JP2002264771A - ワイパ装置の制御方法 - Google Patents

ワイパ装置の制御方法

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JP2002264771A
JP2002264771A JP2001060293A JP2001060293A JP2002264771A JP 2002264771 A JP2002264771 A JP 2002264771A JP 2001060293 A JP2001060293 A JP 2001060293A JP 2001060293 A JP2001060293 A JP 2001060293A JP 2002264771 A JP2002264771 A JP 2002264771A
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blade
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deviation
control
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Toru Furusawa
透 古沢
Katsuhiko Kawabata
克彦 川端
Tamotsu Iwasaki
保 岩崎
Toshiyuki Amagasa
俊之 天笠
Takashi Hoshino
孝 星野
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Mitsuba Corp
Original Assignee
Mitsuba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 風圧やモータ特性等の種々の変動条件を吸収
し、スムーズなブレード動作を実現し得るワイパ装置の
制御方法を提供する。 【解決手段】 それぞれ別個のモータ3a,3bによっ
て左右のワイパブレード2a,2bを駆動させる。ワイ
パブレード2a,2bの現在の速度と、位置角度に応じ
て予め設定された目標速度との偏差を演算し、この偏差
と、偏差の積分値および偏差の微分値とに基づいて、ワ
イパブレードの払拭速度を個別にPID制御する。PI
D制御におけるゲイン係数は、ワイパブレード2a,2
bの往路と復路にて異なる値に設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用ワイパ装置
の制御技術に関し、特に、対向払拭型のワイパ装置に適
用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フロントガラスの大型化に伴う払拭面積
増大や横方向の視界向上のため、フロントガラスの左右
両端側にワイパアームの回転中心を配し、フロントガラ
スの両サイドから中央に向かってワイパブレード(以
下、適宜ブレードと略記する)が作動するいわゆる対向
払拭型のワイパ装置が採用されてきている。
【0003】この種の対向払拭型のワイパ装置として
は、従来より、車両中央部に1個のワイパ駆動用のモー
タを配置し、リンク機構を介して左右のワイパブレード
を対向作動させる構成のものが知られている。しかしな
がら、ブレードを1個のモータで駆動しようとすると、
ほぼ車両の全幅に等しい駆動機構を要し、機構が大がか
りとなり、かつその重量も大きくなるという問題があ
る。そこで、左右のブレードをそれぞれ別個にモータ駆
動し、装置の小型化、軽量化を図る方式が検討され、実
用化が図られている。
【0004】ところが、左右のブレードを別個のモータ
にて駆動すると、モータ特性の違いや負荷変動によるモ
ータ速度の変化により両ブレードの動きが同期しなくな
るおそれがある。かかる非同期状態が生じると、左右の
ブレードの動きがバラバラとなり、ブレード同士が干渉
してしまうという問題が生じる。そこで、このような問
題を解決すべく、特開平11−301409号公報に
は、他方のブレードの位置角度を見ながらモータを個別
に制御してブレードをスムーズに駆動させる方式が提案
されている。
【0005】そこでは、予め左右のブレード間の目標角
度差が設定され、他方のブレードの位置角度を参照しつ
つ目標角度差と実測角度差との差が小さくなるように左
右のモータが個別に制御される。また、ブレードの払拭
速度についても位置角度に応じた目標速度が設定されて
おり、ブレード払拭速度がこの目標速度となるように速
度制御が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなワイパ装置では、風圧や払拭面の状況の違い等によ
り、往路と復路ではブレードが受ける負荷に差があるた
め、一様な角度制御や速度制御では、往路と復路でワイ
パ動作に差が生じてしまうという問題があった。すなわ
ち、例えば、走行中の車両ではフロントガラスに沿って
上昇する気流が発生するため、それが往路ではブレード
を押し上げる力となる一方、復路では動作抵抗となり、
往路と復路では負荷が変動する。このため、復路の払拭
時間が往路よりも長くなり、特に高速走行中ではそれが
著しくなるため、見栄えが悪く運転者の運転フィーリン
グを損なうなどの弊害があった。
【0007】また、モータ特性も正転時と逆転時とでは
必ずしも一定ではなく、さらに、モータ個体間にも特性
差が存在する。加えて、ブレードを作動させるためのリ
ンク機構は、上下死点に向かうほど負荷が重くなるな
ど、ブレード位置角度により動作負荷が変化する。この
ため、一様な制御形態では、往路・復路共に、両ブレー
ドがぶつからず、かつ、目標速度通りで滑らかな動作を
行わせるのは困難であり、種々の変動条件を吸収して微
妙なセッティングを行い得る制御形態が望まれていた。
【0008】本発明の目的は、風圧やモータ特性等の種
々の変動条件を吸収し、スムーズなブレード動作を実現
し得るワイパ装置の制御方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のワイパ装置の制
御方法は、モータによって駆動されるワイパブレードを
有してなるワイパ装置の制御方法であって、前記ワイパ
ブレードの現在の速度と、前記ワイパブレードの位置角
度に応じて予め設定された目標速度との偏差を演算し、
前記偏差と、前記偏差の積分値および前記偏差の微分値
とに基づいて、前記ワイパブレードの払拭速度を個別に
PID制御することを特徴とする。
【0010】本発明によれば、ワイパブレードの速度が
PID制御されるので、より高精度なワイパ速度制御が
可能となる。すなわち、比例制御単独の場合に比して、
積分値の利用により、目標速度近傍における残留偏差が
減少し、目標速度への収束性が向上する。また、微分値
の利用により、周期変化の傾向から追従応答性を判断し
て制御を行うので、速度変化に対する応答性が向上す
る。
【0011】また、本発明のワイパ装置の制御方法は、
それぞれ別個のモータによって駆動される左右のワイパ
ブレードを有してなるワイパ装置の制御方法であって、
前記左右のワイパブレード間の位置角度差と、前記ワイ
パブレードの位置角度に応じて予め設定された前記ワイ
パーブレード間の目標角度差との偏差を演算し、前記偏
差と、前記偏差の積分値および前記偏差の微分値とに基
づいて、前記ワイパブレードの位置角度を個別にPID
制御することを特徴とする。
【0012】本発明によれば、ワイパブレードの位置角
度差がPID制御されるので、より高精度なワイパ角度
制御が可能となる。すなわち、比例制御単独の場合に比
して、積分値の利用により、目標角度差近傍における残
留偏差が減少し、目標角度差への収束性が向上する。ま
た、微分値の利用により、角度差変化の傾向から追従応
答性を判断して制御を行うので、角度差変化に対する応
答性が向上する。なお、ワイパブレードのPID速度制
御とPID角度差制御を同時に実行することも可能であ
る。
【0013】また、前記ワイパ装置の制御方法におい
て、前記PID制御におけるゲイン係数を、前記ワイパ
ブレードの往路と復路にて異なる値に設定しても良い。
これにより、往路と復路とで異なる風圧による負荷変動
や、リンク機構における位置角度による負荷変化、モー
タ個体差による特性のバラツキ、モータ正逆転時の特性
の違いなどの制御上の負の要因を吸収することが可能と
なる。
【0014】さらに、前記ワイパブレードの速度制御形
態に基づいて車両走行速度を推定し、前記推定速度に従
い前記ワイパブレードの前記ゲイン係数を調整しても良
い。これにより、復路におけるブレード速度が車速に応
じて設定されるため、往路と復路の間のブレード動作の
差を最小限に抑えることができる。
【0015】加えて、前記ワイパ装置の制御方法におい
て、前記PID制御におけるゲイン係数を、前記左右の
ワイパブレードによって異なる値に設定しても良い。こ
れにより、さらに詳細な制御形態を採ることが可能とな
り、左右のモータ間のバラツキ等を吸収することが可能
となる。
【0016】一方、ワイパ装置の制御方法を、前記左右
のワイパブレードを、フロントガラスの両端側に設定さ
れた上反転位置と前記フロントガラスの下端中央部に設
定された下反転位置との間で対向的に払拭作動させてな
る対向払拭型ワイパ装置に適用することが可能である。
これにより、ブレード同士の干渉などが起こり易い対向
払拭型のワイパ装置において、スムーズなブレード動作
を実現し、運転者の運転フィーリング向上を図ることが
可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明による制御
方法を適用した対向払拭型のワイパ装置における駆動系
ならびに制御系の概略を示す説明図である。
【0018】図1において、符号1は本発明によるワイ
パ制御方法を適用したワイパ装置である。当該ワイパ装
置1は、DR側とAS側を対向配置しDR側ワイパブレ
ード2aとAS側ワイパーブレード2b(以下、ブレー
ド2a,2bと略記する)を下反転位置において上下に
重合させたいわゆる対向払拭型の構成となっている。こ
のワイパ装置1では、DR側とAS側にそれぞれDR側
モータ3aとAS側モータ3b(以下、モータ3a,3
bと略す)が別個に設けられている。
【0019】モータ3a,3bはモータユニット12
a,12bに収容されており、ユニット内に設けられた
センサにより相対位置信号や絶対位置信号が出力され
る。すなわち、モータユニット12a,12bからは、
モータの回転に伴って発生するパルス信号からなる相対
位置信号と、ブレード2a,2bが下反転位置に来たと
きに発せられる絶対位置信号が出力されている。これら
の信号は、ワイパ駆動制御装置10に送出され、それに
基づき各ブレード2a,2bの位置情報(位置角度)が
算出され、モータ3a,3bが各々別個に制御されるよ
うになっている。なお、符号における「a,b」は、そ
れぞれDR側とAS側に関連する部材や部分であること
を示している。
【0020】ブレード2a,2bには、図示しないブレ
ードラバー部材が取り付けられている。そして、このブ
レードラバー部材を車両のフロントガラス上に密着させ
て移動させることにより、図1に2点鎖線にて示した払
拭領域4a,4bに存在する水滴等が払拭される。ま
た、ブレード2a,2bは駆動系32a,32bによっ
て駆動される。駆動系32a,32bは、駆動源として
のモータ3a,3bと、クランクアーム9a,9b、連
結ロッド8a,8b、駆動レバー7a,7bおよびワイパ
アーム6a,6bからなるリンク機構から構成されてい
る。
【0021】ブレード2a,2bは、ワイパ軸5a,5b
の先端に固定されるワイパアーム6a,6bに支持され
ており、左右に揺動運動を行うようになっている。ま
た、ワイパ軸5a,5bの他端には駆動レバー7a,7b
が配設されている。さらに、駆動レバー7a,7bの端
部には連結ロッド8a,8bが取り付けられている。こ
の連結ロッド8a,8bの他端側は、モータ3a,3bに
よって回転されるクランクアーム9a,9bの先端部に
接続されている。モータ3a,3bが回転すると、クラ
ンクアーム9a,9bが回転し、この動きが連結ロッド
8a,8bを介して駆動レバー7a,7bへと伝達され
る。そして、モータ3a,3bの回転運動がワイパアー
ム6a,6bの揺動運動に変換される。すなわち、ブレ
ード2a,2bが駆動系32a,32bによって駆動さ
れる。
【0022】図2は、駆動系32a,32bにおけるリ
ンク機構の構成を示す説明図である。また、図3はブレ
ードの動作特性を示す説明図であり、横軸はクランクア
ーム回転角度、縦軸はワイパアームの角速度を示してい
る。なお、図2,3ではDR側を例に採って説明してい
るが、AS側も同様の構成となっている。
【0023】図2に示すように、ワイパ装置1では、モ
ータ3aによって駆動されるクランクアーム9aがA→
B→Cと180度回転移動することにより、連結ロッド
8aがA’→B’→C’と移動する。これに伴い、駆動
レバー7aもワイパ軸5aを中心に揺動し、ワイパアー
ム6aが格納位置Zから上反転位置Xまで移動し、ブレ
ード2aの往路動作が行われる。一方、当該ワイパ装置
1では、ワイパアーム6aの揺動運動は、モータ3aの
正逆転によって行われる。図2のようなリンク構成で
は、クランクアーム9aを360度回転させて揺動運動
を得ることも可能であるが、ここではモータ3aの逆転
により、クランクアーム9aをC→B→Eと回転移動さ
せ復路動作を行わせている。
【0024】払拭動作を継続させる場合には、復路動作
にてクランクアーム9aをE点にて停止させ、そこを下
反転位置Yとする。そして、クランクアーム9aはE点
から再び往路方向(正転方向)に駆動され、下反転位置
Yから往路動作が開始される。これらの反転動作は、モ
ータ3aを電気的に逆転制御することによって行われ
る。また、ワイパスイッチがOFFされ払拭動作を停止
させる場合には、復路においてクランクアーム9aをE
点で停止させずA点まで駆動する。これにより、ワイパ
アーム6aおよびブレード2aは格納位置Zまで駆動さ
れ停止状態となる。
【0025】このようなリンク機構により駆動されるブ
レード2aは、図3に示すように、その角速度はA点か
らC点まで略正弦曲線を描いて変化する。なお、図中1
80度以降の点線は、クランクアーム9aを逆転させず
に1回転させた場合の角速度変化を示している。図3か
らわかるように、ブレード2aの角速度は、B点を過ぎ
た後徐々に低下し、リンク上の死点に当たるC点に至り
ゼロとなる。すなわち、ブレード2aは上反転位置Xに
向かって制動がかかり、上反転位置Xではリンクが伸び
きり停止状態となった後モータ3aが逆転され、復路の
払拭動作が行われる。従って、上反転位置Xでは、機械
的な停止作用が働き反転動作が行われることになる。
【0026】これに対し下反転位置Yでは、図3からわ
かるように、対応するE点においては角速度はゼロには
なっていない。当該ワイパ装置1では、このE点にてモ
ータ3aを電気的に反転させて往路払拭動作へと切り換
えており、クランクアーム9aはE点にて急激な制動を
受ける。従って、ブレード2aやワイパアーム6a、ク
ランクアーム9a等の慣性が作用し、ブレード2aをス
ムーズに反転させることが上反転位置Xよりも難しくな
るが、本実施の形態では、モータ3aはそれを緩和する
ように逆転制御される。
【0027】モータ3a,3bは、それぞれ別個に設け
られた駆動回路によって駆動される。この駆動回路はワ
イパ駆動制御装置10内に格納されており、CPU11
により制御される。ワイパ駆動制御装置10は、CPU
11を中心として、図示しないI/Oインターフェース
や、タイマ、ROM、RAM等がバスラインを介して互
いに接続されたマイクロコンピュータと、その周辺回路
とから構成される。そして、各モータユニット12a,
12bからの信号を処理し、各モータ3a,3bに対し
モータ駆動出力信号を送出してその動作を制御する。
【0028】図4は、モータユニット12aの構成を示
す説明図である。なお、モータユニット12aはDR側
の装置であるが、その内部の部材、部品等の符号には添
字「a」を付さずに示す。また、モータユニット12b
も図4と同様の構成となっていることは言うまでもな
い。
【0029】モータユニット12aは、モータ3aとギ
アボックス13とから構成され、モータ3aのモータ軸
14の回転がギアボックス13内にて減速され、出力軸
15に出力される。モータ軸14は、有底筒状のヨーク
16に回動自在に軸承され、コイルが巻装されたアーマ
チュアコア17およびコンミテータ18が取り付けられ
ている。ヨーク16の内面には複数の永久磁石19が固
定されている。また、コンミテータ18には、給電用の
ブラシ20が摺接している。
【0030】ヨーク16の開口側端縁部には、ギアボッ
クス13のケースフレーム21が取り付けられている。
モータ軸14の先端部は、ヨーク16から突出してケー
スフレーム21内に収納される。モータ軸14の先端部
には、ウォーム22が形成されており、このウォーム2
2には、ケースフレーム21に回動自在に支持されたウ
ォーム歯車23が噛合している。このウォーム歯車23
には、その同軸上に小径の第1ギア24が一体的に設け
られている。第1ギア24には、大径の第2ギア25が
噛合されている。第2ギア25には、ケースフレーム2
1に回動自在に軸承される出力軸15が一体に取り付け
られている。なお、図示されないが、モータ軸14には
前記ウォーム22に隣接してそのねじ方向とは逆向きの
もう1つのウォームが形成されており、ウォーム歯車2
3、第1ギア24と同様の減速部材により第2ギア25
に動力伝達されるようになっている。
【0031】モータ3aの駆動力は、ウォーム22、ウ
ォーム歯車23、第1ギア24、第2ギア25を経て減
速された状態で出力軸15に出力される。出力軸15に
は、クランクアーム9aが取り付けられている。そし
て、モータ3aの回転により出力軸15を介してクラン
クアーム9aが駆動され、前述のようにワイパアーム6
aが作動する。
【0032】また、モータ軸14には、多極着磁マグネ
ット26(以下、マグネット26と略記する)が取り付
けられている。これに対しケースフレーム21内には、
マグネット26の外周部と対向するように相対位置検出
用ホールIC27(以下、ホールIC27と略記する)
が設けられている。図5は、マグネット26とホールI
C27の関係およびホールIC27の出力信号(モータ
パルス)を示す説明図である。
【0033】ホールIC27は、図5に示すように、モ
ータ軸14の中心に対して90度の角度差を持った位置
に2個(27A,27B)設けられている。当該モータ
3aでは、マグネット26は6極に着磁されており、モ
ータ軸14が1回転すると各ホールIC27からは6周
期分のパルス出力が得られるようになっている。また、
ホールIC27A,27Bからは、図5の右側に示すよ
うに、その位相が1/4周期ずれたパルス信号が出力さ
れる。従って、ホールIC27A,27Bからのパルス
の出現タイミングを検出することにより、モータ軸14
の回転方向が判別でき、これによりワイパ動作の往路/
復路の判別を行うことができる。
【0034】さらに、ホールIC27A,27Bの何れ
か一方のパルス出力の周期からモータ軸14の回転速度
を検出することができる。モータ軸14の回転数とブレ
ード2aの速度との間には、減速比およびリンク動作比
に基づく相関関係が存在しており、モータパルス周期か
らブレード2aの速度を知ることができる。当該ワイパ
装置1では、ブレード2a,2bの位置角度(パルス
数)ごとの目標速度を示す速度マップとして、モータパ
ルスの周期マップがROMに格納されており、これに基
づきブレード速度制御が行われる。
【0035】一方、第2ギア25の底面には、絶対位置
検出用マグネット28(以下、マグネット28と略記す
る)が取り付けられている。また、ケースフレーム21
にはプリント基板29が取り付けられ、その上には、絶
対位置検出用マグネット28と対向するように絶対位置
検出用ホールIC30(以下、ホールIC30と略記す
る)が配設されている。マグネット28は、第2ギア2
5の底面上に3個設けられており、ブレード2aが上反
転位置X、下反転位置Y、格納位置Zの各位置に来たと
き、ホールIC30と対向するようになっている。第2
ギア25は、前述のようにクランクアーム9aが取り付
けられ、ブレード2aを往復動させるため180度回転
する。そして、第2ギア25が回転し、ブレード2aが
各位置に来るとホールIC30とマグネット28が対向
し、パルス信号が出力される。
【0036】そして、ホールIC27,30からのパル
ス出力は、ワイパ駆動制御装置10に送られ、CPU1
1はホールIC30からのパルス出力を絶対位置信号と
して用いてブレード2aの位置を認識する。また、ホー
ルIC27からのパルス信号は、ブレード2aの相対位
置信号として用いられ、絶対位置信号が得られた後のパ
ルス数をカウントすることにより、CPU11はブレー
ド2aの現在位置を認識する。
【0037】すなわち、モータ軸14の回転数と出力軸
15の回転数は、減速比に基づく一定関係にあることか
ら、ホールIC27からのパルス数によって出力軸15
の回転角度を算出することができる。一方、出力軸15
の回転角度とブレード2aの移動角度は、図2に示した
リンク機構に基づき一定の相関関係を有している。従っ
て、ホールIC27からのパルス数を積算することでブ
レード2aの移動角度を知ることができる。そこで、ワ
イパ駆動制御装置10は、ホールIC30からの各位置
を示す絶対位置信号と、ホールIC27からのパルス数
の組み合わせによって、ブレード2aの現在位置を検出
する。
【0038】このようにしてワイパ駆動制御装置10は
ブレード2a,2bの現在位置を認識すると共に、その
データに基づいてモータ3a,3bを制御する。この場
合、CPU11では、相対位置信号のパルス累積数をそ
のまま位置角度として取り扱い、パルス数に基づいて以
下の処理を行っている。但し、パルス数とブレード2
a,2bの位置角度θa,θb(deg)との関係を予めマ
ップ等によってROMに格納しておき、角度(deg)に
よって以下の処理を行っても良い。
【0039】CPU11では、まず第1に、ブレード2
a,2bの現在の位置角度(パルス積算数)から、DR
側,AS側のそれぞれの立場で見た両ブレード2a,2b
間の実際の角度差を算出する。この場合、DR側,AS
側のそれぞれの立場で見た実測角度差とは、例えばDR
側では、DR側ブレード2aの位置角度を基準としてA
S側ブレード2bの位置角度との差を求めることによっ
て得られる角度差(パルス数差)の絶対値である。つま
り、例えばDR側が「10」パルスの位置角度にあると
きAS側が「4」パルスの位置角度である場合、DR側
の位置角度からAS側の位置角度を減じて「6」(10
−4)となる。一方、これをAS側から見ると、AS側
ブレード2bの位置角度を基準として、AS側の位置角
度からDR側の位置角度を減じて「6」(4−10=−
6の絶対値)となる。
【0040】次に、CPU11は、現在の位置角度にお
ける両ブレード2a,2b間の位置角度差の目標値であ
る目標角度差と先に求めた実測角度差とを比較して、現
時点における実測角度差と目標角度差との差を示す角度
差情報を算出する。ここで、比較対象となる目標角度差
は、ROMに予め格納されたDR側目標角度差マップ3
1aとAS側目標角度差マップ31bからそれぞれ読み
出される。図6にこれらの構成を示す。図6(a)はD
R側の位置角度を基準とした目標角度差を示すDR側目
標角度差マップ31aであり、図6(b)はAS側の位
置角度を基準とした目標角度差を示すAS側目標角度差
マップ31bである。
【0041】図6(a)のDR側目標角度差マップ31
aを見ると、例えばDR側の位置角度が「10」パルス
であるときAS側の位置角度目標は「4」パルスであ
り、両者の間の目標角度差は「6」であることがわか
る。従って、例えば「DR=10,AS=7」で実測角
度差「3」との位置情報が得られている場合は、目標角
度差に対して「3」(6−3)というDR側角度差情報
を算出する。これは、先行するDR側から見てAS側が
目標位置角度よりも「3」パルス分進んでいる(近付い
ている)状態を表している。
【0042】これに対し図6(b)のAS側目標角度差
マップ31bでは、前記の例の場合(「DR=10,A
S=7」)、AS側の位置角度が「7」パルスのときD
R側の位置角度目標は「32」パルスであり、両者の間
の目標角度差は「25」となる。これに対して、先の例
では実測角度差は「3」(7−10)であり、目標角度
差に対して「22」(25−3))というAS側角度差
情報を算出する。これは、追従するAS側から見てDR
側が目標位置角度よりも「22」パルス分遅れている
(近付いている)状態を表している。
【0043】また、当該ワイパ装置1では、上反転位置
Xを境に先行側と追従側が逆転する。すなわち、復路に
おいてはAS側がDR側に先行することになる。モータ
3a,3bでは、下反転位置の絶対位置信号出力後に相
対位置信号のパルス累積数が「160」となったとき上
反転位置Xとなるように設定されている。そして、復路
では相対位置信号入力ごとにパルス数を「160」から
減算して位置角度を算出する。各目標角度差マップ31
a,31bでは、目標角度差が絶対値で示されており、
先行と追従の違いはあるが、復路においても当該マップ
にてブレード2a,2bの位置制御ができるようになっ
ている。なお、図6のマップはあくまでも一例であり、
マップ形態やその中の数値が図6のものに限定されない
ことは言うまでもない。
【0044】このように、ワイパ駆動制御装置10で
は、DR側とAS側のそれぞれに相手方との対応を有す
るマップを個々に持たせ、移動速度の異なるブレード2
a,2bを自らの位置角度のみならず他方の位置角度を
も勘案して制御する。そして、何れか一方の側にモータ
3aまたは3bからのパルスが入力されると両モータ3
a,3bの制御が開始される。
【0045】一方、CPU11ではさらに、得られた角
度差情報に基づいて各モータ3a,3bの出力を算出、
決定する。ここでは、先の角度差情報により、目標角度
差と実測角度差との間の差が小さくなるような各モータ
3a,3bの出力をそれぞれ算出し、それをモータ駆動
出力としてモータユニット12a,12bに送出する。
【0046】すなわち、CPU11では、先の例によれ
ば、DR側角度差情報として「3」という値を取得し、
これに基づいて以後のDR側モータ3aの出力を算出す
る。この場合、取得した角度差情報からAS側が目標値
よりも「3」パルス分近付いていることが認識され、こ
の認識に従い、位置角度差を広げて目標値に近付けるべ
くDR側について現在よりも高い出力(回転数)が算出
される。そして、この出力を実現するようにDR側のモ
ータユニット12aに制御信号が送出される。
【0047】また、AS側については、先の例によれ
ば、AS側角度差情報として「22」という値を取得
し、これに基づいて以後のAS側モータ3bの出力を算
出する。この場合、取得した角度差情報からDR側が目
標値よりも「22」パルス分近付いていることが認識さ
れ、この認識に従い、位置角度差を広げて目標値に近付
けるべくAS側について現在よりも低い出力(回転数)
が算出される。そして、この出力を実現するようにAS
側のモータユニット12bに制御信号が送出される。
【0048】なお、図6によれば、DR側とAS側は4
パルス目までは同時に駆動され、その後、5パルス目以
降ではDR側はそのまま駆動されるが、AS側はDR側
が32パルスとなるまで4パルスの状態で待機する。つ
まり、DR側を32パルスの位置角度まで先行させ、ブ
レード2a,2b間に32パルス分(約32度)の距離
を持たせる。従って、前述の例(「DR=10,AS=
7」)では、DR側に対してAS側が進みすぎているこ
とになり、AS側はパルス7の位置角度にて停止し、D
R側の進行を待つことになる。
【0049】次に、DR側が32パルスの位置角度に至
ると、AS側は27パルスの位置角度まで駆動される。
つまり、DR側が5〜31パルスの間停止状態にあった
AS側は、DR側が32パルスとなるとき再始動し、一
気に27パルスの位置角度まで移動し両者の間の位置角
度差は「5」とされる。その後、DR側が37パルスま
ではAS側は27パルスの位置にとどまり、DR側が3
8パルスとなると1パルス分進行して28パルスの位置
に移動する。
【0050】さらに、図6(b)からわかるように、D
R側が44パルスの位置に至るとAS側は1パルス進ん
で29パルスの位置へ移動し、DR側が50パルスとな
ると30パルスの位置に移動する。つまり、DR側のパ
ルスが「39→43」あるいは「45→49」と積算さ
れる間、AS側はそれぞれ「28」、「29」パルスの
位置で保持される。
【0051】このように、ワイパ駆動制御装置10は、
ブレード2a,2b間の実測角度差が目標角度差に近付
くように各モータ3a,3bを独自に制御する。すなわ
ち、両ブレード2a,2bの位置角度差が目標よりも小
さくなったとき(近付いたとき)は、前述の例のように
先行側の出力を上げ、追従側の出力を下げて目標位置角
度との差を縮めるようにする。また、位置角度差が目標
よりも大きくなったとき(離れたとき)は、先行側の出
力を下げ、追従側の出力を上げ目標位置角度との差を縮
める。このため、外力負荷変動等によりブレード2a,
2bの位置角度差に変動が生じても、その変動に対して
逐次両方のモータ3a,3bの出力を可変できるため目
標角度差マップに示された目標位置角度差に速やかに収
束される。従って、ブレード2a,2bの位置角度差の
バラツキを抑えることが可能となる。
【0052】また、ワイパ駆動制御装置10では、目標
角度差による制御に加えてブレード2a,2bのフィー
ドバック速度制御も行っている。この速度制御は、ホー
ルIC27A,27Bの何れか一方のパルス出力の周期
を用い、予め定めた速度目標値に基づいてモータ3a,
3bをPWM(Pulse Width Modulation)制御すること
により行われる。本実施の形態では、ホールIC27A
からのパルス信号によりブレード2aの速度を検出し、
前述のようにこれを周期マップと比較することにより、
ブレード2a,2bが位置角度に応じた目標速度となる
ように制御している。
【0053】ところで、本発明によるワイパ装置1で
は、このブレード速度制御ならびに前述の位置角度角度
制御について、いわゆるPID制御を採用している。こ
のPID制御では、モータパルス周期と目標周期の差
や、目標角度差と実測角度差との差に対して、P項(比
例項)、I項(積分項)、D項(微分項)を設け、それ
ぞれに所定のゲイン係数を乗じてモータのdutyを設定し
ている。本実施の形態では、通常制御時は、先行側のブ
レードに対してはPID速度制御を行い、追従側のブレ
ードには、PID速度制御に加えて、前述の目標角度差
マップ31a,31bに基づいてPID角度差制御を行
っている。
【0054】この場合、先行側のブレードは、次の式
(1)によりモータのPWMdutyが設定される。
【0055】
【数1】
【0056】式(1)において、FAMは目標周期であ
り、FAはホールIC27Aからのパルス信号の周期で
ある。式(1)は、それらの偏差e(=FAM−FA)に
対し、偏差eに比例する出力を出す比例動作(Proportio
nal action:P項)と、偏差eの積分に比例する出力を出
す積分動作(Integral action:I項)と、偏差eの微分に
比例する出力を出す微分動作(Derivative action:D項)
から構成されている。この際、各項には制御係数とし
て、Pゲイン係数kfp、Iゲイン係数kfi、Dゲイン係数
kfdが設定されている。なお、kは調整用の全体制御ゲ
イン係数、btkはバッテリー電圧によって変更されるバ
ッテリー補正係数である。
【0057】これに対し追従側のブレードは、次の式
(2)によりモータのPWMdutyが設定される。
【0058】
【数2】
【0059】式(2)において、θEMは先行ブレードと
追従ブレードとの間の目標角度差であり、θEは実測角
度差である。式(2)では、目標周期とパルス信号周期
との偏差e(=FAM−FA)によるPID制御に加え、
θEMとθEの偏差(θE−θEM)をP制御した結果を加え
てモータ制御が行われる。なお、kθpは、角度差制御係
数としてのPゲイン係数である。
【0060】そして、例えば往路では、先行するDR側
ブレード2aを駆動するモータ3aからのパルス信号と
目標周期から両者の偏差を求め、この値から式(1)に
基づきモータ3aのdutyを算出して、ブレード2aの速
度を制御する。また、追従側のASブレード2bでは、
モータ3bからのパルス信号と目標周期から両者の偏差
を求めると共に、ブレード2aとの位置角度差と目標角
度差とから角度差の偏差を求め、それらの値から式
(2)に基づきモータ3bのdutyを算出して、ブレード
2bの速度と位置角度を制御する。
【0061】このように、本発明によるワイパ装置の制
御方法では、PID制御によってワイパブレードの速度
や角度差を制御するので、より高精度なワイパ動作制御
が可能となる。すなわち、周期差や角度差に基づく比例
制御単独の場合に比して、目標値近傍における残留偏差
が減少して目標角度差への収束性が向上する(I項)。
また、周期変化の傾向から追従応答性を判断して制御を
行うので、角度差変化に対する応答性が向上する(D
項)。また、PID制御によるブレード速度の安定化に
伴い、より正確な角度差制御を行うことができると共
に、角度制御自身もPID制御による高精度の制御形態
が実現される。これにより、例えば、風圧や積雪等によ
りブレードの速度やブレード間の角度差が変化した場合
でも、目標速度や目標角度差を維持すべく、式(1)
(2)に基づき最適なduty値が算出され、ブレード速度
や角度差は負荷変動によらず略一定に保たれる。
【0062】一方、一般にPID制御による自動制御に
おいては、ゲイン係数の調整を予め行うことにより、あ
る程度の負荷変動には対応可能ではある。しかしなが
ら、ワイパ装置においては、走行時の風圧やモータ特性
の相違、リンク機構の作動負荷等、種々の変動要因が複
雑に絡み合っており、負荷変動の様相も単純ではない。
そこで、当該ワイパ装置1では、前述のような通常制御
においても、往路と復路とで異なるゲイン係数を設定
し、負荷変動時の応答性を向上させると共に、ワイパ動
作の変化を最小限に抑えている。
【0063】すなわち、例えば、(1)式において、往
路における各係数が「kfp=0.7,kfi=0.04,kf
d=1,k=0.1」と設定されている場合、復路では
各係数を「kfp=0.77,kfi=0.044,kfd=1.
1,k=0.11」に設定する。これにより、往路と復
路とで異なる風圧による負荷変動や、リンク機構におけ
る位置角度による負荷変化、モータ個体差による特性の
バラツキ、モータ正逆転時の特性の違いなどの負の要因
を制御上にて吸収することが可能となる。
【0064】また、往路と復路との間で車両速度の変化
は少ないことから、往路における制御形態を参照して復
路におけるゲイン係数を設定しても良い。通常、ブレー
ドは、往路払拭時には風圧によりマイナスの負荷の影響
を受ける。すなわち、風圧によって押し上げられる方向
の力を受け、オーバースピードとなる。そして、目標速
度を超えると、ブレード速度を維持すべくブレーキ制御
が行われる。この風圧の影響は車速が高いほど大きく、
高速時ほどブレーキ制御も頻繁に行われる。従って、ブ
レーキ制御回数と車両速度との間には、ある程度の相関
関係が認められる。そこで、それらの関係を予め測定し
てマップを作成し、ブレーキ制御の実行回数から現在車
速を推定することも可能である。
【0065】一方、復路では逆に風圧によりスピードが
落ち、増速制御が行われる。この際、復路では、負荷変
動に対応可能なようにゲイン係数を調整してはいるが、
車速は時々刻々と変化するものであり、現在の車速に応
じてゲイン係数を調整するのが好ましい。そこで、往路
と復路とでは車速変化が少ないことに鑑み、先に往路で
のブレーキ制御回数にて推定した車速を適用して、復路
のゲイン係数を設定すれば、より適切な制御形態を採る
ことが可能となる。これにより、復路におけるブレード
速度が車速に応じて設定されるため、往路と復路の間の
ブレード動作の差を最小限に抑えることができる。ま
た、たとえ往路と復路で車速変化があっても、より現在
車速に近い制御がなされるため、一定のゲイン係数を設
定した場合に比して、より精度の高い速度制御が可能と
なる。
【0066】さらに、式(1)(2)のゲイン係数を、
左右のモータで個別に設定しても良い。つまり、ゲイン
係数を「DR側往路」「DR側復路」「AS側往路」
「AS側復路」のように4種類設定することもできる。
これにより、さらに詳細な制御形態を採ることが可能と
なり、左右のモータ間のバラツキを吸収することなどが
可能となる。
【0067】本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
あることはいうまでもない。例えば、前述の実施の形態
におけるゲイン係数の設定値はあくまでも一例であり、
本発明による制御形態がそれらに限定されないのは言う
までもない。また、ゲイン係数を「DR側往路」「DR
側復路」「AS側往路」「AS側復路」について、どれ
とどれを異なる値に設定するかは、設計上任意に決定し
得る。すなわち、全てを同じ値に設定する場合から全て
異なる値とする場合まで、種々の制御形態が設定可能で
ある。
【0068】さらに、前述の実施の形態では、対向払拭
型のワイパ装置に本発明を適用した例を示したが、適用
対象となるワイパ装置は対向払拭型には限られず、両ブ
レードが同方向に作動する通常のワイパ装置にも適用可
能である。加えて、前述の実施の形態では、往路の速度
制御形態に基づき車両走行速度を推定して復路のゲイン
係数を調整しているが、復路の速度制御形態に基づき車
両走行速度を推定して往路のゲイン係数を調整しても良
く、さらに両者を組み合わせても良い。
【0069】また、本実施の形態においては、絶対位置
検出用のマグネット28を3個用いているが、必要に応
じて増減させることもできる。例えば、第2ギア25の
下反転位置Yに対応する部分のみにマグネット28を設
けて、ここを基準として、上反転位置Xと格納位置Zを
パルスの向きと数とで検出するようにしても良い。
【0070】
【発明の効果】本発明のワイパ装置制御方法によれば、
ワイパブレードの速度をPID制御するようにしたの
で、比例制御単独の場合に比して、目標速度への収束性
向上や速度変化に対する応答性向上が図られ、より高精
度なワイパ速度制御が可能となる。
【0071】また、本発明のワイパ装置の制御方法によ
れば、ワイパブレードの位置角度差をPID制御するよ
うにしたので、比例制御単独の場合に比して、目標角度
差への収束性向上や角度差変化に対する応答性向上が図
られ、より高精度なワイパ速度制御が可能となる。
【0072】さらに、PID制御におけるゲイン係数を
ワイパブレードの往路と復路にて異なる値に設定するこ
とにより、往路と復路とで異なる様々な制御上の負の要
因を吸収することができる。この場合、往路の速度制御
形態から車両走行速度を推定し、その推定速度に従い復
路のゲイン係数を調整することにより、復路のブレード
速度が車速に応じて設定され、現状に即したより高精度
の制御を行うことが可能となる。また、PID制御にお
けるゲイン係数を左右のワイパブレードによって異なる
値に設定することにより、さらに詳細な制御形態を採る
ことが可能となる。
【0073】加えて、本発明によるワイパ装置の制御方
法を対向払拭型ワイパ装置に適用することにより、ブレ
ード同士が干渉することなく、また、往路と復路におけ
る動作状態に差異のない、スムーズなブレード動作を行
う対向払拭型ワイパ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御方法を適用した対向払拭型のワイ
パ装置における駆動系ならびに制御系の概略を示す説明
図である。
【図2】図1のワイパ装置における駆動系のリンク機構
の構成を示す説明図である。
【図3】ワイパブレードの動作特性を示す説明図であ
る。
【図4】モータユニットの構成を示す説明図である。
【図5】マグネットとホールICの関係およびホールI
Cからの出力信号を示す説明図である。
【図6】(a)はDR側の位置角度を基準とした目標角
度差を示すDR側目標角度差マップであり、(b)はA
S側の位置角度を基準とした目標角度差を示すAS側目
標角度差マップである。
【符号の説明】
1 ワイパ装置 2a DR側ワイパブレード 2b AS側ワイパーブレード 3a DR側モータ 3b AS側モータ 4a,4b 払拭領域 5a,5b ワイパ軸 6a,6b ワイパアーム 7a,7b 駆動レバー 8a,8b 連結ロッド 9a,9b クランクアーム 10 ワイパ駆動制御装置 11 CPU 12a,12b モータユニット 13 ギアボックス 14 モータ軸 15 出力軸 16 ヨーク 17 アーマチュアコア 18 コンミテータ 19 永久磁石 20 ブラシ 21 ケースフレーム 22 ウォーム 23 ウォーム歯車 24 第1ギア 25 第2ギア 26 多極着磁マグネット 27(27A,27B) 相対位置検出用ホールIC 28 絶対位置検出用マグネット 29 プリント基板 30 絶対位置検出用ホールIC 31a DR側目標角度差マップ 31b AS側目標角度差マップ 32a,32b 駆動系 X 上反転位置 Y 下反転位置 Z 格納位置 FAM 目標周期 FA 相対位置信号周期 e 偏差 kfp,kfi,kfd,kθp,k ゲイン係数 btk バッテリー補正係数 θEM 目標角度差 θE 実測角度差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 保 群馬県桐生市広沢町1丁目2681番地 株式 会社ミツバ内 (72)発明者 天笠 俊之 群馬県桐生市広沢町1丁目2681番地 株式 会社ミツバ内 (72)発明者 星野 孝 群馬県桐生市広沢町1丁目2681番地 株式 会社ミツバ内 Fターム(参考) 3D025 AE02 AE57 AE73 AE78 AE79 5H001 AA07 AB11 AB12 AD06 5H530 AA12 BB20 CC02 CD01 CD23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータによって駆動されるワイパブレー
    ドを有してなるワイパ装置の制御方法であって、 前記ワイパブレードの現在の速度と、前記ワイパブレー
    ドの位置角度に応じて予め設定された目標速度との偏差
    を演算し、 前記偏差と、前記偏差の積分値および前記偏差の微分値
    とに基づいて、前記ワイパブレードの払拭速度を個別に
    PID制御することを特徴とするワイパ装置の制御方
    法。
  2. 【請求項2】 それぞれ別個のモータによって駆動され
    る左右のワイパブレードを有してなるワイパ装置の制御
    方法であって、 前記左右のワイパブレード間の位置角度差と、前記ワイ
    パブレードの位置角度に応じて予め設定された前記ワイ
    パーブレード間の目標角度差との偏差を演算し、 前記偏差と、前記偏差の積分値および前記偏差の微分値
    とに基づいて、前記ワイパブレードの位置角度を個別に
    PID制御することを特徴とするワイパ装置の制御方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のワイパ装置の制
    御方法において、前記PID制御は、前記ワイパブレー
    ドの往路と復路にて異なるゲイン係数を有することを特
    徴とするワイパ装置の制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のワイパ装置の制御方法に
    おいて、前記ワイパブレードの速度制御形態に基づいて
    車両走行速度を推定し、前記推定速度に従い前記ワイパ
    ブレードの前記ゲイン係数を調整することを特徴とする
    ワイパ装置の制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項に記載のワイ
    パ装置の制御方法において、前記PID制御は、前記左
    右のワイパブレードによって異なるゲイン係数を有する
    ことを特徴とするワイパ装置の制御方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項に記載のワイ
    パ装置の制御方法において、前記ワイパ装置は、前記左
    右のワイパブレードを、フロントガラスの両端側に設定
    された上反転位置と前記フロントガラスの下端中央部に
    設定された下反転位置との間で対向的に払拭作動させて
    なる対向払拭型ワイパ装置であることを特徴とするワイ
    パ装置の制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010159044A (ja) * 2008-12-09 2010-07-22 Asmo Co Ltd ワイパ装置及びワイパ制御方法
KR101379307B1 (ko) 2012-11-30 2014-03-28 디알에스테크 주식회사 철도 차량의 와이퍼 구동 장치

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JP2010159044A (ja) * 2008-12-09 2010-07-22 Asmo Co Ltd ワイパ装置及びワイパ制御方法
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