JP2002275468A - ジヒドロカルコンを含有する抗酸化剤 - Google Patents

ジヒドロカルコンを含有する抗酸化剤

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JP2002275468A
JP2002275468A JP2001079823A JP2001079823A JP2002275468A JP 2002275468 A JP2002275468 A JP 2002275468A JP 2001079823 A JP2001079823 A JP 2001079823A JP 2001079823 A JP2001079823 A JP 2001079823A JP 2002275468 A JP2002275468 A JP 2002275468A
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antioxidant
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hydrogen atom
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JP2001079823A
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Shigeo Watanabe
重夫 渡邊
Nobuyuki Miyake
伸幸 三宅
Yoshitada Nakamura
宜督 中村
Toshihiko Osawa
俊彦 大澤
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Nikken Chemical and Synthetic Industry Co Ltd
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Nikken Chemical and Synthetic Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 抗酸化作用があり、人体への安全性が高く、
生体内において抗酸化的防御機構の支援が期待される物
質を提供する。 【解決手段】 一般式1のジヒドロカルコン化合物、例
えばナリンジンジヒドロカルコンまたは薬学的に許容さ
れるその塩を有効成分として含有する抗酸化剤並びに当
該抗酸化剤を有効成分として含有する化粧料、飲食品。 (RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、水酸基
またはアルコキシ基を示し、Rは、水素原子または単
糖あるいはオリゴ糖の残基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柑橘類由来成分を
含有する抗酸化剤に関し、詳しくは柑橘類由来のフラバ
ノン化合物を還元して得られるジヒドロカルコン化合物
または薬学的に許容されるその塩を有効成分として含有
する抗酸化剤およびそれを添加してなる化粧料、飲食品
に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧料、飲食品、医薬品等の各種製品中
に含まれている成分が経時的に分解、変色、劣化するこ
とを防止する目的で、これら製品に抗酸化剤を配合する
ことが従来より行われており、そのために用いられる化
合物について様々な提案がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これまでに抗酸化剤と
して開発された物質の中では、合成物質であるブチルヒ
ドロキシアニソール(BHA)やブチルヒドロキシトル
エン(BHT)等が多用されている。一方、天然抗酸化
剤としてはα−トコフェロール(ビタミンE)、ビタミ
ンC、β−カロチン、カテキン類等が知られており、こ
れらも様々な製品に添加されている。しかし、合成抗酸
化剤は、安全性の面で問題があり、近年の天然物嗜好が
強い消費者の要求に適合しない。一方、天然抗酸化剤
は、例えばα−トコフェロールやビタミンC等のように
極端な脂溶性ないし水溶性という性質を有している物質
は、その利用範囲に自ずから限界があり、また効果の点
でも必ずしも十分に満足し得るものとは言えない。
【0004】最近、人体における活性酸素の有害な作用
が人々に注目されるようになった。例えば、食品中に含
まれているリノール酸やリノレン酸等の不飽和脂肪酸
は、空気中の酸素によって容易に過酸化され過酸化脂肪
酸となる。しかも、これら脂肪酸の過酸化反応は、一た
び起こると、連鎖反応的に進み、フリーラジカルを生成
すると共に、化学的に著しく不安定な物質であるマロン
ジアルデヒド(MDA)等の発ガン性物質を生成するこ
とが報告されている。また、過酸化脂肪酸は、生体にお
ける組織障害の原因となったり、膜の透過性を変化させ
て血管に関する疾病の原因になると考えられている。さ
らに、過酸化脂肪酸は老化に関係すると言われており、
実際に老齢の動物において、神経や脳における過酸化脂
肪酸の蓄積が見出されている。したがって、フリーラジ
カルを捕捉し、抗酸化作用を有する物質は、ガン、動脈
硬化等の血管疾患等の疾病や老化の予防に有用であると
考えられる。
【0005】本発明の目的は、上記の課題を解決し、安
全性が高い抗酸化剤として化粧料、飲食品、医薬品等の
各種製品中に添加することができる新しいタイプの天然
物由来の抗酸化剤を提供すること、並びに飲食品等とし
て摂取し、生体内における抗酸化的な生体の防御機構を
支援することができる物質を開発することである。そこ
で、本発明者らは、上記の課題を解決して目的を達成す
るために、鋭意研究を重ねた結果、柑橘類由来のフラバ
ノン化合物を還元して得られるジヒドロカルコン化合物
または薬学的に許容されるその塩に優れた抗酸化作用が
あることを見出し、係る知見に基づいて本発明に到達し
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、下記の一般式(1)で表されるジヒドロカルコン化
合物または薬学的に許容されるその塩を有効成分として
含有する抗酸化剤に関する。
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立
に水素原子、水酸基またはアルコキシ基を示し、R3
は、水素原子または単糖あるいはオリゴ糖の残基を示
す。)
【0009】請求項2記載の本発明は、一般式(1)に
おいて、R3 がグルコシドである請求項1記載の抗酸化
剤である。請求項3記載の本発明は、一般式(1)にお
いて、R3 がルチノシドである請求項1記載の抗酸化剤
である。請求項4記載の本発明は、一般式(1)で表さ
れるジヒドロカルコン化合物がナリンジンジヒドロカル
コンである請求項1記載の抗酸化剤である。請求項5記
載の本発明は、一般式(1)で表されるジヒドロカルコ
ン化合物がヘスペリジンジヒドロカルコンである請求項
1記載の抗酸化剤である。請求項6記載の本発明は、一
般式(1)で表されるジヒドロカルコン化合物がイソサ
クラネチンジヒドロカルコンである請求項1記載の抗酸
化剤である。請求項7記載の本発明は、請求項1〜6の
いずれかに記載のジヒドロカルコン化合物または薬学的
に許容されるその塩を添加してなる化粧料である。請求
項8記載の本発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の
ジヒドロカルコン化合物または薬学的に許容されるその
塩を添加してなる飲食品である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の抗酸化剤の有効成分とし
て用いるジヒドロカルコン化合物または薬学的に許容さ
れるその塩は、前記の一般式(1)で表される。ジヒド
ロカルコン化合物の薬学的に許容されるその塩として
は、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カル
シウム塩のようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属
の塩、さらにアンモニウム塩およびトリメチルアンモニ
ウム、トリエチルアミンアンモニウムのようなトリアル
キルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0011】本発明に係る上記のジヒドロカルコン化合
物の具体例としては、ヘスペリジンジヒドロカルコン
(式中のR1 が水酸基、R2 がメトキシ基、R3 がルチ
ノシドである。)、ナリルチンジヒドロカルコン(式中
のR1 が水素原子、R2 が水酸基、R3 がルチノシドで
ある。)、エリオシトリンジヒドロカルコン(式中のR
1 が水酸基、R2 が水酸基、R3 がルチノシドであ
る。)、ネオポンシリンジヒドロカルコン(式中のR1
が水素原子、R2 がメトキシ基、R3 がルチノシドであ
る。)、ナリンジンジヒドロカルコン(式中のR1 が水
素原子、R2 が水酸基、R3 がネオヘスペリドシドであ
る。)、ネオエリオシトリンジヒドロカルコン(式中の
1 が水酸基、R2 が水酸基、R3 がネオヘスペリドシ
ドである。)、ポンシリンジヒドロカルコン(式中のR
1 が水素原子、R2 がメトキシ基、R3がネオヘスペリ
ドシドである。)、ヘスペレチンジヒドロカルコングル
コシド(式中のR1 が水酸基、R2 がメトキシ基、R3
がグルコシドである。)、ナリンゲニンジヒドロカルコ
ングルコシド(式中のR1 が水素原子、R2 が水酸基、
3 がグルコシドである。)、エリオジクチオールジヒ
ドロカルコングルコシド(式中のR1 が水酸基、R2
水酸基、R3 がグルコシドである。)、イソサクラネチ
ンジヒドロカルコングルコシド(式中のR1 が水素原
子、R2 がメトキシ基、R3 がグルコシドである。)、
ヘスペレチンジヒドロカルコン(式中のR1 が水酸基、
2 がメトキシ基、R3 が水素原子である。)、ナリン
ゲニンジヒドロカルコン(式中のR1 が水素原子、R2
が水酸基、R3 が水素原子である。)、エリオジクチオ
ールジヒドロカルコン(式中のR1 が水酸基、R2 が水
酸基、R 3 が水素原子である。)、イソサクラネチンジ
ヒドロカルコン(式中のR1 が水素原子、R2 がメトキ
シ基、R3 が水素原子である。)等が挙げられる。
【0012】ジヒドロカルコン化合物は柑橘類に含まれ
るフラバノン化合物を還元することにより製造すること
ができる。すなわち、フラバノン化合物をアルカリ、触
媒存在下にて還元する公知の方法(米国特許第3087
821号明細書)でジヒドロカルコン化合物に変換する
ことができる。
【0013】フラバノン化合物を含有する柑橘類として
は、ウンシュウミカン、ダイダイ、ハッサク、ナツミカ
ン、イヨカン、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、
ユズ、ライム等の柑橘果類があり、抽出の際にはこれら
を単独で用いる他、2種類以上を混合して用いることも
できる。本発明に係るジヒドロカルコン化合物または薬
学的に許容されるその塩は、上記柑橘類からフラバノン
化合物を抽出して調製したものの他に、市販品を使用す
ることができる。
【0014】フラバノン化合物を柑橘類から抽出する場
合、柑橘類の形態としては、例えば果汁、果肉、じょう
のう、果皮、搾り粕等を挙げることができ、これらを単
独で、もしくは適宜組み合わせて用いることができる。
柑橘類からの抽出に際しては、水、加熱水、アルカリ
水、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、アセ
トン、ジメチルホルムアミド等)またはそれらの混合物
を使用できる。抽出温度は、0〜100℃、好ましくは
40〜80℃である。抽出物はそのまま粗フラバノン化
合物として用いることができるが、必要に応じて精製し
て用いる。例えば、(減圧)濃縮した後、イオン交換樹
脂による処理、膜処理、クロマトグラフィー等の精製処
理を行って活性画分を集め、さらに結晶化や凍結乾燥処
理を行い、フラバノン化合物の精製粉末を得る。得られ
た粗フラバノン化合物またはフラバノン化合物の精製物
にアルカリ溶液を添加して、還元剤を添加あるいは触媒
存在下、水素雰囲気中で混合すると、フラバノン化合物
は還元されてジヒドロカルコン化合物に変換される。得
られたジヒドロカルコン化合物は、フラバノン化合物と
同様の精製処理にてジヒドロカルコン化合物の精製物を
得ることができる。
【0015】本発明に用いるジヒドロカルコン化合物ま
たは薬学的に許容されるその塩は、天然物に由来する安
全性が高い抗酸化剤であり、しかも優れたフリーラジカ
ル捕捉能力を有し、生体系モデルである赤血球膜ゴース
トを用いた抗酸化力試験においても優れた抗酸化作用を
有している。このため、当該化合物を単に化粧料、飲食
品、医薬品などの各種製品に添加して、これら製品中に
含まれている有効成分の酸化分解を防止するだけでな
く、これら物質の適量を日常的に摂取することにより、
生体内における抗酸化的な生体の防御機構を支援する物
質として作用し、ガン、動脈硬化等の血管疾患等や老化
の予防を図る上で有効であると期待される。
【0016】本発明に係るジヒドロカルコン化合物等を
抗酸化剤として、化粧料、飲食品、医薬品等に添加する
際の添加量については、当該化合物によって期待される
効果が有効に発揮される量であれば良く、特に制限はな
い。例えば、化粧料や飲食品に添加する場合は、全体量
の0.0001〜2%、好ましくは0.001〜0.1
%程度が適当である。なお、化粧料、飲食品、医薬品等
にこれらの物質を添加する場合、他の有効成分や薬学的
に許容される賦形剤、色素や香料等を適宜組み合せて用
いることもできる。また、製品の形態についても任意で
あり、例えば液状、粉末状、顆粒状、タブレット状、ク
リーム状等のいずれも可能である。
【0017】
【実施例】以下に、実施例等により本発明を詳しく説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 製造例1:ジヒドロカルコン化合物の調製 グレープフルーツの果皮20kgをホモジナイザーで粉
砕し、100Lの温水を加え、70℃で1時間抽出処理
を行った。次に、抽出液をエバポレーターで濃縮し、該
濃縮液を4℃に冷蔵保存し、結晶を析出させた。この結
晶をろ別、減圧乾燥してフラバノン化合物の1つである
ナリンジンの粗結晶約100gを得た。次いで、ナリン
ジンの粗結晶40gに10%水酸化ナトリウム溶液1L
と5%パラジウムカーボン触媒5gを添加して、室温、
水素加圧下1MPaで1時間還元反応を行った。還元反
応後、反応液から触媒を除去し、反応液に塩酸を添加し
て中和した。中和した液を4℃で冷蔵して結晶を析出さ
せた。この結晶をろ別、減圧乾燥し、粗ナリンジンジヒ
ドロカルコン約30gを得た。この粗結晶をさらに数回
再結晶を繰り返すことにより、精製ナリンジンジヒドロ
カルコン28gを得た。
【0018】実施例1:有機フリーラジカル捕捉活性の
測定 本実施例においては試料の抗酸化力を評価することを目
的に、有機フリーラジカルであるDPPH(1,1−ジ
フェニル−2−ピクリルヒドラジル)との反応性を測定
することにより、DPPHラジカル捕捉活性測定を行っ
た。安定なフリーラジカルであるDPPHはエタノール
等の溶液中では紫色を呈しているが、抗酸化作用を受け
ると、電子を放出してヒドラジンとなり、紫色の呈色を
示さなくなるため、この色の変化を見ることによってラ
ジカル捕捉活性を測定することができる。
【0019】DPPH(和光純薬工業社製)を特級エタ
ノールに溶解し、濃度0.5mMとしたものを基質とし
て用いた。この基質1mLに、表示した試料(最終濃度
0〜0.1mM)、0.1mM酢酸緩衝液(pH5.
5)2mLおよびエタノール2mLを添加し、室温遮光
下で30分間放置した。放置後、波長517nmにおけ
る吸光度を紫外可視分光光度計(日本分光社製V−57
0型)で測定した。試料添加量に対する517nm吸光
度をグラフにプロットし、直線的な吸光度減少が続く範
囲内において、試料無添加のコントロールに対する吸光
度517nmにおける減少分を求め、さらに該減少分に
相当するα−トコフェロール相当量を求めた。結果を第
1表に示す。表中の比活性とは、α−トコフェロールの
DPPHラジカル捕捉活性を1としたときの各試料の比
活性であり、数値が高いほどDPPHラジカル捕捉活性
が高いと判断した。
【0020】
【表1】第 1 表
【0021】表から明らかなように、本発明に係るジヒ
ドロカルコン化合物には、α−トコフェロールと比べて
優れたDPPHラジカル捕捉活性を有しているものがあ
る。
【0022】実施例2:赤血球膜ゴーストを用いた抗酸
化力測定 本実施例においては試料の生体における抗酸化力を調べ
ることを目的に、ウサギ血液より実際の生体膜である赤
血球膜ゴーストを調製し、これを酸化誘導することによ
って生じる過酸化物をチオバルビツール酸法(以下、T
BA法と略記することもある。)で定量的に測定するこ
とにより、抗酸化力測定を行った。
【0023】(1)ウサギ赤血球膜ゴーストの調製 ウサギ保存血液(日本バイオテスト研究所製)100m
Lに152mM 塩化ナトリウムを含む10mM リン
酸緩衝液(pH7.4)を添加し、よく混和した。混和
した後、4℃で1500×gの遠心分離を20分間行
い、上清を除去した。この操作を3回繰り返すことによ
って得られる赤血球に10mM リン酸緩衝液(pH
7.4)を添加し、よく混和した後、4℃、20000
×gで40分間遠心分離を行い、上清を除去した。この
操作を数回繰り返すことによって、ウサギ赤血球膜ゴー
ストを調製した。
【0024】(2)ウサギ赤血球膜ゴーストとの反応 試験管に、上記(1)で調製したウサギ赤血球膜ゴース
ト(最終濃度1.0mg/mLタンパク量)、表示した
試料(最終濃度0〜400μM)および1.2mMのt
ert−ブチルヒドロペルオキシドを添加し、攪拌した
後、37℃の温浴中で20分間インキュベートし、ウサ
ギ赤血球膜ゴーストと反応させた。反応終了後、反応液
を直ちに氷冷し、生成した過酸化物のMDAおよびMD
A様物質であるTBA反応生成物(以下、TBARSと
略記することがある。)をTBA法にて定量した。な
お、試料無添加のコントロールおよび天然抗酸化剤であ
るα−トコフェロールについても、上記した試料と同様
にウサギ赤血球膜ゴーストと反応させ、TBA法に供し
た。
【0025】(3)TBA法 TBA法は、次の通りに行った。すなわち、氷冷した上
記(2)の反応液0.5mLに2.0M トリクロロ酢
酸を含む1.7M 塩酸溶液0.5mL、0.67%
TBA溶液1.0mLをそれぞれ添加し、沸騰水浴中で
15分間加熱反応させた。反応終了後、TBA反応液を
直ちに氷冷し、1500×gで15分間遠心分離し、上
清を得た。得られた上清について、波長532nmにお
ける吸光度を紫外可視分光光度計(日本分光社製V−5
70型)を用いて測定した。なお、TBARS量は、M
DAのモル吸光係数を1.56×105 (M-1cm-1
として算出した。また、コントロールのTBARS量に
対する試料添加区のTBARS減少量から過酸化抑制率
(コントロールを0%、酸化未誘導を100%とし
た。)を算出した。次に、各試料の50%過酸化抑制濃
度についても算出した。結果を第2表に示す。50%過
酸化抑制濃度の数値が低いほど、抗酸化力が高いと判断
した。赤血球膜ゴースト系の試験では、同一濃度で各試
料の活性を比較した場合、試料間の活性の差が大きい
と、どちらかの測定値がデータとして有効な範囲を逸脱
してしまい正確な比較ができないため、この実施例2で
は50%過酸化抑制濃度を算出し、この数値に基づいて
抗酸化力を評価した。
【0026】
【表2】第 2 表
【0027】表から明らかなように、本発明に係るジヒ
ドロカルコン化合物は、実際の生体膜である赤血球膜ゴ
ーストを用いても、50%過酸化抑制濃度はα−トコフ
ェロールよりも低くなり、優れた抗酸化力を有している
ことが分かる。
【0028】処方例1〜3 スキンクリームの製造 本発明に係るジヒドロカルコン化合物を有効成分とする
スキンクリームを第3表〜第5表に示した処方により作
成した。すなわち、A、Bの各成分を秤量し、それぞれ
を均一となるように加熱溶解した。なお、溶解物の温度
は80℃に設定した。次いで、A成分にB成分を攪拌し
ながら徐々に添加して乳化した後、攪拌しながら冷却
し、温度が50℃以下になった時点でC成分を添加し
た。C成分を添加したのち、さらに温度を30℃まで冷
却して製品とした。
【0029】
【表3】第 3 表
【0030】
【表4】第 4 表
【0031】
【表5】第 5 表
【0032】処方例4 砂糖120g、乳糖100g、脱脂粉乳200g、ヘス
ペリジンジヒドロカルコン1gおよび水80gを混合
し、これを約60℃にて加熱溶解し、混合液を作成し
た。次いで、該混合液にマーガリン500gとバニラエ
ッセンス1gを混合し、バニラ風味のバタークリームを
製造した。
【0033】処方例5 市販コーヒー豆30gを熱水500gで抽出し、コーヒ
ー抽出液を作成した。得られたコーヒー抽出液に砂糖7
0g、牛乳250g、シュガーエステル1g、コーヒー
フレーバー1gおよびエリオシトリンジヒドロカルコン
1gを加えて溶解し、水にて全量を1kgとした。この
コーヒー飲料のpHを重曹を用いて6.6に調整した
後、飲料用の缶に100gずつ充填、密封した。次い
で、120℃で20分間加熱殺菌してコーヒー飲料を製
造した。
【0034】
【発明の効果】本発明において抗酸化剤の有効成分とし
て用いるジヒドロカルコン化合物または薬学的に許容さ
れるその塩は、天然物に由来するものであるため、人体
に対する安全性が高い。しかも、生体内において、優れ
たフリーラジカル捕捉能力と抗酸化作用が期待される。
【0035】したがって、当該物質を化粧料、飲食品、
医薬品等に添加して、これら製品中の成分の酸化防止に
利用することができる。さらに、生体内における抗酸化
的な防御機構を支援する物質として期待されることか
ら、健康飲食品等としての利用や、ガン、動脈硬化等の
血管疾患等や老化を予防するための医薬品としても有用
である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/00 A23L 1/19 4C083 // A23F 5/24 A61K 47/10 4H025 A23L 1/19 47/14 A61K 47/10 47/36 47/14 A23L 2/00 P 47/36 F (72)発明者 三宅 伸幸 愛知県知多市北浜町24番12 日研化成株式 会社内 (72)発明者 中村 宜督 愛知県名古屋市天白区植田山三丁目1903 レザンドールII−202号 (72)発明者 大澤 俊彦 愛知県名古屋市東区徳川町2615番地 Fターム(参考) 4B017 LC10 LG14 LK06 LL07 4B021 LW05 LW06 LW08 MC03 MK17 4B025 LB20 LG15 LG21 LG53 LK04 4B027 FB24 FC05 FK02 FQ19 4C076 DD37S DD69S EE30S FF36 FF51 FF64 4C083 AA082 AA122 AC012 AC022 AC072 AC122 AC151 AC152 AC242 AC442 AC482 AC542 AD201 AD202 AD211 AD212 AD512 BB47 CC05 DD31 EE03 4H025 AA19 BA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1)で表されるジヒドロ
    カルコン化合物または薬学的に許容されるその塩を有効
    成分として含有する抗酸化剤。 【化1】 (式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立に水素原子、
    水酸基またはアルコキシ基を示し、R3 は、水素原子ま
    たは単糖あるいはオリゴ糖の残基を示す。)
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、R3 がグルコシ
    ドである請求項1記載の抗酸化剤。
  3. 【請求項3】 一般式(1)において、R3 がルチノシ
    ドである請求項1記載の抗酸化剤。
  4. 【請求項4】 一般式(1)で表されるジヒドロカルコ
    ン化合物がナリンジンジヒドロカルコンである請求項1
    記載の抗酸化剤。
  5. 【請求項5】 一般式(1)で表されるジヒドロカルコ
    ン化合物がヘスペリジンジヒドロカルコンである請求項
    1記載の抗酸化剤。
  6. 【請求項6】 一般式(1)で表されるジヒドロカルコ
    ン化合物がイソサクラネチンジヒドロカルコンである請
    求項1記載の抗酸化剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のジヒド
    ロカルコン化合物または薬学的に許容されるその塩を添
    加してなる化粧料。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載のジヒド
    ロカルコン化合物または薬学的に許容されるその塩を添
    加してなる飲食品。
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