JP6133758B2 - ワイパ装置 - Google Patents

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本発明は、ワイパ装置に関する。
図8に示したように、車両のフロントガラス12の下方の左右にワイパモータ18,20、減速機構22,24、ワイパアーム26,28及びワイパブレード30,32が各々設けられた対向払拭型のワイパ装置100がある。このような対向払拭型のワイパ装置100は、ワイパアーム26,28がフロントガラス12上で互いに向き合って回動するので、ワイパブレード30,32が互いに干渉110するおそれがある。対向払拭型のワイパ装置100では、かかるワイパブレード同士の干渉110を防止するために、回転センサ42,44が各々検知したワイパモータ18.20の出力軸の回転角度に基づいて、ワイパ制御回路600によりワイパモータ18,20の回転が制御される。
特許文献1には、ワイパモータの回転子の回転状態を検出して、ワイパブレードのフロントガラス上での位置及び速度を算出し、対向する2つのワイパブレードが互いに干渉しないように制御する技術が開示されている。
特許第4047692号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のワイパ制御装置は、車両の走行による風圧112、又はフロントガラス12表面の摺動抵抗により、ワイパアーム26,28又はワイパブレード30,32がたわむことを考慮していない。ワイパアーム26,28又はワイパブレード30,32が、風圧112又は摺動抵抗等の外力によってたわむ場合、ワイパモータ18,20の回転状態のみからではワイパブレード30,32の正確な位置の把握が困難になる。その結果、ワイパブレード30,32同士の干渉110、拭き残し116又はワイパブレード30,32のオーバーラン114が生じるという問題があった。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、ワイパブレード及びワイパアームに加わった外力を考慮したワイパモータの制御が可能なワイパ装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載のワイパ装置は、ワイパブレードを備えたワイパワームの一端が連結された出力軸を有し、該出力軸を回転させることによって前記ワイパブレードを窓ガラス上で往復回動させるワイパモータと、前記出力軸の回転角度を検知して該回転角度に応じた信号を出力する回転角検知手段と、前記ワイパモータに流れる電力を検知して該電力に応じた信号を出力する電力検知手段と、前記電力検知手段が出力した信号から得られる前記ワイパモータに流れる電力値及び前記回転角検知手段が出力した信号から得られる前記出力軸の角速度に基づいて、前記ワイパブレードに作用する外力及び該外力が作用している場合の前記ワイパブレードの前記窓ガラス上での位置を算出し、前記算出した外力及び前記ワイパブレードの前記窓ガラス上での位置と、前記ワイパモータを回転させるための指令信号との差分に応じて駆動信号を出力する制御手段と、を備えている。
このワイパ装置によれば、電力検知手段が出力した信号から得られるワイパモータに流れる電力値及び回転角検知手段が出力した信号から得られる出力軸の角速度に基づいて、ワイパブレードに作用する外力とワイパブレードの窓ガラス上での位置を算出する。さらに、算出した外力及びワイパブレードの窓ガラス上での位置と、ワイパモータを回転させるための指令信号との差分に応じて駆動信号を出力することにより、ワイパブレード及びワイパアームに加わった外力を考慮したワイパモータの制御が可能となる。その結果、ワイパブレード同士の干渉、拭き残し及びワイパブレードのオーバーラン等を防止できる。
請求項2に記載のワイパ装置は、請求項1に記載のワイパ装置において、前記制御手段は、前記電力検知手段が出力した信号から得られる前記ワイパモータに流れる電力値から前記出力軸のトルクを算出し、該算出した前記出力軸のトルク及び前記回転角検知手段が出力した信号から得られる前記出力軸の角速度に基づいて前記ワイパブレードに作用する外力を算出すると共に、前記算出した前記出力軸のトルク及び前記ワイパブレードに作用する外力に基づいて前記ワイパブレードの前記窓ガラス上での位置を算出する。
このワイパ装置によれば、ワイパモータに流れる電力値から出力軸のトルクを算出し、算出した出力軸のトルク及び出力軸の角速度に基づいてワイパブレードに作用する外力を算出する。さらに、算出した出力軸のトルク及びワイパブレードに作用する外力に基づいてワイパブレードの窓ガラス上での位置を算出する。算出した外力及びワイパブレードの窓ガラス上での位置を、ワイパモータを回転させるための指令信号にフィードバックすることにより、ワイパブレード及びワイパアームに加わった外力を考慮したワイパモータの制御が可能となる。その結果、ワイパブレード同士の干渉、拭き残し及びワイパブレードのオーバーラン等を防止できる。
請求項3に記載のワイパ装置は、請求項2に記載のワイパ装置において、前記出力軸の回転角度と前記出力軸のトルクとに基づいて前記ワイパブレードに作用する外力が設定された3次元マップを記憶した記憶手段をさらに備え、前記制御手段は、前記算出した前記出力軸のトルク、前記回転角検知手段が出力した信号から得られる前記出力軸の回転角度及び前記3次元マップを用いて前記ワイパブレードに作用する外力を算出する。
このワイパ装置によれば、出力軸の回転角度と出力軸のトルクとに基づいてワイパブレードに作用する外力が設定された3次元マップを用いることで、ワイパブレードに作用する外力を簡易迅速に算出できる。
本発明の実施の形態に係るワイパ装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係るワイパ装置における制御ブロック図の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係るワイパ装置におけるモデリングの一例を示す概念図である。 本発明の実施の形態に係るワイパ装置におけるモデリングに基づいた運動方程式の導出の一例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるワイパ装置に係る運動方程式のパラメータを決定するための実機データ測定の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係るワイパ装置の実機におけるPI制御部の構成の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係るワイパ装置におけるモータトルクTとモータ角度θとに基づいて負荷Tが設定された3次元マップの一例を示す図である。 一般的な対向払拭型のワイパ装置の一例を示す概略図である。
図1は、本実施の形態に係るワイパ装置10の構成を示す概略図である。ワイパ装置10は、一例として、車両のフロントガラス12の下部の左に左ワイパ装置14、車両のフロントガラス12の下部の右に右ワイパ装置16を各々備えた対向払拭型のワイパ装置である。
左ワイパ装置14及び右ワイパ装置16は、ワイパモータ18,20、減速機構22,24、ワイパアーム26,28及びワイパブレード30,32を各々備えている。左ワイパ装置14及び右ワイパ装置16は、ワイパモータ18,20の正逆回転が減速機構22,24で各々減速され、減速機構22,24によって減速された正逆回転で出力軸36,38が各々回転する。さらに、出力軸36,38の正逆回転の回転力がワイパアーム26,28に各々作用することによりワイパアーム26,28がフロントガラス12上を往復回動する。かかるワイパアーム26,28の回動により、ワイパアーム26,28の先端に各々設けられたワイパブレード30,32がフロントガラス12表面の下反転位置P1から上反転位置P2の間を払拭する。なお、減速機構22,24は、例えばウォームギア等で構成され、ワイパモータ18,20の回転を、ワイパブレード30,32によるフロントガラス12表面の払拭に適した回転速度に各々減速し、当該回転速度で出力軸36,38を各々回転させる。
ワイパモータ18,20には、ワイパモータ18,20の回転を制御するためのワイパ制御回路60が接続されている。本実施の形態に係るワイパ制御回路60は、マイクロコンピュータ62とメモリ64とを含む。
マイクロコンピュータ62には、ワイパモータ18の出力軸36及びワイパモータ20の出力軸38の回転速度及び回転角度を各々検知する回転センサ42,44並びにワイパモータ18,20に流れる電流を各々検知する電流センサ56,58が接続されている。マイクロコンピュータ62は、回転センサ42,44及び電流センサ56,58からの信号に基づいて、フロントガラス12上でのワイパブレード30,32の位置を各々算出する。また、マイクロコンピュータ62は、算出した位置に応じて出力軸36,38の回転速度が変化するように駆動回路46,48を各々制御する。なお、回転センサ42,44は、ワイパモータ18,20の減速機構22,24内に各々設けられ、出力軸36,38に連動して回転する励磁コイル又はマグネットの磁界(磁力)を電流に変換して検出する。
また、ワイパ制御回路60には、駆動回路46,48の制御に用いるデータ及びプログラムを記憶したメモリ64があり、マイクロコンピュータ62には、ワイパスイッチ66が接続されている。
駆動回路46,48は、ワイパモータ18,20を各々作動させるための電圧(電流)をPWM制御によって生成してワイパモータ18,20に各々供給する。ワイパモータ18,20がブラシレスDCモータであれば、駆動回路46,48は、スイッチング素子にMOSFETを使用したインバータ回路を含み、マイクロコンピュータ62の制御によって、所定のデューティ比の電圧を出力する。
本実施の形態に係るワイパモータ18,20は、上述のように、ウォームギアで構成された減速機構22,24を各々有しているので、出力軸36,38の回転速度及び回転角度は、ワイパモータ18,20本体の回転速度及び回転角度と同一ではない。しかしながら、本実施の形態では、ワイパモータ18,20と減速機構22,24は各々一体不可分に構成されているので、以下、出力軸36,38の回転速度及び回転角度を、ワイパモータ18,20の各々の回転速度及び回転角度とみなす。また、以下、出力軸36,38の回転角度を「モータ角度」と呼称する。
ワイパスイッチ66は、車両のバッテリからワイパモータ18,20に供給される電力をオン又はオフするスイッチである。ワイパスイッチ66は、ワイパブレード30,32を、低速で回動させる低速作動モード選択位置、高速で回動させる高速作動モード選択位置、一定周期で間欠的に回動させる間欠作動モード選択位置、停止モード選択位置に切替可能である。また、各モードの選択位置に応じてワイパモータ18,20を回転させるための指令信号をマイクロコンピュータ62に出力する。
ワイパスイッチ66から各モードの選択位置に応じて出力された信号がワイパ制御回路60に入力されると、ワイパ制御回路60がワイパスイッチ66からの指令信号に対応する制御をメモリ64に記憶されたデータ及びプログラムを用いて行う。具体的には、ワイパ制御回路60のマイクロコンピュータ62は、ワイパスイッチ66からの指令信号並びにメモリ64に記憶されているデータ及びプログラムに基づいて、所望する往復払拭周期でワイパブレード30,32が作動するように、マイクロコンピュータ62は出力軸36,38の回転信号を読み取って駆動回路46,48を制御する。
図2は、本実施の形態に係るワイパ装置10における制御ブロック図の一例を示す概略図である。以下、右ワイパ装置16を例として説明するが、左ワイパ装置14においても制御は同様なので、詳細な説明は省略する。図2では、例えば、ワイパブレード32をフロントガラス12で所望の回転角度で回動させるための指令値がマイクロコンピュータ62内のPI制御部70に入力される。PI制御部70は、ワイパモータ20のアーマチャ20Eに印加する電圧をいわゆるPI制御によって算出する。PI制御部70は、指令値と後述する推定ブレード位置及び負荷推定量とに基づいてワイパモータ20に印加する電圧を算出する。
ワイパモータ20のアーマチャ20EにはPI制御部70によって算出された電圧が印加され、前述の指令値に基づいて回転を始める。ワイパモータ20の出力軸38の回転角度は、回転センサ44により、モータ角度θとして検知される。回転しているワイパモータ20の電流は、電流センサ58によって検知される。また、電流センサ58によって検知されたワイパモータの電流値は、マイクロコンピュータ62内の負荷推定部78及びブレード位置推定部80に入力される。
ワイパモータ20の回転力及びトルクは右ワイパ装置16に作用し、ワイパブレード32をフロントガラス12上で回動させる。作動中のワイパモータ20は、回転センサ44によってモータ角度θが検知され、さらに回転センサ44の検知結果からモータ角速度ωがマイクロコンピュータ62で算出される。モータ角速度ωは負荷推定部78及びブレード位置推定部80に入力され、モータ角度θはブレード位置推定部80に入力される。
負荷推定部78は、入力された電流値とモータ角速度ωとに基づいて、ワイパブレード32に作用する風圧又はフロントガラス12表面の摩擦等の負荷(外力)Tの推定量である負荷推定量を算出する。具体的には、入力された電流値に所定のトルク定数82を乗算してワイパモータ20の出力軸38のトルクであるモータトルクTを算出すると共に、モータ角度θに基づいてモータ角速度ωを算出する。さらに、モータトルクT及びモータ角速度ωに基づいて負荷推定量を算出し、算出した負荷推定量を、PI制御部70と、ブレード位置推定部80とに入力する。
ブレード位置推定部80は、入力された電流値とモータ角速度ωとモータ角度θと負荷推定量とに基づいて、ワイパブレード32の推定ブレード位置を算出し、PI制御部70は、指令値と推定ブレード位置と負荷推定量とに基づくPI制御を行う。なお、図2中のKは、右ワイパ装置16の動作に伴って生じる逆起電圧に係る所定の逆起定数84であり、後述する式(5)を用いてワイパモータに印加する電圧からワイパモータの電流値を算出する場合に使用する。
図3は、本実施の形態に係るワイパ装置10におけるモデリングの一例を示す概念図である。図3では、右ワイパ装置16は、ワイパモータ20、減速機構24、ワイパアーム28及びワイパブレード32で主に構成されているとしてモデルを単純化している。図3に示したモデルでは、ワイパモータ20の回転に係るモータトルクTが出力軸38を介してワイパアーム28とワイパブレード32に作用すると共に、ワイパブレードには風圧又はフロントガラス表面の摩擦等の負荷(外力)Tが作用する。ワイパモータ20、減速機構24、ワイパアーム28及びワイパブレード32は、一体化された剛体ではないので、モータトルクTと負荷Tとが作用すると、各部の剛性、粘性及び慣性により、ワイパアーム28の位置及びワイパブレード32の位置が影響を受ける。図3では、ワイパモータ20、減速機構24、ワイパアーム28及びワイパブレード32における慣性、粘性及び剛性、並びにワイパモータ20の出力軸38の回転角度、ワイパブレード32の回動角度及びワイパブレードの回動角度の各々をパラメータとしている。
なお、図3において右ワイパ装置16を例示したが、左ワイパ装置14のモデリングも右ワイパ装置16と同様なので、詳細な説明は省力すると共に、以下、右ワイパ装置16に係る構成に基づいてモデリング等の説明をする。
本実施の形態で設定されるパラメータは、図3に示した通りである。例えば、ワイパモータ20と減速機構24との慣性であるモータ&ギアの慣性J、並びにワイパモータ20及び減速機構24とワイパアーム28と間の粘性及び剛性であるモータ&ギアとアーム間の粘性C及びモータ&ギアとアーム間の剛性Kが設定される。
また、ワイパアーム28の慣性であるアームの慣性J、ワイパアーム28とワイパブレード32との間の粘性であるアームとブレード間の粘性C及びワイパアーム28とワイパブレード32との間の剛性であるアームとブレード間の剛性Kが設定される。
また、ワイパブレード32の慣性であるブレードの慣性J、ワイパブレード32とフロントガラス12との間の粘性であるブレード&ガラス間の粘性C及びワイパブレード32の剛性であるブレードの剛性Kが設定される。さらには、出力軸38の回転角度であるモータ角度θ、ワイパアーム28が図1の下反転位置P1から回動した角度であるアーム角度θ及びワイパブレード32が下反転位置から回動した角度であるブレード角度θもパラメータとして設定される。なお、モータ角度θは、回転センサ42,44によって検知される実測値である。
図3に示した各々のパラメータを用いると、ワイパ装置10における各部の運動は、図4に示したように、下記の式(1)〜(3)で表現できる。図4は、本実施の形態に係るワイパ装置10におけるモデリングに基づいた運動方程式の導出の一例を示す図である。
=J1α+C1ω+K1θ ・・・(1)
1(ω)+K1)=J2α+C2)+K2)
・・・(2)
+C2)+K2)=J3α+C3ω+K3θ
・・・(3)
上記の式(1)〜(3)におけるωは、モータ角度θの角速度であり、αは、モータ角度θの角加速度である。また、ωは、アーム角度θの角速度であり、αは、アーム角度θの角加速度である。さらに、ωは、ブレード角度θの角速度であり、αは、ブレード角度θの角加速度である。なお、本実施の形態では、減速機構24にワイパアーム28が直結されたワイパ装置10に基づいてモデリングを行っている。減速機構24とワイパアーム28との間にリンク機構を別途有するワイパ装置のモデリングでは、上記の式(1)〜(3)に加えて、リンク機構に係る運動方程式を追加する。
図5は、本実施の形態におけるワイパ装置10に係る運動方程式のパラメータを決定するための実機データ測定の一例を示す概略図である。図5では、ワイパモータ20を回動させるための指令値をマイクロコンピュータ62内のPI制御部70に入力する。PI制御部70は、ワイパモータ20のアーマチャ20Eに印加する電圧をいわゆるPI制御によって算出する。
PI制御部70によって算出された電圧に従って図1に示した駆動回路48からワイパモータ20のアーマチャ20Eに電圧が印加され、ワイパモータ20は、前述の指令値に基づいて回転を始める。ワイパモータ20の出力軸38の回転角度は、回転センサ44により、モータ角度θとして検知される。回転しているワイパモータ20の電流は、電流センサ58によって検知され、検知された電流の値に所定のトルク定数を乗算することによりワイパモータ20の出力軸38のトルクが算出される。
また、ワイパモータ20の回転力及びトルクは右ワイパ装置16に作用し、ワイパブレード32をフロントガラス12上の所定の位置から回動させる。本実施の形態では、一例として、フロントガラス12上を回動するワイパアーム28及びワイパブレード32の動きを光学的なセンサで捕捉する。光学的なセンサは、ワイパアーム28及びワイパブレード32の各々がフロントガラス12上を回動した際の出力軸38を中心とした角度を、アーム角度θ及びブレード角度θとして各々検知する。また、回転センサ44によって検知されたモータ角度θは、出力値としてPI制御部70に入力され、上述のPI制御が行われる。
本実施の形態では、上記の式(1)〜(3)に基づいたワイパ装置10のモデルが、実測値に近似するように式(1)〜(3)の各パラメータを決定する。
本実施の形態では、図5に示したデータ測定により、モータトルクT、モータ角度θ、アーム角度θ及びブレード角度θが測定される。さらに、モータ角度θ、アーム角度θ及びブレード角度θの各々に基づいて、モータ角速度ω及びモータ角加速度α、アーム角速度ω及びアーム角加速度α、並びにブレード角速度ω及びブレード角加速度αを、各々算出する。
以上の実機データ測定に基づいて各パラメータを決定することにより、本実施の形態に係るワイパ装置10のモデリングを行う。モデリングによる計算値が実測値に近似するように、式(1)〜(3)のモータ&ギアとアーム間の粘性C、アームとブレード間の粘性C、ブレード&ガラス間の粘性C、モータ&ギアの慣性J、アームの慣性J、ブレードの慣性J、モータ&ギアとアーム間の剛性K、アームとブレード間の剛性K、ブレードの剛性K等の各パラメータを決定する。さらに各パラメータを決定したモデルに基づいて負荷T及びブレード角度θを算出する。
本実施の形態では、上記のモデリングに基づいて、ワイパモータ18,20に流れる電流値からモータトルクTを算出する。算出したモータトルクT及びモータ角度θに基づいてワイパブレード30,32に作用する外力である負荷Tを算出する。さらに、モータトルクT及び負荷Tに基づいてワイパブレード30,32の位置を示すブレード角度θを算出する。
このように、本実施の形態では、電流センサ56,58が出力した信号から得られる電流値及び回転センサ42,44が出力した信号から得られるモータ角度θに基づいて、負荷T及びブレード角度θを算出できる。
また、電流センサ56,58を備えていない場合には、下記の式(4)の関係に基づいて、ワイパモータ18,20に流れる電流値Iを算出する。なお、式(4)中のVはワイパ制御回路60がモニターしているワイパモータ18,20に印加する電圧(単位:V)であり、Lはワイパモータ18,20の巻線インダクタンス(単位:H)であり、Rはワイパモータ18,20の巻線抵抗(単位:Ω)である。また、式(4)中のKは所定の逆起定数(単位:V/rad/s)であり、ωはモータ角速度(単位:rad/s)である。

上記の式(4)からは、下記の式(5)が導かれ、ワイパモータ18,20に流れる電流値Iが算出できる。なお、式(5)の分母中のsはラプラス演算子である。

図6は、本実施の形態に係るワイパ装置10の実機におけるPI制御部70の構成の一例を示す概略図である。本実施の形態に係るPI制御部70は、指令値と算出された推定ブレード位置であるブレード角度θとの偏差の比例関係に基づいてワイパモータ20に印加する電圧を算出する偏差比例部72を含む。また、PI制御部70は、上記の比例関係のみでは残留偏差が生じる場合に、かかる残留偏差を偏差積分によって解消する偏差積分部74を含む。さらに、偏差積分部74の後段には負荷推定量である負荷Tに応じて偏差積分部74での積分結果を増減するゲイン調整部76が設けられている。
偏差比例部72は、上述のように、指令値とブレード角度θとの偏差の比例関係基づいてワイパモータ20に印加する電圧を算出するが、当該算出した電圧を推定された負荷Tに応じて増減する。
偏差比例部72及びゲイン調整部76では、負荷Tが大きいほど高電圧となるように電圧を算出する。負荷Tと負荷Tに応じて算出される電圧との対応関係は、上述のように決定したワイパ装置10のモデルを用いたシミュレーションに基づいて決定する。
偏差比例部72での算出結果は、偏差積分部74及びゲイン調整部76での算出結果に加算され、制御出力として出力される。マイクロコンピュータ62は、制御出力に応じてPWM制御を行い、駆動回路48は、かかるPWM制御に基づいてワイパモータ20のアーマチャ20Eに電圧を印加する。また、右ワイパ装置16を例としてモデリング及び実機の制御について説明したが、左ワイパ装置14においても、モデリング及び実機の制御は同様なので、詳細な説明は省略する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、モデリングに基づいて外部からの負荷Tを推定すると共に、外部からの負荷に影響された場合でのワイパブレードの位置をブレード角度θとして算出している。算出した負荷T及びブレード角度θに応じて、ワイパモータに印加する電圧を制御することにより、ワイパブレード及びワイパアームに加わった外力を考慮したワイパモータの制御が可能となる。
その結果、対向払拭型のワイパ装置において、外部からの負荷によってワイパブレードが指令値通りの位置に回動せず、対向している他方のワイパ装置のワイパブレードと干渉することを防止できる。また、ワイパブレードが所定の反転位置で反転せずにオーバーランする現象も防止できる。さらには、外部からの負荷に応じてワイパモータに印加する電圧を制御するので、当該負荷によってワイパブレードが不規則に振動する等の、いわゆるびびり振動も抑制することができる。
本実施の形態では、上述のように、負荷Tは、モータトルクT及びモータ角度θに基づいて算出する。しかしながら、モータトルクTとモータ角度θとに基づく負荷Tを上記のモデリングを用いて予め算出すると共に算出結果を3次元マップとし、メモリ64に予め記憶しておいてもよい。
図7は、本実施の形態に係るワイパ装置10におけるモータトルクTとモータ角度θとに基づいて負荷Tが設定された3次元マップの一例を示す図である。図7に示したような3次元マップを用いることで、モータトルクTとモータ角度θとから迅速に負荷Tを決定でき、マイクロコンピュータ62における演算処理の負荷を軽減することができる。
10・・・ワイパ装置、12・・・フロントガラス、14・・・左ワイパ装置、16・・・右ワイパ装置、18,20・・・ワイパモータ、20E・・・アーマチャ、22,24・・・減速機構、26,28・・・ワイパアーム、30,32・・・ワイパブレード、36,38・・・出力軸、42,44・・・回転センサ、46,48・・・駆動回路、56,58・・・電流センサ、60・・・ワイパ制御回路、62・・・マイクロコンピュータ、64・・・メモリ、66・・・ワイパスイッチ、70・・・PI制御部、72・・・偏差比例部、74・・・偏差積分部、76・・・ゲイン調整部、78・・・負荷推定部、80・・・ブレード位置推定部、82・・・トルク定数、84・・・逆起定数、100・・・ワイパ装置、110・・・干渉、112・・・風圧、114・・・オーバーラン、116・・・拭き残し、600・・・ワイパ制御回路、C・・・モータ&ギアとアーム間の粘性、C・・・アームとブレード間の粘性、C・・・ブレード&ガラス間の粘性、I・・・電流値、J・・・モータ&ギアの慣性、J・・・アームの慣性、J・・・ブレードの慣性、K・・・モータ&ギアとアーム間の剛性、K・・・アームとブレード間の剛性、K・・・ブレードの剛性、P1・・・下反転位置、P2・・・上反転位置、T・・・負荷、T・・・モータトルク、α・・・アーム角加速度、α・・・ブレード角加速度、α・・・モータ角加速度、θ・・・アーム角度、θ・・・ブレード角度、θ・・・モータ角度、ω・・・アーム角速度、ω・・・ブレード角速度、ω・・・モータ角速度

Claims (3)

  1. ワイパブレードを備えたワイパワームの一端が連結された出力軸を有し、該出力軸を回転させることによって前記ワイパブレードを窓ガラス上で往復回動させるワイパモータと、
    前記出力軸の回転角度を検知して該回転角度に応じた信号を出力する回転角検知手段と、
    前記ワイパモータに流れる電力を検知して該電力に応じた信号を出力する電力検知手段と、
    前記電力検知手段が出力した信号から得られる前記ワイパモータに流れる電力値及び前記回転角検知手段が出力した信号から得られる前記出力軸の角速度に基づいて、前記ワイパブレードに作用する外力及び該外力が作用している場合の前記ワイパブレードの前記窓ガラス上での位置を算出し、前記算出した外力及び前記ワイパブレードの前記窓ガラス上での位置と、前記ワイパモータを回転させるための指令信号との差分に応じて駆動信号を出力する制御手段と、
    を備えたワイパ装置。
  2. 前記制御手段は、前記電力検知手段が出力した信号から得られる前記ワイパモータに流れる電力値から前記出力軸のトルクを算出し、該算出した前記出力軸のトルク及び前記回転角検知手段が出力した信号から得られる前記出力軸の角速度に基づいて前記ワイパブレードに作用する外力を算出すると共に、前記算出した前記出力軸のトルク及び前記ワイパブレードに作用する外力に基づいて前記ワイパブレードの前記窓ガラス上での位置を算出する請求項1に記載のワイパ装置。
  3. 前記出力軸の回転角度と前記出力軸のトルクとに基づいて前記ワイパブレードに作用する外力が設定された3次元マップを記憶した記憶手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記算出した前記出力軸のトルク、前記回転角検知手段が出力した信号から得られる前記出力軸の回転角度及び前記3次元マップを用いて前記ワイパブレードに作用する外力を算出する請求項2に記載のワイパ装置。
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