JP2002266256A - 化粧紙およびその製造方法 - Google Patents

化粧紙およびその製造方法

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JP2002266256A JP2001069702A JP2001069702A JP2002266256A JP 2002266256 A JP2002266256 A JP 2002266256A JP 2001069702 A JP2001069702 A JP 2001069702A JP 2001069702 A JP2001069702 A JP 2001069702A JP 2002266256 A JP2002266256 A JP 2002266256A
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Yoshihiro Yamamoto
吉広 山本
Koichi Sekine
光一 関根
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的高価な塩化ビニル樹脂等のシートを積
層することなく、高い防汚性を有すると共に、高い通気
性を有し、防カビ剤を用いることなくカビの発生を抑制
できる化粧紙を得る。 【解決手段】 エンボス加工が施された化粧紙であっ
て、厚さ200μm以上の低密度紙1上に、硝化綿とウ
レタンの混合インキを用いて下地層2を形成し、この上
に水性エマルジョン系OPニス層4を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンボス加工を施
した低密度紙を基材とする化粧紙に関し、特に壁紙とし
て、若しくはボード類に貼り合わせて化粧板として用い
られる化粧紙およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、壁紙等として用いられる化粧シー
トとしては、紙基材に塩化ビニル樹脂を積層したシート
が最も一般的である。また、化粧シートに意匠性を付与
する目的でエンボス処理することが広く行われている。
【0003】上記の塩化ビニル樹脂積層シートは、適度
な柔軟性、耐摩耗性、耐汚染性等のバランスのとれた性
質を有し、エンボス処理を施した後でもシートに亀裂が
発生することが少なく、壁紙等として優れた性質をもっ
ている。
【0004】その反面、塩化ビニル樹脂シート等の樹脂
シートを積層した従来の壁紙は、通気性が悪く、結露が
発生し易いため、これによるカビの発生を防止するため
に、例えばヒノキチオール、キトサン等の天然有機系抗
菌剤、4級アンモニウム塩等を付加した有機系抗菌剤等
の防カビ剤を含浸させているのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塩化ビ
ニル樹脂は焼却時の塩化水素ガス発生や酸性雨、ダイオ
キシン発生の要因になるとも言われており、近年、環境
問題の観点から塩化ビニル樹脂シートを使用しない化粧
シートが要求されつつある。また、防カビ剤も人体に悪
影響を及ぼす危険性があり、できれば防カビ剤の使用は
避けるべきである。
【0006】ところが、塩化ビニル樹脂以外の樹脂シー
トでは、塩化ビニル樹脂シートのような適度な柔軟性、
高い防汚性等を持たせることが困難である。また、多く
の樹脂シートは比較的高価であるといった問題もある。
【0007】一方、樹脂シートを積層しない紙基材にエ
ンボス処理を施すと、紙基材の凹部と凸部との境界部付
近に比較的大きな亀裂が生じ易く、油汚れ等の汚染物質
がこの亀裂に染み込み、このような汚れは取り除くのが
困難であるため壁紙等に適用するには問題がある。
【0008】本発明の目的は、上記事情に鑑み、比較的
高価な塩化ビニル樹脂等のシート(フィルム)を積層す
ることなく、高い防汚性を有すると共に、高い通気性を
有し、結露を防止でき、薬剤(防カビ剤)を用いること
なくカビの発生を抑制できる化粧紙、およびその製造方
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
成された本発明の構成は、以下の通りである。
【0010】即ち、本発明の化粧紙は、エンボス加工が
施された化粧紙であって、パルプ繊維層に分散保持され
た発泡体粒子を含有する厚さ200μm以上の低密度紙
の表面に、硝化綿とウレタンの混合インキを用いた下地
層と、水性エマルジョン系OPニス層を有することを特
徴としているものである。
【0011】本発明の化粧紙においては、前記低密度紙
の密度は0.25g/cm3以下であることが好まし
い。
【0012】また、前記低密度紙の裏面に裏打紙を貼合
せた状態でのJIS P8117による通気性が100
0(秒/100ml)以下であることが好ましい。
【0013】また、本発明の化粧紙の製造方法は、パル
プ繊維層に均一に分散保持された発泡体粒子を含有する
厚さ200μm以上の低密度紙の表面に、硝化綿とウレ
タンの混合インキを用いて下地層を設け、該下地層上に
絵柄層及び水性エマルジョン系OPニス層を設けた後、
エンボス加工を施すことを特徴としているものである。
【0014】本発明によれば、紙基材として厚さ200
μm以上の低密度紙を用いることにより、エンボス加工
によって比較的深い凹凸形状を綺麗に付与できると共
に、このエンボス加工時に紙基材の破れが生じにくく、
樹脂フィルムを表面に貼ることなく汚染物質の染み込み
を防止できる。
【0015】さらに、特定のインキを用いて下地層(例
えば白ベタ層)を形成すると共に、この上に前記低密度
紙の特徴であるポーラスな部分への染み込みが少ない比
較的分子量の大きい水性エマルジョン系OPニスを塗布
することにより、高い通気性を保持することができる。
これにより、結露を防止でき、防カビ剤を用いることな
くカビの発生を効果的に抑制することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の化粧紙の一構成例を図1
に示す。図1において、1は紙基材であるところの低密
度紙、2は下地層、3は絵柄印刷層、4は水性エマルジ
ョン系OPニス層、5は裏打紙である。
【0017】低密度紙1は、パルプ繊維層に分散保持さ
れた発泡体粒子を含有するものである。
【0018】低密度紙1を構成する主たる材料であるパ
ルプとしては、例えばNBKP、LBKP、NBSP、
LBSPその他の木材パルプ又はリンターパルプの様な
非木材パルプを挙げることができる。また、目的に応じ
て適宜、ガラス繊維、ビニロン繊維、セピオライト等の
鉱物繊維、合成繊維等を併用してもよい。
【0019】低密度紙1に含有せしめる発泡体粒子は、
発泡性粒子として熱膨張性マイクロカプセルを用いて発
泡させたものが好ましい。また、発泡性粒子の添加量は
対パルプ3〜20重量%が好ましい。
【0020】低密度紙1には、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、各種無機水和物等の吸熱脱水反応を
伴うもの、又は通常製紙産業で使用されている炭酸カル
シウム、カオリンクレー、タルク、酸化チタン等を無機
粉体を含有せしめることができる。目的に応じて、前記
無機粉体の1種又は2種以上を併用して使用してもよ
い。
【0021】さらに低密度紙1には、通常の抄紙で用い
られるサイズ剤、その定着剤、紙力剤、無機粉体の歩留
まり向上剤等の各種製紙用薬品を含有せしめることがで
きる。
【0022】本発明では低密度紙1として、特に厚さ2
00μm以上のものを用いる。厚さが200μm未満で
あると、エンボス加工によって十分に深い凹凸形状を綺
麗に付与することができず、豊富なデザイン性を付与す
ることが困難であるばかりか、エンボス加工時に破れが
生じ易くなり、エンボス加工後にOPニス層を設けたと
しても汚染物質の染み込みを十分に防止できなくなる。
低密度紙1の厚さの上限は、本発明の目的が達せられる
範囲内であれば特に制限されないが、通気性、施工性、
コスト面等を考慮すると、500μm以下であるのが好
ましい。
【0023】また、低密度紙1の密度は0.25g/c
3以下であることが好ましい。密度が0.25g/c
3を超えると、最終的に壁紙等として高い通気性を保
持することが難しくなる。低密度紙1の密度の下限は、
本発明の目的が達せられる範囲内であれば特に制限され
ないが、加工性、強度面等を考慮すると、0.1g/c
3以上であるのが好ましい。
【0024】また、本発明で用いる低密度紙1には、本
発明の目的が達せられる範囲内であれば、従来公知の難
燃剤、耐熱変色剤等を含浸処理しても良い。
【0025】低密度紙1上に設けられた下地層2は、主
に、壁、ボード類や後述の裏打紙5の隠蔽層、及び、絵
柄印刷層の下地層として役割を果たす。
【0026】本発明の目的の一つは、高い通気性を有す
る化粧紙を実現することにあり、低密度紙1の特徴であ
るポーラスな部分を生かす塗工・印刷をすることが必要
である。
【0027】そのために、本発明では、下地層2を特に
硝化綿とウレタンの混合インキ(ウレタンインキ)を用
いて形成する。かかる混合インキは、例えばアクリルイ
ンキ(分子量:数百万)、アルキッドインキ(分子量:
数千)等の他の水性エマルジョンタイプのインキに比べ
ても分子量が大きく、低密度紙1のポーラスな部分への
染み込みが少ない。このため、下地層2によって低密度
紙の通気性が極端に低下することがなく、比較的高い通
気性を保持することが可能である。尚、この混合インキ
には、必要に応じて硬化剤等を添加することもできる。
【0028】下地層2の厚みは通常5〜10μm程度で
あるが、低密度紙1の密度等によっては5μmよりも薄
くすることが可能である。
【0029】絵柄印刷層2は、所望の絵柄・模様を印刷
した層である。この絵柄印刷層2の形成に用いるインキ
は溶剤系であっても水系であってもよいが、印刷面積の
割合が大きい場合には、低密度紙1に染み込みにくい水
系のものが好ましい。
【0030】水性エマルジョン系OPニス層4は、主に
絵柄印刷層2を保護し、耐汚染層としての役割を果た
す。この水性エマルジョン系OPニスは比較的分子量が
大きく、前記のウレタンインキと同様に低密度紙1に染
み込みにくいため、低密度紙の通気性を比較的高く維持
することが可能である。かかる水性エマルジョン系OP
ニス層4の材料としては、例えばアクリル樹脂やEVA
等の水性樹脂エマルジョン等を用いることができる。
【0031】水性エマルジョン系OPニス層4の厚みは
通常5〜20μm程度であるが、低密度紙1の密度等に
よっては5μmよりも薄くすることもできる。
【0032】本発明の化粧紙に用いる紙基材は低密度で
あるが故に、例えば壁紙として壁面に施工する際に塗布
される糊がポーラスな部分まで浸透し、壁面に貼れなく
なるというトラブルを誘発する恐れがある。糊をつけて
から壁に施工するまでの時間をオープンタイムといい、
オープンタイムが長い方が施工しやすい。
【0033】このため、本発明の化粧紙では、低密度紙
1の裏面に裏打紙5が貼合せるのが好ましい。これによ
り低密度紙1のポーラスな部分への糊のしみこみを防止
することができる。
【0034】裏打紙5としては、紙に難燃剤を塗布ある
いは含浸したもの、あるいはセルロースパルプに難燃性
の有機物質や無機物質を湿式抄紙法により含有せしめた
ものが知られている。代表的はものとしては、難燃剤と
してスルファミン酸グアニジンを紙に含浸処理した難燃
紙や、無機粉体として水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム、各種無機水和物の吸熱脱水濃縮反応を伴うも
のをパルプと混抄した無機質紙が挙げられる。
【0035】低密度紙1と裏打紙5を貼合するにあたっ
ては、通気性の極端な低下を招かないように接着剤の塗
布量を少量に制限しながら、例えばデンプン糊や酢酸ビ
ニル樹脂系接着剤、ポリビニルアルコール、ニトリルゴ
ム系の有機系高分子接着剤を使用することができる。
【0036】以上の構成を有する本発明の化粧紙では、
上記裏打紙5が貼合された状態で、JIS P8117
による通気性を1000(秒/100ml)以下とする
ことができる。
【0037】裏打紙が貼合された従来の一般的な壁紙
は、JIS P8117による通気性が概ね10000
(秒/100ml)以上である。このため通気性が悪
く、結露が発生し易いため、これによるカビの発生を防
止するために、防カビ剤を含浸させる必要があった。
【0038】一方、本発明の化粧紙では、特定のインキ
を用いて下地層を形成すると共に、この上に前記低密度
紙の特徴であるポーラスな部分への染み込みが少ない比
較的分子量の大きい水性エマルジョン系OPニスを用い
て耐汚染層を形成しているため、高い通気性を保持する
ことができる。このため、結露を防止でき、防カビ剤を
用いることなくカビの発生を効果的に抑制することが可
能である。
【0039】次に、図1に示したような本発明の化粧紙
の製造方法を図2を用いて簡単に説明する。尚、図2
は、各製造工程における断面を模式的に示したものであ
る。
【0040】先ず、低密度紙1の表面に、硝化綿とウレ
タンの混合インキを用いて下地層2を形成する(図2
(a))。
【0041】次に、この下地層上2に任意の絵柄印刷層
3を形成する(図2(b))。
【0042】次に、絵柄印刷層3を設けた紙基材の上に
水性エマルジョン系OPニス層4を形成する(図2
(c))。この水性エマルジョン系OPニスは、ナイフ
コーター、フローコーター、ロールコーター、グラビア
コーター等、適宜の方法により塗布することができる。
【0043】次に、水性エマルジョン系OPニス層4を
設けた紙基材にエンボス加工を施す(図2(d))。
【0044】エンボス加工法には、ドライエンボス法、
ウエットエンボス法、フェルトマーク法等があるが、ウ
エットエンボス法およびフェルトマーク法では予め紙の
含有水分率を大きくするため製品がカールを起こし易く
なる。このため、特に本発明のような低密度紙を紙基材
として用いる化粧紙へのエンボス処理にはドライエンボ
ス法を適用するのが好ましい。
【0045】ドライエンボス法は、模様を彫刻したロー
ル間で押圧賦型する方法であり、エンボス時に紙基材中
の繊維を切断する力が働くので、紙基材の凹部と凸部と
の境界部付近に亀裂が生じ易い。しかしながら、本発明
においては紙基材として厚み200μm以上の低密度紙
を用いるため、かかる亀裂発生を効果的に防止すること
ができる。
【0046】尚、このエンボス加工後に、必要に応じて
前記水性エマルジョン系OPニス層4と同様のOPニス
層(不図示)を上塗りしてもよい。これにより、特に深
い(高い)凹凸形状の加工を行った場合であっても、よ
り確実に汚染物質の染み込みを防止できる。
【0047】最後に、低密度紙1の裏面に裏打紙5を設
ける。これにより、リフォーム用の壁紙として適用可能
な化粧紙となる。
【0048】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0049】(実施例1〜3)図1に示したような化粧
紙を以下のようにして製造した。
【0050】紙基材(低密度紙1)として、密度0.1
8g/cm3、厚さ50μm(実施例1)、厚さ70μ
m(実施例2)、厚さ100μm(実施例3)の低密度
紙(名古名パルプ(株)製、商品名ポーラスター)を用
いた。
【0051】この紙基材の表面に、硝化綿とウレタンの
混合インキ(組成を補充願います)を用いて、下地層
(白ベタ層)を形成した。
【0052】グラビア印刷法によりEDホワイトコンク
(インクテック製)100重量部に硬化剤FG−700
(インクテック製)3重量を添加したインキを使用して
絵柄模様を施した。
【0053】次に、オーデKC−RD(インクテック
製)を塗布してトップコート層(水性エマルジョン系O
Pニス層)を形成した。
【0054】次に、エンボス模様を彫刻したロール間で
押圧賦型してエンボスを施した。尚、エンボスロールの
エンボス模様部の山の高さは10μmである。
【0055】最後に、裏打ち紙としてSF−337(サ
ンファイバー製:45g/m2)を上記紙基材の裏面に
貼り付け、図1に示したような化粧紙を得た。
【0056】以上のようにして得られた本実施例の化粧
紙の下地層(白ベタ層)の厚みは5μm、水性エマルジ
ョン系OPニス層の厚みは10μmであった。また、化
粧紙の凹部と凸部との境界付近を顕微鏡観察したとこ
ろ、亀裂は全く確認されなかった。
【0057】(比較例1)紙基材として、密度0.75
g/cm3、厚さ120μmの紙基材F−142(サン
ファイバー製:90g/m2)を用いた以外は、実施例
1と全く同様にして化粧紙を製造した。
【0058】以上のようにして得られた本比較例の化粧
紙の下地層(白ベタ層)の厚みは5μm、水性エマルジ
ョン系OPニス層の厚みは10μmであった。また、化
粧紙の凹部と凸部との境界付近を顕微鏡観察したとこ
ろ、複数の亀裂が確認された。
【0059】(比較例2)下地層2として、アクリルイ
ンキを用いた以外は、実施例1と全く同様にして化粧紙
を製造した。
【0060】以上のようにして得られた本比較例の化粧
紙の下地層(白ベタ層)の厚みは5μm、水性エマルジ
ョン系OPニス層の厚みは10μmであった。また、化
粧紙の凹部と凸部との境界付近を顕微鏡観察したとこ
ろ、亀裂は全く確認されなかった。
【0061】上記実施例及び比較例における紙基材、下
地層2、OPニス層4について表1に纏めて示した。
【0062】
【表1】
【0063】次に、上記実施例及び比較例で用いた紙基
材、裏打紙貼合わせ前の化粧紙、及び裏打紙貼合わせ後
の化粧紙の通気性を、JIS P8117に準拠して測
定した。
【0064】また、上記実施例及び比較例の化粧紙に対
して以下に示すように日本ビニル工業会規定の耐汚染性
テストを行った。
【0065】(1)試験環境 JIS Z8703(試験場所の標準状態)に規定する
常温常湿状態(温度20±15℃、湿度65±20%)
で行う。
【0066】(2)試験片の採取方法 汚染物がコーヒーおよび醤油の場合 試験片の寸法はA4(210mm×297mm)の大き
さとする。 汚染物がクレヨンの場合 試験片の寸法は、JIS A6921(壁紙)4.2
表2、記号B(30mm×220mm)大きさとする。 汚染物が水性サインペンの場合 試験片の寸法は、JIS A6921(壁紙)4.2
表2、記号B(30mm×220mm)大きさとする。
【0067】(3)試験方法 汚染物がコーヒーおよび醤油の場合 45°前後に傾斜した試験台に試験片を貼付し、その上
からビーカーに入れたコーヒー(約100cc)を汚染
状態が約10cm幅になるように振りかける。汚染後は
吊す、もしくは鋲でとめて24時間放置する。 汚染物がクレヨンの場合 試験台に固定した試験片上10cmの間を学振型摩擦試
験機(JIS L0823の摩擦試験機II型)の摩擦
子に取り付けたクレヨンで5往復摩擦する。なお、この
場合の荷重は200gとし、クレヨンは先をカットして
一度空試験を行い角を取ってから本試験を行う。汚染物
の放置時間は24時間とする。 汚染物が水性サインペンの場合 サインペンと定規を使って、試験片に長さ10cmの線
を5本、約2mm間隔で平行に書く。サインペンの角度
は、塗布面から約45°で塗布面に傷つけないようにす
る。汚染物の放置時間は24時間とする。
【0068】(4)汚染物の拭き取り方法 汚染物がコーヒーおよび醤油の場合 布もしくはティッシュペーパー等に水を含ませて丁寧に
拭き取る。 汚染物がクレヨン、水性サインペンの場合 布もしくはティッシュペーパー等に台所用合成洗剤の原
液を含ませて丁寧に拭き取った後、さらに水で拭き取
り、乾拭きする。なお、谷部などの拭き取りにくい部分
は、歯ブラシ等を使用する。
【0069】(5)判定 拭き取り1時間後に、JIS L0805の汚染用グレ
ースケールを用いて汚れを拭き取った部分と汚れを付着
していない部分(=原片)と比較して判定する。尚、汚
染物が化粧層中に染み込んだり、拭き取り後化粧層に凹
部に残った場合には、その状態も加味して判定する。
【0070】以上の結果を表2に纏めて示す。
【0071】
【表2】
【0072】表2に示したように、本発明による実施例
1〜3の化粧紙は、極めて高い防汚性(汚れが汚染用グ
レースケールの5号程度)を有すると共に、高い通気性
を有している。一方、比較例1の化粧紙は、通気性が極
めて悪く、防汚性も低かった。また、比較例2の化粧紙
は、高い防汚性を有するものの、通気性が悪かった。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように本発明の化粧紙及び
その製造方法によれば、以下の効果を奏する。
【0074】(1)紙基材として厚さ200μm以上の
低密度紙を用いることにより、エンボス加工によって比
較的深い凹凸形状を綺麗に付与できると共に、このエン
ボス加工時に紙基材の破れが生じにくく、極めて高い防
汚性を有する化粧紙が実現される。
【0075】(2)特定のインキを用いて下地層を形成
すると共に、この上に低密度紙の特徴であるポーラスな
部分への染み込みが少ない比較的分子量の大きい水性エ
マルジョン系OPニスを用いて耐汚染層を形成すること
により、高い通気性を保持することができる。これによ
り、結露を防止でき、防カビ剤を用いることなくカビの
発生を効果的に抑制することができる化粧紙が実現され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧紙の一構成例を示す断面模式図で
ある。
【図2】本発明の化粧紙の製造方法における製造工程を
説明するための断面模式図である。
【符号の説明】
1 紙基材(低密度紙) 2 下地層 3 絵柄印刷層 4 水性エマルジョン系OPニス層 5 裏打紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 33/00 B32B 33/00 D21H 21/22 D21H 21/22 27/20 27/20 A E04F 13/00 E04F 13/00 B Fターム(参考) 4F055 AA17 BA13 CA13 CA14 DA02 DA12 EA26 FA03 FA15 GA03 HA06 4F100 AJ06B AK51B BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C BA10D DE01A DG02A DG10A DG10D DJ01A EH46 EH462 EJ39 EJ39A EJ392 GB08 JA13A JA14A JB05C JD02 JM01C YY00A 4L055 AH34 AJ01 AJ02 AJ07 AJ10 BE14 EA08 FA11 FA14 FA16 FA20 GA23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンボス加工が施された化粧紙であっ
    て、パルプ繊維層に分散保持された発泡体粒子を含有す
    る厚さ200μm以上の低密度紙の表面に、硝化綿とウ
    レタンの混合インキを用いた下地層と、水性エマルジョ
    ン系OPニス層を有することを特徴とする化粧紙。
  2. 【請求項2】 前記低密度紙の密度が、0.25g/c
    3以下であることを特徴とする請求項1に記載の化粧
    紙。
  3. 【請求項3】 前記低密度紙の裏面に裏打紙が貼合され
    ていることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧
    紙。
  4. 【請求項4】 JIS P8117による通気性が10
    00(秒/100ml)以下であることを特徴とする請
    求項3に記載の化粧紙。
  5. 【請求項5】 パルプ繊維層に均一に分散保持された発
    泡体粒子を含有する厚さ200μm以上の低密度紙の表
    面に、硝化綿とウレタンの混合インキを用いて下地層を
    設け、該下地層上に絵柄層及び水性エマルジョン系OP
    ニス層を設けた後、エンボス加工を施すことを特徴とす
    る化粧紙の製造方法。
  6. 【請求項6】 エンボス加工後に、さらに水性エマルジ
    ョン系OPニス層を設けることを特徴とする請求項5に
    記載の化粧紙の製造方法。
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