JP4573150B2 - 熱交換器用アルミニウム合金押出ヘッダータンクおよびこのヘッダータンクを用いた熱交換器 - Google Patents

熱交換器用アルミニウム合金押出ヘッダータンクおよびこのヘッダータンクを用いた熱交換器 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、アルミニウム合金押出管からなる熱交換器用アルミニウム合金押出ヘッダータンクおよびこのヘッダータンクを用いた熱交換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、熱交換器は、図3に示されるように、ヘッダータンク5、5と、そのヘッダータンク5、5の間に互いに平行に間隔を空けて設けられたアルミニウム合金からなる多数のチューブ1と、チューブ1とチューブ1との間に設けられた波形のフィン6とで構成されている。そして各チューブ1の内部空間とヘッダータンク5の内部空間を連通させ、ヘッダータンク5の内部空間と各チューブ1の内部空間に冷媒を循環させ、前記フィン6を介して効率良く熱交換ができるようになっている。
【0003】
この熱交換器を製造するには、まず、図1の斜視図に示されるような側面に複数のスロット7を設けたアルミニウム合金押出管3の表面にろう材組成物を塗布することによりろう材組成物層2を形成したろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンク55を作製し、この側面に複数のスロット7を設けたろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンク55をスロット7が対向するように平行に間隔を空けて固定し、この固定されたろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンク55の複数のスロット7に複数の冷媒通路穴(図示せず)を有するろう材を塗布したアルミニウム合金押出チューブ1を差し込み、このろう材を塗布したアルミニウム合金押出チューブ1の間に波形のフィン6を配置して組み立て、得られた組立体を加熱炉に装入して加熱する。
【0004】
かかる加熱を行なうと、アルミニウム合金押出チューブ1の表面に塗布したろう材によりチューブ1と1の間に波形のフィン6がろう付けされて固定され、一方、ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンク55のろう材組成物層2に含まれるろう材によりヘッダータンク5とチューブ1がろう付け固定され、熱交換器が作られる。図4は、このようにして造られた熱交換器の一部断面図である。
【0005】
ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンク55は、例えば、図1の斜視図に示されるような断面四角形状のアルミニウム合金押出管3を使用し、その表面にろう材組成物を塗布してろう材組成物層2を形成しているが、ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンクとして図2に示されるような断面円形のアルミニウム合金押出管4の表面にろう材組成物層2を形成したろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンク55´を用いることもできる。
【0006】
前記ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンク55を構成する断面四角形のアルミニウム合金押出管3およびろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンク55´を構成する断面円形のアルミニウム合金押出管4は、いずれも押出加工性と強度に優れたAl−Mn系アルミニウム合金にCuを0.3〜0.5%添加した合金が用いられており、さらにアルミニウム合金押出チューブ1にも押出加工性の優れたJIS1050が用いられている。
前記ろう材組成物層2に含まれるろう材粉末としては、Si粉末、Si:15〜30%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなるAl−Si系合金粉末、またはSi:15〜30%、Zn:2〜10%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなるAl−Si−Zn系合金粉末が使用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、かかるアルミニウム合金押出ヘッダータンク、チューブおよびろう材を用いて製造した従来の熱交換器は、確かに耐食性に優れるものの、実環境で使用する場合、まだ耐食性は不十分であり、さらに一層の耐食性を有し、使用寿命の長い熱交換器が求められている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、さらに一層耐食性を向上させ、使用寿命の長い熱交換器を製造すべく研究を行なった。その結果、
(a)従来の熱交換器、特に自動車用熱交換器におけるチューブは、フィンが犠牲陽極となって防食することができるが、ヘッダータンク近傍のチューブには図4に示されるように犠牲陽極となるフィンが取り付けられてはおらず、ヘッダータンク近傍ではろう材部の最も卑な部分から腐食し、次にチューブが腐食し、最後にヘッダータンクが腐食するという腐食形態となっており、かかる腐食形態をとる従来の熱交換器においては、ヘッダータンク近傍では最も過酷な腐食環境下にある肉厚の薄いチューブが先に腐食して冷媒漏れが発生し、使用寿命が短くなる原因の一つとなっている、
(b)そこで、ヘッダータンクをチューブよりも卑なる成分組成のアルミニウム合金押出管を使用し、それによってヘッダータンクに犠牲陽極作用の役割を担わせ、最も過酷な腐食環境下に置かれているチューブの耐食性を一層向上させると、ヘッダータンクの肉厚はチューブに比べて格段に大きいところから、ヘッダータンクに腐蝕が生じても長期間冷媒漏れが生じることはなく、熱交換器全体の耐食性が一層向上し、使用寿命がより一層伸びる、
(c)前記(b)の条件を満たすために、Mn:0.8〜1.3%、Si:0.8超〜1.2%、Cu:0.03〜0.09%、Ti:0.15〜0.20%を含有し、必要に応じて、Zr:0.01〜0.05%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金押出管をヘッダータンクとし、ヘッダータンクに塗布するろう材粉末をSi:15〜30%、Zn:2〜10%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有するAl−Si−Zn系合金ろう材粉末とし、さらにMn:0.1〜0.2%、Cu:0.4〜0.5%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成を有するアルミニウム合金押出管をチューブとして使用した熱交換器で耐食性テストを行なった結果、これらを組み合わせた熱交換器は、ヘッダータンク表面のろう材部が最初に腐食し、次にヘッダータンクが腐食し、最後にチューブが腐食するようになり、この組み合わせの熱交換器はヘッダータンクがチューブよりも先に腐食してもヘッダータンクの肉厚はチューブの肉厚よりも格段に厚いので腐食に長期間耐えることができ、熱交換器の寿命が一層向上する、という研究結果が得られたのである。
【0009】
この発明は、上記の研究結果に基づいてなされたものであって、
(1)質量%で(以下、%は質量%を示す)、Mn:0.8〜1.3%、Si:0.8超〜1.2%、Cu:0.03〜0.09%、Ti:0.15〜0.20%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金押出管からなる熱交換器用アルミニウム合金押出ヘッダータンク、
(2)Mn:0.8〜1.3%、Si:0.8超〜1.2%、Cu:0.03〜0.09%、Ti:0.15〜0.20%、Zr:0.01〜0.05%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金押出管からなる熱交換器用アルミニウム合金押出ヘッダータンク、
(3)前記(1)または(2)記載の熱交換器用アルミニウム合金押出ヘッダータンクにおいて、少なくともチューブを差し込むためのスロットが設けられた外表面にSi:15〜30%、Zn:2〜10%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有するAl−Si−Zn系合金ろう材粉末とフラックスおよびバインダーを含有するろう材組成物を塗布してなる熱交換器用ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンク、
(4)Mn:0.1〜0.2%、Cu:0.4〜0.5%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成を有する熱交換器用アルミニウム合金押出チューブを、前記(1)もしくは(2)記載の熱交換器用アルミニウム合金押出ヘッダータンクまたは前記(3)記載の熱交換器用ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンクに差し込んだ構造を有する熱交換器、
に特徴を有するものである。
【0010】
この発明の熱交換器用アルミニウム合金押出ヘッダータンクの外表面に塗布されるろう材組成物層は、前記ろう材粉末と共にフッ化物系フラックス(例えば、LiF,KF,CaF2,AlF3,SiF4などの弗化物、さらに前記弗化物の錯化合物であるKAlF4,KAlF5など)、バインダ樹脂および溶剤と共に混合してスラリー状ペーストを作製し、これを塗布することにより形成することができる。
【0011】
次に、この発明の熱交換器用アルミニウム合金押出チューブおよびヘッダータンクを構成するアルミニウム合金押出管およびろう材の成分組成を前記の如く限定した理由を説明する。
【0012】
A.ヘッダータンクの成分組成
Mn:
Mnは金属間化合物として素地に晶出または析出し、ろう付け後の強度を向上させる作用を有するが、その含有量が0.8%未満では所望の効果が得られないので好ましくなく、一方、Mnを1.3%より多く含有させると、粗大なAl−Mn系金属間化合物として素地中に分散し、高温での変形抵抗を大きくするために押出性を著しく低下させて生産性を阻害するので好ましくない。したがって、ヘッダータンクに含まれるMnは0.8〜1.3%に定めた。Mn含有量の一層好ましい範囲は1.1〜1.3%である。
【0013】
Si:
Siを多く固溶させることで電位を貴にし、ろう材部を優先的に腐食させることで深い孔食の発生を抑制させ、またろう付け性を向上させると共に良好な接合部を形成してろう付け後の強度を向上させる作用を有するが、その含有量が0.8%以下では所望の効果が得られないので好ましくなく、一方、Siを1.2%より多く含有させると、合金の融点を低下させてろう付け時の過剰な溶融を招き、さらに押出性を低下させると共にヘッダータンクの電位がチューブに対して貴になり、チューブの耐食性を阻害するので好ましくない。したがって、Siは0.8超〜1.2%に定めた。Si含有量の一層好ましい範囲は0.9〜1.1%である。
【0014】
Cu:
Cuは電位を貴にし、さらに素地に固溶してろう付け後の強度を向上させる作用を有するが、その含有量が0.03%未満では強度向上効果が得られないので好ましくなく、一方、Cuを0.09%より多く含有させると、電位が貴になりチューブの耐食性を阻害するので好ましくない。したがってCuの含有量は0.03〜0.09%に定めた。Cu含有量の一層好ましい範囲は0.03〜0.06%である。
【0015】
Ti:
Tiは押出成形時に素地中に層状に分布し、Ti濃度が低い部分は高い部分に比べて電位が卑になるため優先的に腐食が進行し、腐食形態が層状となり、深い孔食の発生が抑制されるために耐食性が向上し、また金属間化合物として晶出または析出して強度を向上させる作用を有するので添加するが、その含有量が0.15%未満では所望の効果が得られず、一方、0.20%を越えて含有すると、巨大な金属間化合物が生成しやすくなるために押出加工性が低下するので好ましくない。したがって、Ti:0.15〜0.20%(一層好ましくは0.16〜0.18%)に定めた。
【0016】
Zr:
Zrはろう付け時に発生する結晶粒を偏平にし、腐食形態を層状にし、耐食性を向上させるとともに、金属間化合物として晶出または析出して強度を向上させる作用を有するので必要に応じて添加するが、その含有量が0.01%未満では所望の効果が得られず、一方、0.05%を越えて含有すると、巨大な金属間化合物が生成しやすくなるために押出加工性が低下するので好ましくない。したがって、Zr:0.01〜0.05%に定めた。
【0017】
B.ろう材組成物に含まれるろう材粉末の成分組成
Si:
Siはヘッダータンクに拡散し、液相ろうを形成する作用を有するが、その含有量が15%未満では液相ろうの不足によるろう付け不良となるので好ましくなく、一方、Siを30%より多く含有させると、ヘッダータンクの著しいエロージョン発生が起こるので好ましくない。したがって、Siは15〜30%に定めた。Si含有量の一層好ましい範囲は20〜28%である。
【0018】
Zn:
Znは、ヘッダータンクに拡散して犠牲陽極層を形成するが、その含有量が2%未満では犠牲陽極層の効果が低下するので好ましくなく、一方、10%を越えて含有すると、チューブとヘッダータンクの接合部におけるフィレット耐食性が低下するので好ましくない。したがって、Zn:2〜10%に定めた。Zn含有量の一層好ましい範囲は3〜7%である。
【0019】
C:チューブの成分組成
Mn:
Mnは金属間化合物として素地に晶出または析出し、ろう付け後の強度を向上させる作用を有するが、その含有量が0.1%未満では十分な強度が得られないので好ましくなく、一方、Mnを0.2%より多く含有させると、粗大なAl−Mn系金属間化合物として素地中に分散し、高温での変形抵抗を大きくするために押出性を著しく低下させて生産性を阻害するので好ましくない。したがって、ヘッダータンクに含まれるMnは0.1〜0.2%に定めた。
【0020】
Cu:
Cuは電位を貴にし、さらに素地に固溶してろう付け後の強度を向上させる作用を有するが、その含有量が0.4%未満では強度向上効果が得られないので好ましくなく、一方、Cuを0.5%より多く含有させると、粒界腐食によりチューブの耐食性を阻害するので好ましくない。したがって、Cuは0.4〜0.5%に定めた。
【0021】
【発明の実施の形態】
Al合金を溶解し鋳造してビレットを作製し、これらビレットを押出し加工して幅:22mm、高さ:16mm、厚さ:1.6mmの寸法を有し角型押出し中空パイプを作製し、これら角型押出し中空パイプの側面に幅:16.1mm、厚さ:2.1mmの寸法を有するスロットを形成することにより表1に示される成分組成のヘッダータンクa〜lを製造した。
なお、表1において*印をつけて示したヘッダータンクj〜kはこの発明の条件から外れている成分組成を有する中空パイプからなり、ヘッダータンクlは米国特許第4,828,794号明細書に示された従来の中空パイプからなり、これら中空パイプの引張り強さ、耐力及び伸びを測定し、この測定値を表1に示すことによりヘッダータンクの強度を評価した。
【0022】
【表1】
Figure 0004573150
【0023】
さらに、ろう材粉末として、平均粒径:20μmを有し、表2に示される成分組成のAl−Si−Zn系合金粉末を用意し、さらにフラックスとしてKAlF4粉末、溶剤としてイソプロピルアルコール(IPA)、バインダーとしてアクリル系樹脂バインダーを用意し、前記用意したろう材粉末、フラックス、溶剤およびバインダーを、ろう材粉末:KAlF4粉末:アクリル系樹脂バインダー:イソプロアルコール(IPA)=100:25:14:100の質量比となるように配合し混合することにより表2に示される質量%のスラリーペースト状のろう材組成物A〜Eを作製した。
【0024】
【表2】
Figure 0004573150
【0025】
さらに、Al合金を溶解し鋳造してビレットを作製し、これらビレットを通常の条件で均質化処理したのち押出加工することにより8個の冷媒通路穴を有し、幅:16mm、厚さ:2mm、肉厚:0.35mmの寸法を有し、表3に示される成分組成を有する偏平押出管を作製し、これをチューブX〜Yとした。
【0026】
【表3】
Figure 0004573150
【0027】
さらに、JIS3003にZn:1.5%を含有させた組成を有する圧延板から幅:16mm、厚さ:0.08mmを有するコルゲートフィンを作製し用意した。
【0028】
表1に示される成分組成のヘッダータンクに表2に示される成分組成のろう材粉末を含むスラリー状ペーストのろう材組成物をろう材粉末換算で100g/m2塗布してろう材組成物層を有するろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンクを作製し、これらろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンクのスロットに表3に示される成分組成のチューブX〜Yを装入し、さらにチューブとチューブの間に前記コルゲートフィンを挿入して窒素雰囲気中、温度:600℃、3分間保持の条件で加熱することにより図3に示される構造の発明熱交換器1〜13、比較熱交換器1〜5および従来熱交換器を作製した。
【0029】
このようにして得られた図3に示される本発明熱交換器1〜13、比較熱交換器1〜5および従来熱交換器の耐食性を評価するために、これら熱交換器を1500時間のCASS試験を行い、熱交換器のヘッダータンク近傍のチューブおよびヘッダータンク、並びにチューブとヘッダータンクの接合部の腐食程度を観察し、貫通孔発生を×、深い孔食(厚さの1/2以上)発生を△、浅い孔食(厚さの1/2未満)発生を○、極浅い孔食(厚さの1/3未満)発生を◎としてその結果を表4〜5に示した。
【0030】
【表4】
Figure 0004573150
【0031】
【表5】
Figure 0004573150
【0032】
【発明の効果】
表1に示される結果から、この発明に用いられるヘッダータンクa〜iは従来のヘッダータンクlよりも優れた強度を有することが分かり、さらに表1〜5に示される結果から、本発明熱交換器1〜13はヘッダータンク近傍のチューブ、ヘッダータンク、チューブとヘッダータンクの接合部の腐食程度は◎または○の評価が得られたが、従来熱交換器および比較熱交換器1〜5のヘッダータンク近傍のチューブ、ヘッダータンク、チューブとヘッダータンクの接合部の腐食程度はいずれかに△または×が含まれているところから、耐食性に劣ることが分かる。
【0033】
上述のように、この発明は、従来とほぼ同等の強度及び伸びを有する熱交換器用アルミニウム合金押出ヘッダータンクを提供し、さらにこのヘッダータンクを所定のチューブ及びろう材と組み合わせることにより耐食性に優れた熱交換器を提供することができ、工業上有用な効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の熱交換器用アルミニウム合金押出ヘッダータンクの斜視図である。
【図2】この発明の熱交換器用ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンクの斜視図である。
【図3】従来の熱交換器の斜視図である。
【図4】従来の熱交換器のヘッダータンクとチューブの接合部分近傍の断面図である。
【符号の説明】
1 チューブ
2 ろう材組成物層
3 押出管
4 押出管
5 ヘッダータンク
6 フィン
7 スロット
55 ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンク
55´ ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンク

Claims (4)

  1. 質量%で(以下、%は質量%を示す)、Mn:0.8〜1.3%、Si:0.8超〜1.2%、Cu:0.03〜0.09%、Ti:0.15〜0.20%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金押出管からなることを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金押出ヘッダータンク。
  2. Mn:0.8〜1.3%、Si:0.8超〜1.2%、Cu:0.03〜0.09%、Ti:0.15〜0.20%、Zr:0.01〜0.05%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金押出管からなることを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金押出ヘッダータンク。
  3. 請求項1または2記載の熱交換器用アルミニウム合金押出ヘッダータンクにおいて、少なくともチューブを差し込むためのスロットが設けられた外表面にSi:15〜30%、Zn:2〜10%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有するAl−Si−Zn系合金ろう材粉末とフラックスおよびバインダーを含有するろう材組成物を塗布してなることを特徴とする熱交換器用ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンク。
  4. Mn:0.1〜0.2%、Cu:0.4〜0.5%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成を有する熱交換器用アルミニウム合金押出チューブを、請求項1もしくは2記載の熱交換器用アルミニウム合金押出ヘッダータンクまたは請求項3記載の熱交換器用ろう材被覆アルミニウム合金押出ヘッダータンクに差し込んだ構造を有することを特徴とする熱交換器。
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