JP2002264773A - 対向払拭型ワイパ装置の制御方法 - Google Patents

対向払拭型ワイパ装置の制御方法

Info

Publication number
JP2002264773A
JP2002264773A JP2001063204A JP2001063204A JP2002264773A JP 2002264773 A JP2002264773 A JP 2002264773A JP 2001063204 A JP2001063204 A JP 2001063204A JP 2001063204 A JP2001063204 A JP 2001063204A JP 2002264773 A JP2002264773 A JP 2002264773A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wiper
blade
blades
control device
position signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001063204A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Amagasa
俊之 天笠
Katsuhiko Kawabata
克彦 川端
Toru Furusawa
透 古沢
Tamotsu Iwasaki
保 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuba Corp
Original Assignee
Mitsuba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuba Corp filed Critical Mitsuba Corp
Priority to JP2001063204A priority Critical patent/JP2002264773A/ja
Publication of JP2002264773A publication Critical patent/JP2002264773A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 対向払拭型ワイパ装置において、払拭動作中
に電源供給が停止した場合であっても、再起動後に混乱
なく通常動作に復帰させる。 【解決手段】 別個のモータにて左右のワイパブレード
2a,2bを駆動させ、ワイパ制御装置により、モータ
ユニットから出力される絶対位置信号と相対位置信号に
基づいてワイパブレードの動作制御を行う。ワイパ制御
装置の電源投入時に絶対位置信号が未入力の場合には、
正常作動時に下側に位置するワイパブレードを、他方の
ワイパブレードに先行させて下反転位置に移動させる
(図7(b))。先行駆動されたワイパブレードの絶対
位置信号が入力後、他方のワイパブレードを下反転位置
に移動させる(図7(c))。両ワイパブレードの位置
情報がリセットされ(図7(d))正確な位置情報が取
得される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用ワイパ装置
の制御技術に関し、特に、対向払拭型のワイパ装置に適
用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フロントガラスの大型化に伴う払拭面積
増大や横方向の視界向上のため、フロントガラスの左右
両端側にワイパアームの回転中心を配し、フロントガラ
スの両サイドから中央に向かってワイパブレード(以
下、適宜ブレードと略記する)が作動するいわゆる対向
払拭型のワイパ装置が採用されてきている。
【0003】この種の対向払拭型のワイパ装置として
は、従来より、車両中央部に1個のワイパ駆動用のモー
タを配置し、リンク機構を介して左右のワイパブレード
を対向作動させる構成のものが知られている。しかしな
がら、ブレードを1個のモータで駆動しようとすると、
ほぼ車両の全幅に等しい駆動機構を要し、機構が大がか
りとなり、かつその重量も大きくなるという問題があ
る。そこで、左右のブレードをそれぞれ別個にモータ駆
動し、装置の小型化、軽量化を図る方式が検討され、実
用化が図られている。
【0004】ところが、左右のブレードを別個のモータ
にて駆動すると、モータ特性の違いや負荷変動によるモ
ータ速度の変化により両ブレードの動きが同期しなくな
るおそれがある。かかる非同期状態が生じると、左右の
ブレードの動きがバラバラとなり、ブレード同士が干渉
してしまうという問題が生じる。そこで、このような問
題を解決すべく、特開平11−301409号公報に
は、他方のブレードの位置角度を見ながらモータを個別
に制御してブレードをスムーズに駆動させる方式が提案
されている。
【0005】この場合、モータ側からは、その回転に伴
って相対位置信号が出力されると共に、ブレードが下反
転位置に至ると絶対位置信号が出力される。これらの信
号はCPUを備えたワイパ制御装置に入力され、このワ
イパ制御装置では、絶対位置信号が入力された後に取得
した相対位置信号のパルス数をカウントすることで、両
ブレードの現在の位置角度を検出している。また、左右
のブレード間には、予め目標角度差が設定されており、
検出した位置角度から算出された両ブレードの位置角度
差と目標角度差が比較される。そして、両者の差が小さ
くなるように左右のモータが個別に制御され、両ブレー
ドが当接することなく払拭動作を行うようになってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなワイパ装置では、払拭動作中にイグニッションスイ
ッチ(以下、IGスイッチと略記する)が切られた場合
など、バッテリーからワイパ制御装置への電源供給が断
たれると、ブレードが払拭途中で停止すると共に、ブレ
ード位置に関する位置情報も消失してしまう場合があ
る。このため、かかる状態で電源を投入して再起動する
と、正確な位置情報に基づかずに払拭動作を行おうとす
るため、ワイパ動作がうまく制御されずブレード同士が
衝突してしまうおそれがあるなどの問題があった。
【0007】また、特に何らかの原因により、電源再投
入前にブレード位置が入れ替わってしまった場合には、
再起動後に「入れ替わり」の情報を持たずにブレードが
駆動されるため、ブレード同士の衝突が生じ易い。さら
に、この場合には、ワイパ制御装置は「入れ替わり」の
認識がないため、ブレードが作動しない理由が把握でき
ず、衝突後もモータを駆動させ続けるおそれがある。か
かる状態が繰り返し続けられると、モータや駆動機構に
負荷がかかりシステム故障の原因ともなるという問題も
あった。
【0008】本発明の目的は、対向払拭型ワイパ装置に
おいて、払拭動作中に電源供給が停止した場合であって
も、再起動後に混乱なく通常動作に復帰させることにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の対向払拭型ワイ
パ装置の制御方法は、それぞれ別個のモータによって駆
動される左右のワイパブレードと、前記ワイパブレード
が所定の位置に存在するとき出力される絶対位置信号と
前記モータの回転に伴って出力される相対位置信号に基
づいて前記ワイパブレードの動作を制御するワイパ制御
装置とを有してなる対向払拭型ワイパ装置の制御方法で
あって、前記ワイパ制御装置に電源が投入された際に前
記ワイパ制御装置が前記絶対位置信号を取得していない
場合には、前記ワイパ制御装置が前記両ワイパブレード
に係る前記絶対値信号を取得するまで、前記両ワイパブ
レードを片方ずつ駆動させることを特徴とする。
【0010】本発明によれば、払拭動作中にワイパ制御
装置への電源供給が断たれブレードの位置情報を消失し
てしまっても、再起動時に再び正確な位置情報を取得す
ることができる。従って、ブレード同士の衝突などを起
こすことなく、ワイパ装置を通常の制御形態に復帰でき
る。
【0011】また、前記制御方法において、先行して駆
動された前記ワイパブレードに係る前記絶対位置信号が
前記ワイパ制御装置に入力される以前に前記相対位置信
号の入力が停止した場合には、前記先行駆動されたワイ
パブレードを駆動開始時の位置まで戻すと共に他方側の
前記ワイパブレードを駆動させ、前記他方側のワイパブ
レードに係る前記絶対位置信号が入力された場合には、
前記駆動開始位置に戻されたワイパブレードを再び駆動
させるようにしても良い。これにより、払拭動作中にワ
イパ制御装置への電源供給が断たれブレードの位置情報
を消失し、さらに、ブレード位置が入れ替わってしまっ
た場合であっても、無理な動作を行うことなく、再起動
時に再び正確な位置情報を取得することができる。
【0012】さらに、前記制御方法において、前記両ワ
イパブレードに係る前記絶対値信号を取得した後は、前
記ワイパブレードの動作を、上反転位置と下反転位置と
の間で対向的に往復払拭動作を行う通常の動作形態に変
更しても良い。これにより、入れ替わり状態を維持しつ
つブレードを支障なく駆動できると共に、絶対値信号取
得後は速やかに通常の制御形態に復帰させることが可能
となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は、対向払拭型ワイパ
装置における駆動系ならびに制御系の概略を示す説明図
である。
【0014】図1において、符号1は本発明によるワイ
パ制御方法を適用したワイパ装置である。当該ワイパ装
置1は、DR側とAS側を対向配置しDR側ワイパブレ
ード2aとAS側ワイパーブレード2b(以下、ブレー
ド2a,2bと略記する)を下反転位置において上下に
重合させたいわゆる対向払拭型の構成となっている。こ
のワイパ装置1では、DR側とAS側にそれぞれDR側
モータ3aとAS側モータ3b(以下、モータ3a,3
bと略す)が別個に設けられている。
【0015】モータ3a,3bはモータユニット12
a,12bに収容されており、ユニット内に設けられた
センサにより相対位置信号や絶対位置信号が出力され
る。すなわち、モータユニット12a,12bからは、
モータの回転に伴って発生するパルス信号からなる相対
位置信号と、ブレード2a,2bが下反転位置に来たと
きに発せられる絶対位置信号が出力されている。これら
の信号は、ワイパ駆動制御装置10に送出され、それに
基づき各ブレード2a,2bの位置情報(位置角度)が
算出され、モータ3a,3bが各々別個に制御されるよ
うになっている。なお、符号における「a,b」は、そ
れぞれDR側とAS側に関連する部材や部分であること
を示している。
【0016】ブレード2a,2bには、図示しないブレ
ードラバー部材が取り付けられている。そして、このブ
レードラバー部材を車両のフロントガラス上に密着させ
て移動させることにより、図1に2点鎖線にて示した払
拭領域4a,4bに存在する水滴等が払拭される。ま
た、ブレード2a,2bは駆動系32a,32bによっ
て駆動される。駆動系32a,32bは、駆動源として
のモータ3a,3bと、クランクアーム9a,9b、連
結ロッド8a,8b、駆動レバー7a,7bおよびワイパ
アーム6a,6bからなるリンク機構から構成されてい
る。
【0017】ブレード2a,2bは、ワイパ軸5a,5b
の先端に固定されるワイパアーム6a,6bに支持され
ており、左右に揺動運動を行うようになっている。ま
た、ワイパ軸5a,5bの他端には駆動レバー7a,7b
が配設されている。さらに、駆動レバー7a,7bの端
部には連結ロッド8a,8bが取り付けられている。こ
の連結ロッド8a,8bの他端側は、モータ3a,3bに
よって回転されるクランクアーム9a,9bの先端部に
接続されている。モータ3a,3bが回転すると、クラ
ンクアーム9a,9bが回転し、この動きが連結ロッド
8a,8bを介して駆動レバー7a,7bへと伝達され
る。そして、モータ3a,3bの回転運動がワイパアー
ム6a,6bの揺動運動に変換される。すなわち、ブレ
ード2a,2bが駆動系32a,32bによって駆動さ
れる。
【0018】図2は、駆動系32a,32bにおけるリ
ンク機構の構成を示す説明図である。また、図3はブレ
ードの動作特性を示す説明図であり、横軸はクランクア
ーム回転角度、縦軸はワイパアームの角速度を示してい
る。なお、図2,3ではDR側を例に採って説明してい
るが、AS側も同様の構成となっている。
【0019】図2に示すように、ワイパ装置1では、モ
ータ3aによって駆動されるクランクアーム9aがA→
B→Cと180度回転移動することにより、連結ロッド
8aがA’→B’→C’と移動する。これに伴い、駆動
レバー7aもワイパ軸5aを中心に揺動し、ワイパアー
ム6aが格納位置Zから上反転位置Xまで移動し、ブレ
ード2aの往路動作が行われる。一方、当該ワイパ装置
1では、ワイパアーム6aの揺動運動は、モータ3aの
正逆転によって行われる。図2のようなリンク構成で
は、クランクアーム9aを360度回転させて揺動運動
を得ることも可能であるが、ここではモータ3aの逆転
により、クランクアーム9aをC→B→Eと回転移動さ
せ復路動作を行わせている。
【0020】払拭動作を継続させる場合には、復路動作
にてクランクアーム9aをE点にて停止させ、そこを下
反転位置Yとする。そして、クランクアーム9aはE点
から再び往路方向(正転方向)に駆動され、下反転位置
Yから往路動作が開始される。これらの反転動作は、モ
ータ3aを電気的に逆転制御することによって行われ
る。また、ワイパスイッチがOFFされ払拭動作を停止
させる場合には、復路においてクランクアーム9aをE
点で停止させずA点まで駆動する。これにより、ワイパ
アーム6aおよびブレード2aは格納位置Zまで駆動さ
れ停止状態となる。
【0021】このようなリンク機構により駆動されるブ
レード2aは、図3に示すように、その角速度はA点か
らC点まで略正弦曲線を描いて変化する。なお、図中1
80度以降の点線は、クランクアーム9aを逆転させず
に1回転させた場合の角速度変化を示している。図3か
らわかるように、ブレード2aの角速度は、B点を過ぎ
た後徐々に低下し、リンク上の死点に当たるC点に至り
ゼロとなる。すなわち、ブレード2aは上反転位置Xに
向かって制動がかかり、上反転位置Xではリンクが伸び
きり停止状態となった後モータ3aが逆転され、復路の
払拭動作が行われる。従って、上反転位置Xでは、機械
的な停止作用が働き反転動作が行われることになる。
【0022】これに対し下反転位置Yでは、図3からわ
かるように、対応するE点においては角速度はゼロには
なっていない。当該ワイパ装置1では、このE点にてモ
ータ3aを電気的に反転させて往路払拭動作へと切り換
えており、クランクアーム9aはE点にて急激な制動を
受ける。従って、ブレード2aやワイパアーム6a、ク
ランクアーム9a等の慣性が作用し、ブレード2aをス
ムーズに反転させることが上反転位置Xよりも難しくな
るが、本実施の形態では、モータ3aはそれを緩和する
ように逆転制御される。
【0023】モータ3a,3bは、それぞれ別個に設け
られた駆動回路によって駆動される。この駆動回路はワ
イパ駆動制御装置10内に格納されており、CPU11
により制御される。ワイパ駆動制御装置10は、CPU
11を中心として、図示しないI/Oインターフェース
や、タイマ、ROM、RAM等がバスラインを介して互
いに接続されたマイクロコンピュータと、その周辺回路
とから構成される。そして、各モータユニット12a,
12bからの信号を処理し、各モータ3a,3bに対し
モータ駆動出力信号を送出してその動作を制御する。
【0024】図4は、モータユニット12aの構成を示
す説明図である。なお、モータユニット12aはDR側
の装置であるが、その内部の部材、部品等の符号には添
字「a」を付さずに示す。また、モータユニット12b
も図4と同様の構成となっていることは言うまでもな
い。
【0025】モータユニット12aは、モータ3aとギ
アボックス13とから構成され、モータ3aのモータ軸
14の回転がギアボックス13内にて減速され、出力軸
15に出力される。モータ軸14は、有底筒状のヨーク
16に回動自在に軸承され、コイルが巻装されたアーマ
チュアコア17およびコンミテータ18が取り付けられ
ている。ヨーク16の内面には複数の永久磁石19が固
定されている。また、コンミテータ18には、給電用の
ブラシ20が摺接している。
【0026】ヨーク16の開口側端縁部には、ギアボッ
クス13のケースフレーム21が取り付けられている。
モータ軸14の先端部は、ヨーク16から突出してケー
スフレーム21内に収納される。モータ軸14の先端部
には、ウォーム22が形成されており、このウォーム2
2には、ケースフレーム21に回動自在に支持されたウ
ォーム歯車23が噛合している。このウォーム歯車23
には、その同軸上に小径の第1ギア24が一体的に設け
られている。第1ギア24には、大径の第2ギア25が
噛合されている。第2ギア25には、ケースフレーム2
1に回動自在に軸承される出力軸15が一体に取り付け
られている。なお、図示されないが、モータ軸14には
前記ウォーム22に隣接してそのねじ方向とは逆向きの
もう1つのウォームが形成されており、ウォーム歯車2
3、第1ギア24と同様の減速部材により第2ギア25
に動力伝達されるようになっている。
【0027】モータ3aの駆動力は、ウォーム22、ウ
ォーム歯車23、第1ギア24、第2ギア25を経て減
速された状態で出力軸15に出力される。出力軸15に
は、クランクアーム9aが取り付けられている。そし
て、モータ3aの回転により出力軸15を介してクラン
クアーム9aが駆動され、前述のようにワイパアーム6
aが作動する。
【0028】また、モータ軸14には、多極着磁マグネ
ット26(以下、マグネット26と略記する)が取り付
けられている。これに対しケースフレーム21内には、
マグネット26の外周部と対向するように相対位置検出
用ホールIC27(以下、ホールIC27と略記する)
が設けられている。図5は、マグネット26とホールI
C27の関係およびホールIC27の出力信号(モータ
パルス)を示す説明図である。
【0029】ホールIC27は、図5に示すように、モ
ータ軸14の中心に対して90度の角度差を持った位置
に2個(27A,27B)設けられている。当該モータ
3aでは、マグネット26は6極に着磁されており、モ
ータ軸14が1回転すると各ホールIC27からは6周
期分のパルス出力が得られるようになっている。また、
ホールIC27A,27Bからは、図5の右側に示すよ
うに、その位相が1/4周期ずれたパルス信号が出力さ
れる。従って、ホールIC27A,27Bからのパルス
の出現タイミングを検出することにより、モータ軸14
の回転方向が判別でき、これによりワイパ動作の往路/
復路の判別を行うことができる。
【0030】さらに、ホールIC27A,27Bの何れ
か一方のパルス出力の周期からモータ軸14の回転速度
を検出することができる。モータ軸14の回転数とブレ
ード2aの速度との間には、減速比およびリンク動作比
に基づく相関関係が存在しており、モータパルス周期か
らブレード2aの速度を知ることができる。当該ワイパ
装置1では、ブレード2a,2bの位置角度(パルス
数)ごとの目標速度を示す速度マップとして、モータパ
ルスの周期マップがROMに格納されており、これに基
づきブレード速度制御が行われる。
【0031】一方、第2ギア25の底面には、絶対位置
検出用マグネット28(以下、マグネット28と略記す
る)が取り付けられている。また、ケースフレーム21
にはプリント基板29が取り付けられ、その上には、絶
対位置検出用マグネット28と対向するように絶対位置
検出用ホールIC30(以下、ホールIC30と略記す
る)が配設されている。マグネット28は、第2ギア2
5の底面上に3個設けられており、ブレード2aが上反
転位置X、下反転位置Y、格納位置Zの各位置に来たと
き、ホールIC30と対向するようになっている。第2
ギア25は、前述のようにクランクアーム9aが取り付
けられ、ブレード2aを往復動させるため180度回転
する。そして、第2ギア25が回転し、ブレード2aが
各位置に来るとホールIC30とマグネット28が対向
し、パルス信号が出力される。
【0032】そして、ホールIC27,30からのパル
ス出力は、ワイパ駆動制御装置10に送られ、CPU1
1はホールIC30からのパルス出力を絶対位置信号と
して用いてブレード2aの位置を認識する。また、ホー
ルIC27からのパルス信号は、ブレード2aの相対位
置信号として用いられ、絶対位置信号が得られた後のパ
ルス数をカウントすることにより、CPU11はブレー
ド2aの現在位置を認識する。
【0033】すなわち、モータ軸14の回転数と出力軸
15の回転数は、減速比に基づく一定関係にあることか
ら、ホールIC27からのパルス数によって出力軸15
の回転角度を算出することができる。一方、出力軸15
の回転角度とブレード2aの移動角度は、図2に示した
リンク機構に基づき一定の相関関係を有している。従っ
て、ホールIC27からのパルス数を積算することでブ
レード2aの移動角度を知ることができる。そこで、ワ
イパ駆動制御装置10は、ホールIC30からの各位置
を示す絶対位置信号と、ホールIC27からのパルス数
の組み合わせによって、ブレード2aの現在位置を検出
する。
【0034】このようにしてワイパ駆動制御装置10は
ブレード2a,2bの現在位置を認識すると共に、その
データに基づいてモータ3a,3bを制御する。この場
合、CPU11では、相対位置信号のパルス累積数をそ
のまま位置角度として取り扱い、パルス数に基づいて以
下の処理を行っている。但し、パルス数とブレード2
a,2bの位置角度θa,θb(deg)との関係を予めマ
ップ等によってROMに格納しておき、角度(deg)に
よって以下の処理を行っても良い。
【0035】CPU11では、まず第1に、ブレード2
a,2bの現在の位置角度(パルス積算数)から、DR
側,AS側のそれぞれの立場で見た両ブレード2a,2b
間の実際の角度差を算出する。この場合、DR側,AS
側のそれぞれの立場で見た実測角度差とは、例えばDR
側では、DR側ブレード2aの位置角度を基準としてA
S側ブレード2bの位置角度との差を求めることによっ
て得られる角度差(パルス数差)の絶対値である。つま
り、例えばDR側が「10」パルスの位置角度にあると
きAS側が「4」パルスの位置角度である場合、DR側
の位置角度からAS側の位置角度を減じて「6」(10
−4)となる。一方、これをAS側から見ると、AS側
ブレード2bの位置角度を基準として、AS側の位置角
度からDR側の位置角度を減じて「6」(4−10=−
6の絶対値)となる。
【0036】次に、CPU11は、現在の位置角度にお
ける両ブレード2a,2b間の位置角度差の目標値であ
る目標角度差と先に求めた実測角度差とを比較して、現
時点における実測角度差と目標角度差との差を示す角度
差情報を算出する。ここで、比較対象となる目標角度差
は、ROMに予め格納されたDR側目標角度差マップ3
1aとAS側目標角度差マップ31bからそれぞれ読み
出される。図6にこれらの構成を示す。図6(a)はD
R側の位置角度を基準とした目標角度差を示すDR側目
標角度差マップ31aであり、図6(b)はAS側の位
置角度を基準とした目標角度差を示すAS側目標角度差
マップ31bである。
【0037】図6(a)のDR側目標角度差マップ31
aを見ると、例えばDR側の位置角度が「10」パルス
であるときAS側の位置角度目標は「4」パルスであ
り、両者の間の目標角度差は「6」であることがわか
る。従って、例えば「DR=10,AS=7」で実測角
度差「3」との位置情報が得られている場合は、目標角
度差に対して「3」(6−3)というDR側角度差情報
を算出する。これは、先行するDR側から見てAS側が
目標位置角度よりも「3」パルス分進んでいる(近付い
ている)状態を表している。
【0038】これに対し図6(b)のAS側目標角度差
マップ31bでは、前記の例の場合(「DR=10,A
S=7」)、AS側の位置角度が「7」パルスのときD
R側の位置角度目標は「32」パルスであり、両者の間
の目標角度差は「25」となる。これに対して、先の例
では実測角度差は「3」(7−10)であり、目標角度
差に対して「22」(25−3))というAS側角度差
情報を算出する。これは、追従するAS側から見てDR
側が目標位置角度よりも「22」パルス分遅れている
(近付いている)状態を表している。
【0039】また、当該ワイパ装置1では、上反転位置
Xを境に先行側と追従側が逆転する。すなわち、復路に
おいてはAS側がDR側に先行することになる。モータ
3a,3bでは、下反転位置の絶対位置信号出力後に相
対位置信号のパルス累積数が「160」となったとき上
反転位置Xとなるように設定されている。そして、復路
では相対位置信号入力ごとにパルス数を「160」から
減算して位置角度を算出する。各目標角度差マップ31
a,31bでは、目標角度差が絶対値で示されており、
先行と追従の違いはあるが、復路においても当該マップ
にてブレード2a,2bの位置制御ができるようになっ
ている。なお、図6のマップはあくまでも一例であり、
マップ形態やその中の数値が図6のものに限定されない
ことは言うまでもない。
【0040】このように、ワイパ駆動制御装置10で
は、DR側とAS側のそれぞれに相手方との対応を有す
るマップを個々に持たせ、移動速度の異なるブレード2
a,2bを自らの位置角度のみならず他方の位置角度を
も勘案して制御する。そして、何れか一方の側にモータ
3aまたは3bからのパルスが入力されると両モータ3
a,3bの制御が開始される。
【0041】一方、CPU11ではさらに、得られた角
度差情報に基づいて各モータ3a,3bの出力を算出、
決定する。ここでは、先の角度差情報により、目標角度
差と実測角度差との間の差が小さくなるような各モータ
3a,3bの出力をそれぞれ算出し、それをモータ駆動
出力としてモータユニット12a,12bに送出する。
【0042】すなわち、CPU11では、先の例によれ
ば、DR側角度差情報として「3」という値を取得し、
これに基づいて以後のDR側モータ3aの出力を算出す
る。この場合、取得した角度差情報からAS側が目標値
よりも「3」パルス分近付いていることが認識され、こ
の認識に従い、位置角度差を広げて目標値に近付けるべ
くDR側について現在よりも高い出力(回転数)が算出
される。そして、この出力を実現するようにDR側のモ
ータユニット12aに制御信号が送出される。
【0043】また、AS側については、先の例によれ
ば、AS側角度差情報として「22」という値を取得
し、これに基づいて以後のAS側モータ3bの出力を算
出する。この場合、取得した角度差情報からDR側が目
標値よりも「22」パルス分近付いていることが認識さ
れ、この認識に従い、位置角度差を広げて目標値に近付
けるべくAS側について現在よりも低い出力(回転数)
が算出される。そして、この出力を実現するようにAS
側のモータユニット12bに制御信号が送出される。
【0044】なお、図6によれば、DR側とAS側は4
パルス目までは同時に駆動され、その後、5パルス目以
降ではDR側はそのまま駆動されるが、AS側はDR側
が32パルスとなるまで4パルスの状態で待機する。つ
まり、DR側を32パルスの位置角度まで先行させ、ブ
レード2a,2b間に32パルス分(約32度)の距離
を持たせる。従って、前述の例(「DR=10,AS=
7」)では、DR側に対してAS側が進みすぎているこ
とになり、AS側はパルス7の位置角度にて停止し、D
R側の進行を待つことになる。
【0045】次に、DR側が32パルスの位置角度に至
ると、AS側は27パルスの位置角度まで駆動される。
つまり、DR側が5〜31パルスの間停止状態にあった
AS側は、DR側が32パルスとなるとき再始動し、一
気に27パルスの位置角度まで移動し両者の間の位置角
度差は「5」とされる。その後、DR側が37パルスま
ではAS側は27パルスの位置にとどまり、DR側が3
8パルスとなると1パルス分進行して28パルスの位置
に移動する。
【0046】さらに、図6(b)からわかるように、D
R側が44パルスの位置に至るとAS側は1パルス進ん
で29パルスの位置へ移動し、DR側が50パルスとな
ると30パルスの位置に移動する。つまり、DR側のパ
ルスが「39→43」あるいは「45→49」と積算さ
れる間、AS側はそれぞれ「28」、「29」パルスの
位置で保持される。
【0047】このように、ワイパ駆動制御装置10は、
ブレード2a,2b間の実測角度差が目標角度差に近付
くように各モータ3a,3bを独自に制御する。すなわ
ち、両ブレード2a,2bの位置角度差が目標よりも小
さくなったとき(近付いたとき)は、前述の例のように
先行側の出力を上げ、追従側の出力を下げて目標位置角
度との差を縮めるようにする。また、位置角度差が目標
よりも大きくなったとき(離れたとき)は、先行側の出
力を下げ、追従側の出力を上げ目標位置角度との差を縮
める。このため、外力負荷変動等によりブレード2a,
2bの位置角度差に変動が生じても、その変動に対して
逐次両方のモータ3a,3bの出力を可変できるため目
標角度差マップに示された目標位置角度差に速やかに収
束される。従って、ブレード2a,2bの位置角度差の
バラツキを抑えることが可能となる。
【0048】また、ワイパ駆動制御装置10では、目標
角度差による制御に加えてブレード2a,2bのフィー
ドバック速度制御も行っている。この速度制御は、ホー
ルIC27A,27Bの何れか一方のパルス出力の周期
を用い、予め定めた速度目標値に基づいてモータ3a,
3bをPWM(Pulse Width Modulation)制御すること
により行われる。本実施の形態では、ホールIC27A
からのパルス信号によりブレード2aの速度を検出し、
前述のようにこれを周期マップと比較することにより、
ブレード2a,2bが位置角度に応じた目標速度となる
ように制御している。
【0049】なお、当該ワイパ装置1では、このブレー
ド速度制御ならびに前述の位置角度角度制御について、
いわゆるPID制御を採用している。このPID制御で
は、モータパルス周期と目標周期の差に対して、P項
(比例項)、I項(積分項)、D項(微分項)を設け、
それぞれに所定のゲイン係数を乗じてモータのdutyを設
定している。これにより、周期差に基づく比例制御単独
の場合に比して、目標値近傍における残留偏差を減じる
と共に(I項)、周期変化の傾向から追従応答性を判断
して制御を行うので(D項)、制御性の向上を図ること
ができる。このため、例えば、風圧や積雪等によりブレ
ード速度が変化した場合でも、目標速度を維持すべくモ
ータ3a,3bに適宜指令が発せられ、ブレード速度は
負荷変動によらず略一定に保たれる。
【0050】そして、先行側のブレードをPID速度制
御すると共に、追従側のブレードに対して、PID速度
制御に加えて、前述の目標角度差マップ31a,31b
に基づいてPID角度差制御を行うことで、より精度の
高い動作制御が可能となる。すなわち、PID制御によ
るブレード速度の安定化に伴い、より正確な角度差制御
を行うことができると共に、角度制御自身もPID制御
による高精度の制御形態が実現される。
【0051】ところで、前述のように、払拭動作中にワ
イパ制御装置10への電源供給が突然断たれると、ブレ
ードが払拭途中で停止すると共に、ブレード位置に関す
る位置情報も消失する場合がある。この場合、IGスイ
ッチが切られてもワイパ制御装置10には電源供給を持
続させたり、RAM内の位置情報を不揮発性として維持
するなどの対応も考えられるが、何れもバッテリの消耗
やコスト等の面で好ましくない。そこで、本発明におい
ては、再起動時には、絶対位置信号を用いて一旦ブレー
ド位置を確認し、起動時にブレードが下反転位置にいな
い場合には、下反転位置への収束動作を行わせてブレー
ド同士の衝突等のトラブルを回避するようにしている。
【0052】図7,8は、本発明を適用した対向払拭型
ワイパ装置における再起動時のワイパ動作を示す説明図
であり、図7は通常作動状態からの復帰動作を示し、図
8はブレードの上下関係が入れ替わった状態からの復帰
状態を示している。ここではまず通常作動状態からの復
帰動作について説明する。
【0053】そこで、払拭動作中にIGスイッチが切ら
れ、図7(a)のようにブレード2a,2bが払拭面中
央部にて停止したとする。この状態(ワイパスイッチは
ON)でIGスイッチを再投入すると、従来の制御方式
ではブレード位置を消失して、ブレード2a,2の制御
が無秩序に行われるおそれがある。これに対し本発明の
制御方法では、ワイパ制御装置10はまず、電源再投入
に際し絶対位置信号が入力されているか否かを判定し、
両ブレードの現在状態を確認する。すなわち、何れかの
ブレードの絶対位置信号が入力されていない場合には、
そのブレードが払拭途上にて停止していることを意味し
ており、ワイパ制御装置10は初めにそれをチェックす
る。そして、絶対位置信号が入っていない場合には、と
もかく両ブレードを一旦下反転位置に戻して位置角度デ
ータのリセットを行う。
【0054】つまり、図7(b)に示すように、正常作
動時に下側に位置しているAS側ブレード2bを、DR
側ブレード2aに先行させて下反転位置に向けて移動さ
せる。ブレード2bが下反転位置まで移動すると、ワイ
パ制御装置10にはモータ3b側のホールIC30から
絶対位置信号が入力される。ワイパ制御装置10はこれ
を確認した後、上側に位置する他方側のブレード2a
(DR側)を下反転位置に移動させる(図7(c))。
なお、ブレード2bが当初から下反転位置におり、AS
側の絶対位置信号が得られていた場合には、図7(b)
の動作は省略される。
【0055】ブレード2aが下反転位置に到達すると、
モータ3a側のホールIC30からの絶対位置信号が得
られる。両ブレード2a,2bに係る絶対位置信号が得
られ、それらが下反転位置に戻っていることが確認され
ると、ワイパ制御装置10は位置情報をリセットする。
これにより、ワイパ制御装置10は、両ブレード2a,
2bの位置を再び正確に把握することができ、その後は
位置角度に基づき前述の動作制御が実行され、通常の往
路払拭動作が行われる。
【0056】一方、ブレード位置が入れ替わってしま
い、図8(a)のようになった場合には、ブレード2b
を先行作動させるとブレード2aに衝突する。従来の制
御方式では、この場合も依然としてブレード2bを駆動
し続け、駆動系に無理な負担がかかるおそれがある。そ
こで、本発明の制御方法では、ホールIC27からの相
対位置信号を用いてブレード2bの動作をモニタし、ブ
レード同士が衝突した場合には、ブレード2bを一旦待
避させて事態の収束を図っている。
【0057】すなわち、この場合も一旦はブレード2b
をブレード2aに先行させて下反転位置に向けて移動さ
せるが(図8(b))、移動中にホールIC27からの
相対位置信号が停止したときには、ブレード2aの移動
をそこで中止する。つまり、ワイパ制御装置10は、装
置位置信号が入力されなくなったときには、ブレード同
士が干渉してモータが停止状態となったと判断して、そ
れ以上の無理な動作を回避する(図8(c))。
【0058】このように動作を中止したブレード2bは
その後、図8(d)に示すように、当初の駆動開始位置
まで戻される。そして、ブレード2bが駆動開始位置ま
で戻されると、次に、ブレード2aが下反転位置に向け
て駆動される(図8(e))。ブレード2aが下反転位
置に移動すると、ワイパ制御装置10にはモータ3a側
のホールIC30から絶対位置信号が入力される。ワイ
パ制御装置10はこれを確認した後、ブレード2aの位
置情報をリセットし、さらに数パルス分駆動してブレー
ド2bが下反転位置に来たときにブレード同士が衝突し
ない位置まで格納位置側に引き下げる。
【0059】ブレード2aが下反転位置より下位にて停
止した後、駆動開始位置に戻されたブレード2bを下反
転位置に向けて再び駆動させる(図8(f))。ブレー
ド2bが下反転位置に到達すると、モータ3b側のホー
ルIC30からの絶対位置信号が得られる。ブレード2
bに係る絶対位置信号が得られ、ブレード2bが下反転
位置に戻っていることが確認されると、ワイパ制御装置
10はブレード2bの位置情報をリセットする(図8
(g))。これにより、ワイパ制御装置10は、両ブレ
ード2a,2bの位置を再び正確に把握することができ
る。
【0060】このようにして下反転位置にブレード2
a,2bが戻されるが、この場合、ブレードの上下関係
は通常の場合と逆になっている。ワイパ制御装置10
は、両ブレード2a,2bの位置角度を既に把握してい
るため、ここではワイパ制御装置10は、ブレード入れ
替わり状態を認識してブレードの動作制御を行う。すな
わち、次の往路動作においては、前述のマップ31a,
31bにおけるDR側とAS側を取り替えて、両ブレー
ド2a,2bが衝突しないように、入れ替わり状態を保
ちつつ上反転位置まで動作させる(図8(h))。そし
て、その後は位置角度に基づき前述の動作制御が実行さ
れ、通常の復路払拭動作が行われる(図8(i)〜
(k))。
【0061】なお、ワイパスイッチがOFFされブレー
ド2a,2bが格納位置Zに戻った後に電源が切られた
場合、前回の信号を保持していない限り、次回電源投入
時には、ワイパ制御装置10に下反転位置を示す絶対位
置信号は残っておらず、また、入力もされない。このた
め、前述の制御方法では、一見すると通常始動時にも図
7,8の制御が行われてようにも思われる。しかしなが
ら、当該ワイパ装置1では、格納位置Zにおいても絶対
位置信号が出力されるように、第2ギア25の底面に
は、格納位置検出用のマグネット(図示せず)が取り付
けられている。従って、通常動作時においては、ワイパ
制御装置10には、電源投入時に格納位置信号が入力さ
れる。これにより、IGスイッチON時においても前述
のようなブレード制御を行うことなく格納位置にて待機
し、ワイパスイッチONに伴い通常制御が行われる。
【0062】また、払拭動作中に電源が切られ、その後
ワイパスイッチもOFFされた場合には、IGスイッチ
ON時には、ワイパスイッチOFF状態にて、ブレード
が払拭途中で止まったままとなる。そして、その状態か
らワイパスイッチをONにしてブレードを格納しようと
したとき、図7,8のような動作制御が行われる。
【0063】このように、本発明のワイパ装置制御方法
では、払拭動作中にワイパ制御装置10への電源供給が
断たれブレード位置情報が消失しても、再起動時にブレ
ード同士の衝突などを起こすことなく、再び正確な位置
情報を取得して通常の制御形態に復帰できる。また、ブ
レード位置が入れ替わった場合であっても、無理な動作
を行うことなく、再び通常の制御形態に復帰できる。こ
のため、モータや駆動機構への負担を軽減でき、システ
ム故障を未然に防止できる。
【0064】本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
あることはいうまでもない。例えば、図8の制御形態の
場合、ブレード2aを下反転位置より下位に引き下げて
停止させているが、下反転位置の下にこのようなスペー
スがない場合には、ブレード2aを下反転位置にて停止
した後、ブレード2bを下反転位置より手前にて停止さ
せても良い。図9は、その場合のブレード2a,2bの
停止位置を示す説明図であり、図8(g)に代えてこの
状態が実施される。この場合、ブレード2b側では絶対
位置信号は入力されないが、図9の位置に来たときにそ
の位置にて位置情報がリセットされる。
【0065】また、本実施の形態においては、絶対位置
検出用のマグネット28を3個用いているが、必要に応
じて増減させることもできる。例えば、第2ギア25の
下反転位置Yに対応する部分のみにマグネット28を設
けて、ここを基準として、上反転位置Xと格納位置Zを
パルスの向きと数とで検出するようにしても良い。
【0066】
【発明の効果】本発明のワイパ装置制御方法によれば、
ワイパ制御装置の電源投入時に絶対位置信号が未入力の
場合には、両ブレードに係る絶対値信号を取得するまで
両ブレードを片方ずつ駆動させるので、払拭動作中にワ
イパ制御装置への電源供給が断たれブレードの位置情報
を消失してしまっても、再起動時に再び正確な位置情報
を取得することができる。従って、ブレード同士の衝突
などを起こすことなく、ワイパ装置を通常の制御形態に
復帰できる。
【0067】また、前記制御形態において、先行駆動し
たブレードの絶対位置信号が入力される以前に相対位置
信号の入力が停止した場合には、先行駆動ブレードを駆
動開始時の位置まで戻す一方で他方のブレードを駆動さ
せ、他方のブレードの絶対位置信号入力後に、駆動開始
位置に戻されたブレードを再駆動させるので、払拭動作
中にワイパ制御装置への電源供給が断たれブレードの位
置情報を消失し、さらに、ブレード位置が入れ替わって
しまった場合であっても、無理な動作を行うことなく、
再起動時に再び正確な位置情報を取得することができ
る。
【0068】さらに、前記制御方法において、両ブレー
ドの絶対値信号を取得した後は、ブレード動作を通常の
形態に戻すことにより、入れ替わり状態を維持しつつブ
レードを支障なく駆動できると共に、絶対値信号取得後
は速やかに通常の制御形態に復帰させることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】対向払拭型ワイパ装置における駆動系ならびに
制御系の概略を示す説明図である。
【図2】図1のワイパ装置における駆動系のリンク機構
の構成を示す説明図である。
【図3】ワイパブレードの動作特性を示す説明図であ
る。
【図4】モータユニットの構成を示す説明図である。
【図5】マグネットとホールICの関係およびホールI
Cからの出力信号を示す説明図である。
【図6】(a)はDR側の位置角度を基準とした目標角
度差を示すDR側目標角度差マップであり、(b)はA
S側の位置角度を基準とした目標角度差を示すAS側目
標角度差マップである。
【図7】本発明を適用した対向払拭型ワイパ装置におけ
る再起動時のワイパ動作を示す説明図であり、通常作動
状態からの復帰動作を示している。
【図8】本発明を適用した対向払拭型ワイパ装置におけ
る再起動時のワイパ動作を示す説明図であり、ブレード
の上下関係が入れ替わった状態からの復帰状態を示して
いる。
【図9】図8の制御形態の変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ワイパ装置 2a DR側ワイパブレード 2b AS側ワイパーブレード 3a DR側モータ 3b AS側モータ 4a,4b 払拭領域 5a,5b ワイパ軸 6a,6b ワイパアーム 7a,7b 駆動レバー 8a,8b 連結ロッド 9a,9b クランクアーム 10 ワイパ駆動制御装置 11 CPU 12a,12b モータユニット 13 ギアボックス 14 モータ軸 15 出力軸 16 ヨーク 17 アーマチュアコア 18 コンミテータ 19 永久磁石 20 ブラシ 21 ケースフレーム 22 ウォーム 23 ウォーム歯車 24 第1ギア 25 第2ギア 26 多極着磁マグネット 27(27A,27B) 相対位置検出用ホールIC 28 絶対位置検出用マグネット 29 プリント基板 30 絶対位置検出用ホールIC 31a DR側目標角度差マップ 31b AS側目標角度差マップ 32a,32b 駆動系 X 上反転位置 Y 下反転位置 Z 格納位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古沢 透 群馬県桐生市広沢町1丁目2681番地 株式 会社ミツバ内 (72)発明者 岩崎 保 群馬県桐生市広沢町1丁目2681番地 株式 会社ミツバ内 Fターム(参考) 3D025 AA01 AC01 AC02 AD02 AE02 AG01 AG21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ別個のモータによって駆動され
    る左右のワイパブレードと、前記ワイパブレードが所定
    の位置に存在するとき出力される絶対位置信号と前記モ
    ータの回転に伴って出力される相対位置信号に基づいて
    前記ワイパブレードの動作を制御するワイパ制御装置と
    を有してなる対向払拭型ワイパ装置の制御方法であっ
    て、 前記ワイパ制御装置に電源が投入された際に前記ワイパ
    制御装置が前記絶対位置信号を取得していない場合に
    は、前記ワイパ制御装置が前記両ワイパブレードに係る
    前記絶対値信号を取得するまで、前記両ワイパブレード
    を片方ずつ駆動させることを特徴とする対向払拭型ワイ
    パ装置の制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の対向払拭型ワイパ装置の
    制御方法において、先行して駆動された前記ワイパブレ
    ードに係る前記絶対位置信号が前記ワイパ制御装置に入
    力される以前に前記相対位置信号の入力が停止した場合
    には、前記先行駆動されたワイパブレードを駆動開始時
    の位置まで戻すと共に他方側の前記ワイパブレードを駆
    動させ、前記他方側のワイパブレードに係る前記絶対位
    置信号が入力された場合には、前記駆動開始位置に戻さ
    れたワイパブレードを再び駆動させることを特徴とする
    対向払拭型ワイパ装置の制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の対向払拭型ワイ
    パ装置の制御方法において、前記両ワイパブレードに係
    る前記絶対値信号を取得した後は、前記ワイパブレード
    の動作を、上反転位置と下反転位置との間で対向的に往
    復払拭動作を行う通常の動作形態に変更することを特徴
    とする対向払拭型ワイパ装置の制御方法。
JP2001063204A 2001-03-07 2001-03-07 対向払拭型ワイパ装置の制御方法 Pending JP2002264773A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001063204A JP2002264773A (ja) 2001-03-07 2001-03-07 対向払拭型ワイパ装置の制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001063204A JP2002264773A (ja) 2001-03-07 2001-03-07 対向払拭型ワイパ装置の制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002264773A true JP2002264773A (ja) 2002-09-18

Family

ID=18922234

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001063204A Pending JP2002264773A (ja) 2001-03-07 2001-03-07 対向払拭型ワイパ装置の制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002264773A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004130876A (ja) * 2002-10-09 2004-04-30 Mitsuba Corp ワイパ装置の制御方法
WO2004054856A1 (ja) * 2002-12-13 2004-07-01 Mitsuba Corporation ワイパ装置制御方法及びワイパ装置並びに減速機構付きモータ
WO2005097569A1 (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Mitsuba Corporation ワイパ装置制御方法
WO2007052503A1 (ja) * 2005-10-31 2007-05-10 Mitsuba Corporation ワイパ制御方法及びワイパ制御システム
JP2008174177A (ja) * 2007-01-22 2008-07-31 Mitsuba Corp ワイパ装置
JP2009119979A (ja) * 2007-11-13 2009-06-04 Mitsuba Corp ワイパ装置制御方法及びワイパ制御装置
JP2011218998A (ja) * 2010-04-12 2011-11-04 Mitsuba Corp ワイパ制御装置及びワイパ装置制御方法
JP2013199244A (ja) * 2012-03-26 2013-10-03 Asmo Co Ltd ワイパ装置

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004130876A (ja) * 2002-10-09 2004-04-30 Mitsuba Corp ワイパ装置の制御方法
US7586275B2 (en) 2002-12-13 2009-09-08 Mitsuba Corporation Wiper device control method, wiper device and motor with speed reduction mechanism
WO2004054856A1 (ja) * 2002-12-13 2004-07-01 Mitsuba Corporation ワイパ装置制御方法及びワイパ装置並びに減速機構付きモータ
EP1577182A1 (en) * 2002-12-13 2005-09-21 Mitsuba Corporation Wiper device control method, wiper device, and motor with speed reuction mechanism
EP1577182A4 (en) * 2002-12-13 2010-03-10 Mitsuba Corp CONTROL METHOD FOR WINDOW WIPER, WINDSCREEN AND MOTOR WITH SPEED REDUCTION MECHANISM
EP1738981A1 (en) * 2004-03-31 2007-01-03 Mitsuba Corporation Wiper control method
JPWO2005097569A1 (ja) * 2004-03-31 2008-02-28 株式会社ミツバ ワイパ装置制御方法
EP1738981A4 (en) * 2004-03-31 2009-09-09 Mitsuba Corp METHOD FOR CONTROLLING WIPER
WO2005097569A1 (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Mitsuba Corporation ワイパ装置制御方法
EP1944209A1 (en) * 2005-10-31 2008-07-16 Mitsuba Corporation Wiper control method and wiper control system
WO2007052503A1 (ja) * 2005-10-31 2007-05-10 Mitsuba Corporation ワイパ制御方法及びワイパ制御システム
EP1944209A4 (en) * 2005-10-31 2010-03-31 Mitsuba Corp ICE WIPER CONTROL METHOD AND ICE WIPER CONTROL SYSTEM
US8005590B2 (en) * 2005-10-31 2011-08-23 Mitsuba Corporation Wiper control method and wiper control system
JP2008174177A (ja) * 2007-01-22 2008-07-31 Mitsuba Corp ワイパ装置
JP2009119979A (ja) * 2007-11-13 2009-06-04 Mitsuba Corp ワイパ装置制御方法及びワイパ制御装置
JP4568319B2 (ja) * 2007-11-13 2010-10-27 株式会社ミツバ ワイパ装置制御方法及びワイパ制御装置
JP2011218998A (ja) * 2010-04-12 2011-11-04 Mitsuba Corp ワイパ制御装置及びワイパ装置制御方法
JP2013199244A (ja) * 2012-03-26 2013-10-03 Asmo Co Ltd ワイパ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5129477B2 (ja) ワイパモータ
WO2004054856A1 (ja) ワイパ装置制御方法及びワイパ装置並びに減速機構付きモータ
JPWO2007052503A1 (ja) ワイパ制御方法及びワイパ制御システム
JP2013001237A (ja) ワイパ制御装置及びワイパ制御方法
JP2002264773A (ja) 対向払拭型ワイパ装置の制御方法
JP2012245867A (ja) モータ制御装置及びモータ制御方法
JP2003160025A (ja) ワイパ装置の制御方法
JP2002264776A (ja) ワイパ装置の制御方法
JP2002274329A (ja) 対向払拭型ワイパ装置の制御方法
JP2002264777A (ja) 対向払拭型ワイパ装置の制御方法
JP2002274331A (ja) 対向払拭型ワイパ装置の制御方法
JP4410524B2 (ja) ワイパ装置制御方法
JP4094927B2 (ja) ワイパ装置の制御方法
JP2002264772A (ja) 対向払拭型ワイパ装置の制御方法
JP3933994B2 (ja) ワイパ装置の制御方法
JP2004189197A (ja) ワイパ装置の制御方法及びワイパ装置並びに減速機構付きモータ
JP2002264775A (ja) 対向払拭型ワイパ装置の制御方法
JP4094723B2 (ja) ワイパ装置
JP6192460B2 (ja) ワイパ制御方法及びワイパ制御装置
JP2002264774A (ja) 対向払拭型ワイパ装置の制御方法
JP4443456B2 (ja) モータ制御装置
JP3910295B2 (ja) 対向払拭型ワイパ装置の制御方法および制御装置
JP4047692B2 (ja) ワイパ装置の制御方法
JP2002264771A (ja) ワイパ装置の制御方法
JP4443455B2 (ja) モータ制御装置