まし
くない。したがって、Siは15〜30%に定めた。S
i含有量の一層好ましい範囲は20〜28%である。
【0018】Zn:Znは、ヘッダータンクに拡散して
犠牲陽極層を形成するが、その含有量が2%未満では犠
牲陽極層の効果が低下するので好ましくなく、一方、1
0%を越えて含有すると、チューブとヘッダータンクの
接合部におけるフィレット耐食性が低下するので好まし
くない。したがって、Zn:2〜10%に定めた。Zn
含有量の一層好ましい範囲は3〜7%である。
【0019】C:チューブの成分組成 Mn:Mnは金属間化合物として素地に晶出または析出
し、ろう付け後の強度を向上させる作用を有するが、そ
の含有量が0.1%未満では十分な強度が得られないの
で好ましくなく、一方、Mnを0.2%より多く含有さ
せると、粗大なAl−Mn系金属間化合物として素地中
に分散し、高温での変形抵抗を大きくするために押出性
を著しく低下させて生産性を阻害するので好ましくな
い。したがって、ヘッダータンクに含まれるMnは0.
1〜0.2%に定めた。
【0020】Cu:Cuは電位を貴にし、さらに素地に
固溶してろう付け後の強度を向上させる作用を有する
が、その含有量が0.4%未満では強度向上効果が得ら
れないので好ましくなく、一方、Cuを0.5%より多
く含有させると、粒界腐食によりチューブの耐食性を阻
害するので好ましくない。したがって、Cuは0.4〜
0.5%に定めた。
【0021】
【発明の実施の形態】Al合金を溶解し鋳造してビレッ
トを作製し、これらビレットを押出し加工して幅:22
mm、高さ:16mm、厚さ:1.6mmの寸法を有し
角型押出し中空パイプを作製し、これら角型押出し中空
パイプの側面に幅:16.1mm、厚さ:2.1mmの
寸法を有するスロットを形成することにより表1に示さ
れる成分組成のヘッダータンクa〜lを製造した。な
お、表1において*印をつけて示したヘッダータンクj
〜kはこの発明の条件から外れている成分組成を有する
中空パイプからなり、ヘッダータンクlは米国特許第
4,828,794号明細書に示された従来の中空パイ
プからなり、これら中空パイプの引張り強さ、耐力及び
伸びを測定し、この測定値を表1に示すことによりヘッ
ダータンクの強度を評価した。
【0022】
【表1】
【0023】さらに、ろう材粉末として、平均粒径:2
0μmを有し、表2に示される成分組成のAl−Si−
Zn系合金粉末を用意し、さらにフラックスとしてKA
lF 4粉末、溶剤としてイソプロピルアルコール(IP
A)、バインダーとしてアクリル系樹脂バインダーを用
意し、前記用意したろう材粉末、フラックス、溶剤およ
びバインダーを、ろう材粉末:KAlF4粉末:アクリ
ル系樹脂バインダー:イソプロアルコール(IPA)=
100:25:14:100の質量比となるように配合
し混合することにより表2に示される質量%のスラリー
ペースト状のろう材組成物A〜Eを作製した。
【0024】
【表2】
【0025】さらに、Al合金を溶解し鋳造してビレッ
トを作製し、これらビレットを通常の条件で均質化処理
したのち押出加工することにより8個の冷媒通路穴を有
し、幅:16mm、厚さ:2mm、肉厚:0.35mm
の寸法を有し、表3に示される成分組成を有する偏平押
出管を作製し、これをチューブX〜Yとした。
【0026】
【表3】
【0027】さらに、JIS3003にZn:1.5%
を含有させた組成を有する圧延板から幅:16mm、厚
さ:0.08mmを有するコルゲートフィンを作製し用
意した。
【0028】表1に示される成分組成のヘッダータンク
に表2に示される成分組成のろう材粉末を含むスラリー
状ペーストのろう材組成物をろう材粉末換算で100g
/m2塗布してろう材組成物層を有するろう材被覆アル
ミニウム合金押出ヘッダータンクを作製し、これらろう
材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンクのスロット
に表3に示される成分組成のチューブX〜Yを装入し、
さらにチューブとチューブの間に前記コルゲートフィン
を挿入して窒素雰囲気中、温度:600℃、3分間保持
の条件で加熱することにより図3に示される構造の発明
熱交換器1〜13、比較熱交換器1〜5および従来熱交
換器を作製した。
【0029】このようにして得られた図3に示される本
発明熱交換器1〜13、比較熱交換器1〜5および従来
熱交換器の耐食性を評価するために、これら熱交換器を
1500時間のCASS試験を行い、熱交換器のヘッダ
ータンク近傍のチューブおよびヘッダータンク、並びに
チューブとヘッダータンクの接合部の腐食程度を観察
し、貫通孔発生を×、深い孔食(厚さの1/2以上)発
生を△、浅い孔食(厚さの1/2未満)発生を○、極浅
い孔食(厚さの1/3未満)発生を◎としてその結果を
表4〜5に示した。
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
【発明の効果】表1に示される結果から、この発明に用
いられるヘッダータンクa〜iは従来のヘッダータンク
lよりも優れた強度を有することが分かり、さらに表1
〜5に示される結果から、本発明熱交換器1〜13はヘ
ッダータンク近傍のチューブ、ヘッダータンク、チュー
ブとヘッダータンクの接合部の腐食程度は◎または○の
評価が得られたが、従来熱交換器および比較熱交換器1
〜5のヘッダータンク近傍のチューブ、ヘッダータン
ク、チューブとヘッダータンクの接合部の腐食程度はい
ずれかに△または×が含まれているところから、耐食性
に劣ることが分かる。
【0033】上述のように、この発明は、従来とほぼ同
等の強度及び伸びを有する熱交換器用アルミニウム合金
押出ヘッダータンクを提供し、さらにこのヘッダータン
クを所定のチューブ及びろう材と組み合わせることによ
り耐食性に優れた熱交換器を提供することができ、工業
上有用な効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の熱交換器用アルミニウム合金押出ヘ
ッダータンクの斜視図である。
【図2】この発明の熱交換器用ろう材被覆アルミニウム
合金押出ヘッダータンクの斜視図である。
【図3】従来の熱交換器の斜視図である。
【図4】従来の熱交換器のヘッダータンクとチューブの
接合部分近傍の断面図である。
【符号の説明】
1 チューブ 2 ろう材組成物層 3 押出管 4 押出管 5 ヘッダータンク 6 フィン 7 スロット 55 ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンク 55´ ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータン
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F28F 21/08 F28F 21/08 A (72)発明者 服部 隆 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 兵庫 靖憲 静岡県裾野市平松85番地 三菱アルミニウ ム株式会社技術開発センター内 (72)発明者 当摩 建 静岡県裾野市平松85番地 三菱アルミニウ ム株式会社技術開発センター内 (72)発明者 渡部 晶 静岡県裾野市平松85番地 三菱アルミニウ ム株式会社技術開発センター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】質量%で(以下、%は質量%を示す)、M
    n:0.8〜1.3%、Si:0.8超〜1.2%、C
    u:0.03〜0.09%、Ti:0.15〜0.20
    %を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組
    成のアルミニウム合金押出管からなることを特徴とする
    熱交換器用アルミニウム合金押出ヘッダータンク。
  2. 【請求項2】Mn:0.8〜1.3%、Si:0.8超
    〜1.2%、Cu:0.03〜0.09%、Ti:0.
    15〜0.20%、Zr:0.01〜0.05%を含有
    し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアル
    ミニウム合金押出管からなることを特徴とする熱交換器
    用アルミニウム合金押出ヘッダータンク。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の熱交換器用アル
    ミニウム合金押出ヘッダータンクにおいて、少なくとも
    チューブを差し込むためのスロットが設けられた外表面
    にSi:15〜30%、Zn:2〜10%を含有し、残
    部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有するAl
    −Si−Zn系合金ろう材粉末とフラックスおよびバイ
    ンダーを含有するろう材組成物を塗布してなることを特
    徴とする熱交換器用ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘ
    ッダータンク。
  4. 【請求項4】Mn:0.1〜0.2%、Cu:0.4〜
    0.5%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物から
    なる組成を有する熱交換器用アルミニウム合金押出チュ
    ーブを、請求項1もしくは2記載の熱交換器用アルミニ
    ウム合金押出ヘッダータンクまたは請求項3記載の熱交
    換器用ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンク
    に差し込んだ構造を有することを特徴とする熱交換器。
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