JP2002260627A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
非水電解質二次電池Info
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Abstract
に曝された際における安全性に優れた非水電解質二次電
池を提供する。 【解決手段】 正極2と負極3がセパレータ4とともに
捲回された極板群が、ビフェニルなどの芳香族添加剤が
添加された非水電解質とともにケース5内に密封されて
なり、極板間のセパレータ4は、セパレータをMDに2
5kg/cm2の引っ張り荷重を与えた状態で大気中1
20℃の温度で15分間前処理した後のTD収縮率を1
2%から25%とする。
Description
境下での安全性の高い非水電解質二次電池であって、詳
しくは過充電時の安全性を向上させる添加剤及びセパレ
ータを用いた非水電解液二次電池に関する。
環境下で安全性を保つ方法としては、大きく分けて組み
込まれている安全装置を用いる方法と発電要素自体に耐
過充電特性を付与する方法がある。さらに後者の発電要
素自体に耐過充電特性を持たせる具体的な例として、セ
パレータの特性を改良する方法、電解液に耐過充電添加
剤を添加する方法等が提案されている。
る構成として、非水電解質二次電池のセパレータに特有
の機能であるセパレータのシャットダウン機能を利用し
た構成が広く用いられている。通常時、セパレータは正
極、負極間の短絡防止の役割を担っているが、多孔質ポ
リオレフィン等を用いたセパレータは、外部短絡による
過剰電流等により電池温度が著しく上昇した場合に多孔
質セパレータが軟化することによって、実質的に無孔質
となり電流を流させなくする、いわゆるシャットダウン
機能を有している。
上昇した場合には、セパレータが溶融して大きく穴が開
き、正極、負極間の短絡が生じる虞がある(以下、この
現象をメルトダウンと称す)。このメルトダウンが生じ
る温度が高いほど、電池の安全性は高いと言える。しか
し、シャットダウン機能を強化するために、熱溶融性を
高めるとメルトダウン温度が低くなり、安全性は逆に下
がるという相反する特性を有しており、これらを両立す
るセパレータが要望されている。
成では、過充電時の安全性を向上させる様々な方法が提
案されている。例えば、過充電時に添加剤が重合するこ
とにより電池の内部抵抗を高め、電池を過充電から保護
する方法、過充電時にガスを発生し、所定内圧で作動す
る内部電気切断装置を確実に作動させる方法、あるいは
過充電酷使時に導電性ポリマーを生成し、電池内部に短
絡を発生、放電する方法がある。
池には高容量化が強く要望されている。高容量化は、電
極の活物質の改良により高性能化している面もあるが、
起電反応に寄与しない部材の容積を減少させ、限られた
電池容器内に充填される実質的な活物質の量を多くする
ことで、高容量化がなされている。このため、正負極の
集電体やセパレータの厚みは薄くなる傾向にある。セパ
レータが薄くなると、短絡などに対する安全性は悪くな
る方向であるが、実質的な活物質の量が多くなるため、
安全性に対する要求は逆に大きくなる。
した電池が過充電状態に陥り、発熱により高温状態にな
った場合には、過充電状態を電気的に回避させる方法を
採用するよりも、過充電状態を解消する方法を採用する
のが効果的である。具体的には、前述した方法の中で、
セパレータのシャットダウンや添加剤の過充電時に添加
剤が重合することにより電池の内部抵抗を高くし、電池
を過充電から保護する方法、及び過充電時にガスを発生
し、所定内圧で作動する内部電気切断装置を確実に作動
させる方法は、電池に印可される電流を制限、或いは遮
断することで過充電状態が継続するのを回避している。
これに対して、電池内部に短絡を発生させ自動放電する
方法は電池内部で強制的に放電を行っており、電池内部
の発電要素を過充電状態から脱却させる点から過充電状
態を停止させる前述の方法に比べて好ましい。特に、角
型電池などで所定内圧で作動する内部電気切断装置が設
けられていない構成に過充電時にガス発生を生ずる添加
剤を添加した場合には、電池容器の内圧上昇を招いてし
まい、安全性の面で好ましくない。
充電保護において添加剤として芳香族添加剤を使用した
場合、同一の添加剤であっても添加剤の添加量、電解質
塩、非水溶媒及び他の構成要素との関係、さらにはこれ
らの劣化状態等といった種々の要因による影響を受け、
過充電保護の作用は異なってしまう。例えば、過充電時
に添加剤が重合することにより電池の内部抵抗を高く
し、電池を過充電から保護する方法(特許第30617
56号公報)、過充電時にガスを発生し、所定内圧で作
動する内部電気切断装置を作動させる方法(特許第30
61759号公報)、あるいは過充電酷使時に導電性ポ
リマーを生成し、強制的に放電させる方法(特開平10
−321258号公報)が提案されている。したがっ
て、芳香族添加剤を添加することにより、過充電時に導
電性ポリマーが生じ、内部短絡で安全性を確保する作用
に優先して、ガス発生もしくは電池の内部抵抗を高める
作用が生じる虞があり、導電性ポリマーによる強制的な
放電による過充電保護が確実に生ずるという信頼性の面
で問題を有している。
保護の面では、セパレータの機械的な延伸方向の収縮率
を小さくした積層多孔フィルムを用いる方法(特開平1
1−123799号公報)、高分子量ポリオレフィンを
用い、105℃での熱処理後における面積収縮率が30
%以下にあるセパレータを用いる方法(特開平12−2
39426号公報)が提案されている。これらの方法で
は、機械延伸された幅手方向の収縮率に関しては何ら触
れられておらず、過充電に伴う高温環境下に電池が曝さ
れた場合、セパレータが前記幅手方向に大きく収縮し、
極板の端辺が露出する虞があり、収縮率が過剰な場合に
は短絡の発生につながってしまう。そこで上述した延伸
による開孔法に代えて相分離開孔法により作成されたセ
パレータでは、シャットダウン機能が生ずる温度以下に
おいて機械延伸された幅手方向の収縮率を25%以下と
したセパレータを用いる方法(特開平11−32298
9号公報)が提案されているが、セパレータ孔径が大き
いために膜厚が薄いセパレータでは常温での電池特性に
おいて電圧不良等が発生しやすい。
好適な添加剤とセパレータを組み合わせて使用すること
により、高温環境下での安全性に優れた高容量非水電解
質二次電池を提供することを目的とする。
に本発明の非水電解質二次電池は、非水電解質に芳香族
添加剤を含有してなり、更に過充電時にセパレータに曝
されると想定される高温及び応力を付加した直後におい
て、機械延伸された幅方向の収縮率が12%から25%
の範囲にあるセパレータを用いる、あるいは機械延伸さ
れた幅方向の収縮率が26%から40%の範囲にあり、
且つ極板群を構成した状態で前記幅手方向をセパレータ
に比べて耐熱性を有する絶縁部材にて保持することを特
徴とする。
極板露出による電池内部ショートを防止し、芳香族添加
剤と前述した特性パラメータを持つセパレータを組み合
わせており、過充電時には重合した導電性ポリマーによ
ってセパレータを貫通して内部短絡が起こり、過充電状
態を解消するものであり、高容量で且つ信頼性に優れた
非水電解質二次電池を提供することが可能になる。
質二次電池は、正極と負極と非水溶媒に電解質塩を溶解
した非水電解質とセパレータを備えた非水電解質二次電
池であって、非水電解質は芳香族添加剤を混合してな
り、前記セパレータとして機械延伸された長手方向(以
下、この方向をMDとする)に25kg/cm2の引っ
張り荷重を与えた状態において大気中120℃の温度で
15分間保持した直後における機械延伸された幅手方向
(以下、この方向をTDとする)における収縮率が12
%から25%にあるセパレータを用いることを特徴とす
る。
オン透過度を持ち、適度な機械的強度がある電子絶縁性
の微多孔性薄膜が用いられる。材質としては耐有機用材
性と疎水性の観点とシャットダウン機能を持つ点から、
ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂の単独またはこ
れらを積層したものや混合・複合したものなどの多孔質
ポリオレフィンを用いることが好ましい。
化合物からなる添加剤であり、好ましいものとしてビフ
ェニル、フラン、チオフェン及びこれらの誘導体があ
る。具体的には、ビフェニル、ピロール、N−メチルピ
ロール、チオフェン、フラン、インドール、3−クロロ
チオフェン、3−ブロモチオフェン、3−フルオロチオ
フェン、1,2ジメトキシべンゼンや1−メチル−3−
ピリジニウムテトラフルオロボーレートなどがある。こ
れらのうちでも、電池の最大動作充電電圧以上で、電池
が危険になる過充電電圧未満の電圧で重合する化合物が
適当であり、この重合電位と電池作動下での安定性の点
から、ビフェニル、フラン、インドール及び3−クロロ
チオフェンが、特に好ましい。
るが、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マン
ガンスピネルなどのリチウム含有複合酸化物を活物質と
し、導電剤と結着剤を混合した合剤が集電体に塗工され
て作製されている。
天然黒鉛や人造黒鉛などの炭素が使われるが、その他に
アルミニウムやアルミニウムを主体とする種々の合金
や、酸化スズなどを初めとする種々の金属酸化物、金属
窒化物など従来公知のものがあり、正極と同様に導電剤
と結着剤を混合した合剤が集電体に塗工されて作製され
ている。
水溶媒としてエチレンカーボネート(EC)やプロピレ
ンカーボネート(PC)等の環状カーボネート類やジメ
チルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート
(DEC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)な
どの鎖状カーボネート類の2種以上を混合したものが好
ましい。また、電解質塩はLiPF6やLiBF4など従
来公知のリチウム塩が使える。
おいて芳香族添加剤及びセパレータによって内部短絡を
生じせしめるものであり、この内部短絡のメカニズムは
以下の通りである。
になると、芳香族添加剤が正極の表面で重合・成長し、
抵抗値の高いポリマー層を形成する。さらに電圧が上昇
すると前記ポリマー層は導電性高分子となる。過充電状
態が継続すると、この導電性高分子はセパレータ細孔内
部で生長し、ついには、貫通して負極に達し、内部短絡
が起こる。この結果、本発明に係るセパレータ及び芳香
族添加剤を用いた電池では、過充電過程の比較的早い段
階から導電性高分子が形成され、正極と負極の充電深度
が必要以上に過度な状態に到達しないことから、過充電
時の危険性を抑制できる。
添加剤が添加されていないか、添加量が0.1重量%未
満の場合は、導電性高分子が十分成長しないうちに過充
電状態が深刻な状態にまで進行してしまう。また、芳香
族添加剤添加量が多い場合、例えば10重量%より大き
い場合は、過充電状態の抑制効果は、発揮できるが、通
常の電池特性、特に高温保存時の特性が劣化するため不
適合である。
レータのTD収縮率に関しても好適な値が存在すること
を見出した。従来、TD収縮率に関しては常温域におけ
るセパレータ特性について検討がなされてきた。しか
し、電池が過充電状態に陥った場合には電池自身の発熱
により各構成要素は高温環境下に曝されるために常温域
とは違った特性がセパレータに要求される。このような
背景のもと、本発明者らは、高温環境下に想定される熱
的及び物理的な付加した状態での評価が必要であるとの
知見を得、予め定められた条件に保持した直後において
以下の特性を有するセパレータが本発明の電池に好適で
あるとの結論に至った。
ついて説明する。電池の過充電状態における昇温機構は
複雑であり、極板群内のセパレータにかかる応力の状態
を正確にシミュレーションするのは困難である。特に、
セパレータは同じ高温環境温度でもその時のセパレータ
にかかる応力により熱収縮の状況が変化する点も考慮す
ることが肝要である。そこで、本発明者らは、再現性の
高い処理条件としてセパレータの状態として、セパレー
タをMDに25kg/cm2の引っ張り荷重を与えた状
態が好ましいことを見出した。通常、渦巻き状に捲回さ
れた極板群を作製する場合に、セパレータはある程度の
張力を加えられて巻き取られている。つまり、MDに引
っ張り荷重がかけられた状態で、捲回された極板群内に
配置されている。
る電池の到達温度及び過充電状態に陥ってから導電性高
分子によって過充電状態が解消するまでに要する時間を
考慮する必要があり、本実施の形態では大気中120℃
の温度で15分間保持するのが好適であるとの知見を得
た。ここで、15分という時間は、セパレータがその温
度でのTD収縮の変化が無くなる、つまり飽和に達する
のに十分な時間という意味であり、これ以上の時間でも
かまわないし、TD収縮が飽和に達していればこれ以下
の時間でも良いが、再現性の高い保持時間としては15
分が好適である。
セパレータをMDに25kg/cm 2の引っ張り荷重を
与えた状態において大気中120℃の温度で15分間保
持した直後(以下、この処理を熱処理とする)にTD収
縮率を測定する事が好ましく、TD収縮率が12%から
25%にあるものである。特に、芳香族添加剤が、ビフ
ェニル、フラン、インドール及び3−クロロチオフェン
からなる群から選択される場合は、前記TD収縮率が1
2%から20%であることが非常に優れた効果を示す。
場合はセパレータの製造上、突き刺し強度が弱くなり電
池の絶縁不良が多くなる。また前途熱処理後のTD収縮
率が25%を超えると過充電高温下で極板露出による内
部ショートが起こり短絡電流が多くなり危険な状況にな
る。したがって、熱処理後のTD収縮率が12%から2
5%であることが好ましい。
二次電池は、正極と負極と非水溶媒に電解質塩を溶解し
た非水電解質とセパレータを備えた非水電解質二次電池
であって、非水電解質は芳香族添加剤を混合してなり、
前記セパレータとしてMDに25kg/cm2の引っ張
り荷重を与えた状態において大気中120℃の温度で1
5分間保持した直後におけるTDと収縮率が12%から
25%にあるセパレータを用い、さらにこのセパレータ
を正極、負極の間に配した極板群において、セパレータ
のTDをセパレータに比べて高い耐熱強度を有する絶縁
部材にて保持されたことを特徴とする。
に曝された際に本願の第1の発明と同様に芳香族添加剤
とセパレータによる内部短絡が生じる。
第1の発明に係る電池に比べてTD収縮率が大きく設定
されており、セパレータのMDに25kg/cm2に引
っ張り荷重を与えた状態で大気中120℃の温度で15
分間熱処理した後のTD収縮率26%から40%であ
る。このため、電池が過充電状態に陥った際にセパレー
タの収縮度合いが第1の発明に係る電池に比べて大きく
なる。しかしながら、セパレータを介して積層または捲
回されてなる極板群のセパレータのTDをセパレータよ
り耐熱強度の高い絶縁性膜で固定していることから、過
充電時の高温下でセパレータの収縮による極板露出、及
びこれに起因する電池内部ショートの発生を確実に防止
できる。このように第2の発明に係る芳香族添加剤とセ
パレータを組み合わせることにより、過充電時には、重
合した導電性ポリマーによってセパレータを貫通して内
部短絡が起こり過充電状態を解消する。そのため高容量
で信頼性に優れた非水電解質二次電池を提供することが
可能になる。芳香族添加剤はビフェニル、フラン、イン
ドール及び3−クロロチオフェンからなる群から選択さ
れるものである場合、熱処理後のTD収縮率が28%か
ら35%であることが、特に優れた効果を示す。
は極板群のセパレータのTDを固定する必要はなく、熱
処理後TD収縮率が40%超えると過充電高温下でセパ
レータが破損し局所的に内部短絡が起こり、短絡電流が
多くなり危険な状況になる。したがって、熱処理後TD
収縮率が26%から40%であることが好ましい。
は、21μm以上では電池の高容量化や高率放電などの
電池特性の点で不利になるだけでなく、内部短絡が起こ
りにくくなるため20μm以下が好ましい。また、厚み
が7μm以下になると過充電時の高温環境下で内部短絡
が確実に発生しても、薄さのため電池が危険な状況にな
る。したがって、セパレータの厚さが8から20μmで
あることが好ましい。
て説明する。
べる各種の特性を持つセパレータを製造した。
ータとしてポリエチレン(PE)膜であるものを作製し
た。
た。高密度ポリエチレン(平均分子量32万)40重量
部と流動パラフィン60重部とを二軸押出機内で溶融混
練した。コートハンガーダイから冷却ロール上に押出キ
ャストすることにより高分子ゲルシートを作製した。厚
みはこの時点で、1.8mmであった。この高分子ゲル
シートを同時二軸延伸機を用いて122℃で7×7倍に
抽出前延伸をした。その後、塩化メチレン中に浸漬して
流動パラフィンを抽出除去した。さらに、テンターを用
いて、125℃でTDに2倍に延伸した後、TDの延伸
を17%緩和させつつ熱処理した。以上述べた工程で、
厚さ16%のPE膜を作製し、セパレータAとした。
に50mmの長方形に切り取り、大気中120℃の温度
にセットされた恒温層内に、MDに200gの錘で、2
5kg/cm2の引っ張り荷重を与えた状態でセット
し、15分間保持した。(以下、MD熱処理という。)
MD熱処理した後は、23℃に調温された実験室内で
TD寸法を測定し、収縮率を算出した。収縮率は14%
であった。
長さ−熱処理後のTD長さ)/熱処理前のTD長さ}×
100 次に、セパレータAと同じ厚さで、違う全細孔容積を持
つセパレータBを製造した。
40重量部と流動パラフィン60重部とを二軸押出機内
で溶融混練した。コートハンガーダイから冷却ロール上
に押出キャストすることにより高分子ゲルシートを作製
した。厚みはこの時点で、1.8mmであった。この高
分子ゲルシートを同時二軸延伸機を用いて130℃で7
×4倍に抽出前延伸をした。その後、塩化メチレン中に
浸漬して流動パラフィンを抽出除去した。さらに、テン
ターを用いて、130℃でTDに3倍に延伸した後、T
Dの延伸を17%緩和させつつ熱処理した。以上述べた
工程で、厚さ16%のPE膜を作製し、セパレータBと
した。
に50mmの長方形に切り取り、MD熱処理した。MD
熱処理した後、23℃に調温された実験室内でTD寸法
を測定し収縮率を算出した。収縮率は、12%であっ
た。
同様の方法で、ポリエチレンの分子量や延伸条件を変え
ることにより、(表1)に示すような熱処理後のTD収
縮率及び厚さからなるセパレータAからYの24種のセ
パレータを作製した。
温度変化を評価するため、以下に説明する角型電池を作
製した。
池の構造図(一部断面図)を示す。
極2と負極3とセパレータ4が捲回されて、ケース5内
に非水溶媒に電解質塩を溶解した電解液(図示せず)と
ともに内蔵されており、封口板6で密閉されている。
全弁やPTC素子などの安全素子が組み込まれている
が、実施例の電池においては角型のため封口板6には一
切の安全機構は組み込まれていない。
%に対し、導電剤の炭素粉末10重量%と結着剤のポリ
弗化ビニリデン樹脂(PVdF樹脂)5重量%を混合
し、これらを脱水NMPに分散させてスラリーを作製
し、アルミ箔からなる正極集電体状に塗布し、乾燥後、
圧延して作製した。
用い、これの95重量%に対して、結着剤のPVdF樹
脂を5重量%を混合し、これらを脱水NMPに分散させ
てスラリーを作製し、銅箔からなる正極集電体状に塗布
し、乾燥後、圧延して作製した。
パレータAからMの13種のセパレータを使用した。
(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の体積
比1:1の混合溶媒にLiPF6を1モル/リットル溶
解したものを使用した。電解液量は、約2.5mlであ
る。
m、高さ48mm、厚み5mmである。本サイズで通常
市販されているものの設計容量は700mAhであり、
セパレータ4の厚みも、25から27μmのものが一般
的である。本実施例の電池は、それよりも高容量の75
0mAhを設計容量とした。このためセパレータ4の厚
みは25μmより大きくなると、捲回した極板群が、ケ
ースに確実に挿入できなかった。
電池の構造図(一部断面図)を示す。
極2と負極3とセパレータ4が捲回されて、ケース5内
に非水溶媒に電解質塩を溶解した電解液(図示せず)と
ともに内蔵されており、封口板6で密閉されている。図
1に示す封口板6とは形状が異なるが機能は同様であ
る。セパレータ4がTDをポリプロピレン(PP)製の
粘着テープ7で固定されている以外は、実施例1から3
4の電池作製と同様である。
パレータNからYの12種のセパレータを使用した。
ェニルを添加した電解液3.8mlとともに電池に組み
立てた。この電池を実施例1の電池とする。以下、(表
1)に示したセパレータAからMの13種のセパレータ
と、芳香族添加剤及びその添加量を(表2)及び(表
3)に示すよう組み合わせ、実施例2から実施例33の
電池を組み立てた。また、セパレータNを介して正・負
極板を捲回した。セパレータのTDをPP製テープで固
定し、ビフェニルを5重量%添加した電解液2.5ml
とともに電池に組み立てた。この電池を実施例34の電
池とする。さらに、(表1)に示したセパレータNから
Yまでの12種のセパレータと、芳香添加剤及びその添
加量を(表2)及び(表3)に示すよう組み合わせ、実
施例35から実施例67の電池を組み立てた。
ータAを用い、芳香族添加剤を一切添加していない電解
液とともに電池に組み立てた。これを比較例1とする。
さらに(表1)に示したセパレータAからMの13種の
セパレータと、芳香族添加剤及びその添加量を(表2)
及び(表3)に示す組み合せにて、比較例2から比較例
7の電池を組み立てた。また、実施例34の同様の方法
でセパレータNを用い、芳香族添加剤を一切添加してい
ない電解液とともに電池に組み立てた。これを比較例8
とする。さらに、(表1)に示すセパレータNからYま
での12種のセパレータと、芳香添加剤及びその添加量
を(表2)及び(表3)に示す組み合わせにて、比較例
9から比較例14の電池を組みたてた。
3個を以下に述べる方法で評価した。
ず、380mAの定電流で4.2Vになるまで充電した
後、380mAの定電流で3.0Vになるまで放電する
充放電サイクルを10サイクル繰り返した。この10サ
イクル目の放電容量を各電池の初期容量とした。83個
の全ての電池で初期容量が設計容量を満足していた。ま
た、充放電は20℃の恒温槽の中で行った。その後、各
電池を4.2Vまで380mAの定電流で充電し、さら
に750mAの定電流で3時間の過充電試験を行い、こ
の過程での電池の表面温度の測定を行い、電池の最高到
達温度を評価した。これらの結果も(表2)及び(表
3)に示す。
実施例33の電池ではセパレータが薄くなっているのも
かかわらず、異常昇温が抑えられた。すべての実施例の
電池で、電圧がかかった状態で電流が流れており、セパ
レータ内で微小な内部短絡が起こっていた。それに対し
比較例の電池は全て異常昇温が起こった。
温の寸法は同じであるのに、実施例と比較例の電池のよ
うに異常昇温の起こる電池と起こらない電池があったの
は、前述のとおりTD収縮率が違うためである。
ル、フラン、インドール、3−クロロ−チオフェン)
で、添加量が2.5重量%のものと5重量%のものは
で、効果に違いが無かった。
(実施例8、9、17、18、23、28、33)は、
すべてセパレータJか、セパレータKのものであった。
セパレータIは厚みが小さいため、内部短絡が多く発生
し、その短絡電流による温度上昇が大きかったと思われ
る。また逆に、セパレータKは厚みが厚いため、内部短
絡の発生が少なく、過充電状態が進んだため温度上昇が
大きかったと思われる。
と思われるセパレータIや、セパレータMを使用した比
較例の電池(比較例2、4、5)は、内部短絡があまり
にも多く発生し短絡電流による温度上昇が大きいため、
異常昇温が起こったと考えられる。また逆に、セパレー
タKより内部短絡が起こりにくいと思われる、セパレー
タLを使用した比較例の電池(比較例7)は、内部短絡
の発生があまりにも少なく、過充電状態が危険な状態ま
で進んだため異常昇温が起こったと考えられる。
が薄くなっているのもかかわらず、異常昇温が抑えられ
た。すべての実施例の電池で電圧がかかった状態で電流
が流れており、セパレータ内で微小な内部短絡が起こっ
ていた。それに対し、比較例の電池は、全て異常昇温が
起こった。
温の寸法は同じであるのに、実施例と比較例の電池のよ
うに異常昇温の起こる電池と起こらない電池があったの
は、前述のとおり、セパレータのTDを固定しているた
めである。
ニル、フラン、インドール、3−クロロ−チオフェン)
で、添加量が2.5重量%のものと5重量%のもので、
効果に違いが無かった。
セパレータを用いたにもかかわらず非水電解質二次電池
の高温状況下での安全性を高めることができる。
面図)
部断面図)
Claims (5)
- 【請求項1】 正極、負極、非水溶媒に電解質塩を溶解
した非水電解質、セパレータを備えた非水電解質二次電
池であって、前記非水電解質は、ビフェニル、フラン、
チオフェン及びこれらの誘導体から選択される少なくと
も1種の芳香族添加剤を混合してなり、前記セパレータ
は、多孔質ポリオレフィンからなり、さらにその機械延
伸された長手方向に25kg/cm2の引っ張り荷重を
与えた状態にて大気中120℃の温度で15分間保持し
た後において、機械延伸された幅手方向の収縮率が12
%から25%にあることを特徴とする非水電解質二次電
池。 - 【請求項2】 前記芳香族添加剤が、ビフェニル、フラ
ン、インドール及び3−クロロチオフェンからなる群か
ら少なくとも1つ選択されるものであり、前記幅手方向
の収縮率が12%から20%にある請求項1記載の非水
電解質二次電池。 - 【請求項3】 正極、負極、非水溶媒に電解質塩を溶解
した非水電解質、セパレータを備えた非水電解質二次電
池であって、前記非水電解質は、ビフェニル、フラン、
チオフェン及びこれらの誘導体から選択される少なくと
も1種の芳香族添加剤を混合してなり、前記セパレータ
は、多孔質ポリオレフィンからなり、さらにその機械延
伸された長手方向に25kg/cm2の引っ張り荷重を
与えた状態にて大気中120℃の温度で15分間保持し
た後において、機械延伸された幅手方向の収縮率が26
%から40%にあり、さらに前記セパレータは、正極、
負極の間に配した極板群において、機械延伸された幅手
方向をセパレータに比べて高い耐熱強度を有する絶縁部
材にて保持されたことを特徴とする非水電解質二次電
池。 - 【請求項4】 前記芳香族添加剤は、ビフェニル、フラ
ン、インドール及び3−クロロチオフェンから選択され
る少なくとも1つであり、TD収縮率が28%から35
%ある請求項3記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項5】 前記セパレータの厚さが8から20μm
である請求項1または3記載の非水電解質二次電池。
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